JP6167057B2 - 凹凸パターン転写用モールドの製造方法及び凹凸構造を有する部材の製造方法 - Google Patents
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収縮性基材の表面に、少なくとも第1及び第2のポリマーセグメントからなるブロック共重合体とポリアルキレンオキシドを含む溶液を塗布する塗布工程と、
塗布された前記溶液の前記ブロック共重合体を相分離させる相分離工程と、
前記基材を収縮させる収縮工程とを含むモールドの製造方法が提供される。
前記シード層上に電鋳により金属層を積層する電鋳工程と、
前記金属層及び前記シード層から前記凹凸構造を有する基材を剥離する剥離工程とを含んでもよい。
凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
本発明の第1の態様に従うモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料に紫外線を照射することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法が提供される。
凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
本発明の第1の態様に従うモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料を加熱することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法が提供される。
本発明に用いるブロック共重合体は、少なくとも、第1のホモポリマーからなる第1のポリマーセグメントと、第1のホモポリマーとは異なる第2のホモポリマーからなる第2のポリマーセグメントとを有する。第2のホモポリマーは、第1のホモポリマーの溶解度パラメーターよりも高い溶解度パラメーターを有し、その差が0.1〜10(cal/cm3)1/2の範囲内であることが望ましい。第1及び第2のホモポリマー溶解度パラメーターの差が0.1(cal/cm3)1/2未満では、ブロック共重合体の規則的なミクロ相分離構造を形成し難く、前記差が10(cal/cm3)1/2を超える場合はブロック共重合体の均一な溶液を調製することが難しくなる。
HO−(CH2−CH2−O)n−H
[式中、nは10〜5000の整数(より好ましくは50〜1000の整数、更に好ましくは50〜500の整数)を示す。]
で表されるものが好ましい。
本発明のモールドの製造方法に従えば、図2(A)に示すように、上記のように調製したブロック共重合体溶液を収縮性を有する基材10上に塗布して薄膜30を形成する。
ブロック共重合体溶液よりなる薄膜30を基材10上に塗布した後に、基材10上の薄膜30を乾燥させてもよい。乾燥は、大気雰囲気中で行うことができる。乾燥温度は、薄膜30から溶媒を除去できる温度であれば特に制限はないが、例えば、10〜200℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。なお、乾燥により、前記ブロック共重合体がミクロ相分離構造を形成し始めることがある。
乾燥工程後に、基材10上のブロック共重合体よりなる薄膜30を相分離させる。相分離工程では、第1加熱工程、エッチング工程及び第2加熱工程を経て基材10上に凹凸構造を形成する。後述するように、第1加熱工程、エッチング工程及び第2加熱工程の代わりに溶媒アニール工程を経て凹凸構造を形成してもよい。
乾燥工程後に、ブロック共重合体よりなる薄膜30を加熱する。この第1加熱工程によってブロック共重合体の自己組織化が進行し、図2(B)に示すようにブロック共重合体が第1ポリマーセグメント32と第2ポリマーセグメント34の部分にミクロ相分離して、垂直シリンダー構造となる。「垂直シリンダー構造」とは第1または第2のポリマーセグメントが、基材に対して垂直に配向した柱状の島を形成し、周囲のもう一方のポリマーセグメントを貫通している構造を指す。なお、このようなナノ相分離構造は、酸化ルテニウムや酸化オスミウムなどでポリマーを染色して断面構造を電子顕微鏡測定などにより観察することにより確認することができる。また、小角X線散乱(SAXS)測定もそれらの配向構造を同定する上で有効である。
第1加熱工程後に、薄膜30のエッチング処理を行う。第1ポリマーセグメント32と第2ポリマーセグメント34は分子構造が相違するため、エッチングされ易さも異なる。それゆえ、それらのポリマーセグメント、すなわちホモポリマーの種類に応じたエッチング処理によりブロック共重合体を構成する一方のポリマーセグメント(第2ポリマーセグメント34)を選択的に除去することができる。図2(C)に示すように、エッチング処理によりミクロ相分離構造から第2ポリマーセグメント34が除去され、塗膜に顕著な凹凸構造36が現れる。前記エッチング処理としては、例えば、反応性イオンエッチング法、オゾン酸化法、加水分解法、金属イオン染色法、紫外線エッチング法等を用いたエッチング法を採用することができる。また、前記エッチング処理として、前記ブロック共重合体の共有結合を酸、塩基及び還元剤からなる群から選択される少なくとも1種で処理して前記共有結合を切断し、その後、一方のポリマーセグメントだけを溶解する溶媒等でミクロ相分離構造が形成された塗膜を洗浄することにより、ミクロ相分離構造を保ったまま、一方のポリマーセグメントのみを除去する方法を採用してもよい。
上記エッチング工程により得られた薄膜30の凹凸構造36に第2加熱処理またはアニール処理を施す。第2加熱工程でエッチング後の凹凸構造36を加熱することにより、溝の側面を構成する第1ポリマーセグメント32がアニール処理される。それにより第1ポリマーセグメント32により画成される領域の側面が、図2(D)に概念的に示すように比較的滑らかな傾斜面となり、第1ポリマーセグメント32により画成される領域が、基材から上方に向かって先細りした弾丸状の形状(本願では「弾丸構造」と称する)38となる。
乾燥工程後に、薄膜30を有機溶媒蒸気の雰囲気下で溶媒アニール(溶媒相分離)処理して、ブロック共重合体の相分離構造を薄膜30内に形成させる。この溶媒アニール処理によってブロック共重合体の自己組織化が進行し、図3(B)に示すようにブロック共重合体が第1ポリマーセグメント32aと第2ポリマーセグメント34aの部分にミクロ相分離して球状構造となる。「球状構造」とは、第1または第2のポリマーセグメントが、周囲をもう一方のポリマーセグメントに取り囲まれながら球状の形状をなしている構造である。ポリマーセグメント34aにより画成される表面形状は、図3(B)に概念的に示すように比較的滑らかな傾斜面からなり、基材10から上方に向かって半球状の形状(本願では適宜「半球構造」と称する)38aをなす。なお、これらの構造は、酸化ルテニウムや酸化オスミウムなどでポリマーを染色して断面構造を電子顕微鏡測定などにより観察することにより確認することができる。また、小角X線散乱(SAXS)測定もそれらの構造を同定する上で有効である。
相分離工程後に、弾丸構造38又は半球構造38aを表面に備える基材10を収縮させる。この収縮工程で、延伸された基材10のような収縮性基材を収縮させることにより、図2(E)及び図3(C)に示すように、弾丸構造38又は半球構造38aの平均ピッチが小さくなり、高アスペクト比(凹凸深さ/平均ピッチ)の弾丸構造380又は長楕円体構造380aとなる。このとき平均ピッチは100〜200nmの範囲内であることが好ましい。アスペクト比は1〜10の範囲内であることが好ましく、1〜3の範囲内であることがより好ましい。また、基材の収縮により、マイクロメートルスケールの褶曲構造が生じていてもよい。このような褶曲構造は光を散乱するアンチグレア構造となるため、このような褶曲構造が転写された部材を用いたディスプレイ等のデバイスは、外部環境の映り込みが抑制され、表示品質が向上する。
測定方式:カンチレバー断続的接触方式
カンチレバーの材質:シリコン
カンチレバーのレバー幅:40μm
カンチレバーのチップ先端の直径:10nm
により、表面の凹凸を解析して凹凸解析画像を測定した後、かかる凹凸解析画像中における、任意の隣り合う凸部同士又は隣り合う凹部同士の間隔を100点以上測定し、その算術平均を求めることにより算出できる。
マスターの弾丸構造380又は長楕円体構造380aの表面に、図4(A)及び図5(A)に示すように、後続の電鋳処理のための導電層となるシード層40または40aを形成する。シード層40または40aは、無電解めっき、スパッタまたは蒸着により形成することができる。シード層40または40aの厚みとして、後続の電鋳工程における電流密度を均一にして後続の電鋳工程により堆積される金属層の厚みを一定にするために、10nm以上が好ましく、より好ましくは20nm以上である。シード層の材料として、例えば、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金・ニッケル合金、ホウ素・ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・リン合金、またはそれらの合金などを用いることができる。
次に、図4(B)及び図5(B)に示すように、シード層40または40a上に電鋳(電界メッキ)により金属層50または50aを堆積させる。金属層50、50aの厚みは、例えば、シード層40、40aの厚みを含めて全体で10〜3000μmの厚さにすることができる。電鋳により堆積させる金属層50、50aの材料として、シード層40、40aとして用いることができる上記金属種のいずれかを用いることができる。モールドとしての耐摩耗性や、剥離性などの観点からは、ニッケルが好ましく、この場合、シード層40、40aについてもニッケルを用いることが好ましい。電鋳における電流密度は、ブリッジを抑制して均一な金属層を形成するとともに、電鋳時間の短縮の観点から、例えば、0.03〜10A/cm2にし得る。なお、形成した金属層50、50aは、後続の樹脂層の押し付け、剥離及び洗浄などの処理の容易性からすれば、適度な硬度及び厚みを有することが望ましい。電鋳により形成される金属層の硬度を向上させる目的で、金属層50、50aの表面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)処理やCrめっき加工処理を実施してもよい。あるいは、金属層をさらに熱処理してその表面硬度を高くしても良い。
上記のようにして得られたシード層を含む金属層50、50aを、凹凸構造を有する基材(マスター)から剥離してファザーとなる金属モールド70、70aを得る。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、第1ホモポリマー及び残留するブロック共重合体を、それらを溶解する有機溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどを用いて溶解して除去してもよい。
上記のように弾丸構造380または長楕円体構造380aを備える基材10(マスター)から金属モールドを剥離するときに、図4(C)及び図5(C)に示すように、ポリマーの一部60、60aが金属モールドに残留する場合がある。このような場合には、それらの残留した部分60、60aを洗浄にて除去することができる。洗浄方法としては、湿式洗浄や乾式洗浄を用いることができる。湿式洗浄としてはトルエン、テトラヒドロフラン等の有機溶剤、界面活性剤、アルカリ系溶液での洗浄などにより除去することができる。有機溶剤を用いる場合には、超音波洗浄を行ってもよい。また電解洗浄を行うことにより除去しても良い。乾式洗浄としては、紫外線やプラズマを使用したアッシングにより除去することができる。湿式洗浄と乾式洗浄を組み合わせて用いてもよい。このような洗浄後に、純水や精製水でリンスし、乾燥後にオゾン照射してもよい。こうして、図4(D)及び図5(D)に示すような弾丸構造380又は長楕円体構造380aの転写パターンが形成された金属モールド70、70aが得られる。
金属モールド70を用いてその凹凸構造を樹脂に転写する際に、樹脂からの離型を向上させるために金属モールド70に離型処理を行っても良い。離型処理としては、表面エネルギーを下げる処方が一般的であり、特に制限はないが、フッ素系の材料やシリコーン樹脂等の離型剤72を図6(A)に示すように金属モールド70の凹凸表面70’にコーティングしたり、フッ素系のシランカップリング剤で処理したりする方法、ダイヤモンドライクカーボンを表面に成膜することなどが挙げられる。
得られた金属モールド70を用いて、金属モールドの凹凸構造(パターン)を樹脂層80に転写することでマザーを製造する。この転写処理の方法として、図6(B)に示すように、例えば、硬化性樹脂を基材90に塗布して樹脂層80を形成した後、金属モールド70の凹凸構造を樹脂層80に押し付けつつ樹脂層80を硬化させる。基材90として、例えば、ガラス等の透明無機材料からなる基材;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)等の樹脂からなる基材;これらの樹脂からなる基材の表面にSiN、SiO2、SiC、SiOxNy、TiO2、Al2O3等の無機物からなるガスバリア層を形成してなる積層基材;これらの樹脂からなる基材及びこれらの無機物からなるガスバリア層を交互に積層してなる積層基材が挙げられる。また、基材の厚みは、1〜500μmの範囲にし得る。
32 第1ポリマーセグメント、34 第2ポリマーセグメント
38 弾丸構造、38a 半球構造
40 シード層、50 金属層、70 金属モールド
80 樹脂層、90 基材、100 樹脂フィルム構造体
170 ロールプロセス装置
380 弾丸構造、380a 長楕円体構造
Claims (7)
- 凹凸パターン転写用モールドの製造方法であって、
収縮性基材の表面に、少なくとも第1及び第2のポリマーセグメントからなるブロック共重合体とポリアルキレンオキシドを含む溶液を塗布する塗布工程と、
溶媒アニールにより塗布された前記溶液の前記ブロック共重合体を相分離させて前記基材上に凹凸構造を形成する相分離工程と、
前記凹凸構造を加熱する加熱処理工程と、
前記基材を収縮させる収縮工程とを含むモールドの製造方法。 - 前記収縮性基材が、前記基材の面内の少なくとも一つの軸方向に予め延伸された基材である請求項1に記載のモールドの製造方法。
- 前記ブロック共重合体の相分離した構造が球状構造である請求項1または2に記載のモールドの製造方法。
- 前記収縮工程が、前記基材を加熱することにより収縮させる工程である請求項1〜3のいずれか一項に記載のモールドの製造方法。
- 前記収縮工程後に得られる凹凸構造上にシード層を形成する工程と、
前記シード層上に電鋳により金属層を積層する電鋳工程と、
前記金属層及び前記シード層から前記凹凸構造を有する基材を剥離する剥離工程とを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載のモールドの製造方法。 - 凹凸構造を有する部材の製造方法であって、
凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料に紫外線を照射することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法。 - 凹凸構造を有する部材の製造方法であって、
凹凸形成材料を基板上に塗布する工程と、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のモールドの製造方法により得られたモールドを塗布された前記凹凸形成材料に押し付けながら、前記凹凸形成材料を加熱することで、前記凹凸形成材料を硬化させて前記凹凸形成材料に前記モールドの前記凹凸パターンを転写する工程と、
前記モールドを前記基板及び前記凹凸形成材料から取り外す工程を含む、凹凸構造を備える部材の製造方法。
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