以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の図面において、同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1および図2を参照して、実施の形態1に係る静電選別装置200について説明する。静電選別装置200は、帯電した小片状の樹脂P1,P2を静電界中に落下させることにより静電選別するものである。静電選別装置200は、静電界を形成するための選別電極100と、選別電極100を清掃するための電極清掃装置110と、帯電した樹脂P1,P2を静電界中に供給するための供給部120および搬送装置130と、静電選別された樹脂P1,P2を分離回収するための回収容器140とを主に備えている。
選別電極100は、第1の電極部3と第2の電極部4とを含んでいる。第1の電極部3と第2の電極部4とは、供給部120から供給された帯電樹脂P1,P2が搬送装置130から落下させられる空間を挟んで互いに対向するように配置されている。第1の電極部3は、鉛直方向上方に位置する上方端面5(第3の面)と、第2の電極部4側に面している内側端面6(第1の面)と、内側端面6と反対側に位置する外側端面7(第2の面)とを有している。第2の電極部4は、鉛直方向上方に位置する上方端面5(第6の面)と、第1の電極部3側に面している内側端面6(第4の面)と、内側端面6と反対側に位置する外側端面7(第5の面)とを有している。つまり、内側端面6同士が、樹脂P1,P2が落下させられる領域を挟んで向かい合っている。
第1の電極部3と第2の電極部4とは、いずれも1方向(図1中y方向)に延びるように形成されている。このとき、内側端面6同士は、たとえば互いに平行に設けられていてもよいし、第1の電極部3と第2の電極部4とが上方において下方よりも近接するように線対称に設けられていてもよい。
第1の電極部3と第2の電極部4とは、異なる電圧が印加可能に設けられている。たとえば、第1の電極部3は接地されている一方で、第2の電極部4は高電圧電源150と接続されて高電圧が印加可能に設けられていてもよい。つまり、第1の電極部3と第2の電極部4とは、その間に挟まれている空間に静電界を形成可能に設けられている。
電極清掃装置110は、第1の電極部3および第2の電極部4の上方端面5、内側端面6および外側端面7に対して気体を噴出可能に設けられている噴出装置である。電極清掃装置110(噴出装置)は、第1の電極部3および第2の電極部4の内側端面6に対して所定の角度から気体を噴出可能に設けられている第1噴出部1a(第1の噴出部)と、外側端面7に対して所定の角度から気体を噴出可能に設けられている第2噴出部1bと、上方端面5に対して所定の角度から気体を噴出可能に設けられている第3噴出部2(第2の噴出部)とを含んでいる。
第3噴出部2は、たとえば上方端面5の上方に配置され、好ましくは鉛直方向(z方向)において上方端面5と重なる位置に配置されており、z方向の下向きに気体を噴出可能に設けられている。
第1噴出部1aは、内側端面6の上方において、内側端面6よりも樹脂P1,P2が落下させられる領域側に配置されている。つまり、第1噴出部1aは、樹脂P1,P2が落下させられる領域側から内側端面6に向かって気体を噴出可能に設けられている。第2噴出部1bは、第1噴出部1aに対して第3噴出部2を挟んで反対側の位置に配置されている。
このとき、第3噴出部2が上方端面5と重なる位置に配置されたときに、第1噴出部1aおよび第2噴出部1bは、噴出される気体が上方端面5に衝突しないように配置されているのが好ましい。異なる観点からいえば、上方端面5に衝突する気体は、すべて第3噴出部2から噴出されたものであり、内側端面6に衝突する気体は第1噴出部1aおよび第3噴出部2から噴出されたものであり、外側端面7に衝突する気体は第2噴出部1bおよび第3噴出部2から噴出されたものであるのが好ましい。
第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2の吹き出し口の形状は、いずれも任意の形状とすることができるが、たとえば平型ノズルや単孔型ノズルとして構成されていてもよい。第3噴出部2の吹き出し口の開口面積は、第1噴出部1aおよび第2噴出部1bの吹き出し口の開口面積よりも小さくなるように設けられているのが好ましい。
図2を参照して、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2は、いずれも選別電極100のうちの1部分に対してのみ同時に気体を噴出可能に設けられていればよい。言い換えると、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2は、図1および図2中y方向に選別電極100に沿って延びるように形成されていなくてもよい。
電極清掃装置110を構成する第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2は、いずれも支持部材10に支持されており、駆動装置11により少なくとも1方向(図1中y方向)に支持部材10を駆動可能に設けられている。支持部材10は、任意の構成を有していればよいが、たとえば選別電極100の上方において外側端面7側から上方端面5の直上を通って内側端面6側に延びるように形成されていてもよい。駆動装置11は第1の電極部3および第2の電極部4の延在方向に沿って支持部材10を駆動可能に設けられている。駆動装置11は、たとえば電動アクチュエーターである。なお、駆動装置11は、電極清掃装置110を選別電極100から十分に離れた位置に移動可能に設けられているのが好ましい。
第1噴出部1a、第2噴出部1b、第3噴出部2、支持部材10、および配管12を構成する材料は電気的絶縁性を有する任意の材料で構成されているのが好ましく、たとえばPPS(Poly Phenylene Sulfide Resin)、PMMA(polymenthyl methacrylate)、PTFE(polytetrafluoroethylene)等である。
第1噴出部1a、第2噴出部1b、第3噴出部2、支持部材10、および配管12が構成されている領域は、第1の電極部3と第2の電極部4との間に挟まれており静電界が形成される領域よりも小さくなるように設けられている。
第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2は、それぞれ配管12および気体流量制御部13を介して気体供給源14と接続されている。つまり、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2と気体流量制御部13との間は、それぞれ独立した3つの配管12によって接続されている。気体流量制御部13は、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2に対し、所定のタイミングで所定量の気体を供給可能に設けられていればよく、たとえばシーケンサと電磁弁とを組み合わせて用いて電磁弁の開閉を制御可能に設けられている。このとき、第3噴出部2ならびにこれと接続されている配管12および気体流量制御部13は、第1噴出部1aや第2噴出部1b、およびこれらと接続されている配管12や気体流量制御部13などと比べて低流量で、かつ高風速に気体を噴出可能に設けられている。
供給部120は、樹脂P1,P2を帯電させることができるとともに、帯電させた樹脂P1,P2混合体を第1の電極部3および第2の電極部4の間の領域に供給可能に設けられている。供給部120は、たとえば複数種の樹脂が混合された混合物を撹拌可能に設けられており、当該撹拌に伴い樹脂同士を互いに摩擦帯電させることができる。供給部120は、樹脂P1,P2混合体を第1の電極部3および第2の電極部4の間の領域に直接供給可能に設けられていてもよいが、供給部120には搬送装置130が敷設されており、搬送装置130によって樹脂P1,P2混合体を第1の電極部3および第2の電極部4の間の領域に供給可能に設けられていてもよい。
搬送装置130は、供給部120から供給された樹脂P1,P2混合体を第1の電極部3および第2の電極部4の間の領域に搬送可能に設けられている。搬送装置130は、たとえば振動フィーダーであり、振動によって樹脂P1,P2を搬送装置130の表面(図1中xy平面)に渡って均一性よく分散させることができる。搬送装置130の端部は、第1の電極部3と第2の電極部4との間の領域の鉛直方向上方に配置されている。つまり、供給部120から搬送装置130上に供給された樹脂P1,P2は、図1中のx方向と反対方向に搬送されながら均一性良くxy平面内に分散されて、上記領域内に自由落下させられる。
回収容器140は、第1の電極部3と第2の電極部4との間の領域の下方であって、第1の電極部3および第2の電極部4の下方に配置されている。第1の回収容器141は、第1の電極部3により引き寄せられた樹脂P1および微細な樹脂材料Aを回収可能に設けられており、第2の回収容器142は、第2の電極部4で選別された樹脂P2および微細な樹脂材料Aを回収可能に配置されている。つまり、回収容器141,142は、それぞれ第1の電極部3または第2の電極部4の延在方向であるy方向において第1の電極部3または第2の電極部4と同等以上の長さを有するように設けられているのが好ましい。また、回収容器141,142は、第1の電極部3または第2の電極部4の延在方向に垂直な方向(図1および図2中x方向)において第1の電極部3または第2の電極部4の当該垂直方向における幅よりも十分に長くなるように設けられているのが好ましい。具体的には、選別された樹脂P1,P2を確実に回収できるとともに、第1の電極部3に付着・堆積しており電極清掃装置110により吹き落された樹脂材料Aは回収容器141に、第2の電極部4に付着・堆積しており電極清掃装置110により吹き落された樹脂材料Aは回収容器142に、それぞれ回収可能なように設けられているのが好ましい。
なお、第1の電極部3に対する電極清掃装置110と、第2の電極部4に対する電極清掃装置110とは、少なくともいずれか一方が複数の噴出部(第1噴出部1a、第2噴出部1b、第3噴出部2)として構成されており、他方が単一の噴出部として構成されていてもよい。
次に、実施の形態1の静電選別装置の動作について説明する。
まず、供給部120において、小片状に形成されており材質の異なる樹脂P1と樹脂P2との混合物は任意の帯電処理を施されてされることにより互いに摩擦され、一方は正に、他方は負に帯電する。その後、帯電させた樹脂P1,P2を搬送装置130に供給する。搬送装置130は、樹脂P1,P2を第1の電極部3と第2の電極部4との間に形成されている静電界中に自由落下させる。つまり、樹脂P1,P2が搬送装置130に供給される前に、あらかじめ第1の電極部3は接地されているとともに、第2の電極部4には高電圧電源150により所定の高電圧が印加されている。
第1の電極部3と第2の電極部4とに挟まれている空間に形成されている静電界に供給された、帯電された樹脂P1,P2はクーロン力によってそれぞれ第1の電極部3または第2の電極部4に引き寄せられる。具体的には、樹脂P1,P2のうち、負に帯電している一方の樹脂は第1の電極部3に、正に帯電している他方の樹脂は第2の電極部4にそれぞれ引き寄せられてそれぞれ変位し、分離される。第1の電極部3に引き寄せられた樹脂P1は第1の回収容器141に、第2の電極部4に引き寄せられた樹脂P2は第2の回収容器142に回収される。
次に、図3を参照して、実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法について説明する。静電選別装置200の清掃方法は、静電選別装置200の動作に伴う以下のような問題に対処するためのものである。
上述のように、静電選別装置200を動作させると、樹脂P1,P2の混合物は第1の電極部3と第2の電極部4の間に形成される静電界中においてクーロン力により選別される。このとき、供給部120から静電選別装置200に投入される樹脂P1,P2混合物には、高い比電荷を有する粒径1mm以下の粉状や薄板状の微細な樹脂材料Aが含まれている。このような微細な樹脂材料Aは、質量に対する帯電量が大きく、上記静電界中を落下する際に第1の電極部3または第2の電極部4に極度に引き寄せられ、それらの上方端面5、内側端面6、または外側端面7などに付着し堆積する。
このように第1の電極部3や第2の電極部4に付着し堆積した樹脂材料Aは、第1の電極部3や第2の電極部4と逆極性に帯電しているため、対向配置されている第1の電極部3と第2の電極部4との間の電界強度を低下させ選別性能を低下させる。
さらに、このような上方端面5、内側端面6、または外側端面7などの上の微細な樹脂材料Aの堆積層が、動作時間の経過とともに一定以上の厚みを有するまでに成長すると、第1の電極部3や第2の電極部4とそれらの表面上に堆積した微細な樹脂材料Aとの間で電位差が生じることとなり、その結果当該電位差により微細な樹脂材料Aの堆積層内で放電が発生してしまう。このような第1の電極部3や第2の電極部4の表面上での放電により生じた電荷は、これら選別電極100間の上記静電界を落下中の樹脂P1,P2の帯電を打ち消してしまうため、静電選別装置200の樹脂P1,P2の選別性能を低下させる。
そこで、実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法は、静電選別装置200の選別性能の低下を抑制するために実施されるものであり、選別電極100の上方端面5、内側端面6、または外側端面7などに付着し堆積した微細な樹脂材料Aを除去する方法である。
たとえば、微細な樹脂材料Aが放電を生じさせない程度まで堆積したところで、実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法を実施する。はじめに、電極清掃装置110が選別電極100に対して所定の位置に配置される。具体的には、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2が、駆動装置11により、それぞれ内側端面6、外側端面7、および上方端面5に近接する位置に配置される。好ましくは、電極清掃装置110は、選別電極100の上方に配置される。より好ましくは、第3噴出部2と上方端面5との距離が、第1噴出部1aと内側端面6との距離や第2噴出部1bと外側端面7との距離よりも短くなるように配置される。また、このとき電極清掃装置110は、図1中y方向において選別電極100の所定の位置に配置されていればよく、たとえば図2を参照して選別電極100の一方の端部に配置されている。このとき、第2の電極部4には高電圧電源150により高電圧が印加されている。つまり、選別電極100の間には静電界が形成されており静電選別装置200がオンの状態のまま、すなわち静電選別を行いながら実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法を実施することができる。
次に、電極清掃装置110から気体を噴出させる(工程(S10))。具体的には、気体供給源14から配管12を介して第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2に気体を供給し、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2から第1の電極部3や第2の電極部4に対して当該気体を噴出する。供給する気体は、静電選別装置200の動作に影響を与えない限りにおいて任意の気体とすればよく、たとえば空気である。また、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2に供給する気体の流量は、気体流量制御部13によりそれぞれ独立に制御され得る。そのため、第3噴出部2により上方端面5に対して噴出される気体の流量が、第1噴出部1aや第2噴出部1bにより内側端面6や外側端面7に対して噴出される気体の流量よりも少なくなるように制御されるのが好ましい。このとき、上述のように、第3噴出部2の吹き出し口の形状は、第1噴出部1aや第2噴出部1bの吹き出し口の形状よりも小さく形成されているため、第3噴出部2に供給される気体が低流量であっても、上方端面5に対して高風速で当該気体を噴出させることができる。
これにより、上方端面5上にクーロン力を受けて引き寄せられて付着し堆積していた樹脂材料Aは、その静電的な吸着力よりも大きな圧力を第3噴出部2から噴出された気体から受けることにより、上方端面5から吹き落される。また、内側端面6や外側端面7上に堆積していた樹脂材料Aは、その静電的な吸着力よりも大きな圧力を第1噴出部1aまたは第2噴出部1bから噴出された気体から受けることにより、内側端面6や外側端面7から吹き落される。
吹き落された樹脂材料Aは、第1噴出部1aや第2噴出部1bから噴出された気体による圧力および重力を受けて落下し、第1の電極部3の下に配置されている回収容器141または第2の電極部4の下に配置されている回収容器142に回収される。このようにして、選別電極100において電極清掃装置110による気体の噴出を受けた部分は、付着し堆積していた樹脂材料Aが吹き落されて、付着・堆積している樹脂材料Aによる放電の発生を抑制し、樹脂P1,P2の選別性能の低下を抑制することができる。
次に、電極清掃装置110を第1の電極部3および第2の電極部4に対して相対的に移動させる(工程(S20))。具体的には、駆動装置11により電極清掃装置110を選別電極100の延在方向(図2中のy方向(図2中の駆動方向あるいはその逆方向))に駆動させる。このとき、第1噴出部1a、第2噴出部1b、および第3噴出部2は、駆動装置11により選別電極100に対して相対的に移動しながら、気体の噴出を連続して行うことができる。電極清掃装置110が駆動装置11によって選別電極100の延在方向(y方向)の一方の端部から他方の端部まで気体を噴出しながら移動することにより、選別電極100の上方端面5、内側端面6、外側端面7の全面に渡って付着し堆積した微細な樹脂材料Aを吹き落すことができる。電極清掃装置110を選別電極100の延在方向の全域に渡って移動させることにより、静電選別装置200の清掃方法は終了する。静電選別装置200の清掃終了後、電極清掃装置110は駆動装置11によって選別電極100から十分に距離が離れた位置に移動し、待機する。
なお、静電選別装置200の清掃方法は、静電選別装置200による静電選別動作が継続されている限りにおいて繰り返し実施されるのが好ましいが、定期的(一定時間ごと)に実施してもよいし、選別電極100上の微細な樹脂材料Aの堆積程度に応じて実施してもよい。たとえば、供給部120から選別電極100間に供給される樹脂P1,P2混合物の供給量が、選別電極100のy方向の単位長さ当たり3kg/m・min程度である場合には、15分以上の間隔を開けて定期的に実施するのが好ましく、60分以上の間隔を開けて定期的に実施するのがより好ましい。
また、静電選別装置200の清掃方法は、選別電極100の上方端面5、内側端面6、または外側端面7などに付着し堆積した微細な樹脂材料Aを除去する方法として実施されるだけでなく、選別電極100の上方端面5、内側端面6、または外側端面7などへの微細な樹脂材料Aの付着、堆積を予防し抑止する方法として実施されてもよい。
次に、実施の形態1に係る静電選別装置200およびその清掃方法の作用効果について説明する。
実施の形態1に係る静電選別装置200は、上方端面5、内側端面6、外側端面7の各々に対して気体を噴出可能に設けられているとともに、第1の電極部3および第2の電極部4に対して相対的に移動可能に設けられている電極清掃装置110(噴出装置)を備えている。
具体的には、実施の形態1に係る電極清掃装置110は、内側端面6に対して気体を噴出可能な第1噴出部1aと、外側端面7に対して気体を噴出可能な第2噴出部1bと、上方端面5に対して気体を噴出可能な第3噴出部2とで構成されている。
これにより、選別電極100の広い範囲に渡って、その表面(上方端面5、内側端面6、外側端面7)に付着、堆積した微細な樹脂材料Aを除去することができる。
さらに、内側端面6に対して気体を噴出可能に設けられている第1噴出部1aは、内側端面6の上方において、内側端面6よりも樹脂P1,P2が落下させられる領域側に配置されている。つまり、第1噴出部1aは、樹脂P1,P2が落下させられる領域側から外側端面7側に向かって気体を噴出可能に設けられている。
そのため、電極清掃装置110から噴出される気流が第1の電極部3と第2の電極部4との間に形成される静電界に進入することを抑制することができる。たとえば、第3噴出部2から噴出された気体は上方端面5およびそれに付着堆積した樹脂材料Aに衝突して内側端面6側および外側端面7側に向かう気流を生じさせるが、内側端面6側に向かう気流は第1噴出部1aから噴出される気流により樹脂P1,P2が落下させられる領域側に進入することを抑制することができる。
その結果、静電界中において樹脂P1,P2がクーロン力を受けて変位し選別される際に、当該気流によって樹脂P1,P2の変位が妨げられることを防止することがでる。つまり、電極清掃装置110は静電選別装置200による静電選別性能に影響を与えない。そのため、実施の形態1に係る静電選別装置200によれば、樹脂P1,P2の選別を行いながら、静電選別装置200の清掃方法を実施することができる。
さらに、電極清掃装置110が選別電極100に対して相対的に移動可能に形成されていることにより、電極清掃装置110の吹き出し口が狭く設けられていても選別電極100の広範囲に渡って清掃を行うことができる。この結果、電極清掃装置110から噴出される気体の流量を増加させることなく、選別電極100に付着、堆積した樹脂材料Aを除去することができる。
また、第3噴出部2ならびにこれと接続されている配管12および気体流量制御部13は、第1噴出部1aや第2噴出部1b、およびこれらと接続されている配管12や気体流量制御部13などと比べて低流量で、かつ高風速に気体を噴出可能に設けられている。そのため、第3噴出部2から噴出された気体により、上方端面5に付着、堆積している樹脂材料Aをより効果的に除去することができる。さらにこのとき、第3噴出部2からから噴出された気体は上方端面5と衝突して内側端面6側に向かう気流を生じさせるが、第3噴出部2から噴出される気体は低流量であるため、当該気流が第1の電極部3と第2の電極部4との間に形成される静電界に進入することを抑制することができる。その結果、静電界中において樹脂P1,P2がクーロン力を受けて変位し選別される際に、当該気流によって樹脂P1,P2の変位が妨げられることがなく、静電選別装置200による静電選別性能に影響を与えることがない。
また、第3噴出部2と上方端面5との距離が、第1噴出部1aと内側端面6との距離や第2噴出部1bと外側端面7との距離よりも短くなるように配置される。これにより、第3噴出部2から噴出される気体をより低流量としても上方端面5に付着し、堆積した樹脂材料Aを十分に除去することができる。
(実施の形態2)
次に、図4〜図6を参照して、実施の形態2に係る静電選別装置200について説明する。実施の形態2に係る静電選別装置200は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の構成を備えるが、第1噴出部1aによる気体の噴出方向a1が所定の範囲内に限定されている点で異なる。具体的には、第1噴出部1aは、選別電極100の内側端面6に対する気体の噴出角度θが、0°<θ<90°となるように設けられている。
図4を参照して、噴出角度θは、第1噴出部1aによる気体の噴出方向a1と内側端面6に垂直な方向a2とが選別電極100の延在方向に垂直な面(xz平面)内において成す角度である。
図5を参照して、噴出角度θを0°としたとき、すなわち第1噴出部1aによる気体の噴出方向a1と内側端面6に垂直な方向a2とが重なるように電極清掃装置110が選別電極100に対して配置されたときには、第1噴出部1aから噴出された気体が内側端面6およびそれに付着堆積した樹脂材料Aと衝突することにより下方だけでなく上方に向かう気流も生じることになる。そのため、当該上方への気流に巻き込まれた樹脂材料Aは、選別電極100の上方に舞い上げられて周囲に飛散する。この結果、上方に飛散した樹脂材料Aは、一部が選別電極100に再付着するとともに、他の一部が回収容器140の外へ飛散する場合がある。
また、図6を参照して、噴出角度θを90°としたとき、すなわち第1噴出部1aによる気体の噴出方向a1が内側端面6と平行となるように電極清掃装置110が選別電極100に対して配置されたときには、選別電極100に対して第1噴出部1aが配置される位置によっては第1噴出部1aから噴出された気体が上方端面5およびそれに付着堆積した樹脂材料Aとも衝突する場合がある。そのため、内側端面6に沿って下方に向かう気流は、第1噴出部1aから噴出された気体の一部が上方端面5と衝突することにより、弱まることになる。その結果、図6に示すように、内側端面6に付着、堆積した樹脂材料Aを十分に吹き落すことが困難となり、樹脂材料Aの清掃ムラが生じる場合がある。
つまり、実施の形態2において、第1噴出部1aは、選別電極100の内側端面6に対する気体の噴出角度θが0°<θ<90°となるように設けられていることにより、樹脂材料Aの再付着や内側端面6の清掃ムラの発生を抑制することができる。
また、第2噴出部1bについても、第1噴出部1aと同様に設けられていてもよい。つまり、第2噴出部1bは、選別電極100の外側端面7に対する気体の噴出角度θが、0°<θ<90°となるように設けられていてもよい。この場合、噴出角度θは、第2噴出部1bによる気体の噴出方向と外側端面7に垂直な方向とが選別電極100の延在方向に垂直な面(xz平面)内において成す角度である。このようにすれば、第2噴出部1bは、選別電極100の外側端面7に対する気体の噴出角度θが0°<θ<90°となるように設けられていることにより、樹脂材料Aの再付着や外側端面7の清掃ムラの発生を抑制することができる。
(実施の形態3)
次に、図7を参照して、実施の形態3に係る静電選別装置200について説明する。実施の形態3に係る静電選別装置200は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の構成を備えるが、排気ダクト180を備えている点で異なる。
排気ダクト180は、電極清掃装置110から噴出される気体の下流側であって選別電極100よりも下流側にその吸い込み口181が配置されている。つまり、排気ダクト180は、電極清掃装置110から噴出される気体を吸い込んで排気すると同時に、当該気体によって吹き落された微細な樹脂材料Aを吸い込んで回収することができる。排気ダクト180の吸い込み口181は、電気的絶縁性を有する材料により構成されており、たとえば樹脂で構成されている。
排気ダクト180は、その吸い込み口181が選別電極100の延在方向(y方向)に延びるように形成されていてもよい。あるいは、排気ダクト180は、電極清掃装置110から噴出され生じる気流Gの下流側に配置されるように、駆動装置11による電極清掃装置110の移動に合わせて移動可能に設けられていてもよい。
この場合、電極清掃装置110に対して第1の電極部3よりも下流側に配置されている排気ダクト180は、第1の電極部3に引き寄せられて付着、堆積した樹脂材料Aを回収することができ、電極清掃装置110に対して第2の電極部4よりも下流側に配置されている排気ダクト180は、第2の電極部4に引き寄せられて付着、堆積した樹脂材料Aを回収することがでる。
これにより、第1の電極部3に付着、堆積した樹脂材料Aは、一部が排気ダクト180により吸引されて回収されるとともに、残りが回収容器141に落下し回収される。また、第2の電極部4に付着、堆積した樹脂材料Aは、一部が排気ダクト180により吸引されて回収されるとともに、残りが回収容器142に落下し回収される。このようにすれば、電極清掃装置110から噴出される気体によって選別電極100から吹き落された樹脂材料Aが当該気体の気流により回収容器140の外部に飛散してしまうことを防止することができる。
また、電極清掃装置110は、第1噴出部1aおよび第3噴出部2の2つの噴出部で構成されていてもよく、第2噴出部1bが構成されていなくてもよい。この場合、第3噴出部2は、選別電極100の上方端面5を経て排気ダクト180に至る気流Gを発生可能に設けられている限りにおいて、上方端面5に対して所定の角度を形成するように設けられていてもよい。好ましくは、内側端面6側から外側端面7側に向かって気流Gを発生可能に設けられている。このようにすれば、選別電極100から吹き落された樹脂材料Aが第1の電極部3と第2の電極部4との間に形成される静電界中に再び投入されてそれらに再付着することを防止することができる。
また、支持部材10は、選別電極100の下方から内側を通って選別電極100の上方まで延在するように形成されていてもよい。上述のように、支持部材10は電気的絶縁性を有する材料で構成されているとともに、選別電極100の延在方向(y方向)における幅が選別電極100に比べて十分に狭く設けられていれば、選別電極100による樹脂P1,P2の選別性能に影響を与えることなく選別電極100を清掃することができる。
(実施の形態4)
次に、図8を参照して、実施の形態4に係る静電選別装置200について説明する。実施の形態4に係る静電選別装置200は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の構成を備えるが、電極清掃装置110が上方端面5に沿った第1の方向(図8中のy方向)、および第1の方向と異なる第2の方向(図8中のx方向)に移動可能に設けられている点で異なる。
具体的には、電極清掃装置110は、選別電極100に対して選別電極100の延在方向(図8中y方向)に移動させる駆動装置11と、選別電極100の厚み方向(図8中x方向)に移動させる駆動装置15との2軸の駆動機構により移動可能に設けられている。
図8に示すように、この場合には、たとえば電極清掃装置110は1つの噴出部のみにより構成されていてもよい。電極清掃装置110が1つの噴出部にのみにより構成される場合には、電極清掃装置110は、第3噴出部2と同様の構成を備える1つの噴出部のみにより構成されているのが好ましい。
実施の形態4に係る静電選別装置200は、駆動装置11および駆動装置15からなる2軸の駆動機構を備えるため、上方端面5、内側端面6、および外側端面7を1つの噴出部で清掃することができる。つまり、1つの噴出部によって、選別電極100の広い範囲に渡ってその表面(上方端面5、内側端面6、外側端面7)に付着、堆積した微細な樹脂材料Aを除去することができ、電極清掃装置110を構成する噴出部の数を少なくすることができる。そのため、選別電極100と近接することにより噴出部において生じ得る放電の発生リスクを低減することができる。
次に、実施の形態4に係る静電選別装置200の清掃方法について説明する。実施の形態4に係る静電選別装置200の清掃方法は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法と同様の構成を備えるが、電極清掃装置110を第1の電極部3および第2の電極部4に対して相対的に移動させる工程(S20)において、選別電極100の厚み方向(図8中x方向)にも移動させる点で異なる。
具体的には、電極清掃装置110を第1の電極部3および第2の電極部4に対して相対的に移動させる工程(S20)において、まず、駆動装置11により選別電極100の延在方向において電極清掃装置110を移動させた後、駆動装置15により選択電極の厚み方向にも移動させることにより、当該延在方向において同一部分に位置する内側端面6、上方端面5、および外側端面7に対して順番に(内側端面6から外側端面7に、あるいは外側端面7から内側端面6に)気体を噴出することができる。その結果、選別電極100の当該延在方向において同一部分に位置する内側端面6、上方端面5、および外側端面7に付着、堆積していた樹脂材料Aを吹き落すことができる。その後、再び駆動装置11により電極清掃装置110を当該延在方向に移動させるとともに、駆動装置15を先ほどの駆動方向とは逆方向に駆動させることにより、選別電極100を連続して清掃することができる。
また、電極清掃装置110の吹き出し口の向き(実施の形態2における噴出角度θ)が、内側端面6に対して斜め(0°<θ<90°)になるように設けられていてもよい。さらに、電極清掃装置110は、複数の噴出部を有していてもよく、たとえば上記のように吹き出し口の向きが内側端面6に対して斜めになるように設けられている第1噴出部1aと、吹き出し口の向きが外側端面7に対して斜めになるように設けられている第2噴出部1bとを有していてもよい。
なお、実施の形態4に係る静電選別装置200の清掃方法は、上記方法に限られるものではない。たとえば選別電極100の上方端面5、内側端面6、および外側端面7のそれぞれに対して順番に実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法を実施してもよい。具体的には、まず、選別電極100の上方端面5、内側端面6、および外側端面7のいずれか1面に対して実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法と同様に選別電極100の延在方向に沿って清掃を行ってもよい。たとえば、駆動装置15により電極清掃装置110を内側端面6の上方に移動させた後、電極清掃装置110から気体を噴出させながら駆動装置11により選別電極100の延在方向に沿って移動させることにより、内側端面6に対して実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法と同様の清掃を実施する。次に、駆動装置15によって電極清掃装置110を選別電極100の厚み方向に移動させて、その他の1面、たとえば上方端面5に対して同様に清掃を実施する。その後さらに残りの1面、たとえば外側端面7に対して同様に清掃を実施する。このようにしても、第1の電極部3や第2の電極部4の表面上に付着、堆積した微細な樹脂材料Aを除去することができるため、樹脂材料Aに起因した放電の発生を抑制することができ、静電選別装置200による樹脂P1,P2の選別性能の低下を防止することができる。
(実施の形態5)
次に、図9を参照して、実施の形態5に係る静電選別装置200について説明する。実施の形態5に係る静電選別装置200は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の構成を備えるが、電極清掃装置110が第1の電極部3または第2の電極部4に対する気体の噴出角度を変更可能に設けられている点で異なる。
具体的には、電極清掃装置110は回転駆動部17上に設けられている。回転駆動部17は、たとえば支持部材10の端部に設けられており、選別電極100の延在方向に垂直な面(図9中xz平面)上において当該端部を中心として回転駆動可能に設けられている。このとき、配管12は、支持部材10の内部から回転駆動部17の内部に引き回されており、回転駆動部17によって電極清掃装置110が任意の噴出角度となるように回転された場合にも、当該電極清掃装置110に気体を供給可能に設けられている。
このようにすれば、電極清掃装置110は回転駆動部17によって選別電極100の広い範囲に渡って気体を噴出することができるため、電極清掃装置110を構成する噴出部の数を少なくすることができる。そのため、選別電極100と近接することにより噴出部において生じ得る放電の発生リスクを低減することができる。
このとき、電極清掃装置110は、選別電極100の少なくとも上方端面5および内側端面6に対して気体を噴出可能に設けられている限りにおいて、任意の位置に配置されていればよいが、たとえば第1の電極部3と第2の電極部4との間に配置されている。このようにすれば、電極清掃装置110は、上方端面5および内側端面6のいずれに対して気体を噴出している場合にも、第1の電極部3の内側端面6側から外側端面7側に向かって気体を噴出することができる。その結果、実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の効果を奏することができる。
実施の形態5に係る静電選別装置200の清掃方法は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法と同様の構成を備えるが、電極清掃装置110を第1の電極部3および第2の電極部4に対して相対的に移動させる工程(S20)において、回転駆動部17により選別電極100の延在方向に対して垂直な面(図9中xz平面)内において電極清掃装置110を回転駆動させる点で異なる。
具体的には、電極清掃装置110を第1の電極部3および第2の電極部4に対して相対的に移動させる工程(S20)において、まず、駆動装置11により選別電極100の延在方向において電極清掃装置110を移動させた後、回転駆動部17により選択電極の延在方向に垂直な面内に電極清掃装置110を回転駆動させることにより、当該延在方向において同一部分に位置する内側端面6、上方端面5、および外側端面7に対して順番に(内側端面6から外側端面7に、あるいは外側端面7から内側端面6に)気体を噴出することができる。その結果、選別電極100の当該延在方向において同一部分に位置する内側端面6、上方端面5、および外側端面7に付着、堆積していた樹脂材料Aを吹き落すことができる。その後、再び駆動装置15により電極清掃装置110を当該延在方向に移動させるとともに、駆動装置16を先ほどの駆動方向とは逆方向に駆動させることにより、選別電極100を連続して清掃することができる。
また、まず、選別電極100の上方端面5、内側端面6、および外側端面7のいずれか1面に対して、回転駆動部17を所定の位置に固定した状態で実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法と同様に選別電極100の延在方向に沿って清掃を行ってもよい。たとえば、駆動装置11により電極清掃装置110を内側端面6の上方に移動させた後、電極清掃装置110から気体を噴出させながら駆動装置11により選別電極100の延在方向に沿って移動させることにより、内側端面6に対して実施の形態1に係る静電選別装置200の清掃方法と同様の清掃を実施する。次に、回転駆動部17によって電極清掃装置110を回転駆動させることにより、その他の1面、たとえば上方端面5に対して同様に清掃を実施する。その後さらに残りの1面、たとえば外側端面7に対して同様に清掃を実施する。このようにしても、第1の電極部3や第2の電極部4の表面上に付着、堆積した微細な樹脂材料Aを除去することができるため、樹脂材料Aに起因した放電の発生を抑制することができ、静電選別装置200による樹脂P1,P2の選別性能の低下を防止することができる。
(実施の形態6)
次に、図10を参照して、実施の形態6に係る静電選別装置200について説明する。実施の形態6に係る静電選別装置200は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の構成を備えるが、電極清掃装置110が第1の電極部3または第2の電極部4の下方端面8に対しても気体を噴出可能に設けられている点で異なる。
選別電極100の下方端面8は、選別電極100の上方端面5と反対側に位置する面であり、内側端面6と外側端面7とに接続されている。
電極清掃装置110は、第1噴出部1a、第2噴出部1b、第3噴出部2に加えて、選別電極100の下方から下方端面8に対して気体を噴出可能に設けられている第4噴出部9を備えている。
第4噴出部9は、支持部材10上に形成されており、配管12および気体流量制御部13を介して気体供給源14と接続されている。第4噴出部9は、第1噴出部1aと同様に、第4噴出部9の吹き出し口の開口面積が第1噴出部1aおよび第2噴出部1bの吹き出し口の開口面積よりも小さくなるように設けられているのが好ましい。このようにすれば、第4噴出部9から低流量でも高風速な気流を生じさせることができる。
下方端面8上へ微細な樹脂材料Aが堆積していく速さ、すなわち単位時間あたりの堆積量は、上方端面5、内側端面6、および外側端面7と比べると少ないが、堆積が抑制されている訳ではない。そのため、電極清掃装置110が第4噴出部9を含み、第4噴出部9から下方端面8に対して気体を噴出することにより、下方端面8に堆積した樹脂材料Aに起因した放電の発生を抑制することができる。
また、電極清掃装置110から噴出される気流が第1の電極部3と第2の電極部4との間に形成される静電界に進入することを抑制することができる。第4噴出部9は選別電極100の下方から上方に向かう気流を生じさせ、また、第4噴出部9から噴出された気体は下方端面8に衝突して内側端面6側および外側端面7側に向かう気流を生じさせるが、第1噴出部1aから噴出された気体によって生じる上方から下方へ向かう気流によって電極清掃装置110から噴出される気流が第1の電極部3と第2の電極部4との間に形成される静電界に進入することを抑制することができる。その結果、静電界中において樹脂P1,P2がクーロン力を受けて変位し選別される際に、当該気流によって樹脂P1,P2の変位が妨げられることがなく、静電選別装置200による静電選別性能に影響を与えることがない。
(実施の形態7)
次に、図11を参照して、実施の形態7に係る静電選別装置200について説明する。実施の形態7に係る静電選別装置200は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の構成を備えるが、第1の電極部3および第2の電極部4の周囲の雰囲気を加湿するための加湿部材18をさらに備える点で異なる。
加湿部材18は、たとえば電極清掃装置110に気体を供給するための配管12に付設されており、配管12を流通する気体、すなわち電極清掃装置110から噴出される気体を加湿可能に設けられている。加湿部材18は、任意の方法により気体を加湿可能に設けられていればよいが、たとえば超音波振動子を用いて水を振動させて、気体中に霧状の微細な水滴を生じさせてもよいし、熱抵抗を利用して水を加熱し気化させてもよい。
加湿部材18により加湿され配管12を通って電極清掃装置110に供給された気体は、選別電極100に対して噴出される。これにより、電極清掃装置110から噴出された気体により、選別電極100(第1の電極部3および第2の電極部4)の周囲の雰囲気を加湿することができる。その結果、第1の電極部3および第2の電極部4に付着、堆積している微細な樹脂材料Aの表面に水分が供給されるため、樹脂材料Aの表面抵抗率が低下し樹脂材料Aの帯電は直ちに失われる。これにより、選別電極100に対する樹脂材料Aの静電気的な付着力は失われるので、選別電極100の周囲の雰囲気を加湿しない場合と比べて容易に樹脂材料Aを除去することができる。そのため、樹脂材料Aの除去に必要な気体の流量を低減することもできる。
電極清掃装置110が複数の噴出部(第1噴出部1a、第2噴出部1b、第3噴出部2)を含む場合には、加湿部材18はそれぞれに接続されている配管12のいずれにも付設されているのが好ましいが、少なくとも第3噴出部2に接続されている配管12に付設されていればよい。これにより、第3噴出部2から噴出される気体の流量を低減しても、上方端面5に付着、堆積している樹脂材料Aを容易に取り除くことができる。
また、加湿部材18は電極清掃装置110から噴出される気体を加湿可能に設けられているものに限られない。図12を参照して、選別電極100の周囲に配置されて、選別電極100の周囲の雰囲気を加湿可能に設けられていてもよい。加湿部材18は、たとえば選別電極100の周囲にミスト19を放出可能に設けられていればよい。この場合、加湿部材18は、少なくとも選別電極100の上方側に位置する雰囲気を加湿可能に設けられていればよい。このようにしても、電極清掃装置110から噴出される気体により生じる気流によって選別電極100の下方に位置する雰囲気も加湿することができ、選別電極100の全周囲の雰囲気を加湿することができる。
(実施の形態8)
次に、図13を参照して、実施の形態8に係る静電選別装置200について説明する。実施の形態8に係る静電選別装置200は、基本的には実施の形態1に係る静電選別装置200と同様の構成を備えるが、第1の電極部3および第2の電極部4の各々に付着した樹脂材料Aを加熱するための加熱部材20をさらに備える点で異なる。
加熱部材20は、たとえば電極清掃装置110に気体を供給するための配管12に付設されており、配管12を流通する気体、すなわち電極清掃装置110から噴出される気体を加熱可能に設けられている。加熱部材20は、任意の方法により気体を加熱可能に設けられていればよいが、たとえば熱抵抗を用いて気体を加熱してもよい。
加熱部材20により加熱され配管12を通って電極清掃装置110に供給された気体は、選別電極100に対して噴出される。これにより、電極清掃装置110から噴出された気体により、選別電極100(第1の電極部3および第2の電極部4)の周囲に付着、堆積している樹脂材料Aを加熱することができる。その結果、第1の電極部3および第2の電極部4に付着、堆積している微細な樹脂材料Aの表面の分子運動が活発化して脱分極が促進されるため、樹脂材料Aの帯電は直ちに失われる。これにより、選別電極100に対する樹脂材料Aの静電気的な付着力は失われるので、選別電極100の周囲に付着、堆積している樹脂材料Aを加熱しない場合と比べて容易に樹脂材料Aを除去することができる。そのため、樹脂材料Aの除去に必要な気体の流量を低減することもできる。
電極清掃装置110が複数の噴出部(第1噴出部1a、第2噴出部1b、第3噴出部2)を含む場合には、加熱部材20はそれぞれに接続されている配管12のいずれにも付設されているのが好ましいが、少なくとも第3噴出部2に接続されている配管12に付設されていればよい。これにより、第3噴出部2から噴出される気体の流量を低減しても、上方端面5に付着、堆積している樹脂材料Aを容易に取り除くことができる。
また、加熱部材20は電極清掃装置110から噴出される気体を加熱可能に設けられているものに限られない。図14を参照して、たとえば支持部材10に配置されて、選別電極100の周囲に付着、堆積している樹脂材料Aを加熱可能に設けられていてもよい。この場合、加熱部材20は、たとえばハロゲンヒーターなど、選別電極100に対して光を照射可能に設けられていてもよい。加熱部材20は、少なくとも選別電極100の上方側に付着し、堆積している樹脂材料Aを加熱可能に設けられていればよい。このようにしても、電極清掃装置110から噴出される気体により生じる気流によって選別電極100の下方に位置する雰囲気も加熱することができ、選別電極100の全周囲の雰囲気を加熱することができる。
なお、排気ダクト180は、実施の形態1〜実施の形態8のいずれの静電選別装置200にも適用することができる。また、実施の形態6における第4噴出部9について、実施の形態1〜実施の形態8における電極清掃装置110の構成を適用することも可能である。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。