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JP6166740B2 - 資源管理支援システム - Google Patents
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JP6166740B2 - 資源管理支援システム - Google Patents

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Description

本発明は資源管理支援システムに関する。例えば、国土単位や自治体単位など一定範囲の空間的広がりを持つ地域において資源や汚染物質を管理する業務を支援する技術に関する。
国単位や自治体単位など一定範囲の空間的広がりを持つ地域において資源や汚染物質をモニタリングし、これらモニタリング結果の分析に基づいて資源管理や防災といった行政施策を適切に行うことが求められる。さらには、時間スケールも考慮に入れた将来予測を行うことで、有効な将来計画を策定し、適切な運営管理が遂行されることがより好ましい。
なお、管理すべき対象は、資源、汚染物質、あるいは、熱量など様々な(物理)量なのであるが、本明細書中で毎回すべて列挙するのは煩雑であるので、ここでは水を代表例として説明する。
水を例にとってみると、水資源の管理は言うまでもなく重要施策の一つである。例えば、水資源の有効利用あるいは水災害の防止といった観点から、河川の水位、地下水の水位、ダム水位、湧水量など水に関連した監視項目が所定の範囲内に収まっているか注視し、さらには、これら監視項目が所定の範囲に収まるように方策を立てなければならない。
ある広がりを持った一定範囲の地圏環境において水の挙動を正確に把握するのは簡単ではない。水は、大気、地表さらには地下といった様々な系の間で、蒸発、降雨、河川の流れ、浸透、地下水流動、湧水など様々な挙動を繰り返してその地域に出たり入ったりしている。表面的な地形や河川形状に基づいて水の挙動をシミュレーションするモデルはいくつも提案されているが、これでは不十分である。
そこで、本出願人は、陸域における水循環システムの総合的シミュレーション装置としてGETFLOWS(登録商標)を開発し、水循環の研究に加え、自治体の水行政に関する有用なデータの提供およびアドバイスを行ってきた(例えば非特許文献1、2。この他、出願人、発明者らの論文が多くあり、出願人のウェブサイトに紹介されている)。GETFLOWS(登録商標)は、陸域における水循環システムを多相多成分流体系として定式化し、地上および地下の水の流れを完全に一体化させて水挙動のシミュレーションを行うことができる。さらに、シミュレーション結果を地図上に分かりやすく可視化することができる。
特開2011−13753号公報 特開2007−72753号公報
地表流と地下水流を結合した3次元陸水シミュレーション手法の開発, 地下水学会誌 第38巻第4号 1996 森康二, 多田和広, 佐藤壮, 柿澤展子, 内山佳美, 横山尚秀, 山根正伸, 神奈川県水源エリアの3次元水循環モデル, 神自環保セ報10(2013)215−223. 株式会社地圏環境テクノロジーのウェブサイトhttp://www.getc.co.jp/software/aboutgetf/
たしかにGETFLOWS(登録商標)は優れた総合的シミュレーション装置なのであるが、実際にこれを各自治体が運用するとなると難しい問題が種々発生する。GETFLOWS(登録商標)は高度なコンピュータシミュレーション装置であり、これを適切に使いこなすにはかなりの専門的知識が要求される。また、GETFLOWS(登録商標)のような総合的シミュレーション装置を動作させるにはかなりの大型コンピュータを要する。例えば一部屋をコンピュータ専用室にする必要があるであろう。このようなことを考えると、GETFLOWS(登録商標)そのものを各自治体が運用するというのは現実的ではない。
本発明の資源管理支援システムは、
コンピュータ上で所定地域における資源の循環状態を再現する循環モデルを構築し、
前記循環モデルの機能の一部をトレースした学習済みメタモデルを構築し、
前記所定地域の管理者が利用する利用者端末に前記学習済みメタモデルを組み込んだ
ことを特徴とする。
本発明の資源管理支援システムの運用方法は、
コンピュータ上で所定地域における資源の循環状態を再現する循環モデルを構築し、
前記循環モデルの機能の一部をトレースした学習済みメタモデルを構築し、
前記所定地域の管理者が利用する利用者端末に前記学習済みメタモデルを組み込み、
前記管理者は、前記学習済みメタモデルを用いて監視対象の指標を得る
ことを特徴とする。
本発明では、
前記学習済みメタモデルを用いて得た監視対象の指標を所定基準値と対比して指標の良否を判断し、
判断結果が否である場合には、前記循環モデルの運営者が当該循環モデルを用いたシミュレーション演算を実行する
ことが好ましい。
本発明の資源管理支援システムは、
コンピュータ上で所定地域における水の循環状態を再現する水循環モデルを構築し、
前記水循環モデルの機能の一部をトレースして、その地域の水収支を得る水収支メタモデルを構築し、
前記所定地域の管理者が利用する利用者端末に前記水収支メタモデルを組み込んだ
ことを特徴とする。
本発明の資源管理支援システムの運用方法は、
コンピュータ上で所定地域における水の循環状態を再現する水循環モデルを構築し、
前記水循環モデルの機能の一部をトレースし、その地域の水収支を得る水収支メタモデルを構築し、
前記所定地域の管理者が利用する利用者端末に前記水収支メタモデルを組み込み、
前記管理者は、前記水収支メタモデルを用いて監視指標としての水収支を得る
ことを特徴とする。
本発明では、
前記水収支メタモデルを用いて得た水収支を所定基準値と対比して指標の良否を判断し、
判断結果が否である場合には、前記水循環モデルの運営者が当該循環モデルを用いたシミュレーション演算を実行する
ことが好ましい。
本発明では、
さらに、入力データの一つを水収支として水収支以外の指標を算出する第2学習済みメタモデルを構築し、
管理者が利用する利用者端末に前記水収支メタモデルに加えて前記第2学習済みメタモデルを組み込む
ことが好ましい。
システムの概要を示す図。 資源管理支援システムの運用手順を示すフローチャート。 資源管理支援システムの運用手順を示すフローチャート。 資源管理支援システムの運用手順を示すフローチャート。 資源管理支援システムの運用手順を示すフローチャート。 水循環シミュレーション装置のシステム概略図。 水収支メタモデルを構築する様子を示す図。 メタモデル運用PC(利用者端末)のシステム概略図。 観測データ登録用の画面例を示す図。 条件選択画面の例を示す図。 条件選択画面の例を示す図。 演算結果、判定結果の表示画面例を示す図。 二段目のメタモデルを追加した例を示す図。
本発明の実施形態を図示するとともに図中の各要素に付した符号を参照して説明する。
(第1実施形態)
まず本実施形態の概要を説明しておく。
本発明が提供する資源管理支援システムは、水循環の総合的シミュレーション装置であるGETFLOWS(登録商標)そのものを直接的に利用するのではなく、GETFLOWS(登録商標)の機能の一部をトレースした学習済みメタモデルを利用するものである。GETFLOWS(登録商標)を用いれば、ある地域における水収支はもちろんのこと、任意の地点での水の挙動を詳細なシミュレーション結果として得られる。しかし、学術的な調査研究ならいざ知らず、ある自治体が行政施策として水資源管理を行うにあたってはその全域における詳細なシミュレーション解析が常に必要というわけではない。自治体ごとに特有の事情があるので一概には言えないが、ダム水位の推移予測、取水地における地下水水位の推移予測、基準観測点における河川水位の推移予測、さらには、水収支の推移予測など、いくつかの指標を決めておき、これら決まった指標を監視(モニタリング)すればよい。
図1にシステムの概要を示す。
各自治体には、GETFLOWS(登録商標)−の機能の一部をトレースした学習済みメタモデル300A、300B、300Cを提供する。そして、自治体では、メタモデル300A、300B、300Cを利用して各監視項目の指標値、各指標が所定基準を満たしているかどうかをチェックする。もし所定基準から外れた指標が出現した場合には、GETFLOWS(登録商標)100を用いた詳細な評価を行い、具体的対策を検討し、施策に反映する。
図2、図3、図4、図5は、資源管理支援システムの運用手順を示すフローチャートである。
フローチャートに従って資源管理支援システムの運用方法を説明する。
最初に行うことは、GETFLOWS(登録商標)にシミュレーションモデルを構築することである(ST100)。この資源管理支援システムを利用する自治体地域の情報を入力し、この自治体地域の水循環モデルを構築する。GETFLOWS(登録商標)自体は既知の装置であり、出願人、発明者らが多くの文献で紹介しているし、また、GETFLOWS(登録商標)そのものが本発明の本質というわけではない。したがって、詳細な説明は割愛し、簡単に述べておく(図6参照)。
図6は、水循環シミュレーション装置(GETFLOWS(登録商標)100のシステム概略図である。
4次元水循環解析シミュレーションプログラム、すなわち、GETFLOWS(登録商標)の本体が、プログラムメモリ110に格納されている。水循環モデルを構築するにあたっては、例えば、地形データ、地質データ、水質データ、などの自然環境的データの他、土地利用状況、取水点、取水量といった人工的要素のデータがいる。また、歴史的変遷のデータや必要に応じて実測データを加味する。これらを予め基礎データ120として入力しておく。これら基礎データ(120)と解析シミュレーションプログラム(110)とにより、その地域の水循環モデル140が得られる。そして、時間的スケールを加味しつつ、これら基礎データ120と解析シミュレーションプログラム110とに基づいて演算(130)を実行することにより、その地域における過去から現在に至る四次元的水循環モデル140を構築する。
このようにして出来た水循環モデルが妥当であるかどうかの検証は当然必要である(ST110)。例えば、現在の河川形状を再現できているか、実際の気象条件を入力したときに主要地点での水挙動を再現できているか、など厳しい検証が加えられる。水循環モデルに不十分な点があれば、ST100に戻ってより正確な水循環モデルを構築する。
このようにして水循環モデルが完成したら、次にメタモデルを構築する。メタモデルは、監視指標ごとに用意する。監視すべき指標はひとつではなくて複数有り得るのであるが、監視指標ごとに特別に学習させたメタモデルを構築する。自治体が複数の指標を監視したいのであれば、必要に応じて複数のメタモデルを組み合わせたパッケージを提供する。なお、一つのメタモデルで複数の監視指標をひとまとめに計算するようにメタモデルを作成することも理論的には不可能ではない。が、計算負荷が重くなりすぎる。複数の演算がうまく収束するとも限らない、といった問題が考えられる。また、一つの監視指標ごとに一つのメタモデルを構築しておけば、ユーザニーズに応じて後から足したり引いたりしやすいという利点もある。ただし、「一つの監視指標ごとに一つのメタモデル」と限定するわけではなく、ある程度相関するような指標であれば二つ以上の指標をひとまとめに算出するメタモデルを構築してもよい。
メタモデルを構築するにあたって監視指標を決める(ST120)。ここでは水収支を監視指標とする。水収支というのは、その地域における水の流入量と流出量との差である。例えば、一週間や一ヶ月といったある期間で水収支が所定基準値を超えてプラスになり過ぎると、河川の増水や地下水位上昇などの危険がある。あるいは、ある期間で水収支が大きくマイナスになりすぎると、地下水、湧水、ダム貯水が枯れるといった問題に繋がる。
ここで、水収支というのは直接に測定できない値である。例えば河川の水位やある地点の地下水位といった直接的に測定できる値とは性質が異なる。しかし、ある地域の水行政を総合的に考えるにあたっては、複数地点での直接的な計測値だけではなく、その地域でトータルの水収支がどうなっているのかという総合的視点での現状把握や将来予測が必要である。GETFLOWS(登録商標)の水循環モデルを用いたシミュレーション演算によれば、その地域での水の挙動がすべて求められるので水収支ももちろん求まる。ただ、GETFLOWS(登録商標)を自治体自身が運用するのは大変である。そこで、水収支だけに特化し、水収支についてはGETFLOWS(登録商標)と同等の精度でアウトプットできるメタモデルを構築する(ST130)。このようなメタモデルを構築する手法自体は、例えば人工ニューラルネットワークに学習させるといった方法がよく知られている。ここでは簡単に説明する。
図3は、水収支メタモデルを構築する手順の概要である。
まず、入力データの組を複数用意する(ST131)。入力データとしては、気象条件(降水量、気温、湿度)、河川、地下水の水位、各取水点での取水量、などである。これら入力データを用いてGETFLOWS(登録商標)でシミュレーション演算を実行する(ST132)。これにより、各入力データ組に対する正解(水収支)が得られる。入力データ組と正解(水収支)とを対にして学習用データを準備する(ST133)。そして、前記学習用データを使ってニューラルネットモデルに学習させ、水収支に関してGETFLOWS(登録商標)をトレースしたメタモデルを得る(ST134)(図7参照)。このようにして得たメタモデルが妥当であるかどうか検証し(ST135)、不十分な点があればST131に戻ってより妥当なメタモデルを構築する。
このように得たメタモデル(水収支メタモデル)を自治体のパソコンにインストールし、水収支メタモデルを運用する(ST200)。運用ステージの手順を図4、図5のフローチャートを参照しながら説明する。また、図8は、メタモデル運用PC(利用者端末)のシステム概略図である。要は、一般的なパソコンに前記学習済みメタモデル411と、このメタモデルを運用するための運用プログラム412と、をインストールしたものである。まず、水収支を得るために必要な入力データを準備する(ST210)。例えば、民間の気象情報サービスから定期的にその地域の気象情報(210)を得ることができる。
また、自治体は定点観測を行っており、河川、地下水の水位、ダム貯水量、などの観測データ(220)を登録していく。図9は、観測データ登録用の画面例である。このインターフェースは、運用プログラム412によって提供される。登録用画面において、観測項目、観測地点、観測日、観測値(ここでは水温)、といったデータの入力セルが与えられ、登録者は画面の指示に従って入力していく。
また、実際の観測データを用いた簡易シミュレーションの他、将来計画や防災計画のため、仮の条件の下で簡易シミュレーションする場合がある。なお、本発明の性質上、タイプが異なるシミュレーション演算が二つ登場するので、以下の説明では、GETFLOWS(登録商標)を用いた総合的シミュレーションを詳細シミュレーションと称し、メタモデルを用いた簡易なシミュレーション演算を簡易シミュレーションと称することにする。仮の条件の下で簡易シミュレーションする場合には、所定のシナリオに基づいて設定した架空データを予測用入力ファイル230として入力する。
そして、水収支メタモデルによる簡易シミュレーション演算を実行する(ST220)。この演算にあたっては入力データを選択する必要がある。図10は、条件選択画面の例である。メタモデルとして水収支評価メタモデル411を選択し、さらに、実際の観測データ220を用いた簡易シミュレーションを行うか、予測用入力ファイル230を用いた簡易シミュレーションを行うか、を選択する。さらに、実際の観測データ220を用いる場合には、図11に示すように、評価期間を設定する。そして、簡易シミュレーション演算の実行(評価ボタン491をクリック)により、図12のような演算結果492を得る(ST230)。
なお、指標ごとにメタモデルがあり、メタモデルごとに演算に必要な入力データに違いがある。ここでは水収支を例にしているので、気象条件(降水量、気温、湿度)、河川、地下水の水位、各取水点での取水量、などが簡易シミュレーションに必要なデータである。が、例えば、汚染物質収支(NOx、SOxの収支)を求めるのであれば、気象条件として風の強さや風向きが必要であったり、定点観測値として汚染物質の観測データが必要であったりする。あるいは、熱量収支であれば、気象条件として雲の量や、定点観測値として地下温度が必要になったりする。メタモデルの選択に応じて演算にどの観測データが必要であるかは運用プログラム412の方に予め登録しておく。
簡易シミュレーション演算を実行すれば水収支が出力として得られるわけであるが、この水収支が所定の範囲に収まっているのか評価しなければならない。そこで、運用プログラム412には、水収支に対応する評価基準値を登録しておく。そして、運用プログラム412が、演算結果としての水収支を評価基準値と対比し、両者のギャップが適切な範囲か否か(OKかNGか)を自動判定するようにしておく。この判定結果は、演算結果とともに、図12の例のように表示される(ST240)。以下の説明では、メタモデル運用PC上での指標判定を一次判定と称することにする。
一次判定において評価結果がOKであれば(ST250:YES)、データを記録し(ST410)、終了条件を満たすまでST210からST410までのループを繰り返すことになる。
記録データは、保管される他、上長承認や公報に利用されることになる。
実際の運用場面では、一次判定の閾値を設定するにあたって少し余裕をとっておく方が好ましいかもしれない。
メタモデル411によるシミュレーション演算はやはり簡易なものなのであって、GETFLOWS(登録商標)を用いるような詳細シミュレーションと全く同じ精度で指標(水収支)を算出できるとは限らない。
したがって、安全サイドに少し余裕を見ておき、厳しめの閾値を設定しておく方がよいであろう。
ここで、一次判定において評価結果がNGであれば(ST250:NO)、より詳細な二次判定のステージに移行する。自治体としては一次判定をクリアできなかった場合、より詳細なシミュレーション演算をGETFLOWS(登録商標)の運営事業者に依頼する。すなわち、GETFLOWS(登録商標)による詳細シミュレーションを実行する(ST310)。そして、GETFLOWS(登録商標)にて得られたより精度の高いシミュレーション結果を評価基準値と対比する(ST320)。二次判定で使用する評価基準値や閾値は一次判定で使用するものよりもシビアであってもよい。さらには、GETFLOWS(登録商標)を用いれば水収支だけでなく他の指標もすべて得られるのであるから他の指標も併せて各種判定を行ってもよい。
二次判定を行った結果としてOK判定であれば、データを記録して(ST410)ST210に戻ればよい。一方、二次判定を行った結果としてNG判定であれば、具体的な対策を検討する必要がある(ST340)。具体的な対策というのは、例えば、取水制限かもしれないし、水害対策かもしれない。将来計画であれば、開発計画の変更などの場合もあるであろう。
このような本実施形態によれば次の効果を奏する。
(1)高度な総合的シミュレーション装置(GETFLOWS(登録商標))を自治体が自ら運用するのは難しい。
これに対し、学習済みメタモデルを利用することにより、各自治体が自ら、いつでも、監視指標(水収支)を得て、必要な判断を下すことができる。迅速、適確な判断に繋がると期待できる。
(2)総合的シミュレーションソフト(GETFLOWS(登録商標))を使いこなすには、まさしく高度な総合的技量が求められる。例えば、多種多様なパラメータを適切に調整するのは相当な知識と労力を要するであろう。
これに対し、限定した監視指標(水収支)を求めるメタモデルを運用するのであれば、入力項目も決まってくるのであるから、使いやすいインタフェース(操作画面)を提供することもできる。例えば、マニュアルに従って操作すれば適切に稼働するシステムも実現可能であり、多くの人が使えるようになる。このことは作業分担にも繋がる。
(3)メタモデルを構築するにあたっては、監視項目ごとに一つのメタモデルとした。したがって、一つ一つのメタモデルの精度を高くでき、かつ、計算負荷も軽くなる。そして、ユーザニーズにパッケージを組み換えることも簡単になる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、シミュレーション結果として水収支を求めるメタモデルを例に説明した。水に限らず、それが汚染物質であっても熱量であっても、収支というのは立体的、総合的な情報であり、地域全体の行政を預かる自治体としては監視項目とするのに基本的、根源的、合理的かつ直観的な良い指標であると言える。数地点での実際の観測情報だけを当てにしていてはバランスの取れた施策は難しいであろう。一方、水行政に慣れた担当者や担当部署であれば水収支は分かりやすい指標であるが、一般人、議会、他部署にはやや分かりにくい数値である。そこで、水収支の値を合理的な理由付けとして背負いながらも、一般の人のために分かりやすい指標に結びつくようになっている方が好ましい。そこで、メタモデルをリレーさせ、水収支を分かりやすい指標、例えば、ある代表的観測点の水位などに結びつけるようにする。
図13は、二段目のメタモデル420として、所望の指標をアウトプットするメタモデルを追加した例である。この二段目メタモデル420は、少なくとも入力データの一つを水収支とし、必要に応じてその他データも用いながら、所望の指標を算出する。所望の指標というのは、例えば、天然名水や温泉の湧水量であってもよいし、河川、地下水の水位であってもよい。これらはある地点の観測値に対応付く。二段目メタモデル420で得られる指標値を第2指標と名付けることにする。このような第2指標は一般人にも分かりやすく、地域によっては歴史的経緯などにより馴染み深いものであることも多い。このように分かりやすい指標は具体的な行動に結びつきやすく、より有用な指標になると考えられる。
ここで、一段目のメタモデル411を飛ばして、入力データ(気象条件や環境観測値など)から第2指標(例えばある地点の湧水量)を直接求めるようなメタモデルを構築することはもちろんできる。それでも、敢えて一段目と二段目とに分けておくことには意味がある。二段目のメタモデル420は水収支を入力データにできるからである。水収支自体は直接には観測できない値なのであるから、一段目の入力データにはできない。しかし、例えば、将来予測や防災計画を考えるにあたって、水収支をパラメータとして振ってみてその他の指標の動きを見たい場合がある。生の観測データ(気象条件や環境観測値など)や、あるいは、観測データの予測値から直接に第2指標(例えばある地点の湧水量)が求まったとしても、その数字の意味や根拠が余りにもブラックボックス過ぎて合理的推論が何も出来ず、意味が分からないことになる。こうなると、結局は勘や経験に頼った行政となるであり、システムを導入する意味が減殺されてしまうであろう。
そこで、(水)収支をアウトプットする一段目メタモデルとは別に、水収支を入力データにできる二段目メタモデルを用意するのである。水収支が明示的に表(おもて)に表れてくることにより、第2指標の数値の背景が合理的に推論でき、より適切な方策に結びつくことが期待できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
水は一例であり、GETFLOWS(登録商標)も一例である。
監視すべき項目としては、水の他、各種資源、汚染物質、熱量など様々ある。
水に対応する総合的シミュレーション装置はGETFLOWS(登録商標)が代表例であるが、監視項目が変わってくれば、空間的、時間的スケールを加味した循環の総合的シミュレーション装置も当然変わってくる。
100…GETFLOWS(登録商標)、110…プログラムメモリ、120…基礎データ、140…水循環モデル、220…観測データ、230…予測用入力ファイル、300A、300B、300C…メタモデル、411…水収支評価メタモデル、412…運用プログラム、420…二段目メタモデル。

Claims (6)

  1. 所定地域における資源の循環状態を再現する循環モデルに対して与える第1の入力データと、前記第1の入力データを与えた場合に前記循環モデルが出力する正解データと、の相関を機械学習によりモデル化したメタモデルを複数含み、
    前記第1の入力データは、前記循環モデルに入力可能なデータの一部であり、
    複数の前記メタモデルは、それぞれ異種の前記第1の入力データを用いてモデル化されたものであり、
    複数の前記メタモデルそれぞれに対し、前記メタモデルをモデル化する際に用いられた前記第1の入力データと同種の第2の入力データを与える入力部と、
    前記第2の入力データを与えた場合に前記メタモデルが導出する演算結果を出力する出力部と、が備えられていることを特徴とする
    資源管理支援システム。
  2. 複数の前記メタモデルとして、第1のメタモデル及び第2のメタモデルを有し、
    前記第2のメタモデルは、前記第1のメタモデルの前記演算結果を、前記第2のメタモデルの前記第2の入力データとして入力することを特徴とする
    請求項1記載の資源管理支援システム。
  3. 前記演算結果を所定の評価基準値に基づいて評価する評価部をさらに有し、
    前記評価基準値は、前記循環モデルの評価に用いられる他の評価基準値よりも厳しいことを特徴とする
    請求項1記載の資源管理支援システム。
  4. 前記循環モデルは、所定地域における水の循環状態を再現する水循環モデルであり、
    複数の前記メタモデルの少なくとも1つとして、前記所定地域における水収支モデルを含み、
    前記出力部は、前記水収支モデルが導出する水収支を出力することを特徴とする
    請求項1乃至3いずれか1項記載の資源管理支援システム。
  5. 前記評価部は、前記水収支を前記評価基準値と対比して、前記水収支の良否を判定する
    請求項3を引用する請求項4記載の資源管理支援システム。
  6. 前記第2のメタモデルは、前記水収支モデルが導出した前記水収支を、前記第2のメタモデルの前記第2の入力データとして入力することを特徴とする
    請求項2を引用する請求項4記載の資源管理支援システム。
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