JP6167589B2 - アスファルト合材付着防止剤 - Google Patents
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Description
しかし特許文献1および特許文献2の付着防止剤は、水で希釈直後は付着防止性に優れ、傾斜角度が低くても速やかに滑落するものの、経時で油水分離が生じて、水希釈液タンク内の上下層で濃度勾配が生じ易い。そのため、濃度が低い層が散布された場合は、付着防止性に優れず、低傾斜角度で滑落し難くなるという問題があった。さらに、溶解したアスファルトで荷台が汚れるといった問題も軽油や重油と同様に生じていた。
しかし特許文献3および特許文献4の付着防止剤では、荷台の汚れは低減されるものの、それでも汚れは残るという問題があった。また、油水分離を発生し、濃度が低い層が散布された場合は、やはり低傾斜角度ではアスファルト合材が滑落し難く、安定した付着防止効果は得られなかった。
しかし特許文献5の付着防止剤では、水で希釈後も経時での分離はなく安定した付着防止効果が得られ、荷台の汚れも少ないものの、希釈直後でも合材が低傾斜角度では滑落し難いという問題があった。特許文献6の付着防止剤組成物も同様に、水で希釈後も経時での分離はなく安定した付着防止性が得られ、荷台の汚れも少ないものの、希釈直後でも低傾斜角度では合材が滑落し難かった。
しかし特許文献7の付着防止剤では、散布表面への液の残存性は改善されるものの、一方で、低傾斜角度では合材が滑落し難いという問題があった。
式(1)で示される化合物(A)と、炭素数が8〜18の炭化水素基またはアシル基を有し、かつスルホン酸塩または硫酸塩を有するアニオン性界面活性剤(B)とを含有し、(A)および(B)の各質量比が(A)90〜98質量%、(B)2〜10質量%であるアスファルト合材付着防止剤。
R1O−(EO)m(PO)n−R2 ・・・(1)
(R1は炭素数が1〜4の炭化水素基であり、R2は水素原子または炭素数が1〜4の炭化水素基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、m+nは2〜25である。EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は40〜100質量%である。)
本発明で用いられる(A)成分は式(1)で示される化合物である。
本発明で用いられる(B)成分は、炭素数が8〜18の炭化水素基またはアシル基を有し、かつスルホン酸塩または硫酸塩を有するアニオン性界面活性剤である。アスファルト合材からの熱による安定性の面から、好ましくはスルホン酸塩である。
(B)成分は、具体的には、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アシルイセチオン酸塩、アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンの平均付加モル数が1〜5であるポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアシルアミドエーテル硫酸塩等がある。その中でも、滑落性、希釈液の残存性の面から、アミド基を有するポリオキシエチレンアシルアミドエーテル硫酸塩、アシルメチルタウリン塩が好ましく、さらにアスファルト合材からの熱による安定性の面から、アシルメチルタウリン塩が好ましい。
炭化水素基およびアシル基は、具体的には、オクチル基、2−エチルヘキシル基、イソオクチル基、ノニル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、オクタデセニル基、イソオクタデシル基、ヤシ油アルキル基、2−エチルヘキサノイル基、イソオクタノイル基、ノナノイル基、3,5,5−トリメチルヘキサノイル基、デカノイル基、イソデカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、トリデカノイル基、テトラデカノイル基、ペンタデカノイル基、ヘキサデカノイル基、イソヘキサデカノイル基、ヘプタデカノイル基、オクタデカノイル基、オクタデセノイル基、イソオクタデカノイル基、ヤシ油アシル基が挙げられ、好ましくはドデシル基、ドデカノイル基、ヤシ油アルキル基、ヤシ油アシル基である。
(B)成分のアニオン性界面活性剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
すなわち、(A)成分と(B)成分を混合したアスファルト合材付着防止剤は、まず、ダンプ荷台等の表面のみならず、アスファルト合材の表面を速やかに被覆し、ダンプ荷台等の表面とアスファルトの間に液膜を形成する。その際、(B)成分はアスファルト合材表面に速やかに吸着して表面をアニオン化し、(A)成分の被膜を促進する。
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、アスファルト合材を取り扱う150℃程度の高温でも液膜を保持し、かつ適度な粘性を有して滑落性を発現すると推察される。その際に、本発明のアスファルト合材付着防止剤は、鉱物油や油脂等とは異なり、液膜がイオン化して極性が高くなっており、極性の低い油性成分であるアスファルトの溶出を防ぐことができるので、荷台の接触面を汚し難いと推察される。また本発明のアスファルト合材付着防止剤は、散布時に速やかに泡を発生し、流動性を抑えることができるので、液の残存性を向上させることができると推察される。
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、上述のとおり、表面で泡が多く存在することで流動性が減少し、荷台での液の残存性を向上させると推察される。したかって、通常の散布方法、例えばPETボトル等の散布でも泡が発生し、液の残存性を向上させることができるが、泡噴射器等を使用して積極的に泡を発生させる条件で散布するのが好ましい。
本発明のアスファルト合材付着防止剤は、原液で使用しても良いが、通常は水で希釈して使用する。希釈倍率は原液に対して水で3〜100質量倍、好ましくは5〜20質量倍である。
なお、アスファルト合材は、アスファルトを結合材として、骨材(砂利や砂、一部融解スラグ等)やフィラーを混合した混合材料であり、道路等の舗装に使用される。
200mlビーカー中にて、各アスファルト合材付着防止剤を10ml秤量し、90mlの水で10倍に希釈し、スターラーチップを用いて25℃で10分間攪拌した。その後、希釈液を100mlスクリュー管に50ml入れて、吸い込みノズルがスクリュー管の底部に届くようスプレー噴射口を取り付けた。
10倍に希釈した付着防止剤1gをSS400鋼板(寸法80cm×50cm)に噴霧した後、その噴霧した面に、150℃に加熱したストレートアスファルト合材(密粒度アスファルト合材、ストレートアスファルト:6質量%、ストレートアスファルト針入度60〜80:JIS K 2207)500gを積載して放置し、80℃になった時点で鉄板を傾斜させ、アスファルト合材が滑り出す傾斜角度(滑り出し角度)を測定した。
また、アスファルト合材が滑落した後の鋼板表面の外観を確認した。
アスファルト合材付着防止剤の希釈液は、希釈直後の液と、25℃で1週間静置した後の液とを用いて各々試験を行った。付着防止性の評価は、下記の評価基準に従い行なった。
◎:40°以下で全て落下する。
○:40°より大きく50°以下で全て落下する。
△:50より大きく80°以下で全て落下する。
×:80°より大きい角度で全て落下する、あるいは80°より大きい角度でも落下しない。
◎:鋼板面に褐色の付着物がほとんど見られない。
○:鋼板面のアスファルト合材が接触していた部分に褐色の付着物が点々もしくは斑状に見られる。
×:鋼板一面に茶褐色の付着物が見られる。
各アスファルト合材付着防止剤を水で10倍に希釈した液を、20cm×15cmのSS400鋼材に泡噴射器で約1gスプレーした後、鋼材を45°の角度に傾斜させ、10分後の希釈液の残留量を測定した。
残存率(%)を以下の計算式で求め、残存率から以下のように判定した。
残存率(%)={(塗布量−10分後の残存量)/塗布量}×100
◎:残存率が95%以上である。
○:残存率が95%未満、90%以上である。
×:残存率が90%未満である。
各アスファルト合材付着防止剤を水で希釈した液を−5℃、25℃の恒温槽に1週間静置した後、次の3段階の基準で外観を評価した。
○:均一かつ透明で、分離は見られない。
△:一部分離が見られる。
×:分離が見られる。
(A)成分の代わりに、オキシエチレンの付加モル数が45であるポリエチレングリコールモノメチルエーテルを含有した付着防止剤(比較例2)は、汚れ防止性、液の残存性、水希釈安定性が良好であるが、滑落性が良好でない。
(A)成分の代わりに、オキシエチレンのモル数が5であるポリエチレングリコールを含有する付着防止剤(比較例3)は、汚れ防止性、液の残存性は良好であるが、水希釈安定性、滑落性が良好でない。
(A)成分の代わりに、グリセリンを含有する付着防止剤(比較例4)は、汚れ防止性、液の残存性、水希釈安定性が良好であるが、滑落性が良好でない。
(B)成分の代わりに、ドデカノイルリン酸ナトリウム塩を含有する付着防止剤(比較例6)は、汚れ防止性、液の残存性、水希釈安定性が良好であるが、滑落性が良好でない。
(B)成分の代わりに、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリドを含有する付着防止剤(比較例7)は、汚れ防止性、水希釈安定性が良好であるが、滑落性、液の残存性が不良であった。
(A)成分の代わりにグリセリンを含有し、(B)成分の代わりにヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノベタイン、さらにキサンタンガムを含有する付着防止剤(比較例13)は、汚れ防止性、液の残存性、水希釈安定性が良好であるが、滑落性が不良であった。
Claims (1)
- 式(1)で示される化合物(A)と、炭素数が8〜18の炭化水素基またはアシル基を有し、かつスルホン酸塩または硫酸塩を有するアニオン性界面活性剤(B)とを含有し、(A)および(B)の各質量比が(A)90〜98質量%、(B)2〜10質量%であるアスファルト合材付着防止剤。
R1O−(EO)m(PO)n−R2 ・・・(1)
(R1は炭素数が1〜4の炭化水素基であり、R2は水素原子または炭素数が1〜4の炭化水素基である。EOはオキシエチレン基、POはオキシプロピレン基である。mはオキシエチレン基の平均付加モル数、nはオキシプロピレン基の平均付加モル数であり、m+nは2〜25である。EOとPOの各含有量の合計に対するEOの含有量の割合は40〜100質量%である。)
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| JP2013059176A JP6167589B2 (ja) | 2013-03-21 | 2013-03-21 | アスファルト合材付着防止剤 |
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