以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の無線通信装置の実施の形態としてコードレス電話機の親機において実施した場合のシステム構成を示す。20は本実施の形態のコードレス電話機の親機、21はDECT規格の通信によって親機20と通信可能なコードレス電話機の子機である。また親機20はPSTN回線22に有線接続される。また親機20は、802.11規格の無線LANのレピータとしての機能を備えている。
23は802.11規格の無線LANのアクセスポイント(AP)、24は802.11規格の無線LANによる通信が可能なスマートホンである。本実施の形態のコードレス電話機の親機20は、802.11規格の無線LANによりスマートホン24と通信が可能である。コードレス電話機の親機20は、DECT規格によってと通信可能な子機21と、802.11規格によってと通信可能なスマートホン24を子機として登録し、スマートホン24も子機の一つとして利用できる。例えばスマートホン24を使ってPSTN回線を介した音声通話を可能にし、また電話帳の登録又は編集にスマートホン24を使うことができる。
また図1では、親機20は、無線LANの帯域に重なる他の通信機器、例えばBluetooth機器(BT機器)25による通信信号(Bluetoothは登録商標)、また電子レンジ26からの電波が干渉する場所に位置している。
図2は本発明の実施の形態における親機20の、802.11規格の通信を行う構成を示すブロック図である。図2において、1は送受信アンテナ、2は送受切替回路、3は無線受信部における受信回路、4は無線送信部における送信回路である。
無線受信部において、5は受信周波数変換部、6は802.11規格の1チャンネルの帯域幅の信号を通すバンドパスフィルタ、7は無線復調部、8は受信ベースバンド信号処理部である。
無線送信部において、9は送信ベースバンド信号処理部、10は変調部、11は信号の帯域幅を1チャンネル分の幅に制限するバンドパスフィルタ、12は送信周波数変換部である。
受信回路3は、送受切替回路2から受信電波を入力して増幅する。受信周波数変換部5は周波数変換を行う。周波数変換された信号は、バンドパスフィルタ6によって1チャンネル分の帯域幅に制限される。無線復調部7は、バンドパスフィルタ6を通過した受信信号に対して高周波復調処理を行い、受信ベースバンド信号S1を生成し、受信ベースバンド信号処理部8に出力する。
受信ベースバンド信号処理部8は、受信ベースバンド信号S1を入力し、ベースバンド信号処理およびメディアアクセス制御を行ない、受信データS2を生成する。また受信ベースバンド信号処理部8は、受信エラーが生じた場合には通信制御部13へ受信エラーに関する情報を出力する。
送信ベースバンド信号処理部9は、送信データS3を入力し、ベースバンド信号処理を行ない、送信ベースバンド信号S4を出力する。送信ベースバンド信号S4は、変調部10にてCDMAにより変調され、送信周波数変換部12にて送信周波数帯域へアップコンバートされる。送信回路4は、アップコンバートされた信号に対して所定の増幅を行って送信電波を生成する。送信電波は、送受切替回路2の送信側出力から送受信アンテナ1を経由して外部に放射される。
通信制御部13は、802.11規格の通信を制御し、また通信開始前のキャリアセンスおよびクリアチャンネルアセスメント(CCA)の為の動作を制御する。
CCA検知部14は、無線復調部7から受信ベースバンド信号S1を入力し、802.11規格のプリアンブル検出を行ない、その結果を通信制御部13へ渡す。通信制御部13は、通信開始前のキャリアセンスの中でCCA検知部14からプリアンブル検知をしたことを意味する情報をもらうと、そのときの受信チャンネルは他の802.11規格の通信装置が使用していると判断する。
カウンタ15は、キャリアセンス動作の際に、各チャンネル毎に受信信号強度が所定の閾値を超えた回数をカウントする。すなわちカウンタ15は、後述する受信波強度判定部17からの情報を基に、受信信号強度が所定の閾値を超えた時にカウントアップし、受信信号強度が所定の閾値を下回ったときにカウントダウンする。これらCCA検知部14およびカウンタ15からの情報は通信制御部13へ渡される。
受信レベル検出部16は、バンドパスフィルタ6によって帯域制限された受信信号の信号強度を測定し、信号強度を示すRSSIの値P1を出力する。受信波強度判定部17は、信号強度を示すRSSIの値P1が閾値を超えたか否かを判定し、その判定結果を通信制御部13およびカウンタ15へ渡す。
閾値記憶部18には、受信波強度判定部17が判定する為の種々の閾値が格納される。キャリアセンス動作の際に受信信号強度が所定の閾値、および、後述の干渉検知モードと弱電界検知モードの制御で用いる閾値は閾値記憶部18に格納されている。
受信電波は、送受信アンテナ1で受信した後、受信回路3を経てバンドパスフィルタ6に入力され、帯域制限される。バンドパスフィルタ6を通過した受信信号は、無線復調部7によって復調処理される。
受信レベル検出部16は、受信信号強度を示すRSSIの値P1を出力し、受信波強度判定部17は、信号強度を示すRSSIの値P1が閾値を超えたか否かを判定する。その判定結果は、要求に従ってカウンタ15へ渡される。受信波強度判定部17が信号強度を判定する為の閾値は閾値記憶部18に格納されている。
通信制御部13は、CCA検知部14がIEEE802.11規格パケットのプリアンブルの検出に失敗(プリアンブルが検知されない)した場合に、受信波強度判定部17に対してそのときの受信波強度の判定結果を要求する。それに従って受信波強度判定部17は、そのときの受信波強度が閾値を超えているか否かを判定し、その判定結果をカウンタ15へ渡す。
カウンタ15は、受信波強度が閾値を超えたと判定された時にカウントアップし、閾値を下回った時にカウントダウンする。例えばチャンネル8で受信した場合に、そのチャンネル8にて例えば電子レンジからの妨害波を含む受信電波が強く、RSSIの値P1が閾値を超えた場合にはカウンタ15がカウントアップし、電子レンジからの妨害波が続く場合はカウントアップを繰り返す。ただし電子レンジからの妨害波が途切れたタイミングで受信波強度判定がなされた時は、カウンタ15は、RSSIの値P1が閾値を超えないのでカウントダウンする。
通信制御部13は、カウンタ15から入手した各チャンネル毎のカウント値を記録するカウント値記録部、CCA検知部の結果と受信波強度判定部の受信波強度の判定結果をカウントした累積CCA値記録部、重み付けパラメータ記録部を有する。図3は、通信制御部13の記憶部に各チャンネル毎に累積カウント値、累積CCA値、重み付けパラメータ、使用可/禁止の情報を記録することを示す説明図である。また、通信制御部13は、後段にて説明する重み付けテーブル、各チャンネルの使用可/禁止を記録する使用チャンネル記録部を有する。
カウンタ15は、各チャンネル毎の累積カウント値の情報を通信制御部13へ渡し、通信制御部13は図3に示すように各チャンネル毎の累積カウント値を記録する。このようにキャリアセンス動作によって、通信制御部13はあるチャンネルの累積カウント値が所定レベルを超えた場合には、当該チャンネルを使用禁止する。
また通信制御部13は、通信開始前のキャリアセンスの中でCCA検知部14からプリアンブル検知をしたことを意味する情報をもらうことにより、その受信チャンネルは他の802.11規格の通信装置が使用していると判断する。このとき、通信制御部13は、バンドパスフィルタ6によって帯域制限された受信信号の信号強度の情報を受信波強度判定部17から入手し、その信号強度の情報を基に算出したCCA値を通信制御部13の累積CCA値記録部に記録する。累積CCA値記録部には、CCA値が累積されて記録され、この累積CCA値所定に閾値を超える当該チャンネルは使用禁止と決定される。
なお通信制御部13は、CCA検知部14がIEEE802.11規格パケットのプリアンブルの検出に成功(プリアンブルが検知された)した場合は、前述のように当該チャンネルを使用禁止と判定する。この場合、通信制御部13はカウンタ15から累積カウント値を入手する必要は無い。またプリアンブルの検出に成功した場合は、カウンタ15の累積カウント値を強制的にリセットしても良い。
図4は、キャリアセンス動作のために通信制御部13が各部を制御する為のフローチャートを示す。
図4において、nは受信チャンネルの番号に対応する変数であり、最初にチャンネル1の受信から始めるために、Step1においてn=1とする。Step2において、通信制御部13は受信回路3にチャンネルnにおいて受信するように指示する。ここでn=1であれば、受信回路3は受信周波数をチャンネル1に合わせて受信動作を開始する。
Step3では、通信制御部13は、受信信号の中にIEEE802.11規格パケットのプリアンブルが有るか否かを調べる。CCA検知部14の結果に基づいてプリアンブルが有ることが判明すると(Step3:YES)、Step4では、通信制御部13は、受信され信号がIEEE802.11規格のBeaconで有るか否かを調べる。
Step4で受信され信号がIEEE802.11規格のBeaconで有る場合(Step4:YES)、Step5では、通信制御部13は、当該チャンネルを使用禁止と決定し、通信制御部13の中の使用チャンネル記録部へ記録する。またStep6では、通信制御部13は、プリアンブルが検出された当該チャンネルに隣接する隣接チャンネルについても、上記Beaconが検出された信号の信号レベルに応じたチャンネル数だけ使用禁止と決定し、通信制御部13の中の使用チャンネル記録部へ記録する。例えば後述の図5に例では、チャンネル5にてBeaconが検出された場合、チャンネル5の他に、チャンネル3,4、およびチャンネル6,7が使用禁止と決定される。
Step7では、通信制御部13は、受信チャンネルの番号に対応する変数nが最後の数である13に達したか否かを調べる。nが13に達していない場合(Step7:NO)、Step8で変数nをインクリメントし、Step2に戻って通信制御部13は受信回路3に次のチャンネルにおいて受信するように指示する。nが13に達した場合(Step7:YES)、Step1に戻ってn=1とし、通信制御部13は受信回路3に最初のチャンネル(チャンネル1)において受信するように指示する。
前述のStep3で、受信信号の中にIEEE802.11規格パケットのプリアンブルが検出されない場合(Step3:NO)、Step9へ移行し、通信制御部13は受信波強度判定部17にそのときの受信波強度の判定結果を要求する。それに従って受信波強度判定部17は、前述のように受信波強度が閾値を超えているか否かを判定し、その判定結果をカウンタ15へ渡し、カウンタ15は、カウントアップまたはカウントダウンする。
通信制御部13は、Step10でカウンタ15から累積カウント値を入手し、Step11でその累積カウント値に基づいて当該チャンネルの使用可/禁止を判定する。そして、通信制御部13は、Step11にて使用可であれば、当該チャンネルについて「使用可」の情報を記録(Step12)してStep7へ移行する。通信制御部13は、Step11にて禁止であれば、当該チャンネルについて「使用禁止」の情報を記録(Step13)してStep7へ移行する。
前述のStep4で、受信信号の中にIEEE802.11規格のBeaconが検出されない場合(Step4:NO)、通信制御部13は、Step14にて累積CCA値を入手し、Step15にて累積CCA値に基づいてチャンネルの使用可/禁止を判定する。
通信制御部13は、Step15において使用可であれば当該チャンネルについて「使用可」の情報を記録(Step16)してStep7へ移行する。通信制御部13は、Step15にて禁止であれば、当該チャンネルについて「使用禁止」の情報を記録(Step17)してStep7へ移行する。
図5は、本実施の形態における無線LAN帯域の様子を示すものである。本実施の形態においては、802.11規格無線LANの基地局および子機は、通信に約20MHzの帯域に影響を及ぼすものとする。
図5の例では、近くに居る他の802.11規格のアクセスポイント(AP)23がチャンネル5を使用している。本実施の形態の親機(無線通信装置)20は、キャリアセンス動作を行い、チャンネル5においてプリアンブルが検出され、さらに802.11規格のBeaconが検出されるので、クリアチャンネルアセスメント(CCA)に従ってチャンネル5(5Ch)を使用禁止とする。
加えて、影響範囲はチャンネル5を中心とした20MHzの帯域に及び、チャンネル5における他の基地局装置の信号の受信電界強度は非常に強いので、親機20は、両サイドの複数のチャンネルの使用を制限する重み付けを強くする。従って図5の例では、親機20チャンネル5を中心として低域側の2つのチャンネルと高域側の2つのチャンネル(3Ch〜7Chの計5つのチャンネル)を使用禁止とする。
またチャンネル3でも他の802.11規格の装置が出す信号が受信されてプリアンブルが検出される。ただし、チャンネル3における当該信号の電界強度は比較的弱いので、親機20は、両サイドのチャンネルの使用を制限する重み付けを比較的軽くし、チャンネル3を中心として低域側の1つのチャンネルと、高域側の1つのチャンネルのみを使用禁止とする。従って、親機20は、残されたチャンネル1および8〜13チャンネルから使用チャンネルを探す。
また図5において、チャンネル1でも他の802.11規格の装置が出す信号が受信されてプリアンブルが検出される。親機20は、信号源が遠くに在り、電界強度が非常に弱くてもプリアンブル検出を伴うCCAに従ってチャンネル1も使用禁止とする。従って、親機20は、残された8〜13チャンネルから使用チャンネルを探す。またチャンネル11についても他の基地局装置からの信号が受信され、親機20は、プリアンブル検出を伴うクリアチャンネルアセスメント(CCA)に従ってチャンネル11を使用禁止とする。
CCAの検知動作はキャリアセンスの中で個々のチャンネルをサーチする度に行われ、前述のようにカウンタ15は、CCA検知が有る時にカウントアップする。チャンネル5,チャンネル3,チャンネル1でサーチされる度にカウンタ15がカウントアップする。図5の例では、チャンネル5〜チャンネル8の範囲の周波数域で電子レンジによる干渉電波が生じている。
図6は、例えばチャンネル8で検出される電子レンジの干渉電波およびカウンタ15の累積カウント値の例を示す。電子レンジは常に妨害波を出しているわけではない。例えばチャンネル8にて、受信波強度判定部17にて信号強度が閾値(閾値記憶部18に格納)を超えたと判定された時(×)にカウンタ15へカウントアップの指示が送られ、カウンタ15はその時にカウントアップする。また信号強度が閾値を下回ったと判定された時(○)にはカウンタ15へカウントダウンの指示が送られ、カウンタ15はその時にダウンする。
カウンタ15の累積カウント値は通信制御部13へ渡される。通信制御部13は、図6に示すようにカウンタ15の累積カウント値が所定のレベルを超えた場合に、そのチャンネルを使用禁止と決定する。従来のDirtynessアルゴリズムから算出した場合は、図5に示すチャンネル8を使用可能にする場合もあるが、本実施の形態のカウンタ15の累積カウント値により、チャンネル8は使用禁止と決定される。なおカウンタ15は、CCA検知部14からのプリアンブル検知有りの情報を受けた時に“0”にリセットされる。
図7は、あるチャンネル(例えばチャンネル9)で検出される電子レンジの干渉電波が比較的弱い場合の例を示す。カウンタ15は、受信波強度判定部17にて信号強度が閾値を超えたと判定された時(×)にカウントアップし、閾値を下回った時(○)にカウントダウンする。図7の例では、カウンタ15の累積カウント値が所定のレベルを超えることが無いので、通信制御部13はそのチャンネルについては使用可能と決定する。以上の例では、本実施の形態に係る親機20はチャンネル9を使用して送信を行う。
以上のように、本実施の形態では、CCA検知部14の検知動作と並行して受信波強度判定部17における信号強度の閾値判定を行い、カウンタ15の累積カウント値を更新している。こうすることで、親機(無線通信装置)20では、CCA検知部14が802.11規格パケットのプリアンブル検知しなかった場合であってもカウンタ15の累積カウント値に基づいてチャンネルの使用可/禁止を判定することができ、重い干渉があるチャンネルを選択する可能性が少ないので、高効率な動作を行わせることが可能になる。
図8は、通信制御部13にて準備されている重み付けテーブルを模式的に示す。図8において、例えば他装置のプリアンブルが検出されたチャンネル(例えば5Ch)の信号強度が−80dBm未満であるなら、プリアンブルが検出された当該チャンネルの重み付けパラメータは「60」、一つ隣のチャンネル(例えば4Ch,6Ch,)の重み付けパラメータは「8」、二つ隣のチャンネル(例えば3Ch,7Ch,)の重み付けパラメータは「7」、三つ隣のチャンネル(例えば2Ch,8Ch,)の重み付けパラメータは「6」となる。
また、プリアンブルが検出されたチャンネルの信号強度が−80dBm以上且つ−65dBm未満であるなら、プリアンブルが検出された当該チャンネルの重み付けパラメータは「70」、一つ隣のチャンネルの重み付けパラメータは「16」、二つ隣のチャンネルの重み付けパラメータは「14」、三つ隣のチャンネルの重み付けパラメータは「12」となる。
また、プリアンブルが検出されたチャンネルの信号強度が−50dBm以上であるなら、プリアンブルが検出された当該チャンネルの重み付けパラメータは「90」、一つ隣のチャンネルの重み付けパラメータは「32」、二つ隣のチャンネルの重み付けパラメータは「28」、三つ隣のチャンネルの重み付けパラメータは「24」となる。
このように、プリアンブルが検出されたチャンネルの信号強度が強くなるほど、その両サイドのチャンネルの重み付けパラメータの値は大きくなる。
プリアンブルが検出されたチャンネルの重み付けパラメータ、および重み付けテーブルより選択された隣接チャンネルの重み付けパラメータは、それぞれチャンネル毎に積算され、前述の重み付けパラメータ記録部に記録される。そして、通信制御部13は、重み付けパラメータの積算値が所定の閾値を超えた場合に、そのチャンネルを使用禁止とする。そしてプリアンブルが検出されたチャンネルの信号強度が強くなるほど、その両サイドのチャンネルの重み付けパラメータの値は大きいので、両サイドのチャンネルは使用禁止にされ易い。それに対してプリアンブルが検出されたチャンネルの信号強度が非常に弱い場合は、その両サイドのチャンネルの重み付けパラメータの値は小さいので、場合によっては両サイドのチャンネルは使用禁止を免れる。
図9は、キャリアセンス動作の際に、前述の累積カウント値だけでなく、チャンネル毎の重み付けパラメータの積算値によっても不良チャンネルを判別する場合に通信制御部13が各部を制御する為のフローチャートを示す。図9において、nは受信チャンネルの番号に対応する変数である。Step1からStep4まで、およびStep7、Step8については図4と同様な制御を行うので説明を省略する。
Step3にてあるチャンネルにおいてプリアンブルが検出され、さらにStep4にて802.11規格のBeaconが検出されると、Step20にて信号強度測定および重み付け判定が行われる。すなわち、図8に示すように、Beaconが検出されたチャンネルの重み付けパラメータ、および隣接チャンネルの重み付けパラメータがそれぞれチャンネル毎に積算され、通信制御部13の中の重み付けパラメータ記録部に記録される。
Step21では、重み付けパラメータの積算値が所定の閾値を超えたか否かが判定され、重み付けパラメータの積算値が所定の閾値を超えたチャンネルが有る場合には、通信制御部13は、そのチャンネルを使用禁止とする。そしてプリアンブルが検出されたチャンネルの信号強度が強くなるほど、その両サイドのチャンネルの重み付けパラメータの値は大きいので、両サイドのチャンネルは使用禁止にされ易い。
前述のStep3で、受信信号の中にIEEE802.11規格パケットのプリアンブルが検出されない場合(Step3:NO)、Step22へ移行し、通信制御部13は信号強度測定およびカウント判定を行う。すなわちStep22では図4に示すStep9と同様に、通信制御部13は、受信波強度判定部17にそのときの受信波強度の判定結果を要求する。それに従って受信波強度判定部17は前述のように受信波強度が閾値を超えているか否かを判定し、その判定結果をカウンタ15へ渡し、カウンタ15はカウントアップまたはカウントダウンする。通信制御部13はカウンタ15から累積カウント値を入手し、その累積カウント値に基づいて当該チャンネルの使用可/禁止を判定する。通信制御部13は、Step22において、使用可であれば当該チャンネルについて「使用可」の情報を記録し、禁止であれば当該チャンネルについて「使用禁止」の情報を記録して、Step7へ移行する。
前述のStep4で、受信信号の中にIEEE802.11規格パケットのBeaconが検出されない場合(Step4:NO)、Step23へ移行し、通信制御部13は累積CCA値記録部に記録された当該チャンネルについての累積CCA値を読み出し、その累積CCA値に基づいて当該チャンネルの使用可/禁止を判定する。通信制御部13は、累積CCA値が所定の値を超えていれば当該チャンネルについて「使用禁止」の情報を記録し、累積CCA値が所定の値を超えていなければ当該チャンネルについて「使用可」の情報を記録し、Step7へ移行する。
このように、図9の制御では、通信制御部13は、累積カウント値だけでなく、チャンネル毎の重み付けパラメータの積算値、および累積CCA値に基づいて当該チャンネルの使用可/禁止を判定する。こうすることにより、極力干渉を回避して適切なチャンネルを選択することができる。
図10は、キャリアセンス動作の際に、前述の累積カウント値、累積コスト値と、累積CCA値に基づいて、使用チャンネルの優先順位をより精度良く判定するために通信制御部13が行う制御のフローチャートを示す。
図10において、Step31では、通信制御部13は累積コスト値を読み出す。Step32では、通信制御部13は、この累積コスト値に基づいて、最もクリーンな最低コスト値のチャンネル(=nチャンネル)を選定する。通信制御部13は、Step33においてカウンタ15から当該チャンネルの累積カウント値を入手し、Step34において、累積カウント値に基づいてチャンネルの使用可/禁止を判定する。
Step34において当該チャンネル(nチャンネル)が「使用可」と判定された場合、Step35では、通信制御部13は、当該チャンネルの累積CCA値を読み出す。Step36では、通信制御部13は、当該チャンネルに関してこの累積CCA値に基づいてチャンネルの使用可/禁止を最終判定する。Step36において当該チャンネルが「使用可」と判定された場合、Step37では、通信制御部13は、当該チャンネル(nチャンネル)を使用して通信を開始する。
前述のStep34において「禁止」、またはStep36において「禁止」と判定された場合、Step38において通信制御部13は累積コスト値を読み出し、次にクリーンなコスト値のチャンネルを選定する(mチャンネル)。そしてStep33へ戻り、通信制御部13は、Step33において次にクリーンなコスト値のチャンネル(mチャンネル)に関してカウンタ15から当該チャンネルの累積カウント値を入手し、Step34において累積カウント値に基づいてチャンネルの使用可/禁止を判定する。
このように累積コスト値がよりクリーンなチャンネルに関して優先的に累積カウント値の基づく判定および累積CCA値の基づく判定を実施するので、処理の効率が良い。
以下、干渉検知モードと弱電界モードとを組み合わせた実施の形態を説明する。例えば電子レンジは、前述のように常に妨害波を出しているわけではなく、図11に示すように稼働中もOFFの時間帯がある。通常、802.11規格の通信は、図11の左側のようにエラーが生じると、次回は伝送レート(伝送Rate)を落として送信するので、速度が低下した分だけパケット長が長くなる。エラーを繰り返すとさらに伝送Rateを落とすのでパケット長が徐々に長くなり、最後は、最長の長さでトライを続け、それでもエラーが解消しないとパケット送信失敗と判定して通信切断を行う。よって、従来では、干渉相手が電子レンジで、稼働中にOFFの時間帯があっても、パケット長を最長にしてしまうと、パケットが干渉に当たる確率は高く、成功の可能性は低い。
本実施の形態に係る親機(無線通信装置)20は、図11の右側のように、エラーを検出すると干渉検知モードに切り替わり、時間をかけて伝送Rateを徐々に落とし続けるのではなく、予め決められた適度なRate(例えば24Mbps)に一度に落とし、一度落とした伝送Rateを維持して再送を切り返す。例えば電子レンジのOFFの時間帯にパケットを通す為には、伝送Rateを1段落とした最低転送Rateは5.5Mbpsに設定するのが望ましい。ただし、送信Rateは干渉源のBurst−OFF時間に転送できるレベル以下にならないように調整する。
一方2.4GHz帯においては、厚いコンクリートに囲まれた家では、マルチパスが強く、携帯通信装置を持ち歩いた場合、位置の細かな変化でも電界強度が急激に激しく変動し、容易に通話切断が発生する。通常、802.11規格の通信は、図12の左側のようにエラーが生じると伝送Rateを低下させ、通信相手が受信し易くする。
従来の802.11の通信は、エラーが続くと伝送Rateを徐々に落としていくが、通信相手が実際に受信できる程度に伝送Rateが落ちるまでには時間がかかり、そのまま所定の再送回数に達しても成功せずに再送失敗となることが多い。特に前述のマルチパスが起きていると、位置の細かな変化でも電界強度が激しく変動し、マルチパスに対応できないままリンク切断することがある。
本実施の形態に係る親機(無線通信装置)20は図12の右側のように、送信時にエラーを検出すると弱電界検知モードに切替える。この弱電界検知モードでは、細かくではなく、比較的大きな幅で伝送Rateを低下させ(長くしたパケット長)、パケットを再送する。さらに、親機20は、一度伝送Rateを低下させてもなおエラーが改善されない場合には、さらに伝送Rateを大きな幅で低下させて再送し、最低の伝送Rate(6Mbps)になってもなお所定の回数は再送する。
図13は、通信中に電子レンジなどの妨害波とマルチパスの双方に柔軟に対処出来るように、通信制御部13が干渉検知モードと弱電界検知モードとを組み合わせて制御する為のフローチャートを示す。通信制御部13は、受信ベースバンド信号処理部8から受信エラーに関する情報を、また受信波強度判定部17から電界強度の判定情報を受けて、以下のように伝送Rateを一度に落として維持するか、または大きな幅で伝送Rateを落としてパケット長を長くして送信するか、または従来通り徐々に落とすかを柔軟に切替える。
図13において、Step41では、通信制御部13は、受信エラー数がRate−Down閾値より大きいか否かを判定する。受信エラー数がRate−Down閾値より大きくなった場合(Step41:YES)、通信制御部13は、Step42において電界強度が強電界閾値より大きいか否かを判定する。電界強度が強電界閾値より大きくなった場合(Step42:YES)、通信制御部13は、強電界の妨害波を受けている可能性が高いと判断し、Step43において伝送Rateを最低Rateに設定(例えば24Mbps)する。
Step44では、通信制御部13は、Rate変更の処理を所定の周期で行う為に次の処理までのTimerを設定し、待ち動作を行う(例えば0.5秒)。所定の待ち時間が経過すると、通信制御部13は、Step41に戻って受信エラー数を判定する。
以上のように受信エラー数がRate−Down閾値より大きく、電界強度が強電界閾値より大きい状態が続く場合、干渉検知モードとなり、以降も伝送Rateは最低Rate(例えば24Mbps)のままで再度データが送信される。
Step41において受信エラー数がRate−Down閾値より大きい場合でも(Step41:YES)、Step42において電界強度が強電界閾値より小さい場合(Step42:NO)、通信制御部13は、Step45において電界強度が弱電界閾値より小さいか否かを判定する。
Step45において電界強度が弱電界閾値より小さい場合(Step45:YES)、通信制御部13は、マルチパスが生じている可能性が高いと判断し、Step46において伝送Rateを現状の半分以下に設定する。例えば現状の伝送Rateが54Mbpsである場合、Step46において半分以下の24Mbpsまたは12Mbpsなど設定する。そして、通信制御部13は、Step44にて次の処理まで待ち(例えば0.5秒)、所定の待ち時間が経過すると、Step41に戻る。
このように受信エラー数が比較的大きく(Rate−Down閾値より大)、電界強度が比較的小さい(強電界閾値より小)状態が続く場合、弱電界検知モードとなり、以降はこの状態が続く限り伝送Rateを現状の半分に切替える変更を繰り返し、伝送Rateは例えば図12のように6Mbpsにまで落とされる。
なお、Step45において電界強度が弱電界閾値より大きい場合(Step45:NO)、通信制御部13は、マルチパスが生じている可能性は低いと判断し、Step47において伝送Rateは従来同様に1段階だけ下げる(例えば54Mbps⇒48Mbps、48Mbps⇒36Mbps)。
また、Step48では、通信制御部13は、受信エラー数がRate−Up閾値より小さいか否かを判定する。受信エラー数がRate−Up閾値より小さい場合(Step48:YES)、通信制御部13は、強電界の妨害波は無く、またマルチパスも無いと判断し、Step49において伝送Rateは従来同様に1段階だけ上げる(例えば6Mbps⇒9Mbps、36Mbps⇒48Mbps)。なお、Step48において、受信エラー数がRate−Up閾値よりは大きいと判断される場合は(Step48:NO)、通信制御部13は、伝送Rateの変更はしない。
以上のように、受信エラー数がRate−Down閾値より大きく、電界強度が弱電界閾値を超えた場合、伝送Rateは比較的高い値を最低値(例:24Mbps)として一度だけ落とされ、親機(無線通信装置)20がパケット長を固定して送信を繰り返すことにより、単位時間あたりの送信回数は比較的多く保たれる。それにより、干渉源の電界強度が低くなる谷(例えば電子レンジのOFFの時間帯)にパケット送信のタイミングが合致する可能性が高くなり、近くで電子レンジ等が稼働中であってもパケット送信失敗と判定される前にパケット送信が出来る可能性が高くなる。
またマルチパスが強くなり易い場所で携帯通信装置を持ち歩いた場合、電界強度が急激に激しく変動する状態が続くことが多い。しかし、本実施の形態では受信エラー数がRate−Down閾値より大きく、電界強度が弱電界閾値を超えないような状態が続く場合には、図14に示すように伝送Rateを大きく落とすので、短時間で通信相手が実際に受信できる伝送Rateに変わり、通信成功の可能性が高くなる。これにより急に発生するマルチパスにも素早く対応することが出来る。