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JP6163985B2 - 熱転写シート、及び熱転写シートの製造方法 - Google Patents
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JP6163985B2 - 熱転写シート、及び熱転写シートの製造方法 - Google Patents

熱転写シート、及び熱転写シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写シート、及び熱転写シートの製造方法に関する。
簡便な印刷方法として、種々の熱転写記録方法が広く使用されている。各熱転写記録方法では、連続した基材上に、例えば、イエロー、マゼンダ及びシアン(必要に応じてブラック)の色材層を面順次に繰り返し多数設けた熱転写シートが主に使用されている。熱転写記録方法は、加熱によって色材層が溶融軟化し、熱転写受像シート上に移行して画像を形成する熱溶融型記録方法と、加熱によって色材層中の染料を被転写体上に移行して画像を形成する昇華型記録方法とに大別される。中でも、昇華型記録方法は、昇華性染料を色材としているため中間調の再現性や階調性に優れており、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
上記熱転写シートは、一般的に巻き取られた状態で保管・使用されるところ、色材層に含まれる色材がブリード等により色材層の表面に局在化した状態で存在している場合には、当該昇華性染料が、熱転写シートの耐熱滑性層側に移行(所謂キック)しやすくなる。そして、当該耐熱滑性層側に移行した昇華性染料が、再び、色材層側に再移行(所謂バック)した場合、特に、色相が異なる各色の色材層が面順次に設けられた熱転写シートにおいて、耐熱滑性層側に移行した昇華性染料が、当該昇華性染料とは色相が異なる他の色材層に移行した場合には、当該他の色材層を用いた画像形成時に発色特性の低下を引き起こす。
また、上記熱転写シートの色材層には、キックの発生を防止できる点以外に、高い濃度の画像形成が可能であることが求められている。つまり、熱転写シートにおいては、キックの発生を防止しつつも、高い濃度の画像形成が可能である色材層を備えていることが重要である。
このような状況下、キックの発生の防止や、濃度の高い画像形成が可能な熱転写シートについての種々の検討がなされており、例えば、特許文献1には、基材の一方の面に染料層が設けられ、基材の他方の面に耐熱滑性層が設けられた熱転写シートにおいて、染料層に、インドアニリン系の染料と、ポリビニルアセタール樹脂A、及びポリビニルアセタール樹脂B(特許文献1における一般式(1)で示されるポリビニルアセタール樹脂)を含有せしめた熱転写シートが提案されている。この熱転写シートによれば、熱転写シートの保存中に、耐熱滑性層へ染料が移行することを防止できるとされている。
濃度の高い画像を実現させるための方法としては、バインダー樹脂に対する昇華性染料の比率を高くする方法(所謂D/B比を高くする方法)が知られている。
高い濃度の画像形成を可能としつつも、キックの発生を防止できる熱転写シートとして、例えば、特許文献2には、基材フィルムの一方の面に樹脂及び染料を含有する染料層を有し、他方の面に滑剤及び樹脂を含む耐熱滑性層を有する熱転写シートにおいて、当該染料層中に所定の染料(特許文献2における一般式(1)で表される染料)を、所定の範囲で含有せしめた熱転写シートが提案されている。この熱転写シートによれば、高い濃度が得られ、かつキック・バックが著しく良化されるとされている。
特開2009−286060号公報 特開2010−83003号公報
しかしながら、従来公知の各種の方法や、上記で提案されている特許文献では、以下の点で十分とはいえず、未だ改善の余地が残されている。具体的には、D/B比を高くする方法では、バインダー樹脂に対し過剰な昇華性染料が用いられることから、当該過剰な昇華性染料が、基材の背面側に移行しやすい状況となっており、濃度の向上を図ることが可能となる一方で、キックの発生を防止することが困難となる。また、昇華性染料が移行しやすい状態となっている場合には、画像形成時に、サーマルヘッドからの加熱がされない領域である未印画部が昇華性染料によって着色されてしまう地汚れも発生しやすくなる。
また、特許文献1に提案がされている熱転写シートでは、染料層に含有される染料種、及びバインダー樹脂種が、所定の成分に限定されることから、材料選択の幅が狭いといった問題が内在する。また、高濃度の画像形成の点では未だ改善の余地がある。また、特許文献2に提案がされている熱転写シートにおいても、染料層に含有される染料の成分や、その含有量が限定されることから、同様に材料選択の幅が狭くなる。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、色材層に含有される色材の選択の幅を広げつつも、キックや、地汚れの発生を防止でき、かつ濃度の高い画像の形成が可能な熱転写シートを提供すること、及び、この特徴を有する熱転写シートの製造方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に色材層が設けられた熱転写シートであって、前記色材層は、所定の溶媒と、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料と、当該所定の溶媒に分散可能な色材を含有していることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面に、色材層が設けられた熱転写シートであって、前記色材層は、基材側から、第1の色材層、第2の色材層がこの順で積層された積層構造を呈し、前記第1の色材層は、第1の溶媒と、当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料を含有しており、前記第2の色材層は、第2の溶媒と、当該第2の溶媒に分散可能な色材を含有していることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、熱転写シートの製造方法であって、基材上に、色材層用塗工液を塗工して色材層を形成する工程を含み、前記色材層用塗工液として、所定の溶媒と、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料と、当該所定の溶媒に分散可能な色材を含む塗工液が用いられることを特徴とする。
また、熱転写シートの製造方法において、前記塗工液中に、さらに分散剤が含まれていてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に、第1の溶媒と、当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料を含む塗工液を塗工して、第1の色材層を形成する工程と、前記第1の色材層上に、第2の溶媒と、当該第2の溶媒に分散可能な色材を含む塗工液を塗工して、第2の色材層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の熱転写シートによれば、色材層に含有される染料に特段の制限を受けることなく、キックや、地汚れの発生を防止でき、かつ濃度の高い画像の形成を行うことができる。また、本発明の熱転写シートの製造方法によれば、色材層に含有される染料に特段の制限を受けることなく、上記特徴を有する熱転写シートを製造することができる。
本発明の第1実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 比較の製造方法によって製造された熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 比較の製造方法によって製造された熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態の製造方法によって製造された熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態の製造方法によって製造された熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
<<熱転写シートの製造方法>>
以下、本発明の熱転写シートの製造方法について、第1実施形態の熱転写シートの製造方法、及び第2実施形態の熱転写シートの製造方法を中心に具体的に説明する。以下、単に第1実施形態の製造方法、第2実施形態の製造方法という場合がある。
<第1実施形態の熱転写シートの製造方法>
以下、第1実施形態の製造方法によって製造される熱転写シートの優位性について、図3〜図5を参照して説明する。図3、図4は、本実施形態の製造方法の発明特定事項を充足しない比較の製造方法によって製造された熱転写シートの概略断面図である。具体的には、図3は、基材1の一方の面上に、色材層2Aが設けられた熱転写シート100Aの概略断面図であり、色材層2Aは、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料10xを、当該所定の溶媒に溶解した塗工液を用いて形成されている。図4は、基材の一方の面上に、色材層2Bが設けられた熱転写シート100Bの概略断面図であり、色材層2Bは、所定の溶媒に分散可能な色材10yを、当該所定の溶媒中に分散させた塗工液を用いて形成されている。
図5は、第1実施形態の製造方法によって製造された熱転写シートの概略断面図である。第1実施形態の製造方法では、所定の溶媒と、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料と、当該所定の溶媒に分散可能な色材とを含む色材層用塗工液を用いて基材1上に色材層2が形成されている。換言すれば、所定の溶媒中に昇華性染料10xが溶解され、かつ所定の溶媒中に色材10yが分散された色材層用塗工液を用いて基材1上に色材層2が形成されている。各図においては、昇華性染料10x、色材10yを誇張して示している。
熱転写記録方式によって形成される画像の濃度は、色材層に含まれる昇華性染料の熱移行性と密接的な関係があると考えられており、濃度の高い画像形成が可能な色材層とするためには、色材層に含まれる昇華性染料の熱移行性を向上させることが重要である。昇華性染料の熱移行性を向上させる方法としては、昇華性染料を溶媒中に溶解させた塗工液を用いて色材層を形成する方法を挙げることができる。この方法によって形成された色材層によれば、当該色材層中に昇華性染料を分子レベルで存在させることができ、色材層中における昇華性染料の熱移行性を向上させることができる。なお、昇華性染料を溶媒中に溶解した塗工液にかえて、昇華性染料を溶媒中に分散した塗工液を用いて形成された色材層では、当該色材層中に、昇華性染料が一定の粒子径をもった状態で存在することから、昇華性染料の熱移行性は低下し、濃度の高い画像形成を行うことが困難となる。
ところで、溶媒に溶解可能な昇華性染料は、通常、分子量が低く、また単分子であることから、昇華性染料を溶媒中に溶解した塗工液を用いて形成された色材層では、図3に示すように、昇華性染料10xは、色材層2Aの界面に局在化した状態で存在する。熱転写シートは、一般的に小巻状態で保管され、当該小巻状態においては、色材層と耐熱滑性層とは直接に接触することから、色材層2A中において昇華性染料10xが、図3に示す状態で存在している場合には、熱転写シートを小巻状態で保管した際等に、昇華性染料10xは、基材1の耐熱滑性層5側に移行しやすくなる。つまり、単純に、所定の溶媒中に昇華性染料10xを溶解した塗工液を用いて色材層2Aを形成した場合には、熱移行性を向上させて高い濃度の画像形成が可能となる点で優れるが、キックや、地汚れの発生を防止することができない。
一方で、分子量が高い昇華染料を用いることにより、昇華性染料の界面への局在化を低減できたとしても、分子量の高い昇華性染料と、バインダーとの親和性が不十分であると、キックや地汚れの発生を防止することが困難となる。つまり、昇華性染料の界面への局在化を防止するという点では分子量が高い昇華性染料が好ましく、またキックや地汚れの発生を防止するという点ではバインダーとの親和性が高い昇華性染料が好ましいが、双方を両立する昇華性染料は限られており、材料選定の幅が制限される。
キックや地汚れの発生の要因となる、昇華性染料の界面への局在化を防止するためには、色材を溶媒中に分散させた塗工液を用いて色材層を形成することが好ましい。溶媒中に色材を分散させた塗工液を用いて形成された色材層2Bでは、図4に示すように、当該色材層2B中に、色材10yを均一に分散した状態で存在させることができ、昇華性染料が界面へ局在化することに起因して生じ得るキックや地汚れの発生を防止できる。なお、本願明細書で言う色材10yとは、昇華性染料、及び顔料を含む概念である。
しかしながら、色材を溶媒中に分散させた塗工液を用いて形成された色材層2B中において、色材10yは一定の粒子径をもった状態で存在している。したがって、この場合には、色材の熱移行性が低く、昇華性染料を溶媒中に溶解させた塗工液を用いて形成された色材層(図3参照)と比較すると濃度の点で劣る。つまり、色材を溶媒中に分散させた塗工液を用いて形成された色材層2Bにおいては、キックや地汚れの発生を防止できる点で優れるが、高い濃度の画像を形成することができない。
そこで、第1実施形態の熱転写シートの製造方法では、基材上に色材層用塗工液を塗工して色材層を形成する工程を含み、色材層を形成するための色材層用塗工液として、所定の溶媒と、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料と、当該所定の溶媒に分散可能な色材を含む塗工液が用いられることを特徴とする。つまり、所定の溶媒中に、昇華性染料が溶解され、色材が分散された色材層用塗工液を用いて色材層が形成される点を特徴とする。この特徴を有する第1実施形態の熱転写シートの製造方法によれば、キックや、地汚れの発生を防止しつつも、濃度の高い画像を形成可能な熱転写シートを製造することができる。なお、本願明細書において、所定の溶媒に分散可能な色材とは、所定の溶媒に溶解不能な色材を意味する。
「所定の溶媒に対する色材(昇華性染料)の溶解性・分散性の特定方法」
塗工液中に含有せしめるための目的とする色材が所定の溶媒に溶解可能である否かは、以下の方法により判断することができる。所定の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると判断することができる。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解不能、換言すれば分散可能な色材であると判断することができる。昇華性染料についても同様の方法により、判断することができる。
第1実施形態の製造方法によって製造される熱転写シートが上記効果を奏する詳細なメカニズムは現在のところ必ずしも明らかとはなっていないが、本実施形態の製造方法で形成される色材層2においては、昇華性染料10xの界面への局在化が抑制され、これにより、キックや地汚れの発生を防止できているものと推察される。具体的には、色材層用塗工液中に分散された色材10yが、昇華性染料10xの色材層2の界面への局在化を抑制する役割として機能し、本実施形態の製造方法で形成された色材層2中に、昇華性染料10xを分散した状態で存在させることができているものと推察される。
色材層用塗工液中に分散された色材10yが、色材層用塗工液中に溶解された昇華性染料10xの界面への局在化を抑制する役割として機能する理由としては、昇華性染料10xと、色材10yとの親和性を挙げることができる。従来であれば、色材層用塗工液中に溶解された昇華性染料10xを用いて色材層を形成した場合には、図3に示すように当該昇華性染料10xは、自由界面に向かって局在化する。しかしながら、第1実施形態の製造方法では、色材層用塗工液中に色材10yが分散されていることから、色材10yと、昇華性染料10xとの親和性により、本実施形態の製造方法で形成される色材層2においては、昇華性染料10xを、分散状態で存在している色材10yの周辺に存在させることができると推察される。これにより、図5に示すように、本実施形態の製造方法で形成された色材層2では、昇華性染料10xの界面への局在化が抑制され、昇華性染料10xを色材層2中に分散した状態で存在させることができ、キックや地汚れの発生を防止できていると考えられる。
また、色材層2は、昇華性染料を溶媒に溶解した色材層用塗工液を用いて形成されることから、色材層2中に昇華性染料を分子レベルで存在させることができ、キックや地汚れの発生を防止しつつも、濃度の高い画像の形成が可能となる。
なお、この推定メカニズムによらないとしても、所定の溶媒中昇華性染料10xが溶解され、当該所定の溶媒中に色材10yが分散された塗工液を用いて形成された色材層2によって、キックや地汚れの発生を防止できるとともに、濃度の高い画像の形成が可能となることは、後述する実施例、比較例の結果から明らかとなっている。
以下、第1実施形態の製造方法で用いられる各構成、及び色材層用塗工液中に含まれる各成分について説明する。
(基材)
基材1は、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材1として、例えば、0.5μm〜50μm、好ましくは1μm〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
また、基材1は、色材層2が形成される側の面に接着処理が施されていても良い。接着処理を施すことで、基材1と色材層2、或いは基材1と色材層2との間に設けられる任意の層との密着性を向上させることができる。
接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用することができる。また、それらの処理を2種以上併用することもできる。
(色材層用塗工液)
色材層用塗工液中には、バインダー樹脂、所定の溶媒、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料、及び当該所定の溶媒に分散可能な色材が含まれる。つまり、色材層用塗工液中において、昇華性染料10xは溶解された状態で存在しており、色材10yは分散された状態で存在している。
「バインダー樹脂」
色材層用塗工液中に含まれるバインダー樹脂としては、例えば、エチルセルロース樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、エチルヒドロキシセルロース樹脂、メチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂、ニトロセルロース樹脂等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルピロリドン等のビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。これらの中でも、セルロース系、ビニル系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の樹脂が、耐熱性、色材の熱移行性等の点において好ましい。バインダー樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。
「所定の溶媒」
色材層用塗工液中に含まれる所定の溶媒とは、後述する昇華性染料を溶解させることができ、かつ色材を分散させることができる溶媒を意味する。つまり、所定の溶媒について特に限定はなく、昇華性染料と、色材との関係に応じて適宜選択することができる。溶媒の一例としては、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、エタノール等の有機溶剤や、水等を挙げることができる。
色材層用塗工液中に含まれる溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を用いることもできる。例えば、昇華性染料を溶解可能な溶媒Aと、色材を分散可能な溶媒Bの2種を組合せて用いることができる。なお、上記溶媒A、溶媒Bを用いる場合、昇華性染料を溶解可能な溶媒Aは、色材を溶解不能な溶媒であることを条件とする。なお、昇華性染料は、上記溶媒Aによって溶解されることから、溶媒Bは、色材を分散可能であるとの条件を満たすものであれば、昇華性染料を溶解可能な溶媒であってもよく、昇華性染料を溶解不能な溶媒であってもよい。また、色材層用塗工液中には、上記溶媒A、溶媒B以外の溶媒がさらに含まれていてもよいが、色材層用塗工液中に含まれる少なくとも1種の色材は、色材層用塗工液中に含まれる全ての溶媒に溶解不能であることを条件とする。
「所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料」
所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料について特に限定はなく、色材層を形成するための塗工液中に含まれる上記所定の溶媒の種別に応じて適宜選択することができる。具体的には、塗工液中に含まれる溶媒に溶解可能な昇華性染料であれば、いかなる昇華性染料であってもよい。
「所定の溶媒に分散可能な色材」
所定の溶媒に分散可能な色材についても特に限定はなく、色材層を形成するための塗工液中に含まれる上記所定の溶媒の種別に応じて適宜選択することができる。具体的には、塗工液中に含まれる溶媒に分散可能な色材であれば、いかなる色材であってもよい。なお、ここで言う分散可能な色材とは、所定の溶媒に溶解不能な色材を意味し、色材の分散性能について特に限定はない。例えば、分散剤を用いて、色材の分散性能を向上させることもできる。つまり、結果として、色材層用塗工液中に色材が分散されていればよい。
上記所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料、上記所定の溶媒に分散可能な色材としては、例えば、以下に例示する昇華性染料の中から、塗工液中に含まれる溶媒に応じて適宜選択することができる。具体的には、所定の溶媒を選択し、次いで、以下に例示する昇華性染料の中から、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料と、当該所定の溶媒に分散可能な色材としての昇華性染料を選択すればよい。
一例としての昇華性染料としては、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、ピラゾロンメチン、ピリドンメチン等のメチン系染料、インドアニリン系染料、インドナフトール系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、ピラゾロンアゾメチン、ピラゾロトリアゾールアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、チアゾールアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、アミノピラゾール系染料、ピラゾロトリアゾール系染料、ジシアノスチリル、トリシアノスチリル等のスチリル系染料等が挙げられる。
具体的には、C.I.(Color index)ディスパースイエロー51,3,54,79,60,23,7,141,201,231、C.I.ディスパースブルー24,56,14,301,334,165,19,72,87,287,154,26,354、C.I.ディスパースレッド135,146,59,1,73,60,167、C.I.ディスパースオレンジ149、C.I.ディスパースバイオレット4,13,26,36,56,31、C.I.ソルベントイエロー56,14,16,29,93、C.I.ソルベントブルー70,35,63,36,50,49,111,105,97,11、C.I.ソルベントレッド135,81,18,25,19,23,24,143,146,182、C.I.ソルベントバイオレット13、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベントグリーン3等を挙げることができる。
中でも、下記一般式(1)で示されるキノフタロン染料は、耐光性を有し、輝度が高い特徴を有する点で、所定の溶媒に溶解可能な、或いは所定の溶媒に分散可能な昇華性染料として好ましく使用可能である。
Figure 0006163985
一般式(1)におけるXは水素原子、又はハロゲン原子を表し、R1は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、若しくはその誘導体、又はアルキル基、若しくはベンゼン環を含む総炭素数6〜10のアシル基を表す。なお、一般式(1)において、X、R1が共に水素原子のキノフタロン染料は、ディスパースイエロー54である。また、一般式(1)において、XがBr、R1が水素原子のキノフタロン染料は、ディスパースイエロー64である。
昇華性染料は市販品をそのまま用いることもでき、例えばイエロー染料としてフォロンブリリアントイエローS−6GL(サンド社製、ディスパースイエロー231)、マクロレックスイエロー6G(バイエル社製、ディスパースイエロー201)、マゼンタ染料としてMS−RED−G(三井東圧化学株式会社製、ディスパースレッド60)、マクロレックスレッドバイオレットR(バイエル社製、ディスパースバイオレット26)、シアン染料はカヤセットブルー714(日本化薬株式会社製、ソルベントブルー63)、フォロンブリリアントブルーS−R(サンド社製、ディスパースブルー354)、ワクソリンブルーAP−FW(ICI社製、ソルベントブルー36)等を挙げることができる。
所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いることもできる。また、所定の溶媒に分散可能な色材が昇華性染料である場合には、当該分散可能な昇華性染料も同様に、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組合せて用いることもできる。また、所定の溶媒に分散可能な色材として、昇華性染料と、顔料とを併用することもできる。また、2種以上の顔料を組合せて用いることもできる。
所定の溶媒に分散可能な色材として顔料を用いる場合には、公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択すればよい。顔料は、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。顔料の色としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。
顔料の一例としては、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン・ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、キノフタロン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、金属錯体系顔料などが挙げられる。これらの有機顔料の中でも特にC.I.ピグメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントレッド122およびC.I.ピグメントバイオレット19などが、輝度が高く好ましい。また、下記一般式(2)で示される顔料は、色材層用塗工液中における分散性が高く、色材層用塗工液の安定性を高めることができ、また、キックや、地汚れの発生をより効果的に防止可能な点で、所定の溶媒に分散可能な色材として好ましく使用可能である。
Figure 0006163985
一般式(2)におけるR1〜R5は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、若しくはその誘導体又はスルホン酸基(−SO3H)、又はスルホンアミド基で置換させたスルホン化誘導基を表す。
上記一般式(2)で示される顔料の好ましい形態は、R1〜R5が、少なくとも1つのスルホン酸基(−SO3H)、又はスルホンアミド基で置換させたスルホン化誘導基を有する。さらに、スルホン酸基の一部、若しくは全部がアミンやアンモニウムヒドロキシド、クロリド、ブロミド等や、金属等によって塩形成され、スルホン酸塩となっていてもよい。
以下、具体的な溶媒を例に挙げ、色材層2を形成するための塗工液中に含まれる昇華性染料と、色材の一例について説明する。なお、本発明は、この組合せに限定されるものではない。
所定の溶媒がメチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒である場合;
メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒に溶解可能な昇華性染料としては、例えば、ディスパースイエロー201等を使用することができる。また、メチルエチルケトン/トルエンの混合溶媒に分散可能な色材としては、例えば、上記で例示した顔料や、上記で例示した昇華染料、例えば、ディスパースイエロー54等を使用することができる。
また、色材層用塗工液中には、色材の分散性を向上させるための、分散剤が含まれていてもよい。分散剤としては、グラフト型ポリマーの分散助剤や、ポリエーテル系分散助剤、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤等を挙げることができる。これ以外にも、分散剤として、有機顔料にスルホン化物等の処理をした誘導体等を挙げることができる。処理方法としては、ロジン処理の他、酸性基処理、塩基性処理、顔料誘導体処理などの表面処理法を挙げることができる。
また、色材層用塗工液中には、必須の成分であるバインダー樹脂、所定の溶媒、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料、及び当該所定の溶媒に分散可能な色材とともに、他の任意の成分、例えば、熱転写受像シートの受容層との離型性を向上させるための離型剤、帯電防止剤、受容層との滑性を制御するための有機または無機フィラー等が含まれていてもよい。
色材層2の形成方法について特に限定はないが、バインダー樹脂、溶媒、当該溶媒に溶解可能な昇華性染料、当該溶媒に分散可能な色材、分散剤や、離型剤等必要に応じて添加される任意の成分を用い、溶媒中に昇華性染料を溶解させ、かつ色材を分散させた色材層用塗工液を調製し、当該色材層用塗工液を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い基材上に塗工・乾燥することで形成することができる。色材層用塗工液の塗工量についても特に限定はないが、固形分で0.2g/m2〜10g/m2程度であることが好ましい。
以上第1実施形態の製造方法として、基材1上に、色材層2を直接的に設ける製造方法を中心に説明を行ったが、基材1と色材層2との間に、任意の層を設ける工程を含んでいてもよい。また、基材1の色材層2を形成しない側の面に任意の層を設ける工程を含んでいてもよい。例えば、基材1と色材層2との間に、染料プライマー層を設ける工程や、基材1の他方の面側に、耐熱滑性層を設ける工程を含んでいてもよい。
<第2実施形態の熱転写シートの製造方法>
次に、第2実施形態の熱転写シートの製造方法によって製造される熱転写シートについて図6を用いて説明する。図6は、第2実施形態の熱転写シートの製造方法によって製造された熱転写シートの概略断面図である。
第2実施形態の熱転写シートの製造方法は、基材上に、第1の溶媒と、当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料を含む塗工液を塗工して、第1の色材層を形成する工程と、第1の色材層上に、第2の溶媒と、当該第2の溶媒に分散可能な色材を含む塗工液を塗工して、第2の色材層を形成する工程とを含む点を特徴とする。
本実施形態では、基材上に、第1の溶媒と当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料を含む塗工液を塗工して第1の色材層2Cが形成される。上記で説明したように、昇華性染料が溶解された塗工液を用いて形成される色材層では、昇華性染料が界面に局在化した状態で存在しており(図3参照)、キックや地汚れが発生しやすい状況となっている。つまり、基材1上に、第1の色材層2Cのみが設けられた熱転写シートを製造した場合には、当該製造された熱転写シートを用いて濃度の高い画像を形成することは可能となるが、キックや地汚れを防止することができない。
そこで、本実施形態では、第1の色材層2Cでは補うことができないキックや地汚れの発生を、第1の色材層2C上に別の層を形成することによって防止している。具体的には、本実施形態では、第1の色材層2C上に、第2の溶媒と、当該第2の溶媒に分散可能な色材を含む塗工液を塗工して第2の色材層を形成している。本実施形態で形成される第2の色材層2Dは、色材が分散された塗工液を用いて形成されることから、形成された第2の色材層2D中に色材10yは均一に分散しており(図4参照)、第2の色材層2Dの存在によってキックや地汚れの発生を防止することができる。つまり、第2の色材層2Dは、主として、第1の色材層2Cの界面に局在化した昇華性染料10xを塞ぐ蓋としての役割を果たしている。
また、基材1と、第2の色材層2Dとの間には、昇華性染料が溶解された塗工液を用いて、第1の色材層2Cが形成されることから、第1の色材層2C中には、昇華性染料10xを分子レベルで存在させることができる。これにより、第1の色材層2C中に含有されている昇華性染料の熱移行性を向上させることができ、濃度の高い画像の形成が可能となる。また、第2の色材層2Dには色材10yが含まれていることから、昇華性染料10xと、色材10yとの相乗効果によって、より濃度の高い画像形成が可能となる。
以下、第1の色材層2C、第2の色材層2Dの形成に用いられる塗工液について説明する。以下、第1の色材層2Cの形成に用いられる塗工液を「第1塗工液」、第2の色材層2Dの形成に用いられる塗工液を「第2塗工液」と称して説明する。
(第1塗工液)
第1塗工液には、バインダー樹脂と、第1の溶媒と、第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料が含まれている。つまり、昇華性染料は、第1塗工液中に溶解された状態で存在している。
第1塗工液に含まれるバインダー樹脂について特に限定はなく、第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料の種別に応じて適宜選択することができる。例えば、上記第1実施形態の製造方法で説明した色材層用塗工液に含まれるバインダー樹脂を挙げることができる。以下で説明する第2塗工液に含まれるバインダー樹脂についても同様である。
「昇華性染料」
第1塗工液に溶解される昇華性染料について特に限定はなく、当該第1塗工液に含まれる第1の溶媒に応じて適宜選択することができる。昇華性染料としては、例えば、第1実施形態の製造方法で説明した昇華性染料を挙げることができる。第1塗工液中には、2種以上の昇華性染料が含まれていてもよい。
「第1の溶媒」
第1の溶媒は、上記昇華性染料を溶解することができるものであれば特に限定はなく、従来公知の溶媒の中から適宜選択して用いることができる。第1塗工液中には、2種以上の溶媒が含まれていてもよいが、少なくとも1種の溶媒が、第1塗工液中に含まれる少なくとも1種の昇華性染料を溶解可能な溶媒であることを条件とする。
第1塗工液中には、第1の溶媒に分散可能な色材が含有されていてもよい。つまり、第1の色材層2Cを、上記第1実施形態の製造方法で形成された色材層2(図5参照)と同じ構成としてもよい。また、第1塗工液中には、上記バインダー樹脂、第1の溶媒、昇華性染料以外に、任意の成分が含有されていてもよい。
第1の色材層の形成方法について特に限定はないが、溶媒中に昇華性染料を溶解させた第1塗工液を調製し、当該第1塗工液を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い基材上に塗工・乾燥することで形成することができる。第1塗工液の塗工量についても特に限定はないが、固形分で0.1g/m2〜5g/m2程度であることが好ましい。
(第2塗工液)
第2塗工液には、バインダー樹脂と、第2の溶媒と、第2の溶媒に分散可能な色材が含まれている。つまり、色材は、第2塗工液中に分散された状態で存在している。
「色材」
第2塗工液に溶解される色材について特に限定はなく、当該第2塗工液に含まれる第2の溶媒に応じて適宜選択することができる。色材は、昇華性染料であってもよく、顔料であってもよく、第1実施形態の製造方法で説明した色材等を使用可能である。また、第2塗工液中には2種以上の色材が含まれていてもよい。
「第2の溶媒」
第2の溶媒は、上記色材を分散することができるものであれば特に限定はなく、従来公知の溶媒の中から適宜選択して用いることができる。第2塗工液中には、2種以上の溶媒が含まれていてもよいが、第2塗工液中に含まれる少なくとも1種の色材は、2種以上の全ての溶媒に溶解不能であることを条件とする。
また、第2塗工液中には、上記バインダー樹脂、第2の溶媒、昇華性染料以外に、任意の成分が含有されていてもよい。例えば、第2塗工液中には、色材の分散性を向上させるための分散剤が含まれていてもよい。分散剤としては、例えば、第1実施形態で説明した分散剤等を使用することができる。
また、第2塗工液には、当該第2塗工液に含まれる第2の溶媒に溶解可能な昇華性染料が含まれていてもよい。つまり、第2の色材層2Dを、上記第1実施形態の製造方法で形成された色材層2(図5参照)と同じ構成としてもよい。この構成によれば、第1塗工液、及び第2塗工液の双方の塗工液中に昇華性染料が溶解されていることから、第1の色材層2C、第2の色材層2Dとの相乗効果によって、より、高い濃度の画像を形成することが可能となる。
また、第2塗工液を用いて形成される第2の色材層2Dが、熱転写シートの最表面に位置する場合には、当該第2塗工液中には、離型剤が含まれていることが好ましい。離型剤としては、第1実施形態の製造方法で説明した離型剤などを使用することができる。なお、被転写体、例えば、熱転写受像シートの受容層側で、色材層2Dとの離型性を向上させる対策が取られている場合には、第2塗工液に離型剤を含ませることを必ずしも必要としない。
以上、第2実施形態の製造方法における、第1塗工液中に含まれる第1の溶媒、及び当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料、第2塗工液中に含まれる第2の溶媒、及び当該第2の溶媒に分散可能な色材について説明したが、第1の溶媒と第2の溶媒、及び第1塗工液に含まれる昇華性染料と第2塗工液に含まれる色材は、それぞれ異なるものを用いてもよい。また、第1の溶媒と、第2の溶媒として共通する溶媒を用い、第1塗工液に含まれる昇華性染料と、第2塗工液に含まれる色材として異なるものを用いてもよい。この場合、第1塗工液に含まれる少なくとも1種の昇華性染料は、共通の溶媒に対し溶解可能であればよく、第2塗工液に含まれる少なくとも1種の色材は、共通の溶媒に対し分散可能であればよい。
また、第1塗工液に含まれる昇華性染料と、第2塗工液に含まれる色材として共通する色材を用い、第1の溶媒と第2の溶媒として異なる溶媒を用いてもよい。この場合、第1塗工液に含まれる第1の溶媒は、共通する色材を溶解可能であればよく、第2塗工液に含まれ、第1の溶媒とは異なる第2の溶媒は、共通する色材を分散可能であればよい。
第2の色材層の形成方法について特に限定はないが、溶媒中に色材を分散させた第2塗工液を調製し、当該第2塗工液を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い第1の色材層上に塗工・乾燥することで形成することができる。第2塗工液の塗工量についても特に限定はないが、固形分で0.1g/m2〜5g/m2程度であることが好ましい。
以上第2実施形態の製造方法として、第1の色材層2C上に、第2の色材層2Dを直接的に設ける製造方法を中心に説明を行ったが、第1の色材層2Cと、第2の色材層2Dとの間に、任意の層を設ける工程を含んでいてもよい。また、基材1と、第1の色材層2Cとの間に、任意の層を設ける工程を含んでいてもよい。また、基材1の第1の色材層2Cを形成しない側の面に任意の層を設ける工程を含んでいてもよい。
次に本発明の熱転写シートについて、第1実施形態、第2実施形態にわけて説明する。
<第1実施形態の熱転写シート>
第1実施形態の熱転写シート100は、図1に示すように基材1上に、色材層2が設けられた構成をとる。ここで、第1実施形態の熱転写シート100は、色材層2が、所定の溶媒と、昇華性染料と、色材とを含有しており、当該昇華性染料が、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料であり、当該色材が、所定の溶媒に分散可能な色材であることを特徴とする。
上記特徴を有する色材層2を備える第1実施形態の熱転写シートによれば、上記第1実施形態の製造方法で説明した理由により、キックや地汚れの発生を防止でき、かつ濃度の高い画像を形成することができる。
なお、本実施形態では、色材層2に含有されている所定の溶媒を必須の成分としているが、これは、色材層2に、所定の溶媒を積極的に含有させることを趣旨とするものではなく、色材層2に含まれている所定の溶媒は、色材層2中に含まれる残留溶媒を意味する。具体的には、色材層中に残留している溶媒が、当該色材層に含まれる昇華性染料を溶解可能な溶媒であり、かつ色材を分散可能な溶媒である場合には、上記第1実施形態の製造方法で製造された熱転写シートと同じ作用効果を奏するといえる。
「色材成分、残留溶媒の特定方法」
対象とする熱転写シート(以下、対象熱転写シートという)が、本実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足するものであるか否かは、例えば、以下の方法により判別可能である。まず、対象熱転写シートの色材層を分析して当該色材層に含まれている色材成分を特定する。色材成分の特定方法としては、核磁気共鳴分光法、IRスペクトル法等の従来公知の分析方法を用いて特定することができる。
上記色材層の分析において、色材層に含まれる色材成分が1種のみである場合には、対象熱転写シートは、本実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足していないと判別できる。一方で、対象熱転写シートの色材層に2種以上の色材成分が特定された場合には、次いで、当該色材層に残留している溶媒の種別を特定する。溶媒の種別の特定方法としては、例えば、ガスクロマトグラフィー法を用いて特定することができる。ガスクロマトグラフィー法による溶媒の種別の特定には、例えば、島津製作所製のガスクロマトグラフィー GC14−A等を使用することができる。なお、対象熱転写シートの基材や、耐熱滑性層、或いは任意の層中に含有されている溶媒を排除すべく、溶媒の種別の特定においては、対象熱転写シートの色材層に対応する層についての特定を行う必要がある。具体的には、ガスクロマトグラフィー法を用いて溶媒の種別の特定を行う場合には、対象熱転写シートの色材層に対応する層の一部分のみを採取して、分析を行うことが重要である。
そして上記で特定された2種以上の色材成分の少なくとも1種が、上記で特定された溶媒に溶解可能な色材成分であり、かつ2種以上の色材成分の少なくとも1種が、特定された溶媒に分散可能な色材成分である場合には、対象熱転写シートは、本実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足しているものと判別できる。なお、対象熱転写シートの色材層に2種以上の溶媒が特定された場合には、色材成分の少なくとも1種が、特定された溶媒のうち少なくとも1つの溶媒に溶解可能なものであり、色材成分の少なくとも1種が、特定された全ての溶媒に溶解不能である場合には、対象となる熱転写シートが、本実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足しているものと判別できる。また、特定された色材成分が、特定された溶媒に溶解可能、或いは分散可能なものであるかは、上記第1実施形態の製造方法で説明した「所定の溶媒に対する色材(昇華性染料)の溶解性・分散性の特定方法」を用いて特定することができる。
以下、第1実施形態の熱転写シートの各構成について図1を用いて具体的に説明する。なお、第1実施形態の熱転写シートは、上記第1実施形態の製造方法に対応しており、特に断りがない限り、上記第1実施形態で説明したものをそのまま用いることができる。
基材1について特に限定はなく、上記第1実施形態の製造方法で説明した基材を適宜選択して用いることができる。
(色材層)
色材層2には、バインダー樹脂、昇華性染料、色材、所定の溶媒が含まれている。それぞれの成分については、上記第1実施形態の製造方法で説明したものを適宜選択して用いることができる。なお、本実施形態で言う昇華性染料とは、所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料を意味し、色材とは、所定の溶媒に分散可能な色材を意味する。
色材層中に含まれる昇華性染料と、色材との含有比率についても特に限定はなく、色材層に要求される機能、例えば、耐光性や、濃度特性等に応じて適宜設定することができる。
また、色材層2は、離型剤等の任意の成分を含有していてもよい。例えば、色材層2に離型剤を含有せしめることで、画像形成時における色材層2と受容層との離型性を向上させることができる。なお、受容層側で離型性の対策がとられている場合には、色材層2には離型剤が含有されていることを特に要しない。
離型剤としては、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)、弗素系やリン酸エステル系の界面活性剤等を挙げることができる。色材層用塗工液中における離型剤の含有量について特に限定はないが、色材層に含まれるバインダー樹脂の固形分総量に対し、0.1質量%以上10質量%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内で離型剤を含有させることで、受容層に離型剤が含有されていない場合であっても、色材層2と受容層との離型性を十分に満足させることができる。
(染料プライマー層)
また、基材1と色材層2との間に染料プライマー層(図示しない)が設けられていてもよい。染料プライマー層を設けることで基材1と色材層2との密着性を向上させ、画像形成時に色材層2が異常転写されることを防止することができる。また、染料染着性の低い材料を染料プライマー層として使用することにより、染料プライマー層がないときと比べて印画濃度を向上させることができる。
染料プライマー層を構成する樹脂としては、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。
また、染料プライマー層をコロイド状無機顔料超微粒子から構成することもできる。この構成によれば、画像形成時における熱転写受像シートへの染料層の異常転写をより効果的に防止することができる。さらに、画像形成時における染料層から染料プライマー層への昇華性染料の移行を防止することができる。これにより、熱転写受像シートの受容層側への染料拡散を有効に行なうことができ、印画濃度の高い画像を形成することができる。
コロイド状無機顔料超微粒子として、従来公知の化合物が使用できる。例えば、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナ或はアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベーマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等が挙げられる。特に、コロイダルシリカ、アルミナゾルが好ましく用いられる。これらのコロイド状無機顔料超微粒子の大きさは、一次平均粒径で100nm以下、好ましくは50nm以下で用いることが好ましい。
染料プライマー層は、上記で例示した樹脂や、コロイド状無機顔料超微粒子を適当な溶媒に溶解或いは分散した染料プライマー層用塗工液をグラビアコーティング法、ロールコート法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の従来から公知の形成手段により、塗工・乾燥して形成することができる。染料プライマー層用塗工液の塗工量は、0.02g/m2〜1.0g/m2程度であることが好ましい。
(耐熱滑性層)
図1に示すように基材1の他方の面上には、耐熱滑性層5が設けられていてもよい。耐熱滑性層5を構成するバインダー樹脂について特に限定はなく、従来公知の熱可塑性樹脂等を適宜選択して形成することができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルクロリド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂、これらのシリコーン変性物等が挙げられる。
また、耐熱滑性層5は、サーマルヘッドとの滑り性を向上させるための滑剤が含有されていることが好ましい。なお、滑剤は、耐熱滑性層5における任意の構成である。滑剤としては、例えば、リン酸エステル、脂肪酸エステル、金属石鹸、Wax、グラファイトパウダー、フッ素変性グラフトポリマー、フッ素変性ブロックポリマー、シリコーンオイル、シリコーン変性グラフトポリマー、シリコーン変性ブロックポリマー等のシリコーン重合体等を適宜選択して用いることができる。上記滑剤成分の中でも、本発明では、リン酸エステル、脂肪酸エステル、金属石鹸、Waxを特に好適に使用することができる。
金属石鹸としては、例えば、アルキルリン酸エステルの多価金属塩、脂肪酸の多価金属塩、アルキルカルボン酸の金属塩等が挙げられ、プラスチック用添加剤として公知のものを使用することができる。本発明ではステアリン酸亜鉛および/またはステアリルリン酸亜鉛が好ましく使用できる。
リン酸エステルとしては、例えば、(1)炭素数6〜20の飽和又は不飽和高級アルコールのリン酸モノエステル又はジエステル、(2)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルキルアリルエーテルのリン酸モノエステル又はジエステル、(3)上記飽和又は不飽和高級アルコールのアルキレンオキシド付加物(平均付加モル数1〜8)のリン酸モノエステル又はジエステル、(4)炭素数8〜12のアルキル基を有するアルキルフェノール又はアルキルナフトールのリン酸モノエステル又はジエステル等が挙げられる。上記(1)及び(3)における飽和又は不飽和高級アルコールとしては、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等が挙げられる。上記(3)におけるアルキルフェノールとしては、ノニルフェノール、ドデシルフェノール、ジフェニルフェノール等が挙げられる。
耐熱滑性層5の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を適当な溶媒に溶解または分散した塗工液を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の塗工手段を用いて基材1上に塗工し、乾燥することで形成することができる。塗工液の調製に用いられる溶媒としては、例えば、水、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ジメチルホルムアミド、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコール、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を挙げることができる。
(耐熱滑性層用プライマー層)
また、基材1と耐熱滑性層5との間に耐熱滑性層用プライマー層(図示しない)が設けられていてもよい。耐熱滑性層用プライマー層は、基材1と、耐熱滑性層5との密着性を向上させるために設けられる層であり、任意の層である。耐熱滑性層用プライマー層として、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。また、適宜導電性を付与するための導電材を含有させてもよい。例えば、スルホン化ポリアニリン、カーボン粒子、銀粒子、金粒子等が挙げられる。
<第2実施形態の熱転写シート>
第2実施形態の熱転写シート100は、図2に示すように基材1上に、色材層2が設けられた熱転写シートであって、当該色材層2は、基材側から、第1の色材層2C、第2の色材層Dがこの順で積層された積層構造を呈し、第1の色材層2Cは、第1の溶媒と、当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料を含有しており、第2の色材層2Dは、第2の溶媒と、当該第2の溶媒に分散可能な色材を含有していることを特徴とする。
上記特徴の色材層2を備える第2実施形態の熱転写シートによれば、第2の色材層2Dが、第1の色材層2Cにおいて界面へ局在化している昇華性染料を塞ぐ蓋としての役割を機能し、上記第2実施形態の製造方法で説明した理由により、キックや地汚れの発生を防止でき、かつ濃度の高い画像を形成することができる。
なお、本実施形態では、第1の色材層2Cに第1の溶媒が含まれ、第2の色材層2Dに第2の溶媒が含まれていることを必須の条件としているが、上記第1実施形態の熱転写シート同様に、第1の溶媒、第2の溶媒は、それぞれ、第1の色材層2C、第2の色材層2Dへの積極的な含有を目的とするものではなく、第1の溶媒は、第1の色材層2Cに含まれる残留溶媒であり、第2の溶媒は、第2の色材層2Dに含まれる残留溶媒である。具体的には、第1の色材層2C中に残留している第1の溶媒が、当該第1の色材層に含まれる昇華性染料を溶解可能な溶媒であり、第2の色材層2D中に残留している第2の溶媒が、当該第2の色材層2Dに含まれる色材を分散可能な溶媒である場合には、本実施形態の熱転写シートは、上記第2実施形態の製造方法で製造される熱転写シートと同じ作用効果を奏している。
第1の色材層2Cにおける昇華性染料、第2の色材層2Dにおける色材の溶解・分散条件が上記の関係を満たすものであれば、上記第2実施形態の製造方法で説明したように、第1の色材層2Cに残留している第1の溶媒と、第2の色材層2Dに残留している第2の溶媒は共通する残留溶媒であってもよい。この場合、第1の色材層2Cには、当該共通する溶媒に溶解可能な昇華性染料が少なくとも1種含まれていることを条件とする。また、第2の色材層には、共通する溶媒に分散可能な色材が少なくとも1種含まれていることを条件とする。また、第1の色材層2Cに含まれる昇華性染料と、第2の色材層2Dに含まれる色材は同一の色材であってもよい。この場合、第1の色材層2Cには、同一の色材を溶解可能な第1の溶媒が残留しており、第2の色材層2Dには、同一の色材を分散可能な第2の溶媒が残留していることを条件とする。
対象熱転写シートが、本実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足するものであるか否かは、それぞれの層中に含まれる溶媒と、色材成分との関係により判別できる。具体的には、対象熱転写シートにおける色材層が積層構成を呈していない場合には、対象熱転写シートは、本実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足していないと判別できる。一方で、対象熱転写シートの色材層が積層構成を呈している場合には、基材に近い色材層に含まれる溶媒と、色材成分を特定する。このとき、色材成分が、特定された溶媒に溶解可能な色材成分である場合には、第1の色材層の構成を有していると判別できる。次いで、基材から遠い色材層に含まれる溶媒と、色材成分を特定する。このとき、色材成分が、特定された溶媒に分散可能な色材成分である場合には、第2の色材層の構成を有していると判別でき、第1の色材層、及び第2の色材層と同じ構成の層が積層されている場合には、対象熱転写シートが、本実施形態の熱転写シートの発明特定事項を充足しているものと判別できる。色材成分、及び溶媒の特定は、上記第1実施形態で説明した方法をそのまま用いることができる。また、特定された色材成分が、特定された溶媒に溶解可能、或いは分散可能なものであるかは、上記第1実施形態の製造方法で説明した「所定の溶媒に対する色材(昇華性染料)の溶解性・分散性の特定方法」を用いて特定することができる。
以下、第2実施形態の熱転写シートの各構成について図2を用いて具体的に説明する。なお、第2実施形態の熱転写シートは、上記第2実施形態の製造方法で製造される熱転写シート対応しており、特に断りがない限り、上記第1実施形態で説明したものをそのまま用いることができる。
基材1について特に限定はなく、上記第1実施形態の製造方法で説明した基材を適宜選択して用いることができる。
(第1の色材層)
第1の色材層2Cには、バインダー樹脂、第1の溶媒、及び当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料が含まれている。それぞれの成分については、上記第2実施形態の製造方法の第1塗工液で説明したものを適宜選択して用いることができる。
また、第1の色材層は、第1の溶媒に分散可能な色材を含有していてもよい。また、第1の色材層2Cは、バインダー樹脂、第1の溶媒、当該第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料以外に、上記第2実施形態の製造方法の第1塗工液で説明した各種の任意の成分を含有していてもよい。
第1の色材層2Cの形成方法については、上記第2実施形態の製造方法で説明した方法を用いればよい。以下、第2の色材層2Dについても同様である。
(第2の色材層)
第2の色材層2Dには、バインダー樹脂、第2の溶媒、及び当該第2の溶媒に分散可能な色材が含まれている。それぞれの成分については、上記第2実施形態の製造方法の第2塗工液で説明したものを適宜選択して用いることができる。
また、第2の色材層2Dは、第2の溶媒に溶解可能な色材を含有していてもよい。また、第2の色材層2Dは、バインダー樹脂、第2の溶媒、当該第2の溶媒に分散可能な色材以外に、上記第2実施形態の製造方法の第2塗工液で説明した各種の任意の成分を含有していてもよい。
また、第2実施形態の熱転写シートは、上記第1実施形態の熱転写シートと同様に、基材1と第1の色材層2Cとの間に、染料プライマー層が設けられていてもよく、基材1の他方の面に耐熱滑性層が設けられていてもよい。また、基材1と耐熱滑性層との間に、耐熱滑性層用プライマー層が設けられていてもよい。
以上、本発明の熱転写シート100について具体的に説明を行ったが、本発明の趣旨を妨げない範囲で各種の変形態様をとることができる。例えば、図1、図2に示す構成において、基材1の同一面上に色材層2と、図示しない転写性保護層を面順次に設けた一体型の熱転写シートとしてもよい。また、基材1の同一面上に色相の異なる色材層が面順次に設けられていてもよい。例えば、基材1上に、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層が面順次に設けられていてもよい。この場合、面順次に設けられた色材層のうちの少なくとも1つが、上記で説明した第1実施形態、又は第2実施形態で説明した色材層を有していればよい。また、全ての色材層が、第1実施形態、又は第2実施形態で説明した色材層であってもよい。また、第1実施形態の熱転写シートと、第2実施形態の熱転写シートを組合せた構成とすることもできる。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。また、特に断りがない限り、「部」及び「%」は固形分の値を示している。
(実施例1)
基材として、厚さ4.5μmの易接着処理済みポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の一方の面に、下記組成の耐熱滑性層用塗工液を、塗工量が固形分換算で0.5g/m2となるように塗工し、乾燥させることで耐熱滑性層を形成した。次いで、基材の他方の面上に、下記組成の染料プライマー層用塗工液を、塗工量が固形分換算で0.1g/m2となるように塗工し、乾燥させることで染料プライマー層を形成した。次いで、染料プライマー層上に、下記の方法で作製した色材層用塗工液1を、塗工量が固形分換算で1.0g/m2となるように塗工し、乾燥させることで色材層を形成することで実施例1の熱転写シートを得た。
以下の色材層用塗工液に含まれる昇華性染料、或いは色材がトルエン/メチルエチルケトン混合溶媒に溶解可能、或いは分散可能であるかは、予め以下の方法により判断した。
トルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶媒を用い、昇華性染料、或いは色材の濃度が2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌した。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、昇華性染料、或いは色材の析出の有無を目視で確認した。確認の結果、昇華性染料、或いは色材の析出がない場合は、溶解可能な昇華性染料、或いは色材と判断し、析出が見られた場合は分散可能な昇華性染料、或いは色材と判断した。
上記の判断により、色材層用塗工液1、及び以下の色材層用塗工液2に含まれる「ディスパースイエロー201」は、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒に溶解可能な昇華性染料であり、色材層用塗工液1、及び以下の色材層用塗工液3に含まれる「ディスパースイエロー54」は、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒に分散可能な色材であると判断された。また、以下の色材層用塗工液4中に含まれる下記一般式(4)で示される染料は、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒に溶解可能な昇華性染料であると判断された。なお、下記一般式(3)で示される「C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体」は、「ディスパースイエロー54の分散性を向上させるための分散剤として機能している。
<耐熱滑性層用塗工液>
・ポリビニルアセタール樹脂 60.8部
(エスレックKS−1 積水化学工業(株))
・ポリイソシアネート 4.2部
(バーノックD750 大日本インキ化学工業(株))
・ステアリルリン酸亜鉛 10部
(LBT−1830精製 堺化学工業(株))
・ステアリン酸亜鉛 10部
(SZ−PF 堺化学工業(株))
・タルク 5部
(ミクロエースP−3 日本タルク工業(株))
・ポリエチレンワックス 10部
(ポリエチレンワックス3000 東洋アドレ(株))
・トルエン 200部
・メチルエチルケトン 100部
<染料プライマー層用塗工液>
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm、固形分10%) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・ポリビニルピロリドン樹脂 3部
(K−90 ISP社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
(色材層用塗工液1の作製)
下記色材層用塗工液1の組成のとおり、色材、分散剤、バインダー樹脂、ポリエチレンワックス、溶剤、及び粒径2.0mmジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ密閉し、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いで前記ジルコニアビーズを取り除いてから、粒径0.1mmのジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて24時間分散を行い、色材層用塗工液1を作製した。
<色材層用塗工液1>
・ディスパースイエロー201 2.3部
・ディスパースイエロー54 2.3部
・下記一般式(3)で示される顔料 0.42部
(C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体)
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 1.7部
(BYK−LPN21116 重量平均分子量8000 ビックケミー社製)
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.05部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス(粒径 5μm ) 0.09部
・トルエン 33部
・メチルエチルケトン 33部
Figure 0006163985
(実施例2)
実施例1の色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製した色材層用塗工液2を、塗工量が固形分換算で0.5g/m2となるように基材上に塗工し、乾燥させることで第1の色材層を形成し、当該第1の色材層上に、下記組成の色材層用塗工液3を、塗工量が固形分換算で0.5g/m2となるように塗工し、乾燥させることで第2の色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして、第1の色材層と第2の色材層とが積層されてなる色材層が設けられた実施例2の熱転写シートを得た。なお、色材層用塗工液3は、上記色材層用塗工液1と同様の作製方法により作製した。
(色材層用塗工液2の作製)
下記色材層用塗工液2の組成のとおり、色材、バインダー樹脂、ポリエチレンワックス及び溶剤をガラス瓶に入れ密閉し、50℃で1時間加熱後、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて30分振とうし、色材層用塗工液2を作製した。
<色材層用塗工液2>
・ディスパースイエロー201 3.51部
・ポリビニルアセトアセタール樹脂 2.63部
(KS−5 積水化学工業(株))
・ポリエチレンワックス 0.06部
(粒径 5μm )
・トルエン 33部
・メチルエチルケトン 33部
<色材層用塗工液3>
・ディスパースイエロー54 3.31部
・上記一般式(3)で示される顔料 0.20部
(C.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体)
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 1.19部
(BYK−LPN21116 重量平均分子量8000 ビックケミー社製)
・ポリビニルアセタール樹脂 1.44部
(KS−5 積水化学工業(株))
・トルエン 33部
・メチルエチルケトン 33部
(実施例3)
色材層用塗工液1のディスパースイエロー201(2.3部)を、下記一般式(4)で示される昇華性染料(2.3部)に変更した色材層用塗工液4を用いた以外は全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを得た。
Figure 0006163985
(比較例1)
色材層用塗工液1を、上記組成の色材層用塗工液2に変更し、当該色材層用塗工液2を、塗工量が固形分換算で1.0g/m2となるように塗工し、乾燥させることで色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例1の熱転写シートを得た。
(比較例2)
色材層用塗工液1を、上記組成の色材層用塗工液3に変更し、当該色材層用塗工液3を、塗工量が固形分換算で1.0g/m2となるように塗工し、乾燥させることで色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例2の熱転写シートを得た。
(比較例3)
色材層用塗工液2のディスパースイエロー201(3.51部)を、上記一般式(4)の色材(3.51部)に変更した色材層用塗工液Aを作製し、当該色材層用塗工液Aを塗工量が固形分換算で1.0g/m2となるように塗工し、乾燥させることで色材層を形成した以外は、全て実施例1と同様にして比較例3の熱転写シートを得た。
(印画濃度評価)
テストプリンターを用いて、各実施例、及び比較例の各熱転写シートと、下記条件で作製した熱転写受像シートを組み合わせて、下記印画条件で、階調パターンを印画して、濃度特性を調べた。濃度特性の評価は、最大エネルギーをかけたときの最高濃度で評価し、以下の評価基準に基づいて印画濃度の評価を行った。反射濃度は、分光測定器(グレタグマクベス社製、spectrolino)により測定した。評価結果を表1に示す。
(印画条件)
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
「評価基準」
◎:濃度が2.1以上である。
○:濃度が2.0以上2.1未満である。
△:濃度が2.0未満である。
(熱転写受像シートの作成)
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)製 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5g/m2であった。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株))
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株))
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液組成>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC 日信化学工業(株))
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T 信越化学工業(株))
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510,信越化学工業(株))
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
<接着層用塗工液>
・ウレタン樹脂 30部
(タケラックA−969V 三井武田ケミカル(株))
・イソシアネート 10部
(タケネートA−5 三井武田ケミカル(株))
・酢酸エチル 100部
(汚染性評価)
熱転写シートの保存性を判断するために耐熱滑性層への汚染性を評価した。汚染性の評価は、各実施例、及び比較例の熱転写シートの色材層面と、耐熱滑性層面とを重ね合わせて20kg/cm2の荷重を加え40℃90%RHの環境に98時間保存し、耐熱滑性層面への色材の移行性を評価した。移行性の評価は、保存前後の耐熱滑性層面を、分光測定器(グレタグマクベス社製、spectrolino)により測定し、下記式で色差(ΔE*ab)を求めることにより行ない、下記の評価基準に基づいて汚染性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。なお、各実施例、及び比較例の熱転写シートの色材層と重ね合わせる耐熱滑性層は、上記各実施例、及び比較例の熱転写シートで作製した耐熱滑性層と同じものを使用した。
色差ΔE*ab=((Δa*2+(Δb*21/2
CIE1976 La**表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(保存後)−a*(保存前)
Δb*=b*(保存後)−b*(保存前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L***表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、汚染性が少ない、換言すれば、キックの度合が少ないことを示す。
「評価基準」
○・・・ΔE*abが10未満である。
△・・・ΔE*abが10以上である。
(地汚れ評価)
熱転写シートの保存性を判断するために印画物の地汚れを評価した。評価は、各実施例、及び比較例の熱転写シートを50℃80%RHの環境に60時間保存したものと、保存していないものを準備し、所定の受像紙で印画し、それぞれの印画物のエネルギーをかけていない白地の部分について、分光測定器(グレタグマクベス社製、spectrolino)により測定し、下記式で色差(ΔE*ab)を求めることにより行ない、下記の評価基準に基づいて地汚れの評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
色差ΔE*ab=((Δa*2+(Δb*21/2
CIE1976 La**表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(保存後)−a*(保存前)
Δb*=b*(保存後)−b*(保存前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L***表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、高温・高湿環境下における染料析出が少なく、保存性が高いことを示す。
「評価基準」
◎・・・ΔE*abが0.2未満である。
○・・・ΔE*abが0.2以上0.3未満である。
△・・・ΔE*abが0.3以上である。
Figure 0006163985
表1からも明らかなように、実施例1〜3の熱転写シートを用いて得られた印画物は、濃度も最高濃度で2.0以上を示し良好であった。また、耐熱滑性層面への色材の汚染性も少なく、更に地汚れも少なく熱転写シートの保存性が良好であった。それに対し、比較例1及び比較例3で得られた熱転写シートによる印画物は、濃度は高いが、耐熱滑性層面への色材の汚染性や地汚れが多く保存性が悪い結果となった。一方、比較例2で得られた熱転写シートの保存性は良好であるが、各実施例の熱転写シートを用いて得られた印画物と比較して濃度特性が低い結果となった。
1・・・基材
2・・・色材層
5・・・耐熱滑性層
10x・・・所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料
10y・・・所定の溶媒に分散可能な色材
100・・・熱転写シート

Claims (5)

  1. 基材の一方の面に色材層が設けられた熱転写シートであって、
    前記色材層は、所定の溶媒と、下記の特定方法により、当該所定の溶媒に溶解可能であると特定される昇華性染料と、下記の特定方法により、当該所定の溶媒に分散可能であると特定される色材を含有しており、
    前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記昇華性染料は、当該複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定される昇華性染料であり、前記色材は、当該複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定される色材であり、
    前記色材が、下記一般式(2)で示される色材である、
    ことを特徴とする熱転写シート。
    (特定方法)
    所定の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に分散可能な色材であると特定する。昇華性染料の特定方法についても同様である。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
    Figure 0006163985
    (一般式(2)におけるR 1 〜R 5 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、若しくはその誘導体又はスルホン酸基(−SO 3 H)、又はスルホンアミド基で置換させたスルホン化誘導基を表す。)
  2. 基材の一方の面に、色材層が設けられた熱転写シートであって、
    前記色材層は、基材側から、第1の色材層、第2の色材層がこの順で積層された積層構造を呈し、
    前記第1の色材層は、第1の溶媒と、下記の特定方法により、当該第1の溶媒に溶解可能であると特定される昇華性染料を含有しており、
    前記第1の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記第1の溶媒に前記複数の溶媒が含まれる場合、前記昇華性染料は、当該複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定される昇華性染料であり、
    前記第2の色材層は、第2の溶媒と、下記の特定方法により、当該第2の溶媒に分散可能であると特定される色材を含有しており、
    前記第2の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記第2の溶媒に前記複数の溶媒が含まれる場合、前記色材は、当該複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定される色材であり、
    前記色材が、下記一般式(2)で示される色材である、
    ことを特徴とする熱転写シート。
    (特定方法)
    第1の溶媒に、目的とする昇華性染料を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする昇華性染料の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料であると特定する。一方、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できた場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に分散可能な昇華性染料であると特定する。第1の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
    第2の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に分散可能な色材であると特定する。第2の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
    Figure 0006163985
    (一般式(2)におけるR 1 〜R 5 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、若しくはその誘導体又はスルホン酸基(−SO 3 H)、又はスルホンアミド基で置換させたスルホン化誘導基を表す。)
  3. 熱転写シートの製造方法であって、
    基材上に、色材層用塗工液を塗工して色材層を形成する工程を含み、
    前記色材層用塗工液として、所定の溶媒と、下記の特定方法により、当該所定の溶媒に溶解可能であると特定される昇華性染料と、下記の特定方法により、当該所定の溶媒に分散可能であると特定される色材を含む塗工液が用いられ
    前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記昇華性染料は、当該複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定される昇華性染料であり、前記色材は、当該複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定される色材であり、
    前記色材が、下記一般式(2)で示される色材である、
    ことを特徴とする熱転写シートの製造方法。
    (特定方法)
    所定の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、所定の溶媒に分散可能な色材であると特定する。昇華性染料の特定方法についても同様である。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
    Figure 0006163985
    (一般式(2)におけるR 1 〜R 5 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、若しくはその誘導体又はスルホン酸基(−SO 3 H)、又はスルホンアミド基で置換させたスルホン化誘導基を表す。)
  4. 前記塗工液中に、さらに分散剤が含まれることを特徴とする請求項3に記載の熱転写シートの製造方法。
  5. 熱転写シートの製造方法であって、
    基材上に、第1の溶媒と、下記の特定方法により、当該第1の溶媒に溶解可能であると特定される昇華性染料を含む塗工液を塗工して、第1の色材層を形成する工程と、
    前記第1の色材層上に、第2の溶媒と、下記の特定方法により、当該第2の溶媒に分散可能であると特定される色材を含む塗工液を塗工して、第2の色材層を形成する工程と、
    を含み、
    前記第1の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記第1の溶媒に前記複数の溶媒が含まれる場合、前記昇華性染料は、当該複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定される昇華性染料であり、
    前記第2の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記第2の溶媒に前記複数の溶媒が含まれる場合、前記色材は、当該複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定される色材であり、
    前記色材が、下記一般式(2)で示される色材である、
    ことを特徴とする熱転写シートの製造方法。
    (特定方法)
    第1の溶媒に、目的とする昇華性染料を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする昇華性染料の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に溶解可能な昇華性染料であると特定する。一方、目的とする昇華性染料の析出を目視で確認できた場合には、目的とする昇華性染料は、第1の溶媒に分散可能な昇華性染料であると特定する。第1の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
    第2の溶媒に、目的とする色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とする色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とする色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とする色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とする色材は、第2の溶媒に分散可能な色材であると特定する。第2の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
    Figure 0006163985
    (一般式(2)におけるR 1 〜R 5 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、若しくはその誘導体又はスルホン酸基(−SO 3 H)、又はスルホンアミド基で置換させたスルホン化誘導基を表す。)

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