以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態では、複数の建物ユニットを組み合わせて構築されるユニット式建物において、いずれかの建物ユニットに浴室ユニットが設置される構成としている。建物ユニット及びユニット式建物の構成は周知であるため、図示による説明は割愛するが、簡単に説明をしておく。建物ユニットは、四隅の柱と、それら各柱の上端部を連結する天井大梁と、各柱の下端部を連結する床大梁とを有し、全体として直方体状に形成されている。この建物ユニットはユニット製造工場で製作された後、トラック等の搬送手段によって建物施工現場まで搬送される。そして、建物施工現場において建物ユニットがクレーン等の据え付け手段を用いて据え付けられるとともに、隣接する建物ユニットの柱同士が連結部材(ドッキングプレート等)により連結されることで一体の建物本体が構築されるようになっている。
図1は、浴室ユニットの設置対象となる建物ユニット(浴室用の建物ユニット)の床構造部分の構成を示す平面図、図2は、建物ユニットに浴室ユニットが設置された状態を示す概略図、図3は、建物ユニットの床構造部分及びユニット架台の分解斜視図である。なお、図2においては、図1のA−A線断面図を示す図にもなっている。
図1に示す建物ユニット10において、床構造部は、当該建物ユニット10の四隅となる位置に配置される柱11を有し、その柱11に対して互いに直交する2方向に床大梁12が連結されている。柱11は四角筒状の角形鋼よりなる。また、床大梁12は断面コ字状の溝形鋼よりなり、その開口部が向き合うようにして、すなわち溝部をユニット内側に向けるようにして設置されている。
床構造部には、浴室ユニットが組み入れられる浴室スペースS1と、建物ユニット10の短手方向に沿って浴室スペースS1に横並びに配置された短手側スペースS2と、建物ユニット10の長手方向に沿って浴室スペースS1に横並びに配置された長手側スペースS3とが設定されている。この場合、短手側スペースS2と長手側スペースS3とは、建物ユニット10の長手方向に沿って横並びに配置されている。
床構造において長手側スペースS3に相当する部位には、各床大梁12のうち長辺側となる一対の床大梁12の間に架け渡した状態で複数の床小梁13が設けられている。床小梁13は、例えば四角筒状の角形鋼よりなる床梁である。
浴室スペースS1及び短手側スペースS2に相当する部位には、床小梁13が設けられておらず、短辺側の床大梁12と床小梁13との間に架け渡した状態で受け小梁14が設けられている。受け小梁14は、例えば四角筒状の角形鋼よりなる床梁である。この場合、浴室スペースS1では、長辺側の床大梁12と受け小梁14とが互いに対向し、それら床大梁12及び受け小梁14にそれぞれ複数の受け金具15が取り付けられている。
なお、受け小梁14は、浴室スペースS1と短手側スペースS2との境界部に配置されている。ここで、床大梁12、床小梁13及び受け小梁14は床梁に相当し、浴室スペースS1はこれら床梁により囲まれた領域になっている。また、浴室スペースS1は、これら床梁が設置されていない非設置領域に相当し、長手側スペースS3は、床小梁13が所定間隔で設置された設置領域に相当する。ちなみに、床構造部において浴室スペースS1に相当する部位は、浴室の床部を形成することになり、短手側スペースS2及び長手側スペースS3に相当する部位は、脱衣室や廊下など浴室に隣接する空間の床部を形成することになる。
図2に示すように、受け金具15により支持された状態で浴室ユニット20が設置されている。浴室ユニット20は、受け金具15により支持されるユニット架台21と、そのユニット架台21の上に設置されるユニット本体22とを有している。ユニット本体22は、浴槽22aと、浴室の床面を形成する床パン22bと、浴室の壁面及び天井面を形成する壁パネル22c及び天井パネル22dとを有している。ユニット本体22においては、その内側空間が浴室空間SBとされており、浴槽22aと床パン22bとは横並びに配置されている。浴槽22aと床パン22bとの並び方向は、建物ユニット10の長手方向になっている。なお、浴槽22aと床パン22bとの並び方向は、建物ユニット10の短手方向になっていてもよい。
ユニット架台21は、ユニット本体22を下方から支持している。ここで、浴室ユニット20においては、ユニット本体22が浴室設備に相当し、ユニット架台21が設備架台に相当する。また、床パン22bが浴室設備の底面部に相当し、浴室床部を構成している。
ユニット架台21は、その下方に延びる脚部材としての複数のボルト脚25を有しており、そのボルト脚25が各受け金具15の上に載置されることで、建物ユニット10に対して浴室ユニット20が据え付けられるようになっている。ボルト脚25は受け金具15に対して接着剤や硬化剤等により固定されており、それによって、ユニット架台21が床大梁12や受け小梁14に固定されている。この場合、浴室ユニット20は、一対の床梁(床大梁12、受け小梁14)に架け渡すようにして設置される。ボルト脚25は、建物ユニット10の床構造部に対して浴室ユニット20を所定高さに保持する高さ保持機能と、浴室ユニット20の高さのレベル調整(水平調整)を行うためのレベル調整機能(長さ調整機能)とを有している。
図3に示すように、ユニット架台21は、床パン22bの下方に配置された床パン架台部27と、浴槽22aの下方に配置された浴槽架台部28とを有している。浴槽架台部28の支持面(上面)は床パン架台部27の支持面よりも低い位置に配置されている。この場合、床パン架台部27が上段部に相当し、浴槽架台部28が下段部に相当する。
床パン架台部27及び浴槽架台部28は、いずれも複数のフレーム材(長尺状の角材)が互いに直交する向きに連結されて構成されている。床パン架台部27及び浴槽架台部28における各フレーム材には、下方に延びる複数のボルト脚25が取り付けられている。本実施形態では、床パン架台部27に4つのボルト脚25が設けられ、浴槽架台部28に2つのボルト脚25が設けられている。なお、床パン架台部27及び浴槽架台部28は上下方向に段差状に設けられていることから、これら架台部27,28のボルト脚25は長さが相違しており、「床パン架台部27側の脚長さ>浴槽架台部28側の脚長さ」となっている。
床パン架台部27は、フレーム材として、床パン架台部27の周縁部に沿って延びている外側フレーム材27aと、外側フレーム材27aに平行に配置されその外側フレーム材27aよりも内側に設けられた内側フレーム材27bと、これらフレーム材27a,27bに直交する直交フレーム材27cとを有している。外側フレーム材27a及び内側フレーム材27bは、いずれも床パン架台部27と浴槽架台部28との並び方向に沿って延びており、直交フレーム材27c同士を連結している。内側フレーム材27bの上面は、外側フレーム材27aの上面よりも低い位置に配置されている。
浴槽架台部28は、フレーム材として、床パン架台部27の内側フレーム材27bの延長線上に配置された延長フレーム材28aと、延長フレーム材28a同士を連結する連結フレーム材28bとを有している。延長フレーム材28aは、内側フレーム材27bと同じ方向に延びており、延長フレーム材28aと内側フレーム材27bとは、最も浴槽架台部28側に配置された直交フレーム材27cを介して連結されている。なお、内側フレーム材27bは、直交フレーム材27cに横並びに配置され、延長フレーム材28aは、直交フレーム材27cよりも低い位置に配置されている。また、延長フレーム材28aの下側には、延長フレーム材28aの強度を補強する補強フレーム材が設けられている。
ユニット架台21の下方には、浴室ユニット20のユニット本体22の床下部分を断熱する床下断熱材31が配設されている。床下断熱材31は、全体として矩形板状に形成されており、床パン22b及び浴槽22aの下方に設けられている。ここで、ユニット本体22の下面部(床パン22bや浴槽22aの下面を形成している部分)は、床下断熱材31とは異なる断熱層を有しており、この断熱層はユニット本体22の下面に沿って延びている。この場合、床下断熱材31は、ユニット本体22から下方に離間した位置において、浴室スペースS1を下方から覆う状態で配置されており、建物ユニット10やユニット架台21に対して固定されている。なお、床下断熱材31が浴室下断熱材に相当する。
床下断熱材31には、上下方向に貫通した開口部31aが設けられている。開口部31aは、床パン架台部27と浴槽架台部28との境界部を跨ぐ位置に配置されており、床パン22b及び浴槽22aから延びる排水管や排水トラップが開口部31aを通じて床下断熱材31の下方に引き出されている。
床下断熱材31は、ポリエチレンフォーム等の板状断熱材により形成された断熱パネル32を複数有しており、これら断熱パネル32が横並びに配置されることで板状に形成されている。この場合、床下断熱材31は、複数の断熱パネル32により複数に分割された状態になっている。断熱パネル32同士の境界部には、内側フレーム材27bと上下に並ぶ位置に配置されている部分が含まれている。
次に、床下断熱材31の固定構造について図3〜図7を参照しつつ説明する。図4は床下断熱材31の構成を示す平面図、図5は架台用ブラケット41の斜視図、図6は図4のB−B線断面図、図7は図4のC−C線断面図である。なお、図4においては受け金具15の図示を省略し、図5、図6においてはユニット本体22の図示を省略する。
図4に示すように、建物ユニット10が載せられている建物基礎は、受け小梁14が連結された床大梁12に沿って延びている基礎部35を有している。基礎部35は、建物基礎のフーチング部から上方に向けて立ち上げられた立ち上がり部であり、基礎部35の上面には柱11が立設されている。
床下断熱材31の周縁部は建物ユニット10や基礎部35に固定されており、その固定位置N1は、床下断熱材31の周縁部に沿って複数配置されている。また、床下断熱材31の中間部分はユニット架台21に固定されており、その固定位置N2は、床下断熱材31の周縁部よりも内側において、隣り合う断熱パネル32の境界部に沿って複数配置されている。
隣り合う断熱パネル32は互いに連結されており、その連結位置Mは、隣り合う断熱パネル32の境界部に沿って複数配置されている。床下断熱材31においては、隣り合う断熱パネル32の境界部が複数形成されており、固定位置N2と連結位置Mとはそれぞれ異なる境界部に配置されている。なお、隣り合う断熱パネル32の端面同士は、連結位置Mであるか否かに関係なく、それぞれの端面同士が接着剤等により接合されている。
固定位置N2においては、ユニット架台21に取り付けられた架台用ブラケット41が床下断熱材31を支持している。図3、図5に示すように、架台用ブラケット41は、床パン架台部27の内側フレーム材27bに沿って複数設けられており、それぞれ内側フレーム材27bに固定されている。架台用ブラケット41は、内側フレーム材27bにおいて断熱パネル32同士の境界部に上下に並ぶ部分に取り付けられている。なお、架台用ブラケット41が、床下断熱材31を支持する支持部材に相当し、内側フレーム材27bが、支持部材としての架台用ブラケット41が取り付けられた支持フレーム材に相当する。
架台用ブラケット41は、内側フレーム材27bに固定された固定部としての固定板部41aと、断熱パネル32が載せられている載置部としての載置板部41bとを有している。固定板部41aと載置板部41bとは互いに直交する方向に延びており、架台用ブラケット41は、金属製の板材が折り曲げられることでL字状に形成されたものである。なお、架台用ブラケット41は、合成樹脂材料等がL字状に成型されたものであってもよい。
架台用ブラケット41は、床下断熱材31を吊り下げ支持するものであり、固定板部41aは、内側フレーム材27bに対する固定部分から下方に向けて延びている。載置板部41bは、固定板部41aの下端からその固定板部41aの厚み方向に延びている。載置板部41bは、固定板部41aの下端に沿って複数並べられており、隣り合う載置板部41bのうち一方は、固定板部41aの厚み方向において他方とは反対側に向けて延びている。この場合、架台用ブラケット41は、断熱パネル32同士の境界部において、各載置板部41bの上に断熱パネル32が載せられることで、隣り合う断熱パネル32のそれぞれを引っ掛けた状態で支持することになる(図7参照)。
架台用ブラケット41は、内側フレーム材27bの側面に沿って回動可能な状態で、その内側フレーム材27bに取り付けられている。内側フレーム材27bの側面には軸支部42が取り付けられており、固定板部41aの上端部分が軸支部42により軸支されている。軸支部42は、固定板部41aを内側フレーム材27bの側面に固定しているボルトやビス等の固定具であり、固定板部41aを回動させることができ且つ鉛直方向に対して傾いた所定の傾斜角度で位置保持できる程度の強さで、内側フレーム材27bに対して固定している。固定板部41aには、軸支部42が貫通しているボルト孔やビス孔等の軸支用孔が形成されている。
固定板部41aは、その上端が内側フレーム材27bよりも上方に突出しない高さ位置に配置されている。また、固定板部41aは、軸支部42を中心に回動しても内側フレーム材27bよりも上方にはみ出しにくい形状にされている。固定板部41aにおいては、上端部の幅寸法が下端部の幅寸法よりも小さくされており、その幅寸法が下端から上端に向けてテーパ状に徐々に小さくされており、全体として台形形状になっている。固定板部41aの上端部分については、固定板部41aの幅方向において、軸支部42から側端までの離間距離が軸支部42から上端までの離間距離と同じ又はそれよりも小さくされている。
なお、固定板部41aにおいては、上端の隅角部が面取りされていてもよい。これにより、固定板部41aが回動した場合に、その上端の隅角部が内側フレーム材27bよりも上方に突出することをより確実に防止できる。
図6、図7に示すように、床下断熱材31は、建物ユニット10よりも下方にはみ出した状態で設置されている。床下断熱材31の下面は、床大梁12の下面よりも低い位置に配置されており、架台用ブラケット41は、床下断熱材31を支持した支持状態になっている。支持状態にある架台用ブラケット41は、固定板部41aが上方から断熱パネル32同士の境界部に入り込み、且つ載置板部41bがそれら断熱パネル32の下側に配置された状態になっている。この場合、架台用ブラケット41は、建物ユニット10の下面よりも下方に突出している。
ここで、建物ユニット10の運搬時や、床下断熱材31の設置前などにおいて、架台用ブラケット41は、回動することで支持状態とは異なる退避状態に移行可能になっている。架台用ブラケット41が退避状態にある場合、その架台用ブラケット41の下端は、床下断熱材31の設置位置から上方に離間した位置に配置されている。また、この場合、架台用ブラケット41の下端は、建物ユニット10の下面(床大梁12の下面)よりも高い位置に配置されている。
図4の説明に戻り、固定位置N1においては、床大梁12等の床梁に取り付けられた梁側ブラケット45、又は基礎部35に取り付けられた基礎側ブラケット46が床下断熱材31を支持している。梁側ブラケット45及び基礎側ブラケット46は、床下断熱材31の周縁部において、断熱パネル32の角部分を支持できる位置に配置されている。例えば、床下断熱材31の角部分には梁側ブラケット45が配置され、床下断熱材31の周縁部において断熱パネル32同士の境界部分には梁側ブラケット45又は基礎側ブラケット46が配置されている。
図6、図7に示すように、床小梁13及び受け小梁14の上には、根太51を介して床面材52が設置されており、床面材52の下側には梁上断熱材53が設けられている。床面材52はパーティクルボードや合板等により形成されている。梁上断熱材53は床下断熱材31よりも高い位置に配置されており、これら梁上断熱材53と床下断熱材31とは端部同士が上下に並んでいる。梁上断熱材53と床下断熱材31との間には、それら梁上断熱材53と床下断熱材31とを連結する連結断熱材54が設けられている。梁上断熱材53及び連結断熱材54は、断熱パネル32と同様に、ポリエチレンフォーム等の板状断熱材により形成されている。なお、梁上断熱材53及び床下断熱材31は、いずれも床面材52の下方に設けられた床断熱材に相当する。
連結断熱材54は、床小梁13及び受け小梁14を挟んでユニット架台21とは反対側の位置にそれぞれ配置されており、床小梁13及び受け小梁14のそれぞれに固定されている。連結断熱材54と床下断熱材31とは梁側ブラケット45により連結されている。梁側ブラケット45は、連結断熱材54と床下断熱材31との境界部を跨いだ状態で設けられており、ビス等の固定具により連結断熱材54及び床下断熱材31のそれぞれに固定されている。この場合、床下断熱材31は、梁側ブラケット45及び連結断熱材54を介して床小梁13や受け小梁14に固定されていることになる。
床大梁12において、下方に基礎部35が設けられていない部分には、床下断熱材31が梁側ブラケット45を介して固定されている。床下断熱材31は床大梁12の下側に配置されており、その床大梁12に固定されている梁側ブラケット45は、床大梁12の下側フランジに引っ掛けられた上側引掛部と、床下断熱材31に引っ掛けられた下側引掛部とを有している。床大梁12の溝部内には、梁内断熱材55が設けられており、その梁内断熱材55と床下断熱材31とが断熱性能の観点から見て連続した状態になっている。
床大梁12において、下方に基礎部35が設けられている部分については、基礎側ブラケット46を介して、床大梁12ではなく基礎部35に床下断熱材31が固定されている。床下断熱材31は、基礎部35の側方に配置されており、基礎側ブラケット46は、基礎部35の上端面に引っ掛けられた上側引掛部と、床下断熱材31に引っ掛けられた下側引掛部とを有している。ここで、床大梁12と基礎部35との間の隙間には隙間断熱材56が設けられている。隙間断熱材56は、グラスウール等の断熱材により形成され、床下断熱材31に当接している。この場合、梁内断熱材55と床下断熱材31とが断熱性能の観点から見て隙間断熱材56を介して連続した状態になっている。
なお、床下断熱材31の開口部31aには、排水管や排水トラップが設置された状態での隙間部分を塞ぐ塞ぎ断熱材57が設けられている。塞ぎ断熱材57は、グラスウール等の断熱材により形成されている。
連結位置M(図4参照)においては、断熱パネル32同士が繋ぎ部材61により連結されている。繋ぎ部材61は、互いに反対を向いた一対の溝部を有しており、それら溝部に断熱パネル32がそれぞれ嵌合されることで、それら断熱パネル32を繋いでいる。なお、架台用ブラケット41、梁側ブラケット45、基礎側ブラケット46も、隣り合う断熱パネル32の境界部に配置されていることで、それら断熱パネル32を繋いでいることになる。
続いて、建物ユニット10及び床下断熱材31の設置手順について説明する。
まず、工場において建物ユニット10及び浴室ユニット20を製造し、建物ユニット10の浴室スペースS1に対して浴室ユニット20を設置する。そして、架台用ブラケット41を支持状態ではなく退避状態に移行させて、浴室ユニット20を建物ユニット10ごと工場から建築現場に運搬する。この場合、架台用ブラケット41が建物ユニット10から下方に突出していないため、建物ユニット10の運搬に際して架台用ブラケット41が変形したり破損したりすることや、架台用ブラケット41が建物ユニット10の運搬の支障になることを抑制できる。
ここで、ユニット架台21の内側フレーム材27bの上には床パン22bが載せられているが、架台用ブラケット41においては、その架台用ブラケット41を回動させても固定板部41aの上端の隅角部が内側フレーム材27bよりも上方に突出しないようになっているため、固定板部41aの上端が床パン22bに接触してしまって架台用ブラケット41の回動角度が制限されるということを回避できる。
その後、建築現場に運搬した建物ユニット10を基礎部35の上に設置し、ユニット架台21の下方に複数の断熱パネル32を並べて床下断熱材31を形成する。この場合、架台用ブラケット41を回動させて退避状態から支持状態に移行させるとともに、断熱パネル32の端部を架台用ブラケット41の載置板部41bに引っ掛ける。また、梁側ブラケット45及び基礎側ブラケット46を用いて、床下断熱材31を床大梁12、床小梁13、受け小梁14、基礎部35に対して固定する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
架台用ブラケット41を用いて床下断熱材31がユニット架台21に固定されているため、建物ごとに異なる架台用ブラケット41を用いるという必要がない。これは、建物側の床構造とは異なり、ユニット架台21は仕様の一般化(共通化)が容易であり、一般化されたユニット架台21には一般化した架台用ブラケット41を取り付けることができるためである。この場合、架台用ブラケット41について、建物ごとに専用品を製作せずに汎用品を用いることができるため、コスト負担を低減できる。また、架台用ブラケット41を用いて床下断熱材31を固定する際の作業内容を、建物の仕様が異なっても同じにすることが可能であるため、作業効率を向上させることができる。以上により、浴室の床下断熱構造を好適に構築することができる。
床下断熱材31が、横並びに配置された複数の断熱パネル32により形成されているため、床下断熱材31を構築する際の部材(断熱パネル32)の運搬作業を容易化できる。また、架台用ブラケット41が断熱パネル32同士の境界部に配置されているため、その境界部の周辺部分が下方に撓むことを抑制できる。しかも、架台用ブラケット41をあらかじめユニット架台21に取り付けておくことで、ユニット架台21を設置した後にそのユニット架台21の下側に作業者が潜り込んで架台用ブラケット41をユニット架台21に取り付けるという必要がないため、架台用ブラケット41を用いて床下断熱材31をユニット架台21に固定する作業を容易化できる。
床小梁13が設置されていない浴室スペースS1において、床下断熱材31が架台用ブラケット41により支持されているため、ユニット架台21を床大梁12等の床梁に固定することさえできれば、床下断熱材31の固定対象とするためだけに床小梁13や受け小梁14を設置するという必要がない。しかも、浴室スペースS1においては、床小梁13や受け小梁14という障害物が存在しないため、ユニット架台21の設置作業や、そのユニット架台21に対する床下断熱材31の取り付け作業を容易化できる。
ユニット架台21においては、ユニット本体22が載せられている内側フレーム材27bに架台用ブラケット41が取り付けられていることで、その内側フレーム材27bがユニット本体22及び架台用ブラケット41(床下断熱材31)の両方を支持しているため、架台用ブラケット41を取り付けるための専用部材を浴室スペースS1に設置するという必要がない。したがって、架台用ブラケット41をユニット架台21に取り付けることを理由としてコスト負担が増加するということを抑制できる。
しかも、断熱パネル32の境界部を内側フレーム材27bの下方に配置されていることで、内側フレーム材27bにおける架台用ブラケット41の固定位置と、断熱パネル32における架台用ブラケット41による支持位置との離間距離が極力小さくされているため、架台用ブラケット41の構造が複雑になることや架台用ブラケット41の強度が低下することを抑制できる。
建物の構築に際して、架台用ブラケット41を退避状態に移行させることで、ユニット架台21を運搬する際に架台用ブラケット41が変形したり破損したりすることを抑制できる。しかも、ユニット架台21を設置した後は、架台用ブラケット41を状態移行させるという容易な作業を行うことで、架台用ブラケット41を用いて床下断熱材31をユニット架台21に固定することが可能となる。
架台用ブラケット41は、退避状態にある場合に建物ユニット10から下方に突出していないため、ユニット架台21が取り付けられた状態の建物ユニット10が運搬される際に、架台用ブラケット41がその運搬の支障になることや、架台用ブラケット41が変形したり破損したりすることを抑制できる。
架台用ブラケット41が内側フレーム材27bに回動可能に取り付けられているため、架台用ブラケット41を回動させるという容易な作業を行うことで、その架台用ブラケット41を床下断熱材31の設置位置から上方に離間させることができる。この場合、架台用ブラケット41が上下にスライド移動するという構成に比べて、架台用ブラケット41が内側フレーム材27bよりも上方に突出しないようにその架台用ブラケット41を退避状態に移行させる構成を簡易なものにすることができる。
架台用ブラケット41の固定板部41aがテーパ形状とされているため、固定板部41aの下端部分においては、その幅寸法が大きくされていることで床下断熱材31の支持安定性を高めることができる一方で、上端部分においては、その幅寸法が小さくされていることで、固定板部41aを回動させても内側フレーム材27bよりも上方に突出しにくくなっている。
架台用ブラケット41が載置板部41bを有しているため、断熱パネル32を載置板部41bの上に載せるという容易な作業を行うことで、床下断熱材31をユニット架台21に固定することができる。また、床下断熱材31が架台用ブラケット41により吊り下げ支持されているため、その床下断熱材31を梁上断熱材53よりも低い位置において適正な状態で設置することができる。
内側フレーム材27bと延長フレーム材28aとの設置高さが異なっている構成において、複数の架台用ブラケット41がいずれも内側フレーム材27bに取り付けられているため、これら架台用ブラケット41に延長フレーム材28aに取り付けられたものが含まれている構成とは異なり、全ての架台用ブラケット41を同じ仕様にすることができる。このため、複数の使用の架台用ブラケット41を用いる構成に比べて、架台用ブラケット41に関するコスト負担を低減できる。
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施されてもよい。
(1)上記実施形態では、架台用ブラケット41が断熱パネル32同士の境界部(床下断熱材31の周縁部よりも内側部分)において断熱パネル32の端部を支持していたが、架台用ブラケット41は、床下断熱材31の周縁部において断熱パネル32の端部を支持していてもよい。この場合、架台用ブラケット41においては、載置板部41bが断熱パネル32が存在しない側に向けて延びている必要はない。なお、床下断熱材31が複数に分割されていない構成、つまり、1つの断熱パネル32により床下断熱材31が形成されている構成においては、架台用ブラケット41を床下断熱材31の周縁部に対して配置することになる。
(2)上記実施形態では、床下断熱材31が架台用ブラケット41の載置板部41bの上に載せられて支持されていたが、床下断熱材31は、架台用ブラケット41により支持されていれば載置板部41bの上に載せられていなくてもよい。例えば、架台用ブラケット41が、固定板部41aから側方に向けて突出した突出部を有しており、その突出部が床下断熱材31の側面に埋め込まれることで床下断熱材31が支持された構成や、突出部が床下断熱材31の上面に重ねられており、ビス等の固定具が床下断熱材31を貫通して突出部に打ち込まれている構成とする。
(3)上記実施形態では、架台用ブラケット41が内側フレーム材27bの側面に固定されていたが、架台用ブラケット41は、内側フレーム材27bの上面や下面に固定されていてもよい。また、架台用ブラケット41は、回動することで退避状態に移行するのではなく、上下方向にスライド移動することや、固定板部41aが伸縮することで退避状態に移行する構成とされていてもよい。さらに、架台用ブラケット41は、内側フレーム材27bでなくても、ユニット架台21のいずれかのフレーム材に固定されていればよい。
(4)上記実施形態では、浴槽22aや床パン22bが一体化されたユニット本体22が、浴室設備としてユニット架台21の上に設置されていたが、浴槽22aや床パン22bが一体化されておらず、これら浴槽22aや床パン22bがそれぞれ浴室設備として個別にユニット架台21の上に設置されていてもよい。例えば、浴槽22aが浴室設備としてユニット架台21の上に設置されている構成では、架台用ブラケット41は、浴槽22aが載せられた延長フレーム材28aに取り付けられ、浴槽22aの下方において床下断熱材31を支持していることが好ましい。
(5)上記実施形態では、床下断熱材31が建物ユニット10の下側に設けられていたが、床下断熱材31は、建物ユニット10の下面よりも上方に入り込んだ状態で設けられていてもよい。例えば、床下断熱材31が建物ユニット10の下面よりも高い位置に設けられた構成とする。この構成では、架台用ブラケット41が支持状態にある場合でも、その架台用ブラケット41が建物ユニット10よりも下方に突出させる必要がないため、架台用ブラケット41を退避状態に移行可能な構成にする必要もない。
(6)上記実施形態では、浴室スペースS1が床梁の非設置領域とされていたが、ユニット架台21を浴室スペースS1に設置することが可能であれば、浴室スペースS1にも床小梁13や受け小梁14が設けられていてもよい。例えば、浴室スペースS1を挟んで対向配置された床大梁12と床小梁13との離間距離が所定距離(例えば50cm)より大きい場合に、浴室スペースS1に床小梁13や受け小梁14が設けられることが好ましい。
(7)上記実施形態では、ユニット架台21が床大梁12等の床梁よりも浴室スペースS1側に配置されていたが、ユニット架台21は床梁の上に設置されていてもよい。例えば、ユニット架台21が受け金具15の上に載せられているのではなく、ユニット架台21が床大梁12及び受け小梁14の上に載せられた構成とする。
(8)上記実施形態では、ユニット架台21を支持する受け金具15が、建物ユニット10の短手方向に沿って並ぶ床大梁12及び受け小梁14のそれぞれに取り付けられていたが、建物ユニット10の長手方向に沿って並ぶ床大梁12及び床小梁13のそれぞれに取り付けられていてもよい。この場合、ユニット架台21が受け金具15を介して床大梁12及び床小梁13に固定されていることになる。
(9)床大梁12と床小梁13を連結する受け小梁14が複数設けられており、隣り合う受け小梁14の間に浴室スペースS1が配置されていてもよい。この場合、浴室スペースS1を挟んで隣り合う受け小梁14のそれぞれに受け金具15が取り付けられ、ユニット架台21がそれら受け金具15を介して各受け小梁14に固定されていることが好ましい。
また、短手側スペースS2は設けられていなくてもよい。つまり、浴室スペースS1は一対の床大梁12の間に配置されていてもよい。この場合、一対の床大梁12のそれぞれに受け金具15が取り付けられ、ユニット架台21がそれら受け金具15を介して一対の床大梁12に固定されていることが好ましい。
さらに、浴室スペースS1は、対向配置された床大梁12と床小梁13との間に配置されているのではなく、対向配置された床小梁13同士の間に配置されていてもよい。この場合、隣り合う床小梁13のそれぞれに受け金具15が取り付けられ、ユニット架台21がそれら受け金具15を介して各床小梁13に固定されていることが好ましい。