JP6139724B2 - 焙煎コーヒー豆 - Google Patents
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Description
そこで、詳細に検討した結果、この後味の違和感が生コーヒー豆や浅焙煎コーヒー豆を使用した際に生じる雑味に起因することを見出した。ここで、本明細書おいて「雑味」とは、焙煎コーヒー豆本来の風味バランスを阻害する、後に引く異味をいう。
本発明者は、これらの知見に基づき、浅焙煎コーヒー豆に起因する雑味が抑制されたコーヒー飲料とするには、浅焙煎コーヒー豆中のハイドロキノン量及びヒドロキシヒドロキノン量を制御することが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明によれば、このような焙煎コーヒー豆を簡便な操作により効率良く製造することが可能である。
また、焙煎コーヒー豆1kgあたりの(B)ヒドロキシヒドロキノンの含有量は38mg以下であるが、より一層の雑味抑制の観点から、好ましくは35mg以下、より好ましくは30mg以下、特に好ましくは25mg以下である。なお、下限は特に限定されず、0であってもよい。
焙煎コーヒー豆中のヒドロキシヒドロキノン含有量(mg/kg)=[コーヒー抽出液中のヒドロキシヒドロキノン含有量(mg/kg)]×[コーヒー抽出液の質量(kg)]/[焙煎コーヒー豆の質量(kg)]・・・(2)
焙煎コーヒー豆中のクロロゲン酸類含有量(g/100g)={[コーヒー抽出液中のクロロゲン酸類含有量(g/g)]×[コーヒー抽出液の質量(g)]/[焙煎コーヒー豆の質量(g)]}×100・・・(3)
本発明で使用する原料焙煎コーヒー豆は、L値30〜50の浅焙煎コーヒー豆であるが、雑味抑制の観点から、上限は好ましくは48、より好ましくは46であり、他方下限は好ましくは31、より好ましくは33である。
コーヒー豆の焙煎方法としては特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することが可能である。例えば、焙煎温度は好ましくは180〜300℃、更に好ましくは190〜280℃、特に好ましくは200〜280℃であり、加熱時間は所望の焙煎度が得られるように適宜設定可能である。また、焙煎装置としては、例えば、焙煎豆静置型、焙煎豆移送型、焙煎豆攪拌型等の装置が使用でき、具体的には棚式乾燥機、コンベア式乾燥機、回転ドラム型乾燥機、回転V型乾燥機等が挙げられ、加熱方式としては、直火式、熱風式、半熱風式、遠赤外線式、赤外線式、マイクロ波式、過熱水蒸気式等が挙げられる。
し、かつ(B)ヒドロキシヒドロキノン量を低減することができる。
密閉容器としては外気との接触を遮断できれば特に限定されず、例えば、レトルトパウチ、缶、ビン等を使用することができる。また、密閉容器の形状及び材質も特に限定されないが、後述するオートクレーブを用いて加熱処理する場合には、加圧に耐えうる容器を使用することが好ましい。
密閉容器の内容積は、原料焙煎コーヒー豆の嵩体積に対して、好ましくは2〜30倍、より好ましくは3〜20倍、更に好ましくは4〜10倍である。すなわち、密閉容器としては、原料焙煎コーヒー豆を密閉容器に収容したときに、該容器内に一定の空間容積を有するものが好適に使用される。
加熱処理前の密閉容器内には酸素が存在することが好ましく、大気雰囲気であることが特に好ましい。
加熱装置としては、例えば、オートクレーブや加熱可能な乾燥器を使用することができる。加熱時の雰囲気は、大気雰囲気でも、窒素等の不活性ガス雰囲気であってもよい。
加熱時間は、好ましくは0.5〜4時間、より好ましくは1〜3時間、特に好ましくは1〜2時間である。ここでいう加熱時間は、予め加熱装置を所望の温度に加熱しておく場合は、加熱装置に密閉容器を投入してからの経過時間であり、また加熱装置に密閉容器を投入後に昇温を行う場合は、所望の温度に到達してからの経過時間である。
オートクレーブを用いる場合の加圧条件は、ゲージ圧で、好ましくは0.14〜0.15MPa、より好ましくは0.141〜0.148MPa、特に好ましくは0.141〜0.145MPaである。
分析機器はHPLCを使用した。装置の構成ユニットの型番は次の通りである。
UV−VIS検出器:L−2420((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラムオーブン:L−2300((株)日立ハイテクノロジーズ)、
ポンプ:L−2130((株)日立ハイテクノロジーズ)、
オートサンプラー:L−2200((株)日立ハイテクノロジーズ)、
カラム:Cadenza CD−C18 内径4.6mm×長さ150mm、粒子径3μm(インタクト(株))。
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
UV−VIS検出器設定波長:325nm、
カラムオーブン設定温度:35℃、
溶離液A:0.05M 酢酸、0.1mM HEDPO、10mM 酢酸ナトリウム、5(V/V)%アセトニトリル溶液、
溶離液B:アセトニトリル。
時間 溶離液A 溶離液B
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
15.0分 95% 5%
20.0分 95% 5%
22.0分 92% 8%
50.0分 92% 8%
52.0分 10% 90%
60.0分 10% 90%
60.1分 100% 0%
70.0分 100% 0%
クロロゲン酸類の保持時間(単位:分)
(C1)モノカフェオイルキナ酸:5.3、8.8、11.6の計3点
(C2)モノフェルラキナ酸:13.0、19.9、21.0の計3点
(C3)ジカフェオイルキナ酸:36.6、37.4、44.2の計3点。
ここで求めた9種のクロロゲン酸類の面積値から5−カフェオイルキナ酸を標準物質とし、クロロゲン酸類含量(g/100g)を求めた。
分析機器はHPLC−電気化学検出器(クーロメトリック型)であるクーロアレイシステム(モデル5600A、米国ESA社製)を使用した。装置の構成ユニットの名称・型番は次の通りである。
アナリティカルセル:モデル5010、クーロアレイオーガナイザー、
クーロアレイエレクトロニクスモジュール・ソフトウエア:モデル5600A、
溶媒送液モジュール:モデル582、グラジエントミキサー、
オートサンプラー:モデル542、パルスダンパー、
デガッサー:Degasys Ultimate DU3003、
カラムオーブン:505、
カラム:CAPCELL PAK C18 AQ 内径4.6mm×長さ250mm 粒子径5μm((株)資生堂)。
サンプル注入量:10μL、
流量:1.0mL/min、
電気化学検出器の印加電圧:200mV、
カラムオーブン設定温度:40℃、
溶離液C:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、5(V/V)%メタノール溶液、
溶離液D:0.1(W/V)%リン酸、0.1mM 1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、50(V/V)%メタノール溶液。
時間 溶離液C 溶離液D
0.0分 100% 0%
10.0分 100% 0%
10.1分 0% 100%
20.0分 0% 100%
20.1分 100% 0%
50.0分 100% 0%
得られたピークの面積値から、ハイドロキノン(和光純薬工業(株))及びヒドロキシヒドロキノン(和光純薬工業(株))を標準物質とし、ハイドロキノン含量(mg/kg)及びヒドロキシヒドロキノン含量(mg/kg)を求めた。
試料を、色差計((株)日本電色社製 スペクトロフォトメーター SE2000)を用いて測定した。
各実施例及び比較例で得られたコーヒー抽出液の雑味について、専門パネル5名が下記の基準に基づいて評価し、その後協議により最終スコアを決定した。
5:雑味を感じない
4:わずかに雑味を感じる
3:やや雑味を感じる
2:雑味を感じる
1:非常に雑味を感じる
L34.8の原料焙煎コーヒー豆を、粉砕機(ワンダーブレンダーWB−1、大阪ケミカル(株)、以下同じ)にて粉砕し、Tyler標準篩12メッシュを通過し、かつTyler標準篩115メッシュを通過しない粉砕物を採取し、それを内容積190cm3のSOT缶(stay-on-tab缶)に20g(嵩体積41cm3)入れ、開口部を密封したのち、SOT缶をオートクレーブ(ハイクレーブHVA−85、(株)平山製作所、以下同じ)に投入し、ゲージ圧で0.145MPaの加圧下、125℃で1時間の加熱処理を行い、L28.4の焙煎コーヒー豆を得た。
次いで、得られた焙煎コーヒー豆0.5gに、抽出用水(リン酸1gと、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(HEDPO)0.03gをイオン交換水1Lに溶解した液)を80g加え、95℃以上に保持しながら10分間浸漬抽出を行い、上清を採取し、コーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液(1)に基づいて成分分析を行った。その結果を表1に示す。
さらに、焙煎コーヒー豆5gに熱水(98℃以上)100gを加え、十分に攪拌し、市販コーヒー用フィルターにてろ過し、コーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液(2)について官能試験を行った。その結果を表1に示す。
原料焙煎コーヒー豆の加熱時間を2時間に変更したこと以外は、実施例1と同様の操作によりL26.0の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
L34.8の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機にて粉砕し、Tyler標準篩12メッシュを通過し、かつTyler標準篩115メッシュを通過しない粉砕物を採取し、それを容量190mLのSOT缶に20g入れ、開口部を密封したのち、SOT缶を乾燥機(DP33、ヤマト科学(株) 、以下同じ)に投入し、常圧下、125℃で2時間の加熱処理を行い、L28.3の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
原料焙煎コーヒー豆の加熱温度を140℃、加熱時間を1時間にそれぞれ変更したこと以外は、実施例3と同様の操作によりL26.5の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
原料焙煎コーヒー豆の加熱時間を2時間に変更したこと以外は、実施例4と同様の操作によりL25.3の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
L34.8の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機にて粉砕し、Tyler標準篩12メッシュを通過し、かつTyler標準篩115メッシュを通過しない粉砕物を採取した。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
L34.8の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機にて粉砕し、Tyler標準篩12メッシュを通過し、かつTyler標準篩115メッシュを通過しない粉砕物を採取し、それを乾燥機に投入し、常圧下、125℃で2時間の加熱処理を行い、L32.9の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
原料焙煎コーヒー豆の加熱温度を140℃、加熱時間を1時間にそれぞれ変更したこと以外は、比較例2と同様の操作によりL31.6の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
原料焙煎コーヒー豆の加熱時間を2時間に変更したこと以外は、比較例3と同様の操作によりL27.9の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表1に示す。
L35.6の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例1と同様の操作によりL28.2の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L35.6の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作によりL25.8の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L35.6の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例3と同様の操作によりL28.9の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L38.5の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例6と同様の操作によりL30.1の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L45.6の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例6と同様の操作によりL34.9の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L42.4の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例6と同様の操作によりL31.8の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
原料焙煎コーヒー豆の加熱温度を115℃に変更したこと以外は、実施例6と同様の操作によりL32.8の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L28.3の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機にて粉砕し、Tyler標準篩12メッシュを通過し、かつTyler標準篩115メッシュを通過しない粉砕物を採取した。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L35.6の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機にて粉砕し、Tyler標準篩12メッシュを通過し、かつTyler標準篩115メッシュを通過しない粉砕物を採取した。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L30.8の原料焙煎コーヒー豆を粉砕機にて粉砕し、Tyler標準篩12メッシュを通過し、かつTyler標準篩115メッシュを通過しない粉砕物を採取した。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
L52.2の原料焙煎コーヒー豆を用いたこと以外は、実施例6と同様の操作によりL38.4の焙煎コーヒー豆を得た。
得られた焙煎コーヒー豆について、実施例1と同様の操作にて成分分析と官能試験を行った。その結果を表2に示す。
Claims (4)
- L値が25〜38であり、
焙煎コーヒー豆1kgあたりの(A)ハイドロキノンの含有量が7.1mg以上、且つ(B)ヒドロキシヒドロキノンの含有量が38mg以下であり、
(A)ハイドロキノンと(B)ヒドロキシヒドロキノンとの含有質量比[(B)/(A)]が0.1〜2であり、
焙煎コーヒー豆100g当たりの(C)クロロゲン酸類の含有量が3.8g以上である、
焙煎コーヒー豆。 - 焙煎コーヒー豆1kgあたりの(A)ハイドロキノンの含有量が7.1〜30mgである、請求項1記載の焙煎コーヒー豆。
- 焙煎コーヒー豆100g当たりの(C)クロロゲン酸類の含有量が3.8〜7gである、請求項1又は2記載の焙煎コーヒー豆。
- (B)ヒドロキシヒドロキノンと(C)クロロゲン酸類との含有質量比[(B)/(C)]が8×10 -4 以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の焙煎コーヒー豆。
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