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JP6165673B2 - 圧延ロールの研磨方法及び装置 - Google Patents
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JP6165673B2 - 圧延ロールの研磨方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機における圧延ロールの外周面上の異物を除去しまたは異物の付着を防ぐために当該外周面をオンラインで研磨する方法及び装置に関するものである。
従来、圧延ロールの外周面を処理するための方法として、特許文献1に記載されるものが知られている。この方法は、前記圧延ロールの外周面のプロフィールを是正するために当該外周面を研削する方法であって、前記圧延ロールをその中心軸回りに回転させることと、その回転する圧延ロールの外周面に対してピストン・シリンダ機構により研削材を押し付けることにより当該外周面を研削することと、を含む。
特開昭63−60009号公報
前記圧延ロールを備えた圧延機において、その運転中にオンラインで当該圧延ロールの外周面を処理する場合、当該外周面のプロフィールは変更せずに異物のみを有効に除去することが求められる場合がある。
しかし、前記特許文献1に記載される方法は、研削材によって圧延ロールの外周面を研削することにより当該外周面のプロフィールを所望のプロフィールに変更するためのものであるため、当該プロフィールを変更せずに異物のみを除去することは困難である。
本発明は、圧延機における圧延ロールの外周面のプロフィールを変更せずにその外周面上の異物の除去もしくは当該異物の付着の防止が可能な方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明が提供するのは、円筒状の外周面を有する圧延ロールの当該外周面を研磨することにより当該外周面上の異物の除去または異物の付着の防止を行うための方法であって、前記圧延ロールをその前記外周面の中心軸回りに回転させることと、その回転する圧延ロールの外周面に研磨材を接触させて当該外周面を研磨することと、を含む。そして、前記研磨材には、ポリアミド繊維を含む不織布と、前記不織布に含浸された熱硬化性樹脂の硬化物と、前記硬化物に分散された、炭化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方を含む充填材とを含む研磨材が用いられる。
この方法によれば、前記研磨材は前記圧延ロールの外周面との接触によって当該外周面のプロフィールを変更させることなく当該外周面になじんだ形状に変形することができ、この状態で安定した接触圧で当該外周面と接触しながら当該外周面を研磨することにより、当該外周面上の異物を除去することができる。
具体的に、前記研磨材は、その密度が0.7〜1.5g/cmであることが好ましい。すなわち、前記研磨材は、前記不織布と、前記硬化物と、前記充填材とを含み、密度が0.7〜1.5g/cmとなるように成形された研磨材であることが好ましい。
このような研磨材を用いれば、前記圧延ロールの外周面上の異物をより好適に除去することができ、さらに、その除去をより長期間にわたって実現できる。
また、前記研磨材は、前記不織布の含有量が、前記研磨材に対して、36〜54質量%であり、前記充填材の含有量が、前記研磨材に対して、24〜36質量%であることが好ましい。また、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の少なくとも一方であることが好ましい。また、前記充填材は、その平均粒径が27〜75μmである充填材であることが好ましい。
このような研磨材を用いれば、上述した前記圧延ロールに対する研磨を好適に実現できる。
前記研磨材は、前記のように前記圧延ロールの外周面の形状になじんだ形状に偏摩耗することが可能であるため、大きな摩擦距離でもって当該圧延ロールの外周面と接触しながら当該外周面の研磨を行うことができる。ここで「摩擦距離」とは、前記圧延ロールの外周面と前記研磨材とが接触する面領域を当該圧延ロールの半径方向からみたときの当該面領域の周方向の寸法をいう。この摩擦距離を大きく確保することは、研磨中における前記圧延ロールの外周面に対する前記研磨材の面圧(単位面積あたりの接触圧)を減らして当該研磨材の摩耗を抑制しながら、異物の除去に必要な線圧(単位長さあたりの接触圧)を確保することを可能にする。すなわち、前記面圧は、前記線圧に前記摩擦距離を乗じたものであるので、当該摩擦距離の増大は、線圧を高く設定しながら面圧を抑えることを可能にする。
具体的に、当該摩擦距離は1.00mm以上であることが好ましい。この摩擦距離は、例えば0.0035kgf/mm以上の線圧で圧延ロールの外周面の研磨を行うことにより当該外周面上の異物の除去あるいは異物の発生を防ぎながら、面圧を0.0035kgf/mm以下に抑えて研磨材の摩耗を抑制することを可能にする。一方、当該摩擦距離は、一般的な圧延機のレイアウトに鑑みると、圧延ロールの半径をRとしたときに(2/3)πRの周長に対応する摩擦距離以下の距離であることが、好ましい。
前記線圧については、前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0047kgf/mm以上の線圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行うのがより好ましい。さらに好ましくは、前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0065kgf/mm以上の線圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行うのが、よい。
一方、前記面圧については、前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0018kgf/mm以下の面圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行うのが、より好ましい。さらに好ましくは、前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0008kgf/mm以下の面圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行うのが、よい。
また本発明は、円筒状の外周面を有する圧延ロールの当該外周面を研磨することにより当該外周面上の異物の除去または異物の付着の防止を行うための装置を提供する。この装置は、前記圧延ロールの外周面を研磨するための研磨材と、この研磨材を保持しながら、回転する前記圧延ロールの外周面に接触させることにより当該外周面を研磨する研磨材操作部と、を備える。前記研磨材は、ポリアミド繊維を含む不織布と、前記不織布に含浸された熱硬化性樹脂の硬化物と、前記硬化物に分散された、炭化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方を含む充填材とを含む。
この装置において、前記研磨材としては、前記研磨方法で用いた研磨材が好ましい。すなわち、前記研磨材は、その密度が0.7〜1.5g/cmであることが好ましい。また、前記研磨材は、前記不織布の含有量が、前記研磨材に対して、36〜54質量%であり、前記充填材の含有量が、前記研磨材に対して、24〜36質量%であることが好ましい。また、前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の少なくとも一方であることが好ましい。また、前記充填材は、その平均粒径が27〜75μmである充填材であることが好ましい。
前記研磨材操作部は、前記研磨材を保持する研磨材保持部と、当該研磨材が前記圧延ロールの外周面に接触する接触位置と当該研磨材が当該外周面から離間する離間位置との間で前記研磨材保持部が移動可能となるように当該研磨材保持部を支持する支持部と、を有するものが、好ましい。この装置によれば、前記研磨材保持部が前記研磨材を保持した状態のまま、当該研磨材を圧延ロールに対して接離させることができる。
この場合、前記研磨材操作部は、前記研磨材を前記圧延ロールの外周面に接触させる荷重を変化させる荷重調節機構をさらに備えることが、好ましい。この荷重調節機構による荷重の調節は、前記外周面に対する前記研磨材の線圧や面圧を適正な圧力に調節することを可能にする。
また本発明は、圧延機のハウジングに対して着脱可能に装着される圧延ロールユニットを提供する。この圧延ロールユニットは、回転軸及びその周囲に配置されるロール本体を有していて当該ロール本体は前記回転軸を中心とする円筒状の外周面を有する圧延ロールと、前記回転軸の両端部に装着されるロールチョックであって、前記ハウジングに着脱可能に装着されるとともにその装着状態で前記回転軸を回転可能に支持するものと、前記の圧延ロール研磨装置と、を備え、当該圧延ロール研磨装置は、当該圧延ロール研磨装置の前記研磨材が前記圧延ロールのロール本体の外周面に接触可能でありかつ当該圧延ロール研磨装置が前記圧延ロール及び前記ロールチョックと一体に前記ハウジングに対して着脱されるように前記ロールチョックに取付けられている。
この圧延ロールユニットによれば、前記圧延ロール研磨装置が前記ロールチョックに取付けられ、かつ、当該ロールチョックがハウジングに装着された状態で、当該圧延ロールユニットの圧延ロールを回転させながらその外周面に前記圧延ロール研磨装置の研磨材を接触させることで、当該外周面上の異物の除去または付着の防止が可能であるとともに、当該圧延ロール研磨装置、当該圧延ロール及び当該ロールチョックを一体にハウジングに対して着脱することが可能である。
また本発明は、前記の圧延ロール研磨装置を含む圧延機を提供する。この圧延機は、円筒状の外周面を有する圧延ロールと、この圧延ロールを支持するハウジングと、当該圧延ロールと当該ハウジングとの間に介在して当該圧延ロールの中心軸回りの回転を許容するロールチョックと、前記圧延ロールを回転させる回転駆動装置と、前記の圧延ロール研磨装置と、を備える。この圧延ロール研磨装置は、当該圧延ロール研磨装置の前記研磨材が前記圧延ロールの外周面と接触可能となるように前記ロールチョックまたは前記ハウジングに取付けられる。
この圧延機が、さらに前記圧延ロールの冷却のための冷却液を当該圧延ロールの外周面上に供給する冷却液供給部を備える場合、前記研磨材は、前記圧延ロールの軸方向に沿って延びる板状であって当該軸方向に連続的に当該圧延ロールの外周面と接触可能な形状を有し、かつ、当該研磨材が前記冷却液供給部による冷却液の供給位置よりも圧延材に近い位置で前記圧延ロールの外周面に接触するように配置されていることが、好ましい。この研磨材は、前記外周面上の異物の除去または付着防止を行いながら前記冷却液が圧延材に付着するのを阻止する液切り材としても機能することが可能である。
以上のように、本発明によれば、圧延機における圧延ロールの外周面のプロフィールを変更せずにその外周面上の異物を除去することが可能な方法及び装置が提供される。
本発明の実施の形態に係る圧延ロールの研磨方法の概略を示す図である。 前記圧延ロールに対する、研磨材による研磨性能を評価する摩耗試験のための試験機の構成を示す概略図である。 前記研磨試験を行った後の研磨材の正面図である。 前記圧延ロール研磨方法において圧延ロールの外周面に対して研磨材が摩擦距離L1で接触している状態を示す正面図である。 前記圧延ロール研磨方法において圧延ロールの外周面に対して研磨材が摩擦距離L2で接触している状態を示す正面図である。 前記圧延ロール研磨方法による研磨で必要な線圧を特定するための異物除去能力試験における圧延ロールと研磨板との接触状態を示す正面図である。 前記異物除去能力試験における圧延ロールと研磨板との他の接触状態を示す正面図である。 前記異物除去能力試験の結果を示すグラフである。 前記圧延ロール研磨方法による研磨での適正な面圧を特定するための摩耗試験における圧延ロールと研磨板との接触状態を示す正面図である。 前記摩耗試験の結果を示すグラフである。 線圧が0.0035kgf/mmであるときの摩擦距離と面圧との関係を示すグラフである。 線圧が0.0065kgf/mmであるときの摩擦距離と面圧との関係を示すグラフである。 線圧がそれぞれ0.0035kgf/mm、0.0047kgf/mm及び0.0065kgf/mmであるときの摩擦距離と面圧との関係を示すグラフである。 一般的な圧延機における圧延ローラ周辺のレイアウトの例を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る圧延ロール研磨装置及びこれを備えた圧延機の要部を示す破断正面図である。 前記圧延機に含まれる圧延ロールユニットを示す平面図である。 前記圧延ロールユニットに設けられる圧延ロール研磨装置を示す断面正面図である。 前記圧延ロール研磨装置の破断平面図である。 前記圧延ロール研磨装置の第1の変形例を示す正面図である。 前記圧延ロール研磨装置の第2の変形例を示す正面図である。
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る圧延ロール2の研磨方法の概略を示したものである。この方法は、前記圧延ロール2をその中心軸回りに回転させることと、その回転する圧延ロール2の外周面3に対して研磨材4を適当な接触圧pで接触させることにより当該外周面3を研磨して当該外周面3上の異物を除去し、または異物の付着を防止すること、とを含む。
この方法の特徴として、前記研磨材4は、ポリアミド繊維を含む不織布と、前記不織布に含浸された熱硬化性樹脂の硬化物と、前記硬化物に分散された、炭化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方を含む充填材とを含む。
前記不織布は、ポリアミド繊維を含むもの、すなわち、ポリアミド不織布であれば、特に限定されない。前記不織布としては、例えば、ポリアミド繊維を主成分として含む不織布、及びポリアミド繊維からなる不織布等が挙げられる。また、前記不織布は、ポリアミド繊維を含んでいれば、ポリエステル繊維やセルロース繊維等の他の繊維を含んでいてもよい。
また、前記硬化物は、前記不織布に含浸された状態での熱硬化性樹脂が硬化された硬化物である。また、前記熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等が好適に用いられる。
また、前記充填材は、前記硬化物に分散された状態で含まれる。前記研磨材は、前記充填材として、炭化ケイ素(SiC)及び酸化アルミニウム(Al)の少なくとも一方を含む。すなわち、前記充填材は、SiC及びAlのいずれか一方を含んでいてもよいし、両方含んでいてもよい。また、前記充填材には、SiC及びAl以外に、他の充填材を含有してもよい。この他の充填材としては、例えば、ダイヤモンドや窒化ホウ素等が挙げられる。
また、前記充填材は、その形状が特に限定されず、例えば、粉末状や粒子状等が挙げられる。また、前記充填材は、その平均粒径が、27〜75μmであることが好ましい。この平均粒径が小さすぎると、研磨材による研磨効果が低下する傾向がある。また、この平均粒径が大きすぎると、充填材が、研磨材中に均一に分散しにくくなる傾向がある。
ここで、平均粒径とは、例えば、累積50%径(累積中位径)等が挙げられる。この累積中位径は、1つの粉体(粒子)の集合を仮定して、その粒子径分布を測定し、その粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒子径を指す。より具体的には、JIS R6001(1998)に準拠の方法により測定された累積高さ50%点の粒子径(メジアン径)等が挙げられる。
また、前記研磨材は、その密度が0.5〜1.5g/cmであることが好ましく、0.7〜1.5g/cmであることがより好ましい。密度が低すぎると、得られる研磨材が疎になり、研磨に供した際の耐久性である耐摩耗性が低下する傾向がある。また、研磨材による研磨効果が低下する傾向もある。一方で、密度が高すぎる不具合は、実際には発生しにくい。そこで、前記研磨材の密度は、上記のような組成の場合、高めようとしても、1.5g/cm程度が限界であり、この限界である1.5g/cmが、実際には、密度範囲の上限である。
ここで、密度は、一般的な比重計で測定可能であり、例えば、水中置換法で測定された密度(比重)が挙げられる。
また、前記研磨材は、上述したように、前記充填材が前記硬化物に分散されて含有されている。このことは、前記研磨材を、適当に分割、例えば、厚み方向等に複数層に分割した後、それぞれの分割した部分の密度を測定しても、同程度の密度が得られることからわかる。
また、前記研磨材は、前記不織布と前記硬化物と前記充填材とを含んでいればよく、他の成分を含まない、前記不織布と前記硬化物と前記充填材とからなるものであってもよいし、他の成分を含んでいてもよい。また、前記研磨材は、前記不織布と前記硬化物と前記充填材とからなることが好ましい。
また、前記不織布の含有量は、前記研磨材全量に対して、36〜54質量%であることが好ましい。前記不織布が少なすぎると、相対的に、硬化物の量が増え、不織布に硬化物が保持しにくくなる傾向がある。すなわち、好適な研磨材が形成されにくくなる傾向がある。また、前記不織布が多すぎると、相対的に、硬化物の量が減り、得られた研磨材が緻密になりにくい傾向がある。
また、前記充填材の含有量は、前記研磨材全量に対して、24〜36質量%であることが好ましい。前記研磨材が少なすぎると、研磨材による研磨効果が低下する傾向がある。また、前記研磨材が多すぎると、充填材が、研磨材中に均一に分散しにくくなり、好適な研磨材が形成されにくくなる傾向がある。
また、前記不織布と前記充填材との含有量比は、質量比で50:50〜70:30であることが好ましく、55:45〜65:35であることがより好ましい。具体的には、前記不織布と前記充填材との含有量比は、質量比で60:40程度にしたもの等を用いる。
また、前記硬化物の含有量は、前記研磨材全量に対して、10〜40質量%であることが好ましく、20〜35質量%であることがより好ましい。また、前記硬化物が少なすぎると、相対的に、不織布の量が増え、得られた研磨材が緻密になりにくい傾向がある。また、前記硬化物が多すぎると、相対的に、不織布の量が減り、不織布に硬化物が保持しにくくなって、充填材の疎密を生じやすくなる傾向がある。すなわち、好適な研磨材が形成されにくくなる傾向がある。
また、前記研磨材の形状は、研磨対象物である圧延ロールの外周面を研磨することができれば、特に限定されないが、例えば、直方体等が挙げられる。また、前記研磨材の大きさは、研磨対象物である圧延ロールの大きさ等によって、適宜選択できる。
前記研磨材の製造方法は、上記研磨材を得ることができる方法であれば、特に限定されない。具体的には、前記不織布と前記硬化物と前記充填材とが、それぞれの含有量が所定量となるように、前記硬化物の硬化前の熱硬化性樹脂と前記充填材とを含浸させた前記不織布である、プリプレグを加圧した状態で加熱して、前記熱硬化性樹脂を硬化させる方法等が挙げられる。その際、前記プリプレグを1枚用いてもよいし、最終的に得られる研磨材の厚みが、所定の厚みになるように、前記プリプレグを複数枚積層したものを用いてもよい。また、前記加熱及び前記加圧の条件は、最終的に得られる研磨材の密度が上記範囲内になるように調整することが好ましい。
本発明者らは、前記圧延ロールに対する、研磨材による研磨性能を評価するための摩耗試験を行った。図2は、この試験のための摩耗試験機101を示す。
この摩耗試験機101は、一方の端部を支点にして回転可能な支持棒102の、他方の端部に研磨材4を固定する。この研磨材4は、圧延ロール2の外周面3に接触させる。そして、前記支持棒102には、その中央部に、前記研磨材4の、前記外周面3に対する線圧が、所定の圧力になるように、おもり103を設ける。前記摩耗試験機101は、このような状態で、圧延ロール2の回転駆動が行われる。
このような摩耗試験機101による摩耗試験は、研磨材4の摩耗量及び圧延ロール2の外周面3の研磨量等から評価する。研磨材4の研磨量は、以下のように算出する。例えば、研磨材4が直方体である場合、研磨材4は、図3に示すように、摩耗により消滅する。この摩耗により消滅した部分105の体積(mm)は、A(mm)×B(mm)×研磨材の幅(mm)×0.5で算出される。
このような摩耗試験により、圧延機における圧延ロールの外周面のプロフィールを変更せずにその外周面上の異物を除去することが可能であることがわかる。この圧延ロールに対する、研磨材による研磨性能の詳細な評価結果は、後述する。
前記研磨材4は、前記のように前記圧延ロール2の外周面3の形状になじんだ形状に偏摩耗することが可能であるため、この研磨材4を予め圧延ロール2の外周面3に沿った形状に前加工されていなくても、前記圧延ロール2との接触開始後速やかに前記外周面3の形状に沿って摩耗することにより摩擦距離Lを増やすことができ、よって大きな摩擦距離Lでもって当該圧延ロール2の外周面3と接触しながら当該外周面3の研磨を進めることができる。また、この摩擦距離Lは、外周面3に対する研磨材4の接触角や研磨材4の幅によって所望の距離に容易に設定することが可能である。
ここで「摩擦距離」とは、前記圧延ロール2の外周面3と前記研磨材4とが接触する面領域を当該圧延ロールの半径方向からみたときの当該面領域の周方向の寸法をいう。前記摩擦距離Lを大きくすることは、研磨中における前記圧延ロール2の外周面3に対する前記研磨材4の面圧(単位面積あたりの接触荷重)を抑えて当該研磨材の過度の摩耗の進行及び設備の振動発生の回避を可能にしながら、異物の除去に必要な線圧(単位長さあたりの接触圧)を確保することを可能にする。
具体的に、互いに接触する物質の摩耗量はその接触の荷重、相対速度及び接触時間に比例するというPrestonの式によれば、線圧が大きいほど高い異物付着防止効果及び異物除去効果が得られることになる。一方、前記面圧は、前記線圧に前記摩擦距離を乗じたものであるので、当該摩擦距離の増大は、線圧を高く設定しながら面圧を抑えることを可能にする。例えば、線圧をP、面圧をp、摩擦距離をLとすると、線圧PはP=p×Lで表されるので、当該線圧Pが一定であるという条件下で図4及び図5に示すように互いに異なる摩擦距離L1,L2(L1>L2)で研磨を行った場合、そのときの面圧p1,p2の関係は次式で表される。
P=p1×L1=p2×L2 ∴ p1<p2
このように、同じ線圧Pでも摩擦距離Lを大きくすることにより面圧pを小さく抑えることができるから、大きな摩擦距離Lでの研磨は、十分な線圧Pによる異物の除去または付着防止の効果と、面圧pの低減による研磨材の摩耗の抑制(すなわち研磨材の交換頻度の削減)という効果の両立を可能にする。
本発明者らは、前記異物の除去に必要な線圧を特定するための異物除去能力試験を行った。図6及び図7はそのための設備を示す。前記研磨材4は、圧延ロール2の外周面3に接触する位置で、ワイヤ5を介して梁6に取付けられ、この状態で圧延ロール2の回転駆動が行われる。前記外周面3に対する前記研磨材4の面圧の調節は、当該研磨材4に図7に示すような錘(例えば鉄板)7を装着することにより、行われる。このとき、前記面圧は前記外周面3に対する前記研磨材4の接触角αと、摩擦距離Lとから算出することが、可能である。
このような設備により、前記研磨材4の異物除去能力について試験を行った結果を図8に示す。このグラフに示されるように、0.0035kgf/mm以上、より好ましくは0.0047kgf/mm以上の線圧(=面圧計算値×摩擦距離L)を確保すれば、少なくとも異物の発生を防ぐことができ、さらに0.0065kgf/mm以上の線圧であれば既に付着している異物の除去も可能である。
また本発明者らは、前記研磨での適正な面圧を特定するための摩耗試験を行った。そのための設備を図9に示す。この設備は、圧延ロール2をその中心軸回りに回転させる旋盤と、刃物台に固定される研磨材ホルダ8と、圧縮コイルばね9と、を備える。研磨材4は圧延ロール2の回転半径方向に沿って摺動可能となるように前記研磨材ホルダ8に保持されている。前記圧縮コイルばね9は、前記研磨材ホルダ8内に装填され、前記研磨材4の端部を前記圧延ロール2の外周面3に押付ける向きの弾発力を当該研磨材4に付与する。
このような設備により、前記研磨材4の摩耗の度合いについて摩耗試験が行われた。この試験では、圧延ロール2の外周面に対して約10秒間研磨材4が押し当てられ、そのときの摩耗粉の発生状態が目視で観察された。
当該試験の結果を図10に示す。この図10において、「軽微」は前記摩耗粉の発生がない状態、「摩耗小」は素手で研磨材4を触ったときに摩耗粉の感触があるという程度の摩耗、「摩耗中」は摩耗粉の発生が目視で観察できる程度の摩耗、「摩耗大」は摩耗粉が飛散する程度の摩耗、をそれぞれ示す。
図10に示されるように、面圧が0.0035kgf/mmを超える領域で研磨材4の摩耗の度合いが大きく、「摩耗大」のレベルの摩耗を防ぐことも困難である。これに対して面圧が0.0035kgf/mm以下の領域では、図9に示される「摩耗大」のレベルの摩耗を防ぐことができる。さらに、面圧が0.0018kgf/mm以下であれば「摩耗中」のレベルの摩耗も防ぐことができ、面圧が0.0008kgf/mm以下であれば「摩耗中」のレベルの摩耗まで防ぐことができる。
以上の試験結果から、前記研磨材4によって圧延ロール2の研磨を行うには、(i)線圧がある程度の線圧以上(例えば0.0035kgf/mm以上、より好ましくは0.0065kgf/mm以上)であるという条件、及び、(ii)面圧がある程度の面圧以下(例えば0.0035kgf/mm以下、より好ましくは0.0018kgf/mm以下、さらに好ましくは0.0008kgf/mm以下)であるという条件を満たすことが望ましいが、前記研磨材4の特性による摩擦距離Lの拡大は、前記条件(i)(ii)の双方を同時に満たすことを可能にするものである。
図11及び図12は、それぞれ線圧が0.0035kgf/mm、0.0065kgf/mmであるときの摩擦距離(mm)と面圧(kgf/mm)との関係を示したものである。図11に示すように、0.0035kgf/mmの線圧を確保しながらも摩擦距離を1.00mm以上にすれば面圧を0.0035kgf/mm以下に抑えることが可能であり、さらに、摩擦距離を4.38mm以上にすれば面圧を0.0008kgf/mm以下に抑えることが可能である。一方、摩擦距離を1.86mm以上にすれば面圧を0.0035kgf/mm以下に抑えながら0.0065kgf/mm以上の線圧を確保することが可能であり、さらに摩擦距離を8.13mm以上にすれば0.0065kgf/mm以上の線圧を確保しながら面圧を0.0008kgf/mm以下に抑えることが可能になる。
図13は、線圧が0.0035kgf/mm、0.0047kgf/mm及び0.0065kgf/mmである場合の摩擦距離(mm)と面圧(kgf/mm)との関係を同じグラフに実線、破線及び一点鎖線でそれぞれ示したものである。この図13に示されるように、線圧がいずれの場合でも摩擦距離と面圧とは反比例の関係にあるので、線圧を高く設定してもこれに応じて摩擦距離を拡大することにより好適な面圧を得ることが可能である。具体的には、図13に実線、破線及び一点鎖線で示されるいずれの曲線についても、各曲線と実線で示される水平線(面圧が0.0035kgf/mm)との交点に対応する摩擦距離以上の摩擦距離が保たれることが好ましく、各曲線と破線で示される水平線(面圧が0.0018kgf/mm)との交点に対応する摩擦距離以上の摩擦距離が保たれることがより好ましく、各曲線と一点鎖線で示される水平線(面圧が0.0008kgf/mm)との交点に対応する摩擦距離以上の摩擦距離が保たれることがさらに好ましい。
一方、前記摩擦距離の上限については、圧延機における圧延ロールの周辺機器のレイアウトに応じて設定されればよい。一般的な圧延機では、その摩擦距離に相当する中心角β、すなわち、研磨材4と圧延ロール2の外周面とが接触する領域が占める角度、が(2/3)π(ラジアン)であることが、好ましい。換言すれば、前記摩擦距離は、圧延ロール2の半径をRとしたときに接触領域の周長が(2/3)πR以下となるような摩擦距離に設定されるのが、よい。
図14は、一般的な圧延機における圧延ロール2の周囲のレイアウトを示している。この図14に示すように、圧延ロール2の周囲には、当該圧延ロール2の外周面3の冷却のための冷却液(例えば水)82を供給するための冷却液供給部(例えばノズル)80や、その供給された冷却液が圧延材90に付着するのを阻止するための液切り板84が配置されるのが一般的であり、その配置を可能にするため、研磨材4が圧延ロール2の外周面3に接触する領域の中心角βは図14に示されるように(2/3)π(=120°)以下に設定されるのが、好ましい。また、図14に示されるように、比較的大きな中心角βでもって研磨を行う場合には複数の研磨材4が周方向に並べて配置された状態で使用されてもよい。
実際に用いられる圧延ロールの他にバックアップロールを具備する圧延機であって当該バックアップロールが当該圧延ロールの近傍に配置されるものにおいては、前記摩擦距離の上限はさらに制限されることになる。
次に、前記研磨方法を実施するために好適な研磨ロール圧延装置及びこれを備えた圧延機の例について説明する。
図15及び図16は、前記圧延機の要部を示す。この圧延機は、ハウジング10と、このハウジング10に装着される上下一対の圧延ロールユニット11,12と、を備える。圧延ロールユニット11,12のそれぞれは、図16に示すように、圧延ロール14と、前後一対のロールチョック16と、回転駆動装置であるモータ18と、圧延ロール研磨装置20と、を有する。上下の圧延ロール14は、これらの圧延ロール14同士の間に加工対象である圧延材を挟み込んだ状態で前記モータ18により回転駆動されることにより、当該圧延材の圧延を行う。
前記各圧延ロール14は、回転軸22と、この回転軸22の周囲に配置されるロール本体24と、を有する。前記モータ18は前記回転軸22の一方の端部に連結されて当該回転軸22及び前記ロール本体24を一体に回転させる。ロール本体24は、円筒状の外周面26を有し、この外周面26が前記圧延材の表面と接触しながら圧延ロール14が回転駆動される。前記回転軸22の軸方向の両端部は、前記ロール本体24の軸方向の両端からそれぞれ外向きに突出している。
前記一対のロールチョック16は、前記圧延ロール14の軸受として機能するもので、前記回転軸22の両端部にそれぞれ装着される。これらのロールチョック16は、前記ハウジング10に対して軸方向(前後方向;図15では奥行き方向)に挿脱可能となるように装着され、その装着状態で当該ハウジング10に対する前記圧延ロール14の相対回転を許容しながら当該圧延ロール14を支持する。
図17及び図18は、上側の圧延ロールユニット11に含まれる圧延ロール研磨装置20の具体的構成を示す。この圧延ロール研磨装置20は、研磨材28と、研磨材操作部30と、を備える。
前記研磨材28は、前記のように回転駆動される圧延ロール14の外周面26と接触して当該外周面26を研磨することにより、当該外周面26上の異物の除去または異物の付着の防止を行うものである。この実施の形態に係る研磨材28は、圧延ロール14の軸方向に延びるブロック状(直方体状)をなす。この研磨材28は当該軸方向に分割されていてもよい。当該研磨材28の具体的な材質は、上述した研磨材4のそれと同等である。
前記研磨材操作部30は、前記研磨材28を保持しながら当該研磨材28を前記圧延ロール14の外周面26に接触させるものであり、ホルダ32と、支持部34と、荷重調節機構36と、を有する。
前記ホルダ32は、研磨材保持部に相当するもので、前記研磨材28のうち前記圧延ロール外周面26と接触する面である下面を露出させるようにしてその上端部を保持する。具体的に、当該ホルダ32は、研磨材固定板38と、この研磨材固定板38の上面から上向きに突出する被支持部40と、を有し、前記研磨材固定板38の下面に前記研磨材28が固定される。
前記支持部34は、前記研磨材28の下面が前記圧延ロール14の外周面26に接触する位置(図17の実線位置)と当該外周面26から上方に離間する位置(図17の二点鎖線位置)との間で移動可能となるように前記ホルダ32を支持する。さらに、この実施の形態に係る支持部34は、圧延ロール研磨装置20全体が前記圧延ロール14及び前記一対のロールチョック16と一体に前記ハウジング20に対して着脱されるように、当該ロールチョック16に取付けられている。
具体的に、この実施の形態に係る支持部34は、左右一対の縦梁42と、前後二対の横梁44と、互いに対をなす横梁44にそれぞれ取付けられる支持部材と、を有する。
前記一対の縦梁42は、図16に示すように左右方向に間隔をおいて平行な状態で前記両ロールチョック16同士の間に架け渡される。互いに対をなす前記横梁44は、前後方向に並ぶ2つの位置でそれぞれ前記縦梁42同士の間に架け渡され、対をなす横梁44同士の間にもそれぞれ前後方向の間隔が与えられている。
前記各支持部材は、支持ブラケット46と、回動軸48と、ホルダ支持部50と、を有する。
支持ブラケット46は、互いに対をなす横梁44同士の間に架け渡される支持板54と、この支持板54の下面から下向きに突出する前後一対の縦板56と、を有する。前記回動軸48は、前後方向に延び、その両端が前記各縦板56に回転可能に支持される。
前記ホルダ支持部50は、前記ホルダ32を支持しながら前記回動軸48と一体に当該回動軸48を中心として回動することが可能であり、この回動により、前記ホルダ32に保持される前記研磨材28を前記圧延ロール14の外周面26に対して接離させる。具体的に、このホルダ支持部50は、本体板58と、前後一対のホルダ支持板60と、を有する。前記本体板58は、前記回動軸48の固定される基端部と、その反対側の先端部と、を有する。前記ホルダ支持板60は、前記本体板58の先端部から外向きに突出し、前記ホルダ32の被支持部40を前後方向の軸回りに回動可能に支持する。
ここで、前記回動軸48の位置は、前記研磨材28、前記ホルダ32及び前記ホルダ支持部50に作用する重力によって当該研磨材28の下面を前記圧延ロール14の外周面26に押付ける荷重が生成されるように、設定されている。具体的に、当該回動軸48の位置は、前記研磨材28、前記ホルダ32及び前記ホルダ支持部50の合成重心よりも高い位置に設定されている。
なお、前記縦梁42には、前記研磨材28を前記離間位置に保持するためのフック61が設けられている。このフック61は、前記研磨材28が前記圧延ロール14の外周面26から浮上した位置で前記ホルダ支持部50の例えばホルダ支持板60を係止する。
前記荷重調節機構36は、前記研磨材28、前記ホルダ32及び前記ホルダ支持部50に作用する重力に抗して当該研磨材28に上向きの荷重を加えることにより、当該研磨材28の前記外周面26に対する接触圧(面圧)pの調節を可能にするものである。具体的に、この荷重調節機構36は、カウンタウェイト取付板62と、複数枚のカウンタウェイト64と、を有する。
前記カウンタウェイト取付板62は、前記ホルダ支持部50と一体に前記回動軸48を中心として回動するように当該回動軸48に固定される。具体的に、当該カウンタウェイト取付板52は、前記圧延ロール14の半径方向に立直する平板からなり、前記回動軸48に固定される被固定部65と、前記回動軸48を挟んで前記ホルダ支持部50と反対側に位置する本体部66と、を一体に有する。前記カウンタウェイト64は、前記本体部66の両側面にボルト67及びナット68によって着脱可能に装着される。このように装着されるカウンタウェイト64の枚数を増減させることにより、前記ホルダ支持部50に与える上向きの力を増減させ、これにより前記接触圧(面圧)pを調節することが可能である。
この接触圧pの調節は、前記カウンタウェイト64によるものに限られない。例えば図19に示すような流体圧シリンダ70が用いられてもよい。この図19に示す圧延ロール研磨装置20の研磨材操作部30は、前記流体圧シリンダ70と、研磨材保持板72と、回動部材74と、この回動部材74をピン75を中心として回動可能に支持するブラケット76と、を有する。ブラケット76は前記ロールチョック16またはハウジング10に取付けられる。前記研磨材保持板72は、研磨材28を保持した状態で前記回動部材74の適当な部位に固定される。前記流体圧シリンダ70の一端は前記ロールチョック16またはハウジング10に回動可能に支持され、他端は前記研磨材保持板72と異なる位置で前記回動部材74に連結される。
前記流体圧シリンダ70の位置は、当該流体圧シリンダ70の伸縮によって前記研磨材28が図19に示されるように圧延ロール14の外周面26に接触する位置と当該外周面26から離間する位置との間で移動するように、設定される。この場合、前記流体圧シリンダ70の伸縮ストロークによって、前記外周面26に対する前記研磨材28の接触圧を調節することが可能である。
また、圧延機が図20に示すような冷却液供給部80をさらに備える場合、前記研磨材28は、いわゆる液切り材として機能することも可能である。前記冷却液供給部80は、前記圧延ロール14の冷却のための冷却液(例えば水)を当該圧延ロール14の外周面26上の所定部位に供給するものであるが、この冷却液が圧延材に付着することは好ましくない。ここで、前記研磨材28が前記圧延ロール14の軸方向に連続的に当該圧延ロール14の外周面26に接触するものであり、かつ、前記冷却液が供給される位置よりも前記圧延材に近い位置で前記外周面26と接触するように配置されれば、当該研磨材28は、当該外周面26上の異物の除去または異物付着の防止を行いながら前記液切り材としても機能することが、可能である。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
研磨材の違いによる研磨性能について検討した。
[実施例1]
汎用ノボラック型フェノール樹脂(ヘキサミン硬化タイプ)及び炭化ケイ素粒子(JIS R6001(1998)に規定の番手#320、累積高さ50%点の粒子径(メジアン径)40±2.5μm)が、ポリアミド不織布に含まれた状態のプリプレグを作成した。その際、ポリアミド不織布が42質量%、フェノール樹脂が30質量%、炭化ケイ素粒子が28質量%となるようにした。このプリプレグを、最終的な研磨材の厚みが10mm程度になるように積層させた。その後、最終的な研磨材の密度が0.5g/cmとなるような条件で、加圧及び加熱した。その後、必要に応じて、研磨材が、長さ75mm、幅20mm、厚み10mmの直方体となるように切断した。
また、得られた研磨材の密度を、水中置換法で測定したところ、0.5g/cmであった。また、研磨材の適当なところを切り出した複数の部分の密度を測定したところ、いずれも、ほぼ同じ密度であった。このことから、充填材として含有している炭化ケイ素粒子が充分に均一に分散していることがわかった。
なお、プリプレグの組成(配合比等)の条件及び密度は、下記表1に示す。
図2に示すような摩耗試験機に、この研磨材を固定して、摩耗試験を行った。
その際、圧延ロールとして、直径100mmの円柱状で、ねずみ鋳鉄(FC200)製の、表面粗さRaを3μmになるように表面加工したロールを用いた。
また、研磨条件として、圧延ロールの回転速度(周速)が、1000m/分で、研磨時間8時間(研磨距離:480kmに相当)で、圧延ロールの外周面に対する研磨材の線圧が0.028kgf/mmで、乾燥状態で研磨した。
[実施例2〜10]
実施例2〜10は、前記プリプレグとして、表1に示す組成のものを用いたこと以外、実施例1と同様である。
[比較例1〜4]
比較例1〜4は、前記プリプレグとして、表1に示す組成のものを用いたこと以外、同様である。
なお、表1中、ガラス繊維織物は、ユニチカグラスファイバー株式会社製のE18S(210g/m)を用いた。また、エポキシ樹脂は、DIC株式会社製のビスフェノールA型樹脂(1051−75M)を用いた。また、ポリアミド樹脂は、ナック・ケイ・エス株式会社製のNMC(一般グレード)を用いた。また、炭化ケイ素粒子#220は、JIS R6001(1998)に規定の番手#220の炭化ケイ素粒子を用いた。なお、この#220(F220)は、メッシュ目開き106μmのふるいにとどまるものが0質量%であり、メッシュ目開き75μmのふるいにとどまるものが15質量%未満であり、メッシュ目開き53μmのふるいにとどまるものが40質量%を超え、メッシュ目開き45μmのふるいにとどまるものが60質量%を超える。このため、有効粒子サイズが、45〜75μmであり、累積高さ50%点の粒子径(メジアン径)は、当然、27〜75μmの範囲内である。また、アルミナ粒子#320は、JIS R6001(1998)に規定の番手#320の酸化アルミニウム粒子を用いた。
Figure 0006165673

そして、上記各研磨材を用いた研磨に対して、以下の評価を行った。
(研磨効果:ロールの摩耗高さ)
前記研磨試験の前後の圧延ロールの表面を、それぞれ表面粗さ測定機で測定し、得られた粗さ曲線から、摩耗高さを算出した。この摩耗高さによって、研磨効果を評価した。具体的には、摩耗高さが、6μm以上であれば、「◎」と評価し、3.5μm以上6μm未満であれば、「○」と評価し、1μm以上3.5μm未満であれば、「△」と評価し、1μm未満であれば、「×」と評価した。なお、表2中、摩耗高さにおける「無し」は、摩耗高さがほぼ0μmであり、「微小」は、摩耗高さが1μm未満であることを示す。
(耐摩耗性:研磨材の摩耗量)
上記条件の研磨を終了した後の研磨材の研磨量を、上記の方法で測定した。この研磨量によって、研磨材の耐摩耗性を評価した。具体的には、摩耗量が、25mm以下であれば、「○」と評価し、25mmを超え100mm以下であれば、「△」と評価し、100mmを超えるのであれば、「×」と評価した。
この結果を、表2に示す。
Figure 0006165673

表1及び表2からわかるように、ポリアミド不織布と、この不織布に含浸された、フェノール樹脂又はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の硬化物と、前記硬化物に分散された、炭化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方とを含む研磨材を用いた場合(実施例1〜10)は、このような研磨材とは異なる研磨材を用いた場合(比較例1〜4)と比較して、圧延ロールに対する研磨効果が高かった。また、実施例1〜14に係る研磨材は、圧延ロールに対する研磨に用いても摩耗が充分に抑制されていることがわかった。
また、ポリアミド不織布と充填材との質量比を、60:40に固定して、熱硬化性樹脂の含有量を少なくしていくと、得られた研磨材が緻密にならず、圧延ロールの研磨に適した研磨材が得られない傾向があることがわかった。また、前記質量比を、60:40に固定して、熱硬化性樹脂の含有量を多くしていくと、不織布に樹脂を保持しにくくなり、圧延ロールの研磨に適した研磨材が得られない傾向があることがわかった。
L,L1,L2 摩擦距離
2,14 圧延ロール
3,26 圧延ロールの外周面
4,28 研磨材
10 ハウジング
11,12 圧延ロールユニット
16 ロールチョック
18 モータ(回転駆動装置)
20 圧延ロール研磨装置
22 回転軸
24 ロール本体
30 研磨材操作部
32 ホルダ(研磨材保持部)
34 支持部
36 荷重調節機構
80 冷却液供給部
101 摩耗試験機
102 支持棒

Claims (19)

  1. 円筒状の外周面を有する圧延ロールの当該外周面を研磨することにより当該外周面上の異物の除去または異物の付着の防止を行うための方法であって、
    前記圧延ロールをその前記外周面の中心軸回りに回転させることと、
    その回転する圧延ロールの外周面に研磨材を接触させて当該外周面を研磨することと、を含み、
    前記研磨材として、ポリアミド繊維を含む不織布と、前記不織布に含浸された熱硬化性樹脂の硬化物と、前記硬化物に分散された、炭化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方を含む充填材とを含む研磨材が用いられ
    前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材が1.00mm以上の摩擦距離、0.0035kgf/mm以上の線圧及び0.0035kgf/mm 以下の面圧で接触する状態で当該外周面の研磨を行う、圧延ロールの研磨方法。
  2. 請求項1に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記研磨材の密度が、0.7〜1.5g/cmである、圧延ロールの研磨方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記不織布の含有量が、前記研磨材に対して、36〜54質量%であり、
    前記充填材の含有量が、前記研磨材に対して、24〜36質量%である、圧延ロールの研磨方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の少なくとも一方である、圧延ロールの研磨方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記充填材の平均粒径が、27〜75μmである、圧延ロールの研磨方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0047kgf/mm以上の線圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行う、圧延ロールの研磨方法。
  7. 請求項に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0065kgf/mm以上の線圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行う、圧延ロールの研磨方法。
  8. 請求項のいずれか1項に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0018kgf/mm以下の面圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行う、圧延ロールの研磨方法。
  9. 請求項に記載の圧延ロールの研磨方法であって、
    前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材を0.0008kgf/mm以下の面圧で接触させる摩擦距離で当該外周面の研磨を行う、圧延ロールの研磨方法。
  10. 円筒状の外周面を有する圧延ロールの当該外周面を研磨することにより当該外周面上の異物の除去または異物の付着の防止を行うための装置であって、
    前記圧延ロールの外周面を研磨するための研磨材と、
    この研磨材を保持しながら、回転する前記圧延ロールの外周面に接触させることにより当該外周面を研磨する研磨材操作部と、を備え、
    前記研磨材は、ポリアミド繊維を含む不織布と、前記不織布に含浸された熱硬化性樹脂の硬化物と、前記硬化物に分散された、炭化ケイ素及び酸化アルミニウムの少なくとも一方を含む充填材とを含む研磨材であり、
    前記圧延ロールの外周面に対して前記研磨材が1.00mm以上の摩擦距離、0.0035kgf/mm以上の線圧及び0.0035kgf/mm 以下の面圧で接触する状態で当該外周面の研磨を行う、圧延ロールの研磨装置。
  11. 請求項10に記載の圧延ロールの研磨装置であって、
    前記研磨材の密度が、0.7〜1.5g/cmである、圧延ロールの研磨装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の圧延ロールの研磨装置であって、
    前記不織布の含有量が、前記研磨材に対して、36〜54質量%であり、
    前記充填材の含有量が、前記研磨材に対して、24〜36質量%である、圧延ロールの研磨装置。
  13. 請求項1012のいずれか1項に記載の圧延ロールの研磨装置であって、
    前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂の少なくとも一方である、圧延ロールの研磨装置。
  14. 請求項1013のいずれか1項に記載の圧延ロールの研磨装置であって、
    前記充填材の平均粒径が、27〜75μmである、圧延ロールの研磨装置。
  15. 請求項1014のいずれか1項に記載の圧延ロールの研磨装置であって、
    前記研磨材操作部は、前記研磨材を保持する研磨材保持部と、当該研磨材が前記圧延ロールの外周面に接触する接触位置と当該研磨材が当該外周面から離間する離間位置との間で前記研磨材保持部が移動可能となるように当該研磨材保持部を支持する支持部と、を有する、圧延ロールの研磨装置。
  16. 請求項15に記載の圧延ロールの研磨装置であって、
    前記研磨材操作部は、前記研磨材を前記圧延ロールの外周面に接触させる荷重を変化させる荷重調節機構をさらに備える、圧延ロールの研磨装置。
  17. 圧延機のハウジングに対して着脱可能に装着される圧延ロールユニットであって、
    回転軸及びその周囲に配置されるロール本体を有していて当該ロール本体は前記回転軸を中心とする円筒状の外周面を有する圧延ロールと、
    前記回転軸の両端部に装着されるロールチョックであって、前記ハウジングに着脱可能に装着されるとともにその装着状態で前記回転軸を回転可能に支持するものと、
    請求項1016のいずれか1項に記載の圧延ロール研磨装置と、を備え、
    当該圧延ロール研磨装置は、当該圧延ロール研磨装置の前記研磨材が前記圧延ロールのロール本体の外周面に接触可能でありかつ当該圧延ロール研磨装置が前記圧延ロール及び前記ロールチョックと一体に前記ハウジングに対して着脱されるように前記ロールチョックに取付けられている、圧延ロールユニット。
  18. 圧延機であって、
    円筒状の外周面を有する圧延ロールと、
    この圧延ロールを支持するハウジングと、
    当該圧延ロールと当該ハウジングとの間に介在して当該圧延ロールの中心軸回りの回転を許容するロールチョックと、
    前記圧延ロールを回転させる回転駆動装置と、
    請求項1016のいずれか1項に記載の圧延ロール研磨装置と、を備え、
    この圧延ロール研磨装置は、当該圧延ロール研磨装置の前記研磨材が前記圧延ロールの外周面と接触可能となるように前記ロールチョックまたは前記ハウジングに取付けられる、圧延機。
  19. 請求項18に記載の圧延機であって、
    前記圧延ロールの冷却のための冷却液を当該圧延ロールの外周面上に供給する冷却液供給部をさらに備え、
    前記研磨材は、前記圧延ロールの軸方向に沿って延びる板状であって当該軸方向に連続的に当該圧延ロールの外周面と接触可能な形状を有し、かつ、当該研磨材が前記冷却液供給部による冷却液の供給位置よりも圧延材に近い位置で前記圧延ロールの外周面に接触するように配置されている、圧延機。
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