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JP6179935B2 - 頭部形状測定装置 - Google Patents
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Description

本発明は、人間の頭部の形状を測定する頭部形状測定装置に関し、特に、その頭部を撮影した画像を処理することで当該頭部の形状を測定する頭部形状測定装置に関する。
人間の頭部の形状を測定する装置については、従来から改良技術が提案されている。
例えば、複数台のカメラを被測定者の周囲に配置し、これら複数台のカメラによって被測定者の頭部を撮影し、取得した頭部のパターン画像にもとづいて、頭部の三次元形状を算出する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、頭部に装着するかつらを製造するために、当該頭部の形状を測定する装置が存在していた(例えば、Hi−MO(R) ハイモインコーポレーテッド製)。
特開2002−366931号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されている装置、及び、上記の既存の装置においては、以下に説明する問題があった。
例えば、特許文献1に記載されている装置においては、被測定者の身体の周囲に多数台のカメラを配置しているため、被測定者に対して、圧迫感や威圧感を与えてしまうという問題があった。
ここで、それら多数台のカメラの配置位置を具体的に挙げると、一台のカメラが、被測定者の頭上に位置し、他の一台が、被測定者の前方斜め下方向に位置し、他の複数台が、被測定者の胸囲の高さで当該胸囲を前後左右から取り囲むような位置に配置されていた。
つまり、同装置においては、多数のカメラが、被測定者の上方向、下方向、前方向、後方向、左方向、右方向のそれぞれに位置しており、被測定者の身体を取り囲んでいた。
そうすると、被測定者は、当該装置の中央に位置したときに、多数のカメラによって取り囲まれていることを強く意識するようになり、実際に、それら多数のカメラによってあらゆる角度から自身の頭部が撮影されることで、圧迫感や威圧感を受けたり、不快感を覚えたりするようになる。
しかも、このように、圧迫感等を受けた被測定者は、カメラによる撮影が行われている間中、精神的に緊張した状態で、同装置内で同じ姿勢を維持することを余儀なくされる。
このように被測定者に対して圧迫感等を与えてしまうようなカメラの配置については、圧迫感等を与えないような配置に変更することが望ましい。
また、同装置においては、次のような問題もあった。
同装置は、撮影した頭部の画像にもとづいて当該頭部の三次元画像データを生成する装置である。ところが、この生成された三次元画像データは、頭部に装着するかつらを製作する際に用いる三次元画像データとしての利用に適さないものであった。その理由として、以下の理由を挙げることができる。
例えば、頭部において頭髪が生えている部分を被髪部位とした場合、かつらの製作に際しては、その被髪部位の三次元形状を表した三次元画像データが必要となる。また、製作したかつらが頭部にフィットするようにするためには、その被髪部位の生え際付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データが必要となる。特に、額の上方の生え際は、顔の上方に位置することから人目につきやすい位置にあり、また、後頭部の襟足付近は、一般に窪んでいることから、かつらがフィットしにくい。このため、これら額の上方の生え際付近の三次元形状や、後頭部の襟足付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データが必要となる。
ところが、特許文献1に記載されている装置では、各カメラの撮影対象が、被測定者の頭部の全周、頭頂、あるいは顎下に特定されていた。つまり、各カメラの撮影対象に、被髪部位の生え際は含まれていなかった。このため、頭部における被髪部位の生え際、特に、額の上方の生え際や襟足付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データを取得することが難しいものとなっていた。
この点に関して、さらに説明する。
例えば、カメラが球状の物体を被写体として撮影する場合において、比較的近い距離からその球状体を撮影するとき、この球状体の中心にピントを合わせると、球状体の周縁部ではピントがずれてしまい、この周縁部の画像が不鮮明となる。特に、カメラと球状体との距離が近いほど、被写界深度が浅くなるため、球状体の周縁部ではピントがずれやすくなる。
特許文献1に記載されている装置では、カメラの被写体が人間の頭部である。人間の頭部は、やや縦長の長球状である。そして、各カメラは、その頭部を近い距離から撮影する。このため、カメラの撮影範囲内に頭部が納められた状態で、その撮影範囲の中心に位置する頭部の一点にピントを合わせると、頭部の周縁部ではピントがずれやすくなる。
また、同装置に設けられた各カメラは、上述したように、被測定者の頭部の全周、頭頂、あるいは顎下を撮影対象としている。このため、各カメラは、それら撮影対象としている頭部の全周、頭頂、あるいは顎下にピントを合わせることになる。
そうすると、頭部における被髪部位の生え際や襟足は、カメラが撮影した頭部の画像においてこの頭部の周縁部付近に位置するようになり、この周縁部ではピントがずれて画像が不鮮明となる。これにより、それら生え際や襟足付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データを取得することが難しいものとなり、頭部に装着するかつらを製作する際に用いる三次元画像データとしての利用に適さないものとなっていた。
一方、上記の既存の装置においては、被測定者の頭部の斜め上方向に、カメラが一台又は二台配置されており、これ以外の箇所には配置されていない。
このため、被測定者の身体の上方や下方さらには前後左右にまでカメラを配置した特許文献1に記載の装置と比較した場合、カメラの台数が少ないことや、被測定者の視界の上方にしかカメラが存在しないことから、被測定者が受ける圧迫感や威圧感が少ないものとなっている。
しかしながら、この既存の装置においては、一台又は二台のカメラを頭部の周囲で周回移動させていた。このような構造においては、度重なる周回移動によってガタつきが起こりやすいため、カメラの取付角度を微調整したり、頭部に対するカメラの撮影ポイントを微調整したりするなどのメンテナンスが必要となっていた。
また、既存の装置においては、被測定者の頭部の位置決めが難しいものとなっていた。これは、同装置では、カメラを周回させたときの周回経路の中心に被測定者の頭部を位置させることになるが、カメラを周回させなければ周回経路の中心を特定できず、初期状態ではカメラが静止しており、しかも、カメラの台数が一台又は二台であることから、その中心の特定が困難となっているためである。
さらに、既存の装置においては、頭部の三次元形状の算出に必要な画像データのすべてを取得するために、カメラが周回経路を一周しなければならないので、そのカメラが撮影を完了するまでに要する時間が長いという問題があった。
しかも、このように、既存の装置では、撮影に要する時間が長くかかることから、一度位置決めした頭部が撮影時間内に動かないようにするために、被測定者の身体を固定する固定バーが設けられていた。ところが、固定バーは、身体の動きを拘束するものであるため、被測定者に対して、圧迫感や威圧感、さらには不快感を与える要因となっていた。
また、既存の装置においては、特許文献1に記載の装置と同様、頭部における被髪部位の生え際や襟足付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データを取得することが難しいという問題があった。これは、カメラの周回経路が円形であるのに対し、被髪部位の生え際は、頭部の表面を蛇行しているため、カメラが周回移動したときに、このカメラの撮影範囲の中心部分に、蛇行している被髪部位の生え際を合わせることが困難だからである。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、被測定者に圧迫感や威圧感を与えることなく頭部の形状を測定可能とするとともに、測定装置における頭部の位置決めの簡易化や撮影時間の短縮化を実現でき、かつ、頭部における被髪部位の生え際付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データを取得可能とする頭部形状測定装置の提供を目的とする。
この目的を達成するため、本発明の頭部形状測定装置は、人間の頭部の形状を測定する頭部形状測定装置であって、頭部を撮影して画像データを出力する複数の撮像手段と、画像データにもとづいて頭部の三次元形状を算出する画像処理手段とを備え、複数の撮像手段が、頭部の上方に位置する被配置部材に取り付けられるとともに、頭部における頭髪の生え際を撮影範囲の中心部分に合わせた角度で被配置部材に取り付けられ、この取り付けられた位置を固定位置として頭部を撮影する構成としてある。
本発明の頭部形状測定装置によれば、被測定者に圧迫感や威圧感を与えることなく頭部の形状を測定可能とするとともに、測定装置における頭部の位置決めの簡易化や撮影時間の短縮化を実現でき、かつ、頭部における被髪部位の生え際付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データを取得可能とする頭部形状測定装置を提供できる。
本発明の第一実施形態の頭部形状測定装置を斜め前方から見たときの当該頭部形状測定装置の構成を示す外観斜視図である。 本発明の第一実施形態の頭部形状測定装置を斜め後方から見たときの当該頭部形状測定装置の構成を示す外観斜視図である。 画像処理手段の構成を示すブロック図である。 第一実施形態の頭部形状測定装置に備えられたスキャナ部におけるライト、プロジェクタ、カメラの配置位置を示す上面図である。 スキャナ部の構成とカメラの撮影方向を示すスキャナ部の断面図(図4のA−A断面図)である。 第二実施形態の頭部形状測定装置に備えられたスキャナ部におけるライト、プロジェクタ、カメラの配置位置を示す上面図である。 三台のカメラで撮影した画像にもとづいて生成した頭部の三次元画像を示す図であって、(i)は、頭部の前部の三次元画像、(ii)は、頭部の後部の三次元画像、(iii)は、頭部の右側部の三次元画像、(iv)は、頭部の左側部の三次元画像である。 四台のカメラで撮影した画像にもとづいて生成した頭部の三次元画像を示す図であって、(i)は、頭部の前部の三次元画像、(ii)は、頭部の後部の三次元画像、(iii)は、頭部の右側部の三次元画像、(iv)は、頭部の左側部の三次元画像である。 頭部の右斜め前方に配置したカメラについての使用データ範囲を示す頭部の斜視図である。 頭部の右斜め後方に配置したカメラについての使用データ範囲を示す頭部の斜視図である。 頭部の左斜め前方に配置したカメラについての使用データ範囲を示す頭部の斜視図である。 頭部の左斜め後方に配置したカメラについての使用データ範囲を示す頭部の斜視図である。 四台のカメラで頭部を撮影したときの各使用データ範囲の重複部分を示す頭部の斜視図である。
以下、本発明に係る頭部形状測定装置の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の頭部形状測定装置の第一実施形態について、図1、図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態の頭部形状測定装置を斜め前方から見たときの当該頭部形状測定装置の外観構成を示す外観斜視図である。図2は、本実施形態の頭部形状測定装置を斜め後方から見たときの当該頭部形状測定装置の外観構成を示す外観斜視図である。
図1、図2に示すように、頭部形状測定装置1は、スキャナ部10と、画像処理手段20と、支持手段30とを備えている。
ここで、スキャナ部10は、円板状(図1等においては、半球状ドーム型)に形成された筐体14の下部に、ライト11と、プロジェクタ12と、カメラ13が配置された構造となっている。
ライト11は、例えばLEDなどの発光素子を使用した小型の照明手段であって、被測定者Mの頭部Hに対して光を照射することで、その頭部Hを照明する。
プロジェクタ12は、所定の色(例えば、赤色)のレーザー光を出射する投影手段であって、被測定者Mの頭部Hに対してレーザー光を照射することにより、線、点、文字、所定の形状等を投影することができる。
なお、三次元計測法として、例えば、光切断法や空間コード化法などの計測法を用いる場合には、スリット光を出射可能な構成を有したプロジェクタ12を備えることができる。
カメラ13は、被測定者Mの頭部Hを撮影するための撮像手段であって、撮影した画像をデジタルの画像データに変換して出力する。
なお、カメラ13の種類としては、例えば、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線サーマルカメラ、X線カメラなど、頭部Hを撮影するカメラ13として任意好適な種類を選択できる。また、カメラ13のインタフェースには、例えば、USB、IEEE1394、カメラリンクなど、任意好適なインタフェースを用いることができる。
筐体14は、所定の厚みを有する中空円板状の被配置部材であって、円板形状で浅底の上部材141と、円板形状で所定の深さを有する下部材142とを重ね合わせることで、円板状の当該筐体14を構成している。
下部材142の中央部分には、上方向に向かって窪んだ凹部143が形成されており、この凹部143における環状の側面が傾斜面144として形成され、この傾斜面144にライト11とプロジェクタ12とカメラ13が配置されている。
なお、これらライト11等の配置については、後記の(スキャナ部及びカメラの構成)にて詳述する。
画像処理手段20は、プログラム制御により動作するコンピュータであって、図2、図3に示すように、通信部21と、記憶部22と、画像処理部23と、表示部24と、操作部25と、制御部26とを有している。
通信部21は、カメラ13から出力された画像データを、データ用ケーブル40を介して受信する。なお、本実施形態においては、画像処理手段20とカメラ13との間の通信を、データ用ケーブル40を介した有線通信としているが、有線通信に限るものではなく、無線通信とすることもできる。
記憶部22は、所定の記憶領域を有する記憶手段であって、画像処理手段20の有する機能を実行するためのプログラムやデータを記憶する。また、記憶部22は、通信部21で受信された画像データを記憶する。
画像処理部23は、画像データにもとづいて、被測定者Mの頭部Hの三次元形状を算出する。算出されたデータは、三次元画像データとして記憶部22に記憶される。
頭部Hの三次元形状を算出するための画像処理としては、次のような内容の画像処理を採用することができる。例えば、各カメラ13から出力された画像データにもとづいて、これら画像データごとに、三次元座標系における三次元画像データを生成する。そして、これら生成した三次元画像データを基準の三次元座標系において合成して、頭部Hの全体の三次元形状を表した三次元画像データを算出する。
表示部24は、液晶ディスプレイなどで構成されており、カメラ13により撮影された画像(カメラ13の撮影範囲に頭部Hが含まれているときは、この頭部Hを含む画像)や、三次元画像データにもとづいて生成した頭部Hの全体又は一部の三次元形状を示す画像(例えば、図7(i)〜(iv)、図8(i)〜(iv)に示す画像)などを画面表示する。
また、表示部24は、複数台のカメラ13がそれぞれ撮影した頭部Hの画像を一画面上に分割表示することもできる。
操作部25は、キーボードやマウスなどで構成されており、ユーザ(例えば、当該頭部形状測定装置1を用いて被測定者Mの頭部Hの形状を測定しようとする者)による操作により、所定の命令やデータを入力する。
制御部26は、CPUなどで構成されており、画像処理手段20の有する機能を実行するために画像処理手段20の構成各部を制御する制御手段である。
支持手段30は、スキャナ部10を支持するとともに、このスキャナ部10を被測定者Mの頭部Hの上方に位置させるために立設された棒状部材である。この支持手段30は、支柱31と、脚部32と、キャスター33と、昇降制御部34とを備えている。
支柱31は、直径の異なる複数本の管体が同軸状に組み込まれた伸縮可能な管状部材である。この支柱31は、伸縮方向である軸方向が垂直方向となるように立設されている。また、最も直径の小さい管体の上部が屈曲しており、この屈曲部の端部にスキャナ部10が取り付けられている。
脚部32は、支柱31の下部に設けられた昇降制御部34の筐体側面から水平方向に延伸した棒状部材である。
キャスター33は、脚部32の下面に取り付けられている。このキャスター33を設けることにより、頭部形状測定装置1を任意の場所へ容易に移動させることができる。
なお、支柱31や脚部32の前方であってスキャナ部10の下方には、被測定者Mが着座するための椅子35が設置されている。椅子35は、支柱31等とは、別体となっている。ただし、椅子35と支柱31等とを連結した構造とすることもできる。
昇降制御部34は、支柱31を構成する複数本の管体を伸縮させるための機構(図示せず)と、画像処理手段20からの命令を受けて、支柱31を伸長又は短縮する長さを制御する制御部(図示せず)とを備えている。
支柱31を伸縮するための機構としては、例えば、スライド軸受に通されたボールねじをモーターで回転させることによりスライド軸受に接続された管体を伸縮する機構などが挙げられる。モーターは、電源ケーブル50を介して商用電源を受電することによって回転軸が回転する。また、電源ケーブル50を介して受電した電力は、ライト11、プロジェクタ12、カメラ13、画像処理手段20の駆動電力としても用いられる。
なお、このような管体の伸縮機構を備えた昇降制御部34を設けることにより、カメラ13の撮影範囲に被測定者Mの頭部Hを納めることができる。
具体的には、次の手順で行われる。被測定者Mが椅子35に着座すると、複数台のカメラ13がその被測定者Mの頭部Hを撮影し、画像処理手段20の表示部24がその撮影された被測定者Mの頭部Hの画像をリアルタイムで表示する。ユーザは、その表示された画像を視認し、この表示部24における所定の範囲内に頭部Hが納まっているかどうかを確認する。その頭部Hが表示部24における所定の範囲内に納まっていないとき、ユーザは、操作部25を操作して、昇降制御部34の伸縮機構を駆動させて、支持手段30の支柱31を短縮又は伸長させる。そして、表示部24における所定の範囲内に頭部Hが納まった時点で、支柱31の短縮又は伸長を停止する。これにより、カメラ13の撮影範囲に頭部Hを納めることができる。
以上が頭部形状測定装置1の構成であるが、本実施形態の頭部形状測定装置1は、複数台のカメラ13の配置に最大の特徴がある。
次に、これら複数台のカメラ13が配置されたスキャナ部10とカメラ13の構成について、詳細に説明する。
(スキャナ部及びカメラの構成)
図1、図2に示すように、スキャナ部10は、椅子35に着座した被測定者Mの頭部Hの上方に位置している。
また、スキャナ部10には、ライト11とプロジェクタ12とカメラ13が集中して配置されており、これ以外の箇所に、ライト11等は、配置されていない。
特に、カメラ13は、スキャナ部10の筐体14の下部材142に配置されており、ハイアングルで被測定者Mの頭部Hを撮影するようになっている。
このため、被測定者Mにとっては、自身の視界の上方にしかカメラ13等が存在せず、開放された空間の中で頭部Hの形状の測定を受けることになるので、圧迫感や威圧感を感じることなく、精神的にリラックスした状態で、その測定を受けることができる。
スキャナ部10においては、下部材142に形成された凹部143の側面に位置する環状の傾斜面144に、ライト11とプロジェクタ12とカメラ13が配置されている。
このスキャナ部10の傾斜面144におけるライト11等の配置位置を図4に示す。
同図に示すように、ライト11は、複数配置されており、被測定者Mの頭部Hの全体を照明可能な位置に配置されている。
具体例として、ライト11は、例えば、四つ配置することができ、頭部Hを中心として、その頭部Hの上方の周囲に、等間隔で、90度ごとに配置することができる。図4においては、被測定者Mの正面方向の角度を0度としたときに、四つのライト11が、10度、100度、190度、280度の位置にそれぞれ配置されている。これにより、四つのライト11が、頭部Hの正面、左側面、背面、右側面を、それぞれ照明するようになっている。なお、ライト11の数及び配置位置は、図4に示す数及び位置に限るものではなく、任意の数で、好適な位置に配置することができる。
プロジェクタ12は、スキャナ部10の傾斜面144に一又は二以上配置されている。プロジェクタ12の台数及び配置位置は、例えば、頭部Hにおいて線等を投影する位置に応じて任意に決めることができる。
図4においては、プロジェクタ12が四台配置されている。また、同図においては、被測定者Mの正面方向の角度を0度としたときに、四つのプロジェクタ12が、65度、150度、210度、295度の位置に、それぞれ配置されている。
カメラ13は、スキャナ部10の傾斜面144に三台配置されている。
これら三台のカメラ13の配置位置としては、例えば、これら三台のカメラ13から出力された画像データにもとづいて頭部Hの全体の三次元画像データを生成可能な位置とすることができる。
図4においては、被測定者Mの頭部Hを中心としてその周囲に三台のカメラ13a〜13cが配置されている。また、同図においては、当該頭部Hの正面方向の角度を0度としたときに、0度、120度、240度の各位置に、それら三台のカメラ13a〜13cが配置されている。
このような配置とした場合、それら三台のカメラ13a〜13cにより撮影された頭部Hの画像に重複部分があるので、これら三台のカメラ13a〜13cから出力された画像データを用いて頭部Hの全体の三次元画像データを生成することができる。
なお、カメラ13の配置位置は、図4に示す位置に限るものではなく、任意好適な位置に配置することができる。
このように、スキャナ部10においては、ライト11とプロジェクタ12とカメラ13が、傾斜面144における好適な箇所に配置され、かつ、固定されている。
特に、スキャナ部10の内部には、板状部材15(例えば、厚みの厚いアルミ板)が配置されており、この板状部材15の下面にカメラ13が取り付けられ、かつ固定されている(図5参照)。これにより、カメラ13は、その取付位置からずれないようになっている。なお、ライト11及びプロジェクタ12も、板状部材15に固定することができる。
さらに、カメラ13は、板状部材15に固定されるとともに、スキャナ部10の傾斜面144の開口に嵌合している。このため、一度設定されたカメラ13の取付角度にズレが生じにくい。これにより、初期段階でカメラ13の取付角度を調整しておけば、その後にその取付角度を微調整する必要がない。
しかも、カメラ13等が環状の傾斜面144に配置されているため、この環状の中心の下方に被測定者Mの頭部Hを位置させればよいことを容易に知得できる。これにより、この頭部形状測定装置1を用いて被測定者Mの頭部Hの形状を測定しようとする者は、その被測定者Mの頭部Hの位置決めを容易かつ即座に行うことができる。
また、各カメラ13が、固定位置から頭部Hを撮影するとともに、各カメラ13から出力された画像データを用いて頭部Hの全体の三次元画像データを生成できるため、この三次元画像データを生成するのに必要な画像データのすべてを瞬時に取得できる。
さらに、画像データの取得が瞬時に終了するため、被測定者Mは、長時間同じ姿勢を維持させる必要がなくなる。これにより、被測定者Mの受ける負担を軽減できる。
しかも、画像データの取得が瞬時に終了するため、被測定者Mの身体を固定するための固定バーを設ける必要がない。このことからも、被測定者Mへの負担を軽減できる。
また、三台のカメラ13a〜13cは、頭部Hにおける額上方の生え際、あるいは、頭部Hの襟足を、撮影対象としている。
具体的には、図5に示すように、頭部Hの前方斜め上方向の位置に配置されたカメラ13aを前方撮像手段とし、頭部Hの後方斜め上方向の位置に配置されたカメラ13b、13cを後方撮像手段としたときに、前方撮像手段が、頭部Hにおける額上方の生え際が撮影範囲の中心部分に位置するような角度で、傾斜面144に配置されており、後方撮像手段が、頭部Hの襟足が撮影範囲の中心部分に位置するような角度で、傾斜面144に配置されている。
このような角度で各カメラ13a〜13cを傾斜面144に配置することにより、頭部Hの額上方の生え際や後頭部の襟足を、カメラ13a〜13cにおける撮影範囲の中心部分に位置させることができる。これにより、それら生え際部分や襟足部分の画像が鮮明となり、それら生え際や襟足付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データを取得することができる。そして、この取得した三次元画像データを、頭部Hに装着するかつらを製作する際に用いる三次元画像データとして利用することができる。
なお、前方撮像手段の俯角は、この前方撮像手段における撮影範囲の中心部分に頭部Hの額上方の生え際を位置させることが可能な角度とする。具体的には、例えば、水平に対して下方へ50度±5度の範囲内の角度とするのが望ましい。
また、後方撮像手段の俯角は、この後方撮像手段における撮影範囲の中心部分に頭部Hの襟足を位置させることが可能な角度とする。具体的には、例えば、水平に対して下方へ35度±5度の範囲内の角度とするのが望ましい。
また、これら三台のカメラ13a〜13cのすべてを通る仮想の面を仮想配置面Pとすると、この仮想配置面Pは、図5に示すように、水平ではなく、水平面に対して傾斜している。
この仮想配置面Pの具体的な傾斜方向は、次のような方向となっている。
仮想配置面Pは、椅子35に着座した被測定者Mの頭部Hの上方に位置している。
複数のカメラ13a〜13cのうちの一部のカメラ13aが、その仮想配置面Pにおいて、被測定者Mの頭部Hの前方斜め上方向の位置に配置されている。また、他の一部のカメラ13b、13cが、仮想配置面Pにおいて、被測定者Mの頭部Hの後方斜め上方向の位置に配置されている。
ここで、頭部Hの前方斜め上方向の位置に配置されたカメラ13aを前述したように前方撮像手段とし、頭部Hの後方斜め上方向の位置に配置されたカメラ13b、13cを前述したように後方撮像手段としたときに、仮想配置面Pのうち、前方撮像手段の配置された部分が、後方撮像手段の配置された部分よりも上方に位置するように、仮想配置面Pが傾斜している。
このように仮想配置面Pを傾斜面とし、傾斜方向を上述した方向とすることにより、前方撮像手段は、頭部Hにおける額上方の生え際を撮影範囲の中心部分に合わせた状態で撮影でき、また、後方撮像手段は、頭部Hの襟足を撮影範囲の中心部分に合わせた状態で撮影できる。
特に、頭部Hの襟足部分は、一般に窪んでおり、頭部Hを頭頂部の上方から見たときには、後頭部によってその襟足部分が隠れてしまう。そして、カメラ13を頭部Hの上方に配置すると、後頭部に隠蔽されて襟足部分が死角となるので、この襟足部分を撮影することができない。そこで、本実施形態の頭部形状測定装置1では、襟足部分を撮影する後方撮像手段を前方撮像手段よりも低い位置に設けるように仮想配置面Pを傾斜させた構成としてある。これにより、後方撮像手段は、頭部Hの後方の斜め上方に位置するようになるため、襟足部分を撮影範囲に納めることができ、この襟足部分の画像データを取得することができる。
また、仮想配置面Pを傾斜させることにより、前方撮像手段から頭部Hにおける額上方の生え際までの距離と、後方撮像手段から頭部Hにおける襟足までの距離が近似するので、各カメラ13により撮影された頭部Hの画像を画像処理手段20の表示部24に分割表示させたときに、各画像に映し出された頭部Hの大きさを近似した大きさとすることができる。
なお、仮想配置面Pの傾斜角度は、例えば、水平に対して15度±5度の範囲内の角度とするのが望ましい。
[第二実施形態]
次に、本発明の頭部形状測定装置の第二の実施形態について、図6を参照して説明する。
同図は、本実施形態の頭部形状測定装置に備えられたスキャナ部におけるライト等の配置位置を示す上面図である。
本実施形態は、第一実施形態と比較して、カメラの台数と配置位置が相違する。すなわち、第一実施形態では、カメラの台数が三台であり、これら三台のカメラがスキャナ部の傾斜面における所定の位置に配置されていたのに対し、本実施形態では、カメラの台数が四台であり、これら四台のカメラがスキャナ部の傾斜面における所定の位置に配置されている。他の構成要素は第一実施形態と同様である。
したがって、図6において、図1と同様の構成部分については同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態の頭部形状測定装置1は、スキャナ部10と、画像処理手段20と、支持手段30とを備えている。
ここで、スキャナ部10における筐体14の傾斜面144には、ライト11と、プロジェクタ12と、カメラ13が配置されている。
このスキャナ部10の傾斜面144におけるライト11等の配置位置を図6に示す。
同図に示すように、カメラ13は、スキャナ部10の傾斜面144に四台配置されている。
これら四台のカメラ13の配置位置としては、例えば、これら四台のカメラ13から出力された画像データにもとづいて頭部Hの全体の三次元画像データを生成可能な位置とすることができる。
また、これら四台のカメラ13は、画像処理手段20において生成される頭部Hの三次元画像データに欠損が生じないような位置に配置されている。この事項について詳細に説明する。
まず、カメラ13を三台配置した場合について説明する。なお、本実施形態においては、カメラ13の台数を四台とするが、このようにカメラ13の台数を四台とした場合に得られる効果が、カメラ13の台数を三台とした場合と比較して有用な効果であるため、これらを対比する観点から、ここでは、まず、カメラ13の台数を三台とした場合について説明する。
カメラ13の台数を三台とした場合における各カメラ13の配置位置としては、例えば、図4に示すような配置位置をすることができる。すなわち、被測定者Mの頭部Hを中心としてその周囲に三台のカメラ13を配置するとともに、当該頭部Hの正面方向の角度を0度としたときに、0度、120度、240度の各位置に、それら三台のカメラ13を配置することができる。
この場合は、それら三台のカメラ13により、頭部Hの全周を撮影することができる。また、それら三台のカメラ13により撮影された頭部Hの画像に重複部分があるので、これら三台のカメラ13から出力された画像データを用いて頭部Hの全体の三次元画像データを生成することができる。
ところが、カメラ13を三台配置した場合、生成された三次元画像データに欠損が生じることがある。このように欠損が生じている頭部Hの三次元画像を、図7(i)〜(iv)に示す。
同図(i)〜(iv)に示す頭部Hの三次元画像においては、頭部Hの下部、特に、耳の前方に欠損が確認される。
これは、頭部Hの後方から当該頭部Hを撮影するカメラ13(図4において、120度と240度の位置にそれぞれ配置されたカメラ13b、13c)が当該頭部Hを撮影した場合に、耳により隠された部分を撮影することができず、この部分をデジタルの画像データに変換することができないために欠損が生じたものと考えられる。また、頭部Hの前方から当該頭部Hを撮影するカメラ13(図4において、0度の位置に配置されたカメラ13a)が当該頭部Hを撮影した場合に、頭部Hの頬やエラの窪んだ部分を撮影することができず、この部分をデジタルの画像データに変換することができないために欠損が生じたものと考えられる。
そこで、このような欠損が生じないようにするために、本実施形態の頭部形状測定装置1においては、カメラ13の台数を四台とした。
そして、スキャナ部10の傾斜面144における四台のカメラ13の配置位置については、上記の欠損が生じないような配置位置とした。
具体的には、図6に示すように、被測定者Mの頭部Hを中心としてその周囲に四台のカメラ13を配置するとともに、被測定者Mの正面方向の角度を0度としたときに、それら四台のカメラ13を、45度、130度、230度、315度の位置に、それぞれ配置した。
四台のカメラ13をこのような配置とすることにより、図8(i)〜(iv)に示すように、画像処理手段20において生成される頭部Hの三次元画像データに欠損が生じるのを防止できる。その理由として、次の二つの理由が挙げられる。
(1)頭部Hにおける耳の前方や頬及びエラの部分を撮影可能な位置にカメラ13が配置されている。
欠損が生じる部分は、上述したように、頭部Hにおける耳の前方であって、頬やエラの窪んでいる部分である。この部分は、三台のカメラ13を図4に示した位置に配置したときの各カメラ13の撮影範囲において、死角となっている部分である。
そこで、このような死角がなくなるような位置に、四台のカメラ13を配置する。
具体的には、図6に示すように、頭部Hを中心として、右斜め前方、右斜め後方、左斜め前方、左斜め後方のそれぞれにカメラ13a〜13dを配置する。
これにより、例えば、頭部Hの右斜め後方に配置されたカメラ13bが当該頭部Hを撮影したときに死角となる部分、すなわち、右耳の前方や右の頬及びエラの窪んでいる部分が、右斜め前方に配置されたカメラ13aによって撮影される。また、例えば、頭部Hの左斜め後方に配置されたカメラ13cが当該頭部Hを撮影したときに死角となる部分、すなわち、左耳の前方や左の頬及びエラの窪んでいる部分が、左斜め前方に配置されたカメラ13dによって撮影される。
これにより、頭部Hの後方に配置されたカメラ13b、13cの撮影範囲において死角となっている部分が、頭部Hの前方に配置されたカメラ13a、13dによって撮影可能となるため、これら四台のカメラ13a〜13dの撮影範囲から死角をなくすことができる。これにより、図8(i)〜(iv)に示すように、画像処理手段20において生成される頭部Hの三次元画像データにおいて欠損が生じるのを防止できる。
また、四台のカメラ13a〜13dの配置は、スキャナ部10の傾斜面144において、等間隔で配置されているのではなく、図6に示すように、後方撮像手段13b、13cが、頭部Hの斜め後方においてやや頭部Hの前方よりに配置されている。具体的な数値として、図6においては、後方撮像手段が130度と230度の角度位置に配置されている。この角度は、四台のカメラ13a〜13dを傾斜面144に等間隔で配置したときの後方撮像手段の角度である135度及び225度と比較して、頭部Hの前方よりとなっている。
さらに、後方撮像手段は、図5に示すように、前方撮像手段よりも低い位置に配置されるとともに、頭部Hの後頭部や側頭部に比較的近づいた位置に配置されている。
これらにより、後方撮像手段は、頭部Hの耳の後方斜め上方向ではなく、耳の側方よりの斜め上方向から耳及びこの周囲を撮影することとなるため、耳により隠蔽される当該耳の前方部分の死角の範囲を狭くすることができる。
このような観点から、四台のカメラ13a〜13dの配置位置は、これら各カメラ13a〜13dの撮影範囲に死角となる部分が発生しないような配置位置とすることが好ましい。
具体的に、四台のカメラ13a〜13dの好ましい配置位置を、頭部Hを中心とする角度をもって例示すると、例えば、スキャナ部10を上方から見たときの頭部Hの前方方向を0度としたときに、カメラ13aを配置する角度を310度〜320度の範囲内の角度とし、カメラ13bを配置する角度を225度〜235度の範囲内の角度とし、カメラ13cを配置する角度を125度〜135度の範囲内の角度とし、カメラ13dを配置する角度を40度〜50度の範囲内の角度とすることができる。
(2)各カメラ13の撮影範囲に重複範囲が設けられている。
四台のカメラ13を配置することで頭部Hの三次元画像データにおける欠損の発生を防止できる理由として、各カメラ13が頭部Hを撮影するときの撮影範囲に重複範囲を設けるように四台のカメラ13を配置したことが挙げられる。この点について、詳述する。
四台のカメラ13は、スキャナ部10の傾斜面144において、図6に示した位置に配置される。そして、それら四台のカメラ13により撮影される範囲は、いずれも頭部Hと、この頭部Hの周囲(背景)が納まる範囲となっている。
また、画像処理手段20においては、各カメラ13から送信されてきた画像データを受信して頭部Hの三次元形状を算出するための画像処理を実行する。このとき、画像処理手段20の画像処理部23は、カメラ13ごとに画像データを三次元座標系における三次元画像データに変換する。また、画像処理部23は、この三次元画像データのうち頭部Hの形状を示す三次元画像データを特定し、さらに、この特定した三次元画像データのうちの一定範囲内にある三次元画像データを指定する。そして、これら三次元座標系ごとに指定した三次元画像データを、基準の三次元座標系において合成して頭部Hの全体の三次元画像データを生成する。このように、頭部Hの全体の三次元画像データを生成する場合には、各カメラ13ごとに指定された一定範囲内の三次元画像データが使用される。
具体的に、四台のカメラ13から出力された各画像データのうち、頭部Hの全体の三次元画像データを生成する際に使用される、各カメラ13ごとに指定された一定範囲内の三次元画像データに対応する画像データの範囲(以下、使用データ範囲という)を、図9〜図12に示す。
例えば、頭部Hの右前方に配置されたカメラ13aについての使用データ範囲は、図9において斜線で示すように、前頭部の右半分の範囲となっている。
また、頭部Hの右後方に配置されたカメラ13bについての使用データ範囲は、図10において斜線で示すように、後頭部の右半分の範囲となっている。
さらに、頭部Hの左前方に配置されたカメラ13dについての使用データ範囲は、図11において斜線で示すように、前頭部の左半分の範囲となっている。
そして、頭部Hの左後方に配置されたカメラ13cについての使用データ範囲は、図12において斜線で示すように、後頭部の左半分の範囲となっている。
また、四台のカメラ13a〜13dについてのそれぞれの使用データ範囲は、頭部Hを均等に四等分した範囲のみに限るのではなく、その四等分した範囲よりもさらに広げた範囲となっている。
例えば、図9〜図12においては、頭部Hを、前頭部の右半分と、前頭部の左半分と、後頭部の右半分と、後頭部の左半分に、四等分するように、点線が付されている。そして、四台のカメラ13についてのそれぞれの使用データ範囲は、四等分された点線の範囲内だけでなく、隣接する範囲の一部にまで広げられている。
このため、それら四台のカメラ13についてのそれぞれの使用データ範囲は、図13において斜線で示すように、点線及びこの近傍で重複するようになっている。
しかも、それら使用データ範囲の重複部分は、頭部Hにおいて右耳と頭頂部と左耳とを結んだ線であるイヤートゥイヤーラインL1、又は、頭部Hにおいて頭頂部と後頭部の襟足の中央部分とを結んだ線であるセンターバックラインL2を含むようになっている。
このように、四台のカメラ13a〜13dについてのそれぞれの使用データ範囲を一部重複させるとともに、この重複部分がイヤートゥイヤーラインL1又はセンターバックラインL2を含むように、それら四台のカメラ13a〜13dをスキャナ部10の傾斜面144に配置することにより、頭部Hの右後方に配置されたカメラ13bは、頭部Hにおける後頭部の右半分を撮影でき、頭部Hの左後方に配置されたカメラ13cは、頭部Hにおける後頭部の左半分を撮影でき、頭部Hの右前方に配置されたカメラ13aは、頭部Hにおける前頭部の右半分と、これに含まれる右耳の前方に位置する右頬や右のエラを撮影でき、頭部Hの左前方に配置されたカメラ13dは、頭部Hにおける前頭部の左半分と、これに含まれる左耳の前方に位置する左頬や左のエラを撮影できる。つまり、頭部Hの後方に配置されたカメラ13b、13cでは死角となってしまう耳の前方部分や頬及びエラの部分を、頭部Hの前方に配置されたカメラ13a、13dによって撮影できるため、画像処理手段20において生成される頭部Hの三次元形状における欠損の発生を抑制できる。
また、使用データ範囲の重複部分をイヤートゥイヤーラインL1又はセンターバックラインL2に重ねることにより、頭部形状測定装置1を用いて生成された頭部Hの三次元画像データをかつらの製作に利用する場合に、頭部Hの形状によりフィットしたかつらを製作できる。
かつらには、頭部Hの一部に装着する部分かつら、頭部Hの上部から側部にかけて装着するハーフウィッグ(半かつら)、頭部Hの上部から側部、さらには耳の近傍及び襟足に亘って装着するフルキャップ(全頭かつら)などの種類がある。
ここで、フルキャップやハーフウィッグのかつらを製作する場合には、頭部Hのうちフルキャップやハーフウィッグのかつらによって覆われる部分の形状を測定する必要がある。
ただし、頭部Hは、完全な球形ではなく、やや縦長の長球状であり、特に、耳周りや後頭部、襟足などは、頭部Hの上部に比べて陥没している等、起伏があるため、かつらがフィットしにくい部分となっている。
そこで、四台のカメラ13についてのそれぞれの使用データ範囲の重複部分が、耳の周りを通るイヤートゥイヤーラインL1、又は、後頭部及び襟足を通るセンターバックラインL2を含むようにする。これにより、耳周りや後頭部、襟足などの三次元形状を精緻に測定できるとともに、当該部分の形状を示す三次元データのブレを補正することが可能となるので、実際の頭部Hの形状により近い形状のかつらを製作できる。
また、本実施形態の頭部形状測定装置1においても、複数の撮像手段が頭部Hの上方に集中して配置されているため、被測定者Mに圧迫感や威圧感を与えることなく、その被測定者Mの頭部Hの形状を測定できる。
また、四台のカメラ13が、頭部Hにおける額上方の生え際、あるいは、頭部Hの襟足を、撮影対象としている。
具体的には、前方撮像手段であるカメラ13a、13dが、撮影範囲の中心部分に頭部Hにおける額上方の生え際が位置するような角度で、傾斜面144に配置されている。また、後方撮像手段であるカメラ13b、13cが、撮影範囲の中心部分に頭部Hの襟足が位置するような角度で、傾斜面144に配置されている。
このため、各カメラ13が撮影した画像において、額上方の生え際や後頭部の襟足の画像部分が鮮明となり、それら生え際や襟足付近の三次元形状をより正確に表した三次元画像データを生成することができる。これにより、この生成した三次元画像データを、頭部Hに装着するかつらを製作する際に用いる三次元画像データとして利用することができる。
さらに、四台のカメラ13がいずれもスキャナ部10に固定されており、これら固定位置から頭部Hを撮影する。このため、カメラ13を周回移動させるための機構が不要となり、当該周回機構のメンテナンスも不要となる。
しかも、四台のカメラ13がスキャナ部10に固定されているため、各カメラ13の取付角度の微調整が不要となる。
加えて、カメラ13等が環状の傾斜面144に配置されているため、被測定者Mの頭部Hの位置決めが容易である。
また、四台のカメラ13が、固定位置から頭部Hを撮影するとともに、各カメラ13から出力された画像データを用いて頭部Hの全体の三次元画像データを生成できるため、この三次元画像データを生成するのに必要な画像データのすべてを瞬時に取得できる。
さらに、画像データの取得が瞬時に終了するため、被測定者Mに長時間同じ姿勢を維持させる必要がなくなる。これにより、被測定者Mへの負担を軽減でき、被測定者Mの身体を固定するための固定バーも不要となる。
しかも、四台のカメラ13のすべてを通る仮想の面を仮想配置面Pが、水平ではなく、水平面に対して傾斜している。このため、各カメラ13が頭部Hの額上方の生え際や襟足部分を的確に捉えた画像を撮影することができる。なお、仮想配置面Pの傾斜方向は、第一実施形態における仮想配置面Pの傾斜方向と同様である。
以上、本発明の頭部形状測定装置の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係る頭部形状測定装置は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、上述した実施形態では、スキャナ部の筐体の形状を円板状としたが、スキャナ部の形状は、円板状に限るものではなく、矩形状や多角形状、楕円形状など、任意の形状とすることができる。
また、上述した実施形態では、カメラの台数を三台又は四台としたが、これらの台数に限るものではなく、五台以上とすることができる。
さらに、上述した実施形態では、頭部形状測定装置において生成された三次元画像データを、かつらの製作に用いる場合について説明したが、生成された三次元画像データの使用は、かつらの製作時における使用に限るものではなく、例えば、帽子、ヘルメット、水泳用キャップ、フルヘッドマスクなど、頭部に装着するものを製作する際の使用や、医療分野、さらには、頭部固定具の製造などでの使用も可能である。
本発明は、頭部の形状を測定する装置に利用可能である。
1 頭部形状測定装置
10 スキャナ部
13(13a〜13d) カメラ(撮像手段)
13a、13d 前方撮像手段
13b、13c 後方撮像手段
14 筐体(被配置部材)
20 画像処理手段
M 被測定者
H 頭部
P 仮想配置面
L1 イヤートゥイヤーライン
L2 センターバックライン

Claims (3)

  1. 人間の頭部の形状を測定する頭部形状測定装置であって、
    前記頭部を撮影して画像データを出力する複数の撮像手段と、
    前記画像データにもとづいて前記頭部の三次元形状を算出する画像処理手段とを備え、
    前記複数の撮像手段が四台以上備えられ、
    前記複数の撮像手段が、前記頭部の上方に位置する筐体に取り付けられるとともに、前記頭部における頭髪の生え際を撮影範囲の中心部分に合わせた角度で前記筐体に取り付けられ、この取り付けられた位置を固定位置として前記頭部を撮影し、
    前記複数の撮像手段のすべてを通る仮想配置面が、水平面に対して傾斜し、
    前記複数の撮像手段のうちの一部を前方撮像手段とし、この前方撮像手段を、前記仮想配置面における前記頭部の前方斜め上方向の位置に配置し、前記複数の撮像手段のうちの他の一部を後方撮像手段とし、この後方撮像手段を、前記仮想配置面における前記頭部の後方斜め上方向の位置に配置したときに、
    前記仮想配置面のうち、前記前方撮像手段の配置された部分が、前記後方撮像手段の配置された部分よりも上方に位置するように、当該仮想配置面が傾斜しており、
    さらに、前記筐体を支持する支持手段が、前記頭部の前方側に開放された空間が形成されるように備えられ、前記支持手段は支柱、昇降制御部、及び脚部を有する
    ことを特徴とする頭部形状測定装置。
  2. 前記前方撮像手段が、前記頭部における額上方の生え際を撮影範囲の中心部分に合わせた角度で配置され、
    前記後方撮像手段が、前記頭部の襟足を撮影範囲の中心部分に合わせた角度で配置された
    ことを特徴とする請求項記載の頭部形状測定装置。
  3. 一の前記撮像手段が撮影する前記頭部の範囲と、この一の撮像手段の隣に位置する前記撮像手段が撮影する前記頭部の範囲とが重複するように、前記複数の撮像手段が前記仮想配置面に配置され、
    前記重複した撮影範囲が、前記頭部の頭頂部と両耳とを結んだ線であるイヤートゥイヤーライン、又は、前記頭部の頭頂部と襟足の中央部分とを結んだ線であるセンターバックラインを含む
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の頭部形状測定装置。
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