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JP6160638B2 - 高周波トランス、高周波部品および通信端末装置 - Google Patents
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高周波トランス、高周波部品および通信端末装置 Download PDF

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Description

本発明は、インダクタ同士が高い結合度で結合された高周波トランス、それを備えた高周波部品および通信端末装置に関する。
電子機器や電源装置の小型化/薄型化に伴い、内蔵するトランスについても小型化/薄型化がすすめられている。小型化に伴う結合係数の劣化に対応するための方策の1つとして、特許文献1や特許文献2のように、一次側コイルおよび二次側コイルを複数層に亘って形成し、一方のコイルを他方のコイルで挟み込むような積層構造(挟み込み構造)にすることが有効である。
特許第3057203号公報 特許第3063417号公報
しかし、上記挟み込み構造においては、トランスをさらに小型化していくと次のような問題が生じる。
挟み込み構造をとるために、一次側コイル同士または二次側コイル同士を接続するための配線が必要であるが、トランスを小型化する程、この配線が占める割合が大きくなる。この配線は一次側コイルと二次側コイルとの結合には全く寄与しないため、その存在によって、一次側コイルと二次側コイルとの結合係数を劣化させてしまう。したがって、トランスが小型になるほど、挟み込み構造をとることによる効果が小さくなってしまう。
また、小型のトランスを開発するにあたり、上記配線の存在は非常に大きなネックとなる。すなわち、層間接続導体であるビアとコイル導体パターンとを接触させないために、ビアとコイル導体パターンとは、所定の距離を保つ必要がある。そのためには、コイルのサイズを小さくすることが必要となる。コイルのサイズが小さくなることで、一層あたりのインダクタンスが小さくなり、積層数を増やす必要が生じ、さらなる配線層が必要となる。その結果、結合係数が劣化するだけではなく、コイルのQ値が劣化する。
そこで、本発明の目的は、小型化による結合係数の低下およびQ値の低下を抑えられるようにした高周波トランス、それを備えた高周波部品および通信端末装置を提供することにある。
本発明の高周波トランスは、
第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタ、および第2入出力ポートと第3入出力ポートとの間に接続された第2インダクタを備え、前記第1インダクタおよび前記第2インダクタが互いに磁界結合する高周波トランスにおいて、
前記第1インダクタは、第1コイル導体パターンおよび第3コイル導体パターンを有し、
前記第2インダクタは、第2コイル導体パターンおよび第4コイル導体パターンを有し、
前記第1コイル導体パターンおよび前記第3コイル導体パターンは、前記第2コイル導体パターンと前記第4コイル導体パターンとによって挟み込まれる、
ことを特徴とする。
本発明の高周波部品は高周波トランスを備え、
前記高周波トランスは、上記の構成を有することを特徴としている。
本発明の通信端末装置は通信信号の伝送部に高周波トランスを備え、
前記高周波トランスは、上記の構成を有することを特徴としている。
本発明によれば、第1コイル導体パターンと第2コイル導体パターンとによるトランスと、第3コイル導体パターンと第4コイル導体パターンとによるトランスとの間の距離を定めることで、所定の結合係数およびインダクタンスの高周波トランスが構成され、それを備えた高周波部品および通信端末装置が実現できる。
図1は第1の実施形態に係る高周波トランスの分解斜視図である。 図2は第1の実施形態に係る高周波トランスの各基材層に形成される導体パターンの平面図である。 図3は第1の実施形態に係る高周波トランスの回路図である。 図4(A)は第1の実施形態に係る高周波トランスの平面図、図4(B)はその縦断面図であり、高周波トランスの2つのコイル開口を通る磁束の向きを示す図である。 図5(A)は第1の実施形態に係る高周波トランスをアンテナ整合回路として備えたアンテナ装置101の回路図、図5(B)はその等価回路図である。 図6は第2の実施形態に係る高周波トランスの各基材層に形成される導体パターンの平面図である。 図7は第3の実施形態に係る高周波トランスの回路図である。 図8は第4の実施形態に係る高周波トランスの各基材層に形成される導体パターンの平面図である。 図9は第5の実施形態に係る通信端末装置のアンテナおよびこのアンテナに接続されたアンテナフロントエンドモジュールの回路図である。 図10は第6の実施形態に係る高周波トランス206をアンテナ整合回路として備えたアンテナ装置106の回路図である。 図11は第6の実施形態に係る高周波トランス206の回路図である。 図12は第6の実施形態に係る高周波トランス206の分解斜視図である。 図13は第6の実施形態に係る高周波トランス206の各基材層に形成される導体パターンの平面図である。 図14は第7の実施形態に係る高周波トランスの回路図である。 図15は、3つのインダクタの並列回路を備える高周波トランスの回路図である。
以降、幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための形態を示す。各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせによって更なる他の実施形態とし得ることは言うまでもない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係る高周波トランス201の分解斜視図である。図2はこの高周波トランス201の各基材層に形成される導体パターンの平面図である。図1では各基材層の図示を省略している。
第1の実施形態の高周波トランス201は、通信端末装置等における高周波回路においてインピーダンス整合回路等に利用されるトランスであって、プリント配線板等の表面に実装可能なチップ型部品として構成されている。
この高周波トランス201は、第1入出力ポートP1(給電端子)と第2入出力ポートP2(アンテナ端子)との間に第1インダクタが接続されていて、第2入出力ポートP2(アンテナ端子)と第3入出力ポートP3(グランド端子)との間に第2インダクタが接続されている。
図2に示すように、複数の基材層S1〜S10に各種導体パターンが形成されている。基材層S1には導体パターン313,314が形成されている。基材層S2には導体パターン211、基材層S3には導体パターン111,212、基材層S4には導体パターン122,221、基材層S5には導体パターン122,222、基材層S6には導体パターン123,223、基材層S7には導体パターン131,231、基材層S8には導体パターン132,232、基材層S9には導体パターン141,233がそれぞれ形成されている。また、基材層S10には導体パターン312が形成されている。
図2の最下部は基材層S1の下面を表している。基材層S1の下面には導体パターンP1,P2,P3が形成されている。各層間には層間接続導体(ビア導体)が形成されている。また、積層体の端面には、導体パターン312と導体パターンP2間を接続する端面電極、導体パターン313と導体パターンP3間を接続する端面電極、および導体パターン314と導体パターンP1間を接続する端面電極がそれぞれ形成されている。
導体パターン111は第1コイル導体パターンL1aを構成している。導体パターン121,122は並列接続されている。この並列回路に導体パターン123が直列接続されている。これらの導体パターン121,122,123は、第1コイル導体パターンL1bを構成している。また、導体パターン131,132は直列接続されて、第1コイル導体パターンL1cを構成している。そして、導体パターン141は第1コイル導体パターンL1dを構成している。また、導体パターン211,212は直列接続されて、第2コイル導体パターンL2aを構成している。導体パターン221,222,223は直列接続されて、第2コイル導体パターンL2bを構成している。導体パターン231,232,233は直列接続されて、第2コイル導体パターンL2cを構成している。
第1コイル導体パターンL1a,L1b,L1c,L1dは第1インダクタ(L1)を構成し、第2コイル導体パターンL2a,L2b,L2cは第2インダクタ(L2)を構成する。
図1に表れているように、第1コイル導体パターンL1a,L1b,L1c,L1dおよび第2コイル導体パターンL2a,L2b,L2cは、それぞれ複数層の層方向にコイル巻回軸が向いている。そして、それぞれのコイル開口が第1コイル開口CA1と第2コイル開口CA2の2つの箇所(コイル開口)に分かれるように導体パターンが配置されている。すなわち、第1コイル導体パターンL1a,L1cのコイル開口は第1コイル開口CA1を構成し、第1コイル導体パターンL1b,L1dのコイル開口は第2コイル開口CA2を構成している。また、第2コイル導体パターンL2a,L2cのコイル開口は第2コイル開口CA2を構成し、第2コイル導体パターンL2bのコイル開口は第1コイル開口CA1を構成している。
第1コイル導体パターンL1a,L1b,L1c,L1dおよび第2コイル導体パターンL2a,L2b,L2cは、第1コイル開口CA1と第2コイル開口CA2の2箇所をそれぞれ交互に渡ってつながっている。
第1入出力ポートP1および第3入出力ポートP3は複数の基材層の積層方向の第1端側(底面側)に配置され、第2入出力ポートP2は第2端側(天面側)に配置されている。
図3は本実施形態に係る高周波トランス201の回路図である。ここでは、第1インダクタおよび第2インダクタを構成する導体パターンの配置関係を考慮して表している。図4(A)はこの高周波トランス201の平面図、図4(B)はその縦断面図であり、高周波トランス201の2つのコイル開口を通る磁束の向きを示す図である。
図3および図4から明らかなように、第1入出力ポートP1と第3入出力ポートP3との間に電流が通電される状態で、第1インダクタL1および第2インダクタL2により第1コイル開口CA1に生じる磁束の向き、および第2コイル開口CA2に生じる磁束の向きはそれぞれ揃っていて、且つ第1コイル開口CA1に生じる磁束の方向および第2コイル開口CA2に生じる磁束の方向は互いに逆方向であり、両磁束は1つの閉ループ(閉磁路)を構成する。
本発明の高周波トランスでは、上記のような構造を有しているため、異なる基材層に形成された導体パターンを接続する配線としての導体パターンは、基材層S1の導体パターン313,314および基材層S10の導体パターン312のみである。すなわち各導体パターンの大部分は第1インダクタまたは第2インダクタとして作用するとともに、第1インダクタと第2インダクタとの結合に寄与する。そのため、小型化による結合係数の低下およびQ値の低下を抑えられ、結合係数の高い高周波トランスが得られる。
図5(A)は本実施形態に係る高周波トランス201をアンテナ整合回路として備えたアンテナ装置101の回路図、図5(B)はその等価回路図である。
図5(A)に示すように、アンテナ装置101は、アンテナ素子11と、このアンテナ素子11に接続された高周波トランス201とを備えている。アンテナ素子11はLowBandでは基本波モードで共振し、HighBandでは高調波モードで共振する。このアンテナ素子11の給電端に高周波トランス201が接続されている。高周波トランス201の第1インダクタL1はアンテナ素子11と給電回路30との間に挿入されている。給電回路30は高周波信号をアンテナ素子11に給電するための給電回路であり、高周波信号の生成や処理を行うが、高周波信号の合波や分波を行う回路を含んでいてもよい。
高周波トランス201は第1インダクタL1と第2インダクタL2とを相互インダクタンスMを介して密結合したトランス型回路である。このトランス型回路は、図5(B)に示すように、三つのインダクタンス素子Z1,Z2,Z3によるT型回路に等価変換できる。すなわち、このT型回路は、給電回路30に接続される第1ポートP1、アンテナ素子11に接続される第2ポートP2、グランドに接続される第3ポートP3、第1ポートP1と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z1、第2ポートP2と分岐点Aとの間に接続されたインダクタンス素子Z2、および第3ポートP3と分岐点Aとの間に接続された第3インダクタンス素子Z3で構成される。
図5(A)に示した第1インダクタL1のインダクタンスをL1、第2インダクタL2のインダクタンスをL2、相互インダクタンスをMで表すと、図5(B)のインダクタンス素子Z1のインダクタンスはL1+M、インダクタンス素子Z2のインダクタンスは−M、第3インダクタンス素子Z3のインダクタンスはL2+Mである。
トランス比は第1インダクタL1のインダクタンスおよび第2インダクタL2のインダクタンスによって定まる。図2に示したように、基材層S4,S5,S6に形成する一方の導体パターン121,122,123を部分的に並列接続し、他方の導体パターン221,222,223を直列接続することで、第1インダクタL1のインダクタンスおよび第2インダクタL2のインダクタンスの比をずらすことができ、そのことで所定のトランス比に定めることができる。
《第2の実施形態》
図6は第2の実施形態に係る高周波トランス202の各基材層に形成される導体パターンの平面図である。第1の実施形態で図2に示した高周波トランス201の構造と比べると、基材層S5が無く、導体パターン223の形状が異なる。導体パターン121,123は、直列接続されて、第1コイル導体パターンL1bを構成している。導体パターン221,223は、直列接続されて、第2コイル導体パターンL2bを構成している。その他の構成は第1の実施形態の場合と同じである。
このように、直列接続された導体パターンのみで第1、第2のインダクタを構成してもよい。
《第3の実施形態》
図7は第3の実施形態に係る高周波トランス203の回路図である。ここでは、第1インダクタおよび第2インダクタを構成する導体パターンの配置関係を考慮して表している。また、導体パターンに流れる電流の向き、および2つのコイル開口CA1,CA2を通る磁束の向きの例も示している。
第1、第2の実施形態に示したものと同様に、この高周波トランス203は、第1入出力ポートP1(給電端子)と第2入出力ポートP2(アンテナ端子)との間に第1インダクタが接続されていて、第2入出力ポートP2(アンテナ端子)と第3入出力ポートP3(グランド端子)との間に第2インダクタが接続されている。
第1コイル導体パターンL1a,L1b,L1c,L1dおよび第2コイル導体パターンL2a,L2b,L2c,L2dは、それぞれ複数層の層方向にコイル巻回軸が向いている。そして、それぞれのコイル開口が第1コイル開口CA1と第2コイル開口CA2の2つの箇所(コイル開口)に分かれるように導体パターンが配置されている。すなわち、第1コイル導体パターンL1a,L1cのコイル開口は第1コイル開口CA1を構成し、第1コイル導体パターンL1b,L1dのコイル開口は第2コイル開口CA2を構成している。また、第2コイル導体パターンL2a,L2cのコイル開口は第2コイル開口CA2を構成し、第2コイル導体パターンL2b,L2dのコイル開口は第1コイル開口CA1を構成している。
第1コイル導体パターンL1a,L1b,L1c,L1dおよび第2コイル導体パターンL2a,L2b,L2c,L2dは、第1コイル開口CA1と第2コイル開口CA2の2箇所をそれぞれ交互に渡ってつながっている。
第1入出力ポート(給電端子)P1と第3入出力ポート(グランド端子)P3との間に電流が通電される状態で、第1インダクタL1および第2インダクタL2により第1コイル開口CA1に生じる磁束の向き、および第2コイル開口CA2に生じる磁束の向きはそれぞれ揃っていて、且つ第1コイル開口CA1に生じる磁束の方向および第2コイル開口CA2に生じる磁束の方向は互いに逆方向であり、両磁束は1つの閉ループ(閉磁路)を構成する。
本実施形態のように、第1インダクタおよび第2インダクタを構成するコイル導体パターンは同じ数だけ備えていてもよい。
《第4の実施形態》
図8は第4の実施形態に係る高周波トランス204の各基材層に形成される導体パターンの平面図である。第1の実施形態で図2に示した構造と基本的には同じであるが、2つのコイル開口(図4の第1コイル開口CA1、第2コイル開口CA2参照)のサイズが異なる。すなわち、第1コイル導体パターンの一部と第2コイル導体パターンの一部とは同一の基材層に形成されているが、それらの形成範囲が左右均等ではない(図8中の二点鎖線は第1コイル開口CA1と第2コイル開口CA2の境界線である)。この構成により、第1インダクタのインダクタンスおよび第2インダクタのインダクタンスの比をずらすことができる。
特に、コイル開口が第1コイル開口CA1側になるコイル導体パターンと、コイル開口が第2コイル開口CA2側になるコイル導体パターンのうち、一方に、導体パターンの並列接続部を備える場合に、第1コイル開口CA1と第2コイル開口CA2の大きさを異ならせることで、トランス比を効果的にずらせることができる。そのため、広範囲に亘って所定のトランス比に定めることができる。
《第5の実施形態》
第5の実施形態では、これまでに示した高周波トランスを備えるアンテナフロントエンドモジュールおよびそれを備えた通信端末装置について示す。
図9は通信端末装置のアンテナおよびこのアンテナに接続されたアンテナフロントエンドモジュールの回路図である。図9において、高周波トランス201および整合回路12でアンテナフロントエンドモジュールが構成されている。高周波トランス201は第1の実施形態で示した高周波トランス201であるが、図9では単純なトランスの記号で表している。アンテナのインピーダンスは例えば5Ωであり、高周波トランス201によって例えば30Ωにインピーダンス変換される。整合回路12はシャント接続されたインダクタLとシリーズ接続されたCとで構成され、この整合回路11は特性インピーダンス30Ωの伝送線路と50Ωの伝送線路とのインピーダンスマッチングをはかる。
したがって、高周波トランス201および整合回路12で構成されるアンテナフロントエンドモジュールは、5Ω程度の低いインピーダンスのアンテナ素子11を50Ω系の通常の伝送線路に整合させることができる。
このように、本発明の高周波トランスは高周波帯(例えば100MHz〜8GHz)のインピーダンス変換回路に用いることができる。
携帯端末などの小型の通信端末装置においては、アンテナの小型化にともない、アンテナのインピーダンスが低くならざるを得ないが、上記アンテナフロントエンドモジュールを通信端末装置に設けることによって、高周波回路とアンテナとの整合をとることができ、低反射で高効率なアンテナ回路が構成できる。
《第6の実施形態》
一般に、トランスの外部の配線を無くすような複雑な構造のトランスを構成しようとすると、その構成を得るために、導体パターンに大きな電気長が必要になることが多い。この問題によって、インダクタンスの小さなトランスを作ることは非常に困難である。
そこで、第6の実施形態は、特にインダクタンスの小さな高周波トランスについて示す。
図10は第6の実施形態に係る高周波トランス206をアンテナ整合回路として備えたアンテナ装置106の回路図である。
高周波トランス206の第1入力ポートP1に給電回路が接続され、第2入出力ポートにアンテナ11が接続され、第3入出力ポートP3がグランドに接続されてアンテナ装置106が構成されている。
第1インダクタL1と第3インダクタL3とで並列回路を構成している。同様に、第2インダクタL2と第4インダクタL4とで並列回路を構成している。
高周波トランス206は、第1入出力ポートP1と第2入出力ポートP2との間に、第1インダクタL1と第3インダクタL3の並列回路が接続されていて、第2入出力ポートP2と第3入出力ポートP3との間に、第2インダクタL2と第4インダクタL4との並列回路が接続されている。
図11は高周波トランス206の回路図である。ここでは、第1インダクタL1、第2インダクタL2、第3インダクタL3および第4インダクタL4を構成する導体パターンの配置関係を考慮し、且つ軸方向に引き延ばして描いている。図11において、コイル導体パターンL1a,L1bによって第1インダクタL1が構成されている。また、コイル導体パターンL3a,L3bによって第3インダクタL3が構成されている。同様に、コイル導体パターンL2a,L2bによって第2インダクタL2が構成されていて、コイル導体パターンL4a,L4bによって第4インダクタL4が構成されている。
第1コイル開口CA1は、コイル導体パターンL2b,L1a,L3a,L4bの共通のコイル開口である。また、第2コイル開口CA2は、コイル導体パターンL1b,L2a,L4a,L3bの共通のコイル開口である。
コイル導体パターンL1a,L1b,L2a,L2bによって第1トランスが構成されていて、コイル導体パターンL3a,L3b,L4a,L4bによって第2トランスが構成されている。この2つのトランスはコイル開口CA1,CA2を揃えて積層されている。
第1入出力ポートP1と第3入出力ポートP3との間に電流が通電される状態で、第1コイル開口CA1に生じる磁束φの向き、および第2コイル開口CA2に生じる磁束φの向きはそれぞれ揃っていて、且つ第1コイル開口CA1に生じる磁束φの方向および第2コイル開口CA2に生じる磁束φの方向は互いに逆方向である。両磁束は1つの閉ループ(閉磁路)を構成する。
図12は第6の実施形態に係る高周波トランス206の分解斜視図である。図13はこの高周波トランス206の各基材層に形成される導体パターンの平面図である。高周波トランス206はこれら基材層の積層体である。図12では各基材層の図示を省略している。各基材層の導体パターンは基材層の下面に形成されている。図13の各部は各基材層の下面図である。高周波トランス206は、プリント配線板等の表面に実装可能なチップ型部品として構成されている。
図13において、基材層S1は最下層、基材層S12は最上層である。図13に示すように、複数の基材層S1〜S12に各種導体パターンが形成されている。例えば基材層S1には導体パターンP1,P2,P3が形成されている。基材層S12には導体パターンL1b3が形成されている。基材層S2〜S12には層間接続導体(ビア導体)が形成されている。また、積層体の端面には、導体パターンP1,P2,P3に繋がる端面電極が形成されている。
図13において、ドット記号およびクロス記号は、図11に示した磁束φの向きを表している。
本実施形態によれば次のような効果を奏する。
(1)第1インダクタおよび第2インダクタが複数のコイルの並列回路で構成されているため、所望の小さなインダクタ値が得られる。
(2)一層に2つのコイルが配置され、コイル開口面を二つ有するため、各コイルは層方向に非常に近接して配置され、それぞれのコイルは互いに大きな結合値で結合する。
(3)複数のトランス(第1トランスおよび第2トランス)を備えるため、単一のトランスのみを備えたものに比べて高い結合を得ることができる。
(4)図11に示した第1トランスと第2トランスとの間の距離を定めることで、所定のトランスの結合係数を維持しながらトランスのインダクタンスを定めることができる。この作用効果について次に述べる。
結合係数に対し最も重要であるのは、第1インダクタL1と第2インダクタL2との距離、および第3インダクタL3と第4インダクタL4との距離である。これらの位置関係を変更すると結合係数が大きく変化する。しかし、第1インダクタL1と第3インダクタL3とは、もともとトランスを構成していないし、第2インダクタL2と第4インダクタL4ともトランスを構成していない。従って、第1トランスと第2トランスとの距離関係を変化させてもトランスの機能が大きく劣化することはない。一方、図11に示したとおり、4つのコイルを磁力線が貫通するので、第1トランスと第2トランスとの距離を近づけると、トランスの結合係数を更に大きくすることができる。つまり第1トランスまたは第2トランスが単体で有する結合係数をK1で表すと、二つのトランスを組み合わせたときの結合係数K2はK2=K1+αとなる。第1トランスと第2トランスの位置関係を変化させると、αの値は変化するが、全体の結合係数は、単体の結合係数K1以上の値を有することになる。このようにして、所定のトランスの結合係数を維持しながら、第1トランスと第2トランスとの距離によってトランスのインダクタンスを調整することができる。
一般的には、トランスのインダクタンスが小さくなると電磁界結合が小さくなる関係にあるが、本実施形態のように、大きいインダクタンスのトランスを並列配置し、磁束を共有することで結合係数の劣化を抑えることが可能となる。
《第7の実施形態》
図14は第7の実施形態に係る高周波トランス207の回路図である。ここでは、第1インダクタL1および第2インダクタL2を構成する導体パターンの配置関係を考慮し、且つ軸方向に引き延ばして描いている。先の実施形態で図11に示した高周波トランスと比べると、第2トランスの構成が異なる。図14に示す例では、第2トランスを構成するコイル導体パターンL3a,L3b,L4a,L4bの巻回数が、第1トランスを構成するコイル導体パターンL1a,L1b,L2a,L2bの巻回数より少ない。すなわち、第2トランスの各コイルのインダクタンスは第1トランスの各コイルのインダクタンスより小さい。このように、第1トランスと第2トランスは、それらを構成するコイルのインダクタンスが等しくなくてもよい。このことでトランスのインダクタンスや結合係数の微調整が可能となる。
図10〜14では、2つのインダクタL1,L3で1つの並列回路を構成し、2つのインダクタL2,L4で1つの並列回路を構成しているが、例えば図15に示す高周波トランスのように、3つのインダクタL1,L3,L5の並列回路および3つのインダクタL2,L4,L6の並列回路を構成してもよいし、3つ以上のインダクタの並列回路を構成してもよい。
《他の実施形態》
以上、本発明を具体的な実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、第1インダクタおよび第2インダクタを構成する各コイル導体パターンは、全てが積層体の内部に設けられている必要は無く、一部が積層体の表面に設けられていてもよい。
また、各コイル導体パターンは1ターンコイルを複数積層した積層コイルパターンの他、単層に複数ターンのコイル導体パターンを形成したものや、複数の層のそれぞれに複数ターンのコイル導体パターンを形成したものであってもよい。
A…分岐点
CA1…第1コイル開口
CA2…第2コイル開口
L1…第1インダクタ
L1a,L1b,L1c,L1d…第1コイル導体パターン
L2…第2インダクタ
L2a,L2b,L2c,L2d…第2コイル導体パターン
L3a,L3b,L4a,L4b…コイル導体パターン
M…相互インダクタンス
P1…第1入出力ポート(またはその導体パターン)
P2…第2入出力ポート(またはその導体パターン)
P3…第3入出力ポート(またはその導体パターン)
S1〜S10…基材層
Z1,Z2,Z3…インダクタンス素子
11…アンテナ素子
12…整合回路
30…給電回路
101,106…アンテナ装置
111…導体パターン
121,122,123…導体パターン
131,132…導体パターン
141…導体パターン
201〜207…高周波トランス
211,212…導体パターン
221,222,223…導体パターン
231,232,233…導体パターン
312,313,314…導体パターン

Claims (8)

  1. 第1入出力ポートと第2入出力ポートとの間に接続された第1インダクタおよび第3インダクタ、ならびに第2入出力ポートと第3入出力ポートとの間に接続された第2インダクタおよび第4インダクタを備え、前記第1インダクタ、前記第2インダクタ、前記第3インダクタおよび前記第4インダクタが互いに磁界結合する高周波トランスにおいて、
    前記第1インダクタは2つの第1コイル導体パターンを有し、前記第3インダクタは2つの第3コイル導体パターンを有し、前記第2インダクタは2つの第2コイル導体パターンを有し、前記第4インダクタは2つの第4コイル導体パターンを有し、
    前記2つの第1コイル導体パターンのうち一方の第1コイル導体パターン、前記2つの第2コイル導体パターンのうち一方の第2コイル導体パターン、前記2つの第3コイル導体パターンのうち一方の第3コイル導体パターンおよび前記2つの第4コイル導体パターンのうち一方の第4コイル導体パターンは、第1コイル巻回軸を持ち、
    前記2つの第1コイル導体パターンのうち他方の第1コイル導体パターン、前記2つの第2コイル導体パターンのうち他方の第2コイル導体パターン、前記2つの第3コイル導体パターンのうち他方の第3コイル導体パターンおよび前記2つの第4コイル導体パターンのうち他方の第4コイル導体パターンは、第2コイル巻回軸を持ち、
    前記2つの第1コイル導体パターンおよび前記2つの第3コイル導体パターンは互いに並列接続され、
    前記2つの第1コイル導体パターンのうち一方の第1コイル導体パターンおよび前記2つの第3コイル導体パターンのうち一方の第3コイル導体パターンは、前記第1コイル巻回軸方向に隣接配置され、前2つの第2コイル導体パターンのうち一方の第2コイル導体パターンと前記2つの第4コイル導体パターンのうち一方の第4コイル導体パターンとによって前記第1コイル巻回軸方向に挟み込まれる、
    ことを特徴とする高周波トランス。
  2. 前記2つの第2コイル導体パターンおよび前記2つの第4コイル導体パターンは互いに並列接続される、請求項1に記載の高周波トランス。
  3. 前記2つの第1コイル導体パターンと前記2つの第2コイル導体パターンとで第1トランスが構成され、前記2つの第3コイル導体パターンと前記2つの第4コイル導体パターンとで第2トランスが構成される、請求項1または2に記載の高周波トランス。
  4. 前記2つの第3コイル導体パターンは、前記2つの第1コイル導体パターンとは異なるインダクタンスを有する、請求項1〜3のいずれかに記載の高周波トランス。
  5. 前記2つの第4コイル導体パターンは、前記2つの第2コイル導体パターンとは異なるインダクタンスを有する、請求項4に記載の高周波トランス。
  6. 前記2つの第1コイル導体パターン、前記2つの第2コイル導体パターン、前記2つの第3コイル導体パターンおよび前記2つの第4コイル導体パターンは、複数の基材層を積層してなる積層体に内蔵される、請求項1〜5のいずれかに記載の高周波トランス。
  7. 高周波トランスを備えた高周波部品において、
    前記高周波トランスは、請求項1〜6のいずれかに記載の高周波トランスである、高周波部品。
  8. 通信信号の伝送部に高周波トランスを備えた通信端末装置において、
    前記高周波トランスは、請求項1〜6のいずれかに記載の高周波トランスである、通信端末装置。
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