JP6146052B2 - 非晶質合金粉末、圧粉磁心、磁性素子および電子機器 - Google Patents
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Description
このように、モバイル機器の小型化および高性能化を図るためには、スイッチング電源の高周波数化が必要となる。現在、スイッチング電源の駆動周波数は数100kHz程度まで高周波数化が進んでいるが、それに伴って、モバイル機器に内蔵されたチョークコイルやインダクター等の磁性素子の駆動周波数も高周波数化への対応が必要となる。
かかる問題を解決するため、軟磁性粉末と結合材(バインダー)との混合物を加圧・成形した圧粉磁心が使用されている。
しかしながら、Fe基非晶質合金は磁歪が高いことから、特定周波数下でうなりを発生させるとともに、磁気特性の向上(例えば低保磁力化および高透磁率化)を阻害するという問題がある。
本発明の非晶質合金粉末は、Fe、Cr、Mn、Si、BおよびCが含まれる非晶質合金粉末であって、
Feが主成分であり、
Siが10原子%以上14原子%以下の割合で含まれ、
Bが8原子%以上13原子%以下の割合で含まれ、
Cが1原子%以上2.74原子%以下の割合で含まれており、
Crの含有率をa原子%とし、Mnの含有率をb原子%とするとき、
a+bが1.5以上5.5以下であり、
b/aが0.4以上1未満であることを特徴とする。
これにより、磁歪が小さく耐食性に優れた非晶質合金粉末であって、高透磁率と低鉄損とを長期にわたって両立する圧粉磁心を製造可能な非晶質合金粉末が得られる。
これにより、非晶質合金材料の磁歪が低下し、それによって保磁力も低下する。その結果、圧粉磁心のヒステリシス損が減少し、鉄損が低下するため、高周波数下における鉄損の低減が可能になる。また、磁歪の低下に伴って透磁率が上昇し、高周波の外部磁界に対する圧粉磁心の磁気応答性が向上する。
b/(c+d)が0.01以上0.12以下であることが好ましい。
これにより、磁歪の低下と非晶質化との両立を一層深化させた非晶質合金粉末が得られる。すなわち、高透磁率と低鉄損とをより長期にわたって両立する圧粉磁心を製造可能な非晶質合金粉末が得られる。
(a+b)/(c+d+e)が0.05以上0.25以下であることが好ましい。
これにより、Fe以外の元素の添加量をできるだけ抑えつつ、非晶質化および微細化を促進させることができる。その結果、飽和磁束密度が高く、かつ、磁歪の小さい非晶質合金粉末をより確実に得ることができる。
これにより、圧粉磁心においてヒステリシス損を確実に抑制することができ、鉄損を十分に低下させることができる。
本発明の非晶質合金粉末では、酸素含有率が質量比で150ppm以上3000ppm以下であることが好ましい。
これにより、非晶質合金粉末は、低鉄損、高飽和磁束密度および耐候性を高度に両立し得るものとなる。
本発明の非晶質合金粉末では、水アトマイズ粉末または高速回転水流アトマイズ粉末のいずれかであることが好ましい。
これにより、とりわけ速く溶湯を冷却することができるので、広い合金組成において非晶質化度の高い非晶質合金粉末が得られる。
Feが主成分であり、
Siが10原子%以上14原子%以下の割合で含まれ、
Bが8原子%以上13原子%以下の割合で含まれ、
Cが1原子%以上2.74原子%以下の割合で含まれており、
Crの含有率をa原子%とし、Mnの含有率をb原子%とするとき、
a+bが1.5以上5.5以下であり、
b/aが0.4以上1未満である非晶質合金粉末を有することを特徴とする。
これにより、高透磁率と低鉄損とを長期にわたって両立する高性能の圧粉磁心が得られる。
本発明の磁性素子は、本発明の圧粉磁心を備えることを特徴とする。
これにより、小型で高性能の磁性素子が得られる。
本発明の電子機器は、本発明の磁性素子を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器が得られる。
[非晶質合金粉末]
本発明の非晶質合金粉末は、必要に応じて粒子表面に絶縁膜が形成され、絶縁性の結着剤を介して粒子同士を結着させるとともに所定の形状に成形されることで、圧粉磁心となる。このような圧粉磁心は、高周波数下での磁気特性に優れることから、各種の磁性素子に用いられている。
また特に、CrおよびMnの含有率をそれぞれ前記範囲内に設定することにより、非常に高い耐食性が得られるとともに、Fe以外の成分の必要とされる添加量を最小限に抑えつつ、上述した磁歪の低下を図ることができる。これにより、高透磁率と低鉄損とを両立し、かつ飽和磁束密度が高い圧粉磁心を製造可能な非晶質合金粉末が得られる。
上述したように、本発明の非晶質合金粉末は、Fe、Cr、Mn、Si、BおよびCが含まれる非晶質合金材料で構成された粉末である。
各元素のうち、Cr(クロム)は、特に非晶質合金材料の耐食性を向上させるよう作用する。これは、Crの添加によって非晶質合金材料がより非晶質化し易くなること、および、Crの酸化物(Cr2O3等)を主とする不働態皮膜が粒子表面に形成されること等に起因していると考えられる。耐食性の向上によって非晶質合金材料の経時的な酸化が抑えられ、酸化に伴う磁気特性の低下や鉄損の増加等を防止することができる。
さらには、耐食性の高い不働態皮膜の形成により、粒子表面に強固な絶縁性皮膜が形成されることとなる。このため、粒子間に形成される電流経路における電気抵抗(粒子間抵抗)の増大が図られることとなり、渦電流の流れる経路をより小さく分断することができる。その結果、渦電流損失の小さい圧粉磁心を製造可能な非晶質合金粉末が得られる。
また、各元素のうち、Mn(マンガン)は、特に非晶質合金材料の磁歪を低下させるよう作用する。磁歪の低下によって保磁力も低下する。これにより、ヒステリシス損が減少し、鉄損が低下するため、高周波数下における鉄損の低減が可能になる。また、磁歪の低下に伴って透磁率が上昇し、高周波の外部磁界に対する磁気応答性が向上する。
非晶質合金材料に含まれるSiの含有率は、10原子%以上14原子%以下とされ、好ましくは10.3原子%以上13.5原子%以下とされ、より好ましくは10.5原子%以上13原子%以下とされる。Siの含有率が前記下限値を下回ると、非晶質合金材料の組成によっては、非晶質合金材料の透磁率および電気抵抗値を十分に高めることができず、外部磁界に対する磁気応答性の向上や渦電流損失の低下を十分に果たすことができないおそれがある。一方、Siの含有率が前記上限値を上回ると、非晶質合金材料の組成によっては、非晶質化が阻害されるとともに、飽和磁束密度が低下し、鉄損の低下と磁気特性の向上とを両立させることができないおそれがある。
非晶質合金材料に含まれるBの含有率は、8原子%以上13原子%以下とされ、好ましくは8.3原子%以上12原子%以下とされ、より好ましくは8.8原子%以上11.5原子%以下とされる。Bの含有率が前記下限値を下回ると、非晶質合金材料の組成によっては、非晶質合金材料の融点を十分に低下させることができず、非晶質化が困難になるおそれがある。一方、Bの含有率が前記上限値を上回ると、非晶質合金材料の組成によっては、飽和磁束密度が低下し、鉄損の低下と磁気特性の向上とを両立させることができないおそれがある。
なお、Cr、Mn、Si、B、CおよびFe以外に、非晶質合金の特性に悪影響を及ぼさない範囲内で、その他の元素(不純物)が含まれていてもよい。その他の元素としては、例えば、N(窒素)、P(リン)、S(硫黄)、Al、Mg、Sc、Ti、V、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Os、Ir、Pt、Au、Pb、Bi等が挙げられる。これらは意図的に添加されたものであっても、製造時に不可避的に混入するものであってもよいが、いずれの場合であってもその混入量は0.1原子%未満であるのが好ましく、0.05原子%以下であるのがより好ましい。
さらに、N(窒素)およびO(酸素)の特定に際しては、特に、JIS G 1228に規定された鉄および鋼の窒素定量方法、JIS Z 2613に規定された金属材料の酸素定量方法も用いられる。具体的には、LECO社製酸素・窒素分析装置、TC−300/EF−300が挙げられる。
なお、非晶質合金粉末を構成する非晶質合金材料が「非晶質」であるか否かは、例えばX線回折法により得られるスペクトルから判断することができる。具体的には、X線回折スペクトルにおいて、明瞭な回折ピークが認められない場合、その被検物は非晶質であると判断することができる。
なお、平均粒径は、レーザー回折法により、質量基準で累積量が50%になるときの粒径として求められる。
なお、上記の最大粒径とは、質量基準で小さい方からの累積量が99.9%となるときの粒径のことをいう。
なお、前記長径とは、粒子の投影像においてとりうる最大長さであり、前記短径とは、その最大長さに直交する方向の最大長さである。
なお、粒子断面の中心部とは、粒子の最大長さである長軸を通過するように粒子を切断したとき、その切断面上の長軸の中点にあたる部位である。また、中心部のビッカース硬度は、マイクロビッカース硬さ試験機により測定することができる。
なお、本発明における見かけ密度は、JIS Z 2504に規定の方法で測定されたものとする。
なお、非晶質合金粉末の保磁力は、非晶質合金粉末を圧粉成形した圧粉磁心に対し、交流磁気特性を測定可能な交流磁気測定装置により測定することができる。
また、非晶質合金粉末の飽和磁束密度は、できるだけ大きければよいが、0.8T以上であるのが好ましく、1.0T以上であるのがより好ましい。非晶質合金粉末の飽和磁束密度が前記範囲内であれば、性能を落とすことなく圧粉磁心を十分に小型化することができる。
このうち、本発明の非晶質合金粉末は、アトマイズ法により製造されたものであるのが好ましく、水アトマイズ法または高速回転水流アトマイズ法により製造されたものであるのがより好ましい。アトマイズ法は、溶融金属(溶湯)を、高速で噴射された流体(液体または気体)に衝突させることにより、溶湯を微粉化するとともに冷却して、金属粉末(非晶質合金粉末)を製造する方法である。非晶質合金粉末をこのようなアトマイズ法によって製造することにより、極めて微小な粉末を効率よく製造することができる。また、得られる粉末の粒子形状が表面張力の作用により球形状に近くなる。このため、圧粉磁心を製造したとき充填率の高いものが得られる。すなわち、透磁率および飽和磁束密度の高い圧粉磁心を製造可能な非晶質合金粉末を得ることができる。
さらに、アトマイズ水は、溶湯の落下経路上に頂点を有し、外径が下方に向かって漸減するような円錐状に噴射される場合が多い。この場合、アトマイズ水が形成する円錐の頂角θは、10°以上40°以下程度であるのが好ましく、15°以上35°以下程度であるのがより好ましい。これにより、前述したような組成の非晶質合金粉末を、確実に製造することができる。
また、水アトマイズ法(特に高速回転水流アトマイズ法)によれば、とりわけ速く溶湯を冷却することができる。このため、広い合金組成において非晶質化度の高い非晶質合金粉末が得られる。
また、必要に応じて、得られた非晶質合金粉末を造粒するようにしてもよい。
さらには、必要に応じて、得られた非晶質合金粉末の各粒子表面に絶縁膜を成膜するようにしてもよい。この絶縁膜の構成材料としては、例えば、後述する結合材の構成材料と同様のものが挙げられる。
本発明の磁性素子は、チョークコイル、インダクター、ノイズフィルター、リアクトル、トランス、モーター、発電機のように、磁心を備えた各種磁性素子に適用可能である。また、本発明の圧粉磁心は、これらの磁性素子が備える磁心に適用可能である。
以下、磁性素子の一例として、2種類のチョークコイルを代表に説明する。
まず、本発明の磁性素子の第1実施形態を適用したチョークコイルについて説明する。
図1は、本発明の磁性素子の第1実施形態を適用したチョークコイルを示す模式図(平面図)である。
図1に示すチョークコイル10は、リング状(トロイダル形状)の圧粉磁心11と、この圧粉磁心11に巻き回された導線12とを有する。このようなチョークコイル10は、一般に、トロイダルコイルと称される。
圧粉磁心11の作製に用いられる結合材の構成材料としては、例えば、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等の有機材料、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸マンガン、リン酸カドミウムのようなリン酸塩、ケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩(水ガラス)等の無機材料等が挙げられるが、特に、熱硬化性ポリイミドまたはエポキシ系樹脂が好ましい。これらの樹脂材料は、加熱されることによって容易に硬化するとともに、耐熱性に優れたものである。したがって、圧粉磁心11の製造容易性および耐熱性を高めることができる。
なお、前記混合物中には、必要に応じて、任意の目的で各種添加剤を添加するようにしてもよい。
なお、導線12の表面に、絶縁性を有する表面層を備えているのが好ましい。これにより、圧粉磁心11と導線12との短絡を確実に防止することができる。かかる表面層の構成材料としては、例えば、各種樹脂材料等が挙げられる。
まず、本発明の非晶質合金粉末と、結合材と、各種添加剤と、有機溶媒とを混合し、混合物を得る。
次いで、混合物を乾燥させて塊状の乾燥体を得た後、この乾燥体を粉砕することにより、造粒粉を形成する。
この場合の成形方法としては、特に限定されないが、例えば、プレス成形、押出成形、射出成形等の方法が挙げられる。なお、この成形体の形状寸法は、以後の成形体を加熱した際の収縮分を見込んで決定される。
また、本発明の非晶質合金粉末によれば、磁気特性に優れた圧粉磁心11を容易に得ることができる。これにより、圧粉磁心11の磁束密度の向上や、それに伴うチョークコイル10の小型化や定格電流の増大、発熱量の低減を容易に実現することができる。すなわち、高性能のチョークコイル10が得られる。
なお、圧粉磁心11の形状は、上述したリング状に限定されず、例えば棒状、E型、I型等の形状であってもよい。
次に、本発明の磁性素子の第2実施形態を適用したチョークコイルについて説明する。
図2は、本発明の磁性素子の第2実施形態を適用したチョークコイルを示す模式図(透過斜視図)である。
以下、第2実施形態にかかるチョークコイルについて説明するが、それぞれ、前記第1実施形態にかかるチョークコイルとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
このような形態のチョークコイル20は、比較的小型のものが容易に得られる。そして、このような小型のチョークコイル20を製造するにあたって、飽和磁束密度および透磁率が大きく、かつ、損失の小さい圧粉磁心21を用いることにより、小型であるにもかかわらず、大電流に対応可能な低損失・低発熱のチョークコイル20が得られる。
また、導線22が圧粉磁心21の内部に埋設されているため、導線22と圧粉磁心21との間に隙間が生じ難い。このため、圧粉磁心21の磁歪による振動を抑制し、この振動に伴う騒音の発生を抑制することもできる。
次に、導線22とともに、非晶質合金粉末を加圧して成形体を得る。
次いで、前記第1実施形態と同様に、この成形体に熱処理を施す。これにより、チョークコイル20が得られる。
次いで、本発明の磁性素子を備える電子機器(本発明の電子機器)について、図3〜図5に基づき、詳細に説明する。
図3は、本発明の磁性素子を備える電子機器を適用したモバイル型(またはノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、例えばスイッチング電源用のチョークコイルやインダクター、モーター等の磁性素子1000が内蔵されている。
ディジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて撮像した画像を表示する構成になっており、表示部は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCDなどを含む受光ユニット1304が設けられている。
例えば、前記実施形態では、本発明の非晶質合金粉末の用途例として圧粉磁心を挙げて説明したが、用途例はこれに限定されず、例えば磁性流体、磁気遮蔽シート、磁気ヘッド等の磁性デバイスであってもよい。
1.圧粉磁心およびチョークコイルの製造
(サンプルNo.1)
[1]まず、原材料を高周波誘導炉で溶融するとともに、高速回転水流アトマイズ法(各表では、「回転水」と表記する。)により粉末化して非晶質合金粉末を得た。次いで、目開き150μmの標準ふるいを用いて分級した。得られた非晶質合金粉末の合金組成を表1に示す。なお、合金組成の特定には、SPECTRO社製固体発光分光分析装置(スパーク発光分析装置)、モデル:SPECTROLAB、タイプ:LAVMB08Aを用いた。また、C(炭素)の定量分析には、LECO社製炭素・硫黄分析装置、CS−200を用いた。
[3]次に、得られた非晶質合金粉末と、エポキシ樹脂(結合材)、トルエン(有機溶媒)とを混合して、混合物を得た。なお、エポキシ樹脂の添加量は、非晶質合金粉末100質量部に対して2質量部とした。
[4]次に、得られた混合物を撹拌したのち、温度60℃で1時間加熱して乾燥させ、塊状の乾燥体を得た。次いで、この乾燥体を、目開き500μmのふるいにかけ、乾燥体を粉砕して、造粒粉末を得た。
<成形条件>
・成形方法 :プレス成形
・成形体の形状:リング状
・成形体の寸法:外径28mm、内径14mm、厚さ10.5mm
・成形圧力 :20t/cm2(1.96GPa)
[6]次に、成形体を、大気雰囲気中において、温度450℃で0.5時間加熱して、結合材を硬化させた。これにより、圧粉磁心を得た。
<コイル作製条件>
・導線の構成材料:Cu
・導線の線径 :0.5mm
・巻き数(透磁率等測定時):7ターン
・巻き数(鉄損測定時) :1次側30ターン、2次側30ターン
非晶質合金粉末として表1に示すものをそれぞれ用いるようにした以外は、サンプルNo.1と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
非晶質合金粉末として表2に示すものをそれぞれ用いるようにした以外は、サンプルNo.1と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
(サンプルNo.22〜27)
非晶質合金粉末として表3に示すものをそれぞれ用いるようにした以外は、サンプルNo.1と同様にして圧粉磁心を得るとともに、この圧粉磁心を用いてチョークコイルを得た。
また、各表においては、各サンプルNo.の非晶質合金粉末のうち、本発明に相当するものについては「実施例」、本発明に相当しないものについては「比較例」と示した。
2.1 非晶質合金粉末の酸素含有率の測定
各実施例および各比較例で得られた非晶質合金粉末について、その酸素含有率を酸素窒素同時分析装置(LECO社製、TC−300/EF−300)により測定した。
2.2 非晶質合金粉末の磁気特性の測定
各実施例および各比較例で得られた非晶質合金粉末について、その保磁力および飽和磁束密度を以下の測定条件に基づいて測定した。
<測定条件>
・測定最大磁界:10kOe
・測定装置 :振動試料型磁力計(玉川製作所製、VSM1230−MHHL)
各実施例および各比較例で得られたチョークコイルについて、それぞれの透磁率μ’および鉄損(コアロスPcv)を以下の測定条件に基づいて測定した。
<透磁率μ’の測定条件>
・測定周波数 :100kHz、1000kHz
・測定装置 :インピーダンスアナライザー(日本ヒューレットパッカード社製、HP4194A)
・測定周波数 :100kHz
・最大磁束密度:50mT
・測定装置 :交流磁気特性測定装置(岩通計株式会社製、B−HアナライザSY8258)
各実施例および各比較例で得られたチョークコイルについて、それぞれの高温高湿環境下での外観を観察、比較することにより、圧粉磁心の耐食性を評価した。
なお、高温高圧環境の作製は恒温恒湿機(大研理化学器械製)で行い、温度85℃、相対湿度90%とした。この高温高湿環境下にチョークコイルを入れ、5日間経過後の外観を試験前のものと比較し、以下の評価基準にしたがって評価した。
◎◎:さびが発生した面積が表面積の1%未満である
◎ :表面積の1%以上10%未満にさびの発生が認められる
〇 :表面積の10%以上25%未満にさびの発生が認められる
△ :表面積の25%以上50%未満にさびの発生が認められる
× :表面積の50%以上にさびの発生が認められる
以上の評価結果を各表に示す。
Claims (10)
- Fe、Cr、Mn、Si、BおよびCが含まれる非晶質合金粉末であって、
Feが主成分であり、
Siが10原子%以上14原子%以下の割合で含まれ、
Bが8原子%以上13原子%以下の割合で含まれ、
Cが1原子%以上2.74原子%以下の割合で含まれており、
Crの含有率をa原子%とし、Mnの含有率をb原子%とするとき、
a+bが1.5以上5.5以下であり、
b/aが0.4以上1未満であることを特徴とする非晶質合金粉末。 - bが0.1以上2.5以下である請求項1に記載の非晶質合金粉末。
- Siの含有率をc原子%とし、Bの含有率をd原子%とするとき、
b/(c+d)が0.01以上0.12以下である請求項1または2に記載の非晶質合金粉末。 - Siの含有率をc原子%とし、Bの含有率をd原子%とし、Cの含有率をe原子%とするとき、
(a+b)/(c+d+e)が0.05以上0.25以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の非晶質合金粉末。 - 保磁力が4[Oe]以下である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の非晶質合金粉末。
- 酸素含有率が質量比で150ppm以上3000ppm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の非晶質合金粉末。
- 水アトマイズ粉末または高速回転水流アトマイズ粉末のいずれかである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の非晶質合金粉末。
- Fe、Cr、Mn、Si、BおよびCが含まれる非晶質合金粉末を有する圧粉磁心であって、
Feが主成分であり、
Siが10原子%以上14原子%以下の割合で含まれ、
Bが8原子%以上13原子%以下の割合で含まれ、
Cが1原子%以上2.74原子%以下の割合で含まれており、
Crの含有率をa原子%とし、Mnの含有率をb原子%とするとき、
a+bが1.5以上5.5以下であり、
b/aが0.4以上1未満である非晶質合金粉末を有することを特徴とする圧粉磁心。 - 請求項8に記載の圧粉磁心を備えることを特徴とする磁性素子。
- 請求項9に記載の磁性素子を備えることを特徴とする電子機器。
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