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JP6151308B2 - 多管型熱交換器及び多管型熱交換器の端部構造 - Google Patents
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JP6151308B2 - 多管型熱交換器及び多管型熱交換器の端部構造 - Google Patents

多管型熱交換器及び多管型熱交換器の端部構造 Download PDF

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Description

本発明は、シェルの両端に管板を設け、管板間にそれぞれ複数本の往還伝熱管および帰還伝熱管を架設してシェル内に収納し、シェル内に熱媒体となる流体を注入し、伝熱管内にはプロセス流体を注入して、それぞれの流体間の熱交換をさせる多管型熱交換器に関する。
従来、食品・医薬品・化粧品等のプロセス流体を加熱冷却殺菌するための熱交換器として、チューブ式、プレート式等の熱交換器が使用されている。また、プロセス流体は、低粘度のものから高粘度のものまである。さらにプロセス流体には、固形分を含むスラリー流体のものや非ニュートン特性を有する流体まで様々なものがある。特に、飲料等の比較的粘度の低いプロセス流体に使用されている熱交換器としては、プレート式あるいは多管型の熱交換器が使用されている。
このような熱交換器のうち多管型熱交換器としては、例えば特許文献1に示すようなものがある。
すなわち、複数本の往還伝熱管と帰還伝熱管とをチャンネルカバー板に架設し、チャンネルカバー板の外側で往還伝熱管と帰還伝熱管とを二本のパイプから構成したU字管で連通したものである。このU字管は、より具体的には、同一径の二本のパイプをそれぞれ所定の角度で曲げてからそれぞれの曲げ部を適宜に切断し、切断面同士を当接させた状態で当接部分を溶着したものである。
特許第3374345号公報
しかしながら、このような従来の技術では、U字管の製造に二本のパイプ(直管)それぞれを所定の角度で曲げる工程と、曲げた二本のパイプそれぞれの曲げ部を所定の箇所で切断する工程と、さらに切断した二本のパイプの切断面同士を当接する工程と、当接させた状態のままに当接部分を溶着する工程と、溶着部分を研磨する工程等が必要で有る。このようにU字管の製造には多くの工程を要し、製造時間が掛かる上にコストも掛かるという問題点が有った。
また、特に溶接して接続した接続部分に段差や溶接の膨らみ等が残っていると、その部分の洗浄性が悪くなるのでサニタリー性に問題が生じやすいという不具合も有った。
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、U字管等の屈曲管を構成するための多くの工程を必要とせず、製造時間が短く、製造コストの低減が可能であり、且つU字管等は、研磨工程のような特別な工程を必要としなくても内壁が滑らかな面を有しているので洗浄性に優れており、さらに部品点数が少ない多管型熱交換器を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1] シェル(20)の両端に設けた管板(10)間に複数本の伝熱管(31,32)を多段に架設して前記シェル(20)内に収納するとともに前記伝熱管(31,32)を前記シェル(20)の外部で連通し、前記シェル(20)内には熱媒体となる流体を注入し、前記複数本の伝熱管(31,32)を連通した連通伝熱管(30)内にはプロセス流体を流通させて、該プロセス流体と前記熱媒体との間で熱交換させる多管型熱交換器(1)において、
前記管板(10)に接合させる蓋板(40)と、
前記管板(10)に架設された前記複数本の伝熱管(31,32)それぞれの端部を、前記蓋板(40)よりも外側で連通させる、前記蓋板(40)に取り付けられた屈曲管(50)と、を備え、
前記屈曲管(50)は、単一に一体成形された鋳物であり、
前記複数本の伝熱管(31,32)それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケット(71)と、前記連通伝熱管(30)の全体をまとめて囲む外周シールガスケット(72)とが前記管板(10)と前記蓋板(40)との間に挟まれるように配設され、
前記伝熱管シールガスケット(71)と外周シールガスケット(72)との間に形成された間隙(100)に各種流体を注入する注入部(61)と、前記間隙(100)から各種流体を排出させる排出部(62)とが設けられ、
前記伝熱管シールガスケット(71)によるシーリングの耐圧力は、前記外周シールガスケット(72)によるシーリングの耐圧力よりも大きく、
前記間隙(100)に注入した各種流体が前記シェル(20)内に混入することを防止して外部からの汚染を防止したことを特徴とする多管型熱交換器(1)。
[2] シェル(20)の両端に設けた管板(10)間に複数本の伝熱管(31,32)を多段に架設して前記シェル(20)内に収納するとともに前記伝熱管(31,32)を前記シェル(20)の外部で連通し、前記シェル(20)内には熱媒体となる流体を注入し、前記複数本の伝熱管(31,32)を連通した連通伝熱管(30)内にはプロセス流体を流通させて、該プロセス流体と前記熱媒体との間で熱交換させる多管型熱交換器(1)において、
前記管板(10)に接合させる蓋板(40)と、
前記管板(10)に架設された前記複数本の伝熱管(31,32)それぞれの端部を、前記蓋板(40)よりも外側で連通させる、前記蓋板(40)に取り付けられた屈曲管(50)であって、単一に一体成形された鋳物から成り、管の外径をDとし、曲げ半径をRとしたときに、R/D=1となる180°U字管と、を備え、
前記プロセス流体を注入する注入ノズル(310)を前記連通伝熱管(30)のうち最上流の伝熱管に設け、前記連通伝熱管(30)内に注入された前記プロセス流体を排出する排出ノズル(320)を前記連通伝熱管(30)のうち最下流の伝熱管に設け、前記連通伝熱管(30)を前記最上流の伝熱管から前記最下流の伝熱管まで前記プロセル流体が自然流下するように配設され、
前記複数本の伝熱管(31,32)それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケット(71)と、前記連通伝熱管(30)の全体をまとめて囲む外周シールガスケット(72)とが前記管板(10)と前記蓋板(40)との間に挟まれるように配設され、
前記伝熱管シールガスケット(71)と外周シールガスケット(72)との間に形成された間隙(100)に各種流体を注入する注入部(61)と、前記間隙(100)から各種流体を排出させる排出部(62)とが設けられ、
前記伝熱管シールガスケット(71)によるシーリングの耐圧力は、前記外周シールガスケット(72)によるシーリングの耐圧力よりも大きく、
前記間隙(100)に注入した各種流体が前記シェル(20)内に混入することを防止して外部からの汚染を防止したことを特徴とする多管型熱交換器(1)。
[3] シェル(20)の両端に設けた管板(10)間に複数本の伝熱管(31,32)を多段に架設して前記シェル(20)内に収納するとともに前記伝熱管(31,32)を前記シェル(20)の外部で連通し、前記シェル(20)内には熱媒体となる流体を注入し、前記複数本の伝熱管(31,32)を連通した連通伝熱管(30)内にはプロセス流体を流通させて、該プロセス流体と前記熱媒体との間で熱交換させる多管型熱交換器(1)の端部構造において、
前記管板(10)に接合させる蓋板(40)と、
前記管板(10)に架設された前記複数本の伝熱管(31,32)それぞれの端部を、前記蓋板(40)よりも外側で連通させる、前記蓋板(40)に取り付けられた屈曲管(50)と、を備え、
前記屈曲管(50)は、単一に一体成形された鋳物であり、
前記複数本の伝熱管(31,32)それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケット(71)と、前記連通伝熱管(30)の全体をまとめて囲む外周シールガスケット(72)とが前記管板(10)と前記蓋板(40)との間に挟まれるように配設され、
前記伝熱管シールガスケット(71)と外周シールガスケット(72)との間に形成された間隙(100)に各種流体を注入する注入部(61)と、前記間隙(100)から各種流体を排出させる排出部(62)とが設けられ、
前記伝熱管シールガスケット(71)によるシーリングの耐圧力は、前記外周シールガスケット(72)によるシーリングの耐圧力よりも大きく、
前記間隙(100)に注入した各種流体が前記シェル(20)内に混入することを防止して外部からの汚染を防止したことを特徴とする多管型熱交換器(1)の端部構造。
前記本発明は次のように作用する。
多管型熱交換器(1)は、シェル(20)内で連通伝熱管(30)の外部に熱媒体となる流体の注入、流通、および排出をさせ、連通伝熱管(30)内ではプロセス流体の注入、流通、排出をさせる。これによってプロセス流体と熱媒体との間で熱交換させることができる。
シェル(20)の両端は、管板(10)によって密閉されているので、シェル(20)内に注入された熱媒体は、シェル(20)の外部に漏れることがない。シェル(20)内に延びる連通伝熱管(30)は、蓋板(40)の外側に延びてUターンしている屈曲管(50)に接続されている。したがって、シェル(20)内の連通伝熱管(30)内を流れるプロセス流体は、蓋板(40)の外側に延びる屈曲管(50)内を流れながら一旦シェル(20)の外に出て、再びシェル(20)内の連通伝熱管(30)に流れ込む。
屈曲管(50)は、管の外径をDとし、曲げ半径をRとしたときに、R/D=1となる180°U字管としたものにおいては、通過するプロセス流体に撹拌効果が現れるので、熱伝達係数が大きくなるので、熱媒体との熱交換がより良好に行われる。
また、プロセス流体を注入する注入ノズル(310)を連通伝熱管(30)のうち最上流の伝熱管に設け、連通伝熱管(30)内に注入されたプロセス流体を排出する排出ノズル(320)を連通伝熱管(30)のうち最下流の伝熱管に設けてあり、連通伝熱管(30)は、最上流の伝熱管から最下流の伝熱管までをプロセス流体が自然流下するように配設されているので、プロセス流体は連通伝熱管(30)を滞ることなく流通する。
管板(10)と蓋板(40)との間には、複数本の伝熱管(31,32)それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケット(71)と、連通伝熱管(30)の全体をまとめて囲む外周シールガスケット(72)とが配設されている。
また、管板(10)と蓋板(40)とは、接合したときにそれらの間に僅かな間隙(100)が形成されるように成形されている。間隙(100)のうち外周シールガスケット(72)よりも外周縁寄りの部分と、外周シールガスケット(72)と伝熱管シールガスケット(71)との間の部分とは外周シールガスケット(72)によって隔絶されている。
間隙(100)のうち伝熱管シールガスケット(71)と外周シールガスケット(72)との間に形成された部分には、注入部(61)から蒸気や無菌空気あるいはシール用流体等の各種流体を注入することができる。また、間隙(100)内の各種流体は、排出部(62)を介して外部に排出させることができる。これにより、シェル内が外部からの汚染に晒されることを防止することができる。
また、伝熱管シールガスケット(71)によるシーリングの耐圧力を外周シールガスケット(72)によるシーリングの耐圧力よりも大きく設定してあるので、間隙(100)に注入した各種流体が伝熱管シールガスケット(71)の部分を通ってシェル(20)内側に浸入してしまうことを防止できている。
本発明にかかる多管型熱交換器によれば、蓋板に取り付けられた屈曲管が単一に一体成形された鋳物であるので、製造工程が大幅に少なくなり、製造コストの削減をすることができる。
また、屈曲管に接続部分がないので内壁面を滑らかにすることができ、これによって洗浄性が良好であり、サニタリー性に優れたものとすることができる。
本発明の一実施の形態に係る多管型熱交換器の主要部を示す側面図である。 本発明の一実施の形態に係る多管型熱交換器の側面から見た概略を示す模式図である。
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。図1は、本発明の一実施の形態に係る多管型熱交換器における、発明の主要部を示す側面図であり、図2は、本発明の一実施の形態に係る多管型熱交換器を側面方向から見たときの概略を示す模式図である。
図2に示すように、多管型熱交換器1は、管板10をシェル20の両端に密着固定してシェル20の内部を外部環境から遮断している。両端の管板10の間には、複数本の往還伝熱管31および帰還伝熱管32が架設されてシェル20内に収納されている。これら複数本の往還伝熱管31および帰還伝熱管32は、後述するU字管50によって接続されており、連通する連通伝熱管30を構成している。
連通伝熱管30の最上流の往還伝熱管31にはプロセス流体を注入するためのプロセス流体注入ノズル310が設けられている。また、連通伝熱管30の最下流の往還伝熱管31にはプロセス流体を排出するためのプロセス流体排出ノズル320が設けられている。ここで言うプロセス流体とは、食品・医薬品・化粧品等における流体物のことである。連通伝熱管30は、最上流の一端から注入されたプロセス流体が最下流の一端まで自然流下するように傾斜をつけて配設されている。
一方、シェル20の一端部には、熱媒体となる流体を内部に注入するための熱媒体注入ノズル210が上方に向けて延設されている。また、もう一方の端部には、内部から熱媒体を排出するための熱媒体排出ノズル220が下方に向けて延設されている。シェル20の両端間の内部には、上記のように往還伝熱管31と帰還伝熱管32が設けられている。
管板10には複数の貫通孔が穿設されており、これら貫通孔には往還伝熱管31または帰還伝熱管32の一端部が貫通している。管板10には外側に蓋板40が接合されている。蓋板40は管板10にボルトとナットによって固定されている。
蓋板40には管板10と接合した状態で管板10に穿設された貫通孔と重なる位置それぞれに貫通する接合孔が穿設されている。蓋板40の各接合孔には外側から金属製の屈曲管であるU字管50の管端部が嵌入している。例示したU字管50は、ステンレス製の180°U字管である。U字管50と蓋板40とは溶接によって固着されている。U字管50は、180°の曲げ部分が管の外径をDとし、曲げ半径をRとしたときに、R/D=1となる所謂1DRのU字管である。
U字管50、連通伝熱管30を成す往還伝熱管31および帰還伝熱管32それぞれの内径は同一である。また、U字管50の内径も連通伝熱管30の内径と同じである。蓋板40の各接合孔の内径は大きさが異なる2段構成になっている。U字管50が嵌入する外部寄りの部分の内径はU字管50の外径と略同じである。この部分よりも奥の部分、即ち管板10寄りの部分の内径はU字管50および連通伝熱管30の内径と同じである。
蓋板40に嵌入したU字管50の一端は往還伝熱管31および帰還伝熱管32の何れか一方の一端に接続されており、U字管50のもう一端は往還伝熱管31および帰還伝熱管32の他方の一端に接続されている。したがって、管板10に架設された往還伝熱管31および帰還伝熱管32は、シェル20の外部のU字管50を介して連通している。
U字管50は、一体成形された鋳物である。これにより、U字管50は従来のU字管のような接続部分はないので、内壁は滑らかな面に形成されている。このU字管50は、溶接によって蓋板40に固着されている。したがって、U字管50と蓋板40とは、溶接可能な素材の組合せになっている。通常はU字管50と蓋板40とを同じ素材にすればよい。
接合された管板10と蓋板40との接合面には僅かな間隙100が形成されている。この間隙100には、汚染防止のために蒸気や無菌空気あるいはシール用流体等の各種流体が注入される。
また、この間隙100には外部から各種流体を注入するためのアセプティック用注入ノズル61が設けられている。また、間隙100内から外部へ各種流体を排出するためのアセプティック用排出ノズル62も設けられている。アセプティック用注入ノズル61には、流体の注入開始および注入停止を行うための開閉弁63が設けられている。また、アセプティック用排出ノズル62には間隙100内に注入された流体を排出するとともに間隙100内の圧力を調整するための圧力調整弁64が設けられている。
間隙100には、往還伝熱管31および帰還伝熱管32よりも大きい直径を有し、複数本の往還伝熱管31および帰還伝熱管32それぞれを個別に囲む複数の伝熱管シールガスケット71が配設されている。また、連通伝熱管30の全体をまとめて囲む1つの外周シールガスケット72が配設されている。
この外周シールガスケット72は、シェル20の外径よりも大きい直径の円となるように配置されている。これら伝熱管シールガスケット71および外周シールガスケット72は、管板10と蓋板40とに挟まれるように配設されている。伝熱管シールガスケット71と外周シールガスケット72との間の部分の間隙100には、前記のアセプティック用注入ノズル61およびアセプティック用排出ノズル62それぞれが接続されている。
伝熱管シールガスケット71によるシーリングの耐圧力は、外周シールガスケット72によるシーリングの耐圧力よりも大きく設定されている。したがって、伝熱管シールガスケット71から間隙100に注入された流体の圧力が大きくなると、外周シールガスケット72側から流体が漏れ始める。このため、伝熱管シールガスケット71に囲まれている伝熱管31,32側に流体が漏れることはない。これにより、間隙100に注入された流体がシェル20側に侵入することはない。
次に作用を説明する。
多管型熱交換器1は、シェル20内に収納され、往還伝熱管31および帰還伝熱管32をU字管50によって連通させた連通伝熱管30の外周面に熱媒体となる流体が接触するようにシェル20内に熱媒体を注入し、流通させ、排出させる。連通伝熱管30内には、プロセス流体を注入し、流通させ、排出させる。これによって連通伝熱管30内のプロセス流体と連通伝熱管30の外側の熱媒体とを連通伝熱管30の管壁を介して熱交換させることができる。
両端が管板10によって密閉されているシェル20には熱媒体注入ノズル210から熱媒体が注入される。管板10はシェル20に密着固定されているので、注入された熱媒体がシェル20の外部に漏れることはない。シェル20内に注入した熱媒体は熱媒体排出ノズル220からシェル20の外部に排出させることができる。
シェル20内の連通伝熱管30に注入してシェル20内の熱媒体と熱交換させるプロセス流体は、プロセス流体注入ノズル310から連通伝熱管30内に注入することができる。また、熱交換処理が終了したプロセス流体は、連通伝熱管30からプロセス流体排出ノズル320を通して排出することができる。
これにより、連通伝熱管30を介したプロセス流体と熱媒体との間に熱交換をさせる。プロセス流体注入ノズル310から往還伝熱管31内に注入されたプロセス流体は、流通しながらシェル20内の熱媒体と熱交換され、往還伝熱管31の一端と接続されているU字管50の一端からU字管50内に流入する。
U字管50はシェル20の外部に設けられているので、プロセス流体は、U字管50内を進む間は熱交換が成されない。U字管50内を進んだプロセス流体は、U字管50の他端に接続された一段下の帰還伝熱管32の一端から帰還伝熱管32内に流入する。帰還伝熱管32はシェル20内に配設されているので、帰還伝熱管32内を流通するプロセス流体は、再びシェル20内に入ってシェル20内の熱媒体との間で連通伝熱管30を介した熱交換が再開される。
帰還伝熱管32内を他端まで進んだプロセス流体は、U字管50を進んだ後、一段下の往還伝熱管31内に流入する。このようにしてプロセス流体は連通伝熱管30内を最下流まで流下する。
U字管50は一体成形された単一の鋳物であるので、管内の壁面に繋ぎ目となる膨らみや段差等が無い滑らかな面に形成されている。これにより、U字管50は内部の洗浄性の優れたものとなり、多管型熱交換器1のサニタリー性が向上される。また、プロセス流体はスムーズにU字管50内を流通することができる。連通伝熱管30内を進んでプロセス流体排出ノズル320に至ったプロセス流体は、プロセス流体排出ノズル320から排出される。
シェル20の内部は両端に管板10が密着固定されているが、管板10よりも外側で管板10に接合されている蓋板40と管板10との間に形成された間隙100には各種流体を注入することができる。各種流体とは、例えば蒸気や無菌空気あるいはシール用流体等である。これにより、シェル20の内部をシェル20の外部環境から隔離することができる。したがって、外部環境からの汚染物質によってシェル20の内部が汚染されることを防止できる。
このような流体は、複数の往還伝熱管31および帰還伝熱管32それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケット71と、連通伝熱管30の全体をまとめるように囲む外周シールガスケット72との間の間隙100にアセプティック用注入ノズル61から注入される。アセプティック用注入ノズル61には開閉弁63が設けられているので、開閉弁63の操作によって注入の開始および停止を行うことができ、流体の注入量を調節することもできる。
間隙100に注入された流体は、アセプティック用排出ノズル62から排出させることができる。排出は圧力調整弁64を開くことによって行うことができる。また、圧力調整弁64を調節することによって間隙100内の圧力調整を行うことができる。
なお、伝熱管シールガスケット71によるシーリングの耐圧力は、外周シールガスケット72によるシーリングの耐圧力よりも大きく設定されている。間隙100内の圧力は、外周シールガスケット72の耐圧力よりもやや小さい値となるように設定しておく。これにより、間隙100内の流体が伝熱管シールガスケット71から漏れてシェル20内側へ浸入してしまう虞がなくなり、シェル20内部の汚染を防止することができる。
間隙100内の圧力が外周シールガスケット72の耐圧力を超えるような大きさに上昇した場合には、伝熱管シールガスケット71の部分からシェル20に流体が浸入する程の圧力に達する以前に、外周シールガスケット72から間隙100の外部に流体が漏れ出る。これにより、伝熱管シールガスケット71の部分からシェル20内部に流体が浸入してしまうことを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は前述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、図2に例示したものは、シェル20の長手方向の一方の側にプロセス流体注入ノズル310が配置され、他方の側にプロセス流体排出ノズル320を配置してあるが、プロセス流体排出ノズル320をプロセス流体注入ノズル310と同じ側の下方に配置してもよい。すなわち、連通伝熱管30の最下流の伝熱管を帰還伝熱管32とし、該帰還伝熱管32の一部にプロセス流体排出ノズル320を設けてもよい。
また、プロセス流体注入ノズル310を連通伝熱管30の最上流の管端と同心に接続して設けて有り、プロセス流体排出ノズル320を連通伝熱管30の最下流の管端と同心に接続して設けて有るが、同心に設けるのではなく、上方から連通伝熱管30の最上流の管端付近に連通するようにプロセス流体注入ノズル310を接続し、下方から連通伝熱管30の最下流の管端付近に連通するようにプロセス流体排出ノズル320を接続してもよい。
本発明は、単一のシェル内に往還伝熱管と帰還伝熱管を備えた多管型熱交換器を例に挙げ、屈曲管として単一に一体成形された鋳物の180°U字管を備えるものとして説明したが、複数のシェルが並列または直列に連結連通され、それら複数のシェル内を延びる伝熱管を180°U字管や180°U字管とは異なる屈曲管によって接続したような多管型熱交換器においても広く適用することができる。
1…多管型熱交換器
10…管板
20…シェル
30…連通伝熱管
31…往還伝熱管
32…帰還伝熱管
40…蓋板
50…U字管(屈曲管)
61…アセプティック用注入ノズル
62…アセプティック用排出ノズル
63…開閉弁
64…圧力調整弁
71…伝熱管シールガスケット
72…外周シールガスケット
100…間隙
210…熱媒体注入ノズル
220…熱媒体排出ノズル
310…プロセス流体注入ノズル
320…プロセス流体排出ノズル

Claims (3)

  1. シェルの両端に設けた管板間に複数本の伝熱管を多段に架設して前記シェル内に収納するとともに前記伝熱管を前記シェルの外部で連通し、前記シェル内には熱媒体となる流体を注入し、前記複数本の伝熱管を連通した連通伝熱管内にはプロセス流体を流通させて、該プロセス流体と前記熱媒体との間で熱交換させる多管型熱交換器において、
    前記管板に接合させる蓋板と、
    前記管板に架設された前記複数本の伝熱管それぞれの端部を、前記蓋板よりも外側で連通させる、前記蓋板に取り付けられた屈曲管と、を備え、
    前記屈曲管は、単一に一体成形された鋳物であり、
    前記複数本の伝熱管それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケットと、前記連通伝熱管の全体をまとめて囲む外周シールガスケットとが前記管板と前記蓋板との間に挟まれるように配設され、
    前記伝熱管シールガスケットと外周シールガスケットとの間に形成された間隙に各種流体を注入する注入部と、前記間隙から各種流体を排出させる排出部とが設けられ、
    前記伝熱管シールガスケットによるシーリングの耐圧力は、前記外周シールガスケットによるシーリングの耐圧力よりも大きく、
    前記間隙に注入した各種流体が前記シェル内に混入することを防止して外部からの汚染を防止したことを特徴とする多管型熱交換器。
  2. シェルの両端に設けた管板間に複数本の伝熱管を多段に架設して前記シェル内に収納するとともに前記伝熱管を前記シェルの外部で連通し、前記シェル内には熱媒体となる流体を注入し、前記複数本の伝熱管を連通した連通伝熱管内にはプロセス流体を流通させて、該プロセス流体と前記熱媒体との間で熱交換させる多管型熱交換器において、
    前記管板に接合させる蓋板と、
    前記管板に架設された前記複数本の伝熱管それぞれの端部を、前記蓋板よりも外側で連通させる、前記蓋板に取り付けられた屈曲管であって、単一に一体成形された鋳物から成り、管の外径をDとし、曲げ半径をRとしたときに、R/D=1となる180°U字管と、を備え、
    前記プロセス流体を注入する注入ノズルを前記連通伝熱管のうち最上流の伝熱管に設け、前記連通伝熱管内に注入された前記プロセス流体を排出する排出ノズルを前記連通伝熱管のうち最下流の伝熱管に設け、前記連通伝熱管を前記最上流の伝熱管から前記最下流の伝熱管まで前記プロセル流体が自然流下するように配設され、
    前記複数本の伝熱管それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケットと、前記連通伝熱管の全体をまとめて囲む外周シールガスケットとが前記管板と前記蓋板との間に挟まれるように配設され、
    前記伝熱管シールガスケットと外周シールガスケットとの間に形成された間隙に各種流体を注入する注入部と、前記間隙から各種流体を排出させる排出部とが設けられ、
    前記伝熱管シールガスケットによるシーリングの耐圧力は、前記外周シールガスケットによるシーリングの耐圧力よりも大きく、
    前記間隙に注入した各種流体が前記シェル内に混入することを防止して外部からの汚染を防止したことを特徴とする多管型熱交換器。
  3. シェルの両端に設けた管板間に複数本の伝熱管を多段に架設して前記シェル内に収納するとともに前記伝熱管を前記シェルの外部で連通し、前記シェル内には熱媒体となる流体を注入し、前記複数本の伝熱管を連通した連通伝熱管内にはプロセス流体を流通させて、該プロセス流体と前記熱媒体との間で熱交換させる多管型熱交換器の端部構造において、
    前記管板に接合させる蓋板と、
    前記管板に架設された前記複数本の伝熱管それぞれの端部を、前記蓋板よりも外側で連通させる、前記蓋板に取り付けられた屈曲管と、を備え、
    前記屈曲管は、単一に一体成形された鋳物であり、
    前記複数本の伝熱管それぞれを個別に囲む伝熱管シールガスケットと、前記連通伝熱管の全体をまとめて囲む外周シールガスケットとが前記管板と前記蓋板との間に挟まれるように配設され、
    前記伝熱管シールガスケットと外周シールガスケットとの間に形成された間隙に各種流体を注入する注入部と、前記間隙から各種流体を排出させる排出部とが設けられ、
    前記伝熱管シールガスケットによるシーリングの耐圧力は、前記外周シールガスケットによるシーリングの耐圧力よりも大きく、
    前記間隙に注入した各種流体が前記シェル内に混入することを防止して外部からの汚染を防止したことを特徴とする多管型熱交換器の端部構造。
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