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JP6149159B2 - オイルパン - Google Patents
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JP6149159B2 - オイルパン - Google Patents

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Description

本発明は、変速機等の下面側に取り付けられるオイルパンに関する。
従来、特許文献1には、オイルパンのボルト取り付け部近傍にリブを持たせ、オイルパンの強度を確保した技術が開示されている。
近年、燃費改善を目的として、変速機内のギヤによるオイル掻き揚げ時のフリクションの減少及びコスト削減の観点から、オイル量の低減を図ることが望まれている。しかしながら、オイル量を削減すると、オイルレベルが低下するため、急ブレーキ時や急発進時など、大きな加減速度が生じる際に、オイルパンからオイルを吸い込むためのストレーナの開口が露出してしまい、空気を吸い込むエア吸い現象が生じるという問題があった。エア吸い現象は、変速機の油圧制御に影響を与えるため、極力抑制しなければならない。
特開2011-112126号公報
本発明は、ストレーナからのエア吸い現象を抑制可能なオイルパンを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、底部と、該底部の外周に立設された外周壁とからなるオイルパンであって、オイルを吸入するストレーナの開口を通る車両前後方向の軸線の両側に、前記底部から車両上下方向の上方に向けて突出することで壁部を形成する第1及び第2オイル流動抑制部を設けた。
よって、ストレーナの開口周辺のオイルの流動範囲が抑制され、ストレーナの開口近傍におけるオイルレベルを確保できる。また、オイルパンの容積を減少させることでオイル量を削減できる。また、オイルパンの底部を突出させ、両側にオイル流動抑制部を設けたことにより、リブ効果によるオイルパンの剛性を向上でき、外部からの耐衝撃性を向上できる。
実施例1のオイルパンを表す平面図である。 実施例1のオイルパンを表す底面図である。 実施例1のオイルパンのA−A断面図である。 第1及び第2規制壁部の傾きと限界減速度との関係を表す特性図である。 ストレーナの開口部と後方底部との隙間βと限界減速度の関係を表す特性図である。 所定低温時にオイルを吸い込んだ際にオイルレベルに生じるエアポケット現象を表す概略図である。
図1は、実施例1のオイルパンを表す平面図、図2は、実施例1のオイルパンを表す底面図、図3は、実施例1のオイルパンのA−A断面図である。図1〜3におけるx軸は車両前後方向(正方向が車両前方)を表し、y軸は車幅方向(正方向が車両左側)を表し、z軸は車両上下方向(正方向が車両上方)を表す。オイルパン1は、底部10と、底部10の外周に立設された外周壁11とを有する。外周壁11の開口端部にはフランジ部12が形成されている。フランジ部12には、図外の変速機ハウジングの下面側から固定するためのボルトを挿通するボルト穴12aを複数有する。オイルパン1には、図外の変速機に供えられたオイルポンプの駆動によりオイルを吸引するためのストレーナ2が位置する。ストレーナ2は、車両下方に向けて開口しオイルを吸引する開口部21と、開口部21から吸引されたオイルをろ過するフィルター部22とを有する。
図1に示すように、オイルパン1は、車両前後方向において大きく分けて3つの領域から構成されている。後方領域は、ストレーナ2の開口部21が位置する領域であり、オイルレベルの深さが必要とされる。実施例1のオイルパン1では、急制動時におけるオイルレベル確保の観点からストレーナ2の開口部21を車両後方側に配置している。後方領域の底部10である後方底部10aは車載時に略水平となるように形成されている。
中間領域の底部10である中間底部10bは、車載時に後方領域から前方領域にかけて徐々に車両上方に向けて上昇する傾斜面として形成されている。この中間底部10bには、中間底部10bから車両上方に向けて突出形成された第1オイル流動抑制部101と、第2オイル流動抑制部102とを有する。第1オイル流動抑制部101は、車両後方側であって車両前後方向と所定の角度を持って交差するように形成された第1規制壁部101aと、車両前後方向に沿って形成され車両後方に向かうに従って高くなる第1ガイド壁部101bと、を有する。同様に、第2オイル流動抑制部102には、車両後方側に形成され、車両前後方向と所定の角度を持って交差する第2規制壁部102aと、車両前後方向に沿って形成され車両後方に向かうに従って高くなる第2ガイド壁部102bと、を有する。
第1ガイド壁部101bと第2ガイド壁部102bとの間の中間底部10bには、制動等に伴って前方領域にオイルが移動する流路となると共に、移動したオイルを後方領域に還流するための流路となる流路底部103を有する。言い換えると、第1オイル流動抑制部101と第2オイル流動抑制部102とは、y軸方向から見た時、少なくとも車両後方側において重なる位置に設けられている。これにより、第1規制壁部101aと第2規制壁部102aとでストレーナ2の開口部21近傍で効果的にオイル流動を抑制する。加えて、第1ガイド壁部101bと第2ガイド壁部102bと流路底部103とでストレーナ2の開口部21近傍で効果的にオイルを流すための流路を形成する。また、第1ガイド壁部101bの最もy軸負方向側端部を通る線をQ1とし、第2ガイド壁部102bの最もy軸正方向側端部を通る線をQ2としたとき、Q1とQ2の中心を通る線Q3は、ストレーナ2の開口部21と重なる位置に設けられている(図2参照)。よって、オイルが流動する際、開口部21近傍を流通するため、開口部21付近のオイルレベルを確保できる。
前方領域の底部10である前方底部10cは、車載時に中間底部10bの傾斜よりも大きな(車両前方に向かうに連れて大きく上昇する)傾斜を有する傾斜面として形成されている。実施例1では、中間底部10bと前方底部10cとは連続的に接続されている。言い換えると、第1オイル流動抑制部101や第2オイル流動抑制部102の車両前方側に壁部を設けない構成とされている。よって、前方底部10c側に流れたオイルをスムーズに後方底部10aに還流できる。尚、第1オイル流動抑制部101や第2オイル流動抑制部102の車両前方側に壁部を設ける場合には、第1規制壁部101aや第2規制壁部102aの高さよりも低い壁部とすることが望ましい。このように、中間領域における第1オイル流動抑制部101や第2オイル流動抑制部102の突出量を抑制することで、ストレーナ2や変速機側の構造物との干渉を抑制できる。
また、車両搭載状態において、外周壁11が立ち上がる前方底部10cの前端部10c1のz軸方向高さ位置は、フランジ部12の車両後方端部121のz軸方向高さ位置よりも高くなるように設置される。このように、前方底部10cが大きく上昇することで、前方底部10cから立設された車両前方側の外周壁11の壁面への障害物等の接触を回避する。すなわち、外周壁11の壁面は障害物等からの力が入力しやすいためオイルパン1への衝撃が大きくなりやすい。一方、前方底部10cのような傾斜面であれば、障害物等からの力が分散して入力されるため、オイルパン1の耐久性の向上を図るものである。また、前端部10c1が車両後方端部121のz軸方向高さ位置よりも高くしている。これにより、オイルパン1の前方領域に移動したオイルがストレーナ2の開口部21が位置する後方領域に回収しやすくすると共に、後方領域におけるオイルレベルを確保する。
(第1及び第2規制壁部について)
図4は、第1及び第2規制壁部の傾きと限界減速度との関係を表す特性図である。ここで、第1及び第2規制壁部101a,102aの壁部の面が車幅方向に延在する壁部面方向をP1(図2参照)とし、車幅方向であるy軸方向との成す角をαと定義する。限界減速度とは、車両に所定減速度を発生させた際、ストレーナ2からのエア吸い現象が発生する減速度を表す。図4に示すように、αを0度(y軸方向)から徐々に大きくしていくと、徐々に限界減速度が上昇していき、略50度を頂点として下降していくことが判明した。αが大きすぎると、後方領域のオイルが減速度の発生時に前方領域に移動しやすく、後方領域でのオイルの滞留、すなわちオイルレベルの確保が困難となる。一方、αが小さすぎると、ストレーナ2の開口部21に効率よくオイルを導くことができず、やはりオイルレベルの確保が困難となる。
実際の車両適用に際し、車両に発生し得る最大減速度にあってもエア吸い現象の発生が抑制できるのは、αが略30度から略70度の範囲であった。そこで、実施例1では、αを略50度に設定し、減速時におけるオイル移動を適切に抑制している。尚、略50度に限らず、略30度から略70度の範囲で適宜設定すればよい。また、実施例1では、第1規制壁部101aとy軸方向が成す角と、第2規制壁部102aとy軸方向とが成す角とは略一致するように構成したが、略30度から略70度の範囲で異なる成す角に設定してもよい。
(ストレーナ開口部と後方底部との隙間βと限界減速度との関係について)
図5は、ストレーナ2の開口部21と後方底部10aとの隙間βと限界減速度の関係を表す特性図である。ストレーナ2の開口部21と後方底部10aとの隙間をβとする(図2参照)。図5の実線は常温時における隙間βと限界減速度の関係を表す。常温で隙間βを徐々に変更した場合、限界減速度は隙間βが小さいほど限界減速度は大きく確保でき、隙間βが大きくなると、オイルの粘性が低く流動性能が確保されているため、限界減速度は大きく減少し始める。よって、最大減速度を満たす条件は、隙間βがβ1以下である必要がある。
次に、所定低温(例えば-30°C)で隙間βを徐々に変更した場合を想定する。図5の点線は所定低温時における隙間βと限界減速度の関係を表す。所定低温時にあっては、オイルの粘度が水あめ状のように高くなる。よって、油の流動が抑制されるため、隙間βを大きくしたとしても、減速度の発生によるオイルレベルの低下は生じにくい。しかし、隙間βを小さくし、局所的にオイルを吸引すると、限界減速度は減少する傾向を持つ。
図6は、所定低温時にオイルを吸い込んだ際にオイルレベルに生じるエアポケット現象を表す概略図である。オイルの粘性が高く流動が抑制されているため、吸引されることで低下したオイルレベルの部分に他のオイルが流れ込みにくく、部分的にオイルレベルが低下する現象が発生する。これをエアポケット現象という。
よって、図5の点線で示す特性図のように、隙間βを小さくすると、エアポケット現象によって局所的なオイルレベルの低下が発生し、エア吸い現象が起きやすくなる。よって、最大減速度を満たす条件は、隙間βがβ0以上である必要がある。故に、両温度条件を満たすβは、β0<β<β1の領域となる。この範囲となるように隙間βを設定することで、温度条件によらず安定的にエア吸い現象を抑制できる。
以上説明したように、実施例1にあっては下記に列挙する作用効果が得られる。
(1)底部10と、該底部10の外周に立設された外周壁11とからなるオイルパン1であって、オイルを吸入するストレーナ2の開口を通る線Q3(車両前後方向の軸線)の両側に、底部10から車両上下方向の上方に向けて突出することで壁部を形成する第1及び第2オイル流動抑制部101,102を設けた。
よって、ストレーナ2の開口部21周辺のオイルの流動範囲が抑制され、ストレーナ2の開口部21近傍におけるオイルレベルを確保できる。また、オイルパン1の容積を減少させることでオイル量を削減できる。また、オイルパン1の底部10を突出させるため、第1及び第2オイル流動抑制部間によるリブ効果によりオイルパン1の剛性を向上でき、外部からの耐衝撃性を向上できる。
(2)ストレーナ2の開口部21を通る線Q3(車両前後方向軸)は、第1オイル流動抑制部101と第2オイル流動抑制部102との最近接部の中心を通ることとした。
よって、車両による急激な加減速が生じてオイルが流動する際、前後方向で開口部21を含む流通路であるため、開口部21付近のオイルレベルを確実に確保することができる。
(3)ストレーナ2は、底部10の後方領域(車両前後方向中心よりも一方側の位置)に開口し、第1及び第2オイル流動抑制部101,102の第1規制壁部101a及び第2規制壁部102a(車両前後方向一方側の壁部)の車両上下方向高さは、前方領域(他方側)の壁部よりも高い。実施例1の場合、第1オイル流動抑制部101や第2オイル流動抑制部102の車両前方側に壁部を設けない構成とされている。よって、前方底部10c側に流れたオイルをスムーズに後方底部10aに還流できる。尚、第1オイル流動抑制部101や第2オイル流動抑制部102の車両前方側に壁部を設ける場合には、第1規制壁部101aや第2規制壁部102aの高さよりも低い壁部とすることが望ましい。このように、中間領域における第1オイル流動抑制部101や第2オイル流動抑制部102の突出量を抑制することで、ストレーナ2や変速機側の構造物との干渉を抑制できる。
(4)ストレーナ2は、底部10の後方領域(車両前後方向中心よりも一方側の位置)に開口し、第1及び第2オイル流動抑制部101,102の第1規制壁部101a及び第2規制壁部102a(車両前後方向一方側の壁部)が延在する延在方向は、y軸方向(車幅方向)と30度以上70度以下の角度で交差する。
よって、車両による前後方向の動きにより、オイルの流動が両規制壁部により流動方向を規制して、オイルの流動による移動を適度に抑制し、かつ、ストレーナ2の開口部21に効果的にオイルを導くことができ、エア吸い現象の発生を抑制できる。
(5)底部10の前端部10c1(車両前後方向前端部)のz軸方向(車両上下方向)の上端部位置が、フランジ部12の車両後方端部121(外周壁の車両前後方向後端部)の車両上下方向の上端部位置よりも高くなるように車両に搭載される。
これにより、オイルパン1の前方領域に移動したオイルがストレーナ2の開口部21が位置する後方領域に回収しやすくすると共に、後方領域におけるオイルレベルを確保できる。
(6)ストレーナ2は、底部10の車両前後方向中心よりも車両後方側に開口する。よって、加速時に比べて大きな速度変化が起きる減速時に効果的にオイルレベルを確保することができる。
(7)第1及び第2オイル流動抑制部101,102は、車両前後方向において同じ位置に形成されている。
よって、第1規制壁部101aと第2規制壁部102aとでストレーナ2の開口部21近傍で効果的にオイル流動範囲を抑制する。加えて、第1ガイド壁部101bと第2ガイド壁部102bと流路底部103とでストレーナ2の開口部21近傍で効果的にオイルを流すための流路を形成できる。
(8)ストレーナ2の開口部21と底部10との隙間βの最大値は、常温時にエア吸い現象を回避可能なβ1(第1所定値)以下とし、隙間βの最小値は、所定低温時にエア吸い現象を回避可能なβ0(第2所定値)以上とした。
常温時はオイルの粘性が低いためオイルの流動性が良い。よって、常温時に最大減速度であってもエア吸い現象を回避できる隙間β1以下にした。一方、所定低温時はオイルの粘性が高いため、オイルの流動性が悪いので、エアポケット現象によってエア吸い現象が発生する。よって、エアポケット現象が発生したとしてもエア吸い現象を回避できる隙間β0以上にした。これにより、温度条件によらず安定的にエア吸い現象を抑制できる。
以上実施例1に基づいて本発明を説明したが、上記構成に限らず発明の範囲内であれば他の構成であっても構わない。実施例1では、第1ガイド壁部101bと第2ガイド壁部102bとを形成する際、ストレーナ2の開口部21のy軸方向端部位置と線Q1,Q2とが略一致するように設定したが、必ずしも一致していなくてもよい。また、線Q3がストレーナ2の開口部21を通過すればよく、ストレーナ2の開口部21の中心とずれた位置を線Q3が通過する構成でも構わない。

Claims (7)

  1. 底部と、該底部の外周に立設された外周壁とからなるオイルパンであって、
    オイルを吸入するストレーナの開口を通る車両前後方向の軸線の両側に、前記底部から車両上下方向の上方に向けて突出する第1オイル流動抑制及び第2オイル流動抑制部を設け、
    前記第1オイル流動抑制部及び前記第2オイル流動抑制部は、
    車幅方向に延びる規制壁部と、
    車両前後方向に延びるガイド壁部と、
    をそれぞれ有し、
    前記第1オイル流動抑制部のガイド壁部と前記第2オイル流動抑制部のガイド壁部との間に前記開口に向かうオイル流路が形成され
    前記ストレーナは、前記底部の車両前後方向中心よりも一方側の位置に開口し、
    前記第1及び第2オイル流動抑制部の車両前後方向一方側の壁部の車両上下方向高さは、他方側の壁部よりも高い、オイルパン。
  2. 請求項1に記載のオイルパンにおいて、
    前記ストレーナの開口を通る車両前後方向の軸線は、前記第1オイル流動抑制部のガイド壁部と前記第2オイル流動抑制部のガイド壁部との間の略中心を通る、オイルパン。
  3. 請求項1又は2に記載のオイルパンにおいて、
    前記第1及び第2オイル流動抑制部の車両前後方向一方側の壁部の面が車幅方向に延在する壁部面は、車幅方向と略30度以上で略70度以下の角度で交差する、オイルパン。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一つに記載のオイルパンにおいて、
    前記底部の車両前後方向前端部の車両上下方向上端部位置が、前記外周壁の車両前後方向後端部の車両上下方向上端部位置よりも高くなるように車両に搭載される、オイルパン。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一つに記載のオイルパンにおいて、
    前記ストレーナの前記開口は、前記底部の車両前後方向中心よりも後方側に設けられている、オイルパン。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一つに記載のオイルパンにおいて、
    前記第1及び第2オイル流動抑制部は、車両前後方向において同じ位置に形成されている、オイルパン。
  7. 請求項1ないし6のいずれか一つに記載のオイルパンにおいて、
    前記ストレーナの開口と底部との隙間の最大値は、常温時にエア吸い現象を回避可能な第1所定値以下とし、前記隙間の最小値は、所定低温時にエア吸い現象を回避可能な第2所定値以上とした、オイルパン。
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