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JP6140484B2 - ランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物、並びにランプリフレクター - Google Patents
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JP6140484B2 - ランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物、並びにランプリフレクター - Google Patents

ランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物、並びにランプリフレクター Download PDF

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Description

本発明は、車両のヘッドランプやフォグランプ等の各種ランプに使用されるランプリフレクター、並びにランプリフレクターの製造に使用されるランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物に関する。
不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材及び繊維強化材を含む不飽和ポリエステル樹脂組成物(バルクモールディングコンパウンド:BMC)は、その優れた特性(例えば、機械的強度、剛性、表面平滑性、寸法精度、耐熱性、成形性)により、OA機器・事務機器のシャーシや、ヘッドランプに代表されるランプリフラクター等の各種用途において広く使用されている。
しかしながら、従来の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、機械的強度、剛性、表面平滑性、寸法精度及び耐熱性に優れた成形物を硬化成形によって得ることができる一方、これらの優れた特性を保持するために無機充填材及び繊維強化材の含有量を多くする必要がある結果、成形物比重が増大するという問題があった。また一般に、不飽和ポリエステル樹脂は、熱可塑性樹脂に比べて比重の高い成形物を与えるため、これまで利用範囲が制限されてきた。
そこで、この問題を解決するために様々な低比重化方法が開発されている。代表的な方法としては、無機充填材や繊維強化材の含有量を低減すると共に、ガラスバルーンやシリカバルーン等の中空フィラーを添加する方法がある(例えば、特許文献1及び2参照)。
ところで、ランプは様々な部品から構成されており、その部品の1つであるランプリフレクターは、セルフタッピングネジを用いて他の部品(例えば、ランプリフレクターを固定する部品、バルブを固定する部品、光を調整するフード等)と締着固定される。特に、ランプリフレクターは、光源からの光を決められた方向に照射するための重要な部品であり、照射方向のズレを抑えるためにはランプリフレクターを決められた位置に固定する必要がある。
特開2001−261954号公報 特許第4404539号公報
しかしながら、従来の方法によって得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低比重の成形物を与えるものの、成形物のセルフタップ強度が十分でない。そのため、この成形物をランプリフレクターの基材として用いた場合、ランプの組み立て時や使用時にセルフタップ部の破壊が起こり、ランプリフレクターの固定ができなくなる。その結果、ランプの照射方向が定まり難くなり、光源からの光を決められた方向に照射するというランプリフレクターとしての基本的機能を安定して得ることができない。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を与えるランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、照射方向のズレを抑制することができるランプリフレクターを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の問題を解決すべく鋭意研究した結果、セルフタップ強度の低下が中空フィラーの配合に起因しており、中空フィラーをシランカップリング剤で表面処理することによって中空フィラーと樹脂成分との密着性を高めてセルフタップ強度を向上させると共に、中空フィラーの配合量を特定することによって低比重化とセルフタップ強度の向上とのバランスを改善し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[]である。
[1]不飽和ポリエステル、架橋剤、無機充填材、中空フィラー及び繊維強化材を含むランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、前記中空フィラーは、シランカップリング剤による表面処理が施されており、且つ前記ランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物中の前記中空フィラーの含有量が15〜22質量%であることを特徴とするランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物
[2]前記シランカップリング剤は、メタクリル系シランカップリング剤、スチリル系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤及びアクリル系シランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする[1]に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
[3]セルフタップ強度が1.7N・m以上の成形物を与えることを特徴とする[1]又は[2]に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物の成形硬化体であることを特徴とする成形物。
[5][4]の成形物を基材として有することを特徴とするランプリフレクター。
本発明によれば、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を与えるランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することができる。
また、本発明によれば、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を提供することができる。
さらに、本発明によれば、照射方向のズレを抑制することができるランプリフレクターを提供することができる。
本発明のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物(以下、「不飽和ポリエステル樹脂組成物」と略す。)は、不飽和ポリエステル、架橋剤、無機充填材、中空フィラー及び繊維強化材を含む。以下、各成分について説明する。
本発明に用いられる不飽和ポリエステルとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。不飽和ポリエステルは、一般的に、多価アルコールを不飽和多塩基酸や飽和多塩基酸と重縮合(エステル化)させて得られた化合物であり、所望の特性に応じて適宜選択して用いればよい。
不飽和ポリエステルの重量平均分子量(MW)は、特に限定されないが、好ましくは5,000〜20,000である。なお、本明細書において「重量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(昭和電工株式会社製Shodex GPC−101)を用いて下記条件にて常温で測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めた値のことを意味する。
カラム:昭和電工製LF−804
カラム温度:40℃
試料:共重合体の0.2質量%テトラヒドロフラン溶液
流量:1mL/分
溶離液:テトラヒドロフラン
検出器:RI−71S
不飽和ポリエステルの合成に用いられる多価アルコールとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールA、グリセリン等が挙げられる。これらの中でも、耐熱性、機械的強度及び成形性の観点から、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、及びビスフェノールA又は水素化ビスフェノールAが好ましい。これらの多価アルコールは、単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
不飽和ポリエステルの合成に用いられる不飽和多塩基酸としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。不飽和多塩基酸の例としては、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。これらは、単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
不飽和ポリエステルの合成に用いられる飽和多塩基酸としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。飽和多塩基酸の例としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘット酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。これらは、単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
上記の中でも、耐熱性、機械的強度及び成形性等の観点から、不飽和多塩基酸が好ましく、無水マレイン酸及びフマル酸がより好ましい。
不飽和ポリエステルは、上記のような原料を用いて公知の方法で合成することができる。この合成における各種条件は、使用する原料やその量に応じて適宜設定する必要があるが、一般的に、窒素等の不活性ガス気流中、140〜230℃の温度にて加圧又は減圧下でエステル化させればよい。このエステル化反応では、必要に応じてエステル化触媒を使用することができる。触媒の例としては、酢酸マンガン、ジブチル錫オキサイド、シュウ酸第一錫、酢酸亜鉛、及び酢酸コバルト等の公知の触媒が挙げられる。これらは、単独又は複数を組み合わせて用いることができる。
本発明に用いられる架橋剤としては、不飽和ポリエステルと重合可能な重合性二重結合を有しているものであれば特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。架橋剤の例としては、スチレンモノマー、ジアリルフタレートモノマー、ジアリルフタレートプレポリマー、メタクリル酸メチル、トリアリルイソシアヌレート等が挙げられる。
架橋剤の配合量は、特に限定されないが、作業性、重合性、成形品の収縮性及び量調整の自由度の観点から、不飽和ポリエステル及び架橋剤の合計100質量部に対して、好ましくは25〜70質量部、より好ましくは35〜65質量部である。
本発明に用いられる無機充填材としては、特に限定されないが、後述の中空フィラー以外のものであり、当該技術分野において公知のものを用いることができる。無機充填材の例としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、ワラストナイト、クレー、タルク、マイカ、無水ケイ酸等が挙げられる。中でも、表面平滑性及び耐熱性の観点から、炭酸カルシウムが好ましい。
無機充填材の平均粒子径は、特に限定されないが、0.5μm以上であることが好ましい。無機充填材の平均粒子径が0.5μm未満であると、不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高くなって成形性が低下したり、中空フィラーの破壊が起こって成形物の比重が高くなることがある。
また、無機充填材の平均粒子径は、成形性の観点から、より好ましくは0.7μm以上である。他方、無機充填材の平均粒子径は、成形物の表面平滑性及び機械的特性の観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。無機充填材の平均粒子径が15μmを超えると、成形物の表面平滑性及び機械的強度が著しく低下するか、或いは不飽和ポリエステル樹脂組成物の流動性が低下し、成形性が悪くなることがある。
ここで、本明細書における無機充填材の「平均粒子径」とは、空気透過法によって求めた比表面積から計算によって求めた粒子径を意味する。
平均粒子径=(6×10000)/(真比重×比表面積)
無機充填材の配合量は、特に限定されないが、不飽和ポリエステル及び架橋剤の合計100質量部に対して、好ましくは40〜250質量部、より好ましくは50〜200質量部である。無機充填材の配合量が40質量部未満であると、成形性が低下し、成形物に巣や繊維強化材の浮き等が発生して十分な表面平滑性が得られなかったり、機械的強度が著しく低下することがある。無機充填材の配合量が250質量部を超えると、成形物の比重が高くなる。
本発明に用いられる中空フィラーは、樹脂成分(不飽和ポリエステル及び架橋剤)との密着性を高めるために、表面処理が施されている必要がある。中空フィラーは、一般に表面が平滑な真球状であるため、表面処理が施されていない場合、樹脂成分と中空フィラーとの密着性が弱くなる結果、所望のセルフタップ強度が得られない。
中空フィラーとしては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。中空フィラーの例としては、ガラスバルーン、シリカバルーン、アルミナバルーン等が挙げられる。
中空フィラーの平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは30μm以下である。ここで、本明細書における中空フィラーの「平均粒子径」とは、レーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における粒子径を意味する。
中空フィラーの耐圧強度は、特に限定されないが、好ましくは55MPa以上である。耐圧強度が55MPa未満であると、機械的強度が低下し、不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造時及び成形時に中空フィラーが破壊され、成形品の比重が高くなることがある。
ここで、本明細書において「中空フィラーの耐圧強度」とは、ASTM D−3102に基づいて中空フィラーに圧力を加えた際に、中空フィラーの90vol%が破壊せずに残存する圧力のことを意味する。
中空フィラーの比重は、特に限定されないが、好ましくは0.3〜0.7である。中空フィラーの比重が0.3未満である場合、中空フィラーの耐圧強度が十分でないことが多く、不飽和ポリエステル樹脂組成物の製造時及び成形時に中空フィラーが破壊され、成形品の比重が高くなることがある。一方、中空フィラーの比重が0.7を超えると、低比重化が十分でないことがある。
中空フィラーの表面処理としては、樹脂成分(不飽和ポリエステル及び架橋剤)との密着性を高め得る方法であれば特に限定されない。中空フィラーの表面処理の例としては、シランカップリング剤による表面処理が挙げられる。具体的には、中空フィラーの表面にシランカップリング剤を塗布すればよい。
シランカップリング剤としては、メタクリル系シランカップリング剤、スチリル系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤及びアクリル系シランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
メタクリル系シランカップリング剤とは、メタクリロキシ基を有するシランカップリング剤のことを意味し、その例としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランが挙げられる。
スチリル系シランカップリング剤とは、スチリル基を有するシランカップリング剤のことを意味し、その例としては、p−スチリルトリメトキシシランが挙げられる。
ビニル系シランカップリング剤とは、ビニル基を有するシランカップリング剤のことを意味し、その例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランが挙げられる。
アクリル系シランカップリング剤とは、アクリロキシ基を有するシランカップリング剤のことを意味し、その例としては、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
不飽和ポリエステル樹脂組成物中の中空フィラーの配合量は、15〜22質量%である。低比重化の観点からは17〜22質量%が好ましく、セルフタップ強度の観点からは15〜20質量%が好ましい。中空フィラーの配合量が15質量%未満であると、低比重化が十分でない。一方、中空フィラーの配合量が22質量%を超えると、所望のセルフタップ強度が得られない。
ここで、セルフタップ強度は、一般に、中空フィラーの配合量が多くなるほど低下する傾向にある。特に、表面処理を施していない中空フィラーを用いた場合には、配合量が15質量%以上になると、セルフタップ強度が著しく低下してしまう。その結果、成形物をランプリフレクターの基材として用いた場合、ランプの組み立て時や使用時にセルフタップ部の破壊が起こってしまう。
これに対して本発明では、表面処理を施した中空フィラーを用いているため、配合量を15質量%以上にしても、中空フィラーと樹脂成分との密着性を保持してランプリフレクターとしての使用に適切なセルフタップ強度を確保することができる。しかしながら、中空フィラーの配合量があまりに多すぎると、セルフタップ強度の低下を防止することができなくなるため、中空フィラーの配合量の上限は22質量%とする必要がある。
本発明に用いられる繊維強化材としては、特に限定されず、当該技術分野において公知のものを用いることができる。繊維強化材の例としては、ガラス繊維、パルプ繊維、テトロン(登録商標)繊維、ビニロン繊維、カーボン繊維、アラミド繊維、ワラストナイト等の様々な有機繊維及び無機繊維を挙げることができる。中でも、繊維長1.5〜25mm程度に切断したチョップドストランドガラスを用いることが好ましい。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、上記の成分に加えて、低収縮剤、硬化剤、離型剤、増粘剤、顔料、減粘剤等の当該技術分野において公知の成分を、本発明の効果を阻害しない範囲において含むことができる。
低収縮剤としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル、スチレン−ブタジエン系ゴム等の低収縮剤として一般に使用されている熱可塑性ポリマーが挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
硬化剤としては、t−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、カルナバワックス等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
増粘剤としては、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等の金属酸化物、及びイソシアネート化合物等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物における各成分の配合量は、組成物中の中空フィラーの含有量が15〜22質量%であり、不飽和ポリエステル及び架橋剤の合計100質量部に対して、好ましくは架橋剤が25〜70質量部、無機充填材が40〜250質量部、繊維強化材が60〜105質量部であり、より好ましくは架橋剤が35〜65質量部、無機充填材が50〜200質量部、繊維強化材が70〜95質量部である。
以上のような成分によって構成される本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、当該技術分野において通常行われる方法、例えば、ニーダー等を用いて混練することによって製造することができる。
このようにして製造される本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、表面処理を施した中空フィラーを特定の割合で配合しているので、従来の特性(表面平滑性、機械的強度、寸法精度及び成形性)を保持しつつ、低比重化(成形品比重1.4未満)とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を与えることができる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、所望の形状に成形して硬化することによって成形物を製造することができる。成形及び硬化方法としては、特に限定されず、当該技術分野において通常行われる方法、例えば、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等を用いることができる。
このようにして製造される成形物のセルフタップ強度は、好ましくは1.7N・m以上である。セルフタップ強度が1.7N・m未満であると、セルフタッピングネジを用いて締着固定する際に、セルフタップ部が破壊することがある。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物から得られる成形物は、ランプリフレクターの基材として用いるのに適している。すなわち、ランプリフレクターは、ランプリフレクターを固定する部品、バルブを固定する部品、光を調整するフード等の部品と締着固定するためにセルフタッピングネジが一般に用いられるところ、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物から得られる成形品は、セルフタップ強度が高いため、ランプリフレクターの基材として用いた場合、ランプの組み立て時や使用時にセルフタップ部の破壊を防止することができる。これにより、本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物から得られる成形物を基材として用いたランプリフレクターは、照射方向のズレを抑制することが可能になる。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物から得られる成形物を基材として用いたランプリフレクターは、基材上に金属反射層が形成される。
金属反射層の材料としては、ランプリフレクターに使用されるものであれば特に限定されず、例えば、銀や亜鉛、銀や亜鉛を主体とした合金等を用いることができる。
金属反射層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、真空蒸着法等の公知の方法を使用することができる。
金属反射層の厚さは、要求されるランプリフレクターの大きさ等にあわせて適宜設定すればよいが、一般に800〜2,000Åである。
また、基材と金属反射層との密着性を高めるために、基材と金属反射層との間にプライマー層を形成してもよい。
プライマー層としては、特に限定されず、当該技術分野において公知の方法を用いて形成すればよい。例えば、基材上にプライマー組成物を塗布及び乾燥することによってプライマー層を形成することができる。プライマー組成物を基材上に塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、エアースプレー方式やエアレススプレー方式等の公知の方法を使用することができる。また、乾燥方法も、プライマー組成物の組成や塗布方法にあわせて温度等を適宜調整すればよい。
プライマー層の厚さは、要求されるランプリフレクターの大きさ等にあわせて適宜設定すればよいが、一般に10〜30μmである。
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらによって本発明が限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例の不飽和ポリエステル樹脂組成物及びその成形物における各種物性は、次のようにして評価した。
(1)成形収縮率
成形温度150℃、射出圧力30MPa、成形時間3分の条件下にて射出成形を行うことによってJIS K6911に規定される収縮円盤を作製し、JIS K6911 5.7に基づいて成形収縮率を算出した。
(2)比重
成形温度150℃、射出圧力30MPa、成形時間3分の条件下にて射出成形を行うことによってJIS K6911に規定される収縮円盤を作製した後、試験片を切り出し、JIS K6911に基づいて比重を測定した。
(3)機械的強度
成形温度150℃、成形圧力10MPa、成形時間3分の条件下にて圧縮成形を行うことによってJIS K6911に規定される曲げ強さ及び曲げ弾性率試験片を作製し、JIS K6911に基づいて曲げ強さ及び曲げ弾性率を測定した。
(4)成形物評価(外観)
成形温度140℃、射出圧力25MPa、成形時間1分の条件下にてトランスファー成形を行うことによってトランスファー成形物(円盤状、直径117mm、厚さ3mm(均一))を作製した。この成形物について、外観レベリング及び充填性を目視で評価した。この評価において良好であったものを○、やや劣るものを△、不良のものを×として表した。
(5)セルフタップ強度
成形温度150℃、射出圧力50MPa、成形時間2分の条件下にて射出成形を行うことによってセルフタップ用ボス形状試験片(ボス外径φ8mm、下穴径φ3.6mm)を作製した。
次に、この試験片を、ネジ径「M4」の2種タッピングみぞ付ネジ(L=12mm)で締め付けた際に発生する破壊時の締め付けトルク強度をトルクドライバー(株式会社ハイオス製デジタルトルクテスター「HDP−50」)にて測定した。この評価において、タップ強度が満足できるものを○、満足できないものを×として表した。
(不飽和ポリエステルの調製)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口及び還流冷却器を備えた4口フラスコに、フマル酸とプロピレングリコールと水素化ビスフェノールAとを100:80:20のモル比で入れ、窒素気流下で加熱撹拌しながら230℃まで昇温して、常法の手順によりエステル化反応を行なうことで不飽和ポリエステルを得た。この不飽和ポリエステルの重量平均分子量(MW)を前記の条件にて測定したところ、10,000であった。
(中空フィラーの表面処理)
耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンを3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(A)を得た。
耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンをp−スチリルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(B)を得た。
耐圧強度80MPa及び比重0.6のガラスバルーンをビニルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(C)を得た。
耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンを3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理して中空フィラー(D)を得た。
なお、比較のために、耐圧強度80MPa及び比重0.6、平均粒子径30μmのガラスバルーンをそのまま用いた。このガラスバルーンを中空フィラー(未処理)として表す。
(実施例1〜6及び比較例1〜5)
上記で得られた不飽和ポリエステル及び中空フィラーと表1に示す各成分とを、表1に示す割合にて、双碗型ニーダーを用いて30℃で混練することによって不飽和ポリエステル樹脂組成物を得た。なお、表1において、各成分の配合量の単位は質量部である。
このようにして得られた不飽和ポリエステル樹脂組成物について上記の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 0006140484
表1に示されているように、実施例1〜6の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、成形収縮率、機械的強度及び外観を比較例と同等のレベルに保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上とを両立させた成形物を与えた。
これに対して比較例1〜3の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、表面処理を施していない中空フィラーを用いたため、成形物のセルフタップ強度が低下してしまった。また、比較例4の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、中空フィラーの含有量を低減することによって成形物のセルフタップ強度を保持することができたものの、成形物の低比重化が十分でなかった。さらに、比較例5の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、当該組成物中の中空フィラーの割合が多すぎたため、成形物のセルフタップ強度及び成形物外観が低下してしまった。
以上の結果からわかるように、本発明によれば、従来の特性を保持しつつ、低比重化とセルフタップ強度の向上との両立を達成した成形物を与えるランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物を提供することができる。

Claims (5)

  1. 不飽和ポリエステル、架橋剤、無機充填材、中空フィラー及び繊維強化材を含むランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物であって、
    前記中空フィラーは、シランカップリング剤による表面処理が施されており、且つ前記ランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物中の前記中空フィラーの含有量が15〜22質量%であることを特徴とするランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記シランカップリング剤は、メタクリル系シランカップリング剤、スチリル系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤及びアクリル系シランカップリング剤からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. セルフタップ強度が1.7N・m以上の成形物を与えることを特徴とする請求項1又は2に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載のランプリフレクター用不飽和ポリエステル樹脂組成物の成形硬化体であることを特徴とする成形物。
  5. 請求項に記載の成形物を基材として有することを特徴とするランプリフレクター。
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