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JP6169045B2 - 米糀および醤油を含有する調味料 - Google Patents
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本発明は、米糀および醤油を含有する新規の調味料に関するものである。
米糀に塩を混ぜて熟成させる塩糀調味料が近年普及しており、様々な調味料に使用されている(特許文献1)。さらにそれを発展させたものとして、米糀と醤油を混合した「醤油糀」などと称される調味料が製造されている。
これらの米糀と醤油を利用した調味料は、そのまま食品へのつけ・かけ用として利用したり、各種のタレやドレッシング等の原料としたりすることができるほか、肉や魚などを調理前に米糀食品に漬け込むことで、香味を付与すると共に、肉や魚を軟らかくする効果が得られることからも利用価値の高い食品である(特許文献2、3)。
特開2014−23469 特開平1−273541 特開平6−38719
米糀と醤油を混合した調味料は、米糀による香味の付与や肉・魚の軟化作用だけでなく、醤油による旨味やコクの強化、香ばしさの付与といった付加価値を与えられるという点で有用である。
しかしながら、本発明を検討する中で、従来の醤油含有米糀調味料は以下のような問題があることが明らかになった。
(A)米糀中の米粒が加熱調理した際に焦げ付き、不快な外見・香味を与える。
(B)醤油を添加することにより調味料の粘度が低下し、調味料として具材に絡めたり、肉・魚を調理前に漬け込んだりする際に流れ落ちてしまうため、調味に不適である。
そこで本発明者は鋭意検討した結果、米糀および醤油を含有する調味料において、
(1)メッシュを利用することにより米糀の粒度を3.2mm以下にすることによって、焦げ付きを防止することができ、
(2)粘度5000mPa・s以上とすることによって、具材から調味料が流れ落ちるのを防ぎ、香味を向上させることができることを見出し、本発明を完成させた。さらに、本発明の醤油含有米糀調味料では、調理前に肉を漬け込んだとき、従来のいわゆる、醤油糀調味料に比べて肉を柔らかくする効果が向上しており、肉類の調理に非常に適したものであることも明らかになった。
本発明の醤油含有米糀調味料は従来の醤油糀と比較して粒度が細かいために、焦げ付きが少なく口当たりがなめらかで、肉類を漬け込んだときに柔らかくする効果がきわめて高いものである。また、醤油の含有量が比較的少ないために醤油感が強く出すぎず、米糀や食品素材に由来する風味を十分に活かすことができる。さらに、粘度を調整することによって食材から流れ落ちにくく、香味を十分に付与することが可能となったものである。
図1は、様々なメッシュサイズのストレーナーで醤油含有塩糀調味料を濾過したときの外見を示したものである。図中の記号について、A:対照(市販品)、B〜E:それぞれ3、6、8、10メッシュのストレーナーで濾過した醤油含有調味料を示す。 図2は、様々なメッシュサイズのストレーナーで濾過した醤油含有塩糀調味料を用いて調理したチキンステーキの外見を示したものである。図中の記号について、A:対照(市販品)、B〜E:それぞれ3、6、8、10メッシュのストレーナーで濾過した醤油含有調味料を示す。 図3は、様々なメッシュサイズのストレーナーで濾過した醤油含有塩糀調味料を用いて調理したチキンステーキの官能評価の結果を示したものである。 図4は、対照の塩糀、本発明品の諸味調味料および市販の他社同等品を用いて、牛ステーキを調製したときの料理特性を比較したものである。 図5は、対照の塩糀、本発明品の諸味調味料および市販の他社同等品を用いて、焼き魚を調製したときの料理特性を比較したものである。 図6は、対照の塩糀、本発明品の諸味調味料および市販の他社同等品を用いて、鶏ステーキを調製したときの料理特性を比較したものである。 図7は、対照の塩糀、本発明品の諸味調味料および市販の他社同等品を用いて、ポークステーキを調製したときの料理特性を比較したものである。
本発明の醤油含有米糀調味料は、(1)粒度が3.2mm以下であること、(2)粘度5000mPa・s以上であることを特徴とする。
本発明の醤油含有米糀調味料は、米糀および醤油を含有する。
原料である米糀は、例えば蒸し米に麹菌(アスペルギルス・オリゼー等)を種付けし、一定期間製麹したものを用いることができる。
また、原料である醤油は、通常用いられる濃口醤油、淡口醤油、濃縮醤油、たまり醤油、しろ醤油、再仕込み醤油、生醤油などの中から任意のものを用いることが可能である。とくに濃縮醤油を用いると、少量で醤油由来の濃厚な旨味を付与することができ、粘度を下げずに米糀の含有率を上げることができる。さらに醤油香が濃縮工程中で飛散しているため、米糀の香りがマスキングされないので非常に好ましい。本発明の醤油含有米糀調味料は、米糀の含有量が醤油よりも多いことを特徴とする。
次に、本発明之醤油含有米糀調味料は、粒度3.2mm以下、より好ましくは2.5mm以下であることを特徴とする。粒度が3.2mm以下であるとは、原料である米糀を含む混合物をメッシュサイズ8以上のストレーナーで濾過して、粒度を調製することをいう。また粒度2.5mm以下であるとは、原料である米糀を含む混合物をメッシュサイズ10以上のストレーナーで濾過して、粒度を調整することをいう。メッシュとは、1インチ(=25.4mm)当たりの格子目の数を指し、したがって8メッシュのストレーナーでは、格子の目の開きは約3.2mm、10メッシュのストレーナーでは、格子の目の開きは約2.5mmである。なお当該範囲より粒度が粗い場合には、加熱調理した際に焦げ付きが生じやすくなるなどの問題が生じ、好ましくない。
さらに、本発明の醤油含有米糀調味料は、回転型ビスコメーターによって測定した粘度が5000mPa・s以上であることを特徴とする。当該範囲より粘度が低い場合には、調味料が流れてしまって具材と十分に絡まないために、調理に用いた際に食味の点で劣ったものとなる。
本発明の醤油含有米糀調味料は、米糀と塩水を混合し熟成させることによって塩糀を作製し、当該塩糀と醤油を混合することで製造できる。また、米糀から塩糀を作製する工程を経ず、直接米糀と醤油を混合させて熟成させるか、あるいは米糀、塩水および醤油を混合させて熟成させてもよい。
醤油と米糀の混合比率は、目的とする用途や食味に併せて適宜設定することが可能であるが、米糀よりも醤油を多くすると醤油の香りが強く立ちすぎ、米糀や素材由来の味が必要以上にマスキングされてしまうことから、米糀を醤油よりも多く含有せしめることが好ましい。これによって醤油感が強くなりすぎるのを防ぎ、焦げつき等も防止することができる。
上記のようにして混合した醤油含有米糀調味料は、適宜殺菌や酵素失活のため加熱処理等を行っても良い。
なお本発明の醤油含有米糀調味料では、米糀と醤油以外の原料として、本みりん、醸造酢、アルコール、調味成分(アミノ酸、核酸)、増粘剤、糖類などを適宜添加することも可能である。これらの原料はメッシュによる粒度調整の前後、いずれのタイミングで添加しても良い。
本発明の醤油含有米糀調味料は、そのまま具材に和えたり、炒め物、チャーハン等の調味に用いたり、加熱調理前に肉や魚を漬け込んで下味をつけるのに利用することが可能である。また、本発明の調味料にさらに調味成分を加えて各種つゆ・たれ・ドレッシング等の原料とすることもできる。そのほか、焼き鳥、焼き魚、ステーキ等のなどの加工食品の製造のための調味料として用いることもできる。
以下、実施例をあげて具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(実施例1)メッシュサイズによる粒度の違い
(1−1)焦げ付きやすさ(見た目)
濃縮醤油および市販の米粒がある塩糀を重量比1:9で混合した。次に、調製した醤油含有米糀調味料を、メッシュサイズ3、6、8、10メッシュのストレーナーで濾過した。当該醤油含有米糀調味料B,C,D,E(以下「米糀調味料」と記載)および濾過を行っていない市販品Aの醤油含有米糀調味料の性状(外見)を図1に示す。
それぞれの濾過した米糀調味料、および対照の市販品を、鶏胸肉に対して10%(w/w)となるように添加し、鶏肉を1時間以上漬け込んだ後、直火網焼きしてチキンステーキを調理した。チキンステーキの性状を図2に示す。メッシュサイズが大きくなるほど直火網焼き後の焦げつきが生じなくなり、好ましい外見のチキンステーキを得た。
(1−2)官能評価(焦げ臭さ、その他)
実施例1−1にて調理したチキンステーキを官能評価に供した(N=8)。3メッシュ品を対照として、「焦げている(外観)」「焦げ臭さ(風味)」「味の嗜好性(風味)」「総合評価」の4つの指標について、対照と同等であればポイント3、強い・好ましい場合はポイント5、弱い・好ましくない場合はポイント1として相対評価した。その結果、8メッシュ以上のストレーナーで濾過した米糀調味料において、焦げ臭さが低減され、味の嗜好性や総合評価が好ましいものと評価された。さらに、「焦げている(外観)」の項目では、10メッシュのストレーナーで濾過した米糀調味料を用いた場合に、顕著に焦げつきが生じていないと評価された。
(1−3)粘度および具材への付着性
実施例1−1で調製した、ストレーナーで濾過した米糀調味料および市販品について、粘度と具材への付着性を評価した。粘度は、回転型ビスコメーターにて測定した(3回測定の平均値)。具材への付着性は、厚さ1cmで縦横2cm四方の人参のダイスをディップし、20秒保持した後の具材への残重量を測定することで評価した(5回測定の平均値)。市販品を対照として本発明品の結果を下記表1に示す。
Figure 0006169045
表1に示すように、ストレーナーを通すことによって米糀調味料の粘度5000mPa・s以上となり、メッシュの値が大きくなるほどに粘度も高くなった。具材への付着性に関しては、米粒が残っていると具材との絡まりが弱く、米粒のみが落下する現象が見られた。それに対してストレーナーメッシュを通すことによる裏ごし処理で米糀の粒度が低くなると、付着性も上昇し、具材に十分に絡まる好ましい物性を得ることができた。
(実施例2)各種調理品に利用したときの料理特性
塩糀と醤油を混合し、10メッシュのストレーナーで濾過することによって本発明の醤油含有米糀調味料を得た。当該本発明の醤油含有米糀調味料および、濾過を行っていない他社同等品について、各種調理品における料理特性を比較した。官能評価では、対照として市販の塩糀を用い、対照品のポイントを3としたときの相対評価をポイント1〜4で表した。
(2−1)牛ステーキ
牛ステーキ肉500gをそれぞれの米糀調味料100gに一晩漬け込んだ。その後、ステーキの中に火が通るまで直火網焼きを行った。
その結果、図4に示すように、他社同等品と比較して、本発明品は香ばしさが強く、一方で肉の臭みを抑えることが確認された。その他、肉を柔らかくする効果が見られた。
(2−2)焼き魚
三枚に卸した鯵500gをそれぞれの米糀調味料100gに一晩漬け込んだ。その後、鯵の中に火が通るまで直火網焼きを行った。
その結果、図5に示すように、他社同等品と比較して、本発明品はうま味が強く、醤油香が立ちすぎず、味の嗜好性や総合評価において高い値を示した。また、魚の臭みを抑えることも確認された。
(2−3)鶏ステーキ
若鶏の胸肉500gをそれぞれの米糀調味料100gに一晩漬け込んだ。その後、肉の中に火が通るまで直火網焼きを行った。
その結果、図6に示すように、他社同等品と比較して、本発明品は醤油感が強くなりすぎないことが確認された。また、肉を柔らかくする効果が見られた。
(2−4)ポークステーキ
ポークソテー用の豚肉500gをそれぞれの米糀調味料50gに一晩漬け込んだ。その後、肉の中に火が通るまで直火網焼きを行った。
その結果、図7に示すように、他社同等品と比較して、本発明品は醤油感が強くなりすぎず、旨味を付与する一方で肉の臭みを抑えることが確認された。

Claims (4)

  1. 米糀および醤油を含む原料を混合した後、メッシュサイズが8メッシュ以上のストレーナーで濾過することで、下記(1)(2)の特徴を有する醤油含有米糀調味料を製造する方法
    (1)粒度が3.2mm以下であり、
    (2)粘度が5000mPa・s以上である。
  2. 米糀および醤油を含む原料を混合した後、メッシュサイズが10メッシュ以上のストレーナーで濾過することで、下記(1)(2)の特徴を有する醤油含有米糀調味料を製造する方法。
    (1)粒度が2.5mm以下であり、
    (2)粘度が5000mPa・s以上である。
  3. 醤油が濃縮醤油である、請求項1または2記載の調味料の製造方法
  4. 米糀を醤油より多く含有する、請求項1または2記載の調味料の製造方法
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