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JP6161538B2 - 結晶形及びその製造方法 - Google Patents
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JP6161538B2 - 結晶形及びその製造方法 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン、すなわち、
Figure 0006161538
のRエナンチオマーの新規結晶形、及びその製造方法に関する。
背景及び先行技術
ドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ(DβH)の阻害剤の開発の関心は、高血圧又は慢性心不全などの心血管障害に罹患している患者において、この酵素の阻害により、顕著な臨床的改善を提供することができるという仮説に集中している。DβH阻害剤の使用についての理論的根拠は、ノルアドレナリンの生合成を阻害するというDβH阻害剤の能力に基づいており、これは、ドーパミンの酵素的ヒドロキシル化によって達成される。主に交感神経系のような神経体液系の活性化は、うっ血性心不全の主な臨床症状である(Parmley, W.W.の文献、Clinical Cardiology, 18:440-445, 1995)。うっ血性心不全患者は、血漿ノルアドレナリンの濃度が上昇しており(Levine, T.B.らの文献、Am. J. Cardiol., 49:1659-1666, 1982)、中枢交感神経流出が増加し(Leimbach, W.N.らの文献、Circulation, 73:913-919, 1986)、心腎のノルアドレナリン溢流が増加している(Hasking, G.J.らの文献、Circulation, 73:615-621, 1966)。心筋のノルアドレナリンへの長時間の過剰な暴露は、心臓のβ1-アドレノセプターの発現低下、左心室再形成、不整脈、及び壊死をもたらし、これらのすべては、心臓の機能的統合性を低下させる場合がある。また、高い血漿ノルアドレナリンの濃度を有する、うっ血性心不全の患者は、最も好ましくない長期予後も有する(Cohn, J.N.らの文献、N. Engl. J. Med., 311:819-823, 1984)。明確な心不全のない無症候性の患者において、血漿ノルアドレナリン濃度が既に上昇していることを観察することは、極めて重要であり、その後の死亡率及び罹患率を予想することができる(Benedict, C.R.らの文献、Circulation, 94:690-697, 1996)。したがって、活性化された交感神経の活動(drive)が、うっ血性心不全の臨床マーカーとなるだけでなく、疾患の進行性の悪化の原因である場合がある。
高い効能を有し、脳への到達が顕著に短縮された強力なドーパミン-β-ヒドロキシラーゼ阻害剤は、国際公開公報第2008/136695号に開示されている。国際公開公報第2008/136695号は、次に示す式Iの化合物を記載し、
Figure 0006161538
式中、R1、R2及びR3は、同じであるか又は異なり、かつ、水素、ハロゲン、アルキル、ニトロ、アミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルキルアミノ、若しくはジアルキルアミノ基を表し;R4は、-アルキルアリール又は-アルキルヘテロアリールを表し;Xは、CH2、酸素原子又は硫黄原子を表し;nは2又は3であり;個々の(R)-及び(S)-エナンチオマー又はこれらのエナンチオマーの混合物を含み;かつ、医薬として許容し得るそれらの塩、及びエステルを含み、ここで、アルキルという用語は、直鎖又は分枝の炭化水素鎖を意味し、それは、1〜6個の炭素原子を含み、場合により、アリール、アルコキシ、ハロゲン、アルコキシカルボニル、若しくはヒドロキシカルボニル基によって置換され;アリールという用語は、フェニル又はナフチル基を意味し、それらは、場合により、アルキル、アルキルオキシ、ハロゲン、若しくはニトロ基によって置換され;ハロゲンという用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を意味し;ヘテロアリールという用語は、ヘテロ芳香族基を意味する。特に、国際公開公報第2008/136695号は、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンを記載する。
式Iの化合物、特に、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの製造方法は、国際公開公報第2008/136695号に記載されており、引用により本明細書中に組み込まれる。
同じ薬剤の多形には、溶解特性及びバイオアベイラビリティと共に、薬剤の安定性などの、実質的に異なる薬学的に重要な特性があることが知られている。さらに、種々の形態は、種々の粒子サイズ、硬度、及びガラス転移温度を有し得る。したがって、1つの形態は、活性成分の正確な測定、容易なろ過、又は、顆粒化若しくは保存時の安定性の向上などの、固体製剤製造工程における同じ薬剤の他の形態に対する顕著な利点を提供することができる。さらに、1つの形態に適切な特定の工程は、製薬メーカーに、経済的に若しくは環境上適切な溶媒若しくは工程などの複数の利点、又は高純度若しくは高い収率の所望の製品を提供することもできる。
発明の概要
本発明は、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶多形体、及びその製造方法を提供する。1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの新しい多形は、機械的応力及び/又は水蒸気応力に対して高い安定性を示す。また、本発明は、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの非晶形、及びその製造方法も提供する。さらに、非晶形も本発明の一部である。
以下、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンは、それ自体又は「化合物2」を指すものとする。
本発明の次の説明では、多形が、それぞれの表に記載された位置にピークを有したXRPDパターンを有するものとして説明される。一実施態様において、多形が、いずれかの強度(% (I/Io))値を有する±0.2°2θに記載された°2θの位置にピークを有したXRPDパターンを有するか、又は、別の実施態様において、±0.1°2θに記載された°2θの位置にピークを有したXRPDパターンを有することが理解される。強度値が単に情報のために含まれ、また、ピークの各々の定義が、特定の強度値に限定されるものと解釈できないことに留意すべきである。
本発明の一態様によれば、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形Aが提供される。
実施態様において、化合物2の結晶形Aは溶媒和物ではない。すなわち、化合物2の結晶形Aは、非溶媒和形態である。
本発明によれば、非溶媒和とは、化合物2の結晶形Aの熱重量(TGA)曲線が、およそ200℃未満で、およそ1重量%未満、好ましくはおよそ0.6重量%未満の重量損失を示し、より好ましくは重量損失がないことを意味する。
本発明の別の態様によれば、14.0、16.1、16.6、19.2及び20.4°2θ±0.2°2θにピークを有したXRPDパターンを有する化合物2の結晶形Aが提供される。XRPDパターンは、15.6及び18.4°2θ±0.2°2θにさらにピークを有し得る。
結晶形Aは、表1に示すピークを有した粉末X線回折(XRPD)パターンを有することが特徴であり得る。
Figure 0006161538
実施態様において、結晶形Aは、表2に示す1以上のピークを有した粉末X線回折(XRPD)パターンを有することが特徴である。
Figure 0006161538
Figure 0006161538
別の実施態様において、結晶形Aは、図2に示すようなXRPDパターンを有する。
本発明の別の実施態様によれば、259℃±5℃の開始温度で重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形Aが提供される。実施態様において、TGAサーモグラムは、およそ257℃からおよそ262℃の開始温度で重量損失を示す。実施態様において、結晶形Aは、およそ259℃の開始温度で重量損失を示すTGAサーモグラムを有する。
実施態様において、結晶形Aは、図3に示すようなTGAサーモグラムを有する。
本発明の別の実施態様によれば、192℃±2℃の開始温度で吸熱ピークを示し、かつ193℃±2℃でピーク最大値を示す示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形Aが提供される。実施態様において、DSCサーモグラムは、およそ190℃からおよそ192℃の開始温度で吸熱ピークを示す。実施態様において、DSCは、およそ193℃からおよそ194℃でピーク最大値の吸熱ピークを示す。実施態様において、結晶形Aには、およそ192℃の開始温度で吸熱ピークを示し、かつ、およそ193℃でピーク最大値を有するDSCサーモグラムがある。実施態様において、DSCサーモグラムは、141 J/g±10 J/gの融解熱を示す。実施態様において、DSCサーモグラムは、およそ139 J/gからおよそ147 J/gの融解熱を示す。実施態様において、DSCサーモグラムは、およそ147 J/gの融解熱を示す。
実施態様において、化合物2の結晶形Aは、図4に示すようなDSCサーモグラムを有する。
さらなる実施態様において、化合物2の結晶形Aは、5%〜95%の相対湿度(RH)の範囲に対して低い吸湿性を示す物質である。低い吸湿性の物質は、特定の相対湿度範囲に対して0.5wt(重量)%未満の水吸収を示す物質として定義することができる。
さらなる実施態様において、結晶形Aは、〜5% RHの平衡状態で無視できる損失を示す。本明細書の文脈において、「無視できる」とは、0.5重量%未満を意味する。
別の実施態様において、結晶形Aは、およそ5%からおよそ75%のRHで、およそ0.02重量%の増加を示す。実施態様において、結晶形Aは、およそ75%からおよそ95%のRHで、およそ0.19重量%の増加を示す。他の実施態様において、結晶形Aは、およそ95%からおよそ5%のRHでおよそ0.20重量%の損失を、及び脱着においておよそ85%からおよそ45%のRHでヒステリシスを示す。
結晶形Aは、低い吸湿性を有し、機械的応力及び水蒸気応力に対し結晶形として安定した状態を保つことが有利である。
別の態様において、本発明は、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形Bを提供する。
化合物2の結晶形Bは、酢酸エチル溶媒和物である。実施態様において、結晶形Bは、0.1〜0.2モルの酢酸エチルを含む。実施態様において、結晶形Bは、およそ0.1モルの酢酸エチルを含む。別の実施態様において、結晶形Bは、およそ0.2モルの酢酸エチルを含む。
本発明の別の態様によれば、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形Bが提供され、該結晶形Bは、酢酸エチル溶媒和物であり、好ましくは、0.1〜0.2モルの酢酸エチルを含み、かつ、7.9〜8.0、14.0、16.0〜16.1、19.2及び20.4°2θ±0.2°2θにピークを有したXRPDパターンを有する。XRPDパターンは、15.6、16.7及び18.4°2θ±0.2°2θにさらにピークを有し得る。
別の実施態様において、化合物2の結晶形Bは、表3に示すピークを有した粉末X線回折(XRPD)パターンを有することが特徴である。
Figure 0006161538
実施態様において、結晶形Bは、表4に示す1以上のピークを有した粉末X線回折(XRPD)パターンを有することが特徴である。
Figure 0006161538
表3及び4から理解できるように、一部のピークの位置は、範囲として記載される。これは、物質が可変的な溶媒和物(実施態様では、0.1〜0.2モルの酢酸エチル)であるからである。
実施態様において、結晶形Bは、図5に示すようなXRPDパターンを有する。
本発明の別の実施態様によれば、257℃±5℃の開始温度で重量損失を示し、かつおよそ130℃からおよそ200℃で重量損失を示すTGAサーモグラムを有する、化合物2の結晶形Bが提供される。実施態様において、TGAサーモグラムは、およそ162℃からおよそ200℃でおよそ2.3重量%の損失、又はおよそ138℃からおよそ190℃でおよそ4.7重量%の損失をさらに有する。
別の実施態様において、化合物2の結晶形Bは、図6に示すようなTGAサーモグラムを有する。
本発明の別の態様によれば、およそ190℃±2℃の開始温度で吸熱ピークを示し、かつ、およそ192℃±2℃でピーク最大値を示すDSCサーモグラムを有する、化合物2の結晶形Bが提供される。実施態様において、DSCサーモグラムは、およそ141 J/g±10 J/gの融解熱を示す。
実施態様において、化合物2の結晶形Bは、図7に示すようなDSCサーモグラムを有する。
本発明の別の態様によれば、酢酸エチルに起因するピークを有した1H NMRスペクトルを有する、化合物2の結晶形Bが提供される。実施態様において、酢酸エチルに起因するピークは、およそ4.0 ppm、およそ2.0 ppm、及びおよそ1.2 ppmにある。当業者によって理解されるように、1H NMRスペクトルは、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンのプロトンに起因するピークも有する。
実施態様において、化合物2の結晶形Bは、図8Aに示すような1H NMRスペクトルを有する。実施態様において、1H NMRスペクトルは、図8A〜8Eに示すとおりである。
本発明の別の態様によれば、非晶形の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンがある。
本明細書の文脈において、「非晶質」とは「X線非晶質」を意味し、「X線非晶質」とは、物質のXRPDパターンにおいてX線回折ピークがないことを意味する。実施態様において、X線非晶質は、
ナノ結晶;
非常に大きな欠陥密度を有する結晶;
動力学非晶質物質(kinetic amorphous material);若しくは、
熱力学非晶質物質(thermodynamic amorphous material);又は、
上述のものの組合せである。
実施態様において、非晶形は、ハローを示すXRPDパターンを有する。
実施態様において、非晶形は、図9に示すようなXRPDパターンを有する。
本発明の別の態様によれば、258℃±5℃の開始温度で重量損失を示し、かつおよそ26℃からおよそ71℃でおよそ1.2重量%の損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンが提供される。
実施態様において、非晶形は、図10に示すようなTGAサーモグラムを有する。
実施態様において、非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンは、ガラス転移による段階的変化を示す、循環示差走査熱量測定(Cycling Differential Scanning Calorimetry)(循環DSC)サーモグラムを有する。実施態様において、段階的変化は、50℃±2℃の温度においてである。実施態様において、循環は、2つのサイクルを含み、ガラス転移はサイクル2で示される。
実施態様において、非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンは、およそ115℃からおよそ124℃でピーク最大値の発熱ピークを示す循環示差走査熱量測定(循環DSC)サーモグラムを有する。実施態様において、循環は、2つのサイクルを含み、発熱ピークはサイクル2で示される。実施態様において、結晶化過程は結晶形Aを生成する。
実施態様において、非晶形は、図11及び12に示す循環DSCサーモグラムを有する(それぞれ、サイクル1及び2)。
さらなる実施態様において、非晶質化合物2は、およそ5%からおよそ75%のRHで顕著な吸湿性を示す物質である。顕著な吸湿性の物質は、特定のRH範囲に対して2.0重量%以上の水吸収を示す物質として定義することができる。
別の実施態様において、非晶質化合物2は、およそ5% RHの平衡状態でおよそ0.08重量%の増加を示す。
実施態様において、非晶質化合物2は、およそ5%からおよそ75%のRHで、およそ1.2重量%の増加を示す。実施態様において、非晶質化合物2は、およそ75%からおよそ95%のRHで、およそ8.7重量%の増加を示す。実施態様において、非晶質化合物2は、およそ95%からおよそ5%のRHで、約8.6重量%の損失、及び50%を超えるRHの範囲でヒステリシスを示す。ヒステリシスは、脱着においておよそ85%からおよそ15%のRHにあり得る。
非晶形は、化合物2の他の形態の製造に使用される多目的な中間体であるという点で有利である。たとえば、酢酸エチルが結晶化過程に溶媒として使用される場合、非晶質化合物2を使用して、化合物2の結晶形Bを製造してもよい。また、酢酸エチル以外の溶媒が結晶化過程に使用される場合、非晶質化合物2を使用して、化合物2の結晶形Aを製造してもよい。また、非晶形は、化合物2の結晶形が低水溶性であることを考えると、有用な物質でもある。溶媒和される場合、非晶形は、これらの結晶相当物が必要とする結晶格子を崩壊させるエネルギーを必要とせず、このため、高い溶解度及び高いバイオアベイラビリティを示す医薬組成物を製造するのに非常に適している。
結晶形A及びB、並びに非晶形を、XRPDデータ、DSCデータ、TGAデータ、及び/又は1H NMRデータ(及び結晶形Bの場合は、溶媒和物モル%データ)に関して上述している。形態が、一連のデータのそれぞれ、又は一連のデータの1以上の組合せによって特徴付けられ得ることが理解される。
試料を分析するのに使用される装置に応じて、わずかな程度、ピークの位置が変化する場合があることが認識される。したがって、°2θ値におけるピークの位置を指す多形の定義はすべて、±0.2°2θの変化の対象であることが理解される。特に指定のない限り(たとえば、±値のある表において)、ピークの位置の°2θ値は、±0.2°2θである。
有利に、化合物2の、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、及び/又は、本明細書に説明する非晶形は、向上したバイオアベイラビリティ、溶解度、吸湿性、溶出速度、安全性プロフィール、安定性(熱、大気、圧力、光)、医薬製剤における賦形剤との適合性、(高い)融点、密度、硬度、長いDβH阻害、DβH阻害の増加、及び/又は、薬剤に使用される場合の、化合物2の他の形態に比べて高い周辺選択性などの、付加的な特性の改善を示し得る。また、有利に、化合物2の、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、及び/又は、本明細書に説明する非晶形は、化合物2の他の形態に関する製造工程の観点から、保存安定性、加工時のろ過性(結晶サイズ、粒度分布)、加工性(たとえば、設備に付着しない)、容易な乾燥、純度と収率、及び/又は湿潤性などの、付加的な特性の改善も示し得る。
本発明の別の態様によれば、少なくとも1つの有機溶媒中の(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の再結晶化を含む、化合物2の結晶形Aを精製する方法が提供される。有機溶媒は、トルエンとメタノールの混合物であることが好ましい。好ましい実施態様において、トルエン及びメタノールは、62:38 w/wの割合で混合物中に含まれる。実施態様において、有機溶媒は留去され、トルエンが補充される。
精製方法は、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンへの(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の変換をさらに含むことが適切である。実施態様において、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の変換は、アルカリ金属水酸化物を使用して達成される。アルカリ金属水酸化物は、水酸化ナトリウムであることが好ましい。実施態様において、変換は、メタノールと水の混合物中で行われる。
有利に、本発明の精製方法によって製造された(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンの純度は、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは99.0%以上である。
本発明の別の態様によれば、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形、及び1以上の医薬として許容し得る担体若しくは賦形剤の使用が提供される。
また、医薬製剤には、少なくとも1つの他の医薬活性成分が含まれていてもよい。
別の態様において、本発明は、ノルアドレナリンへのドーパミンのヒドロキシル化の低減が治療上の利益である、疾患を治療する方法も提供し、該方法は、その必要のある哺乳動物に、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形の有効量を投与することを含む。
本発明の別の態様によれば、不安障害、片頭痛、心臓血管疾患、高血圧症、慢性又はうっ血性心不全、狭心症、不整脈、及び、レイノー現象などの循環障害の治療のための薬剤の製造における、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形の使用が提供される。
上述の方法において、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形は、不安障害、片頭痛、心臓血管疾患、高血圧症、慢性又はうっ血性心不全、狭心症、不整脈、及び、レイノー現象などの循環障害の治療に使用する。
本発明の別の態様によれば、DβH阻害のための薬剤の製造における、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形の使用が提供される。
本発明の別の態様によれば、DβH阻害に使用する、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形が提供される。
上述の態様において、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形は、少なくとも1つの他の医薬活性成分と併用することができる。
別の態様において、本発明は、ノルアドレナリンへのドーパミンのヒドロキシル化の低減が治療上の利益である、疾患を治療する方法も提供し、該方法は、その必要のある哺乳動物に、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形の有効量を投与することを含む。
別の態様において、本発明は、不安障害、片頭痛、心臓血管疾患、高血圧症、慢性又はうっ血性心不全、狭心症、不整脈、及び、レイノー現象などの循環障害の1以上の徴候を治療する方法も提供し、該方法は、その必要のある哺乳動物に、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形の有効量を投与することを含む。
上述の方法において、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの、本明細書に説明する結晶形A、本明細書に説明する結晶形B、又は、本明細書に説明する非晶形は、少なくとも1つの他の医薬活性成分と組み合わせて投与することができる。
本明細書に説明する複合治療又は使用は、同時投与又は時間差投与を含み得る。
不安障害には、全般性不安障害、社会不安障害、外傷後ストレス障害、急性窮迫障害(acute distress disorder)、強迫障害、パニック発作などのパニック障害、及び広場恐怖症、社交恐怖症、単純恐怖症などの恐怖症が含まれるが、これらに限定されない。本発明の化合物の使用により治療することができる、さらなる不安障害は、文献:「米国精神医学会:精神障害の診断・統計マニュアル(American Psychiatric Association: Diagnostic and Statistic Manual of Mental Disorders)(第4版改訂版)」(Washington, DC, 米国精神医学会, 2000)の第429〜484頁にみることができる。
本明細書に使用する、「治療」という用語、及び「治療する(treat)」又は「治療(treating)」などの変化形は、ヒト又はヒト以外の動物に利益をもたらし得るいずれかのレジメを指す。治療は、既存の症状に関するものであってもよいし、又は予防してもよい(予防的処置)。治療には、治癒、緩和又は予防効果が含まれ得る。
図面の簡単な説明
添付の図面について言及する。
図1は、化合物2の一時的インデクシング分解(Tentative Indexing Solution)を示し、バーは、単位格子寸法及び割り当てられた空間群(P1, #1)に基づく許容し得る反射を示す。
図2は、化合物2の結晶形AのXRPDパターンを示す。 パラメーター: Panalytical X-Pert Pro MPD PW3040 Pro, X線管:Cu(1.54059Å), 電圧:45 kV, アンペア数:40 mA, 走査範囲:1.01〜40.00°2θ, ステップサイズ:0.017°2θ, 収集時間:1940秒, 走査速度:1.2°/分, スリット:ミラーの前の発散スリット(DS):1/2° 入射ビーム抗散乱スリット(SS):1/4°, 回転時間:0.5秒, モード:透過, File Monkey v3.2.3によるイメージ
図3は、化合物2の結晶形AのTGAサーモグラムを示す。 方法:00-350-10, 機器:AutoTGA 2950 V5.4A, Universal V4.4A(TA Instruments社製)
図4は、化合物2の結晶形AのDSCサーモグラムを示す。 方法:(-30)-250-10, 機器:DSC Q2000 V23.10 Build 79, Universal V4.4A(TA Instruments社製)
図5は、化合物2の結晶形BのXRPDパターンを示す。 パラメーター: Panalytical X-Pert Pro MPD PW3040 Pro, X線管:Cu(1.54059Å), 電圧:45 kV, アンペア数:40 mA, 走査範囲:1.01〜39.99°2θ, ステップサイズ:0.017°2θ, 収集時間:1939秒, 走査速度:1.2°/分, スリット:ミラーの前の発散スリット(DS):1/2° 入射ビーム抗散乱スリット(SS):1/4°, 回転時間:0.5秒, モード:透過, File Monkey v3.2.3によるイメージ
図6は、化合物2の結晶形BのTGAサーモグラムを示す。 方法:00-350-10, 機器:AutoTGA 2950 V5.4A, Universal V4.4A(TA Instruments社製)
図7は、化合物2の結晶形BのDSCサーモグラムを示す。 方法:(-30)-250-10, 機器:2920 MDSC V2.6A, Universal V4.4A(TA Instruments社製)
図8Aは、化合物2の結晶形Bの1H NMRスペクトルを示す。 パラメーター: 0.0ppmでTMSに対して参照された、DMSO-d6とTMS中, プローブ:5 mm_VIDP, 溶媒:DMSO, 周囲温度, 回転速度:20 Hz, パルスシーケンス:s2pu1, Relax. delay:5.000秒, パルス幅:8.0 usec(90.0°), 収集時間:2.500秒, スペクトル幅:6400.0 Hz (16.008 ppm), 40スキャン, 収集ポイント(Acquired points):32000, 観察核:H1 (399.7957232 MHz), データ処理:ラインブロードニング:0.2 Hz FTサイズ131072
Figure 0006161538
図8Bは、(図8Aに示す)化合物2の結晶形Bの1H NMRスペクトルの拡大部分を示す。 パラメーター:図8Aと同様
Figure 0006161538
図8Cは、(図8Aに示す)化合物2の結晶形Bの1H NMRスペクトルの拡大部分を示す。 パラメーター:図8Aと同様
Figure 0006161538
図8Dは、(図8Aに示す)化合物2の結晶形Bの1H NMRスペクトルの拡大部分を示す。 パラメーター:図8Aと同様
Figure 0006161538
図8Eは、(図8Aに示す)化合物2の結晶形Bの1H NMRスペクトルの拡大部分を示す。 パラメーター:図8Aと同様
Figure 0006161538
図9は、非晶形の化合物2のXRPDを示す。
図10は、非晶形の化合物2のTGAサーモグラムを示す。 方法:00-350-10, 機器:TGA Q5000 V3.3 Build 250, Universal V4.4A(TA Instruments社製)
図11は、非晶形の化合物2の循環示差走査熱量測定分析を示す(サイクル1)。 方法:(-50)-(70-(-50)-250)-20, 機器:2920 MDSC V2.6A, Universal V4.4A(TA Instruments社製)
図12は、非晶形の化合物2の循環示差走査熱量測定分析を示す(サイクル2)。 方法:(-50)-(70-(-50)-250)-20, 機器:2920 MDSC V2.6A, Universal V4.4A(TA Instruments社製)
図13は、化合物2の物質CのXRPDパターンを示す。 パラメーター: Bruker Discovery D8, X線管:Cu(1.54059Å), 走査範囲:2.12〜37.00°2θ, ステップサイズ:0.02°2θ, 収集時間:900秒, File Monkey v3.2.3によるイメージ
図14は、化合物2の物質DのXRPDパターンを示す。 パラメーター: INEL XRG-3000, X線管:1.54187000Å, 電圧:40 kV, アンペア数:30 mA , ステップサイズ:およそ0.03°2θ, 収集時間:300秒, 回転キャピラリー(Spinning capillary), File Monkey v3.2.3によるイメージ
詳細な説明
本発明の分析は、〜187.9〜192.2℃で溶融する低い吸湿性の非溶媒和物質である、結晶形A、及び不定比酢酸エチル溶媒和物である結晶形Bを示す。両結晶形のデータは、主に単一結晶相からなる物質と一致していた。結晶形Aは、粉末X線回折(XRPD)、熱重量分析(TGA)、及び示差走査熱量測定(DSC)を用いて特性評価した。結晶形Bは、XRPD、TGA、DSC及び1H NMR分光法を用いて特性評価した。
結晶形Aは、機械的応力及び水蒸気応力に対し結晶形として安定した状態を保った。
本発明について十分な理解を促進するために、一部の実施態様の特定態様の例を次に示す。次に示す例は、本発明の範囲を限定するか、又は規定するように理解されるものではない。
試験
試験方法
化合物2の調製
化合物2の6つのロット(ロット1、2、3、4、5及び6と称する)を調製した。次に示す試験プロトコールによって、出発物質を調製した。
ロット1(結晶形A)
ジクロロメタン(DCM、40 ml)とメタノール(40.0 ml)の混合物中(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(6.23g, 20 mmol)の懸濁液に、ベンズアルデヒド(2.230 ml, 22.00 mmol)を加えた。得られた透明な溶液に、シアノホウ水素化ナトリウム(1.9g, 28.7 mmol)を、20〜25℃で、激しく泡立たないように少しずつ加え、溶液を20〜25℃で40時間撹拌した。3N NaOH (35 ml)で中和した1N HCl (35 ml)により、溶液を20〜25℃でクエンチし、混合物をDCM (200 ml)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、乾燥するまで蒸発させた。油残留物を、週末にわたって、20〜25℃で、2-プロパノール(40 ml)から結晶化した。結晶を回収し、これを2-プロパノールで洗浄し、乾燥させて、5.2gの粗生成物を得た。2-プロパノール-DCMからの再結晶化では、すべての不純物が除去されなかった。回収したすべてを、シリカによって蒸発させ、カラムにかけ、酢酸エチル(EA)→EA-MeOH 9:1→4:1で溶出し、画分8-25を収集して、3.8gを得た。2-プロパノール(45 ml)及びDCM(ロータバップ(rotavap)で除去した120 ml)からの再結晶化によって、2.77g→初期ロット(a)(HPLC 98.3%の面積)、及びTLC適正製品によってろ過して0.3gの未溶解物を得た。2-プロパノール(35 ml)及びDCM(ロータバップで除去した95 ml)からの初期ロット(a)の再結晶化によって、2.51g→初期ロット(b)(HPLC 98.3%の面積)を得た。上述の未溶解物と合わせて、アセトニトリル(200 ml、氷浴での還流)からの再結晶化によって、2.57g→初期ロット(c)(HPLC 98.8%の面積)を得た。アセトニトリル(180 ml、15℃での還流)からの再結晶化によって、2.25g→ロット1(HPLC 99.2%の面積)、融点190〜92℃を得た。
ロット2(結晶形A)
(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(12g, 29.9 mmol)を加熱しながら溶解し、テトラヒドロフラン(300 ml)中に還流させ、その溶液を5〜10℃に冷却し、水(510 ml)を、撹拌しながら徐々に(およそ10分)加えた。その混合物を1時間撹拌し、固形物を回収し、これを水で洗浄し、乾燥させて、11.73gの生成物を得、HPLCによって、1%の(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1,3-ジヒドロイミダゾール-2-チオン塩酸塩、及び1%の極性の小さい不純物を得た。生成物を、加熱しながらテトラヒドロフラン(300 ml)中に溶解して還流し、2-プロパノール(150 ml)を加え、その溶液を、1.5時間氷中に撹拌しながら、およそ100 ml(結晶化が生じる(occured))に濃縮した。固形物を回収し、2-プロパノールで洗浄し、乾燥させて、11.2gの生成物を得、HPLCによって、0.8%の(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩、及び0.5%の極性の小さい不純物を得た。生成物を、加熱しながらテトラヒドロフラン(300 ml)中に溶解して還流し、2-プロパノール(150 ml)を加え、その溶液を、20〜25℃で1時間撹拌しながら、およそ100 ml(結晶化が生じる)に濃縮した。固形物を回収し、2-プロパノールで洗浄し、乾燥させて、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンを得た(10.22g, 25.5 mmol, 収率85%)。
ロット3(結晶形B)
メタノール(15.00 ml)とジクロロメタン(15 ml)の混合物中(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(2.36g, 7.58 mmol)に、ベンズアルデヒド(0.845 ml, 8.34 mmol)を加えた。得られた透明な溶液に、シアノホウ水素化ナトリウム(0.702g, 10.61 mmol)を、20〜25℃で、激しく泡立たないように少しずつ加え、溶液を20〜25℃で40時間撹拌した。3N NaOH (12 ml)で中和した1N HCl (12 ml)により、溶液を20〜25℃でクエンチし、混合物をDCM (100 ml)で抽出した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、乾燥するまで蒸発させた。残留物を、溶離液としてEA-MeOH 9:1によりカラムで精製し、画分を収集し、およそ20 mlに濃縮し、氷中に冷却した。沈殿物を回収し、酢酸エチル‐石油エーテル1:1で洗浄し、風乾させ、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンを得た(1.55g, 3.86 mmol, 収率50.9%)。
ロット4(結晶形A)
常圧蒸留のために配置した500 mLフラスコに、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン(20g, 49,8 mmol)、及びテトラヒドロフラン(400 ml)を加えて、懸濁液を得た。その懸濁液を、完全な溶解が達成されるまで、加熱し(61℃)、ろ過した。次いで、得られた溶液を、蒸留を開始するために、66℃まで加熱した。水(125 ml)と2-プロパノール(125 ml)の混合物を、蒸留液を回収するのと同じ割合で加えた。400 mLの蒸留液を回収するまで、蒸留を継続した。〜320 mLの蒸留液を回収した後、結晶化を開始した。懸濁液を20℃まで冷却し、45分間熟成させ、さらに2-プロパノール(80 mL)でろ過し洗浄し、次いで、真空下で、50℃で一晩乾燥させ、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンを得た(18.79g, 94%)。
ロット5(結晶形A)
20℃で、メタノール(66L)と水(10L)の混合物に、精製(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩(4.37 kg, 9.98 mol)を加えて、懸濁液を得た。次いで、反応混合物を67℃まで加熱して、完全に溶解させ、1N水酸化ナトリウム(10.48L, 10.48 mol、1.05等量)を一度に加えた。反応混合物を67℃に調整し、67℃で30分間保持した。その後、反応混合物を20℃まで冷却し、20℃で少なくとも30分間熟成させた。次いで、反応物をろ過し、ろ過ケーキを水性メタノール(1:1 v/v, 20L)で洗浄し、15分間吸引し、その後、真空下で、45℃で乾燥させて、淡黄褐色の結晶固形物の(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンを得た(3.855 kg, 96%)。
ロット6(結晶形A)
250Lの反応器に、10.22 kgの精製(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩を充填し、113.0 kgのメタノールを加え、反応混合物を120 rpmで撹拌しながら47.3℃まで加熱した。得られた透明な褐色溶液を、温かいまま、200LのドラムにGAFフィルタを通してろ過し、該フィルタを8.0kgのメタノールで洗浄した。反応器を、45.0 kgのメタノールで清浄化し、ろ過したメタノール溶液を、200Lのドラムから250Lの反応器に移し、溶液を、120 rpmで撹拌しながら46.3℃まで加熱した。この温度で、23.5 kgの水を10分間加え、溶液を、60分間、64.3℃まで加熱し(還流)、30.6 kg水中1.2 kg水酸化ナトリウムの26.1 kg溶液を、90分間、64.5〜65.3℃で加えた(還流;発熱)。得られたベージュ色の懸濁液を、65.2〜66.9℃で45分間撹拌し、58〜60℃に冷却し、pH調節(pH 11)のためにサンプリングした。懸濁液を、1時間55分、24.8℃まで冷却し、この温度で13時間撹拌した。懸濁液を、遠心分離機(フィルタクロス型;Lanz Anliker PP20)に移し、一度に遠心分離した。250Lの反応器に、20.0 kgの水及び16.0 kgのメタノールを充填し、23.0℃で10分間撹拌した。ろ過ケーキをメタノール混合物で洗浄し、湿潤生成物(8.84 kg)を棚型乾燥機に移し、52.2℃及び290-1 mbarで、68時間44分乾燥させ、8.45 kgの(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンを得た。
本特許出願の文脈において、精製(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩とは、少なくとも95%純度で化合物が含まれ、好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは99.0%以上化合物が含まれることを意味する。
A.精製(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の調製:
段階1:粗(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン「粗化合物2」
250Lの反応器に、12.25 kgの(R)-5-(2-アミノエチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩を充填し、114.82 kgの2-プロパノールを加え、混合物を最大速度(140 rpm)で撹拌した。滴下漏斗を介して、1.856 kgのベンズアルデヒドを加え、続いて、次に示す添加順序に従って、Ti=20〜25℃で、3.945 kgのトリアセトキシホウ水素化ナトリウムを5回に分けて加えた。
1/5のベンズアルデヒド(約0.36L);
5〜10分間撹拌;
1/5のトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(約0.79 kg)の添加;
20〜30分間撹拌;
手順を4回繰り返す。
試料に工程管理(IPC-情報のみ)を採用し、滴下漏斗を介して、さらに1.856 kgのベンズアルデヒドを加え、続いて、次に示す添加順序に従って、Ti=20〜25℃で、3.946 kgのトリアセトキシホウ水素化ナトリウムを5回に分けて加えた。
1/5のベンズアルデヒド(約0.36L);
5〜10分間撹拌;
1/5のトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(約0.79 kg)の添加;
20〜30分間撹拌;
手順を4回繰り返す。
Ti=22.1℃で60分間、混合物を放置した。
250Lの反応器に、79.9 kgの水を充填し、140 rpmで撹拌し、次いで、4.48 kgの水酸化ナトリウムを加え、該混合物を140 rpm、Ti=24.8℃で25分間撹拌して、透明な溶液を得た(発熱)。水酸化ナトリウム溶液を、反応混合物に、最大速度(170 rpm)で、Ti=22.1〜22.9℃で90分間、撹拌しながら添加し(添加開始で弱い発熱及びH2発生)、淡褐色の懸濁液を得た。懸濁液を、Ti=22.9〜22.1℃及び120 rpmで60分間撹拌し、Ti=3.2℃まで冷却し、120 rpmで、この温度で16.5時間撹拌した。懸濁液を遠心分離機に移し、一度に遠心分離した。
250Lの反応器に、19.3 kgの2-プロパノール及び24.3 kgの水を充填し、Ti=3.5℃まで冷却した。ろ過ケーキを、冷却した2-プロパノール/水溶液で洗浄し、湿潤生成物(18.4kg)を棚型乾燥機に移し、Te=55℃、p=400→1 mbarで2〜3日間(67時間45分)乾燥させた。乾燥生成物(14.08 kg 粗化合物2)を、二重インライナーを備えたポリドラムに移し、ミキシングホイールで、6 rpmで1時間均質化し、さらなる処理まで、アルゴン下、周囲温度で保存した。
段階2:粗(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩
400Lの反応器に280.0 kgの水を充填し、Ti=16.0→21.0℃及び120 rpmで撹拌(stired)し、14.02kgの粗化合物2をTi=21〜21.1℃で加えて、懸濁液を得た。懸濁液に、5.28 kgの37% HClを、Ti=21.1〜22.0℃で23分間、3回に分けて添加し(弱い発熱)、混合物をTi=81.5℃まで120分間加熱し、Ti=82.0℃で60分間撹拌し、次いで、0.2〜0.25℃/分の冷却速度で、Ti=47.1℃で150〜180分以内撹拌しながら、冷却し、Ti=47.0℃で60分間、中速で撹拌した。懸濁液を遠心分離し、ろ過ケーキを64.5 kgの水で洗浄した。湿潤生成物(33.5 kg)を棚型乾燥機に移し、Te=48→53℃;p=300→1 mbarで68時間20分乾燥させた。乾燥生成物(12.40 kg)を、二重インライナーを備えたポリドラムに移し、ミキシングホイールで、13 rpmで3時間均質化し、12.4 kg (81%)の粗(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩を得た。さらなる処理まで、アルゴン下、周囲温度で保存した。
段階3:精製(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩
400Lの反応器に、12.3 kgの粗(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩を充填し、160.5 kgのトルエンを加え、混合物を130 rpmで撹拌した。98.0 kgのメタノールを添加し、混合物をTi=62℃まで1時間加熱し、その後、徐々に加熱して還流させた(Ti=65.9℃)。溶媒を蒸留によって除去し(6〜7時間以内に17.5〜21 L/時間)、同時にトルエンを補充した(6〜7時間以内に17.5〜21 L/時間)。反応混合物を、Ti=63.9℃、120rpmで45分間撹拌し、淡灰色の懸濁液を得た。その懸濁液を、Ti=23.0℃まで90分間冷却し、10時間(一晩)、この温度で撹拌した。
懸濁液を、遠心分離(フィルタクロス型:Lanz Anliker PP20)に移し、一度に遠心分離し、ろ過ケーキを、48.0 kgのトルエンと5.0 kgのメタノールの混合物(Ti=20〜25℃で5〜20分間、反応器中で予め混合した)で洗浄した。湿潤生成物(17.8 kg)を、アルゴン下で、プラスチックインライナーを備えたポリドラムに充填し、棚型乾燥機に移し(金属接触を回避するためにプラスチックインライナーを使用する)、Ti=48〜53℃; p=300→1 mbarで67時間乾燥させ、次いで、Te=50℃→53℃;p=300→1 mbarで47時間20分、さらに乾燥させた。生成物(10.286 kg)を取り出し、これを、二重プラスチックインライナーを備えた30Lのポリドラムに充填した。乾燥生成物(精製(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩)を、2時間、ミキシングホイールで均質化し(7 rpm)、さらなる処理まで、アルゴン下、周囲温度で保存した(HPLCによる純度99.0%以上)。
B. 化合物2の非晶質物質の調製
〜100 mg、〜500 mg、及び〜1gの化合物2ロット5を使用して、化合物2の非晶質物質の3つの試料を凍結乾燥によって調製した。出発物質の溶液を、高温(〜70〜71℃)で、およそ7 mg/mLの1,4-ジオキサン中で調製した。次いで、0.2 μmナイロンフィルタを使用して溶液を高温ろ過し、発熱器を止めて徐々に周囲温度まで冷却させた。周囲温度の溶液を、ドライアイス/アセトンバスで凍結し、-50℃に設定し、かつ真空ポンプを装備した凍結乾燥器に移した。〜100 mg、〜500 mgの規模の出発物質で発生させた試料を、およそ2日間乾燥させた。〜1gの規模の出発物質を使用して調製した試料を、〜5日間乾燥させた。乾燥後、得られた固形物を、冷凍装置内で乾燥剤上に保存した。
試験の詳細
1.多形スクリーン‐中規模試験
多形スクリーン試験を、出発物質として化合物2のロット5を主に使用して行った。追加の結晶化試験を、スクリーン時に発生した非晶質物質の3つの試料(試料番号1、2及び3)を使用して行った。試験を、通常〜10〜80 mgで行った。生成した固形物を、真空ろ過によって通常回収し、偏光下で観察した。
a.蒸発試験
出発物質の溶液を、所定の溶媒系の添加によって周囲温度で調製し、固形物を溶解した。0.2 μmナイロンフィルタを使用して、溶液を通常ろ過した。溶媒を、周囲温度又は高温でロータリーエバポレータを使用して除去する(回転蒸発、RE)か、又は開封バイアル(高速蒸発、FE)若しくはピンホールを有するアルミホイルで被覆されたバイアル(低速蒸発、SE)のいずれかから、周囲温度で蒸発させた。
b.高速、低速及び衝突冷却(crash cooling)試験
出発物質の試料を、所定の溶媒系と接触させ、オイルバスを使用して、高温にさせた。通常0.2 μmナイロンフィルタを使用して、得られた溶液を高温ろ過した。次いで、溶液を、熱源から外して周囲温度まで高速冷却(FC)させるか、加熱デバイスをオフにした状態でオイルバスに放置して、周囲温度まで低速冷却(SC)させるか、又は、ドライアイス/アセトンバスに入れ、衝突冷却(CC)させた。固形物が生成しなかった場合、溶液を通常超音波処理し、及び/又は冷蔵庫若しくは冷凍装置に置いた。
c.スラリー試験
超過固形物を含む出発物質への溶媒又は溶媒混合物の添加によって、溶液を調製した。次いで、混合物を、周囲温度又は設定温度のいずれかで、密封バイアル内で撹拌した。周囲温度よりも低い温度における撹拌では、冷却した溶媒を加え、試料を冷凍装置にすぐに移した。所定時間経過後、固形物を単離した。
d.水蒸気応力試験
出発物質の試料を、特定期間、周囲温度で〜85%及び〜97%の相対湿度、並びに〜40℃で〜75%の相対湿度に暴露した。
e.有機蒸気応力試験
溶媒を収容した20 mLバイアル内に、試験される固形物を収容した開封バイアルを配置することによって、出発物質の試料を、所定時間、特定の有機溶媒の蒸気に暴露した。有機蒸気応力試験を周囲温度で行った。
f.反溶媒沈殿試験
出発物質の溶液を、最小量の所定溶媒(S)の添加によって、周囲温度又は高温で調製した。次いで、溶液を、過剰の反溶媒(AS)に直接ろ過/高温ろ過するか、又は、反溶媒を、迅速にろ液に加えた。沈殿した固形物を、すぐに単離するか又は撹拌した。固形物が生成しなかった場合、溶液を通常超音波処理し、及び/又は冷蔵庫若しくは冷凍装置に置いた。
g.蒸気拡散試験
出発物質の溶液を、最小量の適切な溶媒の添加によって、周囲温度で調製した。通常0.2 μmナイロンフィルタを使用して、試料をろ過した。ろ液を収容した開封バイアルを、適切な反溶媒を収容した20 mLバイアル内に配置した。20 mLバイアルに蓋をし、静置した。
h.機械的応力試験
出発物質の試料を、Retschボールミルに入れ、溶媒なしで(乾式粉砕)、又は少量の溶媒を加えて(湿式粉砕)、2つの5分間のサイクルで、粉砕し、該サイクル間に固形物を切削した。10分のサイクルを、溶媒を添加しない選択された試料の粉砕に用いた。
i.熱応力試験
非晶質物質の試料を、ガラス転移よりも低く若しくは高く設定した温度の加熱炉に置くか、又は、所定時間、高温で、加振機ブロック上で撹拌した。
j.溶解試験の低速冷却
非晶質物質の試料を、ガラス転移よりも高い温度で、ホットプレート上で加熱した。次いで、発熱器を止めて、徐々に周囲温度まで試料を低速冷却させた。
2.多形スクリーン‐ウェルプレート試験(非cGMP)
96穴プレートを使用して、マイクロスケール試験を行った。cGMP条件下では試験を行わなかった。得られた固形物を偏光下で観察した。
ヘキサフルオロイソプロパノール(〜22 mg/mL)中化合物2ロット5の原液を調製した。100 μLの原液を、マイクロプレートの各ウェルに加えた(1ウェル当たり〜2.2 mgの化合物2)。第2及び第3の溶媒を、各溶媒について25 μLの量で添加した。第3の溶媒を使用しない場合、50 μLの第2の溶媒を添加した。高速蒸発を、被覆されていないウェルから行うことができた。低速蒸発試験において、1ウェルごとに1つのピンホールを有する穴の開いたアルミホイルを使用して、ウェルを被覆した。
本明細書の文脈において、室温は、周囲温度と同じである。室温は、およそ10℃からおよそ35℃、好ましくはおよそ15℃からおよそ30℃、より好ましくはおよそ20℃からおよそ25℃の温度であることが適切である。
機器テクニック
3.粉末 X線回折(XRPD)
a. Inel
選択されたXRPDパターンを、Inel XRG-3000回折計で収集した。Cu Kα放射の入射ビームを、微小焦点管、及び放物面多層膜ミラー(parabolically graded multilayer mirror)を使用して生成した。分析前に、ケイ素標準(NIST SRM 640c)を分析して、Si 111ピーク位置を確認した。試料を薄壁ガラス毛管に充填し、ビームストップを用いて、大気からのバックグラウンドを最小化した。回折パターンを、Windif v.6.6ソフトウェア、及び120°の2θ範囲を有する湾曲型位置敏感(curved position-sensitive)Equinox検知器を使用して、透過形状で収集した。各パターンのデータ収集パラメーターを、上述の「図面の簡単な説明」の節に示す。
b. Bruker
選択されたXRPDパターンを、Bruker D8 DISCOVER回折計、及びBruker社製のGeneral Area-Detector Diffraction System(GADDS, v. 4.1.20)を使用して収集した。Cu Kα放射の入射マイクロビームを、長い微小焦点管(40 kV, 40 mA)、放物面多層膜ミラー、及び0.5 mmのダブルピンホールコリメータを使用して生成した。分析前に、ケイ素標準(NIST SRM 640c)を分析して、Si 111ピーク位置を確認した。試料を3 μm厚膜間に充填して、携帯可能な円盤状の試料を形成した。調製した試料を、移動ステージに固定されたホルダーに載せた。ビデオカメラ及びレーザーを使用して、透過形状の入射ビームと交差する関心領域を位置決めした。入射ビームを走査及び/又はラスター化(rastered)して、サンプリング及び配向の統計を最適化した。ビームストップを用いて、大気からのバックグラウンドを最小化した。回折パターンを、試料から15 cm離れて位置し、かつGADDSを用いて処理された、HISTAR(商標)領域検知器を使用して収集した。回折パターンのGADDS像の強度を統合し、2θの関数として示した。各パターンのデータ収集パラメーターを、上述の「図面の簡単な説明」の節に示す。
c. Bruker(ウェルプレートホルダー)
マイクロプレート試料のXRPDパターンを、Bruker D8 DISCOVER回折計、及びBruker社製のGeneral Area-Detector Diffraction System(GADDS, v. 4.1.20)を使用して収集した。Cu Kα放射の入射マイクロビームを、長い微小焦点管(40 kV, 40 mA)、放物面多層膜ミラー、及び0.5 mmのダブルピンホールコリメータを使用して生成した。分析前に、ケイ素標準(NIST SRM 640c)を分析して、Si 111ピーク位置を確認した。移動ステージにウェルプレートを固定することによって、試料を、分析のために位置決めし、各試料を移動させて、透過形状の入射ビームと交差させた。入射ビームを、分析時に走査及びラスター化して、配向の統計を最適化した。ビームストップを用いて、大気からのバックグラウンドを最小化した。回折パターンを、試料から15 cm離れて位置し、かつGADDSを用いて処理された、HISTAR(商標)領域検知器を使用して収集した。回折パターンのGADDS像の強度を統合し、2θの関数として示した。機器を、非GMP条件下で操作した。結果は非GMPである。各パターンのデータ収集パラメーターを、上述の「図面の簡単な説明」の節に示す。
d. PANalytical
選択されたXRPDパターンを、Optix 長微小焦点源を使用して生成したCu放射の入射ビームを使用して、PANalytical X'Pert PRO MPD回折計で収集した。楕円面多層膜ミラー(elliptically graded multilayer mirror)を使用して、試料を通して、及び検出器上にCu KαX線を集中させた。分析前に、ケイ素標準(NIST SRM 640c)を分析して、Si 111ピーク位置を確認した。試料を3 μm厚膜間に挟み、透過形状で分析した。ビームストップ、短い抗散乱拡大(short antiscatter extension)、及び通常ヘリウム雰囲気を用いて、大気によって生じたバックグラウンドを最小化した。入射及び回折ビームのソーラスリットを使用して、軸の発散からの広がりを最小化した。回折パターンを、試料から240 mm離れて位置する走査位置敏感検出器(X'Celerator)、及びデータコレクタソフトウェアv.2.2bを使用して収集した。各パターンのデータ収集パラメーターを、上述の「図面の簡単な説明」の節に示し、これには、ミラー及び入射ビーム抗散乱スリット(SS)の前に、発散スリット(DS)が含まれる。
a.インデクシング
インデクシング及び構造精密化は、cGMPガイドライン下では行われない計算研究である。
化合物2のXRPDパターンを、専用ソフトウェアを使用してインデクシングした。CheckCellバージョン11/01/04を使用して、インデクシング分解を確認し、示した(Jean laugierとBernard Bochuによる、LMGP-Suite X線試験の解釈のためのプログラム一式, ENSP/Laboratoire des Materiaux et du Genie Physique, BP 46. 38042 Saint Martin d'Heres, France, WWW: http://www.inpg.fr/LMGP 及び http://www.ccp14.ac.uk/tutorial/lmgp/)。
4.熱重量分析(TGA)
TA Instruments 2950及びQ5000の熱重量分析器を使用して、TG分析を行った。ニッケル及びAlumel(商標)を使用して、温度較正を行った。試料をそれぞれ、アルミニウム皿に置き、TG炉に入れた。該炉を窒素パージ下で加熱した。データ収集パラメーターを各サーモグラム上に示す。
サーモグラムのメソッドコード(上述の「図面の簡単な説明」の節の図面の記載によって示す)は、開始温度及び終了温度、並びに加熱速度の略語であり、たとえば、25-350-10とは、「10℃/分で25℃〜350℃」を意味する。
5. 相関熱重量赤外分析(TG-IR)
熱重量赤外(TG-IR)分析を、Ever-Glo 中/遠IR源、臭化カリウム(KBr)ビームスプリッター、及びテルル化カドミウム水銀(MCT-A)検知器を装備したMagna-IR 560(登録商標)フーリエ変換赤外分光(FT-IR)分光光度計(Thermo Nicolet社製)にインターフェース接続した、TA Instruments社製熱重量(TG)分析器モデル2050で行った。ポリスチレンを使用して、FT-IR波長の確認を行った。また、TG較正標準は、ニッケル及びAlumel(商標)であった。試料をプラチナ試料皿に置き、この皿をTG炉に入れた。TG機器を最初に始動させ、その直後に、FT-IR機器を始動させた。TG機器を、ヘリウム流下で、パージ及びバランスをそれぞれ、90及び10 cc/分で操作した。該炉を、窒素下、20℃/分の速度で、250℃の最終温度まで加熱した。IRスペクトルは、およそ13分間、およそ32秒ごとに収集した。IRスペクトルはそれぞれ、4 cm-1のスペクトル分解で収集した32回の同時走査(co-added scan)を表す。高分解能Nicolet Vapor Phaseスペクトルライブラリの検索から揮発性物質を同定した。
6.示差走査熱量測定(DSC)
TA Instruments 2920又はQ2000示差走査熱量計を使用して、DSCを行った。NIST追跡インジウム金属を使用して、温度較正を行った。試料をアルミニウムDSC皿に置き、蓋で覆い、重量を正確に記録した。試料皿として構成された秤量アルミニウム皿を、セルの参照側に置いた。各サーモグラムのデータ収集パラメーター及び皿の形態を、サーモグラムの各々の像に示す。
サーモグラムのメソッドコードは、開始温度及び終了温度、並びに加熱速度の略語であり、たとえば、25-250-10とは、「10℃/分で25℃〜250℃」を意味する。
7. 循環示差走査熱量測定(循環DSC)
非晶質物質のガラス転移温度(Tg)に関する試験において、試料セルを-50℃で平衡に保ち、次いで、窒素下で、70℃まで20℃/分の速度で加熱し、この温度で平衡に保った。その後、試料セルを冷却させ、-50℃で平衡に保った。250℃の最終温度まで、20℃/分の速度で、試料セルを再度加熱した。Tgを、転移(変曲点)の半分の高さにより報告する。
8.高温顕微鏡観察(HSM)
SPOT Insight(商標)カラーデジタルカメラを装備したLeica DM LP顕微鏡上に搭載したLinkam hotstage (FTIR 600)を使用して、高温顕微鏡観察を行った。USP融点標準を使用して、温度較正を行った。試料をカバーグラスに置き、別のカバーグラスを試料上に置いた。台を加熱したら、試料をそれぞれ、十字型偏光子及び1次赤色補償板を備えた20倍の対物レンズを使用して、視覚的に観察した。SPOTソフトウェア(v. 4.5.9)を使用して、像を捕らえた。
9. 水分吸着分析
水分吸着/脱着データを、VTI SGA-100蒸気吸着分析器で収集した。NaCl及びPVPを、較正標準として使用した。分析前に、試料を乾燥させなかった。吸着及び脱着データを、窒素パージ下において、5〜95% RHの範囲にわたって、10% RHずつ増加させて収集した。分析に用いた平衡基準は、5分で0.0100%未満の重量変化であると共に、3時間の最大平衡時間であった。試料の初期水分含量についてデータを補正しなかった。
10. プロトン溶液核磁気共鳴分光(1H NMR)
試料をすべて重水素化DMSOで調製した。具体的な収集パラメーターを、図8Aにおける上述の「図面の簡単な説明」の節に記載する。
化合物2のロット1、2、3、4、6及び5の特性評価データを、表5に概説する。
Figure 0006161538
Figure 0006161538
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物質を、高分解能粉末X線回折(XRPD)、熱重量分析(TGA)、及び示差走査熱量測定(DSC)によって特性評価した。高温顕微鏡観察及び水分吸着分析を、ロット5で行った。ロット3を、プロトン核磁気共鳴分光(1H NMR)によってさらに特性評価した。ロット4のXRPDパターンをインデクシングした。一時的インデクシング分解を確認するための分子充填の試みは行わなかった。
ロット4の一時的インデクシング分解を、図1に示す。空間群は、割り当てられた消滅記号、単位格子パラメーターと一致し、推定量を表6に示す。
Figure 0006161538
全体として、ロット1、4、6及び5のデータは、物質が溶媒和されておらず、結晶形Aと称する同じ固体形態から主になることを示す。ロット3のデータは、結晶形Bと称する化合物2の不定比酢酸エチル溶媒和物と一致する。ロット2は、XRPDに基づいて結晶形Aと一致するが、TGAに基づいて、ある程度の溶媒和が該物質で示唆される。6つのロットは、全体として、主に単一結晶相からなる。
ロット4によって示されたXRPDパターンは、良好にインデクシングされ、該物質が単一結晶相から主になることを示した(表6)。許容されたピーク位置と観察されたピークとの一致は、単位格子測定の一致を指摘する(図1)。2つの角度がα及びβ角度として提供される。γ角度が90°よりもわずかに小さい場合、α及びβは鋭角とする必要がある。γ角度が90°よりもわずかに大きいか又は90°に等しい場合、α及びβは鈍角とする必要がある。γ角度が90.00°に改良されるが、誤差内で90°よりも100分の1度小さい場合があるので、鋭角及び非鋭角格子が提供された。
ロット1、4、6及び5の熱重量(TGA)曲線は類似しており、〜257から262℃よりも低い温度で重量損失を示さず、該物質が溶媒和されていないことを示した。しかしながら、ロット3は、ロットのNMRデータ及びスクリーン中に発生した物質で収集したTG-IRデータに基づき、〜0.13モルの酢酸エチルの放出に関連して、〜162℃から〜200℃で〜2.3重量%の損失を示した。高温の放出は、結晶格子内の溶媒の導入を示唆する。類似するが明確でない相違は、ロット2の加熱でみられた。該物質は、〜185℃から〜200℃でわずかな重量損失(〜0.6重量%)を示した。物質の分解に起因する顕著な重量損失が、〜257〜262℃において、6つのロットでみられた。
ロット5で収集した高温顕微鏡観察データによって確認されるように、ロット1〜5で得られたDSCサーモグラムは、溶融と一致して、〜191.9〜193.8℃の範囲(ピーク最大値)において顕著な吸熱を示した。ロット3によって示された吸熱のわずかな非対称は、TGAデータ、並びに物質中の酢酸エチルの存在を示すNMRデータによって示唆されるように、おそらく、脱溶媒和事象と重複することに起因して観察された。
高温顕微鏡観察のデータは、多形スクリーンにおいて主な出発物質として使用されたロット5で収集した。該物質は、最初に複屈折と消滅(その結晶度を示す)を示した。可視変化は、〜143.0℃未満の加熱ではみられなかった。固体‐液体転移は、物質の溶融を示す、〜187.9〜192.2℃の温度範囲でみられた。結晶化は、〜35.6℃までの冷却ではみられなかった。
水分吸着分析データをロット5で得た。データは低い吸湿性の物質と一致する。該物質は、〜5% RHの平衡状態で無視できる重量損失を示した。無視できる増加(〜0.02重量%)は、〜75%未満のRHでみられ、〜75%のRHを超えると、該物質は、さらに〜0.19重量%増加し、〜5%から〜95%のRHで〜0.21重量%の全水吸収であった。ほぼ完全な脱着が、相対湿度の低下(〜95%から〜5%のRHで〜0.20重量%の損失)で、〜85%から〜45%のRHでわずかなヒステリシスと共に生じた。
プロトンNMRスペクトルをロット3で得、他のロットと比較して、該物質にみられた相違を理解するのに有用であった。該物質のNMR化学シフト及び積分値は、化合物2の化学構造と一致する。スペクトルは、〜0.13モルの酢酸エチルに起因する〜4.03 ppm、〜1.99 ppm、及び〜1.18 ppmで付加的なピークを示し、その存在は、発生条件に基づいて予想される。また、未確認の小さいピークも、不純物の存在におそらく起因して、〜9.87 ppm、〜5.31 ppm、〜4.09 ppm、及び〜3.17 ppmでみられた。
C. 化合物2の多形スクリーン
単離した固形物を、粉末X線回折(XRPD)によって分析し、パターンを相互に、及び、結晶形Aと称するロット5のXRPDパターンと比較した。また、結晶形Bと称するロット3で収集したパターンも、標準として使用した。
化合物2のロット5を使用して、有機溶媒中で行ったマイクロスケール及び中規模結晶化試験の条件及び結果をそれぞれ、表7及び表8に概説する。表9は、物質の有機蒸気及び機械的応力の結果を示す。
化合物2の結晶形Aを生じる次に示す過程はそれぞれ、本発明の別の態様であり、また、化合物2の結晶形Bを生じる次に示す過程はそれぞれ、本発明の別の態様である。
Figure 0006161538
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出発物質として非晶質の化合物2の種々の試料を使用する、非水性媒体中の結晶化、有機蒸気応力、及び熱応力の条件及び結果を、表10、表11及び表12に同様に示す。
Figure 0006161538
Figure 0006161538
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出発物質として、ロット5と、スクリーン時に発生した非晶質物質とを使用して、水和物形成を目標とする一連の試験を、表13〜表16に示す。特に、表13及び表15は、種々の水分活性スラリー試験の結果を示す。ロット5を使用する水による反溶媒沈殿の条件及び結果を、表14に概説する。表16は、水蒸気応力試験の結果を示す。
Figure 0006161538
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本明細書の文脈において、「不規則な」結晶とは、物質のXRPDパターンが広いピーク(機器のピーク幅に関して)、及び/又は強い散慢散乱(ピークに関して)を有することを意味する。実施態様において、不規則な物質は、
微結晶;
大きな欠陥密度を有する結晶;若しくは、
結晶とX線アモルファス相の混合物;又は、
上述のものの組合せである。
a.物質C
物質Cを、高温(〜50℃)で非晶質物質の水性スラリーによって、排他的条件下で製造した。物質Cの実験条件及びTGAデータは、水和された物質の形成が可能であることを示唆した。しかしながら、種々の水分活性を有する有機溶媒/水混合物中のスラリー、並びに界面活性剤を使用する水中のスラリーを含む水性溶媒におけるさらなる試験は、物質Cを製造しなかったが、結晶形Aを生じた。したがって、物質Cの性質は知られていない。該物質は、潜在的に、高温で水性スラリーによって得られた化合物2の結晶分解物であり得た。または、物質Cは、周囲温度で容易に脱水する化合物2の不安定な水和物であり得た。可変的な相対湿度室において非晶質物質のXRPD分析を試みなかったが、潜在的に関心を有し得るものであった。
b.物質D
周囲温度よりも低い温度まで、メチルエチルケトン/トルエン(〜4/1)溶液を高速冷却することによって、単一試験で物質Dを製造した。周囲温度よりも低い温度で最初に形成した固形物は、周囲条件おける平衡状態で溶解し、周囲温度よりも低い温度に戻すと再沈殿することが観察された。溶媒条件の排他性は、溶媒和物質の形成が可能であることを示唆した。特に、1回限りの冷却及び初期の冷却は、結晶度を表す消滅と共に複屈折を示し、室温で分析する場合(周囲温度よりも低い温度におけるXRPDを試みなかった)、物質は、不規則なXRPDパターンを示した。これは、周囲条件下の保存における溶媒の急速な損失による、結晶度の部分的な損失を潜在的に示唆する。物質Dの溶媒和性は、非晶質物質の結晶化を含む、物質を標的とするいずれかのさらなる試験として確認されず、示された種々のメチルエチルケトン/トルエン混合物からの化合物2のロット、並びに、対応する溶媒は、個々に物質Dを製造しなかったが、結晶形Aを生じた。
D.化合物2の非晶質物質の調製及び特性評価
多形スクリーン時に最初に発生した非晶質物質をスケールアップし、スクリーニングのための代替出発物質を提供した。スケールアップ試験を、化合物2のロット5を使用して、出発物質の〜500 mg及び〜1gの規模で行った。2つの試料を、1,4-ジオキサン溶液の凍結乾燥によって製造し、最初に高温で調製し、溶解を容易にさせて、周囲温度まで冷却した。
試料番号2を、XRPD、TGA、DSC(標準及び循環)、高温顕微鏡観察、水分吸着分析、及び溶液1H NMRによって特性評価した。循環DSCを試料番号3で収集し、該物質が非晶質であるか否かを確認した。スケールアップ条件を表17に概説する。特性評価データを表18に示す。
Figure 0006161538
Figure 0006161538
Figure 0006161538
全体として、2つの試料のデータは、〜49〜51℃の温度範囲でガラス転移を示す非晶質物質と一致する。試料番号2で得た追加データは、該物質が、残余溶媒を含み、顕著な吸湿性を示し、広範囲の相対湿度(〜85〜15% RH)で脱着において顕著な水分量を保持することを示唆する。
a.試料番号2
この試料のXRPDデータは、そのパターンに特有のハローを示し、かつシャープなピークの証拠を示さない非晶質物質と一致する。
熱データは、残余の溶媒を含む物質と一致する。TGA曲線は、〜26℃から〜71℃で〜1.2重量%の損失を示し、これは、物質の吸湿性に基づいて、保持された水分の損失に関係していると考えられた。少量のジオキサンの存在がNMRによって確認されたので、残余のジオキサンの放出も重量損失の原因であると考えられる。顕著な重量損失は、おそらく物質の分解に起因して、〜258℃(開始)でみられた。
DSCサーモグラムは、TGA損失と同時に、〜34.0〜68.0℃の範囲で〜54.3℃(ピーク最大値)において、わずかに広い吸熱事象を示した。該事象は、潜在的に、温度循環DSCによって示唆されるような緩和と共に、ガラス転移事象と重複した物質の脱溶媒和に関係していると考えられる。結晶化、続いて、高温顕微鏡観察データに基づく溶融により、〜111.7℃(ピーク最大値)でわずかに広い発熱がみられ、続いて、〜190.7℃(ピーク最大値)で顕著な吸熱がみられた。非晶質物質によって行われた熱応力試験、並びに結晶形Aで得られたDSCデータの結果は、該物質が結晶形Aとして再結晶化することを示す。
温度循環DSC曲線は、TGAデータに基づく脱溶媒和により、第1の加熱サイクル時に、〜54.5℃(ピーク最大値)でわずかに広い吸熱を示した。該物質のガラス転移温度(Tg)は、第2の加熱サイクル時にベースラインの段階的変化として〜48.8℃(中間点)でみられた。さらに、サーモグラムは、先に示唆するように、結晶形Aの結晶化、続いて、その溶融により、〜114.8℃(ピーク最大値)で広い発熱、続いて、〜194.5℃(ピーク最大値)で顕著な吸熱を示した。
高温顕微鏡観察は、おそらく非晶質物質の予想された小さい粒子サイズにより、〜183.5℃よりも低い温度で可視変化を示さなかった。〜183.5℃でみられた一部の複屈折は、DSCデータに基づく結晶形Aの結晶化、及び非晶質物質で行われた熱応力試験の結果と一致する。固体液体転移は、再結晶化した物質の溶融により、〜186.0℃から〜186.6℃でみられた。
該試料で得られた水分吸着分析データは、顕著な吸湿性の物質と一致する。〜0.1重量%の増加が〜5% RHの平衡状態でみられた。該物質は、〜75%未満のRHで水のおよそ1.2重量%を増加させ、相対湿度を〜95%まで増加させることにより、〜8.7重量%の付加的な水吸収と、〜9.9重量%の全増加を示した。部分的な脱着が、〜5%まで相対湿度を減少させることにより生じた(〜95%から〜5% RHで〜8.6重量%の損失)[5]。大きなヒステリシスは、〜85%から〜15%のRHで脱着においてみられ、広範囲の相対湿度において、該物質が相当量の水分(〜3.6〜5.8重量%)を保持することを示した。この挙動は、水和物の存在を示し得る。しかしながら、水和された形態(物質C)を標的とする試験は、おそらく不安定な水和物の存在により成功しなかった。平衡状態は、〜85%から〜95%のRH、及び〜15%から〜5%のRHで到達せず、さらに高い水吸収が可能であることを示唆した。
該物質のNMR化学シフト及び積分値は、化合物2の化学構造と一致する。スペクトルは、残余のジオキサンに起因する〜3.57 ppmで小さい付加的なピークを示した。〜5.08 ppm、〜1.36 ppm、〜1.23 ppm、及び〜0.85 ppmの未確認の小さいピークは、おそらく不純物の存在によりみられた。
b.試料番号3
この試料の温度循環DSCデータは、試料番号2で得られたデータに類似していた。温度循環DSC曲線は、おそらく脱溶媒和により、第1の加熱サイクル時に、〜57.2℃(ピーク最大値)でわずかに広い吸熱を示した。該物質のガラス転移温度(Tg)は、第2の加熱サイクル時にベースラインの段階的変化として〜50.6℃(中間点)でみられた。さらに、サーモグラムは、先に示唆するように、結晶形Aの結晶化、続いて、その溶融により、〜123.7℃(ピーク最大値)で広い発熱、続いて、〜195.0℃(ピーク最大値)で顕著な吸熱を示した。
E.化合物2の結晶形B(酢酸エチル溶媒和物)の追加の特性評価
結晶形B(ロット3)の物理特性評価に加えて、スクリーン時に発生した結晶形Bの試料の部分的な特性評価を行った。追加データを、酢酸エチル中で非晶質物質の有機蒸気応力によって製造した物質(試料番号79)、及び、部分的な回転蒸発後のテトラヒドロフラン/酢酸エチル中で結晶形Aの溶液の結晶化によって得られた物質(試料番号48)で得た。2つの物質をXRPDによって特性評価した。また、非晶質から調製した結晶形B(試料番号79)も、TGA及び相関熱重量赤外分析(TG-IR)によって特性評価した。データを表19に示す。
Figure 0006161538
全体として、2つの物質のデータは、先に特性評価した結晶形B、化合物2の結晶の不定比酢酸エチル溶媒和物と一致する。
試料のXRPDデータは、結晶物質を示すピークの分解能を示した。2つの物質は、NMR分光法によって酢酸エチルを含むことを確認した、先に特性評価したロット3のパターンと一致するパターンを示した。
TGAデータは、溶媒和物質と一致する。該物質のTGA曲線は、TG-IRデータに基づく酢酸エチルの放出に関連した、〜138℃から〜190℃で〜4.7重量%の損失を示した。先にロット3について示唆するように、高温の放出は、結晶格子内の溶媒の導入と一致する。顕著な重量損失は、分解に起因して〜254℃(開始)でみられた。
相関TG-IRデータは、不定比酢酸エチル溶媒和物と一致する。TGA関連データと、グラム‐シュミット(Gram-Schmidt)プロットは共に、加熱時に揮発性物質の損失を示した。グラム‐シュミットプロットは、揮発性物質の放出により、〜9.1分で最大強度を示した。TGA曲線は、〜9.1分のIR関連スペクトルによって確認される、化合物2のモル当たりおよそ0.23モルの酢酸エチルの損失に起因して、〜144℃から〜190℃で〜4.8重量%の重量損失を示した。
F.物質Cの部分的な特性評価
部分的な特性評価データを、〜50℃で、非晶質物質の水性スラリーによって排他的条件下で製造した物質(試料番号119)で得た。該物質をXRPD及びTGAによって特性評価した。データを表15に概説する。
該物質のXRPDデータは、物質Cと称する結晶物質を示すピークの分解能を示した。結晶形AのXRPDパターンに類似して、物質Cのパターンは、新しい結晶物質との考え得る混合物を示す付加的なシャープなピークを示した。TGAデータは、〜28℃から〜192℃で〜1.0重量%のわずかな重量損失を示した。損失の性質は確認されなかったが、物質発生の条件に基づく水の放出に関係していると考えられ、これは、おそらくある程度の水和の可能性があることを示唆する。顕著な重量損失は、分解に起因して〜256℃(開始)でみられた。
物質Cで観察されたXRPDピーク、及び物質Cの顕著なXRPDピークを、下の表20及び表21に示す。
Figure 0006161538
Figure 0006161538
物質Cを、高温(〜50℃)で非晶質物質の水性スラリーによって、排他的条件下で製造した。結晶形AのXRPDパターンに類似して、物質Cのパターンは、新しい結晶物質との考え得る混合物を示す付加的なシャープなピークを示した。物質発生の条件と共に、加熱時にみられたわずかな重量損失(〜1.0重量%)は、物質Cが化合物2の水和物であることを示唆した。しかしながら、損失の性質は、種々の水分活性を有する有機溶媒/水混合物中のスラリー、並びに、界面活性剤を使用した水中のスラリーを含む、物質Cを標的とする水性媒体におけるいずれのさらなる試験も結晶形Aを生じたので、確認されなかった。
物質Dを、排他的条件下で、具体的には、周囲温度よりも低い温度で、メチルエチルケトン/トルエン(〜4/1)溶液からの結晶化によって、製造した。溶媒系の排他性は、溶媒和物質の形成が可能であることを示唆した。溶媒の急速な損失による保存時の結晶度の部分的損失は、XRPDデータに基づいて物質Dで示唆されたが、種々のメチルエチルケトン/トルエン混合物、並びに、対応するそれぞれの溶媒からの結晶化を含む、該物質を標的とするいずれのさらなる試験も結晶形Aを生じたので、確認されなかった。
物質Dで観察されたXRPDピーク、及び物質Dの顕著なXRPDピークを、下の表22及び表23に示す。
Figure 0006161538
Figure 0006161538
本発明が、添付の特許請求の範囲内で改良されてもよいことが認識される。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
非溶媒和形態である、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成2)
14.0、16.1、16.6、19.2及び20.4°2θ±0.2°2θにピークを有したXRPDパターンを有する、構成1記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成3)
さらに15.6及び18.4°2θ±0.2°2θにピークを有したXRPDパターンを有する、構成2記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成4)
図2に示すXRPDパターンを有する、構成1〜3のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成5)
259℃±5℃の開始温度で重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、構成1〜4のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成6)
図3に示すTGAサーモグラムを有する、構成1〜5のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成7)
192℃±2℃の開始温度で吸熱ピークを示し、かつ193℃±2℃でピーク最大値を示す示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、構成1〜6のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成8)
図4に示すDSCサーモグラムを有する、構成1〜7のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成9)
酢酸エチル溶媒和物である、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成10)
0.1〜0.2モルの酢酸エチルを含む、構成9記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成11)
およそ0.13モルの酢酸エチルを含む、構成9又は10記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成12)
7.9〜8.0、14.0、16.0〜16.1、19.2及び20.4°2θ±0.2°2θにピークを有したXRPDパターンを有する、構成9〜11のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成13)
さらに15.6、16.7及び18.4°2θ±0.2°2θにピークを有したXRPDパターンを有する、構成12記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成14)
図5に示すXRPDパターンを有する、構成9〜13のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成15)
257℃±5℃の開始温度で重量損失を示し、かつおよそ130℃からおよそ200℃で重量損失を示すTGAサーモグラムを有する、構成9〜14のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成16)
図6に示すTGAサーモグラムを有する、構成9〜15のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成17)
およそ190℃±2℃の開始温度で吸熱ピークを示し、かつ、およそ192℃±2℃でピーク最大値を示すDSCサーモグラムを有する、構成9〜16のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成18)
図7に示すDSCサーモグラムを有する、構成9〜17のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成19)
酢酸エチルに起因するピークを有した 1 H NMRスペクトルを有する、構成9〜18のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成20)
およそ4.0 ppm、およそ2.0 ppm、及びおよそ1.2 ppmにピークを有した 1 H NMRスペクトルを有する、構成9〜19のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成21)
図8Aに示す 1 H NMRスペクトルを有する、構成9〜20のいずれかに記載の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成22)
非晶形の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン。
(構成23)
258℃±5℃の開始温度で重量損失を示し、かつおよそ26℃からおよそ71℃でおよそ1.2重量%の損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、構成22記載の非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン。
(構成24)
図10に示すTGAサーモグラムを有する、構成22又は23記載の非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン。
(構成25)
ガラス転移による段階的変化を示す、循環示差走査熱量測定(循環DSC)サーモグラムを有する、構成22、23又は24記載の非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン。
(構成26)
前記段階的変化が50℃±2℃の温度においてである、構成25記載の非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン。
(構成27)
図11及び図12に示す循環DSCサーモグラムを有する、構成22〜26のいずれか一に記載の非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン。
(構成28)
実質的に、実施例に関して明細書に説明する、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形A。
(構成29)
実質的に、実施例に関して明細書に説明する、1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶形B。
(構成30)
実質的に、実施例に関して明細書に説明する、非晶質の1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオン。
(構成31)
少なくとも1つの有機溶媒中の(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の再結晶化を含む、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンの結晶形Aを精製する方法。
(構成32)
前記有機溶媒が、トルエンとメタノールの混合物である、構成31記載の方法。
(構成33)
前記混合物中に、トルエン及びメタノールが、62:38 w/wの割合で存在する、構成32記載の方法。
(構成34)
前記有機溶媒は留去され、トルエンが補充される、構成32又は33記載の方法。
(構成35)
(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンへの(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の変換をさらに含む、構成31〜34のいずれかに記載の方法。
(構成36)
前記(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の変換が、アルカリ金属水酸化物を使用して達成される、構成35記載の方法。
(構成37)
前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムである、構成36記載の方法。
(構成38)
前記変換が、メタノールと水の混合物中で行われる、構成35〜38のいずれかに記載の方法。
(構成39)
(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンの純度が、少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、最も好ましくは99.0%以上である、構成31〜38のいずれかに記載の方法。

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの有機溶媒中の(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の再結晶化を含む、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンの結晶を精製する方法であって、該結晶は結晶形Aであり、該精製方法は、アルカリ金属水酸化物を使用する、(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンへの変換をさらに含み、該結晶は非溶媒和形態であり、ここで、非溶媒和とは、結晶形Aの該結晶の熱重量(TGA)曲線が、200℃未満で1重量%未満の重量損失を示すことを意味し、該結晶は、14.0、16.1、16.6、19.2及び20.4°2θ±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンを有する、前記方法
  2. 前記1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶が、さらに15.6及び18.4°2θ±0.2°2θにピークを有するXRPDパターンを有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶が、以下のXRPDパターンを有する、請求項1又は2記載の方法:
    Figure 0006161538
  4. 前記1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶が、259℃±5℃の開始温度で重量損失を示す熱重量分析(TGA)サーモグラムを有する、請求項1、2又は3記載の方法。
  5. 前記1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶が、以下のTGAサーモグラムを有する、請求項1〜4のいずれかに記載の方法:
    Figure 0006161538
  6. 前記1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶が、192℃±2℃の開始温度で吸熱ピークを示し、かつ193℃±2℃でピーク最大値を示す示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記1-[(3R)-6,8-ジフルオロ-3,4-ジヒドロ-2H-1-ベンゾピラン-3-イル]-1,3-ジヒドロ-5-[2-[(フェニルメチル)アミノ]エチル]-2H-イミダゾール-2-チオンの結晶が、以下のDSCサーモグラムを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の方法:
    Figure 0006161538
  8. 前記有機溶媒が、トルエンとメタノールの混合物である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記混合物中に、トルエン及びメタノールが、62:38 w/wの割合で存在する、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記有機溶媒は留去され、トルエンが補充される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンへの(R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオン塩酸塩の変換が、メタノールと水の混合物の存在下で行われる、請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
  12. 前記アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウムである、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. (R)-5-(2-(ベンジルアミノ)エチル)-1-(6,8-ジフルオロクロマン-3-イル)-1H-イミダゾール-2(3H)-チオンの純度が、少なくとも95%である、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記純度が、少なくとも98%である、請求項1〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記純度が、99.0%以上である、請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
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