JP6140066B2 - 半導体加工用シート - Google Patents
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Description
本実施形態に係る半導体加工用シートは、基材と、基材の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを備えて構成される。本実施形態に係る半導体加工用シートは、例えば、バックグラインドシート、ダイシングシート、ピックアップ後のチップを移し替えるためのシートなどとして用いることができるが、以下、バックグラインドシート(半導体ウエハ表面保護シート)として使用される場合を中心に説明する。
本実施形態に係る半導体加工用シートの基材は、半導体加工用シートがバックグラインド工程などの所望の工程において適切に機能できる限り、その構成材料は特に限定されず、通常は樹脂系の材料を主材とするフィルムから構成される。そのフィルムの具体例として、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム等のエチレン系共重合フィルム;低密度ポリエチレン(LDPE)フィルム、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム、高密度ポリエチレン(HDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、エチレン−ノルボルネン共重合体フィルム、ノルボルネン樹脂フィルム等のポリオレフィン系フィルム;ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム等のポリ塩化ビニル系フィルム;ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステル系フィルム;ポリウレタンフィルム;ポリイミドフィルム;ポリスチレンフィルム;ポリカーボネートフィルム;フッ素樹脂フィルムなどが挙げられる。またこれらの架橋フィルム、アイオノマーフィルムのような変性フィルムも用いられる。上記の基材はこれらの1種からなるフィルムでもよいし、さらにこれらを2種類以上組み合わせた積層フィルムであってもよい。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸およびメタクリル酸の両方を意味する。他の類似用語についても同様である。
本実施形態に係る半導体加工用シートが備える粘着剤層は、エネルギー線硬化性粘着成分(A)と、4級アンモニウム塩およびエネルギー線硬化性基を有するポリマー(B)(以下「エネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)」という場合がある。)とを含有する粘着剤組成物(以下「粘着剤組成物P」という場合がある。)を、エネルギー線照射によって硬化させたものである。なお、エネルギー線硬化性粘着成分(A)は、4級アンモニウム塩およびエネルギー線硬化性基を有するポリマー(B)を含まないものとする。また、本実施形態における粘着剤組成物Pは、後述する架橋剤(C)を含有することが好ましい。
エネルギー線硬化性粘着成分(A)は、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)を含有するものであるか、エネルギー線硬化性を有しないアクリル系重合体(A2)およびエネルギー線硬化性化合物(A3)を含有するものであることが好ましく、特に、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)を含有するものであることが好ましい。側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)を使用することにより、エネルギー線硬化によってエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)を架橋構造に取り込み易く、半導体加工用シートの剥離時における被着体の汚染をより効果的に抑制することができる。なお、本明細書における「重合体」には「共重合体」の概念も含まれるものとする。
本実施形態におけるエネルギー線硬化性粘着成分(A)が側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)を含有する場合、かかるアクリル系重合体(A1)は、粘着剤組成物Pにそのまま含有されていてもよく、また少なくともその一部が後述する架橋剤(C)と架橋反応を行って架橋物として含有されていてもよい。
本実施形態における粘着剤層を形成する粘着剤組成物Pがエネルギー線硬化性を有しないアクリル系重合体(A2)を含有する場合、当該アクリル系重合体(A2)は、粘着剤組成物Pにそのまま含有されていてもよく、また少なくともその一部が後述する架橋剤(C)と架橋反応を行って架橋物として含有されていてもよい。
エネルギー線硬化性粘着成分(A)は、エネルギー線硬化性を有しないアクリル系重合体(A2)を含有する場合、エネルギー線硬化性化合物(A3)を合わせて含有する。エネルギー線硬化性化合物(A3)は、エネルギー線硬化性基を有し、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合する化合物である。
本実施形態における粘着剤層を形成する粘着剤組成物Pは、前述したエネルギー線硬化性粘着成分(A)に加えて、エネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)を含有する。
本実施形態における粘着剤層を形成する粘着剤組成物Pは、前述したように、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)またはアクリル系重合体(A2)と反応し得る架橋剤(C)を含有してもよい。この場合には、本実施形態における粘着剤層は、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)またはアクリル系重合体(A2)と架橋剤(C)との架橋反応により得られた架橋物を含有する。
本実施形態における粘着剤層を形成する粘着剤組成物Pは、上記の成分に加えて、光重合開始剤、染料や顔料等の着色材料、難燃剤、フィラーなどの各種添加剤を含有してもよい。
本実施形態における粘着剤層は、以上説明した粘着剤組成物Pをエネルギー線照射により硬化させたものである。粘着剤組成物Pに対するエネルギー線照射により、エネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)は架橋構造に取り込まれ、粘着剤層からのブリードアウトが抑制されるとともに、パーティクルが発生し難くなり、被着体の汚染を抑制することができる。
(1)厚さ
本実施形態における粘着剤層の厚さは、5〜50μmであることが好ましく、特に7〜40μmであることが好ましく、さらには10〜20μmであることが好ましい。粘着剤層の厚さが5μm未満であると、粘着剤層の粘着性のばらつきが大きくなるといった問題が生じるおそれがある。一方、粘着剤層の厚さが50μmを超えると、端部から粘着剤の染み出しが発生したり、希釈溶剤を完全に乾燥できないなどの製造工程で不具合が発生するおそれがある。
粘着剤層の表面抵抗率は、9.0×1013Ω/□以下であることが好ましく、1.0×108〜7.0×1013Ω/□であることが特に好ましく、1.0×1011〜5.0×1013Ω/□であることがさらに好ましい。粘着剤層の表面抵抗率がかかる範囲にあることにより、好ましい帯電防止性が得られる。
粘着剤層の剥離帯電圧の絶対値は、250V以下であることが好ましく、200V以下であることがより好ましく、100V以下であることが特に好ましく、70V以下であることがさらに好ましい。粘着性組成物Pをエネルギー線硬化して得られる粘着剤層によれば、剥離帯電圧を上記の範囲にすることができ、優れた帯電防止性が発揮される。剥離帯電圧が上記の範囲にあることにより、本実施形態に係る半導体加工用シートを半導体ウエハ、半導体チップ等の被着体から剥離したときに、半導体ウエハ、半導体チップ等の回路が剥離帯電により破壊されるのを効果的に防止することができる。
本実施形態に係る半導体加工用シートの粘着力は、100〜5000mN/25mmであることが好ましく、500〜3000mN/25mmであることがより好ましく、600〜1700mN/25mmであることが特に好ましい。エネルギー線照射後の粘着力が上記の範囲内にあることで、被着体の処理工程において被着体を固定することができるとともに、半導体加工用シートを被着体から問題なく剥離することができる。
本実施形態に係る半導体加工用シートは、被着体に粘着剤層を貼付するまでの間、粘着剤層を保護する目的で、粘着剤層の基材側の面と反対側の面に、剥離シートが積層されていてもよい。剥離シートの構成は任意であり、プラスチックフィルムを剥離剤等により剥離処理したものが例示される。プラスチックフィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、およびポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。剥離剤としては、シリコーン系、フッ素系、長鎖アルキル系等を用いることができるが、これらの中で、安価で安定した性能が得られるシリコーン系が好ましい。剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜250μm程度である。
本実施形態に係る半導体加工用シートは、一例として、粘着剤組成物Pからなる層(以下「硬化前粘着剤層」という場合がある。)を剥離シートの剥離面に形成した後、当該硬化前粘着剤層と基材とを貼合し、次いでエネルギー線を照射して硬化前粘着剤層を硬化させ、粘着剤層を形成することにより、粘着剤層の基材側と反対側に剥離シートが積層された半導体加工用シートとして製造することができる。また、他の例として、粘着剤組成物Pからなる硬化前粘着剤層を基材の所望の面に形成した後、当該硬化前粘着剤層に対してエネルギー線を照射して、当該硬化前粘着剤層を硬化させて粘着剤層を形成することにより、本実施形態に係る半導体加工用シートを製造することができる。
本実施形態に係る半導体加工用シートは、前述した通り、バックグラインドシート(半導体ウエハ表面保護シート)、ダイシングシート、ピックアップ後のチップを移し替えるためのシートなどとして用いることができる。
(1)側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体の調製
アクリル酸n−ブチル74質量部(固形分換算値;以下同じ)、メタクリル酸メチル20質量部およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル6質量部を共重合させ、官能基含有アクリル系重合体(A1−1)を得た。この官能基含有アクリル系重合体(A1−1)に、アクリル酸2−ヒドロキシエチルのヒドロキシ基に対するモル当量が50%となるように、硬化性基含有化合物(A1−2)としての2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させた。具体的には、官能基含有アクリル系重合体(A1−1)100質量部に対し、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート3質量部を反応させ、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)を得た。このアクリル系重合体(A1)の分子量を測定したところ、重量平均分子量60万であった。
4級アンモニウム塩モノマー(B1)としての[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウム ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド45質量部、反応性官能基含有モノマー(B2)としてのメタクリル酸5質量部、ならびに重合性モノマー(B3)としてのアクリル酸2−エチルヘキシル38質量部およびアクリル酸2−ヒドロキシエチル5質量部を共重合した。得られた重合体に、硬化性基含有化合物(B4)としてのメタクリル酸グリシジル7質量部を反応させ、エネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)(側鎖にメタクリロイル基および4級アンモニウム塩を有する。)を得た。このエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)の単位質量あたりのエネルギー線硬化性基の含有量は、4.92×10−2モル/gであった。また、このエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)の分子量を測定したところ、重量平均分子量3万であった。
上記工程(1)で得られた側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体(A1)100質量部、上記工程(2)で得られたエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)2.5質量部、光重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製,製品名「イルガキュア184」)3質量部、および架橋剤(C)としてのトリエチレンジイソシアネート系架橋剤(東洋インキ社製,製品名「BHS−8515」)0.5質量部を混合し、十分に撹拌して、メチルエチルケトンで希釈することにより、粘着剤組成物Pの塗布溶液を得た。
実施例1においてエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)の配合量を5質量部に変更する以外、実施例1と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例1においてエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)の配合量を10質量部に変更する以外、実施例1と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例1においてエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)の配合量を20質量部に変更する以外、実施例1と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例1において紫外線照射を行わなかった以外、実施例1と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例2において紫外線照射を行わなかった以外、実施例2と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例3において紫外線照射を行わなかった以外、実施例3と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例4において紫外線照射を行わなかった以外、実施例4と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例1においてエネルギー線硬化性帯電防止ポリマー(B)を配合しなかった以外、実施例1と同様にして半導体加工用シートを製造した。
実施例および比較例にて製造した半導体加工用シートを100mm×100mmに裁断し、これをサンプルとした。23±2℃、50±2%RHの環境下、サンプルから剥離シートを剥離し、高抵抗率計(三菱化学社製,HIRESTA−UP MCP−HT450)を用いて、JIS K6911に準拠して粘着剤層の露出面の表面抵抗率を測定した。測定開始から30秒後の値を読み取り、それを粘着剤層の表面抵抗率(Ω/□)とした。結果を表1に示す。
実施例および比較例にて製造した半導体加工用シートから剥離シートを剥離し、ラミネーター(リンテック社製,製品名「RAD3510F/12」)を用いて、粘着剤層を厚さ760μm、シリコン製のベアウエハの表面(回路面)に貼付した。そして、グラインダー(ディスコ社製,製品名「グラインダーDGP8760」)を使用して、厚さが200μmになるまでベアウエハの裏面(半導体加工用シートが貼付されていない面)を研削し、シリコンウエハとした。その後、シリコンウエハの研削面に、マウンター(リンテック社製,製品名「RAD−2700」)を使用して、ダイシングテープ(リンテック社製,製品名「D−175」)を貼付した。
クリーンルーム内、室温下にて、実施例および比較例にて製造した半導体加工用シートから剥離シートを剥離し、粘着剤層を6インチシリコンウエハの鏡面に重ね合わせ、5kgのローラーを1往復させることにより荷重をかけて貼合し、60分放置した、その後、シリコンウエハから、剥離速度300mm/min、剥離角度180°にて半導体加工用シートを剥離したのち、ウエハ表面検査装置(日立エンジニアリング社製,製品名「S6600」)を用い、シリコンウエハ上における最大径0.27μm以上のパーティクルの個数を測定した。このパーティクルの個数が、200個以下であればウエハ汚染が抑制されており、200個を超えるとウエハ汚染が抑制されていないと判断される。結果を表1に示す。
室温下にて、実施例および比較例にて製造した半導体加工用シートから剥離シートを剥離し、粘着剤層を6インチシリコンウエハの鏡面に重ね合わせ、5kgのローラーを1往復させることにより荷重をかけて貼合し、60分放置した、その後、シリコンウエハから、剥離速度300mm/min、剥離角度180°にて半導体加工用シートを剥離し、JIS Z0237:2009に準じた180°引き剥がし法により、粘着力(mN/25mm)を測定した。結果を表1に示す。
Claims (9)
- 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に積層された粘着剤層とを備えた半導体加工用シートであって、
前記粘着剤層は、4級アンモニウム塩およびエネルギー線硬化性基を有するポリマーと、エネルギー線硬化性粘着成分(前記ポリマーを除く)とを含有する粘着剤組成物を、エネルギー線照射によって硬化させたものである
ことを特徴とする半導体加工用シート。 - 前記粘着剤組成物における前記ポリマーの含有量は、0.5〜65質量%であることを特徴とする請求項1に記載の半導体加工用シート。
- 前記ポリマーの重量平均分子量は、1万〜20万であることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体加工用シート。
- 前記ポリマーは、前記エネルギー線硬化性基として(メタ)アクリロイル基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体加工用シート。
- 前記ポリマーの単位質量あたりの前記エネルギー線硬化性基の含有量は、5×10−5〜1×10−1モル/gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体加工用シート。
- 前記エネルギー線硬化性粘着成分は、側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体加工用シート。
- 前記側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体は、官能基を含有する官能基含有モノマーを構成成分とする官能基含有アクリル系重合体と、当該官能基と反応する置換基およびエネルギー線硬化性炭素−炭素二重結合を有する硬化性基含有化合物とを反応させて得られたものであり、
前記官能基含有アクリル系重合体における、当該官能基含有アクリル系重合体全体の質量に占める前記官能基含有モノマー由来の構造部分の質量の割合は、0.1〜50質量%であり、
前記側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体は、前記硬化性基含有化合物に由来する硬化性基を、前記置換基と反応する前記官能基に対して、20〜120モル%含有する
ことを特徴とする請求項6に記載の半導体加工用シート。 - 前記側鎖にエネルギー線硬化性基が導入されたアクリル系重合体は、カルボキシ基を実質的に含有しないことを特徴とする請求項6または7に記載の半導体加工用シート。
- 前記粘着剤組成物は、さらに架橋剤を含有し、
前記エネルギー線硬化性粘着成分は、架橋構造を形成している
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体加工用シート。
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