JP6140484B2 - ランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物、並びにランプリフレクター - Google Patents
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Description
そこで、この問題を解決するために様々な低比重化方法が開発されている。代表的な方法としては、無機充填材や繊維強化材の含有量を低減すると共に、ガラスバルーンやシリカバルーン等の中空フィラーを添加する方法がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、本発明は、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、照射方向のズレを抑制することができるランプリフレクターを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[5]である。
[3]セルフタップ強度が1.7N・m以上の成形物を与えることを特徴とする[1]又は[2]に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
[5][4]の成形物を基材として有することを特徴とするランプリフレクター。
また、本発明によれば、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、照射方向のズレを抑制することができるランプリフレクターを提供することができる。
本発明に用いられる不飽和ポリエステルとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。不飽和ポリエステルは、一般的に、多価アルコールを不飽和多塩基酸や飽和多塩基酸と重縮合(エステル化)させて得られた化合物であり、所望の特性に応じて適宜選択して用いればよい。
カラム:昭和電工製LF−804
カラム温度:40℃
試料:共重合体の0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
流量:1mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI−71S
不飽和ポリエステルの合成に用いられる飽和多塩基酸としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。飽和多塩基酸の例としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは、単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、耐熱性、機械的強度及び成形性等の観点から、不飽和多塩基酸が好ましく、無水マレイン酸及びフマル酸がより好ましい。
架橋剤の配合量は、特に限定されないが、作業性、重合性、成形品の収縮性及び量調整の自由度の観点から、不飽和ポリエステル及び架橋剤の合計100質量部に対して、好ましくは25〜70質量部、より好ましくは35〜65質量部である。
また、無機充填材の平均粒子径は、成形性の観点から、より好ましくは0.7μm以上である。他方、無機充填材の平均粒子径は、成形物の表面平滑性及び機械的特性の観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。無機充填材の平均粒子径が15μmを超えると、成形物の表面平滑性及び機械的強度が著しく低下するか、或いは不飽和ポリエステル樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が悪くなることがある。
ここで、本明細書における無機充填材の「平均粒子径」とは、空気透過法によって求めた比表面積から計算によって求めた粒子径を意味する。
平均粒子径=(6×10000)/(真比重×比表面積)
中空フィラーとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。中空フィラーの例としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、アルミナバルーン等が挙げられる。
中空フィラーの平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは30μm以下である。ここで、本明細書における中空フィラーの「平均粒子径」とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における粒子径を意味する。
ここで、本明細書において「中空フィラーの耐圧強度」とは、ASTM D−3102に基づいて中空フィラーに圧力を加えた際に、中空フィラーの90vol%が破壊せずに残存する圧力のことを意味する。
シランカップリング剤としては、メタクリル系シランカップリング剤、スチリル系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤及びアクリル系シランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
スチリル系シランカップリング剤とは、スチリル基を有するシランカップリング剤のことを意味し、その例としては、p−スチリルトリメトキシシランが挙げられる。
ビニル系シランカップリング剤とは、ビニル基を有するシランカップリング剤のことを意味し、その例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
アクリル系シランカップリング剤とは、アクリロキシ基を有するシランカップリング剤のことを意味し、その例としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
ここで、セルフタップ強度は、一般に、中空フィラーの配合量が多くなるほど低下する傾向にある。特に、表面処理を施していない中空フィラーを用いた場合には、配合量が15質量%以上になると、セルフタップ強度が著しく低下してしまう。その結果、成形物をランプリフレクターの基材として用いた場合、ランプの組み立て時や使用時にセルフタップ部の破壊が起こってしまう。
低収縮剤としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエン系ゴム等の低収縮剤として一般に使用されている熱可塑性ポリマーが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物、及びイソシアネート化合物等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物における各成分の配合量は、組成物中の中空フィラーの含有量が15〜22質量%であり、不飽和ポリエステル及び架橋剤の合計100質量部に対して、好ましくは架橋剤が25〜70質量部、無機充填材が40〜250質量部、繊維強化材が60〜105質量部であり、より好ましくは架橋剤が35〜65質量部、無機充填材が50〜200質量部、繊維強化材が70〜95質量部である。
このようにして製造される本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、表面処理を施した中空フィラーを特定の割合で配合しているので、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化(成形品比重1.4未満)とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を与えることができる。
このようにして製造される成形物のセルフタップ強度は、好ましくは1.7N・m以上である。セルフタップ強度が1.7N・m未満であると、セルフタッピングネジを用いて締着固定する際に、セルフタップ部が破壊することがある。
金属反射層の材料としては、ランプリフレクターに使用されるものであれば特に限定されず、例えば、銀や亜鉛、銀や亜鉛を主体とした合金等を用いることができる。
金属反射層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、真空蒸着法等の公知の方法を使用することができる。
金属反射層の厚さは、要求されるランプリフレクターの大きさ等にあわせて適宜設定すればよいが、一般に800〜2,000Åである。
プライマー層としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて形成すればよい。例えば、基材上にプライマー組成物を塗布及び乾燥することによってプライマー層を形成することができる。プライマー組成物を基材上に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、エアースプレー方式やエアレススプレー方式等の公知の方法を使用することができる。また、乾燥方法も、プライマー組成物の組成や塗布方法にあわせて温度等を適宜調整すればよい。
プライマー層の厚さは、要求されるランプリフレクターの大きさ等にあわせて適宜設定すればよいが、一般に10〜30μmである。
下記の実施例及び比較例の不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物における各種物性は、次のようにして評価した。
(1)成形収縮率
成形温度150℃、射出圧力30MPa、成形時間3分の条件下にて射出成形を行うことによってJIS K6911に規定される収縮円盤を作製し、JIS K6911 5.7に基づいて成形収縮率を算出した。
(2)比重
成形温度150℃、射出圧力30MPa、成形時間3分の条件下にて射出成形を行うことによってJIS K6911に規定される収縮円盤を作製した後、試験片を切り出し、JIS K6911に基づいて比重を測定した。
成形温度150℃、成形圧力10MPa、成形時間3分の条件下にて圧縮成形を行うことによってJIS K6911に規定される曲げ強さ及び曲げ弾性率試験片を作製し、JIS K6911に基づいて曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。
(4)成形物評価(外観)
成形温度140℃、射出圧力25MPa、成形時間1分の条件下にてトランスファー成形を行うことによってトランスファー成形物(円盤状、直径117mm、厚さ3mm(均一))を作製した。この成形物について、外観レベリング及び充填性を目視で評価した。この評価において良好であったものを○、やや劣るものを△、不良のものを×として表した。
成形温度150℃、射出圧力50MPa、成形時間2分の条件下にて射出成形を行うことによってセルフタップ用ボス形状試験片(ボス外径φ8mm、下穴径φ3.6mm)を作製した。
次に、この試験片を、ネジ径「M4」の2種タッピングみぞ付ネジ(L=12mm)で締め付けた際に発生する破壊時の締め付けトルク強度をトルクドライバー(株式会社ハイオス製デジタルトルクテスター「HDP−50」)にて測定した。この評価において、タップ強度が満足できるものを○、満足できないものを×として表した。
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた4口フラスコに、フマル酸とプロピレングリコールと水素化ビスフェノールAとを100:80:20のモル比で入れ、窒素気流下で加熱撹拌しながら230℃まで昇温して、常法の手順によりエステル化反応を行なうことで不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステルの重量平均分子量(MW)を前記の条件にて測定したところ、10,000であった。
耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンを3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(A)を得た。
耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンをp−スチリルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(B)を得た。
耐圧強度80MPa及び比重0.6のガラスバルーンをビニルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(C)を得た。
耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンを3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(D)を得た。
なお、比較のために、耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンをそのまま用いた。このガラスバルーンを中空フィラー(未処理)として表す。
上記で得られた不飽和ポリエステル及び中空フィラーと表1に示す各成分とを、表1に示す割合にて、双碗型ニーダーを用いて30℃で混練することによって不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。なお、表1において、各成分の配合量の単位は質量部である。
このようにして得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物について上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
これに対して比較例1〜3の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、表面処理を施していない中空フィラーを用いたため、成形物のセルフタップ強度が低下してしまった。また、比較例4の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、中空フィラーの含有量を低減することによって成形物のセルフタップ強度を保持することができたものの、成形物の低比重化が十分でなかった。さらに、比較例5の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、当該組成物中の中空フィラーの割合が多すぎたため、成形物のセルフタップ強度及び成形物外観が低下してしまった。
Claims (5)
- 不飽和ポリエステル、架橋剤、無機充填材、中空フィラー及び繊維強化材を含むランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、
前記中空フィラーは、シランカップリング剤による表面処理が施されており、且つ前記ランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物中の前記中空フィラーの含有量が15〜22質量%であることを特徴とするランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。 - 前記シランカップリング剤は、メタクリル系シランカップリング剤、スチリル系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤及びアクリル系シランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
- セルフタップ強度が1.7N・m以上の成形物を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物の成形硬化体であることを特徴とする成形物。
- 請求項4に記載の成形物を基材として有することを特徴とするランプリフレクター。
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