以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理方法、基板処理システムおよび記憶媒体の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<基板処理方法の内容>
まず、本実施形態に係る基板処理方法について図1A〜図1Cを用いて説明する。図1A〜図1Cは、本実施形態に係る基板処理方法の説明図である。
本実施形態に係る基板処理方法は、半導体ウェハ等の基板(以下、ウェハWと記載する)の表面に形成されたハードマスクを薬液により除去する場合に、露出した金属配線を膜で保護することにより、金属配線にダメージを与えることなくハードマスクを除去する。
図1Aに示すように、ウェハWは、たとえば配線層101と、ライナー膜103と、層間絶縁膜104と、ハードマスク105とを有する。これらは、配線層101、ライナー膜103、層間絶縁膜104およびハードマスク105の順に積層される。
配線層101には、金属配線の一例であるCu配線102が形成される。ハードマスク105は、たとえばTiN(窒化チタン)等の金属で形成される。
また、ウェハWは、ビアホール106を有する。ビアホール106は、ハードマスク105をマスクとしてドライエッチングが施されることによって形成される。ビアホール106は、配線層101まで達しており、Cu配線102の表面がビアホール106の底部から露出した状態となっている。
本実施形態に係る基板処理方法では、図1Aに示すように、揮発成分を含みウェハW上に膜を形成するための処理液(以下、「成膜用処理液」と記載する)をウェハW上に供給して、露出したCu配線102の表面を成膜用処理液で覆う。具体的には、本実施形態では、ウェハW上にトップコート膜を形成するための成膜用処理液(以下、「トップコート液」と記載する)をウェハW上に供給する。
ここで、トップコート膜とは、レジスト膜への液浸液の浸み込みを防ぐためにレジスト膜の上面に塗布される保護膜である。また、液浸液は、たとえばリソグラフィ工程における液浸露光に用いられる液体である。
ウェハW上に供給されたトップコート液は、その内部に含まれる揮発成分が揮発することによって体積収縮を起こしながら固化または硬化し、トップコート膜となる(図1B参照)。なお、トップコート液には、固化または硬化する際に体積が収縮する性質を有するアクリル樹脂が含まれており、かかるアクリル樹脂の硬化収縮によってもトップコート液の体積収縮が引き起こされる。ここでいう「固化」とは、固体化することを意味し、「硬化」とは、分子同士が連結して高分子化すること(たとえば架橋や重合等)を意味する。
その後、図1Bに示すように、ハードマスク105を溶解させる薬液をウェハWに供給する。これにより、図1Cに示すように、ハードマスク105がウェハWから除去される。このとき、Cu配線102は、トップコート膜により表面が覆われた状態となっているため、薬液により腐食等のダメージを受けることがない。
このように、本実施形態に係る基板処理方法によれば、露出したCu配線102をトップコート膜で保護した状態でハードマスク105を除去することとしたため、Cu配線102にダメージを与えることなくハードマスク105を除去することができる。
なお、本実施形態に係る基板処理方法では、ウェハW上に形成されたトップコート膜を除去することにより、ドライエッチングまたはアッシングによって発生したポリマー等の反応生成物を除去する処理も行う。
具体的には、トップコート膜を除去する除去液をトップコート膜上に供給する。本実施形態では、除去液としてアルカリ現像液が用いられる。
アルカリ現像液が供給されることにより、トップコート膜はウェハWから剥離される。この際、ウェハW上に残存する反応生成物もトップコート膜とともにウェハWから剥離される。これにより、ウェハWから反応生成物を除去することができる。
このように、本実施形態に係る基板処理方法によれば、化学的作用を利用することなく反応生成物を除去することができるため、エッチング作用等によるCu配線102へのダメージを抑えることができる。
したがって、本実施形態に係る基板処理方法によれば、ドライエッチング後またはアッシング後にウェハW上に残存する反応生成物をウェハWへのダメージを抑えつつ除去することができる。さらに、Q−timeフリーにできるため、生産性の向上や歩留まりの向上を図ることも可能である。なお、トップコート膜は、ウェハWに成膜された後、パターン露光を行うことなくウェハWから全て除去される。
トップコート液は、体積収縮を起こしながら固化または硬化していき、トップコート膜となる。このときのトップコート液の体積収縮により生じる歪み(引っ張り力)によっても、ウェハWに残存する反応生成物をウェハWから引き離すことができる。
トップコート液は、揮発成分の揮発およびアクリル樹脂の硬化収縮によって体積収縮が引き起こされるため、揮発成分のみを含む成膜用処理液と比べて体積収縮率が大きく、反応生成物を強力に引き離すことができる。特に、アクリル樹脂は、エポキシ樹脂等の他の樹脂と比較して硬化収縮が大きいため、反応生成物に引っ張り力を与えるという点でトップコート液は有効である。
また、トップコート膜は、アルカリ現像液によって剥離される際に膨潤する。このため、本実施形態に係る基板処理方法によれば、トップコート膜の揮発による体積収縮に加え、トップコート膜の膨潤による体積膨張によっても、反応生成物をウェハWから強力に引き離すことができる。
また、本実施形態では、除去液としてアルカリ性を有するものを用いることで、反応生成物の除去効率を高めることとしている。
アルカリ現像液を供給することにより、ウェハWの表面と反応生成物の表面とには、同一極性のゼータ電位が生じる。トップコート液の体積変化によってウェハWから引き離された反応生成物は、ウェハWと同一極性のゼータ電位に帯電することで、ウェハWと反発し合うようになる。これにより、反応生成物のウェハWへの再付着が防止される。
このように、トップコート液の体積収縮を利用してウェハW等から反応生成物を引き離した後、ウェハWと反応生成物とに同一極性のゼータ電位を生じさせることで、反応生成物の再付着が防止されるため、反応生成物の除去効率を高めることができる。
なお、アルカリ現像液としては、たとえばアンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH:Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)、コリン水溶液の少なくとも一つを含んでいればよい。
また、本実施形態に係る基板処理方法によれば、たとえば物理力を利用した洗浄方法では除去が困難であった、ビアホール106内に入り込んだ反応生成物も容易に除去することができる。
なお、ウェハW上に形成されたトップコート膜は、最終的にはウェハWから全て取り除かれる。したがって、トップコート膜が除去された後のウェハWは、トップコート液が供給される前の状態、すなわち、Cu配線102やハードマスク105が露出した状態となる。
<基板処理システムの構成>
次に、上述した基板処理方法を実行する基板処理システムの構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る基板処理システムの概略構成を示す図である。
図2に示すように、本実施形態に係る基板処理システム1は、第1処理装置2と、第2処理装置3と、第1制御装置4Aと第2制御装置4Bとを備える。
第1処理装置2は、ウェハWに対してドライエッチングやトップコート液の供給を行う。また、第2処理装置3は、第1処理装置2で処理されたウェハWに対してアルカリ現像液の供給を行う。
第1制御装置4Aは、たとえばコンピュータであり、制御部401と記憶部402とを備える。記憶部402には、第1処理装置2において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部401は、記憶部402に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって第1処理装置2の動作を制御する。
同様に、第2制御装置4Bは、たとえばコンピュータであり、制御部403と記憶部404とを備える。記憶部404には、第2処理装置3において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部403は、記憶部404に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって第2処理装置3の動作を制御する。
なお、これらのプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から第1制御装置4Aの記憶部402や第2制御装置4Bの記憶部404にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
<第1処理装置の構成>
次に、第1処理装置2の構成について図3を参照して説明する。図3は、第1処理装置2の概略構成を示す図である。なお、以下では、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図3に示すように、第1処理装置2は、搬入出ステーション5と、処理ステーション6とを備える。搬入出ステーション5と処理ステーション6とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション5は、キャリア載置部10と、搬送部11とを備える。キャリア載置部10には、複数枚のウェハWを水平状態で収容する複数の搬送容器(以下、キャリアCと記載する)が載置される。
搬送部11は、キャリア載置部10に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置111を備える。基板搬送装置111は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置111は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと処理ステーション6との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション6は、搬送部11に隣接して設けられる。処理ステーション6は、ドライエッチングユニット12と、ロードロック室13と、第1液処理ユニット14と、エッチバックユニット15とを備える。
第1処理装置2では、搬入出ステーション5の基板搬送装置111が、キャリア載置部10に載置されたキャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを処理ステーション6のドライエッチングユニット12へ搬入する。
ドライエッチングユニット12では、基板搬送装置111によって搬入されたウェハWに対してドライエッチング処理が行われる。これにより、ビアホール106が形成されて、ウェハW内部のCu配線102が露出する。
なお、ドライエッチング処理は、減圧状態で行われる。また、ドライエッチングユニット12では、ドライエッチング処理後に、不要なレジストを除去するアッシング処理が行われる場合がある。
ドライエッチングユニット12での処理を終えたウェハWは、ロードロック室13を介して第1液処理ユニット14へ搬入される。ロードロック室13は、内部の圧力を大気圧状態と減圧状態とで切り替え可能に構成される。ロードロック室13の内部には、図示しない基板搬送装置が設けられる。
ドライエッチング処理後またはアッシング処理後のウェハWは、ロードロック室13の図示しない基板搬送装置によってドライエッチングユニット12から搬出されて、第1液処理ユニット14へ搬入される。
具体的には、ロードロック室13の内部は、ドライエッチングユニット12からウェハWを搬出するまでは減圧状態に保たれており、搬出が完了した後、窒素やアルゴン等の不活性ガスが供給されて大気圧状態へ切り替えられる。そして、大気圧状態へ切り替わった後で、ロードロック室13の図示しない基板搬送装置がウェハWを第1液処理ユニット14へ搬入する。
このように、ウェハWは、ドライエッチングユニット12から搬出されてから第1液処理ユニット14へ搬入されるまでの間、外気から遮断されるため、露出したCu配線102の酸化が防止される。
つづいて、第1液処理ユニット14では、ウェハWにトップコート液を供給する成膜用処理液供給処理が行われる。上述したように、ウェハWに供給されたトップコート液は、体積収縮を起こしながら固化または硬化してトップコート膜となる。これにより、露出したCu配線102がトップコート膜によって覆われた状態となる。
つづいて、ウェハWは、基板搬送装置111によって第1液処理ユニット14から取り出されて、エッチバックユニット15へ搬入される。エッチバックユニット15では、ウェハW上に形成されたトップコート膜の一部をドライエッチングにより除去してハードマスク105を露出させるエッチバック処理が行われる。
そして、エッチバック処理後のウェハWは、基板搬送装置111によってエッチバックユニット15から搬出されて、キャリア載置部10のキャリアCへ収容される。その後、キャリアCは、第2処理装置3へ搬送される。
<第2処理装置の構成>
次に、第2処理装置3の構成について図4を参照して説明する。図4は、第2処理装置3の概略構成を示す図である。
図4に示すように、第2処理装置3は、搬入出ステーション7と、処理ステーション8とを備える。搬入出ステーション7と処理ステーション8とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション7は、キャリア載置部16と、搬送部17とを備える。キャリア載置部16には、複数のキャリアCが載置される。
搬送部17は、キャリア載置部16に隣接して設けられ、内部に基板搬送装置171と、受渡部172とを備える。基板搬送装置171は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置171は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部172との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション8は、搬送部17に隣接して設けられる。処理ステーション8は、搬送部18と、複数の第2液処理ユニット19とを備える。複数の第2液処理ユニット19は、搬送部18の両側に並べて設けられる。
搬送部18は、内部に基板搬送装置181を備える。基板搬送装置181は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置181は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部172と第2液処理ユニット19との間でウェハWの搬送を行う。
第2処理装置3では、搬入出ステーション7の基板搬送装置171が、第1処理装置2で処理されたウェハWをキャリアCから取り出し、取り出したウェハWを受渡部172に載置する。受渡部172に載置されたウェハWは、処理ステーション8の基板搬送装置181によって受渡部172から取り出されて、第2液処理ユニット19へ搬入される。
第2液処理ユニット19では、ウェハWに対し、薬液を供給してハードマスク105を除去する処理や、アルカリ現像液を供給してトップコート膜を除去する処理等が行われる。これにより、ハードマスク105が除去されるとともにトップコート膜が除去される。さらに、トップコート膜の剥離に伴ってウェハW上に残存する反応生成物Pが除去される。
その後、ウェハWは、基板搬送装置181によって第2液処理ユニット19から搬出されて、受渡部172に載置される。そして、受渡部172に載置された処理済のウェハWは、基板搬送装置171によってキャリア載置部16のキャリアCへ戻される。
<ドライエッチングユニットの構成>
次に、第1処理装置2が備えるドライエッチングユニット12の構成について図5を参照して説明する。図5は、ドライエッチングユニット12の構成の一例を示す模式図である。
図5に示すように、ドライエッチングユニット12は、ウェハWを収容する密閉構造のチャンバ201を備えており、チャンバ201内には、ウェハWを水平状態で載置する載置台202が設けられる。載置台202は、ウェハWを冷却したり、加熱したりして所定の温度に調節する温調機構203を備える。チャンバ201の側壁にはロードロック室13との間でウェハWを搬入出するための搬入出口(図示せず)が設けられる。
チャンバ201の天井部には、シャワーヘッド204が設けられる。シャワーヘッド204には、ガス供給管205が接続される。このガス供給管205には、バルブ206を介してエッチングガス供給源207が接続されており、エッチングガス供給源207からシャワーヘッド204に対して所定のエッチングガスが供給される。シャワーヘッド204は、エッチングガス供給源207から供給されるエッチングガスをチャンバ201内へ供給する。
なお、エッチングガス供給源207から供給されるエッチングガスは、たとえばCH3Fガス、CH2F2ガス、CF4ガス、O2ガス、Arガス源などである。
チャンバ201の底部には排気ライン208を介して排気装置209が接続される。チャンバ201の内部の圧力は、かかる排気装置209によって減圧状態に維持される。
ドライエッチングユニット12は、上記のように構成されており、排気装置209を用いてチャンバ201の内部を減圧した状態で、シャワーヘッド204からチャンバ201内にエッチングガスを供給することによって載置台202に載置されたウェハWをドライエッチングする。これにより、ウェハWにビアホール106(図1A参照)が形成されて、Cu配線102が露出した状態となる。
また、ドライエッチングユニット12では、たとえばレジスト膜をマスクとして層間絶縁膜104(図1A参照)をドライエッチングした後に、レジスト膜を除去するためのアッシング処理が行われる場合がある。
<第1液処理ユニットの構成>
次に、第1液処理ユニット14の構成について図6を参照して説明する。図6は、第1液処理ユニット14の構成の一例を示す模式図である。
図6に示すように、第1液処理ユニット14は、チャンバ20と、基板保持機構30と、液供給部40_1,40_2と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と液供給部40_1,40_2と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
FFU21には、バルブ22を介して不活性ガス供給源23が接続される。FFU21は、不活性ガス供給源23から供給されるN2ガス等の不活性ガスをチャンバ20内に吐出する。このように、ダウンフローガスとして不活性ガスを用いることにより、露出したCu配線102(図1A参照)が酸化することを防止することができる。
基板保持機構30は、ウェハWを回転可能に保持する回転保持部31と、回転保持部31の中空部314に挿通され、ウェハWの下面に気体を供給する気体供給部32とを備える。
回転保持部31は、チャンバ20の略中央に設けられる。かかる回転保持部31の上面には、ウェハWを側面から保持する保持部材311が設けられる。ウェハWは、かかる保持部材311によって回転保持部31の上面からわずかに離間した状態で水平保持される。
また、回転保持部31は、モータやモータの回転を回転保持部31へ伝達するベルト等から構成される駆動機構312を備える。回転保持部31は、かかる駆動機構312によって鉛直軸まわりに回転する。そして、回転保持部31が回転することによって、回転保持部31に保持されたウェハWが回転保持部31と一体に回転する。なお、回転保持部31は、軸受313を介してチャンバ20および回収カップ50に回転可能に支持される。
気体供給部32は、回転保持部31の中央に形成された中空部314に挿通される長尺状の部材である。気体供給部32の内部には流路321が形成されており、かかる流路321には、バルブ33を介してN2供給源34が接続される。気体供給部32は、N2供給源34から供給されるN2ガスをバルブ33および流路321を介してウェハWの下面へ供給する。
バルブ33を介して供給されるN2ガスは、高温(たとえば、90℃程度)のN2ガスであり、後述する揮発促進処理に用いられる。
基板保持機構30は、ロードロック室13の図示しない基板搬送装置からウェハWを受け取る場合には、図示しない昇降機構を用いて気体供給部32を上昇させた状態で、気体供給部32の上面に設けられた図示しない支持ピン上にウェハWを載置させる。その後、基板保持機構30は、気体供給部32を所定の位置まで降下させた後、回転保持部31の保持部材311にウェハWを渡す。また、基板保持機構30は、処理済のウェハWを基板搬送装置111へ渡す場合には、図示しない昇降機構を用いて気体供給部32を上昇させ、保持部材311によって保持されたウェハWを図示しない支持ピン上に載置させる。そして、基板保持機構30は、図示しない支持ピン上に載置させたウェハWを基板搬送装置111へ渡す。
液供給部40_1は、ノズル41a〜41cと、ノズル41a〜41cを水平に支持するアーム42と、アーム42を旋回および昇降させる旋回昇降機構43とを備える。
液供給部40_1は、ウェハWに対し、所定の薬液(ここでは、DHF)をノズル41aから供給し、リンス液の一種であるDIW(純水)をノズル41bから供給し、乾燥溶媒の一種であるIPA(イソプロピルアルコール)をノズル41cから供給する。なお、DHFは希フッ酸である。
具体的には、ノズル41aには、バルブ44aを介してDHF供給源45aが接続され、ノズル41bには、バルブ44bを介してDIW供給源45bが接続され、ノズル41cには、バルブ44cを介してIPA供給源45cがそれぞれ接続される。なお、ノズル41aから供給されるDHFは、Cu配線102を腐食させない程度の濃度に希釈された希フッ酸である。
また、液供給部40_2は、ノズル41d,41eと、ノズル41d,41eを水平に支持するアーム42と、アーム42を旋回および昇降させる旋回昇降機構43とを備える。
かかる液供給部40_2は、ウェハWに対し、トップコート液と親和性のある溶剤としてMIBC(4−メチル−2−ペンタノール)をノズル41dから供給し、トップコート液をノズル41eから供給する。
具体的には、ノズル41dには、バルブ44dを介してMIBC供給源45dが接続され、ノズル41eには、バルブ44eを介してトップコート液供給源45eが接続される。
MIBCは、トップコート液にも含有されており、トップコート液と親和性がある。なお、MIBC以外のトップコート液と親和性のある溶剤として、たとえばPGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)などを用いてもよい。
なお、ここでは、処理液ごとに専用のノズル41a〜41eを設けることとしたが、複数の処理液でノズルを共用してもよい。ただし、ノズルを共用化すると、たとえば処理液同士を混ぜたくない場合等に、ノズルや配管に残存する処理液を一旦排出する工程が必要となり、処理液が無駄に消費されることとなる。これに対し、専用のノズル41a〜41eを設けることとすれば、上記のように処理液を排出する工程が必要とならないため、処理液を無駄に消費することもない。
回収カップ50は、回転保持部31を取り囲むように配置され、回転保持部31の回転によってウェハWから飛散する処理液を捕集する。回収カップ50の底部には、排液口51が形成されており、回収カップ50によって捕集された処理液は、かかる排液口51から第1液処理ユニット14の外部へ排出される。また、回収カップ50の底部には、気体供給部32によって供給されるN2ガスやFFU21から供給される不活性ガスを第1液処理ユニット14の外部へ排出する排気口52が形成される。
<エッチバックユニットの構成>
エッチバックユニット15は、上述したドライエッチングユニット12と同様の構成を有する。エッチバックユニット15は、第1液処理ユニット14においてトップコート膜が形成されたウェハWに対してドライエッチングを施すことにより、トップコート膜の一部を除去してハードマスク105(図1A参照)を露出させる露出処理を行う。
<第2液処理ユニットの構成>
次に、第2処理装置3が備える第2液処理ユニット19の構成について図7を参照して説明する。図7は、第2液処理ユニット19の構成の一例を示す模式図である。
図7に示すように、第2液処理ユニット19は、チャンバ60内に、基板保持機構70と、液供給部80と、回収カップ90とを備える。
基板保持機構70は、回転保持部71と、支柱部72と、駆動部73とを備える。回転保持部71は、チャンバ60の略中央に設けられる。かかる回転保持部71の上面には、ウェハWを側面から保持する保持部材711が設けられる。ウェハWは、かかる保持部材711によって回転保持部71の上面からわずかに離間した状態で水平保持される。支柱部72は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部73によって回転可能に支持され、先端部において回転保持部71を水平に支持する。駆動部73は、支柱部72を鉛直軸まわりに回転させる。
かかる基板保持機構70は、駆動部73を用いて支柱部72を回転させることによって支柱部72に支持された回転保持部71を回転させ、これにより、回転保持部71に保持されたウェハWを回転させる。
液供給部80は、ノズル81a〜81cと、ノズル81a〜81cを水平に支持するアーム82と、アーム82を旋回および昇降させる旋回昇降機構83とを備える。
かかる液供給部80は、ウェハWに対し、ハードマスク105を除去するハードマスク除去液をノズル81aから供給し、トップコート膜を除去する除去液であるアルカリ現像液をノズル81bから供給し、リンス液であるDIWをノズル81cから供給する。
具体的には、ノズル81aには、バルブ84aを介してハードマスク除去液供給源85aが接続され、ノズル81bには、バルブ84bを介してアルカリ現像液供給源85bが接続され、ノズル81cには、バルブ84cを介してDIW供給源85cが接続される。
ノズル81bから供給されるアルカリ現像液には、Cu配線102の腐食を防止する防食剤が含有される。これにより、後述する除去液供給処理において、Cu配線102へのダメージを抑えつつトップコート膜を除去することができる。
回収カップ90は、処理液の周囲への飛散を防止するために、回転保持部71を取り囲むように配置される。回収カップ90の底部には、排液口91が形成されており、回収カップ90によって捕集された処理液は、かかる排液口91から第2液処理ユニット19の外部に排出される。
<基板処理システムの具体的動作>
次に、基板処理システム1の具体的動作について図8および図9A〜図9Eを参照して説明する。図8は、本実施形態に係る基板処理の処理手順を示すフローチャートである。また、図9A〜図9Eは、基板処理の説明図である。
なお、図9Aには、図8におけるドライエッチング処理(ステップS101)の説明図を、図9Bには、図8における成膜用処理液供給処理(ステップS106)の説明図を、図9Cには、図8におけるエッチバック処理(ステップS107)の説明図を、図9Dは、図8におけるハードマスク除去処理(ステップS109)の説明図をそれぞれ示している。また、図9Eには、図8における除去液供給処理(ステップS110)後のウェハWを示している。図8に示す各処理手順は、第1制御装置4Aまたは第2制御装置4Bの制御に基づいて行われる。
本実施形態に係る基板処理システム1では、図8に示すドライエッチング処理(ステップS101)から第1搬出処理(ステップS108)までの処理が第1処理装置2において行われ、ハードマスク除去処理(ステップS109)から第2搬出処理(ステップS111)までの処理が第2処理装置3において行われる。
図8に示すように、まず、ドライエッチングユニット12においてドライエッチング処理が行われる(ステップS101)。かかるドライエッチング処理では、ドライエッチングユニット12がウェハWに対してドライエッチングやアッシングを行う。これにより、ウェハWの内部に設けられたCu配線102が露出する(図9A参照)。
つづいて、ウェハWは、第1液処理ユニット14へ搬入される。かかる搬入処理は、ロードロック室13を介して行われるため、露出したCu配線102の酸化を防止することができる。
つづいて、第1液処理ユニット14において薬液処理が行われる(ステップS102)。かかる薬液処理では、液供給部40_1(図6参照)のノズル41aがウェハWの中央上方に位置する。その後、ノズル41aからウェハWに対してDHFが供給される。ウェハWに供給されたDHFは、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの表面に広がる。
これにより、ハードマスク105やCu配線102あるいは反応生成物Pの表面がDHFによって僅かに溶解されて、反応生成物Pの付着力が弱まる。したがって、反応生成物Pを除去し易い状態にすることができる。
ここで、ステップS102の薬液処理は、反応生成物Pを除去しやすくする目的で行われるものであり、反応生成物Pを完全には除去しない程度の低エッチング条件で行われる。低エッチング条件とは、たとえば、反応生成物Pを完全に除去するのに必要なエッチング時間よりも短い時間、または、反応生成物Pを完全に除去するのに必要なDHFの濃度よりも低いDHFの濃度でエッチングを行う条件である。
このため、従来のようにDHFのみで反応生成物Pを除去する場合と比較して、Cu配線102のダメージを抑えつつ、反応生成物Pの除去をより効果的に行うことができる。また、本実施形態においてノズル41aから供給されるDHFは、Cu配線102を腐食させない程度の濃度に希釈されているため、Cu配線102のダメージをより確実に抑えることができる。
薬液処理においては、粒子径の比較的小さい反応生成物Pが除去されやすく、後述するトップコート液およびアルカリ除去液を用いた反応生成物Pの除去においては、粒子径の比較的大きい反応生成物Pが除去されやすい。したがって、これらの処理を組み合わせることにより、より効果的に反応生成物Pを除去することができる。
なお、上記の低エッチング条件は、ハードマスク105を完全に除去しない程度のエッチング条件でもある。また、ノズル41aから供給される薬液は、DHFに限らず、たとえばフッ化アンモニウム、塩酸、硫酸、過酸化水素水、リン酸、酢酸、硝酸、水酸化アンモニウム、有機酸またはフッ化アンモニウムを含む水溶液等であってもよい。
つづいて、第1液処理ユニット14では、ウェハWの表面をDIWですすぐリンス処理が行われる(ステップS103)。かかるリンス処理では、ノズル41b(図6参照)がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44bが所定時間開放されることによって、ノズル41bから回転するウェハWの表面へDIWが供給され、ウェハW上に残存するDHFが洗い流される。
つづいて、第1液処理ユニット14では、置換処理が行われる(ステップS104)。かかる置換処理では、ノズル41c(図6参照)がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44cが所定時間開放されることによって、ノズル41cから回転するウェハWの表面へIPAが供給され、ウェハW上のDIWがIPAに置換される。その後、ウェハW上にIPAが残存した状態でウェハWの回転が停止する。置換処理が完了すると、液供給部40_1がウェハWの外方へ移動する。なお、ステップS102〜S104の処理は、必ずしも実施されることを要しない。
つづいて、第1液処理ユニット14では、溶剤供給処理が行われる(ステップS105)。溶剤供給処理は、成膜用処理液であるトップコート液をウェハWに供給する前に、かかるトップコート液と親和性のあるMIBCをウェハWに供給する処理である。
具体的には、液供給部40_2のノズル41dがウェハWの中央上方に位置し、その後、ノズル41dからウェハWへMIBCが供給される。ウェハWに供給されたMIBCは、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの表面に塗り広げられる。
このように、トップコート液と親和性のあるMIBCを事前にウェハWに塗り広げておくことで、後述する成膜用処理液供給処理において、トップコート液がウェハWに広がり易くなるとともに、ビアホール106(図9A参照)にも入り込み易くなる。したがって、トップコート液の消費量を抑えることができるとともに、ビアホール106に入り込んだ反応生成物Pをより確実に除去することができる。
MIBCは、トップコート液との親和性はあるが、DIWに対してはほとんど混ざらず親和性が低い。これに対し、第1液処理ユニット14では、MIBCを供給する前に、DIWと比べてMIBCとの親和性が高いIPAでDIWを置換することとしている。これにより、リンス処理(ステップS103)の直後に溶剤供給処理(ステップS105)を行った場合と比較し、MIBCがウェハWの表面に広がり易くなり、MIBCの消費量を抑えることができる。
なお、成膜用処理液と親和性のある溶剤が、成膜用処理液だけでなくDIWとの親和性も有する場合には、ステップS104の置換処理を省略してもよい。
このように、トップコート膜をウェハWの上面に短時間で効率的に塗り広げたい場合等には、上述した溶剤供給処理を行うことが好ましい。なお、成膜用処理液がIPAとの親和性を有する場合には、ステップS105の溶剤供給処理を省略してもよい。
つづいて、第1液処理ユニット14では、成膜用処理液供給処理が行われる(ステップS106)。かかる成膜用処理液供給処理では、液供給部40_2のノズル41eがウェハWの中央上方に位置する。その後、図9Bに示すように、成膜用処理液であるトップコート液が、レジスト膜が形成されていない回路形成面であるウェハWの表面へノズル41eから供給される。
ウェハWへ供給されたトップコート液は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの表面に広がる。これにより、図9Bに示すように、ウェハWの表面全体にトップコート液の液膜が形成される。このとき、ウェハWの表面は、ステップS105においてウェハW上に供給されたMIBCによって濡れ性が高められた状態となっている。これにより、トップコート液がウェハWの表面に広がり易くなるとともに、ビアホール106にも入り込み易くなる。したがって、トップコート液の使用量を削減することができるとともに、処理時間の短縮化を図ることができる。
ウェハWの回転によって揮発成分が揮発することにより、トップコート液が固化または硬化する。これにより、ウェハWの表面全体にトップコート膜が形成される。
また、第1液処理ユニット14では、揮発促進処理が行われる。かかる揮発促進処理は、ウェハWの表面全体に膜を形成するトップコート液に含まれる揮発成分のさらなる揮発を促進させる処理である。具体的には、バルブ33(図6参照)が所定時間開放されることによって、高温のN2ガスが気体供給部32から回転するウェハWの裏面へ供給される。これにより、ウェハWとともにトップコート液が加熱されて揮発成分の揮発が促進される。
なお、揮発促進処理は、図示しない減圧装置によってチャンバ20内を減圧状態にする処理であってもよいし、FFU21から供給されるガスによってチャンバ20内の湿度を低下させる処理であってもよい。これらの処理によっても、揮発成分の揮発を促進させることができる。
また、ここでは、第1液処理ユニット14が揮発促進処理を行う場合の例について示したが、揮発促進処理は省略可能である。すなわち、トップコート液が自然に固化または硬化するまでウェハWを第1液処理ユニット14で待機させてもよい。また、ウェハWの回転を停止させたり、トップコート液が振り切られてウェハWの表面が露出することがない程度の回転数でウェハWを回転させたりすることによって、トップコート液の揮発を促進させてもよい。
つづいて、第1処理装置2では、成膜用処理液供給処理後のウェハWを第1液処理ユニット14から取り出してエッチバックユニット15へ搬入した後、エッチバックユニット15においてエッチバック処理が行われる(ステップS107)。これにより、図9Cに示すようにトップコート膜がエッチングされてハードマスク105が露出する。
つづいて、第1液処理ユニット14では、第1搬出処理が行われる(ステップS108)。かかる第1搬出処理では、基板搬送装置111が、エッチバックユニット15からエッチバック処理後のウェハWを取り出し、キャリア載置部10まで搬送して、キャリア載置部10に載置されたキャリアCへ収容する。
このとき、ウェハWの露出したCu配線102は、トップコート膜で覆われた状態となっている(図9C参照)。すなわち、Cu配線102は、外気から遮断された状態となっているため、酸化等の悪影響を受けることがない。
したがって、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、Q−timeを遵守するための時間管理が不要となるため、生産性を向上させることができる。
キャリアCに収容されたウェハWは、第1処理装置2から第2処理装置3のキャリア載置部16へ搬送される。その後、ウェハWは、第2処理装置3の基板搬送装置171(図4参照)によってキャリアCから取り出され、受渡部172、基板搬送装置181を経由して第2液処理ユニット19へ搬入される。
第2液処理ユニット19では、まず、ハードマスク除去処理が行われる(ステップS109)。かかるハードマスク除去処理では、ノズル81a(図7参照)がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ84aが所定時間開放されることによって、ハードマスク除去液がノズル81aから回転するウェハWに供給される。これにより、図9Dに示すように、ウェハWからハードマスク105が除去される。
ハードマスク除去処理は、Cu配線102がトップコート膜によって覆われた状態で行われるため、Cu配線102にハードマスク除去液が触れることがない。したがって、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、Cu配線102に腐食等のダメージを与えることなくハードマスク105を除去することができる。
なお、ハードマスク105上に付着していた反応生成物Pは、ハードマスク除去処理によってハードマスク105とともにウェハWから除去される(図9D参照)。
つづいて、第2液処理ユニット19では、除去液供給処理が行われる(ステップS110)。かかる除去液供給処理では、ノズル81b(図7参照)がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ84bが所定時間開放されることによって、除去液であるアルカリ現像液がノズル81bから回転するウェハW上に供給される。これにより、ウェハW上に形成されたトップコート膜が剥離および溶解してウェハWから除去される。
このとき、ウェハWに残存する反応生成物Pは、トップコート膜の剥離とともにウェハWから剥離されて、トップコート膜とともにウェハWから除去される(図9E参照)。
また、このとき、ウェハWおよび反応生成物Pに同一極性のゼータ電位が生じるため、ウェハWおよび反応生成物Pが反発して反応生成物PのウェハW等への再付着が防止される。
また、アルカリ現像液には、Cu配線102の腐食を防止する防食剤が含有される。このため、Cu配線102にアルカリ現像液が付着してもCu配線102の腐食を抑えることができる。したがって、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、Cu配線102へのダメージを抑えつつトップコート膜を除去することができる。
除去液供給処理を終えると、第2液処理ユニット19では、ノズル81cからウェハWへDIWを供給してウェハWの表面をすすぐリンス処理が行われる。これにより、溶解したトップコート膜やアルカリ現像液中に浮遊する反応生成物Pが、DIWとともにウェハWから除去される。また、リンス処理を終えると、第2液処理ユニット19では、ウェハWの回転速度を所定時間増加させることによってウェハWの表面に残存するDIWを振り切ってウェハWを乾燥させる乾燥処理が行われる。その後、ウェハWの回転が停止する。
そして、第2液処理ユニット19では、第2搬出処理が行われる(ステップS111)。かかる第2搬出処理においてウェハWは、基板搬送装置181(図4参照)によって第2液処理ユニット19から取り出され、受渡部172および基板搬送装置171を経由して、キャリア載置部16に載置されたキャリアCに収容される。かかる第2搬出処理が完了すると、1枚のウェハWについての一連の基板処理が完了する。
上述してきたように、本実施形態に係る基板処理システム1は、液供給部40_2(処理液供給部の一例に相当)と、液供給部40_1(薬液供給部の一例に相当)と、液供給部80(除去液供給部の一例に相当)とを備える。液供給部40_2は、表面にハードマスク105が形成され、内部に形成されるCu配線102の少なくとも一部が露出したウェハWに対し、揮発成分を含みウェハW上に膜を形成するための処理液であるトップコート液を供給して、露出したCu配線102の表面を覆う。液供給部40_1は、ウェハWに対し、ハードマスク105を溶解させるハードマスク除去液を供給する。液供給部80は、揮発成分が揮発することによってウェハW上で固化または硬化したトップコート液に対してトップコート液の全てを除去するアルカリ現像液を供給する。
したがって、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、Cu配線102にダメージを与えることなくハードマスク105を除去することができる。
上述した実施形態では、成膜用処理液としてトップコート液を用いる場合の例について説明したが、成膜用処理液は、トップコート液に限定されない。
たとえば、成膜用処理液は、フェノール樹脂を含む処理液であってもよい。かかるフェノール樹脂も上述したアクリル樹脂と同様に硬化収縮を引き起こすため、トップコート液と同様、反応生成物Pに引っ張り力を与えるという点で有効である。
フェノール樹脂を含む成膜用処理液としては、たとえばレジスト液がある。レジスト液は、ウェハW上にレジスト膜を形成するための成膜用処理液である。具体的には、レジスト液には、ノボラック型フェノール樹脂が含まれる。
なお、レジスト液を成膜用処理液として用いる場合には、レジスト液を溶解させることのできるシンナーを除去液として用いればよい。除去液としてシンナーを用いる場合、除去液供給処理後のリンス処理を省略することが可能である。また、レジスト液を成膜用処理液として用いる場合には、ウェハW上に形成されたレジスト膜に対して全面露光等の露光処理を行った後に除去液を供給することとしてもよい。かかる場合、除去液は、現像液でもシンナーでもよい。
成膜用処理液に含まれる合成樹脂は、硬化収縮するものであればよく、上記のアクリル樹脂やフェノール樹脂に限定されない。たとえば、成膜用処理液に含まれる合成樹脂は、エポキシ樹脂、メラニン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド等であってもよい。
また、成膜用処理液として、反射防止膜液を用いてもよい。反射防止膜液とは、ウェハW上に反射防止膜を形成するための成膜用処理液である。なお、反射防止膜とは、ウェハWの表面反射を軽減し、透過率を増加させるための保護膜である。かかる反射防止膜液を成膜用処理液として用いる場合には、反射防止膜液を溶解させることのできるDIWを除去液として用いることができる。
また、成膜用処理液は、揮発成分および合成樹脂に加え、ウェハWやウェハW上に構成される材料あるいはウェハW上に付着する異物を溶解する所定の薬液をさらに含んでいてもよい。「ウェハW上に構成される材料」とは、たとえばハードマスク105やCu配線102であり、「ウェハW上に付着する異物」とは、たとえば反応生成物Pである。また、「所定の薬液」としては、たとえばフッ化水素、フッ化アンモニウム、塩酸、硫酸、過酸化水素水、リン酸、酢酸、硝酸、水酸化アンモニウム等がある。これらの薬液によってハードマスク105や反応生成物Pの表面が溶解されることにより、反応生成物Pの付着力が弱まるため、反応生成物Pを除去し易い状態にすることができる。
「所定の薬液」は、薬液の化学的作用のみを用いて洗浄を行う通常の薬液洗浄における薬液と比較してエッチング量の少ない条件で使用される。このため、一般的な薬液洗浄と比較してウェハWへの侵食を抑えつつ、より効果的に反応生成物Pの除去を行うことができる。
また、上述した実施形態では、除去液としてアルカリ現像液を用いた場合の例について説明してきたが、除去液は、アルカリ現像液に過酸化水素水を加えたものであってもよい。このように、アルカリ現像液に過酸化水素水を加えることによって、アルカリ現像液によるウェハWの面荒れを抑制することができる。
また、除去液は、シンナー、トルエン、酢酸エステル類、アルコール類、グリコール類(プロピレングリコールモノメチルエーテル)等の有機溶剤であってもよいし、酢酸、蟻酸、ヒドロキシ酢酸等の酸性現像液であってもよい。
さらに、除去液は、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。界面活性剤には表面張力を弱める働きがあるため、反応生成物PのウェハWへの再付着を抑制することができる。
また、上述した実施形態では、ウェハWの内部に設けられる金属配線がCu配線102である場合の例について説明したが、金属配線は、Cu配線102に限定されない。かかる場合、トップコート膜の除去液には、金属配線の種類に応じた防食剤を含有させればよい。
また、上述した実施形態では、配線材料がCuである場合の例について説明したが、配線材料は、Cuに限らず、WやCo等であってもよい。
また、上述した実施形態では、ハードマスク105がTiNで形成される場合の例を示したが、ハードマスク105の材料は、TiNに限定されない。たとえば、Ti,TiO,AlおよびAl化合物等の金属材料であってもよい。
また、上述した実施形態では、薬液処理(図8のステップS102)を成膜用処理液供給処理の前に行う場合の例を示したが、薬液処理は、除去液供給処理の後、すなわち、トップコート膜が除去された後に行ってもよい。かかる場合には、トップコート膜の剥離によって除去し切れなかった反応生成物P(特に、粒子径の小さい反応生成物P)が薬液処理によって除去される。かかる場合にも、一般的な薬液洗浄と比較してウェハWへの侵食を抑えつつ、より効果的に反応生成物Pの除去を行うことができる。
なお、薬液処理を除去液供給処理の後に行う場合には、第1液処理ユニット14が備える液供給部40_1を第2液処理ユニット19に設けてもよいし、薬液洗浄を行うための処理ユニットを別途設けてもよい。
また、基板処理システム1の構成は、上述した実施形態において例示した構成に限定されない。
たとえば、上述した実施形態では、ドライエッチングユニット12、第1液処理ユニット14およびエッチバックユニット15が第1処理装置2に設けられる場合の例を示したが、ドライエッチングユニット12、第1液処理ユニット14およびエッチバックユニット15は、その一部または全てが別装置として独立に設けられてもよい。
また、第1処理装置2が備えるドライエッチングユニット12、ロードロック室13、第1液処理ユニット14およびエッチバックユニット15を第2処理装置3の処理ステーション8に配置してもよい。かかる場合、第1処理装置2は不要となる。
また、上述した実施形態では、薬液処理(図8のステップS102)を第1液処理ユニット14において行うこととしたが、薬液処理は、第1液処理ユニット14とは別の処理ユニットにおいて行うこととしてもよい。同様に、上述した実施形態では、ハードマスク除去処理(図8のステップS109)を第2液処理ユニット19において行うこととしたが、ハードマスク除去処理は、第2液処理ユニット19とは別の処理ユニットにおいて行うこととしてもよい。
また、上述した実施形態では、成膜用処理液供給処理と除去液供給処理とを別ユニット(第1液処理ユニット14および第2液処理ユニット19)で行うこととしたが、成膜用処理液供給処理と除去液供給処理とを1つのユニット(たとえば、第1液処理ユニット14)で行うこととしてもよい。また、たとえば第1液処理ユニット14において、薬液処理と成膜用処理液供給処理と除去液供給処理とを行うようにしてもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。