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JP6155982B2 - 電力制御装置、および画像形成装置 - Google Patents
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電力制御装置、および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、発電装置から出力される電力を制御する技術に関し、特に、画像形成装置に搭載された発電装置の出力制御に関する。
発電装置とは、電気エネルギーを、運動、熱、光、化学等、他のエネルギーから創り出す装置全般をいう。発電装置には、タービン発電機をはじめ、熱電変換素子、太陽電池、および燃料電池が含まれる。タービン発電機は電磁誘導を利用して、タービンの回転エネルギーを電気エネルギーへ変換する。タービン発電機は、タービンを回転させる駆動力により、火力用、原子力用、風力用、水力用等に分けられる。熱電変換素子は、異なる熱源間の温度差によってキャリアの移動、すなわち電流を生じさせる。太陽電池は、光励起によって価電子を伝導帯へ移動させて電流を生じさせる。燃料電池は水素と酸素とを化学反応によって結合させて、その際に放出される電子のエネルギーを起電力として供給する。
近年、代替エネルギーから電気エネルギーを創り出す発電装置の利用が拡大している。代替エネルギーは、化石燃料・原子力に代わるエネルギーの総称であり、バイオマス、太陽光、風力、水力、地熱等の自然エネルギーを含む。代替エネルギーはまた、発電所、ゴミ焼却場、製鉄所等のプラント、自動車、エアコン、冷蔵庫等の熱機関、および、ボイラー、給湯器等の加熱機器からの廃熱・余熱も含む。代替エネルギーを利用する発電装置を発電所等のプラントに導入することは、火力・原子力発電の抱える問題の軽減に役立つ。一方、それらの発電装置を小型化して、自動車、加熱機器、電気機器等のシステムに補助電源として組み込むことは、そのシステムの省エネルギー化に役立つ。例えば、特許文献1、2に開示された画像形成装置は、定着部からの廃熱・余熱を熱電変換素子によって電力として回収する。その電力は排気ファンの駆動または定着部の保温に再利用される。その他に、特許文献7に開示された炊飯器は誘導加熱装置からの廃熱を、特許文献8に開示された冷蔵庫は圧縮機からの廃熱を、それぞれ熱電変換素子によって電力に変換して再利用する。
代替エネルギーを利用する発電装置にその発電効率を高く維持させるには、その出力を環境条件の変動に応じて変化させるべきである。実際、これらの発電装置では電圧−電力特性にピーク(最大電力点)が現れる。出力電圧が最大電力点での値に等しければ、最大の電力が送出される。しかし、最大電力点は環境条件の変動に伴って大きく変位する。例えば、熱電変換素子・燃料電池では最大電力点が温度に依存し、太陽電池では日照量に、風力発電機では風速に、水力発電機では水量に、それぞれ依存する。従って、これらの発電装置に発電効率を高く維持させるには、温度、日照量、風速、または水量の変動が検出される度にその出力を調節し直して、より大きな電力を送出させればよい。
出力特性が環境条件に大きく依存する発電装置に対しては最大電力点追従(MPPT)制御が、高い発電効率の維持に有効な出力制御として知られている(例えば、特許文献3−6参照)。MPPT制御は、まず、発電装置の出力を一定の周期で繰り返し測定することによって最大電力点の変位を割り出し、次に、その変動に追従するように出力を変化させる。例えば、特許文献3、5に開示されたMPPT制御は、まず、発電装置の出力の電圧と電流とのいずれか一方を変化させる度に他方の測定を繰り返して、複数のサンプルを得る。次に、それらのサンプルから電圧−電力特性曲線のピーク、すなわち最大電力点を求め、発電装置の出力電圧をその最大電力点での値に調節する。一方、特許文献4、6に開示されたMPPT制御は、まず、発電装置の開放電圧を測定する。次に、発電装置の電圧−電力特性曲線が示す開放電圧と最大電力点との間の関係に基づいて、測定された開放電圧から最大電力点を算定し、発電装置の出力電圧をその最大電力点での値に調節する。以上の操作が一定の周期で繰り返される結果、発電装置の出力の変化が最大電力点の変位に追従する。すなわち、発電効率が高く維持される。
特開2013−025280号公報 特開2011−164424号公報 特開2010−278036号公報 特開2010−186338号公報 特開2008−300745号公報 特許第4715340号公報 特開平10−271704号公報 特開2001−074348号公報
代替エネルギーによる発電の効率をさらに向上させるには、MPPT制御の更なる改良が必要である。実際、代替エネルギーを利用する発電装置自体の発電効率は一般に低い。従って、MPPT制御を改良することで、その発電装置が創り出す電力の中から、さらに多くの部分が負荷へ供給されるようにしなければならない。
MPPT制御の改良点としては、まず、発電装置の出力の変化を最大電力点の変位にさらに正確に追従させることが考えられる。そのためには、最大電力点の検出精度をさらに高くしなければならないので、発電装置の出力に対する測定の周期を短縮すべきである。
次に、発電装置から負荷へ電力が連続して供給される時間に対し、その電力供給が実質的に途絶える時間の割合を低減させることが考えられる。実際、MPPT制御は、発電装置の出力を測定する度に、その出力を最大電力点から大きく逸脱させ、または、発電装置から負荷への電力供給を停止させる。従って、上記の割合を低減させるには、発電装置の出力に対する測定の周期を延長すべきである。
上記2つの改良点のいずれをも有効にするには、発電装置の出力に対する測定の周期を環境条件の変動に応じて変化させればよい。実際、環境条件の変動が大きい場合、発電装置の出力の変化を最大電力点の変位に正確に追従させることが効果的であるので、測定の周期が短縮されるべきである。逆に、環境条件の変動が小さい場合、発電装置から負荷への電力供給を継続させることが効果的であるので、測定の周期が延長されるべきである。
環境条件の変動が定期的である場合には、測定の周期が定期的に変更されればよい。例えば、特許文献5に開示されたMPPT制御は予め、太陽電池が建築物等の影で覆われる時刻、時間帯、または時季を記憶しておく。これらの時刻等では決まって、太陽電池に対する日照量が大きく変動するので、最大電力点が大きく変位する。従って、それらの時刻等では他の時刻等よりも測定の周期が短縮される。それにより、太陽電池の発電効率が高く維持される。
しかし、環境条件の変動が不定期である場合、測定の周期をどのように変化させればよいかは知られていない。例えば、特許文献1、2に開示された画像形成装置では、発電装置として熱電変換素子が定着部の近傍に設置されている。熱電変換素子の発電効率はその設置場所の温度に依存する。その温度は定着部からの熱量で決まり、その熱量は印刷中と待機中とで異なる。すなわち、熱電変換素子の設置場所の温度は、画像形成装置の動作状態に依存して不定期に変動する。このような状況において、測定の周期をどのように変化させれば熱電変換素子の発電効率を更に向上させられるかは、当業者にとっても決して自明ではなく、大きな課題である。
本発明の目的は上記の課題を解決することであり、特に、環境条件の変動が不定期であっても、その変動に応じて、発電装置の出力を測定するタイミングを適切に変化させることのできる電力制御装置を提供することにある。
本発明の1つの観点における電力制御装置は、動作に発熱を伴い、かつ自身に対して設定可能な動作モードに応じて発熱量の異なるシステムに組み込まれ、システムからの廃熱で発電する発電装置から負荷へ出力される電力を制御するための装置であり、切替部、調節部、測定部、指示部、および切替制御部を備えている。切替部は発電装置と負荷との間の接続と切断とを交互に繰り返す。調節部は、切替部が発電装置を負荷に接続しているときに、発電装置の出力を目標値に調節する。測定部は、切替部が発電装置を負荷から切断しているときに、発電装置の出力を測定する。指示部は、測定部によって測定された値から発電装置の最大電力点を算定し、その最大電力点に基づいて目標値を決定して調節部に指示する。切替制御部は、システムが動作モードを切り替える場合、切り替え前後の動作モードの組み合わせから切り替え後の動作モードにおけるシステムの環境温度変動のパターンを想定し、そのパターンの傾きからその環境温度変動の速度を求め、その速度の経時的変化に従って切替部に、発電装置と負荷との間を切断する周期を変更させる。
切替制御部はシステムの動作モードを監視し、そのシステムが動作モードを切り替える時点で、切断する周期を直前の値から短縮してもよい。切替制御部はまた、システムから動作モードの変更に関するスケジュールを取得し、そのスケジュールから、システムが動作モードを切り替える時点を特定し、その時点で、切断する周期を直前の値から短縮してもよい。
切替制御部はシステムの動作モード別に、想定されるシステムの環境温度変動のパターンを示す数表または数式を記憶しており、実際の動作モードに対応する数表または数式を用いて、切断する周期を決定してもよい。切替制御部は、想定されるパターンの示すシステムの環境温度の変動速度が低い期間ほど、切断する周期を延長してもよい。切替制御部はその他に、その変動速度が閾値を下回っている期間では、切替部に発電装置と負荷との間の接続を維持させる一方、その期間の前に測定部によって測定された値から発電装置の出力を予測して、予測された値を、測定部に代わって指示部に提供してもよい。
切替制御部は、切り替え後の動作モードがシステムの待機状態を示す期間において、切断する周期を直前の値から延長し、または、切替部に発電装置と負荷との間の接続を維持させる一方、システムが待機状態へ移行する前に測定部によって測定された値から発電装置の出力を予測して、予測された値を、測定部に代わって指示部に提供してもよい。
切替制御部は、切り替え後の動作モードがシステムの停止状態を示す期間において次の3つのいずれかの動作を行ってもよい:(1)切断する周期を直前の値から延長する;(2)切替部に発電装置と負荷との間の接続を維持させる一方、システムが停止状態へ移行する前に測定部によって測定された値から発電装置の出力を予測して、予測された値を、測定部に代わって指示部に提供する;または、(3)切替部には発電装置と負荷との間の接続を維持させ、調節部には発電装置の出力をそのまま、負荷へ送出させる。
切替制御部は、測定部によって測定された値の変化が閾値を超えた場合、切断する周期を直前の値から短縮してもよい。
システムが画像形成装置であり、発電装置が、その画像形成装置の定着部からの廃熱を電力に変換する熱電変換素子を含んでいる場合に、上記の電力制御装置が利用されてもよい。
本発明の1つの観点による画像形成装置は、給送部、作像部、定着部、動作制御部、発電部、電力制御部、および出力部を備えている。給送部は複数枚のシートを1枚ずつ給送する。作像部は、給送部によって給送されるシートの上にトナー像を、画像データに基づいて形成する。定着部は、そのトナー像を熱定着させる。動作制御部は、定着部には動作モードを指示し、作像部には画像データを提供する。発電部は熱電変換素子を含み、定着部からの廃熱を利用して発電する。熱電変換素子は、熱を電力に変換する素子であり、温度変動に伴って出力特性が変化する。電力制御部は、発電部から出力される電力を制御する。出力部はその電力を蓄え、または出力する。
電力制御部は、切替部、調節部、測定部、指示部、および切替制御部を含む。切替部は発電部と出力部との間の接続と切断とを交互に繰り返す。調節部は、切替部が発電部を出力部に接続しているときに、発電部の出力を目標値に調節する。測定部は、切替部が発電部を出力部から切断しているときに、発電部の出力を測定する。指示部は、測定部によって測定された値から発電部の最大電力点を算定し、その最大電力点に基づいて目標値を決定して調節部に指示する。切替制御部は、動作制御部が定着部の動作モードを切り替える場合、切り替え前後の動作モードの組み合わせから切り替え後の動作モードにおける発電部の温度変動のパターンを想定し、そのパターンの傾きからその温度変動の速度を求め、その速度の経時的変化に従って切替部に、発電部と出力部との間を切断する周期を変更させる。
切替制御部は定着部の動作モードを監視し、動作制御部が定着部の動作モードを切り替える時点で、切断する周期を直前の値から短縮してもよい。また、動作制御部は、定着部の動作モードの変更に関するスケジュールを作成し、切替制御部はそのスケジュールから、動作制御部が定着部の動作モードを切り替える時点を特定し、その時点で、切断する周期を直前の値から短縮してもよい。
切替制御部は定着部の動作モードの種類別に、想定される発電部の温度変動のパターンを示す数表または数式を記憶しており、実際の動作モードに対応する数表または数式を用いて、切断する周期を決定してもよい。切替制御部は、想定されるパターンの示す発電部の温度変動の速度が低い期間ほど、切断する周期を延長してもよい。切替制御部はその他に、その温度変動の速度が閾値を下回っている期間では、切替部に発電部と出力部との間の接続を維持させる一方、その期間の前に測定部によって測定された値から発電部の出力を予測して、予測された値を、測定部に代わって指示部に提供してもよい。
切替制御部は、定着部の動作モードが待機モードである期間において、切断する周期を直前の値から延長し、または、切替部に発電部と出力部との間の接続を維持させる一方、定着部の動作モードが待機モードへ移行する前に測定部によって測定された値から発電部の出力を予測して、予測された値を、測定部に代わって指示部に提供してもよい。
切替制御部は、定着部の動作モードがスリープ・モードである期間において、次の3つのいずれかの動作を行ってもよい:(1)切断する周期を直前の値から延長する;(2)切替部に発電部と出力部との間の接続を維持させる一方、定着部の動作モードがスリープ・モードへ移行する前に測定部によって測定された値から発電部の出力を予測して、予測された値を、測定部に代わって指示部に提供する;または、(3)切替部には発電部と出力部との間の接続を維持させ、調節部には発電部の出力をそのまま、出力部へ送出させる。
切替制御部は、測定部によって測定された値の変化が閾値を超えた場合、切断する周期を直前の値から短縮してもよい。
本発明の上記の観点による電力制御装置では、発電装置が組み込まれたシステムの動作モードに応じて切替制御部が環境条件の変動のパターンを想定する。従って、動作モードの切り替え自体は不定期であっても、その切り替えから次の切り替えまでの間における環境条件の変動のパターンが想定されている。切替制御部はさらに、そのパターンに従って切替部に、発電装置と負荷との間を切断する周期を変更させる。その結果、この電力制御装置は環境条件の変動に応じて、発電装置の出力を測定するタイミングを適切に変化させることができる。これにより、この電力制御装置は、環境条件の変動にかかわらず、発電装置の創り出す電力の利用効率を向上させることができる。
本発明の上記の観点による画像形成装置は電力制御部に、動作制御部が定着部に対して指示した動作モードに応じて、発電部の温度変動のパターンを想定させる。従って、動作モードの切り替え自体は不定期であっても、その切り替えから次の切り替えまでの間における発電部の温度変動のパターンが想定されている。電力制御部はさらに、そのパターンに従って切替部に、発電部と出力部との間を切断する周期を変更させる。その結果、この画像形成装置は発電部の温度変動に応じて、発電部の出力を測定するタイミングを適切に変化させることができる。これにより、この画像形成装置は、発電部の温度変動にかかわらず、それが創り出す電力の利用効率を向上させることができる。
本発明の実施形態による画像形成装置の構造を示す模式的な正面図である。 (a)は、図1に示されている発電部とその近傍との外観を模式的に示す斜視図である。(b)は、(a)に示されている熱電変換素子の上面図と側面図とである。 図2の(b)に示されている熱電変換素子が含む1対の半導体素子近傍の模式的な断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ、図2の(b)に示されている熱電変換素子の電流−電圧特性、電力−電圧特性を示すグラフである。 図1に示されている画像形成装置の機能ブロック図である。 図1に示されている画像形成装置の状態遷移図である。 (a)、(b)、(c)はそれぞれ、図5に示されている動作制御部が、「スリープ・モードから稼動モードへの移行」、「スリープ・モードから待機モードへの移行」、「稼動モードからスリープ・モードへの移行」をそれぞれ指示したときに想定される、定着部の表面温度の経時的変化を表すグラフである。 画像形成装置の動作モードの推移、想定される発電部の温度変動、および発電部が定電流回路から切断される期間の間の対応関係の一例を示すタイミング・チャートである。 電力制御部によるMPPT制御のフローチャートである。 図9に示されているステップS905、すなわち、電力制御部が発電部の出力を調節する処理のフローチャートである。 (a)は、熱電変換素子を廃熱発電に利用する炊飯器の斜視図である。(b)は、熱電変換素子を廃熱発電に利用する冷蔵庫の斜視図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[画像形成装置の構造の概略]
図1は、本発明の実施形態による画像形成装置の構造を示す模式的な正面図である。図1にはこの画像形成装置100の内部の要素が、あたかも筐体の前面を透かして見えているように描かれている。
図1を参照するに、画像形成装置100は例えばカラー・レーザー・プリンターであり、給送部10、作像部20、定着部30、発電部40、操作部50、動作制御部60、電力制御部70、および出力部80を備えている。給送部10は複数枚のシートSHTを1枚ずつ作像部20へ給送する。作像部20は、給送部10から送られたシートSH2の上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の4色のトナー像を、画像データに基づいて形成する。定着部30はそのトナー像を熱定着させる。発電部40は定着部30からの廃熱を利用して発電する。操作部50は押しボタンまたはタッチパネルを含み、ユーザーによるそれらの操作を通して、ユーザーが要求するジョブの指示を受け付けて、その指示に関する情報を動作制御部60へ伝える。操作部50はまた外部インタフェースを通してネットワークへ接続され、その上の他の電子機器からジョブの要求と画像データとを受信して動作制御部60へ渡す。動作制御部60、電力制御部70、および出力部80は、1枚の基板の上に実装された電子回路である。動作制御部60は操作部50からの情報に基づいて画像形成装置100内の他の要素を制御する。動作制御部60は特に、定着部30には動作モードを指示し、作像部20には画像データを提供する。電力制御部70は、発電部40から出力される電力を制御する。出力部80はその電力を蓄え、または出力する。この出力電力は例えば、操作部50、動作制御部60、または電力制御部70により、待機電力または停電時の補助電力として利用される。
[給送部]
図1を参照するに、給送部10は、収容トレイ11、繰り出しローラー12、搬送ローラー13、およびタイミング・ローラー14を備えている。収容トレイ11は画像形成装置100の下部に内蔵され、複数枚のシートSHTを収容可能である。シートSHTの材質は例えば紙である。繰り出しローラー12はそれらのシートSHTのうち、最も上に位置するシートSH1を搬送ローラー13へ向けて繰り出す。そのシートSH1はさらに、その搬送ローラー13によってタイミング・ローラー14へ搬送される。タイミング・ローラー14はその搬送の開始時点では一般に停止しており、動作制御部60からの駆動信号に応じて回転を開始する。それにより、搬送ローラー13から送られたシートSH2は、その駆動信号が示すタイミングで、タイミング・ローラー14から作像部20へ送り出される。
[作像部]
図1を参照するに、作像部20は、4つの作像ユニット21Y、21M、21C、21K、4本の1次転写ローラー22Y、22M、22C、22K、中間転写ベルト23、および2次転写ローラー24を備えている。作像ユニット21Y、…、21Kは水平方向に沿って所定の間隔で配置されている。1次転写ローラー22Y、…、22Kはそれぞれ、作像ユニット21Y、…、21Kの1つと垂直方向で対向するように配置されている。中間転写ベルト23は2本のローラー23L、23Rに掛け渡されて、それらの回転と共に回転する。中間転写ベルト23のうち、水平方向に張られている部分は作像ユニット21Y、…、21Kと1次転写ローラー22Y、…、22Kとの間を通る。中間転写ベルト23が回転すると、その表面の各部が1次転写ローラー22Y、…、22Kに順番に接触する。2次転写ローラー24は、中間転写ベルト23が掛け渡された2本のローラーの一方23Rと平行に設置され、そのローラ23Rとの間に中間転写ベルト23を挟んでいる。中間転写ベルト23と2次転写ローラー24との接触部、すなわちニップに、タイミング・ローラー14から送り出されたシートSH2が挿入される。
4つの作像ユニット21Y、…、21Kはいずれも同様な構成であり、それぞれが、感光体ドラム25、帯電器26、露光部27、現像器28、クリーナー29、およびイレーサー・ランプ(図1には示されていない。)を備えている。感光体ドラム25の外周は帯電器26等によって囲まれている。帯電器26は、感光体ドラム25の外周面のうち、対向した部分に均一に帯電させる。露光部27は発光素子とレンズとを含む。発光素子は例えばレーザ・ダイオードである。露光部27はそれらを利用して感光体ドラム25の外周面上の帯電部分を露光する。そのとき、光が実際に当たった領域が除電される。その領域の形状は、動作制御部60からの駆動信号に従って決定される。こうして、その領域が静電潜像として外周面上に残る。現像器28はその静電潜像の上に、その作像ユニット21Y、…、21Kに割り当てられた色のトナーを乗せて現像する。クリーナー29は感光体ドラム25の外周面のうち、中間転写ベルト23に接触した直後の部分から、残存するトナーを除去する。イレーサー・ランプは感光体ドラム25の外周面のうち、対向した部分に一様に光を照射して除電する。
1次転写ローラー22Y、…、22Kには1次転写電圧が印加されているので、中間転写ベルト23との間に電界が生じる。その電界により、感光体ドラム25から中間転写ベルト23の表面へトナー像が転写される。4つの作像ユニット21Y、…、21Kは、中間転写ベルト23の回転に合わせて、それぞれの作像動作のタイミングをずらす。その結果、それらの作像ユニット21Y、…、21Kの感光体ドラム25から、それぞれに割り当てられた色のトナー像が順番に、中間転写ベルト23の表面上の同じ位置へ多重転写されて重なり合う。こうして、カラー・トナー像が中間転写ベルト23の表面上に形成される。
2次転写ローラー24には2次転写電圧が印加されているので、中間転写ベルト23との間に電界が生じる。その電界により、中間転写ベルト23上のカラー・トナー像が、中間転写ベルト23と2次転写ローラー24との間のニップを通過するシートSH2の表面へ転写される。その後、2次転写ローラー24はそのシートSH2を定着部30へ送り出す。
[定着部]
定着部30は、定着ローラー31、加圧ローラー32、および温度センサー34を含む。定着ローラー31と加圧ローラー32とは互いに平行に配置されて接触している。それらの間の接触部、すなわち定着ニップには、作像部20から送り出されたシートSH2が挿入される。定着ローラー31はヒーターとしてハロゲン・ランプを内蔵しており、そこから放出された熱を、定着ニップに挿入されたシートSH2の部分に対して加える。一方、加圧ローラー32はそのシートSH2の部分に対して圧力を加えて、定着ローラー31に押し付ける。そのシートSH2のうち、作像部20によってトナー像が形成された部分が定着ニップに挿入されると、定着ローラー31からの熱と、加圧ローラー32からの圧力とにより、そのトナー像がシートSH2の表面上に定着する。温度センサー34は定着ローラー31の中央部の近傍に設置されており、定着ローラー31の温度を測定して動作制御部60へ通知する。その温度の測定値は動作制御部60により、ハロゲン・ランプの発熱量の制御、すなわち温調制御に利用される。
定着部30は、加熱・加圧処理を受けた後のシートSH2を、平行に配置された一対のガイド板35の間に突入させる。それらのガイド板35で仕切られた空間は、定着部30の上部から排出口36まで繋がっているので、シートSH2はその空間に沿って排出口36へ向かう。排出口36には一対の排出ローラー37が設置されており、それらの間のニップに、排出口36まで到達したシートSH3を引き込むことにより、そのシートSH3を外部の排紙トレイ38へ排出する。
[発電部]
図1を参照するに、発電部40は、画像形成装置100の筐体のうち、内側が定着部30に面した部分の外側に設置されている。この部分は次の3つの条件を満たす点で、発電部40の設置場所に適している:(A)その場所は定着部30からの廃熱により、室温よりも十分に高温に維持される;(B)その場所で発電部40が熱を吸収しても、定着部30の定着ニップの温度が変化しない;(C)その場所の温度変化が定着部30の温度変化に対する高い追従性を示す(すなわち、熱が定着部30から伝わりやすく、かつ他の場所へ逃げやすい)。条件(A)を満たす場所であれば、発電部40の出力電力が高い。条件(B)を満たす場所であれば、印刷の品質を高く維持したまま、発電部40を利用することができる。条件(C)を満たす場所であれば、そこでの温度変動のパターンを定着部30の温度変動のパターンから容易に想定することができるので、発電部40の出力に対するMPPT制御に有利である。その理由については後述する。
図2の(a)は、図1に示されている発電部40とその近傍との外観を模式的に示す斜視図である。図2の(a)を参照するに、排出口36の下側では画像形成装置100の筐体の表面が垂直に切り立ち、水平方向から下向きに滑らかに湾曲している排紙トレイ38の上面の端と交差している。発電部40は、その筐体の表面のうち、排紙トレイ38の上面との交差部分の近傍に設置されている。発電部40には複数個の熱電変換素子41がマトリックス状に配置されている。これらの熱電変換素子41はすべて、発電部40内の配線によって直列に接続されている。
図2の(b)は、(a)に示されている熱電変換素子41の上面図と側面図とである。図2の(b)を参照するに、熱電変換素子41は、2枚の基板42、43、複数個のP型半導体素子44P、および、それらと同数個のN型半導体素子44Nを含む。基板42、43はいずれも矩形状の絶縁体、例えばセラミックであり、両者の幅WDは等しく、一方の基板42の長さL1は他方の基板43の長さL2よりも短い。一例として、幅WDは14mmであり、長さL1、L2はそれぞれ、14mm、18mmである。P型半導体素子44PとN型半導体素子44Nとは、例えばビスマス(Bi)−テルル(Te)系半導体にそれぞれ、アンチモン(Sb)とセレン(Se)とを微量ずつ添加したものである。半導体素子44P、44Nは2枚の基板42、43の間にマトリックス状に配置され、特にP型半導体素子44PとN型半導体素子44Nとが隣接している。熱電変換素子41の高さHT、すなわち、半導体素子44P、44Nを間に挟んだ状態での2枚の基板の一方42の上面から他方43の底面までの距離は、例えば2.2mmである。図2には示されていないが、2枚の基板42、43は、互いに対向する表面に導電層を含む。それらの導電層はP型半導体素子44Pの上端を、隣接するN型半導体素子44Nの上端に接続し、下端を、隣接する別のN型半導体素子44Nの下端に接続している。それにより、すべてのP型半導体素子44PとN型半導体素子44Nとが交互に、直列に接続されている。
図3は、図2の(b)に示されている熱電変換素子41が含む1対の半導体素子44P、44N近傍の模式的な断面図である。以下、図3を参照しながら、熱電変換素子41による発電の原理について説明する。
2枚の基板の一方42は画像形成装置100の筐体の表面に接触して定着部30からの廃熱を吸収し、他方43は外部空間に露出してその廃熱をその空間へ放出する。このとき、それらの基板42、43の間には温度差ΔTが生じるので、各半導体素子44P、44Nの内部には、高温の基板42から低温の基板43への向きに熱勾配が生じる(図3に示されている矢印HGR参照)。この熱勾配が各半導体素子44P、44Nのキャリア(ホールHLEと電子ELC)を、高温側よりも低温側に集中させる。その結果、各半導体素子44P、44Nの両端間に電位差が生じる。これが、いわゆるゼーベック効果である。すべての半導体素子44P、44Nは基板42、43の導電層45、46、47によって直列に接続されているので、その直列接続の両端には、すべての半導体素子44P、44Nにおける電位差の総和が起電力EMFとして現れる。こうして、熱電変換素子41は定着部30からの廃熱を直流電力へ変換する。
図4の(a)、(b)はそれぞれ、図2の(b)に示されている熱電変換素子41の電流−電圧特性、電力−電圧特性を示すグラフである。図4の(a)を参照するに、熱電変換素子41は出力電圧の上昇に伴って出力電流を実質上(すなわち、許容範囲内で)線形に減少させる。従って、図4の(b)に示されているように、電力−電圧特性は実質上、上に凸の放物線で表される。この放物線の頂点PK、または、その頂点PKの表す電力の最大値が出力される際の電圧値VPKと電流値との対を「最大電力点」という。
図4の(b)を参照するに、熱電変換素子41の電力−電圧特性は2枚の基板42、43間の温度差ΔTによって異なる。特に、その温度差ΔTの変動に伴って最大電力点PKは、図4の(b)に示されている一点鎖線CVに沿って変位する。表1は、温度差ΔTと最大電力点PKとの間の関係の一例を表す。
Figure 0006155982
ここで、開放電圧は、熱電変換素子41の出力端を負荷から切断して開放したときの電圧値であり、図4の(a)、(b)に示されている特性曲線が原点以外で「電流=0[mA]」、「電力=0[mW]」の座標軸と交わるときの電圧値VOPに等しい。表1から理解されるとおり、最大電力点での電圧値VPKは実質上、開放電圧VOPの1/2倍に等しい:VPK=VOP/2。
図1、2の(a)に示されている発電部40の設置場所では、熱電変換素子41の基板42、43間の温度差ΔTは、内側が定着部30に面した筐体の部分の温度と室温との間の差に相当する。筐体のその部分の温度変化は、定着部30の温度変化に対して高い追従性を示す。一方、その部分の温度変化に比べれば、室温の変化は無視できる程度にすぎない。従って、「熱電変換素子41の最大電力点PKは、発電部40が設置された筐体の部分の温度と共に推移する」とみなしてよい。
[動作制御部]
動作制御部60は、CPU、RAM、およびROMを含む。CPUはファームウェアに従って画像形成装置100内の他の機能部を制御する。RAMはCPUに、ファームウェアを実行する際の作業領域を提供する。ROMは書き込み不可のメモリーと書き換え可能なメモリー、例えばEEPROMとを含む。前者はファームウェアを格納し、後者はCPUに環境変数等の保存領域を提供する。
図5は、図1に示されている画像形成装置100の機能ブロック図である。図5を参照するに、動作制御部60はファームウェアに従い、まず、操作部50に、ユーザーまたはネットワークからジョブの要求JBRまたは画像データIMGを受け付けさせる。動作制御部60は次に、その要求JBRに基づいて、給送部10、作像部20、定着部30、電力制御部70、出力部80等、画像形成装置100の他の機能部の動作を制御する。具体的には、動作制御部60は各機能部に対して、現時点で選択すべき動作モードを指示する。例えば動作制御部60は、指示すべき動作モードの種類を環境変数の1つで表して、各機能部にその環境変数の参照を促す。それにより、動作制御部60は各機能部に、指示した動作モードに応じた処理を開始させる。
図6は、図1に示されている画像形成装置100の状態遷移図である。図6を参照するに、画像形成装置100の動作モードは、稼動モードRNG、待機モードWTG、およびスリープ・モードSLPの3種類に大別される:稼動モードRNGは連続印刷モードともいい、シートの印刷を実行する。このモードでは、給送部10は必要な枚数のシートを連続して給送し、作像部20はトナー像の形成とシートへの転写とを繰り返し、定着部30はシートへの加熱と加圧とを継続する。待機モードWTGは、シートの印刷が可能な状態を準備して維持する。このモードでは、給送部10と作像部20とは停止し、定着部30は定着ローラー31を予熱して適正な温度に保つ。スリープ・モードSLPは電力消費を必要最小限に抑える。このモードでは、給送部10と作像部20とに加えて定着部30も停止し、特にヒーター31Aへの電源供給を遮断する。
動作制御部60は、現時点での動作モードを示す環境変数の値を、画像形成装置100に生じたイベントに応じて更新する。それにより、各動作モードRNG、WTG、SLPは他のモードへ移行する。例えば、稼動モードRNGは、停止イベントSTPに応じて待機モードWTGへ移行し、パワーオフ・イベントPFFに応じてスリープ・モードSLPへ移行する。停止イベントSTPは、印刷の完了、停止ボタンの押下、およびネットワークからの停止命令の受信を含む。パワーオフ・イベントPFFは電源オフ・ボタンの押下を含む。稼動モードRNGはまた、新たな印刷の要求JBRが生じたときには継続される。待機モードWTGは、印刷の要求JBRに応じて稼動モードRNGへ移行し、待機期間の満了WTPまたはパワーオフ・イベントPFFに応じてスリープ・モードSLPへ移行する。スリープ・モードSLPは、印刷の要求JBRに応じて稼動モードRNGへ移行し、復帰イベントWKPに応じて待機モードWTGへ移行する。復帰イベントWKPは、任意の押しボタンの押下、タッチパネルへの接触、およびネットワークからの復帰命令の受信を含む。
動作制御部60はさらに、各機能部に対して動作モードごとに必要な情報を提供する。例えば稼動モードRNGを指示する場合は次のとおりである:給送部10に対しては、動作制御部60は、連続して給送されるべきシートの種類と枚数、タイミング・ローラー14に回転を開始させるべきタイミング等を決定して駆動信号DS1(図5参照)で伝える。作像部20に対しては、動作制御部60は画像データIMGに基づいて、各作像ユニット22Y、…、22Kの感光体ドラム25に形成されるべきトナー像に関する情報とその形成のタイミングとを決定して駆動信号DS2で伝える。定着部30に対しては、動作制御部60はまず、温度センサー34の測定値を要求し、その値に基づいて定着ローラー31に対する温調制御量、すなわちヒーター31Aの発熱量を決定して駆動信号DS3で伝える。
[電力制御部]
図5を再び参照するに、電力制御部70は、切替部71、定電流回路72、測定部73、指示部74、および切替制御部75を含む。これらの機能部71−75を利用して、電力制御部70は発電部40の出力に対し、MPPT制御を行う。
切替部71は発電部40を、定電流回路72と測定部73とへ交互に接続する。すなわち、切替部71は次の2つの動作(A)、(B)を繰り返す:(A)発電部40を定電流回路72から切断すると共に測定部73へ接続し、その状態を所定時間維持する。その時間は、測定部73による測定に必要な時間に基づいて、予め一定値、例えば0.5秒に設定されている。(B)発電部40を測定部73から切断すると共に定電流回路72へ接続し、その状態を所定時間維持する。切替部71はその時間を切替制御部75からの指示に基づいて決定する。その指示は例えば、発電部40を定電流回路72から切断する周期を規定する。
定電流回路72は切替部71を出力部80へ接続しており、切替部71によって発電部40に接続されている間、発電部40から出力される電流を出力部80へ供給する。そのとき、定電流回路72はその電流の量を調節して、指示部74から指示された目標値に維持する。すなわち、定電流回路72は、発電部40の出力に対する調節部として機能する。
測定部73は、切替部71によって発電部40に接続されたときに、発電部40の開放電圧を測定する。図4の(b)から明らかなとおり、この開放電圧VOPの1/2倍が、発電部40の最大電力点における出力電圧VPKに相当する:VPK=VOP/2。
指示部74は、測定部73によって測定された電圧値から、発電部40の最大電力点を算定する。例えば、指示部74は、図4の(a)に示されている電流−電圧特性を表す数表または数式を記憶しており、測定された電圧値の1/2倍に対応する電流値をその数表または数式から算定する。指示部74はさらに、最大電力点での電流値を目標値として決定し、定電流回路72へ指示する。
切替制御部75は、発電部40を定電流回路72から切断する周期を決定して、切替部71に対して指示する。この周期は実質上、測定部73が発電部40の開放電圧を測定する周期に等しい。切替制御部75は特に、動作制御部60から指示された動作モードに応じて発電部40の温度変動のパターンを想定し、そのパターンに従って上記の周期の変更を計画する。具体的には、切替制御部75はまず、動作制御部60からの指示に応じて、現時点での動作モードの種類を表す環境変数の値を動作制御部60から取得し、その値から動作モードを識別する。切替制御部75は次に、その動作モードにおいて想定されるパターンを表す数表または数式を、例えば自身に内蔵された記憶装置から検索する。その記憶装置には、動作モードの種類別に、想定されるパターンを表す数表等が予め格納されている。切替制御部75は続いて、検索された数表等からパターンの各点での傾き、すなわち発電部40の温度変動の各時点での速度を計算し、計算された値に基づいて、各時点で上記の周期が取るべき値を決定する。切替制御部75はさらに、そのパターンの傾きの経時的変化に従って、その周期の取るべき値を、動作モードの継続時間、または測定部73の測定値の変化速度、すなわち発電部40の開放電圧の変化速度に対応付ける。こうして、上記の周期の変更が計画される。切替制御部75はさらに、動作モードの継続時間または測定部73の測定値の変化速度を監視し、それらに上記の周期が計画どおりに対応するように、その周期を変更する。
[出力部]
図5を参照するに、出力部80は、定電圧回路81、蓄電池82、スイッチ83、および出力ポート84を含む。これらの機能部81−84を利用して出力部80は、発電部40から出力された電力を蓄え、または、操作部50、動作制御部60、電力制御部70等の他の機能部へ出力する。
定電圧回路81は定電流回路72と蓄電池82との間を接続しており、定電流回路72から出力される電流を蓄電池82へ供給する。そのとき、定電圧回路72は、蓄電池82に対して印加される電圧のレベルを調節して、動作制御部60から指示された目標値に維持する。
蓄電池82は例えばリチウムイオン電池であり、定電圧回路81と接地導体との間に接続されている。動作制御部60は、定電圧回路81に対して指示すべき目標値を、蓄電池82の充電方式に従って変化させる。その充電方式は蓄電池82の種類によって決まる。例えば蓄電池82がリチウムイオン電池である場合、動作制御部60はその充電を定電流定電圧方式(CCCV方式)で行う。
スイッチ83は動作制御部60からの指示に応じて、定電圧回路81と蓄電池82との間の接続点を出力ポート84へ接続し、またはその接続点を出力ポート84から切断する。動作制御部60は例えば、スリープ・モードまたは停電時、スイッチ83に定電圧回路81と蓄電池82とを出力ポート84へ接続させる。それにより、発電部40が創り出した電力、および蓄電池82が蓄えている電力が出力ポート84を通して、操作部50、動作制御部60、または電力制御部70へ送られて、待機電力または補助電力として利用される。
[電力制御部によるMPPT制御]
熱電変換素子41は、例えば太陽電池と比べても発電効率が低い。従って、発電部40の創り出す電力の利用効率を可能な限り高めることが重要である。その利用効率の向上を目的として、電力制御部70は発電部40に対するMPPT制御に次の3つの事実(1)−(3)を利用する:(1)熱電変換素子41の最大電力点は、図1、2の(a)に示されている発電部40の設置場所の温度に依存する;(2)その場所の温度変化は、定着部30の温度変化に対する追従性が高い;(3)定着部30の温度変動は、動作モードに応じて特徴的なパターンを示す。動作モードに応じた定着部の温度変動の詳細については後述する。
これらの事実(1)−(3)を利用することで、本発明の実施形態によるMPPT制御は、特に次の2つの点で特徴的である。第1に、電力制御部70は、動作制御部60が定着部30に対して指示した動作モードに応じて発電部40の温度変動のパターンを想定する。具体的には、事実(2)、(3)に基づき、そのパターンが「定着部30の温度変動のパターンと同じ特徴を持つ」という仮定の下で決まる。第2に、電力制御部70は、想定されたパターンに従って、切替部71に発電部40を定電流回路72から切断させる周期、すなわち、測定部73に発電部40の開放電圧を測定させる周期を変更する。具体的には、事実(1)から、想定されたパターンの傾き、すなわち発電部40の温度変動の速度が最大電力点の変位の速度に対応するので、電力制御部70は、そのパターンの傾きが大きい期間、すなわち発電部40の温度変動が速い期間では上記の周期を短縮する。一方、その傾きが小さい期間、すなわちその温度変動が遅い期間ではその周期を延長する。動作モードに応じた周期の変更の詳細については後述する。
これら2つの特徴点により、電力制御部70は発電部40の温度変動に応じて、発電部40の開放電圧を測定するタイミングを適切に変化させて、発電部40の創り出す電力の利用効率をさらに向上させることができる。実際、発電部40の速い温度変動が想定される期間では測定部73が発電部40の出力を頻繁に測定するので、指示部74が目標値を頻繁に更新する。その結果、定電流回路72が発電部40の出力電流の変化を最大電力点の変位に、正確に追従させることができる。逆に、発電部40の緩やかな温度変動が想定される期間では、切替部71が発電部40と定電流回路72との間の接続を長時間維持するので、一定時間あたりに発電部40から出力部80へ供給される電力量を増大させることができる。
−動作モードに応じた定着部の温度変動−
定着部30は、動作制御部60から指示された動作モードに応じて、定着ローラー31に対する温調制御の条件を変える。具体的には、稼動モードRNGでは、シートの連続印刷にかかわらず、定着ローラー31の温度が適正値、例えば180℃に維持されるように、ヒーター31Aの発熱量が十分に大きい値に調節される。待機モードWTGでは、シートの印刷が要求に応じて直ちに実行されるように、定着ローラー31の予熱と保温とが行われる。また、待機モードWTGが所定時間、例えば40分間継続した場合、温度の目標値が稼動モードRNGでの適正値から下げられる:例えば180℃から160℃へ変更される。それにより、ヒーター31Aの発熱量が抑えられるので、待機モードWTGにおける消費電力が低減する。スリープ・モードSLPでは、ヒーター31Aへの電源供給が遮断されるので、定着ローラー31に対する温調制御が停止する。
定着部30が定着ローラー31に対する温調制御の条件を動作モードに応じて変えることにより、ヒーター31Aの発熱量の調節方法が動作モードごとに変化する。その結果、定着部30の温度変動が動作モードに応じて特徴的なパターンを示す。
図7の(a)、(b)、(c)はそれぞれ、動作制御部60が、「スリープ・モードから稼動モードへの移行」、「スリープ・モードから待機モードへの移行」、「稼動モードからスリープ・モードへの移行」をそれぞれ指示したときに想定される、定着部30の表面温度の経時的変化を表すグラフである。それらのグラフが示すとおり、その経時的変化は移行前後の動作モードに応じて特徴的なパターンを示す。
図7の(a)を参照するに、スリープ・モードから稼動モードへの移行後、定着部30の表面温度の変化は次のように想定される。スリープ・モードではヒーター31Aの発熱が停止しているので、表面温度はほぼ室温に等しい。移行直後の第1期間PR1では、ヒーター31Aの発熱によって定着ローラー31の温度が室温近辺から急激に上昇するので、表面温度も急激に上昇する。その後、定着ローラー31の温度が適正値、例えば180℃に到達した時点で第1期間P01は第2期間P02へ移行する。第2期間PR2では、定着ローラー31の温度が適正値に維持されるようにヒーター31Aの発熱量が調節されるので、表面温度もほぼ一定に維持される。
図7の(b)を参照するに、スリープ・モードから待機モードへの移行後、定着部30の表面温度は次のように変化する。移行直後の第1期間PW1では定着ローラー31の予熱が行われ、その温度が室温近辺から急激に上昇するので、表面温度も急激に上昇する。その後、定着ローラー31の温度が適正値、例えば180℃に到達した時点で第1期間PW1は第2期間PW2へ移行する。第2期間PW2では、定着ローラー31の温度が適正値に維持されるようにヒーター31Aの発熱量が調節されるので、表面温度もほぼ一定に維持される。待機モードが所定時間、例えば40分間継続した時点でヒーター31Aの発熱量が抑えられるので、第2期間PW2は第3期間PW3へ移行する。第3期間PW3では、定着ローラー31の温度が下降するので、表面温度も下降する。その後、定着ローラー31の温度が次の目標値、例えば160℃まで下降した時点で第3期間PW3は第4期間PW4へ移行する。第4期間PW4では、定着ローラー31の温度が目標値に維持されるようにヒーター31Aの発熱量が調節されるので、表面温度もほぼ一定に維持される。
図7の(c)を参照するに、稼動モードからスリープ・モードへの移行後、定着部30の表面温度は次のように変化する。稼動モードではヒーター31Aの発熱量が大きい値に維持されているので、図7の(a)に示されているように、表面温度は室温よりもかなり高い。移行直後の第1期間PS1では、ヒーター31Aの停止によって定着ローラー31の温度が急速に下降するので、表面温度も急速に下降する。その後、定着ローラー31の温度は、その周囲の温度に近づくにつれて、下降しにくくなる。定着ローラー31の温度の下降速度が所定の閾値を下回った時点で第1期間PS1は第2期間PS2へ移行する。第2期間PS2では、定着ローラー31の温度の下降が緩やかであるので、表面温度の下降も緩やかである。
図6によれば、移行が可能な動作モードの組み合わせには、上記のものの他に、「待機モードから稼動モードへの移行」、「稼動モードから待機モードへの移行」、および「待機モードからスリープ・モードへの移行」がある。これらの組み合わせについても、定着部30の表面温度の経時的変化が次のように想定される。
待機モードから稼動モードへの移行について想定される表面温度の経時的変化は、図7の(a)に示されているものと同様である。実際、移行直後では、定着ローラー31からシートへの熱の移動が開始される一方、その移動にかかわらず、定着ニップの温度が適正値に維持されるように、ヒーター31Aの発熱量が変更される。それにより、定着ローラー31の温度が大きく変動するので、定着部30の表面温度も大きく変動する。その後、印刷動作が定常的に継続されれば、ヒーター31Aの発熱量が一定に維持されるので、定着ローラー31の温度と定着部30の表面温度とのいずれの変動も安定化する。
稼動モードから待機モードへの移行について想定される表面温度の経時的変化は、図7の(b)に示されているものと同様である。実際、移行直後では、定着ローラー31からシートへの熱の移動がなくなるので、その分を考慮して、定着ニップの温度が適正値に維持されるように、ヒーター31Aの発熱量が改めて調節される。それにより、定着ローラー31の温度が比較的大きく変動するので、定着部30の表面温度も大きく変動する。その後、待機モードの継続時間が所定値に達するまでは定着ローラー31の温度が適正値に維持され、その所定値に達した時点以降はその温度が、適正値よりも低い値に維持される。従って、定着部30の表面温度の変化は、図7の(b)に示されている第2期間PW2、第3期間PW3、および第4期間PW4でのものと同様である。
待機モードからスリープ・モードへの移行について想定される表面温度の経時的変化は、図7の(c)に示されているものと同様である。実際、待機モードでは定着ローラー31の温度が稼動モードでの値と同程度に高いので、定着部30の表面温度は室温よりもかなり高い。従って、移行直後、ヒーター31Aの停止によって定着ローラー31の温度が急速に下降するので、表面温度も急速に下降する。その後、定着ローラー31の温度の下降速度が低下するので、表面温度の下降は緩やかになる。
以上のとおり、定着部30の温度変動は動作モードに応じて特徴的なパターンを示す。但し、それらのパターンは次の2つの点では共通する。第1に、動作モードの切り替え直後は温度変動が激しい。第2に、動作モードの切り替え時点からある程度の時間が経過すると、温度は安定化する。温度変動が激しい期間の長さと、温度の安定化に必要な時間の長さとは、動作モードによって異なる。
−動作モードに応じた周期の変更−
上記のとおり、定着部30の温度変動は動作モードに応じて特徴的なパターンを示す。それと同じ特徴のパターンを発電部40の温度変動も示すことが、上記の事実(2)、(3)から推測される。従って、切替制御部75に予め記憶させる数表または数式は、図7に示されている定着部30の温度変動のパターンを表すように設定される。
切替制御部75は動作制御部60からの指示に応じて、まず、現時点での動作モードに対応する数表等を、記憶しているものの中から検索し、検索されたものを用いてパターンの傾きを計算する。切替制御部75は次に、その傾きの大きさに応じて、発電部40を定電流回路72から切断する周期を決定する。例えば、「測定部73が特定の周期で測定を2回繰り返す間に、最大電力点が測定部73の測定誤差の許容上限だけ変位する」という条件を満たす最大電力点の変位の速度が求められ、その速度に対応するパターンの傾きの大きさが閾値として設定される。計算された傾きの大きさが閾値以下である場合、最大電力点が、上記の条件を満たす速度以下でしか変位しない。すなわち、測定部73が特定の周期で測定を2回繰り返す間には、最大電力点の変位量が測定部73の測定誤差の許容上限を超えないので、最大電力点が一定とみなされてもよい。従って、発電部40を定電流回路72から切断する周期が特定の周期以上に決定される。一方、計算された傾きの大きさが閾値を超えている場合、最大電力点の変位が、上記の条件を満たす速度よりも速い。すなわち、測定部73が特定の周期で測定を2回繰り返す間に、最大電力点が測定部73の測定誤差の許容上限を超えて変位するので、その変位を無視することができない。従って、発電部40を定電流回路72から切断する周期が特定の周期よりも短縮される。
切替制御部75は、想定されたパターンの傾きの経時的変化に合わせて、発電部40を定電流回路72から切断する周期の変更を計画する。その計画では、その周期の取るべき値が、動作モードの継続時間、または測定部73の測定値の変化速度、すなわち発電部40の開放電圧の変化速度に対応付けられている。切替制御部75はさらにその計画に従って、上記の周期を動作モードの継続時間または測定部73の測定値の変化速度に応じて変更する。
図8は、画像形成装置100の動作モードの推移、想定される発電部40の温度変動、および発電部40が定電流回路72から切断される期間の間の対応関係の一例を示すタイミング・チャートである。図8を参照するに、画像形成装置100は動作モードを、時刻T1、T2、T3、T4に生じたイベントに応じて切り替える。動作制御部60はそれらの切り替えに応じて、切り替え後の動作モードを、定着部30、切替制御部75等へ指示する。定着部30は、指示された動作モードに応じて定着ローラー31に対する温調制御の条件を変える。切替制御部75は、指示された動作モードに応じて発電部40の温度変動のパターンを想定し、そのパターンに従って、発電部40を定電流回路72から切断する周期の変更を計画する。その周期はその計画に従い、時刻T1、T2、T21、T3、T31、T32、T33、T4、T41で変化する。
図8に示されている動作モードの推移は次のとおりである。第1時刻T1まではスリープ・モードが維持されている。第1時刻T1では復帰イベントが生じ、それに応じてスリープ・モードが待機モードへ移行する。第2時刻T2では印刷が要求され、それに応じて待機モードが稼動モードへ移行する。第3時刻T3では、要求された印刷がすべて完了し、それに応じて稼動モードが待機モードへ移行する。その後、所定の待機時間が経過するまで、新たなジョブが要求されないので、第3時刻から待機時間後の第4時刻T4では、待機モードがスリープ・モードへ移行する。
切替制御部75は、動作モードが切り替わる時刻T1、T2、T3、T4のそれぞれで、それ以降における発電部40の温度変動のパターンを想定し、そのパターンに従って、発電部40を定電流回路72から切断する周期の変更を計画する。切替制御部75はさらにその計画に従い、各時刻T1、…、T4からの動作モードの継続時間、または測定部73の測定値の変化速度に応じて上記の周期を変更する。その結果、その周期は次のように変化する。
第1時刻T1までは発電部40の温度が室温付近に安定に維持されているので、上記の周期が許容上限値、例えば60秒に維持される。
第1時刻T1では、図7の(b)に示されている4つの期間PW1−PW4のパターンが想定される。すなわち、発電部40の温度は第1時刻T1以降、第1期間PW1では室温付近から急速に上昇し、第2期間PW2では安定化し、第3期間PW3では急速に下降し、第4期間PW4では再び安定化する。このパターンに従い、第1時刻T1以降における周期の変更が次のように計画される。第1時刻T1では動作モードが切り替わるので、周期が許容下限値、例えば2秒まで短縮される。第1期間PW1と第3期間PW3とではパターンの傾きが閾値を超えるので、周期が許容下限値まで短縮される。第2期間PW2と第4期間PW4とではパターンの傾きが閾値を下回るので、周期が許容下限値から延長される。この計画に従い、第1時刻T1以降、実際に周期が許容下限値に維持される。しかし、第2時刻T2が、第1時刻T1で想定された第2期間PW2よりも早いので、第2時刻T2では上記の計画が破棄される。
第2時刻T2では、図7の(a)に示されている2つの期間PR1、PR2のパターンが想定される。すなわち、発電部40の温度が第2時刻T2以降、第1期間PR1では急速に変動し、第2期間PR2では安定化する。このパターンに従い、第2時刻T2以降における周期の変更が次のように計画される。第2時刻T2では動作モードが切り替わるので、周期が許容下限値に維持される。第1期間PR1のほとんどではパターンの傾きが閾値を超えるので、第1期間PR1では周期が許容下限値に維持される。第2期間PR2ではパターンの傾きが閾値を下回るので、周期が許容下限値から延長され、例えば30〜60秒に設定される。この計画に従って周期が変更されるので、第2時刻T2から第3時刻T3までの期間では実際に、周期が上記のとおりに変化する。
第3時刻T3では、図7の(b)に示されている4つの期間PW1−PW4のパターンが想定される。すなわち、発電部40の温度が第3時刻T3以降、第1期間PW1では急速に変動し、第2期間PW2では安定化し、第3期間PW3では急速に下降し、第4期間PW4では再び安定化する。このパターンに従い、第3時刻T3以降における周期の変更が次のように計画される。第3時刻T3では動作モードが切り替わるので、周期が許容下限値まで短縮される。第1期間PW1のほとんどではパターンの傾きが閾値を超えるので、第1期間PW1では周期が許容下限値に維持される。第2期間PW2ではパターンの傾きが閾値を下回るので、周期が許容下限値から延長され、例えば30〜60秒に設定される。第3期間PW3ではパターンの傾きが閾値を超えるので、周期が許容下限値まで短縮される。第4期間PW4ではパターンの傾きが閾値を下回るので、周期が許容下限値から延長され、例えば30〜60秒に設定される。この計画に従って周期が変更されるので、第3時刻T3から第4時刻T4までの期間では実際に、周期が上記のとおりに変化する。
第4時刻T4では、図7の(c)に示されている2つの期間PS1、PS2のパターンが想定される。すなわち、発電部40の温度が第4時刻T4以降、第1期間PS1では急速に下降し、第2期間PS2では安定化する。このパターンに従い、第4時刻T4以降における周期の変更が次のように計画される。第4時刻T4では動作モードが切り替わるので、周期が許容下限値まで短縮される。第1期間PS1ではパターンの傾きが閾値を超えるので、周期が許容下限値に維持される。第2期間PS2ではパターンの傾きが閾値を下回るので、周期が許容下限値から延長され、例えば30〜60秒に設定される。この計画に従って周期が変更されるので、第4時刻T4以降実際に、周期が上記のとおりに変化する。
切替制御部75は上記の計画において、周期の取るべき値を、動作モードの継続時間、または測定部73の測定値の変化速度、すなわち発電部40の開放電圧の変化速度に対応付けている。従って、切替制御部75は、1つの動作モードが継続する期間中、周期を変更すべき時刻、すなわち、第2時刻T2以後の第1期間PR1の終了時刻T21、第3時刻T3以後の3つの期間PW1、PW2、PW3の各終了時刻T31、T32、T33、および第4時刻T4以後の第1期間PS1の終了時刻T41を次のように検出する。切替制御部75は、想定されたパターンから各期間PR1、PW1、PW2、PW3、PS1の終了時刻T21、T31、T32、T33、T41を推定し、各動作モードの継続時間、すなわち、第2時刻T2、第3時刻T3、および第4時刻T4からの経過時間から、推定された終了時刻T21、T31、…、T41を検出する。切替制御部75はその他に、各期間PR1、PR2、PW1、…、PW4、PS1、PS2の識別に利用されるパターンの傾きに対する閾値から、発電部40の開放電圧の変化速度に対する閾値を推定し、測定部73の測定値の変化速度とその閾値とを比較した結果から終了時刻T21、T31、…、T41を検出する。
以上のとおり、切替制御部75は、動作モードに応じて発電部40の温度変動のパターンを想定し、そのパターンの傾きの大きさに応じて、発電部40を定電流回路72から切断する周期を変更する。それにより、動作モードの切り替え時等、速い温度変動が想定される期間では、発電部40が測定部73に頻繁に接続され、待機モードの長時間の継続等、緩やかな温度変動が想定される期間では、発電部40が定電流回路72に長時間接続される。
−MPPT制御のフローチャート−
図9は、電力制御部70によるMPPT制御のフローチャートである。この制御は、画像形成装置100の主電源がオンにされたときに開始される。
ステップS901では、切替制御部75が、現時点での動作モードにおける発電部40の温度変動のパターンを想定する。具体的には、切替制御部75はその動作モードに応じて、想定されるパターンを表す数表または数式を、記憶しているものの中から検索する。その後、処理はステップS902へ進む。
ステップS902では、切替制御部75は、想定されたパターンの傾きの経時的変化に従って、発電部40を定電流回路72から切断する周期の変更を計画する。具体的には、切替制御部75はまず、ステップS901で検索された数表等を用いて温度変動のパターンの傾きを計算し、その傾きの大きさに応じて上記の周期を決定する。切替制御部75は次に、その傾きの経時的変化に従って、その周期の取るべき値を、動作モードの継続時間または測定部73の測定値の変化速度に対応付ける。その後、処理はステップS903へ進む。
ステップS903では、切替制御部75が動作モードの継続時間または測定部73の測定値の変化速度を検出し、検出された値から、ステップS902での計画に従って上記の周期を変更すべきか否かを判断する。その結果、上記の周期を変更すべき場合は処理がステップS904へ進み、変更すべきでない場合は処理がステップS905へ進む。
ステップS904では、ステップS903で検出された動作モードの継続時間または測定部73の測定値の変化速度が、ステップS902での計画において上記の周期の変更点に対応付けられている。従って、切替制御部75は切替部71に、上記の周期をその計画どおりに変更させる。その後、処理はステップS905へ進む。
ステップS905では、電力制御部70がMPPT制御により、発電部40の出力を調節する。そのフローについては後述する。その後、処理はステップS906へ進む。
ステップS906では、切替制御部75は、動作制御部60から動作モードの変更を指示されたか否かを確認する。具体的には、切替制御部75は動作制御部60から、現時点での動作モードの種類を表す環境変数の値を取得して、その値から動作モードを識別し、その動作モードがそれまでの動作モードから変更されているか否かを判断する。変更されている場合は処理がステップS907へ進み、変更されていない場合は処理がステップS903から繰り返される。
ステップS907では、切替制御部75が動作制御部60から動作モードの変更を指示されている。切替制御部75はさらに、指示された動作モードが主電源のオフを意味しているか否かを確認する。そうではない場合は処理がステップS908へ進み、そうである場合は処理が終了する。
ステップS908では、切替制御部75は動作モードの変更に応じて、上記の周期を許容下限値まで短縮する。その後、処理はステップS901から繰り返される。
図10は、図9に示されているステップS905、すなわち、電力制御部70が発電部40の出力を調節する処理のフローチャートである。
ステップS951では、切替部71が、切替制御部75から指示された周期に従い、現時点で発電部40を測定部73へ接続すべきか否かを判断する。そうである場合、処理はステップS952へ進む。発電部40を測定部73へ接続すべきではない場合、処理はステップS954へ進む。
ステップS952では、切替部71が発電部40を定電流回路72から切断して測定部73へ接続し、その状態を所定時間、例えば0.5秒間維持する。それにより、測定部73が発電部40の開放電圧を測定する。その後、処理はステップS953へ進む。
ステップS953では、指示部74が、測定部73によって測定された電圧値から、発電部40の最大電力点を算定する。具体的には、指示部74は、図4の(a)に示されている電流−電圧特性を表す数表または数式から、測定された電圧値の1/2倍に対応する電流値を算定する。その後、処理がステップS954へ進む。
ステップS954では、切替部71が発電部40を測定部73から切断して定電流回路72へ接続している。その状態で、指示部74が最大電力点での電流値を目標値として決定し、定電流回路72へ指示する。その後、処理はステップS955へ進む。
ステップS955では、定電流回路72が、発電部40から出力部80へ供給される電流の量を調節して、指示部74から指示された目標値に維持する。その後、処理はステップS906へ進む。
[実施形態の利点]
本発明の実施形態による画像形成装置100は電力制御部70に、動作制御部60が定着部30に対して指示した動作モードに応じて、発電部40の温度変動のパターンを想定させる。従って、例えば図8に示されている時刻T1、T2、T3、T4でのように動作モードの切り替えが不定期に生じても、それらの時刻T1、…、T4の間における発電部40の温度変動のパターンが想定されている。電力制御部70はさらに、そのパターンに従って切替部71に、発電部40と出力部80との間を切断する周期を変化させる。その結果、この画像形成装置100は発電部40の温度変動に応じて、発電部40の出力を測定するタイミングを適切に変化させて、発電部40の創り出す電力の利用効率をさらに向上させることができる。
切替制御部75は、動作制御部60が動作モードを切り替える時点では、上記の周期を許容下限値まで短縮する。その時点では発電部40の急激な温度変動が想定されるので、その周期の短縮により、電力制御部70は発電部40の出力の変化を速やかに、かつ正確に、最大電力点の変位に追従させることができる。
[変形例]
(A)画像形成装置100はカラー・レーザー・プリンターである。画像形成装置はその他に、モノクロ・レーザー・プリンター、ファクシミリ、コピー機、複合機(MFP)等、シート上のトナー像を熱定着させるもののいずれであってもよい。
(B)給送部10が扱うシートの材質は紙である。その他に、OHPフィルムのように、その材質が樹脂であってもよい。給送部10はまた、収容トレイを複数備えていてもよく、それらに、A3、A4、A5、B4等、異なるサイズのシートを収容してもよい。給送部10はさらに、両面印刷のための機構を含んでいてもよい。
(C)定着部30では、定着ローラー31に内蔵されたヒーター31Aがハロゲン・ランプである。ヒーター31Aはその他に、誘導加熱装置であってもよい。定着部30はまた、定着ローラー31に代えて、シートに接触する定着ベルトと、それを加熱するための装置との組み合わせを備えていてもよい。
(D)発電部40は、図1、2の(a)に示されているように、画像形成装置100の筐体のうち、定着部30の近傍において上記の条件(A)−(C)をすべて満たす部分に設置されている。発電部はその他に、電源装置、各種ローラー・ベルトの駆動用モーター、動作制御部60に内蔵のCPU等、多量の熱を放出する画像形成装置100の要素の近傍において、上記の条件(A)−(C)と同様な条件を満たす場所に設置されてもよい。
(E)発電部40は、図2の(b)に示されている熱電変換素子41を利用する。この熱電変換素子41の構造は一例に過ぎず、基板42、43のサイズと形状、半導体素子44P、44Nの数、形状、サイズ、配列、および種類はいずれも変更可能である。発電部40ではまた、図5に示されているように、複数個の熱電変換素子41のすべてが直列に接続されている。その他に、熱電変換素子41の数が1つだけであってもよく、熱電変換素子41の直列接続が複数に分けられて、それらが並列に接続されていてもよい。発電部40はさらに、熱電変換素子41に代えて、小型のスターリング発電機を利用してもよい。
(F)動作制御部60、電力制御部70、および出力部80は、1枚の基板の上に実装されている。その他に、それらの機能部60−80のいずれかが、異なる基板に分離されてもよい。また、それらの機能部60−80が1つのチップに集積化されていてもよい。
(G)動作制御部60は操作部50に、ネットワークから画像データIMGを受信させる。その他に、画像形成装置100がスキャナーまたはカメラを搭載しており、動作制御部60がそれらから画像データを取得してもよい。画像形成装置100がさらに、USBポート、メモリカード・スロット等の映像入力端子を備えており、動作制御部60がそれを通して外部の電子機器から画像データを取得してもよい。
(H)動作制御部60は画像形成装置100の動作モードを、図6に示されている稼動モードRNG、待機モードWTG、およびスリープ・モードSLPの3種類の間で切り替える。その他に、画像形成装置100がコピー機能またはスキャナー機能を搭載しており、動作制御部60はその動作モードを、それら追加機能のものと上記3種類との間で切り替えてもよい。
(I)動作制御部60は、操作部50がユーザーまたはネットワークから受け付けたジョブの要求にリアルタイムで応じて、動作モードを切り替える。動作制御部60はその他に、動作モードの変更に関するスケジュールをユーザーに設定させ、内蔵のタイマーを利用して、動作モードをそのスケジュールに従って切り替えてもよい。そのスケジュールは例えば、1日の時間帯別に、または1週間の曜日別に、設定されるべき動作モードを規定する。具体的には例えば、平日の8:30〜12:00と13:00〜19:00との時間帯では待機モードが規定され、平日のそれ以外の時間帯と土日の終日とではスリープ・モードが規定される。その場合、動作制御部60は、平日の8:30と13:00とには動作モードをスリープ・モードから待機モードへ切り替え、平日の12:00と19:00とにはその逆に切り替える。
(J)電力制御部70では定電流回路72が発電部40の出力に対する調節部として機能する。その他に、定電流回路72に代えて、またはそれに加えて、定電圧回路が調節部として機能してもよい。
(K)電力制御部70は発電部40の開放電圧VOPから、その最大電力点における出力電圧VPKを計算する。電力制御部70はその他に、発電部40の出力電圧を特定のレベルに維持したときに得られる出力電流量と、図4に示されている特性曲線とから、最大電力点を算定してもよい。電力制御部70はさらに、発電部40の出力電圧と出力電流との一方を変化させる度に他方を測定することを繰り返して複数のサンプルを求め、それらのサンプルから電圧−電力特性曲線のピーク、すなわち最大電力点を探してもよい。
(L)電力制御部70では切替部71が、切替制御部75から指示された周期で発電部40を、定電流回路72と測定部73とへ交互に接続する。その他に、切替制御部75が、自身の定めた周期で切替部71に信号を送り、切替部71がその信号を受ける度に、発電部40の接続先を切り替えてもよい。
(M)切替制御部75が記憶している数表または数式は、図7に示されている定着部30の温度変動のパターンを表す。その他に、発電部40の設置場所の温度変動が予め、動作モード別に実際に測定され、その測定結果から、各動作モードにおいて典型的である温度変動のパターンが決定され、数表等の形式で切替制御部75に記憶されてもよい。
(N)切替制御部75は、記憶している数表等を用いて、それが表す温度変動のパターンの傾きを計算し、その傾きの大きさに応じて、発電部40を定電流回路72から切断する周期を決定する。その他に、動作モード別に、その継続時間または発電部40の開放電圧の変化速度と、設定すべき周期との間の対応関係が予め、各動作モードにおける発電部40の温度変動のパターンに基づいて決定され、数表等の形式で切替制御部75に記憶されてもよい。
(O)切替制御部70は動作モードとして、図6に示されている稼動モードRNG、待機モードWTG、およびスリープ・モードSLPの3種類を識別する。切替制御部70はその他に、コピー機能またはスキャナー機能の動作モードを識別してもよい。切替制御部75はさらに、シートのサイズと材質、印刷ページ数、片面/両面印刷の別によって、稼動モードを異なる動作モードに細分してもよい。これらのパラメータが異なれば、定着ニップからシートへ移動する熱量が変化するので、定着部30の温度変動のパターンに違いが生じる。電力制御部70は切替制御部70に、それらのパラメータが異なる稼動モードを異なる動作モードとして扱わせることにより、MPPT制御の信頼性をさらに向上させることができる。
(P)動作制御部60が、動作モードの変更に関するスケジュールをユーザーに設定させる場合、切替制御部75はそのスケジュールから、動作制御部60が動作モードを切り替える時刻を特定し、その時刻で周期を直前の値から、例えば許容下限値まで短縮してもよい。
(Q)切替制御部75は、図8に示されているように、想定される発電部40の温度変動が緩やかな期間ほど、すなわちそのパターンの傾きが小さい期間ほど、周期を延長する。切替制御部75はその他に、その温度変動の速度が閾値を下回っている期間では、切替部71に発電部40と出力部80との間の接続を維持させる一方、測定部73による発電部40の開放電圧の測定値に代えて、その予測値を指示部74へ提供してもよい。その予測値は例えば、発電部40の温度変動の速度が閾値を下回る前に測定部73によって測定された値から、外挿法によって計算される。発電部40の温度変動の速度に対する上記の閾値は、想定されるその温度変動のパターンが線形とみなせる等、そのパターンから発電部40の開放電圧の予測値が十分な精度で計算されるように設定される。発電部40の温度変動の速度がその閾値を下回る期間としては、例えば、図7の(b)に示されている待機モードの第2期間PW2と第4期間PW4、図7の(c)に示されているスリープ・モードの第2期間PS2が挙げられる。
このように、発電部40の開放電圧が、測定に代えて計算で精度良く求められる場合、電力制御部70は発電部40と出力部80との間の接続を維持したまま、発電部40の出力の変化を最大電力点の変位に追従させることができる。それにより、発電部40が創り出す電力の利用効率をさらに向上させることができる。
なお、切替制御部75はスリープ・モードにおいては、切替部71に発電部40と出力部80との間の接続を維持させ、調節部、すなわち定電流回路72に発電部40の出力をそのまま、出力部80へ送出させてもよい。スリープ・モードでは定着部30が停止しているので、発電部40の温度が実質上、室温に保たれており、最大電力点が一定とみなせるからである。
(R)切替制御部75は、動作モードの継続時間、または測定部73によって測定された値の変化速度、すなわち発電部40の開放電圧の変化速度に応じて周期が取るべき値を計画し、その計画に従ってその周期を変更する。切替制御部75はさらに、測定部73によって測定された値の変化速度が閾値を超えた場合、周期を直前の値から、例えば許容下限値まで短縮してもよい。それにより、発電部40の温度が突発的に大きく変動しても、測定部73が測定を素早く繰り返すので、電力制御部70は発電部40の出力の変化を速やかに、かつ正確に、最大電力点の変位に追従させることができる。
(S)出力部80は、発電部40から出力された電力を待機電力または停電時の補助電力として、操作部50、動作制御部60、または電力制御部70へ供給する。出力部80はその他にその電力を、待機モードでの定着ローラー31の予熱・保温、または排気ファンの駆動に利用させてもよい。また、発電部40からの出力電力が十分に高い場合、出力部80が省略され、定電流回路72からの出力が直に負荷へ供給されてもよい。
(T)蓄電池82は、リチウムイオン電池の他に、ニッケル−カドミウム蓄電池またはニッケル−水素蓄電池であってもよい。その場合、出力部80はそれらの蓄電池の充電を定電流方式で行う。
(U)熱電変換素子41は画像形成装置100において廃熱発電に利用される。熱電変換素子はその他に、画像形成装置以外の電気機器、自動車、加熱機器等のシステムにおいても廃熱発電に利用される。一般に、これらのシステムは複数の動作モードを備えており、廃熱量は動作モードごとに異なるパターンで変化する。従って、熱電変換素子の設置場所の温度も動作モードごとに異なるパターンで変動する。それ故、それらのシステムにおいて、上記の電力制御部70と同様な電力制御装置を熱電変換素子の出力制御に利用することは、その熱電変換素子の創り出す電力の利用効率をさらに向上させるのに有効である。
図11の(a)は、熱電変換素子を廃熱発電に利用する炊飯器の斜視図である。図11の(a)を参照するに、この炊飯器200は、内釜の収納部201、発電装置202、操作パネル203、および制御装置204を備えている。収納部201は、その中に収められた内釜を加熱するための誘導加熱装置を含む。発電装置202は収納部201の下側に設置され、内蔵の熱電変換素子を利用して収納部201の底面からの廃熱を電力に変換する。操作パネル203は炊飯器200の筐体の上面に組み込まれており、ユーザーの操作から設定情報を解釈して制御装置204へ伝えると共に、その設定情報を画面に表示する。その設定情報は、無洗米、白米、玄米等、炊飯対象の米の種類、および炊きあがりの予約時刻を含む。制御装置204は操作パネル203の裏側に設置され、操作パネル203からの設定情報に従って収納部201の誘導加熱装置を制御する。制御装置204は電力制御装置と蓄電装置とを内蔵している。電力制御装置は、発電装置202から出力される電力に対してMPPT制御を行う。蓄電装置はその電力を蓄えて操作パネル203と制御装置204とへ供給する。
炊飯器200の動作モードは炊飯モードと保温モードとに大別され、炊飯モードはさらに、炊飯対象の米の種類によって異なる動作モードに細分される。これらの動作モードでは、内釜の設定温度の経時的変化が異なる。従って、収納部201の底面の温度変動も、動作モードに応じて異なるパターンが想定される。電力制御装置は動作モードに応じて発電装置202の温度変動のパターンを想定し、そのパターンに従って、発電装置202を蓄電装置から切断する周期、すなわち、発電装置202の開放電圧を測定する周期を変更する。具体的には、想定されたパターンの傾きが大きい期間では上記の周期を短縮し、小さい期間では延長する。特に、炊飯の開始時点と、米の炊きあがりによって炊飯モードが保温モードへ移行する時点とでは、収納部201の底面の温度が急速に変動することが想定されるので、電力制御装置は上記の周期を直前の値から短縮する。それにより、電力制御装置は、発電装置202の速い温度変動が想定される期間ではその出力を頻繁に測定して、発電装置202の出力の変化を最大電力点の変位に、正確に追従させる。逆に、発電装置202の緩やかな温度変動が想定される期間では、電力制御装置は発電装置202と蓄電装置との間の接続を長時間維持して、一定時間あたりの充電量を増大させる。こうして、電力制御装置は発電装置202の温度変動に応じて、その出力を測定するタイミングを適切に変化させて、発電装置202の創り出す電力の利用効率をさらに向上させることができる。
図11の(b)は、熱電変換素子を廃熱発電に利用する冷蔵庫の斜視図である。図11の(b)を参照するに、この冷蔵庫300は、圧縮機301、発電装置302、操作パネル303、制御装置304、および送風機305を備えている。圧縮機301は冷媒を圧縮して、その圧力を高める。発電装置302は圧縮機301の近傍に設置され、内蔵の熱電変換素子を利用して圧縮機301の表面からの廃熱を電力に変換する。操作パネル303は冷蔵庫300の扉の前面に組み込まれており、ユーザーの操作から設定情報を解釈して制御装置304へ伝えると共に、その設定情報を画面に表示する。その設定情報は、冷蔵室、冷凍室等の部屋の設定温度、および、急速冷凍等、冷却条件の設定を含む。制御装置304は操作パネル303の裏側に設置され、操作パネル303からの設定情報に従って圧縮機301を制御する。制御装置304は電力制御装置を内蔵している。電力制御装置は、発電装置302から出力される電力に対してMPPT制御を行う。その電力は、送風機305、庫内灯等の負荷へ供給される。送風機305は、冷媒によって冷却された空気を冷蔵室と冷凍室とへ送る。
冷蔵庫300の動作モードは、各部屋の設定温度、および冷却条件によって異なる。これらの動作モードでは圧縮機301の運転状態が異なるので、その表面からの放熱量の経時的変化が異なる。従って、発電装置302の温度変動も、動作モードに応じて異なるパターンが想定される。電力制御装置は動作モードに応じてそのパターンを想定し、そのパターンに従って、発電装置302を負荷から切断する周期、すなわち、発電装置302の開放電圧を測定する周期を変更する。具体的には、想定されたパターンの傾きが大きい期間では上記の周期を短縮し、小さい期間では延長する。特に、設定温度の変更時点と、急速冷凍の開始・終了時点とでは、圧縮機301の表面温度が急速に変動することが想定されるので、電力制御装置は上記の周期を直前の値から短縮する。それにより、電力制御装置は、発電装置302の速い温度変動が想定される期間ではその出力を頻繁に測定して、発電装置302の出力の変化を最大電力点の変位に、正確に追従させる。逆に、発電装置302の緩やかな温度変動が想定される期間では、電力制御装置は発電装置302と負荷との間の接続を長時間維持して、一定時間あたりの充電量を増大させる。こうして、電力制御装置は発電装置302の温度変動に応じて、その出力を測定するタイミングを適切に変化させて、発電装置302の創り出す電力の利用効率をさらに向上させることができる。
熱電変換素子を利用した廃熱発電は他にも、エアコン、自動車、バイク等のシステムでも利用される。発明による電力制御装置はそれらのシステムにおいても利用可能である。実際、エアコンは、冷房と暖房、設定温度と風量、設定温度と実際の室温との間の差、部屋内の人数等で動作モードが異なる。自動車とバイクとは、速度、エンジンの回転数、ギア、一般道の走行時と高速道の走行時、渋滞の有無、路面状態等で動作モードが異なる。これらの動作モードでは一般に、廃熱量の経時的変化が異なるので、熱電変換素子の温度変動も、動作モードに応じて異なるパターンが想定される。電力制御装置は動作モードに応じてそのパターンを想定し、そのパターンに従って熱電変換素子の開放電圧を測定する周期を変更する。それにより、電力制御装置は熱電変換素子の温度変動に応じて、その出力を測定するタイミングを適切に変化させて、熱電変換素子の創り出す電力の利用効率をさらに向上させることができる。
(V)発明による電力制御装置が対象とする発電装置は、熱電変換素子の他、太陽電池、燃料電池、風力発電機等であってもよい。これらの発電装置の出力特性には最大電力点が存在し、環境条件の変動に伴って大きく変位する。これらの発電装置が別のシステムに組み込まれて利用される場合は一般に、その環境条件がそのシステムの動作モードに応じて異なるパターンで変動することが想定される。電力制御装置は動作モードに応じてそのパターンを想定し、そのパターンに従って、MPPT制御に必要な発電装置の出力を測定する周期を変更する。それにより、電力制御装置は環境条件の変動に応じて、その出力を測定するタイミングを適切に変化させて、発電装置の創り出す電力の利用効率をさらに向上させることができる。
本発明は、発電装置の出力に対するMPPT制御に関し、上記のとおり、発電装置が組み込まれたシステムの動作モードに応じて環境条件の変動のパターンを想定し、そのパターンに従って、発電装置の出力を測定する周期を変更する。このように、本発明は明らかに産業上利用可能である。
PR1 稼動モードの第1期間
PR2 稼動モードの第2期間
PW1 待機モードの第1期間
PW2 待機モードの第2期間
PW3 待機モードの第3期間
PW4 待機モードの第4期間
PS1 スリープ・モードの第1期間
PS2 スリープ・モードの第2期間
T1 第1時刻
T2 第2時刻
T3 第3時刻
T4 第4時刻
T21 稼動モードの第1期間PR1の終了時刻
T31 待機モードの第1期間PW1の終了時刻
T32 待機モードの第2期間PW2の終了時刻
T33 待機モードの第3期間PW3の終了時刻
T41 スリープ・モードの第1期間PS1の終了時刻

Claims (19)

  1. 動作に発熱を伴い、かつ自身に対して設定可能な動作モードに応じて発熱量の異なるシステムに組み込まれ、前記システムからの廃熱で発電する発電装置から負荷へ出力される電力を制御するための装置であり、
    前記発電装置と負荷との間の接続と切断とを交互に繰り返す切替部、
    前記切替部が前記発電装置を前記負荷に接続しているときに、前記発電装置の出力を目標値に調節する調節部、
    前記切替部が前記発電装置を前記負荷から切断しているときに、前記発電装置の出力を測定する測定部、
    前記測定部によって測定された値から前記発電装置の最大電力点を算定し、前記最大電力点に基づいて前記目標値を決定して前記調節部に指示する指示部、および、
    前記システムが動作モードを切り替える場合、切り替え前後の動作モードの組み合わせから切り替え後の動作モードにおける前記システムの環境温度変動のパターンを想定し、前記パターンの傾きから当該環境温度変動の速度を求め、当該速度の経時的変化に従って前記切替部に、前記発電装置と前記負荷との間を切断する周期を変更させる切替制御部、
    を備えた電力制御装置。
  2. 前記切替制御部は前記システムの動作モードを監視し、前記システムが動作モードを切り替える時点で、前記切断する周期を直前の値から短縮する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  3. 前記切替制御部は、前記システムから動作モードの変更に関するスケジュールを取得し、前記スケジュールから、前記システムが動作モードを切り替える時点を特定し、前記時点で、前記切断する周期を直前の値から短縮する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  4. 前記切替制御部は、前記システムの動作モード別に、想定される前記システムの環境温度変動のパターンを示す数表または数式を記憶しており、実際の動作モードに対応する数表または数式を用いて、前記切断する周期を決定する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  5. 前記切替制御部は、前記パターンの示す前記システムの環境温度の変動速度が低い期間ほど、前記切断する周期を延長する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  6. 前記切替制御部は、前記パターンの示す前記システムの環境温度の変動速度が閾値を下回っている期間では、前記切替部に前記発電装置と前記負荷との間の接続を維持させる一方、前記期間の前に前記測定部によって測定された値から前記発電装置の出力を予測して、予測された値を、前記測定部に代わって前記指示部に提供する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  7. 前記切替制御部は、前記切り替え後の動作モードが前記システムの待機状態を示す期間において、
    前記切断する周期を直前の値から延長し、または、
    前記切替部に前記発電装置と前記負荷との間の接続を維持させる一方、前記システムが待機状態へ移行する前に前記測定部によって測定された値から前記発電装置の出力を予測して、予測された値を、前記測定部に代わって前記指示部に提供する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  8. 前記切替制御部は、前記切り替え後の動作モードが前記システムの停止状態を示す期間において、
    前記切断する周期を直前の値から延長し、
    前記切替部に前記発電装置と前記負荷との間の接続を維持させる一方、前記システムが停止状態へ移行する前に前記測定部によって測定された値から前記発電装置の出力を予測して、予測された値を、前記測定部に代わって前記指示部に提供し、または、
    前記切替部には前記発電装置と前記負荷との間の接続を維持させ、前記調節部には前記発電装置の出力をそのまま、前記負荷へ送出させる、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  9. 前記切替制御部は、前記測定部によって測定された値の変化が閾値を超えた場合、前記切断する周期を直前の値から短縮する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
  10. 前記システムが画像形成装置であり、
    前記発電装置が、前記画像形成装置の定着部からの廃熱を電力に変換する熱電変換素子を含む、
    請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の電力制御装置。
  11. 複数枚のシートを1枚ずつ給送する給送部、
    前記給送部によって給送されるシートの上にトナー像を、画像データに基づいて形成する作像部、
    前記トナー像を熱定着させる定着部、
    前記定着部には動作モードを指示し、前記作像部には前記画像データを提供する動作制御部、
    熱を電力に変換する素子であり、温度変動に伴って出力特性が変化する熱電変換素子、を含み、前記定着部からの廃熱を利用して発電する発電部、
    前記発電部から出力される電力を制御する電力制御部、並びに、
    前記電力を蓄え、または出力する出力部、
    を備え、
    前記電力制御部が、
    前記発電部と前記出力部との間の接続と切断とを交互に繰り返す切替部、
    前記切替部が前記発電部を前記出力部に接続しているときに、前記発電部の出力を目標値に調節する調節部、
    前記切替部が前記発電部を前記出力部から切断しているときに、前記発電部の出力を測定する測定部、
    前記測定部によって測定された値から前記発電部の最大電力点を算定し、前記最大電力点に基づいて前記目標値を決定して前記調節部に指示する指示部、および、
    前記動作制御部が前記定着部の動作モードを切り替える場合、切り替え前後の動作モードの組み合わせから切り替え後の動作モードにおける前記発電部の温度変動のパターンを想定し、前記パターンの傾きから当該温度変動の速度を求め、当該速度の経時的変化に従って前記切替部に、前記発電部と前記出力部との間を切断する周期を変更させる切替制御部、
    を有する、画像形成装置。
  12. 前記切替制御部は前記定着部の動作モードを監視し、前記動作制御部が前記定着部の動作モードを切り替える時点で、前記切断する周期を直前の値から短縮する、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 前記動作制御部は、前記定着部の動作モードの変更に関するスケジュールを作成し、
    前記切替制御部は前記スケジュールから、前記動作制御部が前記定着部の動作モードを切り替える時点を特定し、前記時点で、前記切断する周期を直前の値から短縮する、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  14. 前記切替制御部は、前記定着部の動作モードの種類別に、想定される前記発電部の温度変動のパターンを示す数表または数式を記憶しており、実際の動作モードに対応する数表または数式を用いて、前記切断する周期を決定する、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  15. 前記切替制御部は、前記パターンの示す前記発電部の温度変動の速度が低い期間ほど、前記切断する周期を延長する、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  16. 前記切替制御部は、前記パターンの示す前記発電部の温度変動の速度が閾値を下回っている期間では、前記切替部に前記発電部と前記出力部との間の接続を維持させる一方、前記期間の前に前記測定部によって測定された値から前記発電部の出力を予測して、予測された値を、前記測定部に代わって前記指示部に提供する、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  17. 前記切替制御部は、前記定着部の動作モードが待機モードである期間において、
    前記切断する周期を直前の値から延長し、または、
    前記切替部に前記発電部と前記出力部との間の接続を維持させる一方、前記定着部の動作モードが待機モードへ移行する前に前記測定部によって測定された値から前記発電部の出力を予測して、予測された値を、前記測定部に代わって前記指示部に提供する、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  18. 前記切替制御部は、前記定着部の動作モードがスリープ・モードである期間において、
    前記切断する周期を直前の値から延長し、
    前記切替部に前記発電部と前記出力部との間の接続を維持させる一方、前記定着部の動作モードがスリープ・モードへ移行する前に前記測定部によって測定された値から前記発電部の出力を予測して、予測された値を、前記測定部に代わって前記指示部に提供し、または、
    前記切替部には前記発電部と前記出力部との間の接続を維持させ、前記調節部には前記発電部の出力をそのまま、前記出力部へ送出させる、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
  19. 前記切替制御部は、前記測定部によって測定された値の変化が閾値を超えた場合、前記切断する周期を直前の値から短縮する、
    ことを特徴とする、請求項11に記載の画像形成装置。
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