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JP6156399B2 - 車両の回生制御方法及び回生制御システム - Google Patents
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JP6156399B2 - 車両の回生制御方法及び回生制御システム - Google Patents

車両の回生制御方法及び回生制御システム Download PDF

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Description

本発明は、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータを備えた車両の回生制御方法及び回生制御システムに関するものである。
特許文献1には、車両の回生制御システムが開示されている。
この回生制御システムは、ポンプ兼モータ(オイルポンプモータ)、アキュムレータ(高圧蓄圧器)、オイルタンク(低圧リザーバ)などで構成されている。
オイルポンプモータは、互いに連通した状態でオイルを貯留する高圧蓄圧器と低圧リザーバとの間に接続されている。オイルポンプモータは、オイルポンプ及び油圧モータの両機能を有し、いずれか一方の装置として利用できる。高圧蓄圧器には、高圧のオイルが貯留され、低圧リザーバには、低圧のオイルが貯留される。
下り坂走行などの制動時には、駆動輪の動力がオイルポンプモータに入力される。それにより、オイルポンプモータはオイルポンプとして駆動され、低圧リザーバのオイルが高圧蓄圧器へ送り込まれる。その結果、高圧蓄圧器の内圧が上昇し、より高圧なオイルが蓄積される(回生)。
自動車の発進時などには、高圧蓄圧器のオイルが低圧リザーバに向けて流出される。そのオイルの吐出圧により、オイルポンプモータは油圧モータとして駆動され、その動力が駆動輪に出力される(力行)。
特開平10−244858号公報
ところで、減速回生時には、オイルポンプモータ回転数によって燃費が悪化する。つまり、オイルポンプモータによる減速回生効率はオイルポンプモータのオイル吸込/吐出効率又はオイルポンプモータの機械抵抗損失に依存する。これらはオイルポンプモータ回転数に依存する。そのため、その減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域で、オイルポンプモータによる減速回生が実行されると、燃費が悪化する。
また、減速回生時には、高圧蓄圧器内の温度変化によってエネルギーロスが発生する。つまり、車速が急激に減速してオイルポンプモータ回転数が急激に上昇し、高圧蓄圧器にオイルが一気に送り込まれると、それに伴って高圧蓄圧器内の衝撃緩衝用のガスが圧縮される(断熱圧縮)。それにより、ガスの圧力及び温度が上昇し、その熱が伝わることで高圧蓄圧器の温度が一気に上昇する。その後は、放熱によって次第に高圧蓄圧器の温度が低下し、常温に戻る。その結果、放熱によって消失する熱エネルギーの分だけ高圧蓄圧器に蓄積されるエネルギーが、減速回生直後よりも減少する。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、減速回生時に、オイルポンプモータや高圧蓄圧器のエネルギーロスを低減させて燃費を向上させることにある。
前記の課題を解決するため、本発明は、減速回生時に、オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるとき又はエネルギーロスが発生する高圧蓄圧器の温度領域にあるときに、オイルポンプモータ側のクラッチ及び原動機側のクラッチの両方を繋ぎ、減速回生をオイルポンプモータ側及び原動機側に分担させることを特徴とする。
具体的には、本発明は、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータを備えた車両の回生制御方法を対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第1の発明は、前記車両は、原動機と、前記オイルポンプモータに接続され、加圧下でオイル及びガスを貯留する高圧蓄圧器とをさらに備え、前記オイルポンプモータ及び前記原動機は、クラッチを介して駆動輪に連結され、減速回生時に、前記オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという第1条件又はエネルギーロスが発生する前記高圧蓄圧器の温度領域にあるという第2条件を満たすか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により前記第1条件又は前記第2条件を満たすと判定されたときに、前記オイルポンプモータ側のクラッチ及び前記原動機側のクラッチの両方を繋ぎ、減速回生を前記オイルポンプモータ側及び前記原動機側に分担させる分担工程とを含み、前記第1条件は、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件であり、前記第2条件は、減速回生終了時における前記高圧蓄圧器内のガスの推定温度が所定温度よりも高いという条件であることを特徴とするものである。
これによれば、判定工程では、減速回生時に、オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという第1条件又はエネルギーロスが発生する高圧蓄圧器の温度領域にあるという第2条件を満たすか否かを判定し、分担工程では、判定工程により第1条件又は第2条件を満たすと判定されたときに、オイルポンプモータ側のクラッチ及び原動機側のクラッチの両方を繋ぎ、減速回生をオイルポンプモータ側及び原動機側に分担させる。
このように、オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるときに、減速回生をオイルポンプモータ側及び原動機側に分担させると、オイルポンプモータの減速回生の負担が軽減し、オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域外に移行する(オイルポンプモータ回転数が小さくなる)。そのため、減速回生時に、オイルポンプモータの回収エネルギーを向上させることができる。
また、エネルギーロスが発生する高圧蓄圧器の温度領域にあるときに、減速回生をオイルポンプモータ側及び原動機側に分担させると、オイルポンプモータの減速回生の負担が軽減し、エネルギーロスが発生する高圧蓄圧器の温度領域外に移行する(高圧蓄圧器の温度が低下する)。そのため、減速回生時に、高圧蓄圧器のエネルギーロスを低減させることができる。
以上より、減速回生時に、オイルポンプモータや高圧蓄圧器のエネルギーロスを低減させて燃費を向上させることができる。
また、第1条件がオイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件であるので、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいときに、減速回生をオイルポンプモータ側及び原動機側に分担させると、オイルポンプモータの減速回生の負担が軽減し、オイルポンプモータの機械抵抗損失が大きいオイルポンプモータ高回転領域外に移行する。そのため、減速回生時に、オイルポンプモータの回収エネルギーを確実に向上させることができる。
また、第2条件が減速回生終了時における高圧蓄圧器内のガスの推定温度が所定温度よりも高いという条件であるので、減速回生終了時における高圧蓄圧器内のガスの推定温度が所定温度よりも高いときに、減速回生をオイルポンプモータ側及び原動機側に分担させると、オイルポンプモータの減速回生の負担が軽減し、熱エネルギーの消失が大きい高圧蓄圧器の高温領域外に移行する。そのため、減速回生時に、高圧蓄圧器のエネルギーロスを確実に低減させることができる。
また、別の発明は、車両の回生制御システムを対象とし、次のような解決手段を講じた。
すなわち、第2の発明は、クラッチを介して駆動輪に連結され、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータと、前記オイルポンプモータに接続され、加圧下でオイル及びガスを貯留する高圧蓄圧器と、クラッチを介して前記駆動輪に連結された原動機と、前記オイルポンプモータ及び前記原動機の駆動並びに前記クラッチを制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、減速回生時に、前記オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという第1条件又はエネルギーロスが発生する前記高圧蓄圧器の温度領域にあるという第2条件を満たすか否かを判定する判定制御と、前記判定制御により前記第1条件又は前記第2条件を満たすと判定されたときに、前記オイルポンプモータ側のクラッチ及び前記原動機側のクラッチの両方を繋ぎ、減速回生を前記オイルポンプモータ側及び前記原動機側に分担させる分担制御とを実行するように構成され、前記第1条件は、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件であり、前記第2条件は、減速回生終了時における前記高圧蓄圧器内のガスの推定温度が所定温度よりも高いという条件であることを特徴とするものである。
これによれば、第1の発明と同様の作用効果が得られる
第3の発明は、前記第2の発明において、前記原動機は、エンジンであり、前記エンジンに連結された発電機と、前記発電機に接続されたバッテリとをさらに備えていることを特徴とするものである。
これによれば、エンジンを備えた車両の回生制御システムにおいて、減速回生時に、燃費を向上させる又は高圧蓄圧器のエネルギーロスを低減させることができる。
の発明は、前記第2又は第3の発明において、前記原動機は、電動発電機であり、前記電動発電機に接続されたバッテリをさらに備えたことを特徴とするものである。
これによれば、電動発電機を備えた車両の回生制御システムにおいて、減速回生時に、燃費を向上させる又は高圧蓄圧器のエネルギーロスを低減させることができる。
の発明は、前記第3又は第4の発明において、前記制御装置は、前記分担制御では、前記判定制御により前記第1条件を満たすと判定されたときに、前記オイルポンプモータの回生量が、減速回生可能量から前記車両の要求電力及び前記バッテリの充電可能量を引いた減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が前記所定回転数よりも大きいか否かを判定し、前記オイルポンプモータの回生量が前記減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が前記所定回転数よりも大きいと判定されたときに、前記車両の要求電力を増加させるように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、制御装置が、分担制御では、判定制御によりオイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという第1条件を満たすと判定されたときに、オイルポンプモータの回生量が、減速回生可能量から車両の要求電力及びバッテリの充電可能量を引いた減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいか否かを判定し、オイルポンプモータの回生量がその減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいと判定されたときに、車両の要求電力を増加させるので、バッテリの過充電が抑制される。そのため、バッテリの寿命を延ばすことができる。
の発明は、前記第3又は第4の発明において、前記制御装置は、前記分担制御では、前記判定制御により前記第2条件を満たすと判定されたときに、前記車両の要求電力が、減速回生可能量から前記オイルポンプモータの回生可能量及び前記バッテリの充電可能量を引いた減算値以上であるか否かを判定し、前記車両の要求電力が前記減算値未満であると判定されたときに、前記車両の要求電力を増加させるように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、制御装置が、分担制御では、判定制御により減速回生終了時における高圧蓄圧器内のガスの推定温度が所定温度よりも高いという第2条件を満たすと判定されたときに、車両の要求電力が、減速回生可能量からオイルポンプモータの回生可能量及びバッテリの充電可能量を引いた減算値以上であるか否かを判定し、車両の要求電力がその減算値未満であると判定されたときに、車両の要求電力を増加させるので、バッテリの過充電が抑制される。そのため、バッテリの寿命を延ばすことができる。
の発明は、前記第又は第の発明において、前記制御装置は、前記分担制御では、冷間時に、前記バッテリの充電可能量を0とするように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、制御装置が、分担制御では、特にバッテリの充電が不可能な冷間時に、バッテリの充電可能量を0とするので、冷間時には、バッテリが充電されない。そのため、バッテリの寿命を延ばすことができる。
の発明は、前記第の発明又は第の発明を引用する第〜第のいずれか1つの発明において、前記制御装置は、前記分担制御では、前記エンジンのポンピングロスを抑制するように構成されていることを特徴とするものである。
これによれば、制御装置が、分担制御では、エンジンのポンピングロスを抑制するので、エンジンのエネルギーロスが低減される。
の発明は、前記第の発明又は第の発明を引用する第〜第のいずれか1つの発明において、前記制御装置は、前記オイルポンプモータが油圧モータとして機能する時に、前記オイルポンプモータ側のクラッチ及び前記エンジン側のクラッチの両方を繋ぐように構成されていることを特徴とするものである。
ところで、オイルポンプモータが油圧モータとして機能する時(力行時)には、エンジンが停止する。それに伴って、エンジンに連結された発電機も停止する。それにより、オイルポンプモータによる力行時には、エンジンに連結された発電機による発電が実行できない。
ここで、第11の発明によれば、制御装置が、オイルポンプモータが油圧モータとして機能する時に、オイルポンプモータ側のクラッチ及びエンジン側のクラッチの両方を繋ぐので、エンジンに連結された発電機がオイルポンプモータの動力によって駆動される。そのため、オイルポンプモータによる力行時にも、エンジンに連結された発電機をオイルポンプモータの動力によって駆動させることができる。
本発明によれば、減速回生時に、オイルポンプモータや高圧蓄圧器のエネルギーロスを低減させて燃費を向上させることができる。
本発明の実施形態1に係る車両の回生制御システムを示す概略図である。 連結機構の一例を示す概略図である。 車両の回生制御を説明する概略図であり、(a)は、オイルポンプモータによる減速回生時の状態を、(b)は、オイルポンプモータによる力行時の状態を、それぞれ示している。 車両の回生制御システムを示すブロック図である。 減速回生効率の変化の一例を示すグラフである。 減速回生時の高圧蓄圧器での温度変化の一例を示すグラフである。 車両の回生制御を説明する概略図であり、減速回生をエンジン側及びオイルポンプモータ側に分担させる状態を示している。 車両の回生制御システムの制御の一例を示すフローチャートである。 実施形態2に係る車両の回生制御システムを示す概略図である。 車両の回生制御を説明する概略図であり、減速回生をモータジェネレータ側及びオイルポンプモータ側に分担させる状態を示している。 車両の回生制御システムを示すブロック図である。 車両の回生制御システムの制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1に、開示する回生制御システムERSを用いた自動車C(以下、車両Cという)の一例を示す。
回生制御システムERSは、エンジン1(原動機)、第1クラッチ2(エンジン1側のクラッチ)、トランスミッション3、ディファレンシャルギア4、駆動輪5、連結機構11、第2クラッチ12(オイルポンプモータ13側のクラッチ)、オイルポンプモータ13(図1等ではPM)、高圧蓄圧器14、低圧リザーバ15、制御装置31(図4のみ図示)などで構成されている。
エンジン1は、例えば、気筒休止エンジンである。エンジン1の出力軸(クランク軸)は、第1クラッチ2、トランスミッション3、ディファレンシャルギア4を介して駆動輪5に連結されている。図1は、エンジン1を動力源として走行している状態を表しており、駆動輪5は、エンジン1によって回転駆動されている。
また、エンジン1の出力軸は、ベルト6を介してオルタネーター7(発電機)に、ベルト6及びクラッチ(図示せず)を介して空調用コンプレッサー8に連結されている。空調用コンプレッサー8側のクラッチは、冷房時に繋げられる。エンジン1が作動している時には、オルタネーター7及び空調用コンプレッサー8はエンジン1によって駆動される。
オルタネーター7は、減速回生用バッテリ9に接続されている。減速回生用バッテリ9は、例えば、繰り返し充放電可能なリチウムイオンバッテリである。オルタネーター7が駆動輪5の動力によって駆動される時(減速回生時)には、減速回生用バッテリ9はオルタネーター7によって充電される。
また、オルタネーター7は、DC−DCコンバータ(図示せず)を介してACC(アクセサリ用電源)及びバッテリ10に接続されている。バッテリ10は、例えば、鉛蓄電池である。
エンジン1が停止している時には、減速回生用バッテリ9及びバッテリ10はACCに給電する。オルタネーター7がエンジン1によって駆動される時(力行時)には、ACCはオルタネーター7によって作動されるとともに、バッテリ10はオルタネーター7によって充電される。オルタネーター7が駆動輪5の動力によって駆動される時(減速回生時)には、ACCはオルタネーター7によって作動され、その余剰電力は減速回生用バッテリ9に充電されるが、バッテリ10は充電されない。
オイルポンプモータ13は、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能する装置であり、高圧蓄圧器14及び低圧リザーバ15に接続されている。オイルポンプモータ13の回転軸は、第2クラッチ12及び連結機構11を介して、駆動輪5への出力軸に連結されている。図1では、第2クラッチ12は切られた状態となっている。
図2に、連結機構11の一例を示す。
エンジン1の出力軸は、第1クラッチ2を介して伝達ギヤ16に連結されている。オイルポンプモータ13の回転軸は、オイルポンプモータ13側の伝達ギヤ17及び第2クラッチ12を介して伝達ギヤ18に連結されている。伝達ギヤ16,18は、デュアルクラッチトランスミッション19側の伝達ギヤ20に噛み合っている。デュアルクラッチトランスミッション19は、トランスミッション3、クラッチ21等で構成されている。伝達ギヤ20は、クラッチ21を介してトランスミッション3に連結されている。連結機構11は、伝達ギヤ16,18,20、クラッチ21で構成されている。
高圧蓄圧器14は小型の耐圧容器であり、そこには、例えば200〜400気圧レベルのオイルと空気(ガス)とが分離した状態で貯留されている。低圧リザーバ15は大型の耐圧容器であり、そこには、例えば、1〜30気圧レベルのオイルと空気とが分離した状態で貯留されている。
なお、空気は、オイルの急激な移動に伴って発生する衝撃を緩衝するためのものであり、気体であれば、窒素ガス等、その他のガスであってもよい。
図3の(a)に示すように、オイルポンプモータ13がオイルポンプとして機能する時(減速回生時)には、第2クラッチ12が繋げられることで、駆動輪5の動力がオイルポンプモータ13に入力される。それにより、低圧リザーバ15のオイルが高圧蓄圧器14へ送り込まれる。その結果、高圧蓄圧器14の内圧が上昇し、より高圧なオイルが蓄積される(減速回生)。
図3の(b)に示すように、オイルポンプモータ13が油圧モータとして機能する時(力行時)には、第2クラッチ12が繋げられた状態で、高圧蓄圧器14のオイルが低圧リザーバ15に向けて流出される。そのオイルの吐出圧により、オイルポンプモータ13は油圧モータとして駆動され、その動力が駆動輪5に出力される(力行)。
図4に示すように、制御装置31は、CPUやメモリ等のハードウエアと、制御プログラム等のソフトウエアとで構成されており、車両Cの減速回生や力行を総合的に制御する機能を有している。例えば、エンジン1やオイルポンプモータ13の駆動制御、第1クラッチ2や第2クラッチ12の制御なども制御装置31によって行われる。
回生制御システムERSを制御するために、各種センサが設置されている。
車両Cには、車速を計測する車速センサ41と、アクセル開度を計測するアクセル開度センサ42と、車両Cの要求電力を計測する要求電力センサ43と、車内の温度を計測する車内温度センサ44とが設置されている。減速回生用バッテリ9には、減速回生用バッテリ9の電流を計測するバッテリ電流センサ45、減速回生用バッテリ9の電圧を計測するバッテリ電圧センサ46とが設置されている。オイルポンプモータ13には、その回転数を計測する回転数センサ47が設置されている。高圧蓄圧器14には、高圧蓄圧器14内の空気の温度を計測するガス温度センサ48が設置されている。
車両Cの運転中は、これらセンサ41〜48の計測値が、制御装置31に出力されるようになっており、制御装置31は、これら計測値に基づいて回生制御システムERSを制御する。
なお、制御装置31により、バッテリ電流センサ45及びバッテリ電圧センサ46の計測値に基づいて、減速回生用バッテリ9のSOC(充電状態)が算出される。
ここで、減速回生は、減速回生用バッテリ9を保護するために、オイルポンプモータ13のみで負担するのが望ましい。
ところで、減速回生時には、オイルポンプモータ回転数によって燃費が悪化する。
図5に、減速回生効率の変化の一例を示す。
オイルポンプモータ13による減速回生効率はオイルポンプモータ13のオイル吸込/吐出効率又はオイルポンプモータ13の機械抵抗損失に依存する。これらはオイルポンプモータ回転数に依存する。そのため、その減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域で、オイルポンプモータ13による減速回生が実行されると、燃費が悪化する。
また、減速回生時には、高圧蓄圧器14内の温度変化によってエネルギーロスが発生する。
図6に、減速回生時の高圧蓄圧器14での温度変化の一例を示す。破線が車速の変化を、実線が高圧蓄圧器の温度変化を表している。なお、図6では、トランスミッション3のギヤ比を一定にしているため、破線はオイルポンプモータ回転数の変化を表していることとなる。
車速が急激に減速してオイルポンプとして機能するオイルポンプモータ13の回転数が急激に上昇し、高圧蓄圧器14にオイルが一気に送り込まれると、それに伴って高圧蓄圧器14内の空気が圧縮される(断熱圧縮)。それにより、空気の圧力及び温度が上昇し、その熱が伝わることで高圧蓄圧器14の温度が一気に上昇する。その後は、放熱によって次第に高圧蓄圧器14の温度が低下し、常温に戻る。その結果、放熱によって消失する熱エネルギーの分だけ高圧蓄圧器14に蓄積されるエネルギーが、減速回生直後よりも減少する。例えば、車速が急激に60km/h減速した場合には、高圧蓄圧器14は80℃近くまで温度上昇した後に、熱エネルギーを消失しながら、常温に戻る。
そこで、回生制御システムERSでは、制御装置31により、減速回生時に、オイルポンプモータ13による減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるとき又はエネルギーロスが発生する高圧蓄圧器14の温度領域にあるときに、その領域外になるように、減速回生(回生エネルギー)をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させる。
具体的に、制御装置31により、減速回生開始時(減速開始時)に、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件(オイルポンプモータ13による減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという第1条件)又は減速回生終了時(減速終了時)における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いという条件(エネルギーロスが発生する高圧蓄圧器14の温度領域にあるという第2条件)を満たすか否かを判定する判定制御が実行される(判定工程)。
なお、所定回転数は、例えば、オイルポンプモータ13による減速回生効率の最も良い回転数に予め設定されている。また、所定温度は、例えば、減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度がこの所定温度以下であると、減速回生時に高圧蓄圧器14の温度変化によって発生するエネルギーロスが低減するような温度に予め設定されている。
そして、判定制御によりそれらの条件の一方(オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件又は減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いという条件)を満たすと判定されたときに、制御装置31により、図7に示すように、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御が実行される(分担工程)。
図8は、その制御の一例を示す。
まず、制御装置31には、アクセル開度センサ33の計測値(アクセル開度)が入力される(ステップSA1)。そして、制御装置31は、アクセル開度センサ33の計測値(アクセル開度)に基づいて、減速回生が開始したか否かを判定する(ステップSA2)。
減速回生が開始したと判定した場合には(ステップSA2でYES)、制御装置31は、制御をステップSA3に進め、開始していないと判定した場合には(ステップSA2でNO)、制御装置31は、制御をステップSA1に戻す。
ステップSA3では、制御装置31には、回転数センサ47の計測値(オイルポンプモータ回転数R1)が入力される。そして、制御装置31は、回転数センサ47の計測値(オイルポンプモータ回転数R1)が所定回転数よりも大きいか否かを判定する判定制御を実行する(ステップSA4)。
回転数センサ47の計測値(オイルポンプモータ回転数R1)が所定回転数よりも大きいと判定した場合には(ステップSA4でYES)、制御装置31は、制御をステップSA5に進め、所定回転数以下であると判定した場合には(ステップSA4でNO)、制御装置31は、制御をステップSA9に進める。
ステップSA5では、制御装置31は、減速回生開始時のオイルポンプモータ回転数と減速回生終了時の推定オイルポンプモータ回転数に基づいて(又は減速回生開始時の車速及びギヤ比から求められるオイルポンプモータ回転数と減速回生終了時の推定車速及びギヤ比から求められる推定オイルポンプモータ回転数に基づいて)、減速回生可能量REを算出する。また、制御装置31には、要求電力センサ43の計測値(車両要求電力VE)が入力される(ステップSA5)。さらに、制御装置31には、バッテリ電流センサ45及びバッテリ電圧センサ46の計測値(減速回生用バッテリ9のSOC及びSOH)が入力される(ステップSA5)。そして、制御装置31は、バッテリ電流センサ45及びバッテリ電圧センサ46の計測値(減速回生用バッテリ9のSOC及びSOH)に基づいて、減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを算出する(ステップSA5)。なお、冷間時には、減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを0とする。
そして、制御装置31は、オイルポンプモータ13の回生量が、減速回生可能量REから要求電力センサ43の計測値(車両要求電力VE)及び減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを引いた減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数R2を算出する(ステップSA6)。その後、制御装置31は、オイルポンプモータ13の回生量がその減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数R2が所定回転数よりも大きいか否かを判定する(ステップSA7)。
オイルポンプモータ回転数R2が所定回転数よりも大きいと判定した場合には(ステップSA7でYES)、制御装置31は、制御をステップSA8に進め、所定回転数以下であると判定した場合には(ステップSA7でNO)、制御装置31は、制御をステップSA13に進める。
ステップSA8では、制御装置31は、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御を実行する。具体的に、オイルポンプモータ13の回生量を減速回生可能量REから車両要求電力VE及び減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを引いた減算値と、減速回生用バッテリ9の充電量を減速回生用バッテリ9の充電可能量EBと、オルタネーター7の回生発電量を車両要求電力VE及び減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを足した加算値とする。
また、制御装置31は、車両Cの要求電力を現在値よりも増加させる(ステップSA8)。例えば、冷暖房時には、空調の送風強度を増加させる。また、暖房時には、シートヒーター(図示せず)を作動させる。さらに、制御装置31は、冷房時に、空調用コンプレッサー8側のクラッチを繋ぐことで、空調用コンプレッサー8を駆動輪5の動力によって駆動させる(ステップSA8)。また、制御装置31は、エンジン1のポンピングロスを抑制する(ステップSA8)。例えば、エンジン1の所定気筒の吸排気弁を閉じて燃料噴射を停止する気筒休止したり、EGR量を増加させたりする。そして、制御装置31は、減速回生が終了したときに、制御を終了する。
ステップSA13では、制御装置31は、ステップSA8と同様、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御を実行する。具体的に、オイルポンプモータ13の回生量、減速回生用バッテリ9の充電量、及びオルタネーター7の回生発電量を、ステップSA8と同様とする。また、制御装置31は、エンジン1のポンピングロスを抑制する(ステップSA13)。そして、制御装置31は、減速回生が終了したときに、制御を終了する。
ステップSA9では、制御装置31は、減速回生開始時のオイルポンプモータ回転数と減速回生終了時の推定オイルポンプモータ回転数に基づいて(又は減速回生開始時の車速及びギヤ比から求められるオイルポンプモータ回転数と減速回生終了時の推定車速及びギヤ比から求められる推定オイルポンプモータ回転数に基づいて)、減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の温度を推定する。そして、制御装置31は、減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いか否かを判定する判定制御を実行する(ステップSA10)。
その推定温度が所定温度よりも高いと判定した場合には(ステップSA10でYES)、制御装置31は、制御をステップSA11に進め、所定温度以下であると判定した場合には(ステップSA10でNO)、制御装置31は、制御をステップSA15に進める。
ステップSA11では、制御装置31は、減速回生開始時のオイルポンプモータ回転数と減速回生終了時の推定オイルポンプモータ回転数に基づいて(又は減速回生開始時の車速及びギヤ比から求められるオイルポンプモータ回転数と減速回生終了時の推定車速及びギヤ比から求められる推定オイルポンプモータ回転数に基づいて)、減速回生可能量REを算出する。また、制御装置31には、要求電力センサ43の計測値(車両要求電力VE)が入力される(ステップSA11)。さらに、制御装置31には、バッテリ電流センサ45及びバッテリ電圧センサ46の計測値(減速回生用バッテリ9のSOC及びSOH)が入力される(ステップSA11)。そして、制御装置31は、バッテリ電流センサ45及びバッテリ電圧センサ46の計測値(減速回生用バッテリ9のSOC及びSOH)に基づいて、減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを算出する(ステップSA11)。なお、冷間時には、ステップSA8と同様、減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを0とする。また、制御装置31は、減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度に基づいて、オイルポンプモータ13の回生可能量EHを推定する(ステップSA11)。
そして、制御装置31は、要求電力センサ43の計測値(車両要求電力VE)が、減速回生可能量REから減速回生用バッテリ9の充電可能量EB及びオイルポンプモータ13の推定回生可能量EHを引いた減算値以上であるか否かを判定する(ステップSA12)。
要求電力センサ43の計測値(車両要求電力VE)がその減算値以上であると判定した場合には(ステップSA12でYES)、制御装置31は、制御をステップSA13に進め、その減算値未満であると判定した場合には(ステップSA12でNO)、制御装置31は、制御をステップSA14に進める。
ステップSA14では、制御装置31は、ステップSA8と同様、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御を実行する。具体的に、オイルポンプモータ13の回生量をオイルポンプモータ13の推定回生可能量EHと、減速回生用バッテリ9の充電量を減速回生用バッテリ9の充電可能量EBと、オルタネーター7の回生発電量を車両要求電力VE及び減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを足した加算値とする。
また、制御装置31は、ステップSA8と同様、車両Cの要求電力を現在値よりも増加させるとともに、冷房時には、空調用コンプレッサー8を駆動輪5の動力によって駆動させ、さらに、エンジン1のポンピングロスを抑制する(ステップSA14)。そして、制御装置31は、減速回生が終了したときに、制御を終了する。
ステップSA15では、オイルポンプモータ13のみによる減速回生を実行する。そして、制御装置31は、減速回生が終了したときに、制御を終了する。
−効果−
以上より、本実施形態によれば、制御装置31が、判定制御では、減速回生時に、オイルポンプモータ13による減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという条件又はエネルギーロスが発生する高圧蓄圧器14の温度領域にあるという条件を満たすか否かを判定し、分担制御では、判定制御によりそれらの条件の一方を満たすと判定されたときに、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させる。
このように、オイルポンプモータ13による減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるときに、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させると、オイルポンプモータ13の減速回生の負担が軽減し、オイルポンプモータ13による減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域外に移行する(オイルポンプモータ回転数が小さくなる)。そのため、減速回生時に、オイルポンプモータ13の回収エネルギーを向上させることができる。
また、エネルギーロスが発生する高圧蓄圧器14の温度領域にあるときに、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させると、オイルポンプモータ13の減速回生の負担が軽減し、エネルギーロスが発生する高圧蓄圧器14の温度領域外に移行する(高圧蓄圧器14の温度が低下する)。そのため、減速回生時に、高圧蓄圧器14のエネルギーロスを低減させることができる。
以上より、減速回生時に、オイルポンプモータ13や高圧蓄圧器14のエネルギーロスを低減させて燃費を向上させることができる。
また、オイルポンプモータ13による減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという第1条件が、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件であるので、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいときに、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させると、オイルポンプモータ13の減速回生の負担が軽減し、オイルポンプモータ13の機械抵抗損失が大きいオイルポンプモータ高回転領域外に移行する。そのため、減速回生時に、オイルポンプモータ13の回収エネルギーを確実に向上させることができる。
また、エネルギーロスが発生する高圧蓄圧器14の温度領域にあるという第2条件が、減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いという条件であるので、減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いときに、減速回生をエンジン1側及びオイルポンプモータ13側に分担させると、オイルポンプモータ13の減速回生の負担が軽減し、熱エネルギーの消失が大きい高圧蓄圧器14の高温領域外に移行する。そのため、減速回生時に、高圧蓄圧器14のエネルギーロスを確実に低減させることができる。
また、本実施形態によれば、エンジン1を備えた回生制御システムERSにおいて、減速回生時に、燃費を向上させる又は高圧蓄圧器14のエネルギーロスを低減させることができる。
また、制御装置31が、分担制御では、判定制御によりオイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件を満たすと判定されたときに、オイルポンプモータ13の回生量が、減速回生可能量REから車両Cの要求電力VE及び減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを引いた減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいか否かを判定し、オイルポンプモータ13の回生量がその減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいと判定されたときに、車両Cの要求電力を増加させるので、減速回生用バッテリ9の過充電が抑制される。そのため、減速回生用バッテリ9の寿命を延ばすことができる。
また、制御装置31が、分担制御では、判定制御により減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いという条件を満たすと判定されたときに、車両Cの要求電力VEが、減速回生可能量REから減速回生用バッテリ9の充電可能量EB及びオイルポンプモータ13の回生可能量EHを引いた減算値以上であるか否かを判定し、車両Cの要求電力VEがその減算値未満であると判定されたときに、車両Cの要求電力を増加させるので、減速回生用バッテリ9の過充電が抑制される。そのため、減速回生用バッテリ9の寿命を延ばすことができる。
また、制御装置31が、分担制御では、特に減速回生用バッテリ9の充電が不可能な冷間時に、減速回生用バッテリ9の充電可能量EBを0とするので、冷間時には、減速回生用バッテリ9が充電されない。そのため、減速回生用バッテリ9の寿命を延ばすことができる。
また、制御装置31が、分担制御では、エンジン1のポンピングロスを抑制するので、エンジン1のエネルギーロスが低減される。
なお、本実施形態では、エンジン1によって駆動される装置として、オルタネーター7及び空調用コンプレッサー8を設けたが、これに限らず、例えば、圧縮空気ポンプ(図示せず)をさらに設けてもよい。この圧縮空気ポンプは、低圧リザーバ15から取り出した圧縮空気により、冷熱の生成、温熱の生成、発電及び負圧の生成のうち少なくとも1つを実行するときに、低圧リザーバ15に圧縮空気を補うために、低圧リザーバ15に圧縮空気を送る装置である。
(実施形態2)
本実施形態は、オイルポンプモータ13が油圧モータとして機能する時に、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぐ点が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、重複説明を省略する場合がある。
ところで、オイルポンプモータ13が油圧モータとして機能する時(力行時)には、エンジン1が停止する。それに伴って、オルタネーター7及び空調用コンプレッサー8も停止する。それにより、オイルポンプモータ13による力行時には、オルタネーター7による発電が実行できず、冷房(空調)も実施できない。その結果、ACCをバッテリ10で作動させる(車両Cの要求電力をバッテリ10で負担する)ことになり、バッテリ10の寿命が短縮する。
そこで、回生制御システムERSでは、制御装置31により、オイルポンプモータ13が油圧モータとして機能する時に、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、エンジン1、オルタネーター7及び空調用コンプレッサー8をオイルポンプモータ13の動力によって駆動させる。
より詳細に、制御装置31は、冷房時に、空調用コンプレッサー8側のクラッチを繋げることで、空調用コンプレッサー8をオイルポンプモータ13の動力によって駆動させる。また、制御装置31は、エンジン1のポンピングロスを抑制する。例えば、上述の如く気筒休止する。さらに、制御装置31は、オイルポンプモータ13の駆動要求、車両Cの要求電力及び空調用コンプレッサー8の駆動要求のすべてをオイルポンプモータ13で負担するように、オイルポンプモータ13の駆動制御を行う。また、制御装置31は、急加速時に、オイルポンプモータ13の駆動要求を優先するために、第1クラッチ2を切る。それにより、オルタネーター7及び空調用コンプレッサー8が停止する。
−効果−
以上により、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果が得られる。
また、制御装置31が、オイルポンプモータ13が油圧モータとして機能する時に、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぐので、エンジン1に連結されたオルタネーター7及び空調用コンプレッサー8がオイルポンプモータ13の動力によって駆動される。そのため、オイルポンプモータ13による力行時にも、オルタネーター7及び空調用コンプレッサー8をオイルポンプモータ13の動力によって駆動させることができる。また、オイルポンプモータ13が油圧モータとして機能する時には、オルタネーター7がオイルポンプモータ13の動力によって駆動されるので、ACCがオルタネーター7によって作動される。そのため、バッテリ10の寿命を延ばすことができる。
(実施形態3)
本実施形態は、エンジン1の代わりに、モータジェネレータ101(電動発電機)を備える点等が実施形態1と異なっているが、その他の点については、実施形態1と同様の構成である。そこで、以下の説明では、実施形態1の構成要素と同様の構成要素については、重複説明を省略する場合がある。
図9に示すように、モータジェネレータ101は、モータ及びジェネレータのいずれか一方として機能する装置である。モータジェネレータ101の出力軸は、第1クラッチ2、ディファレンシャルギア4を介して駆動輪5に連結されている。つまり、本実施形態は、トランスミッション3を備えていない。図9は、モータジェネレータ101を動力源として走行している状態を表しており、駆動輪5は、モータジェネレータ101によって回転駆動されている。
モータジェネレータ101は、インバータ(図示せず)を介して駆動用バッテリ102に接続されている。モータジェネレータ101の駆動は、インバータによって制御される。駆動用バッテリ102は、例えば、リチウムイオンバッテリである。
また、モータジェネレータ101及び駆動用バッテリ102は、DC−DCコンバータ(図示せず)を介してACC及びバッテリ10に接続されている。バッテリ10は、例えば、鉛蓄電池である。
モータジェネレータ101が停止している時には、バッテリ10及び駆動用バッテリ102はACCに給電する。モータジェネレータ101がモータとして機能する時(力行時)には、駆動用バッテリ102はモータジェネレータ101に給電する。モータジェネレータ101がジェネレータとして機能する時(減速回生時)には、ACCはモータジェネレータ101によって作動されるとともに、駆動用バッテリ102はモータジェネレータ101によって充電され、バッテリ10はSOCが所定値未満の場合にのみ充電される。
図10に示すように、駆動用バッテリ102には、駆動用バッテリ102の電流を計測するバッテリ電流センサ145、駆動用バッテリ102の電圧を計測するバッテリ電圧センサ146とが設置されている。
回生制御システムERSでは、制御装置31により、減速回生時に、オイルポンプモータ13による減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるとき又はエネルギーロスが発生する高圧蓄圧器14の温度領域にあるときに、その領域外になるように、減速回生をモータジェネレータ101側及びオイルポンプモータ13側に分担させる。
具体的に、制御装置31により、減速回生開始時に、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件又は減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いという条件を満たすか否かを判定する判定制御が実行される(判定工程)。
そして、判定制御によりそれらの条件の一方(オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件又は減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いという条件)を満たすと判定されたときに、制御装置31により、図11に示すように、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をモータジェネレータ101側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御が実行される(分担工程)。
図12は、その制御の一例を示す。
ステップSB1〜ステップSB15は、それぞれ、実施形態1のステップSA1〜ステップSA15に対応する。本実施形態は、実施形態1とほぼ同様の制御である。そこで、以下の説明では、実施形態1と同様の制御については、重複説明を省略する場合がある。
ステップSB5では、制御装置31には、バッテリ電流センサ145及びバッテリ電圧センサ146の計測値(駆動用バッテリ102のSOC及びSOH)が入力される(ステップSB5)。そして、制御装置31は、バッテリ電流センサ145及びバッテリ電圧センサ146の計測値(駆動用バッテリ102のSOC及びSOH)に基づいて、駆動用バッテリ102の充電可能量EBを算出する(ステップSB5)。なお、冷間時には、駆動用バッテリ102の充電可能量EBを0とする。
そして、制御装置31は、オイルポンプモータ13の回生量が、減速回生可能量REから要求電力センサ43の計測値(車両要求電力VE)及び駆動用バッテリ102の充電可能量EBを引いた減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数R2を算出する(ステップSB6)。
ステップSB8では、制御装置31は、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をモータジェネレータ101側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御を実行する。具体的に、オイルポンプモータ13の回生量を減速回生可能量REから車両要求電力VE及び駆動用バッテリ102の充電可能量EBを引いた減算値と、駆動用バッテリ102の充電量を駆動用バッテリ102の充電可能量EBと、モータジェネレータ101の回生発電量を車両要求電力VE及び駆動用バッテリ102の充電可能量EBを足した加算値とする。
また、制御装置31は、車両Cの要求電力を現在値よりも増加させる(ステップSB88)。例えば、冷暖房時には、空調の送風強度を増加させる。そして、制御装置31は、減速回生が終了したときに、制御を終了する。
ステップSB13では、制御装置31は、ステップSB8と同様、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をモータジェネレータ101側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御を実行する。具体的に、オイルポンプモータ13の回生量、駆動用バッテリ102の充電量、及びモータジェネレータ101の回生発電量を、ステップSB8と同様とする。そして、制御装置31は、減速回生が終了したときに、制御を終了する。
ステップSB11では、制御装置31には、バッテリ電流センサ145及びバッテリ電圧センサ146の計測値(駆動用バッテリ102のSOC及びSOH)が入力される(ステップSB11)。そして、制御装置31は、バッテリ電流センサ145及びバッテリ電圧センサ146の計測値(駆動用バッテリ102のSOC及びSOH)に基づいて、駆動用バッテリ102の充電可能量EBを算出する(ステップSB11)。なお、冷間時には、ステップSB8と同様、駆動用バッテリ102の充電可能量EBを0とする。
そして、制御装置31は、要求電力センサ43の計測値(車両要求電力VE)が、減速回生可能量REから駆動用バッテリ102の充電可能量EB及びオイルポンプモータ13の推定回生可能量EHを引いた減算値以上であるか否かを判定する(ステップSB12)。
ステップSB14では、制御装置31は、ステップSB8と同様、第1クラッチ2及び第2クラッチ12の両方を繋ぎ、減速回生をモータジェネレータ101側及びオイルポンプモータ13側に分担させる分担制御を実行する。具体的に、オイルポンプモータ13の回生量をオイルポンプモータ13の推定回生可能量EHと、駆動用バッテリ102の充電量を駆動用バッテリ102の充電可能量EBと、モータジェネレータ101の回生発電量を車両要求電力VE及びバッテリ101の充電可能量EBを足した加算値とする。
また、制御装置31は、ステップSB8と同様、車両Cの要求電力を現在値よりも増加させる(ステップSB14)。そして、制御装置31は、減速回生が終了したときに、制御を終了する。
以上により、本実施形態によれば、実施形態1と同様の効果が得られる。
また、本実施形態によれば、モータジェネレータ101を備えた回生制御システムERSにおいて、減速回生時に、燃費を向上させる又は高圧蓄圧器14のエネルギーロスを低減させることができる。
(その他の実施形態)
前記各実施形態では、減速回生開始時に、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件又は減速回生終了時における高圧蓄圧器14内の空気の推定温度が所定温度よりも高いという条件を満たすか否かを判定したが、それらの条件の一方を満たすか否かを判定してもよい。
また、本発明の趣旨を逸脱しない限り、前記各実施形態の構成要素を任意に組み合わせてもよい。
以上説明したように、本発明に係る車両の回生制御方法及び回生制御システムは、減速回生時に、オイルポンプモータや高圧蓄圧器のエネルギーロスを低減させて燃費を向上させることが必要な用途等に適用することができる。
1 エンジン(原動機)
2 第1クラッチ(原動機側のクラッチ)
5 駆動輪
7 オルタネーター(発電機)
9 減速回生用バッテリ
12 第2クラッチ(オイルポンプモータ側のクラッチ)
14 高圧蓄圧器
31 制御装置
101 モータジェネレータ(原動機、電動発電機)
102 駆動用バッテリ
C 車両
ERS 回生制御システム

Claims (9)

  1. オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータを備えた車両の回生制御方法であって、
    前記車両は、原動機と、前記オイルポンプモータに接続され、加圧下でオイル及びガスを貯留する高圧蓄圧器とをさらに備え、
    前記オイルポンプモータ及び前記原動機は、クラッチを介して駆動輪に連結され、
    減速回生時に、前記オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという第1条件又はエネルギーロスが発生する前記高圧蓄圧器の温度領域にあるという第2条件を満たすか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程により前記第1条件又は前記第2条件を満たすと判定されたときに、前記オイルポンプモータ側のクラッチ及び前記原動機側のクラッチの両方を繋ぎ、減速回生を前記オイルポンプモータ側及び前記原動機側に分担させる分担工程とを含み、
    前記第1条件は、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件であり、
    前記第2条件は、減速回生終了時における前記高圧蓄圧器内のガスの推定温度が所定温度よりも高いという条件であることを特徴とする車両の回生制御方法。
  2. 車両の回生制御システムにおいて、
    クラッチを介して駆動輪に連結され、オイルポンプ及び油圧モータのいずれか一方として機能するオイルポンプモータと、
    前記オイルポンプモータに接続され、加圧下でオイル及びガスを貯留する高圧蓄圧器と、
    クラッチを介して前記駆動輪に連結された原動機と、
    前記オイルポンプモータ及び前記原動機の駆動並びに前記クラッチを制御する制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    減速回生時に、前記オイルポンプモータによる減速回生効率の悪いオイルポンプモータ回転数領域にあるという第1条件又はエネルギーロスが発生する前記高圧蓄圧器の温度領域にあるという第2条件を満たすか否かを判定する判定制御と、
    前記判定制御により前記第1条件又は前記第2条件を満たすと判定されたときに、前記オイルポンプモータ側のクラッチ及び前記原動機側のクラッチの両方を繋ぎ、減速回生を前記オイルポンプモータ側及び前記原動機側に分担させる分担制御とを実行するように構成され
    前記第1条件は、オイルポンプモータ回転数が所定回転数よりも大きいという条件であり、
    前記第2条件は、減速回生終了時における前記高圧蓄圧器内のガスの推定温度が所定温度よりも高いという条件であることを特徴とする車両の回生制御システム。
  3. 請求項2記載の車両の回生制御システムにおいて、
    前記原動機は、エンジンであり、
    前記エンジンに連結された発電機と、
    前記発電機に接続されたバッテリとをさらに備えていることを特徴とする車両の回生制御システム。
  4. 請求項2又は3記載の車両の回生制御システムにおいて、
    前記原動機は、電動発電機であり、
    前記電動発電機に接続されたバッテリをさらに備えたことを特徴とする車両の回生制御システム。
  5. 請求項3又は4記載の車両の回生制御システムにおいて、
    前記制御装置は、前記分担制御では、前記判定制御により前記第1条件を満たすと判定されたときに、前記オイルポンプモータの回生量が、減速回生可能量から前記車両の要求電力及び前記バッテリの充電可能量を引いた減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が前記所定回転数よりも大きいか否かを判定し、前記オイルポンプモータの回生量が前記減算値である時におけるオイルポンプモータ回転数が前記所定回転数よりも大きいと判定されたときに、前記車両の要求電力を増加させるように構成されていることを特徴とする車両の回生制御システム。
  6. 請求項3又は4記載の車両の回生制御システムにおいて、
    前記制御装置は、前記分担制御では、前記判定制御により前記第2条件を満たすと判定されたときに、前記車両の要求電力が、減速回生可能量から前記オイルポンプモータの回生可能量及び前記バッテリの充電可能量を引いた減算値以上であるか否かを判定し、前記車両の要求電力が前記減算値未満であると判定されたときに、前記車両の要求電力を増加させるように構成されていることを特徴とする車両の回生制御システム。
  7. 請求項又は記載の車両の回生制御システムにおいて、
    前記制御装置は、前記分担制御では、冷間時に、前記バッテリの充電可能量を0とするように構成されていることを特徴とする車両の回生制御システム。
  8. 請求項又は請求項を引用する請求項のいずれか1つに記載の車両の回生制御システムにおいて、
    前記制御装置は、前記分担制御では、前記エンジンのポンピングロスを抑制するように構成されていることを特徴とする車両の回生制御システム。
  9. 請求項又は請求項を引用する請求項のいずれか1つに記載の車両の回生制御システムにおいて、
    前記制御装置は、前記オイルポンプモータが油圧モータとして機能する時に、前記オイルポンプモータ側のクラッチ及び前記エンジン側のクラッチの両方を繋ぐように構成されていることを特徴とする車両の回生制御システム。
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