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JP6152673B2 - 車線変更支援装置 - Google Patents
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Description

本発明は、例えば車両における自動的な車線変更制御を支援する車線変更支援装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えば車両の操舵制御及び加減速制御を自動的に実行することで、運転者の操作によらない車両の車線変更制御を実現するものが知られている。車線変更制御では、例えば車両に搭載された車載カメラや各種レーダ等によって道路上の白線及び自車両の周辺を走行する他車両が認識され、他車両を回避するように車線変更が実現される。
より具体的には、例えば特許文献1では、車線変更前の自車両の速度、並びに隣接車線を走行する前方車両及び後方車両の速度に応じた加速制御を行うことで好適に車線変更を実現するという技術が開示されている。また特許文献2では、隣接車線を走行する2台の他車両間に割り込んで車線変更をする際に、2台の他車両のうち車速の速い車両を基準として自車両の車速を制御するという技術が提案されている。
その他、本発明に関連する文献として、特許文献3が存在する。
特開2012−001042号公報 特開2006−076568号公報 特開2009−146289号公報
上記特許文献1及び2に記載されているように、車線変更制御を実行する際には、他車両との衝突等を避けるため、移動先である隣接車線の状況を十分に確認することが求められる。しかしながら、例えば他車両を認識するためのカメラや各種レーダの認識領域は、自車両の前後を走行する車両等の障害物によって遮蔽され、小さくなってしまうことがある。具体的には、例えば先行車との車間距離が小さくなると、車載カメラに先行車が大きく写し出され、撮像画像において隣接車線を走行する他車両が先行車の陰に隠れてしまうという事態が生じ得る。このような場合、仮に他車両が存在しておらず車線変更制御が可能な状態であっても、隣接車線の状況を十分に認識することができないため車線変更制御を禁止せざるを得ないという技術的問題点が生ずる。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、障害物の存在により周囲の状況を十分に認識できない場合であっても、好適に車線変更制御を実行可能ならしめる車線変更支援装置を提供することを課題とする。
本発明の車線変更支援装置は上記課題を解決するために、車両の車線変更制御を支援する車線変更支援装置であって、前記車両の周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、
前記車両が走行する車線の白線を検出する白線検出手段と、前記検出された白線及び前記車両が走行する車線の隣接車線を走行する他車両との衝突余裕時間に基づいて、前記車線変更制御を実行する際に要求される前記障害物検出手段の検出領域である要求検出領域を算出する要求検出領域算出手段と、前記障害物検出手段の検出領域が、前記要求検出領域を算出した後に発生する前記障害物による遮蔽によって、前記要求検出領域より小さくなっているか否かを判定する遮蔽判定手段と、前記障害物検出手段の検出領域が前記要求検出領域より小さい場合に、前記障害物検出手段の検出領域を前記要求検出領域以上とするための前記車両の制御量を算出する制御量算出手段と、前記算出された制御量に基づいて、前記車両を制御する車両制御手段とを備える。
本発明の車線変更支援装置によれば、その動作時には、例えば車載カメラやミリ波レーダ等として構成される障害物検出手段によって、車両の周囲に存在する障害物(例えば、他車両)が検出される。なお、ここでの「車両の周囲」とは、車両を好適に走行させるため(特に、車線変更制御を実施する場合)に障害物の有無を検出すべき領域であり、自車両が走行している車線の前後方向だけでなく、隣接車線等も含まれる趣旨である。障害物検出手段は、障害物の有無だけでなく、自車両から見て障害物が存在する方向や、障害物までの距離、障害物の相対速度等を検出する。
また本発明の車線変更支援装置では、例えば車載カメラやミリ波レーダ等として構成される白線検出手段により、車両が走行する車線の白線(例えば、車道外側線や車道境界線)が検出される。白線検出手段では、例えば車両前方の画像(即ち、走行中の車両から見た進行方向の画像)が撮像されると共に、撮像画像が横方向に走査され、明度(輝度)が大きく変化するエッジ等に基づいて白線が検出される。なお、ここで検出された白線の情報は、例えば自動ステアリング制御によって実現されるLKA(Lane Keeping Assist)制御等に利用されてもよい。
白線が検出されると、要求検出領域算出手段により、車線変更制御を実行する際に要求される要求検出領域が、検出された白線に基づいて算出される。要求検出領域は、適切な車線変更制御を実行するため障害物検出手段に要求される検出領域であり、衝突余裕時間(TTC:Time To Collision)等を考慮して算出される。この際、検出された白線は、車線幅や車線内の自車両の位置等を特定するために利用される。なお、要求検出領域は、障害物を検出可能な領域の面積として算出されるだけでなく、検出可能な角度等として算出されてもよい。即ち、検出領域の広さを認識できれば、どのようなパラメータで検出されても構わない。
要求検出領域が算出されると、遮蔽判定手段により、現在の障害物検出手段の検出領域が、障害物による遮蔽によって要求検出領域より小さくなっているか否かが判定される。ここで「障害物による遮蔽」とは、自車両から比較的近い位置に存在する障害物によって、比較的遠い位置に存在する障害物が検出できなくなる状態を指している。具体的には、例えば自車両と先行車両との車間距離が小さくなることにより、隣接車線の状況が先行車両の陰に隠れて検出できなくなるような場合が想定される。
ここで本発明では特に、障害物検出手段の検出領域が要求検出領域より小さいと判定されると、制御量算出手段により、障害物検出手段の検出領域を要求検出領域以上とするための車両の制御量が算出される。ここで、車両の制御量は、典型的には障害物検出手段の検出領域を遮蔽する障害物(以下、適宜「遮蔽障害物」と称する)に対する車両の移動量として算出されるが、障害物検出手段の検出領域を大きくできるような制御に関する量であれば特に限定されない。
車両の制御量は、例えば遮蔽障害物の大きさや形状、遮蔽障害物との相対距離等、遮蔽障害物に関する情報に基づいて算出される。これらの情報は、障害物検出手段から取得されてもよいし、他の経路で取得されてもよい。また、車両の制御量は、カーブ曲率や勾配等の道路情報を利用して算出されてもよい。このように複数の情報を利用すれば、遮蔽障害物に関する情報だけに基づく場合と比べて、より適切に車両の制御量を算出できる。
車両の制御量が算出されると、車両制御手段により、算出された制御量に基づく車両の制御が実行される。例えば、遮蔽障害物に対して車両が移動され、障害物検出手段の検出領域における遮蔽障害物で遮蔽されている部分が小さくされる。これにより、障害物検出手段の検出領域が要求検出領域以上とされ、適切な車線変更制御を実行可能な状態となる。なお、上述した車両制御手段による制御は、車線変更時にのみ実行されればよいが、車線変更制御がいつ実行されても構わないよう定期的に(即ち、車線変更制御を実施しない場合に)実行されても構わない。
ちなみに、上述した車両制御手段による車両の移動制御は、典型的には、LKA制御等の自動運転制御中に実行することが想定されている。ただし、運転者の操作によって通常運転が行われている場合に移動制御を実行するようにしても、上述した効果は相応に得られる。
また、障害物検出手段が車両内での移動機能を有している場合には、車両自体を移動させずとも、障害物検出手段を移動させることで、検出領域を適切に変化させ要求検出領域以上とすることが可能である。この場合、障害物検出手段の構成が多少複雑化してしまうものの、車両の移動制御は実行されないため、車両の挙動を安定させることができる。また、車両の移動制御と障害物検出手段の移動制御とを合わせて利用すれば、遮蔽している障害物に対する移動量が大きくなるため、検出領域を効果的に広げることができる。更には、車両の移動分を障害物検出手段の移動量で賄えるため、車両の移動量を小さく抑えることができる。
以上説明したように、本発明の車線変更支援装置によれば、障害物の存在により周囲の状況を十分に認識できない場合であっても、好適に車線変更制御を実行可能である。
本発明の車線変更支援装置の一の態様では、前記制御量算出手段は、前記車両の制御量として、前記車両の進行方向に交わる横方向への移動量を算出するとする。
この態様によれば、障害物検出手段の検出領域が要求検出領域より小さい場合には、車両が進行方向に交わる横方向に移動される。例えば車両は、障害物を検出すべき隣接車線側(即ち、車線変更先である隣接車線側)に移動される。よって、例えば先行車両や後続車両の陰になり隣接車線の状況が検出できない状況であっても、車両の移動により確実に検出領域を広げることができる。従って、好適な車線変更が実現可能となる。
本発明の車線変更支援装置の他の態様では、前記制御量算出手段は、前記車両の制御量として、前記車両の進行方向に沿う方向への移動量を算出する。
この態様によれば、障害物検出手段の検出領域が要求検出領域より小さい場合には、車両が進行方向に沿う方向に移動される。例えば車両は、先行車両が遮蔽障害物となっている場合に、車速を落として先行車両との車間距離が大きくなるような制御を実行する。また、後続車両が遮蔽障害物となっている場合には、車速を上げて後続車両との車間距離が大きくなるような制御を実行する。このようにすれば、例えば先行車両や後続車両の陰になり隣接車線の状況が検出できない状況であっても、車両の移動により確実に検出領域を広げることができる。従って、好適な車線変更が実現可能となる。
なお、車両制御手段は、上述した進行方向に交わる横方向の移動及び進行方向に沿う方向の移動を両方同時に実行するようにしてもよい。この場合、多少処理は複雑化するが、障害物検出手段の検出領域を広げる効果を向上させることができる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
実施形態に係る車線変更支援装置の全体構成を示すブロック図である。 自車両の障害物検出領域及び白線検出領域を示す上面図である。 後続車両により自車両の障害物検出領域が遮蔽される状態を示す上面図である。 第1実施形態に係る車線変更支援装置の動作を示すフローチャートである。 横方向制御量の算出及び横方向への車両移動制御を示す概念図である。 第2実施形態に係る車線変更支援装置の動作を示すフローチャートである。 進行方向制御量の算出及び進行方向への車両移動制御を示す概念図である。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<装置構成>
先ず、本実施形態に係る車線変更支援装置の構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る車線変更支援装置の全体構成を示すブロック図である。なお、図1では、説明の便宜上、車両の制御を行うための各部材のうち本実施形態に関連の深い部材のみを図示しており、他の部材については図示を省略している。
図1において、車線変更支援装置10は、主な構成要素として、ECU(Electronic Control Unit)100、車載カメラ110、ミリ波レーダ120、自動運転スイッチ130、ディスプレイ140、電動アクセル210、電動ブレーキ220及び電動パワーステアリング230を備えて構成されている。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、車両の各部の動作を制御可能に構成された電子制御ユニットである。ECU100は、例えばROM等に格納された制御プログラムに従って、車両における各種制を実行可能に構成されている。
車載カメラ110は、主に車両の前方の画像を撮像する。車載カメラ110は、車両の後方や側方を撮像可能に構成されてもよい。車載カメラ110によって撮像された画像を示す信号は、ECU100に送信される。
ミリ波レーダ120は、ミリ波を出射すると共に、対象物(例えば、他車両等)により反射された電波を受信し、伝播時間やドップラー効果に起因して生じる周波数等を基に、対象物の位置や車両との相対速度を測定する。ミリ波レーダ120における測定結果は、ECU100に送信される。
自動運転スイッチ130は、車内の運転者が操作可能な位置に設けられており、スイッチを操作することで、通常運転と自動運転とを相互に切替えることが可能とされている。
ディスプレイ140は、例えば(Human Machine Interface)、HUD(Head Up Display)、カーナビゲーション等のディスプレイであり、運転者又は同乗者から視認可能な位置に設けられている。或いは、車両の運転者が所持する携帯端末(例えば、スマートフォン)等のディスプレイであってもよい。ディスプレイ140は、ECU100から伝達される各種信号に応じた表示を行えるように構成されている。
電動アクセル210は、自動運転時において、車両の加速制御を実行可能に構成されている。また、電動ブレーキ220は、自動運転時において、車両の減速制御を実行可能に構成されている。電動アクセル210及び電動ブレーキ220によれば、例えば車載カメラ110やミリ波レーダ120から得られる先行車の情報に基づいて、ACC(Adaptive Cruise Control)制御が実行可能となる。
電動パワーステアリング230は、自動運転時において、車両のステアリング制御を実行可能に構成されている。電動パワーステアリング230によれば、例えば車載カメラ110やミリ波レーダ120から得られる白線の情報に基づいて、車線変更制御やLKA制御が実行可能となる。
また、本実施形態に係るECU100は特に、障害物検出部101、白線検出部102、要求検出領域算出部103、遮蔽判定部104、制御量算出部105及び車両制御部106を備えている。
障害物検出部101は、本発明に係る「障害物検出手段」の一例であり、車載カメラ110による撮像画像、或いはミリ波レーダ120の測定結果に基づいて、他車両等の障害物の存在を検出する。即ち、車両の走行の障害となり得る物体の存在を検出する。
白線検出部102は、本発明に係る「白線検出手段」の一例であり、車載カメラ110で撮像された画像から、車両が走行する道路の白線を検出する。白線検出部102は、例えば撮像画像を横方向に複数回走査し、輝度が大きく変化するエッジ部分を白線として検出する。
要求検出領域算出部103は、本発明の「要求検出領域算出手段」の一例であり、車線変更制御を実行する際に要求される要求検出領域を算出する。要求検出領域は、適切な車線変更制御を実行するため障害物検出部101に要求される検出領域であり、例えば衝突余裕時間等を考慮して算出される。要求検出領域の具体的な算出方法については後に詳述する。
遮蔽判定部104は、本発明の「遮蔽判定手段」の一例であり、現在の障害物検出部101の検出領域が、障害物による遮蔽によって要求検出領域より小さくなっているか否かを判定する。障害物検出部の検出領域は、例えば自車両と先行車両との車間距離が小さくなることにより、隣接車線の状況が先行車両の陰に隠れて検出できなくなるような場合に、要求検出領域より小さくなり得る。遮蔽判定部104の判定結果は、制御量算出部105へと出力される。
制御量算出部105は、本発明の「制御量算出手段」の一例であり、障害物検出部101の検出領域が要求検出領域より小さいと判定された場合に、障害物検出部101の検出領域を要求検出領域以上とするための車両の制御量を算出する。ここで、車両の制御量は、例えば障害物検出部101の検出領域を遮蔽する障害物に対する車両の移動量として算出される。車両の制御量は、例えば遮蔽障害物の大きさや形状、相対距離等、遮蔽障害物に関する情報に基づいて算出される。これらの情報は、障害物検出日101から取得されてもよいし、他の経路で取得されてもよい。また、車両の制御量は、カーブ曲率や勾配等の道路情報を利用して算出されてもよい。この場合、遮蔽障害物に関する情報だけに基づく場合と比べて、より適切に車両の制御量を算出できる。算出された車両の制御量は、車両制御部106に出力される。
車両制御部106は、本発明の「車両制御手段」の一例であり、制御量算出部105算出された制御量に基づく車両の制御を実行する。車両制御部106は、例えば電動アクセル210、電動ブレーキ220及び電動パワーステアリング230の各々を適宜制御して、障害物検出部101の検出領域における障害物で遮蔽されている部分を小さくする。車両制御部106による具体的な移動制御については後に詳述する。なお、車両制御部106は、車両の車線変更制御についても実行可能とされている。
上述した各部位を含んで構成されたECU100は、一体的に構成された電子制御ユニットであり、上記各部位に係る動作は、全てECU100によって実行されるように構成されている。但し、本発明に係る上記部位の物理的、機械的及び電気的な構成はこれに限定されるものではなく、例えばこれら各部位は、複数のECU、各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等として構成されていてもよい。
<障害物検出制御及び白線検出制御>
次に、本実施形態に係る車線変更支援装置による障害者検出制御及び白線検出制御について、図2及び図3を参照して説明する。ここに図2は、自車両の障害物検出領域及び白線検出領域を示す上面図である。また図3は、後続車両により自車両の障害物検出領域が遮蔽される状態を示す上面図である。
図2において、本実施形態に係る車線変更支援装置が搭載される車両310の走行時には、車載カメラ110によって車道の白線400が検出される。即ち、図中の白線検出領域に存在する白線400が検出される。また、ミリ波レーダ120によって、隣接車線の前方及び後方に存在する障害物が検出される。即ち、図中の前方障害物検出領域及び後方障害物検出領域に存在する障害物が検出される。
なお、ミリ波レーダ120は、図に示すように右側の隣接車線の障害物を検出するだけでなく、車両310が走行する車線の障害物、或いは左側の隣接車線の障害物を検出可能に構成されてもよい。また、障害物の検出は車載カメラ110の撮像画像を利用して実現されてもよい。
図3において、前方障害物検出領域及び後方障害物検出領域は、例えば先行車や後続車等の障害物の存在によって小さく制限されてしまう場合がある。具体的には、例えば図に示すように、自車両310と後続車320との車間距離が小さくなると、後続車320によって後方障害物検出領域が制限されてしまう。
より具体的には、障害物検出領域は、後述するように、隣接車線への車線変更制御を実施するために要求検出領域(即ち、車両310の後方に伸びる直線及び検出領域の境界線がなす角度(以下、適宜「領域角度」と称する)がθとなるような検出領域)以上の大きさであることが求められる。しかしながら、図に示す例では、後続車320により検出領域が遮られ、後方障害物検出領域が要求検出領域よりも小さい領域(即ち、領域角度がθとなるような検出領域)に制限されている。このため、例えば隣接車線を走行する車両330の存在を検出することができない。
このように、隣接車線の障害物検出領域が制限されてしまうと、隣接車線の状況を十分に認識することができなくなり、その結果として適切な車線変更制御が実行できなくなるという状況が発生する。これに対し、本実施形態に係る車線変更支援装置10は、障害物検出領域が制限されてしまう状況に陥ったとしても、車両の移動制御を実行することで、好適に障害物検出領域を広げることが可能である。
<車両の移動制御>
以下では、本実施形態に係る車線変更支援装置10の動作について、複数の実施形態を挙げて説明する。なお以下では、説明の便宜上、車線変更支援装置10が実行し得る各種制御のうち、特に本実施形態と関連の深い車線変更制御時の車両の移動制御について詳細に説明するものとし、他の一般的な制御については適宜説明を省略する。
また、以下では、図3で示したように、後続車320の存在により後方障害物検出領域が制限される場合についてのみ説明するが、先行車の存在により前方障害物検出領域が制限されてしまう場合でも同様の制御で対応することが可能である。更に、以下では、右側の隣接車線への車線変更制御についてのみ説明するが、左側の隣接車線への車線変更制御を実行する場合には、後述する車両の移動制御に関する各種パラメータの正負を逆にすることで対応可能である。
<第1実施形態>
先ず、第1実施形態に係る車線変更支援装置10の動作について、上述した図3に加えて、図4及び図5を参照して詳細に説明する。ここに図4は、第1実施形態に係る車線変更支援装置の動作を示すフローチャートである。また図5は、横方向制御量の算出及び横方向への車両移動制御を示す概念図である。
図4において、本実施形態に係る車線変更支援装置10の動作時には、先ず上述したように、ミリ波レーダ120等から出力される情報を用いて、障害物検出部101による障害物の検出(ステップS101)が実行され、車載カメラ110の撮像画像を用いて、白線検出部102による白線400の検出(ステップS102)が実行される。そして、白線400が検出されると、要求検出領域算出部103において、要求検出領域が算出される(ステップS103)。要求検出領域は、上述したように、領域角度がθとなるような検出領域として検出される。以下では、領域角度θの算出方法について具体的に説明する。
図3において、要求検出領域を算出する際には、先ず検出された白線400の位置に基づいて、自車両310の中央線から白線400までの距離Wが算出される。また、車線変更制御に要求される要求車両間距離dが算出される。要求車両間距離dは、衝突余裕時間をT、レーンチェンジ時間をT、隣接車線を走行する他車両330との相対速度をVとすると、以下の数式(1)を用いて算出できる。
d=(T+T)V ・・・(1)
上述したように、白線400までの距離W及び要求車両間距離dが算出されると、それらの値を用いて領域角度θを算出できる。具体的には、領域角度θは、以下の数式(2)を用いて算出できる。
θ=Tan−1(W/d) ・・・(2)
なお、要求検出領域は、上述した領域角度θのように極座標系で表現されるものではなく、直交座標系で表現されるものであっても構わない。
図4に戻り、要求検出領域が算出されると、遮蔽判定部104において、現在の検出領域が要求検出領域よりも小さくなっているか否かが判定される(ステップS104)。なお、現在の検出領域は、障害物検出部101で検出された遮蔽障害物(図3の例では後続車320)等の相対距離や大きさを考慮して算出できる。具体的には、現在の検出領域は、図3で示したように、領域角度がθとなるような検出領域として算出される。よって、遮蔽判定部104は、|θ|>|θ|であるか否かを判定すればよい。
ここで、現在の検出領域が要求検出領域よりも小さくなっていない場合(ステップS104:NO)、以下で説明するステップS105及びステップS106の各処理は省略される。一方で、図3に示す例のように、現在の検出領域が要求検出領域よりも小さくなっている場合(ステップS104:YES)、制御量算出部105によって、現在の検出領域を要求検出領域以上とするための横方向制御量Wが算出される(ステップS105)。横方向制御量Wは、現在の検出領域角度θと要求検出領域角度θとの差に基づいて算出される。また、カーブ曲率や勾配等の道路情報を考慮して算出してもよい。なお、横方向制御量Wには、横方向の移動によって車両310が白線を越えてしまうことがないように上限値(例えば、「車線幅−車幅/2」)が設定されることが好ましい。横方向制御量Wが算出されると、車両制御部106によって、車両310が横方向制御量Wに応じて横方向に移動される(ステップS106)。
図5において、車両310が横方向制御量Wに応じて移動制御されると、遮蔽障害物となっている後続車320との相対位置が変化するため、障害物検出領域の大きさも変化する。具体的には、図に示すように、現在の検出領域角度θが、要求検出領域角度θと等しくなる。よって、例えば要求車両間距離d内に存在する隣接車線走行車両330を、障害物として確実に検出することが可能となる。従って、車線変更制御を実施可能な状態であるか否かを好適に判断することが可能となる。なお、現在の検出領域角度θは、横方向の移動制御によって要求検出領域角度θより大きくされても構わない。
現在の検出領域が要求検出領域以上とされると、続いて車線変更制御が実施可能であるか否かが判定される(ステップS107)。具体的には、図5に示すように、要求車両間距離d内に隣接車線走行車両330等の障害物が存在する場合には、車線変更制御が実施可能でないと判定される(ステップS107:NO)。一方で、要求車両間距離d内に障害物が存在しない場合には、車線変更制御が実施可能であると判定され(ステップS107:YES)、車線変更制御が実施される。
車線変更制御を実施する場合には、先ず車線変更制御量が算出される(ステップS108)。なお、車線変更制御量としては、例えば車両の横方向への移動量や加速度の変化量等のパラメータや、これらのパラメータを変化させるタイミングや期間等が挙げられる。車線変更制御量が算出されると、算出された制御量に基づいて車線変更制御が実行される(ステップS109)。具体的には、車両310の電動アクセル210、電動ブレーキ及び電動パワーステアリング230が、車線変更制御量に基づいて夫々制御され、車両310の車線変更が実現される。
なお、車線変更制御は、上述したように自動的に実施されなくとも構わない。例えば、車線変更が可能であるか否かの判定結果(即ち、ステップS107の判定結果)が、ディスプレイ140等によって車両310の運転者に知らされ、運転者の操作による車線変更が実施されるようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る車線変更支援装置10によれば、障害物によって障害物検出領域が遮蔽されている場合であっても、車両310に対する横方向の移動制御によって好適に検出領域を広げることができる。従って、車線変更制御を好適に実施することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る車線変更支援装置10の動作について、上述した図3に加えて、図6及び図7を参照して詳細に説明する。ここに図6は、第2実施形態に係る車線変更支援装置の動作を示すフローチャートである。また図7は、進行方向制御量の算出及び進行方向への車両移動制御を示す概念図である。
なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の動作が異なるのみであり、その他の動作については概ね同様である。このため、以下では、第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
図6において、第2実施形態に係る車線変更支援装置10の動作時には、第1実施形態と同様に、ミリ波レーダ120等から出力される情報を用いて、障害物検出部101による障害物の検出(ステップS201)が実行され、車載カメラ110の撮像画像を用いて、白線検出部102による白線400の検出(ステップS202)が実行される。そして、白線400が検出されると、要求検出領域算出部103において、要求検出領域が算出される(ステップS203)。
要求検出領域が算出されると、遮蔽判定部104において、現在の検出領域が要求検出領域よりも小さくなっているか否かが判定される(ステップS204)。そして、図3に示す例のように、現在の検出領域が要求検出領域よりも小さくなっている場合(ステップS204:YES)、制御量算出部105によって、現在の検出領域を要求検出領域以上とするための進行横方向制御量Dが算出される(ステップS205)。進行方向制御量Dは、自車両310の中央線から後続車320の端部までの距離をWとすると、以下の数式(3)を利用して算出できる。
=W/tanθ ・・・(3)
なお、進行方向制御量Dは、カーブ曲率や勾配等の道路情報を考慮して算出されてもよい。また、進行方向制御量Dには、進行方向の移動によって車両310が他車両と衝突してしまうことがないように上限値(例えば、先行車との相対距離)が設定されることが好ましい。進行方向制御量Dが算出されると、車両制御部106によって、車両310が進行方向制御量Dに応じて進行方向に移動される(ステップS206)。
図7において、車両310が進行方向制御量Dに応じて移動制御されると、遮蔽障害物となっている後続車320との相対位置が変化するため、障害物検出領域の大きさも変化する。具体的には、図に示すように、現在の検出領域角度θが、要求検出領域角度θと等しくなる。よって、例えば要求車両間距離d内に存在する隣接車線走行車両330を、障害物として確実に検出することが可能となる。従って、車線変更制御を実施可能な状態であるか否かを好適に判断することが可能となる。なお、現在の検出領域角度θは、進行方向の移動制御によって要求検出領域角度θより大きくされても構わない。
現在の検出領域が要求検出領域以上とされると、続いて車線変更制御が実施可能であるか否かが判定される(ステップS207)。具体的には、図7に示すように、要求車両間距離d内に隣接車線走行車両330等の障害物が存在する場合には、車線変更制御が実施可能でないと判定される(ステップS207:NO)。一方で、要求車両間距離d内に障害物が存在しない場合には、車線変更制御が実施可能であると判定され(ステップS207:YES)、車線変更制御が実施される。
車線変更制御を実施する場合には、先ず車線変更制御量が算出される(ステップS208)。そして、車線変更制御量が算出されると、算出された制御量に基づいて車線変更制御が実行される(ステップS209)。
以上説明したように、第2実施形態に係る車線変更支援装置10によれば、障害物によって障害物検出領域が遮蔽されている場合であっても、車両310に対する進行方向の移動制御によって好適に検出領域を広げることができる。従って、車線変更制御を好適に実施することが可能となる。
なお、上述した第1実施形態に係る横方向の移動制御、及び第2実施形態に係る進行方向の移動制御は同時に実行されても構わない。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う車線変更支援装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
10 車線変更支援装置
100 ECU
101 障害物検出部
102 白線検出部
103 要求検出領域算出部
104 遮蔽判定部
105 制御量算出部
106 車両制御部
110 車載カメラ
120 ミリ波レーダ
130 自動運転スイッチ
140 ディスプレイ
210 電動アクセル
220 電動ブレーキ
230 電動パワーステアリング
310 自車
320 後続車
330 隣接車線走行車
400 白線
d 要求車両間距離
θ 現在の検出領域角度
θ 要求検出領域角度
車両白線間距離
横方向制御量
進行方向制御量

Claims (3)

  1. 車両の車線変更制御を支援する車線変更支援装置であって、
    前記車両の周囲に存在する障害物を検出する障害物検出手段と、
    前記車両が走行する車線の白線を検出する白線検出手段と、
    前記検出された白線及び前記車両が走行する車線の隣接車線を走行する他車両との衝突余裕時間に基づいて、前記車線変更制御を実行する際に要求される前記障害物検出手段の検出領域である要求検出領域を算出する要求検出領域算出手段と、
    前記障害物検出手段の検出領域が、前記要求検出領域を算出した後に発生する前記障害物による遮蔽によって、前記要求検出領域より小さくなっているか否かを判定する遮蔽判定手段と、
    前記障害物検出手段の検出領域が前記要求検出領域より小さい場合に、前記障害物検出手段の検出領域を前記要求検出領域以上とするための前記車両の制御量を算出する制御量算出手段と、
    前記算出された制御量に基づいて、前記車両を制御する車両制御手段と
    を備えることを特徴とする車線変更支援装置。
  2. 前記制御量算出手段は、前記車両の制御量として、前記車両の進行方向に交わる横方向への移動量を算出することを特徴とする請求項1に記載の車線変更支援装置。
  3. 前記制御量算出手段は、前記車両の制御量として、前記車両の進行方向に沿う方向への移動量を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の車線変更支援装置。
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