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JP6150876B2 - 運動用パンツ - Google Patents
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Description

この発明は、ランニング用パンツ、フィットネスパンツ等の運動用パンツに関するものである。
脚を上げたり広げる動作は、様々なスポーツやスポーツ前後の体操時に行なわれる。
一般的な生地のトレーニング用パンツは、通常、ゆとりがあるが、伸縮性の低い生地を使用していることが多く、準備体操などで、股関節や膝関節を屈曲させると、お尻や股間、膝に引きつれが生じて動きが阻害されたり、不快感が生じたりする。この不快感や引きつれを小さくするためには、パンツを手で摘んでゆとりを持たせる動きをたびたび行なうといった不具合があった。
このため、スパッツやパンツで、局所的に伸縮性の高い生地を用いて、動きやすさを向上させたものがある(特許文献1、特許文献2)。
特許文献1に開示された胴体下部から大腿部を被う陸上競技用スパッツは、縦横方向に伸縮する素材からなり、足の運動動作を妨げないことを目的にして、図17A,図17Bに示すように、正面の鼠径部から側面の腸骨稜を通り背面の臀部下方部に至る領域21を、その他の部分よりも伸縮性が大きい素材によって形成している。
また、図18に示すように、動作時の身体への追従性に優れ、身体への過度の負荷がかからないように、臀部に相当する部分22および大転子に相当する部分23に伸縮性素材からなる生地を設け、大転子に相当する部分23に設ける生地が縦方向に対してバイアスの地の目となるように設けた軽スポーツ用パンツが特許文献2に開示されている。
また、動きやすさを目的とはしていないが、大腿前面に斜めの開口を設けて筋肉の温度を適当に保つズボンが特許文献3に開示されている。この特許文献3のズボンは、図19に示すように、筋肉を適温に保つため、ズボンの前側の大腿部前面に対応する箇所に斜めの開口24を設け、その開口24には、開閉するためのファスナーが設けられるとともに、通気性を有する布地が取り付けられている。
特開2003−293203号公報 特開2012−167379号公報 特開2012−97387号公報
ところで、上記特許文献1に開示された陸上競技用スパッツは、身生地よりも伸縮性の高い生地を配することで動きやすさを向上させているが、股間の目立つ部分に伸縮性の高い生地を設けているため、見た目が非常に劣るという問題がある。
また、上記特許文献2に開示された軽スポーツ用パンツは、伸縮性の高い生地が臀部から大転子部の広い範囲に設けられているので、動作時に身体へ追従する効果は期待できる。しかしながら、商品にするにあたって品質上問題のない伸縮性の高い生地は、概して、比較的高価であるため、広い範囲に配置するとコストが高くなるという問題がある。また、臀部は皮膚の伸び縮みが大きく、その部分に伸縮性の高い生地を配すると、形状維持ができずに弛みが生じて、外観が損なわれてしまうという問題がある。特に、お尻や下着のラインが出るため、女性は嫌がる傾向にある。
また、特許文献3のズボンは、大腿部前面に開口24を設けているが、この開口24は、通気を目的としているため、特許文献3のズボンに設けられた開口によって、臀部の引きつれを減らすことはできない。
以上のように、身生地が伸縮性の高い生地であれば、引きつれは小さく、運動の妨げにもならず、着用者が不快に思うこともないが、身体や下着のラインが出るため着用に抵抗感を覚える人が少なくない。また、伸縮性の高い生地は、比較的高価であり、使用範囲が広いとコストが上がるという問題もある。
そこで、この発明は、伸縮性の低い身生地を使用しても、脚を上げたり広げる動作時に、お尻や股間、膝に引きつれが生じにくく、しかもコストが上がらず美観を損なわない運動用のパンツを提供しようとするものである。
この発明は、上記の課題を解決するために、胴体の下部から脚部を覆う運動用パンツの身生地に、脇線に対して交差し、後方から前方に向かって低く傾斜し、臀溝の外側延長線と人体脇線との交点が中点となり、大転子が上端となる長さの切れ目を臀溝外側部分に配置したことを特徴とする。

また、脚部前面の膝上付近の身生地に、大腿部の前面から膝の内側にかけて切れ目を追加してもよい。
また、脚部前面の膝上付近の身生地に、大腿部の前面から膝の外側にかけて切れ目をさらに追加してもよい。
前記のように、身生地に切れ目を設けると、切れ目の間から肌が見えたり、異物が混入したりするおそれがある。このため、切れ目を覆うように別の生地を縫合したり、切れ目部分で身生地が重なるようにすると、切れ目の間から肌が見えたり、異物が混入したりすることを防止することができる。切れ目を覆うように別の生地を縫合する場合には、切れ目の開きを阻害しないように、その生地にゆとりをもたせたり、伸縮性の高い生地を配置することが望ましい。
この発明の運動用パンツは、伸縮性の低い身生地で形成されていても、脚を外側に上げた際にパンツの臀部が伸ばされることによって、臀部の下端から臀溝外側部分に向かう引きつれが生じるラインと、身生地の臀溝外側部分に配置した、脇線に対して後方に傾斜する切れ目とがほぼ直交するので、切れ目によって引きつれが軽減され、着用者の運動の妨げや不快感が軽減される。
また、切れ目によって引きつれを軽減できるので、股間やお尻の目立つ部分に高伸縮性の生地を配置する必要がなく、パンツの外観を著しく損なうこともない。
この発明の実施形態1の運動用パンツの側面図である。 この発明の実施形態1の運動用パンツの正面図である。 この発明の実施形態1の運動用パンツを着用して脚を外側に上げた場合における臀部の下端に生じる引きつれ方向と切れ目との関係を示す背面図である。 この発明の実施形態1の運動用パンツを着用して脚を外側に上げた場合における支持脚の臀部下端から上げ脚の内腿に沿って生じる引きつれ方向と切れ目との関係を示す背面図である。 この発明の実施形態2の運動用パンツの側面図である。 この発明の実施形態2の運動用パンツの正面図である。 この発明の実施形態2の運動用パンツを着用して脚を外側に上げた場合における支持脚の臀部下端から上げ脚の内腿を結ぶ引きつれ方向と切れ目との関係を示す正面図である。 この発明の実施形態2の運動用パンツを着用して片脚を前に上げた場合における上げ脚の臀部中央から内腿に沿って生じる引きつれ方向と切れ目との関係を示す正面図である。 この発明の実施形態3の運動用パンツの側面図である。 この発明の実施形態3の運動用パンツの正面図である。 この発明の実施形態3の運動用パンツを着用して片脚を前に上げた場合における上げ脚の臀部外側から大腿外側に沿って生じる引きつれ方向と切れ目との関係を示す正面図である。 従来例の運動用パンツの側面図である。 従来例の運動用パンツの正面図である。 参考例の運動用パンツの側面図である。 参考例の運動用パンツの正面図である。 切れ目の効果確認実験の結果を示すグラフである。 従来例の部分正面図である。 従来例の部分側面図である。 従来例の側面図である。 従来例の正面図である。
以下、この発明に係る運動用パンツの実施形態を説明する。なお、以下の実施形態において、同一の構成部分または同様の構成部分には、同一の符号を付し、説明を適宜省略する。
図1〜図4に示す実施形態1の運動用パンツ1は、身生地の臀溝外側部分に、脇線2に対して後方に傾斜する切れ目3を設けている。より具体的には、切れ目3を、臀溝の外側延長線と人体脇線との交点がほぼ中点となり、大転子がほぼ上端となるような大きさ(長さ)で、下端が上端よりも大腿の中央(前方)にあるように設定する。また、切れ目3の幅は、上記の大きさ(長さ)と同等か、またはそれよりも小さければよい。また、切れ目3の形状は、幅方向に開けば特に限定されず、例えば、線状、正方形、長方形、長さ方向の中央部分が両端よりも適宜幅広になっているもの、長さ方向の中央部分が両端よりも適宜幅狭になっているもの、長さ方向の一端もしくは両端が適宜狭く、あるいは広くなっているものでもよい。
実施形態1の運動用パンツ1の切れ目3は、脇線2に対して後方にほぼ15度の角度で傾斜し、その長さが16cmである。この実施形態1における15度という角度は、後述する「引きつれラインAと切れ目3とがほぼ直交する角度であり、着用者によって変わる角度である。なお、引きつれラインAと切れ目3とがほぼ直交とは、厳密な意味で「直交」でなくても、切れ目3を引きつれラインAの方向に引っ張ったときに切れ目3が幅方向に広がるような角度を含む概念で使用する。
実施形態1の運動用パンツ1では、切れ目3の裏面に伸縮性の高い長方形の布4を縫製している。長方形の布4の大きさは、長さ方向に20cm、幅方向に12cmである。布4の長さと幅は、切れ目3と同等か、またはそれよりも大きければよい。また、布4の形状は、特に限定されないが、縫製上、多角形の角が丸みを帯びた形状または楕円形状が望ましい。布4の材料としては、例えば、織物、編物あるいは不織布等を使用でき、その中でも伸縮性の高い生地を使用することが好ましい。布4は、切れ目3の表面に縫製してもよい。
図3に示すように、伸縮性の低い身生地で形成されたパンツ1を着用して脚を外側に上げると、特に、パンツ1の臀部が伸ばされ、臀部の下端から臀溝外側部分に向かう引きつれラインAが生じ、この引きつれラインAが着用者の運動の妨げや不快感の原因となる。
この引きつれラインAに対して、実施形態1の運動用パンツ1は、脇線2に対して後方に傾斜する切れ目3を身生地の臀溝外側部分に配置しているので、図3に示すように、引きつれラインAと切れ目3とがほぼ直交し、切れ目3によって引きつれラインAの引きつれが軽減される。切れ目3を身生地に設けることで、引きつれを軽減でき、股間やお尻の目立つ部分に高伸縮性の生地を配置する必要がないので、パンツの外観を著しく損なうこともない。
身生地の臀溝外側部分に配置した脇線2に対して後方に傾斜する切れ目3は、内腿の引きつれを軽減する効果もある。即ち、切れ目3は、図4に示すように、片脚を外側に上げたときに生じる支持脚の臀部下端から上げ脚の内腿を結ぶ引きつれラインBの端部にもほぼ直交するので、片脚を外側に上げたときに生じる内腿の引きつれも軽減することができる。
切れ目3の裏面に縫製する布4は、伸縮性の高い生地を使用するが、少なくとも切れ目3の長さ方向に対して直交する方向に伸縮性の高い生地であればよい。
次に、図5〜図8に示す実施形態2の運動用パンツ1は、身生地の臀溝外側部分に、脇線2に対して後方に傾斜する切れ目3を設け、さらに、脚部前面の膝上付近の身生地に、大腿部の前面から膝の内側にかけて切れ目5を配置している。実施形態2の運動用パンツ1の切れ目5は、脇線2に対してほぼ50度の角度で傾斜し、その長さは16cmである。切れ目5の大きさ(長さ)は、切れ目3とほぼ同等である。切れ目5の幅および形状も、切れ目3と同様である。また、この実施形態2における50度という角度は、後述する引きつれラインB・Cと切れ目5とがほぼ直交するように設定した角度であり、着用者によって変わる角度である。なお、引きつれラインB・Cと切れ目5とがほぼ直交とは、厳密な意味で「直交」でなくても、切れ目5を引きつれラインB・Cの方向に引っ張ったときに切れ目5が幅方向に広がるような角度を含む概念で使用する。この切れ目5の裏面にも、伸縮性の高い長方形の布4を縫製している。長方形の布4の大きさは、長さ方向に20cm、幅方向に12cmである。実施形態2における布4の長さと幅は、切れ目5と同等か、またはそれよりも大きければよい。
実施形態2の運動用パンツ1の切れ目5は、図7に示すように、片脚を外側に上げたときに生じる支持脚の臀部下端から上げ脚の内腿を結ぶ引きつれラインBの下端にほぼ直交するので、引きつれラインBの引きつれを軽減することができる。
また、切れ目5は、図8に示すように、片脚を前に上げた時に生じる上げ脚の臀部中央から内腿を結ぶ引きつれラインCにほぼ直交するため、引きつれラインCの引きつれを軽減することができる。
次に、図9〜図11に示す実施形態3の運動用パンツ1は、膝の内側の切れ目5に加え、膝の外側にも切れ目6を配置している。切れ目6の傾斜は脇線2に対してほぼ60度であり、長さは10cmである。切れ目6の大きさ(長さ)は、切れ目5よりも小さい。切れ目6の幅および形状は、切れ目3と同様である。また、この実施形態3における60度という角度は、後述する引きつれラインDと切れ目6とがほぼ直交する角度であり、着用者によって変わる角度である。なお、引きつれラインDと切れ目6とがほぼ直交とは、厳密な意味で「直交」でなくても、切れ目6を引きつれラインDの方向に引っ張ったときに切れ目6が幅方向に広がるような角度を含む概念で使用する。切れ目6の裏面にも、伸縮性の高い長方形の布4を縫製している。長方形の布4の大きさは、長さ方向に14cm、幅方向に8cmである。実施形態3における布4の長さと幅は、切れ目6と同等か、またはそれよりも大きければよい。
実施形態3の運動用パンツ1の切れ目6は、図11に示すように、片脚を前に上げたときに生じる、上げ脚の臀部外側から大腿外側を結ぶ引きつれラインDに直交し、腿の引きつれを軽減できる。
<切れ目の効果確認実験>
臀溝外側部分に、脇線2に対して後方に傾斜する切れ目3を配置した図1〜図4に示す実施形態1のパンツ1と、切れ目を設けていない図12及び図13に示す従来例のパンツ10と、図14及び図15に示す大腿部の前面から膝の内側にかけての切れ目5、大腿部の前面から膝の外側にかけての切れ目6、膝の下の切れ目7を配置した参考例のパンツ11を寸法が同じLサイズの大きさに縫製し、このパンツ1、パンツ10、パンツ11を被検者の男性8名に着用させ、股関節と膝関節を屈曲して脚を上げる動作と、脚を左右に広げて腰を落とすしゃがみこみ動作を行なって、引きつれ感を評価する実験を行った。
引きつれ感を評価する部位は、膝部、臀部、股間とし、「全くつっぱらない」から「非常につっぱる」までを10cmの線にして、その線上で感じた位置にマークを付けて評価した。
引きつれ感を評価する場合、前に着用したパンツの評価を見直しても良いこととし、従来例のパンツ10を着用した後、実施形態1のパンツ1、参考例のパンツ11をランダムに着用し、そのすぐ後につっぱり感を評価した。引きつれ感の評価を数値化し、被検者とパンツの2要因の分散分析を行い、パンツの要因に有意差があった場合、最小有意差法でどのパンツ間に差があるのかを調べた。有意水準(p)は5%(p<0.05)とした。
実験結果は、図16に示す通り、膝部の引きつれ感は、実施形態1のパンツ1、参考例のパンツ11が、切れ目のない従来例のパンツ10よりも小さかった。臀部の引きつれ感は、実施形態1のパンツ1が、参考例のパンツ11、従来例のパンツ10よりも小さかった。股間の引きつれ感は、実施形態1のパンツ1、参考例のパンツ11が、切れ目のない従来例のパンツ10よりも小さかった。
この実験結果から、臀溝外側に脇線2に対して後方に傾斜する切れ目3を配置することで、膝部、臀部、股間の引きつれを軽減することができ、膝付近に切れ目を設けると、膝部、股間の引きつれを軽減できるということを確認できた。
1 運動用パンツ
2 脇線
3 切れ目
4 布
5 切れ目
6 切れ目
7 切れ目

Claims (5)

  1. 胴体の下部から脚部を覆う身生地に、脇線に対して交差し、後方から前方に向かって低く傾斜し、臀溝の外側延長線と人体脇線との交点が中点となり、大転子が上端となる長さの切れ目を臀溝外側部分に配置した運動用パンツ。
  2. 脚部前面の膝上付近の身生地に、大腿部の前面から膝の内側にかけて切れ目を配置した請求項1記載の運動用パンツ。
  3. 脚部前面の膝上付近の身生地に、大腿部の前面から膝の外側にかけて切れ目を配置した請求項2記載の運動用パンツ。
  4. 前記切れ目を覆うように、少なくとも切れ目の長さ方向に対して直交する方向に伸縮性の高い布を縫合している請求項1〜3のいずれかに記載の運動用パンツ。
  5. 前記切れ目を覆うように、少なくとも切れ目の長さ方向に対して直交する方向にゆとりをもつように布を縫合している請求項1〜3のいずれかに記載の運動用パンツ。
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