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JP6152679B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents
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JP6152679B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズル開口から液体を噴射する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に液体としてインクを吐出するインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
液体噴射ヘッドには、ノズル開口に連通する圧力発生室が隔壁により区画されて並設された流路形成基板の一方面側に振動板を介して第1電極、圧電体層及び第2電極を有する圧電アクチュエーターを設け、圧電アクチュエーターの駆動によって圧力発生室内に圧力変化を生じさせて、ノズル開口から液体を吐出するインクジェット式記録ヘッドがある。
このようなインクジェット式記録ヘッドとしては、圧電アクチュエーターの実質的な駆動部となる能動部の一方の電極を圧力発生室毎に切り分けて個別電極とし、他方の電極を複数の圧力発生室に亘って連続させることで共通電極としたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、インクジェット式記録ヘッドでは、各圧電アクチュエーター(能動部)の一方の電極が複数の圧電アクチュエーター(能動部)に共通して設けられた共通電極となっているため、一つ或いは少数の圧電アクチュエーター(能動部)を単独或いは同時に駆動する時に比べ、多数の圧電アクチュエーター(能動部)を同時に駆動して多数のインク滴を一度に吐出させると、電圧降下が発生して圧電アクチュエーターの変位量が不安定となり、インク吐出特性が低下するという問題がある。また、外部配線が接続される端子部から遠い位置に設けられた圧電アクチュエーターほど配線抵抗が増大し印加される電圧が低くなり易い。
このような問題を解決するために、圧力発生室の並設方向に亘って配線を設け、共通電極と配線とを、圧電アクチュエーター(能動部)が複数個に対して一本の割合で設けられた共通リード電極で接続するようにしたインクジェット式記録ヘッドが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−172878号公報 特開2007−118265号公報
しかしながら、圧電アクチュエーターに接続された配線は、膜厚を厚くすることで電気抵抗値を下げることができるものの、厚い配線はエッチングによりパターニングする際にサイドエッチが発生し、サイドエッチの量を考慮して配線間隔を大きく設定しないといけないため、高解像度配線とするのは困難であるという問題がある。
また、配線の幅を広げることで電気抵抗を下げることが考えられるものの、配線を配置するスペースが必要となってインクジェット式記録ヘッドが大型化してしまうという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドだけではなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、電気抵抗を上げることなく、配線の幅を狭くして、小型化と高解像度化とを図ることができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設されると共に、該圧力発生室に圧力を付与する圧電アクチュエーターが設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に接合される保護基板と、を具備し、前記圧電アクチュエーターは、実質的な駆動部となる能動部毎に設けられた個別電極と、複数の前記能動部に共通する共通電極と、前記個別電極と前記共通電極との間に設けられた圧電体層と、を備え、前記流路形成基板には、前記共通電極に接続された配線が形成され、前記保護基板には、前記配線に接続される補助配線が形成され、前記配線及び前記補助配線は、複数の前記能動部の並設方向に亘って設けられており、前記補助配線は、前記配線に電気的に接続されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、共通電極に電圧を印加する際に、配線抵抗差による能動部に印加する電圧のばらつきを抑制することができる。また、配線の断面積を広げる或いは厚くすることなく、補助配線によって配線(補助配線)の電気抵抗値を下げることができるため、記録ヘッドの小型化を図ることができる。
また、本発明の他の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設されると共に、該圧力発生室に圧力を付与する圧電アクチュエーターが設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に接合される保護基板と、を具備し、前記圧電アクチュエーターは、実質的な駆動部となる能動部毎に設けられた個別電極と、複数の前記能動部に共通する共通電極と、前記個別電極と前記共通電極との間に設けられた圧電体層と、を備え、前記流路形成基板には、前記共通電極に接続された配線が形成され、前記保護基板には、前記配線に接続される補助配線が形成され、前記補助配線は、前記配線に電気的に接続されており、前記流路形成基板には、前記個別電極に接続された配線が形成され、前記共通電極に接続された前記配線と、前記個別電極に接続された前記配線とが、同一層からなるが独立して形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、共通電極に電圧を印加する際に、配線抵抗差による能動部に印加する電圧のばらつきを抑制することができる。また、配線の断面積を広げる或いは厚くすることなく、補助配線によって配線(補助配線)の電気抵抗値を下げることができるため、記録ヘッドの小型化を図ることができる。
また、共通電極に接続された配線と同時に形成される個別電極の配線厚みが薄くなることによって、サイドエッチングの量が低減されて個別電極の配線間隔は狭くなり、記録ヘッドの高解像度化にも効果がある。
また、本発明の他の態様は、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設されると共に、該圧力発生室に圧力を付与する圧電アクチュエーターが設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に接合される保護基板と、を具備し、前記圧電アクチュエーターは、実質的な駆動部となる能動部毎に設けられた個別電極と、複数の前記能動部に共通する共通電極と、前記個別電極と前記共通電極との間に設けられた圧電体層と、を備え、前記流路形成基板には、前記共通電極に接続された配線が形成され、前記保護基板には、前記配線に接続される補助配線が形成され、前記補助配線は、前記配線に電気的に接続されており、前記配線又は前記補助配線は、前記流路形成基板と前記保護基板との積層方向から平面視した際に、前記圧電アクチュエーターの少なくも前記能動部を囲むように配置されており、当該配線と前記補助配線とによって少なくとも前記能動部が封止された封止空間が画成されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、共通電極に電圧を印加する際に、配線抵抗差による能動部に印加する電圧のばらつきを抑制することができる。また、配線の断面積を広げる或いは厚くすることなく、補助配線によって配線(補助配線)の電気抵抗値を下げることができるため、記録ヘッドの小型化を図ることができる。
また、配線と補助配線とによって封止空間を画成することで、封止空間を封止する工程が簡略化される。
ここで、前記補助配線は、前記圧力発生室の並設方向における両端とその間とで前記配線に電気的に接続されていることが好ましい。これによれば、圧力発生室の並設方向において、各圧電アクチュエーターに繋ぐ配線抵抗を小さく抑え、電圧低下を抑制することによって各圧電アクチュエーターの駆動時の特性ばらつきを低減できる。
また、前記補助配線は、前記保護基板の前記圧電アクチュエーターに相対向する面に形成されていることが好ましい。これによれば、配線と補助配線との接続を容易に行うことができる。
また、前記配線と前記補助配線とは、金属同士の熱圧着によって接合されていることが好ましい。これによれば、配線と補助配線との間に接着剤が介在しないため、接着剤が流れ出して能動部に付着し、能動部の変形を阻害するのを抑制することができる。また、両者の接続抵抗を低減することによって配線抵抗を低減できる。さらに、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
また、前記保護基板と前記流路形成基板とは、前記配線と前記補助配線との電気的な接続によって機械的に接合されていることが好ましい。これによれば、別途機械的な接合が不要となってコストを低減することができる。
また、前記配線及び前記補助配線には、前記封止空間を外部に連通させる連通路が設けられていることが好ましい。これによれば、封止空間を大気開放することにより、振動板に不要な外圧(封止空間内圧力と圧力発生室内圧力の差圧)が印加されるのを避けることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液滴の吐出特性のばらつきを低減して、小型化を図ることができる液体噴射装置を実現できる。
また、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設されると共に、該圧力発生室に圧力を付与する圧電アクチュエーターが設けられた流路形成基板と、前記流路形成基板に接合される保護基板と、を具備し、前記圧電アクチュエーターは、実質的な駆動部となる能動部毎に設けられた個別電極と、複数の前記能動部に共通する共通電極と、前記個別電極と前記共通電極との間に設けられた圧電体層と、を備え、前記流路形成基板には、前記共通電極に接続された配線が形成され、前記保護基板には、前記配線に接続される補助配線が形成され、前記補助配線は、前記配線に電気的に接続されていることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、共通電極に電圧を印加する際に、配線抵抗差による能動部に印加する電圧のばらつきを抑制することができる。また、配線の断面積を広げる或いは厚くすることなく、補助配線によって配線(補助配線)の電気抵抗値を下げることができるため、記録ヘッドの小型化を図ることができる。
ここで、前記流路形成基板には、前記個別電極に接続された配線が形成され、前記共通電極に接続された前記配線と、前記個別電極に接続された前記配線とが、同一層からなるが独立して形成されていることが好ましい。これによれば、共通電極に接続された配線と同時に形成される個別電極の配線厚みは薄くなることによって、サイドエッチングの量が低減されて個別電極の配線間隔は狭くなり、記録ヘッドの高解像度化にも効果がある。
また、前記補助配線は、前記圧力発生室の並設方向における両端とその間とで前記配線に電気的に接続されていることが好ましい。これによれば、圧力発生室の並設方向において、各圧電アクチュエーターに繋ぐ配線抵抗を小さく抑え、電圧低下を抑制することによって各圧電アクチュエーターの駆動時の特性ばらつきを低減できる。
また、前記補助配線は、前記保護基板の前記圧電アクチュエーターに相対向する面に形成されていることが好ましい。これによれば、配線と補助配線との接続を容易に行うことができる。
また、前記配線と前記補助配線とは、金属同士の熱圧着によって接合されていることが好ましい。これによれば、配線と補助配線との間に接着剤が介在しないため、接着剤が流れ出して能動部に付着し、能動部の変形を阻害するのを抑制することができる。また、両者の接続抵抗を低減することによって配線抵抗を低減できる。さらに、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
また、前記接合基板と前記流路形成基板とは、前記配線と前記補助配線との電気的な接続によって機械的に接合されていることが好ましい。これによれば、別途機械的な接合が不要となってコストを低減することができる。
また、前記配線又は前記補助配線は、前記流路形成基板と前記保護基板との積層方向から平面視した際に、前記圧電アクチュエーターの少なくも前記能動部を囲むように配置されており、当該配線と前記補助配線とによって少なくとも前記能動部が封止された封止空間が画成されていることが好ましい。これによれば、封止空間を封止する工程が簡略化される。
また、前記配線及び前記補助配線には、前記封止空間を外部に連通させる連通路が設けられていることが好ましい。これによれば、封止空間を大気開放することにより、振動板に不要な外圧(封止空間内圧力と圧力発生室内圧力の差圧)が印加されるのを避けることができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、液滴の吐出特性のばらつきを低減して、小型化を図ることができる液体噴射装置を実現できる。
本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部平面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る記録ヘッドの要部拡大断面図である。 本発明の実施形態1に係る補助配線の変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る補助配線の変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る記録ヘッドの要部平面図及び断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略斜視図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図2は流路形成基板の圧電アクチュエーター側の平面図であり、図3は、図2のA−A′線に準じたインクジェット式記録ヘッドの断面図であり、図4は、図3の要部を拡大した断面図であり、図5は、図4のB−B′線断面図である。
図示するように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドIは、ヘッド本体9、ケース部材40等の複数の部材を備え、これら複数の部材が接着剤等によって接合されている。本実施形態では、ヘッド本体9は、流路形成基板10と、連通板15と、ノズルプレート20と、保護基板30と、コンプライアンス基板45と、を具備する。
ヘッド本体9を構成する流路形成基板10は、ステンレス鋼やNiなどの金属、ZrOあるいはAlを代表とするセラミック材料、ガラスセラミック材料、MgO、LaAlOのような酸化物などを用いることができる。本実施形態では、流路形成基板10は、結晶面方位が(110)のシリコン単結晶基板からなる。この流路形成基板10には、一方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室12がインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、この方向を圧力発生室12の並設方向、又は第1の方向Xと称する。また、流路形成基板10には、圧力発生室12が第1の方向Xに並設された列が複数列、本実施形態では、2列設けられている。この圧力発生室12が第1の方向Xに沿って形成された圧力発生室12の列が複数列設された列設方向を、以降、第2の方向Yと称する。
なお、流路形成基板10には、圧力発生室12の一端部側に、当該圧力発生室12よりも断面積が狭く、圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を付与する供給路等が設けられていてもよい。
また、このような流路形成基板10の一方面側には、振動板50が設けられており、圧力発生室12等の流路は、振動板50によって封止されている。
また、流路形成基板10の他方面側(振動板50とは反対側)には、連通板15が接合されている。また、連通板15には、各圧力発生室12に連通する複数のノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤を介して接着されている。
連通板15には、圧力発生室12とノズル開口21とを繋ぐノズル連通路16が設けられている。連通板15は、流路形成基板10よりも大きな面積を有し、ノズルプレート20は流路形成基板10よりも小さい面積を有する。このようにノズルプレート20の面積を比較的小さくすることでコストの削減を図ることができる。なお、本実施形態では、ノズルプレート20のノズル開口21が開口されて、インク滴が吐出される面を液体噴射面と称する。
また、連通板15には、マニホールド100の一部を構成する第1マニホールド部17と、第2マニホールド部18とが設けられている。
第1マニホールド部17は、連通板15を厚さ方向(連通板15と流路形成基板10との積層方向)に貫通して設けられている。
また、第2マニホールド部18は、連通板15を厚さ方向に貫通することなく、連通板15のノズルプレート20側に開口して設けられている。
さらに、連通板15には、圧力発生室12の第2の方向Yの一端部に連通する供給連通路19が、各圧力発生室12毎に独立して設けられている。この供給連通路19は、第2マニホールド部18と圧力発生室12とを連通する。
このような連通板15としては、ステンレスやNiなどの金属、またはジルコニウムなどのセラミックなどを用いることができる。なお、連通板15は、流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましい。すなわち、連通板15として流路形成基板10と線膨張係数が大きく異なる材料を用いた場合、加熱や冷却されることで、流路形成基板10と連通板15との線膨張係数の違いにより反りが生じてしまう。本実施形態では、連通板15として流路形成基板10と同じ材料、すなわち、シリコン単結晶基板を用いることで、熱による反りや熱によるクラック、剥離等の発生を抑制することができる。
また、ノズルプレート20には、各圧力発生室12とノズル連通路16を介して連通するノズル開口21が形成されている。すなわち、ノズル開口21は、第1の方向Xに並設された列が、第2の方向Yに複数列、本実施形態では、2列形成されている。
このようなノズルプレート20としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)等の金属、ポリイミド樹脂のような有機物、又はシリコン単結晶基板等を用いることができる。なお、ノズルプレート20としてシリコン単結晶基板を用いることで、ノズルプレート20と連通板15との線膨張係数を同等として、加熱や冷却されることによる反りや熱によるクラック、剥離の発生を抑制することができる。
一方、流路形成基板10の連通板15とは反対面側には、振動板50が形成されている。本実施形態では、振動板50として、流路形成基板10側に設けられた酸化シリコンからなる弾性膜51と、弾性膜51上に設けられた酸化ジルコニウムからなる絶縁体膜52と、を設けるようにした。なお、圧力発生室12等の液体流路は、流路形成基板10を一方面側(ノズルプレート20が接合された面側)から異方性エッチングすることにより形成されており、圧力発生室12等の液体流路の他方面は、弾性膜51によって画成されている。
ここで、振動板50(積層膜の場合、電極形成側)は絶縁体であること、かつ圧電体層70の形成時の温度(一般に500℃以上)に耐えうることが必須であるほか、シリコンウェハーを流路形成基板10に用いて、且つ圧力発生室12等の流路を形成する際に、KOH(水酸化カリウム)による異方性エッチングを用いる場合、振動板(積層の場合、シリコンウェハー側)はエッチングストップ層として機能することが必要である。また、振動板50の一部に二酸化シリコンを使用した場合、圧電体層70に含まれる鉛やビスマスなどが二酸化シリコンに拡散すると、二酸化シリコンが変質し、上層の電極や圧電体層70が剥離する。このため、二酸化シリコンへの拡散防止層も必要となる。
二酸化シリコンと酸化ジルコニウムとを積層した振動板50は、それぞれの材料が圧電体層70を形成する際の温度に耐えて且つ、二酸化シリコンが絶縁層とエッチングストップ層を、酸化ジルコニウムが絶縁層と拡散防止層として機能するため、最も好適である。本実施形態では、この弾性膜51及び絶縁体膜52によって振動板50が形成されるが、振動板50として、弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方のみを設けるようにしてもよい。
また、振動板50上には、第1電極60と、圧電体層70と、第2電極80とを有する圧電アクチュエーター300が形成されている。
図4及び図5に示すように、圧電アクチュエーター300を構成する第1電極60は、圧力発生室12毎に切り分けられ、圧電アクチュエーター300毎に独立する個別電極を構成する。そして第1電極60は、圧力発生室12の第1の方向Xにおいては、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で形成されている。すなわち圧力発生室12の第1の方向Xにおいて、第1電極60の端部は、圧力発生室12に対向する領域の内側に位置している。圧力発生室12の第2の方向Yでは、第1電極60の両端部は、それぞれ圧力発生室12の外側まで延設されている。なお、第1電極60の材料は、金属材料であれば特に限定されないが、例えば、白金(Pt)、イリジウム(Ir)等が好適に用いられる。
圧電体層70は、第2の方向Yが所定の幅となるように第1の方向Xに亘って連続して設けられている。圧電体層70の第2の方向Yの幅は、圧力発生室12の第2の方向Yの長さよりも広い。このため、圧力発生室12の第2の方向Yでは、圧電体層70は圧力発生室12の外側まで設けられている。
圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側(マニホールド100側)における圧電体層70の端部は、第1電極60の端部よりも外側に位置している。すなわち、第1電極60の端部は圧電体層70によって覆われている。圧力発生室12の第2の方向Yの他端側における圧電体層70の端部は、第1電極60の端部よりも内側(圧力発生室12側)に位置している。
なお、圧電体層70の外側まで延設された第1電極60には、例えば、金(Au)等からなる個別リード電極91が接続されている。図示は省略するが、この個別リード電極91には、駆動回路210等が実装された配線基板211が接続される。
また、圧電体層70には、各隔壁11に対向する凹部71が形成されている。この凹部71の第1の方向Xの幅は、各隔壁11の第1の方向Xの幅と略同一、もしくはそれよりも広くなっている。これにより、振動板50の圧力発生室12の幅方向端部に対向する部分(いわゆる振動板50の腕部)の剛性が抑えられるため、圧電アクチュエーター300を良好に変位させることができる。
圧電体層70は、第1電極60上に形成される分極構造を有する酸化物の圧電材料からなり、例えば、一般式ABOで示されるペロブスカイト構造の結晶膜(ペロブスカイト方結晶)からなることができ、Aは、鉛を含み、Bは、ジルコニウムおよびチタンのうちの少なくとも一方を含むことができる。前記Bは、例えば、さらに、ニオブを含むことができる。具体的には、圧電体層70としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O:PZT)、シリコンを含むニオブ酸チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti,Nb)O:PZTNS)などを用いることができる。
また、圧電体層70は、鉛を含まない非鉛系圧電材料、例えば、鉄酸ビスマスや鉄酸マンガン酸ビスマスと、チタン酸バリウムやチタン酸ビスマスカリウムとを含むペロブスカイト構造を有する複合酸化物などとしてもよい。
第2電極80は、圧力発生室12の第1の方向Xにおいて、圧電体層70上に連続して設けられ、後述する複数の能動部310に共通する共通電極を構成する。圧力発生室12の第2の方向Yの一端側における第2電極80の端部は、圧電体層70の端部よりも外側に位置している。つまり圧電体層70の端部は第2電極80によって覆われている。また、圧力発生室12の第2の方向Yの他端側における第2電極80の端部は、圧電体層70の端部よりも内側(圧力発生室12側)に位置している。このような第2電極80の材料は、金属材料であれば特に限定されないが、例えば、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)等の金属材料を用いることができる。また、第2電極80は、金属材料の単一材料であっても、複数の材料が混合した複数材料であってもよい。
このような第2電極80は、本実施形態では、圧電体層70の第1電極60とは反対面上と、圧電体層70の側面上と、第1電極60上と、に亘って連続して設けられている。ちなみに、第1電極60上の第2電極80と、圧電体層70の主要部(詳しくは後述する能動部310)の第2電極80とは、除去部83を介して電気的に切断されている。すなわち、第1電極60上の第2電極80と、圧電体層70の主要部に設けられた第2電極80とは、同一層からなるが電気的に不連続となるように形成されている。ここで、除去部83は、圧電体層70上のノズル開口21側に設けられており、第2電極80を厚さ方向(圧電体層70と第2電極80の積層方向)に貫通して電気的に切断するものである。このような除去部83は、第1の方向Xに亘って連続して設けられている。
このような構成の圧電アクチュエーター300は、第1電極60と第2電極80との間に電圧を印加することで変位が生じる。すなわち両電極の間に電圧を印加することで、第1電極60と第2電極80とで挟まれている圧電体層70に圧電歪みが生じる。そして、両電極に電圧を印加した際に、圧電体層70に圧電歪みが生じる部分を能動部310と称する。これに対して、圧電体層70に圧電歪みが生じない部分を非能動部と称する。また、圧電体層70に圧電歪みが生じる能動部310において、圧力発生室12に対向する部分を可撓部と称し、圧力発生室12の外側の部分を非可撓部と称する。
本実施形態では、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80の全てが圧力発生室12の第2の方向Yにおいて圧力発生室12の外側まで連続的に設けられている。すなわち能動部310が圧力発生室12の外側まで連続的に設けられている。このため、能動部310のうち圧電アクチュエーター300の圧力発生室12に対向する部分が可撓部となり、圧力発生室12の外側の部分が非可撓部となっている。
すなわち、本実施形態では、図4に示すように、能動部310の第2の方向Yの端部は、第2電極80によって規定されている。
また、能動部310の第1の方向Xの端部は、第1電極60によって規定されている。そして、第1電極60の第1の方向Xの端部は、圧力発生室12に相対向する領域内に設けられている。したがって、能動部310の第1の方向Xの端部は、可撓部に設けられていることになり、第1の方向Xにおいて、能動部310と非能動部との境界における応力が振動板の変形によって開放される。このため、能動部310の第1の方向Xの端部における応力集中に起因する焼損やクラック等の破壊を抑制することができる。
このような圧電アクチュエーター300では、第2電極80が、圧電体層70を覆っているため、第1電極60と第2電極80との間で電流がリークすることがなく、圧電アクチュエーター300の破壊を抑制することができる。ちなみに、第1電極60と第2電極80とが近接した状態で露出されていると、圧電体層70の表面を電流がリークし、圧電体層70が破壊されてしまう。ちなみに、第1電極60と第2電極80とが露出されていても距離が近くなければ、電流のリークは発生しない。
このような圧電アクチュエーター300の第1電極60と、第2電極80とには、本実施形態の配線層である個別リード電極91と、共通リード電極92とが接続されている。個別リード電極91及び共通リード電極92は、導電性を有する材料であれば特に限定されず、例えば、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)等を用いることができる。また、個別リード電極91及び共通リード電極92は、第1電極60及び第2電極80や振動板50との密着性を向上する密着層を有してもよい。
ここで、個別リード電極91は、圧電体層70の外側まで延設された各第1電極60上から振動板50上にまで引き出されている。
共通リード電極92は、第2電極80上(圧電体層70上の第2電極80上)から振動板50上にまで引き出されている。また、共通リード電極92は、流路形成基板10の第1の方向Xの両端部に、第2の方向Yに連続するように設けられている。
また、共通リード電極92は、第2の方向Yにおいて、圧力発生室12の壁面上に、すなわち、可撓部と非可撓部との境界部分に跨って設けられた延設部93を有する。延設部93は、複数の能動部310の第1の方向Xに亘って連続して設けられており、第1の方向Xの両端部で共通リード電極92に連続する。すなわち、延設部93を有する共通リード電極92は、保護基板30側から平面視した際に、能動部310の周囲を囲むように連続して配置されている。本実施形態では、第2電極80上に形成された共通リード電極92と延設部93とが配線となる。つまり、流路形成基板10上に配線が設けられているとは、その流路形成基板10の直上も、間に他の部材が介在した状態(上方)も含むものである。
このように、延設部93を設けることで、可撓部と非可撓部との境界の剛性を向上して、可撓部と非可撓部との境界の応力集中における圧電体層70の破壊を抑制することができる。また、共通リード電極92が可撓部上には実質的に形成されていないため、能動部310の変位低下を抑えることができる。
さらに、延設部93は、能動部310の並設方向で、第2電極80と電気的に接続されて設けられている。このため、複数の能動部310の共通電極である第2電極80に、電圧(バイアス電圧)等を印加する際に、能動部310の並設方向で、電圧低下による不具合を抑制することができる。つまり、能動部310は、第1の方向Xに並設されており、第2電極80を薄く形成すると、電気抵抗値が上がってしまい、第1の方向Xにおいて、両端部側の能動部310と、中央部の能動部310とに印加される電圧に差が生じてしまう。このため、複数の能動部310を同じ電圧で駆動することができず、変位量にばらつきが生じて、インク滴の吐出特性のばらつきによる印刷不具合が生じてしまう。これに対して、第2電極80の電気抵抗値を下げるために、第2電極80の厚さを厚くすると、第2電極80が能動部310の変位を阻害し、能動部310の変位量の低下が生じてしまう。
本実施形態では、延設部93と、詳しくは後述するが、この延設部93に接続される補助配線95を設けることで、延設部93及び配線層の電気抵抗値を下げて、第2電極80に印加する電圧の低下を抑制することができる。したがって、第2電極80を厚く形成する必要がなく、能動部310の変位低下を抑制することができると共に、能動部310の駆動時の特性ばらつき、特に変位量のばらつきを抑制して、インク滴の吐出特性のばらつきを低減し、印刷品質を向上することができる。
このような圧電アクチュエーター300が形成された流路形成基板10上には、圧電アクチュエーター300を保護する保護基板30が接合されている。
保護基板30には、第2電極80上に形成された共通リード電極92及び延設部93からなる配線に相対向する位置に設けられた補助配線95を有する。つまり、補助配線95は、複数の能動部310を囲むように保護基板30の圧電アクチュエーター300側の面に形成されている。
このような補助配線としては、導電性の高い材料であれば特に限定されず、例えば、金(Au)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等を用いることができる。
そして、配線(共通リード電極92の一部及び延設部93)と補助配線95とは、電気的及び機械的に接続されている。ここで、配線と補助配線95との接続方法は特に限定されず、例えば、ハンダ付けやろう付けなどのろう接や、共晶接合、溶接、導電性粒子を含む導電性接着剤(ACP、ACF)等であってもよいが、例えば、配線と補助配線95とに同じ材料、特に金(Au)や銅(Cu)を用いた場合には、間に接着剤を介在させずに直接接着するいわゆる金(Au)−金(Au)接合や、銅(Cu)−銅(Cu)接合などの熱圧着を用いるのが好ましい。このように配線と補助配線95との接合に熱圧着を用いることで、接着剤が圧電アクチュエーター300(能動部310)側に流れ出して、接着剤によって能動部310の変位が阻害されることがない。また、配線と補助配線95との接合に熱圧着を用いることで、他の材料(接着剤)等が不要となって、接合工程が簡略化されることにより、コストを低減することができる。さらに、配線と補助配線95との接続抵抗を低減することができることによって、配線抵抗を低減することができる。
このように、配線と補助配線95とを電気的に接続することで、配線の厚さ及び設置面積(保護基板30側から平面視した際の面積)が増大するのを抑制して、配線及び補助配線の電気抵抗を下げることができる。つまり、配線(共通リード電極92及び延設部93)のみを設ける場合、配線の電気抵抗値を下げるためには、配線の厚く形成するか、平面視した際の配線の面積(特に幅)を広く形成する必要がある。配線を厚く形成すると、エッチングによりパターニングする際に、サイドエッチが大量に発生し、所望の形状に形成するのが困難である。また、配線の幅を広くすると、設置面積が必要になり、インクジェット式記録ヘッドIが大型化してしまう。本実施形態では、保護基板30に補助配線95を設け、補助配線95と配線とを能動部310の並設方向(第1の方向X)の端部とその間とで電気的に接続することで、配線及び補助配線95の厚さを薄く、幅を狭くしても、電気抵抗値を下げることができる。このため、配線及び補助配線95のパターニングが容易となると共にインクジェット式記録ヘッドIを小型化することができる。
また、個別リード電極91は、本実施形態では、共通リード電極92と同一層からなるが、電気的に連続することなく形成されている。したがって、共通リード電極92を含む配線を薄く形成することによって、個別リード電極91も薄く形成される。このため、個別リード電極91のサイドエッチング量が低減されて、個別リード電極91の配線間隔を狭くすることができ、圧電アクチュエーター300(能動部310)を高密度に配置することができ、記録ヘッドの高密度化を図ることができる。
また、配線と補助配線95とを機械的に接続することで、流路形成基板10と保護基板30との間には、能動部310を収容する封止空間である保持部31が形成される。つまり、平板状の保護基板30に凹部を形成することなく、能動部310を収納する空間である保持部31を画成することができ、保持部31を封止する別工程が不要となってコストを低減することができる。ちなみに、保持部31は、能動部310が変形するための空間である。
このように、保護基板30に凹部を形成することなく、保持部31を形成することができるため、保護基板30に複雑な加工(深さの異なるエッチング等)が不要となって、製造工程を簡略化してコストを低減することができる。
また保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔32が設けられている。各能動部310の第1電極60に接続された個別リード電極91や第2電極80に接続された共通リード電極92は、この貫通孔32内に露出している。貫通孔32内に露出された個別リード電極91及び共通リード電極92には、図示しない駆動回路210が実装された配線基板211の端子(図示なし)が接続されている。
このような保護基板30の材料は、保護基板30が固定される流路形成基板10と線膨張係数が同等の材料が好ましく、本実施形態では、シリコン単結晶基板を用いた。
また、このような構成のヘッド本体9には、複数の圧力発生室12に連通するマニホールド100をヘッド本体9と共に画成するケース部材40が固定されている。ケース部材40は、平面視において上述した連通板15と略同一形状を有し、保護基板30に接着剤によって固定されると共に、上述した連通板15にも接着剤によって固定されている。具体的には、ケース部材40は、保護基板30側に流路形成基板10及び保護基板30が収容される深さの凹部41を有する。この凹部41は、保護基板30の流路形成基板10に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部41に流路形成基板10等が収容された状態で凹部41のノズルプレート20側の開口面が連通板15によって封止されている。これにより、流路形成基板10の外周部には、ケース部材40とヘッド本体9とによって第3マニホールド部42が画成されている。そして、連通板15に設けられた第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18と、ケース部材40と流路形成基板10とによって画成された第3マニホールド部42とによって本実施形態のマニホールド100が構成されている。
なお、ケース部材40の材料としては、例えば、樹脂や金属等を用いることができる。
また、連通板15の第1マニホールド部17及び第2マニホールド部18が開口する面には、コンプライアンス基板45が設けられている。このコンプライアンス基板45が、第1マニホールド部17と第2マニホールド部18の開口を封止している。
このようなコンプライアンス基板45は、本実施形態では、封止膜46と、固定基板47と、を具備する。封止膜46は、可撓性を有する薄膜(例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やステンレス鋼(SUS)等により形成された厚さが20μm以下の薄膜)からなり、固定基板47は、ステンレス鋼(SUS)等の金属等の硬質の材料で形成される。この固定基板47のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部48となっているため、マニホールド100の一方面は可撓性を有する封止膜46のみで封止された可撓部であるコンプライアンス部となっている。
なお、ケース部材40には、マニホールド100に連通して各マニホールド100にインクを供給するための導入路44が設けられている。また、ケース部材40には、保護基板30の貫通孔32に連通して配線基板211が挿通される接続口43が設けられている。
このような構成のインクジェット式記録ヘッドIでは、インクを噴射する際に、カートリッジ等のインク貯留手段から導入路44を介してインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで流路内部をインクで満たす。その後、駆動回路210からの信号に従い、圧力発生室12に対応する各圧電アクチュエーター300に電圧を印加することにより、圧電アクチュエーター300と共に弾性膜51及び絶縁体膜52をたわみ変形させる。これにより、圧力発生室12内の圧力が高まり所定のノズル開口21からインク滴が噴射される。
このように、本実施形態では、配線として延設部93を設けると共に、延設部93に電気的に接続される補助配線95を保護基板30に設けるようにしたため、延設部93の断面積を増やすことなく、延設部93の電気抵抗値を下げることができる。したがって、複数の能動部310の変位特性にばらつきが生じるのを抑制することができると共に、インクジェット式記録ヘッドIの小型化を図ることができる。
また、保護基板30と流路形成基板10との接合に、配線と補助配線95との金属接合を用いるようにした。特に、配線と補助配線95とを接着剤を用いずに直接接合することで、接着剤が能動部310に流れ出すことにより能動部310の変位低下を抑制することができる。
なお、本実施形態では、封止空間である保持部31を配線と補助配線95とで密封するようにしたが、保持部31を大気開放するようにしてもよい。ここで、保持部31を大気開放するには、例えば、保護基板30に厚さ方向に貫通する貫通孔等を設けるようにしてもよく、配線及び補助配線95の接続部分に溝を設けるようにしてもよい。ここで、配線及び補助配線95の接続部分に溝を設けた例を図6に示す。なお、図6は、配線及び補助配線の変形例を示す要部断面図である。
図6に示すように、補助配線95の貫通孔32側には、保持部31と貫通孔32とを連通するスリット状の連通路99が設けられている。本実施形態では、連通路99は、補助配線95の厚さを厚さ方向に貫通することなく、厚さの途中となる深さで形成されている。
この連通路99によって保持部31と貫通孔32とは連通し、保持部31は、連通路99及び貫通孔32を介して大気開放される。
このように、保持部31を連通路99を介して大気開放することで、保護基板30に貫通孔等を設ける加工が不要となると共に、能動部310の変形によって保持部31内の圧力が変動するのを抑制して、能動部310の変形が阻害されるのを抑制することができる。
また、本実施形態では、保護基板30の圧電アクチュエーター300側に補助配線95を設けるようにしたが、特にこれに限定されない。ここで、補助配線の他の例を図7に示す。図7は、補助配線の変形例を示すインクジェット式記録ヘッドの要部断面図である。
図7に示すように、保護基板30には、ケース部材40側の面に第1の方向Xに連続して設けられた補助配線95が設けられている。また、保護基板30には、第1の方向Xの両端部と、その間で圧電アクチュエーター300側に貫通するスルーホール96が設けられている。このスルーホール96内に補助配線95が延設されて、圧電アクチュエーター300側に補助配線95に接続された端子部97が設けられている。
このようなスルーホール96及び端子部97は、特に図示していないが、第1の方向Xの両端部の間に、所定の間隔で複数個設けられている。例えば、能動部310を数個毎にスルーホール96及び端子部97を設けるようにすればよい。
そして、保護基板の端子部と、配線である共通リード電極92及び延設部93とは、接続されている。保護基板の端子部と配線との接続方法は特に限定されず、例えば、上述したものと同様のものを用いることができる。
このように、保護基板に設ける補助配線を圧電アクチュエーター300とは反対側に設けたとしても、補助配線を第1の方向Xの両端とその間とで配線に電気的に接続することで、配線の第1の方向Xに亘って電気抵抗値を下げることができる。したがって、変位特性の均一化及びインクジェット式記録ヘッドIの小型化を図ることができる。
(実施形態2)
図8は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの要部平面図及びそのD−D′線に準ずる断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の圧電アクチュエーター300は、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80を具備する。
第1電極60は、複数の能動部310に亘って連続して設けられた共通電極となっている。また、第2電極80は、各能動部310毎に設けられた個別電極となっている。
そして、第2電極80には、当該第2電極80から振動板50上に引き出された個別リード電極91が設けられている。
また、第1電極60には、能動部310の並設方向(第1の方向X)の両側で、第1電極60から振動板50上まで引き出された共通リード電極92が設けられている。
さらに、振動板50上の能動部310の第2の方向Yの個別リード電極91とは反対側には、共通リード電極92が延設された延設部93が設けられている。延設部93は、第1の方向Xに亘って連続して設けられており、複数個の能動部310毎に第1電極60と接続部94を介して接続されている。本実施形態では、共通リード電極92及び延設部93を配線と称するが、配線に接続部94を含めるようにしてもよい。
一方、保護基板30は、平板状を有し、圧電アクチュエーター300側の面の配線、すなわち、共通リード電極92及び延設部93に相対向する位置に補助配線95が設けられている。すなわち、補助配線95は、能動部310の並設方向(第1の方向X)の両端部と、両端部に設けられた補助配線95の端部同士を接続するように第1の方向Xに連続して設けられている。
そして、保護基板30の補助配線95と流路形成基板10(振動板50)上に形成された配線とは電気的及び機械的に接合されている。これにより、流路形成基板10と保護基板30とは接合されている。なお、補助配線95と共通リード電極92とは、第1の方向Xに亘って連続して電気的に接続されている。
このように、圧電アクチュエーター300の第1電極60を複数の能動部310の共通電極とし、第2電極80を各能動部310の個別電極としても、共通電極に接続された配線に保護基板30に設けられた補助配線95を第1の方向Xの両端部とその間とで接続することで、配線の断面積を小さくしても電気抵抗値を下げることができ、能動部310の変位量にばらつきが生じるのを抑制することができると共にインクジェット式記録ヘッドIの小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、保護基板30の圧電アクチュエーター300側の面に補助配線95を設けるようにしたが、特にこれに限定されず、上述した実施形態1の図7と同様に、保護基板30の圧電アクチュエーター300とは反対面側に補助配線95を設けるようにしてもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的な構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態1では、流路形成基板10とノズルプレート20とを連通板15を介して接合するようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、流路形成基板10とノズルプレート20とを直接接合するようにしてもよい。また、ノズルプレート20と流路形成基板10との間には連通板15以外の他の基板を介在させてもよい。
また、上述した実施形態では、ノズル開口21からインク滴を吐出する圧力発生手段として、薄膜型の圧電アクチュエーター300を用いて説明したが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型の圧電アクチュエーターや、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーターなどを使用することができる。
また、これら各実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、カートリッジ等と連通するインク流路を具備するインクジェット式記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図9は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図9に示すインクジェット式記録装置IIにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッドIを有するインクジェット式記録ヘッドユニット1A、1B(以下、ヘッドユニット1A、1Bとも言う)は、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、このヘッドユニット1A、1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。このヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニット1A、1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラーなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8に巻き掛けられて搬送されるようになっている。
なお、上述したインクジェット式記録装置IIでは、インクジェット式記録ヘッドI(ヘッドユニット1A、1B)がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッドIが固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置IIは、液体貯留手段であるカートリッジ2A、2Bがキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、貯留手段とインクジェット式記録ヘッドIとをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置IIに搭載されていなくてもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
I インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 II インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1A、1B ヘッドユニット、 2A、2B カートリッジ、 3 キャリッジ、 4 装置本体、 5 キャリッジ軸、 6 駆動モーター、 7 タイミングベルト、 8 プラテン、 10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 15 連通板、 16 ノズル連通路、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 40 ケース部材、 45 コンプライアンス基板、 91 個別リード電極、 92 共通リード電極、 93 延設部、 95 補助配線、 100 マニホールド、 210 駆動回路、 211 配線基板、 300 圧電アクチュエーター

Claims (9)

  1. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設されると共に、該圧力発生室に圧力を付与する圧電アクチュエーターが設けられた流路形成基板と、
    前記流路形成基板に接合される保護基板と、を具備し、
    前記圧電アクチュエーターは、実質的な駆動部となる能動部毎に設けられた個別電極と、複数の前記能動部に共通する共通電極と、前記個別電極と前記共通電極との間に設けられた圧電体層と、を備え、
    前記流路形成基板には、前記共通電極に接続された配線が形成され、
    前記保護基板には、前記配線に接続される補助配線が形成され、
    前記配線及び前記補助配線は、複数の前記能動部の並設方向に亘って設けられており、
    前記補助配線は、前記配線に電気的に接続されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設されると共に、該圧力発生室に圧力を付与する圧電アクチュエーターが設けられた流路形成基板と、
    前記流路形成基板に接合される保護基板と、を具備し、
    前記圧電アクチュエーターは、実質的な駆動部となる能動部毎に設けられた個別電極と、複数の前記能動部に共通する共通電極と、前記個別電極と前記共通電極との間に設けられた圧電体層と、を備え、
    前記流路形成基板には、前記共通電極に接続された配線が形成され、
    前記保護基板には、前記配線に接続される補助配線が形成され、
    前記補助配線は、前記配線に電気的に接続されており、
    前記流路形成基板には、前記個別電極に接続された配線が形成され、
    前記共通電極に接続された前記配線と、前記個別電極に接続された前記配線とが、同一層からなるが独立して形成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  3. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室が複数並設されると共に、該圧力発生室に圧力を付与する圧電アクチュエーターが設けられた流路形成基板と、
    前記流路形成基板に接合される保護基板と、を具備し、
    前記圧電アクチュエーターは、実質的な駆動部となる能動部毎に設けられた個別電極と、複数の前記能動部に共通する共通電極と、前記個別電極と前記共通電極との間に設けられた圧電体層と、を備え、
    前記流路形成基板には、前記共通電極に接続された配線が形成され、
    前記保護基板には、前記配線に接続される補助配線が形成され、
    前記補助配線は、前記配線に電気的に接続されており、
    前記配線又は前記補助配線は、前記流路形成基板と前記保護基板との積層方向から平面視した際に、前記圧電アクチュエーターの少なくも前記能動部を囲むように配置されており、当該配線と前記補助配線とによって少なくとも前記能動部が封止された封止空間が画成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 前記補助配線は、前記圧力発生室の並設方向における両端とその間とで前記配線に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記補助配線は、前記保護基板の前記圧電アクチュエーターに相対向する面に形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 前記配線と前記補助配線とは、金属同士の熱圧着によって接合されていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  7. 前記保護基板と前記流路形成基板とは、前記配線と前記補助配線との電気的な接続によって機械的に接合されていることを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  8. 前記配線及び前記補助配線には、前記封止空間を外部に連通させる連通路が設けられていることを特徴とする請求項記載の液体噴射ヘッド。
  9. 請求項1〜8の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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