JP6180189B2 - 電解液組成物及びレドックスフロー電池 - Google Patents
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Description
〔1〕
水と、
バナジウムイオンと、
50℃の水に対するモル溶解度が4.0mol/kg−H2O以上であり、−5℃の水に対するモル溶解度が1.5mol/kg−H2O以下である、酸及び/又は塩と、
を含む、
電解液組成物。
〔2〕
前記酸及び/又は塩が、マンデル酸、マンデル酸誘導体、マンデル酸塩、及びマンデル酸誘導体の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、前項〔1〕に記載の電解液組成物。
〔3〕
前記バナジウムイオンのモル濃度が、2.0mol/Lを超える、前項〔1〕又は〔2〕に記載の電解液組成物。
〔4〕
前記酸及び/又は塩の他に、アニオン性物質を少なくとも1種類含む、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の電解液組成物。
〔5〕
前記アニオン性物質が硫酸イオンを含む、前項〔4〕に記載の電解液組成物。
〔6〕
前記アニオン性物質のモル濃度が、前記バナジウムイオンのモル濃度の10倍以下である、前項〔4〕又は〔5〕に記載の電解液組成物。
〔7〕
前記電解液組成物中の前記酸及び/又は塩が、50℃において一部が固体状態で存在する、前項〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の電解液組成物。
〔8〕
前記固体である、酸及び/又は塩が、粉体層を形成する、前項〔7〕に記載の電解液組成物。
〔9〕
前記粉体層が、流動層である、前項〔8〕に記載の電解液組成物。
〔10〕
前項〔1〕〜〔9〕のいずれか一項に記載の電解液組成物を含む、レドックスフロー電池。
本実施の形態に係る電解液組成物は、
水と、
バナジウムイオンと、
50℃の水に対するモル溶解度が4.0mol/kg−H2O以上であり、−5℃の水に対するモル溶解度が1.5mol/kg−H2O以下である、酸及び/又は塩と、
を含む。
本実施の形態において用いられる水としては、特に限定されないが、例えば、蒸留水、イオン交換水を好適に用いることができる。さらに、溶存酸素による酸化の可能性を回避するため、窒素ガスによるバブリングや、真空にて脱気するなどの手段を用い、溶存酸素を減少させた水を用いることが好ましい。
本実施の形態において用いられるバナジウムイオンのモル濃度は、エネルギー密度を高くする観点から、1.0mol/L以上であることが好ましく、2.0mol/Lを超えることがより好ましく、3.0mol/L以上であることがさらに好ましい。なお、バナジウムイオンのモル濃度の上限は特に限定されないが、10.0mol/L以下が好ましい。なお、本明細書において、バナジウムイオンはバナジルイオンを含む。
本実施の形態において用いられる酸及び塩は、溶解度の温度依存性が大きいことが好ましい。すなわち、酸及び塩の50℃の水に対するモル溶解度は、4.0mol/kg−H2O以上であり、5.0mol/kg−H2O以上であることが好ましく、10mol/kg−H2O以上であることがより好ましい。また、−5℃の水に対するモル溶解度は、1.5mol/kg−H2O以下であり、1.0mol/kg−H2O以下であることが好ましく、0.6mol/kg−H2O以下であることがより好ましい。本明細書において、−5℃の水に対する溶解度は、下式1により定義する。
−5℃の水に対する溶解度=0℃の水に対する溶解度−(10℃の水に対する溶解度−0℃の水に対する溶解度)÷2 式1
本実施の形態に係る電解液組成物は、上記の酸及び/又は塩の他に、アニオン性物質を少なくとも1種類含有することが好ましい。アニオン性物質と、アニオン性高分子と併用することで、さらに溶液中アニオン濃度を高めることができるため、5価のバナジウムイオンの高温安定性を向上することができるという観点より、優れる傾向にある。
本実施の形態に係る電解液の調製方法としては、特に限定されないが、例えば、上記各成分を所定の温度下、撹拌することで調製することができる。
本実施の形態に係るレドックスフロー電池は、上記電解液組成物を含む。本実施形態に係るレドックスフロー電池は、炭素電極からなる正極を含む正極セル室と、炭素電極からなる負極を含む負極セル室と、正極セル室と、負極セル室とを隔離分離させる、隔膜としての電解質膜と、を含む電解槽を有することができる。正極セル室は活物質を含む正極電解液を、負極セル室は活物質を含む負極電解液を含むものである。活物質を含む正極電解液及び負極電解液は、例えば、正極電解液タンク及び負極電解液タンクによって貯蔵され、ポンプ等によって各セル室に供給される。また、レドックスフロー電池によって生じた電流は、交直変換装置を介して、直流から交流に変換されてもよい。
(マンデル酸の溶解度)
dl−マンデル酸(以下、単に「マンデル酸」ともいう。)の水に対する溶解度は、0℃で0.58mol/kg−H2O、10℃で0.77mol/kg−H2Oであった。式1に0℃の水に対する溶解度と10℃の水に対する溶解度の値を代入し、算出された−5℃の水に対する溶解度は、0.49mol/kg−H2Oであった。また、マンデル酸の50℃の水に対する溶解度は、24.5mol/kg−H2Oであった。さらに、マンデル酸は50℃において固体であった。
50mLポリプロピレン製容器に、酸化硫酸バナジウム6.9gと純水7.9mLとを仕込み、ウォーターバスにて50〜60℃程度に加温し、スターラーチップにて30分撹拌し、溶解させた。その後、マンデル酸を13.7g添加し、ウォーターバスにて60℃程度に加温し、スターラーチップにて30分撹拌した。以上の手順により、バナジウム濃度が3mol/Lであり、硫酸イオン濃度が3mol/Lであり、dl−マンデル酸のモル濃度が9mol/Lである溶液を調製し、これを4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物とした。
上記の手順のスケールを10倍にし、同様の作業を行うことで、4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物100mLを得た。それを下記の方法で電解を行い、3価のバナジウムイオンを含む電解液組成物50mLと5価のバナジウムイオンを含む電解液組成物50mLを得た。
電解条件に詳細に説明する。図1に電解装置の概略図を示す。電解装置は炭素電極からなる正極を含む正極セル室と、炭素電極からなる負極を含む負極セル室と、正極セル室と、負極セル室とを隔離分離させる、隔膜としての電解質膜と、を含むセル1を有する。以下、正極セル室に含まれる電解液組成物を正極電解液、負極セル室に含まれる電解液組成物を負極電解液とする。正極電解液及び負極電解液は、正極電解液タンク2及び負極電解液タンク3によって貯蔵され、送液チューブポンプ4等によって送液チューブ5を介して各セル室に供給される。
(4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物)
50mLポリプロピレン製容器内に4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物を10mL入れ、−5℃に保持した冷却槽内に60分間静置し、液中に青色の粉もしくは結晶状の析出物発生の有無を調べた。析出物は発生しなかった。その結果を表1に示す。
50mLポリプロピレン製容器内に5価のバナジウムイオンを含む電解液組成物を10mL入れ、ウォーターバスにて50℃で60分間加温し、赤茶色の粉状の析出物発生の有無を調べた。析出物は発生しなかった。その結果を表1に示す。
(シュウ酸の溶解度)
シュウ酸の水に対する溶解度は、0℃で0.44mol/kg−H2O、10℃で0.68mol/kg−H2Oであった。式1に0℃の水に対する溶解度と10℃の水に対する溶解度の値を代入し、算出された−5℃の水に対する溶解度は、0.25mol/kg−H2Oであった。また、シュウ酸の50℃の水に対する溶解度は、3.5mol/kg−H2Oであった。
50mLポリプロピレン製容器に、酸化硫酸バナジウム6.9gと純水6.3mLとを仕込み、ウォーターバスにて50〜60℃程度に加温し、スターラーチップにて30分撹拌し、溶解させた。その後シュウ酸二水和物11.3gを添加し、ウォーターバスにて60℃程度に加温し、スターラーチップにて30分撹拌した。以上の手順により、バナジウム濃度が3mol/L、硫酸イオン濃度が3mol/Lであり、シュウ酸が完溶せず、一部固体状態で存在している電解液組成物を調製し、4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物10mLを得た。
上記4価のバナジウムイオンを含む電解液を用いて、実施例1と同様の方法により5価のバナジウムイオンを含む電解液組成物を10mL調製した。
4価のバナジウムイオンを含む電解液及び5価のバナジウムイオンを含む電解液の析出試験を、実施例1と同様に実施した。4価のバナジウムイオンを含む電解液には析出物は発生しなかった。5価のバナジウムイオンを含む電解液には析出物が発生した。その結果を表1に示す。
(クエン酸の溶解度)
クエン酸の水に対する溶解度は、0℃で5.00mol/kg−H2O、10℃で6.16mol/kg−H2Oであった。式1に0℃の水に対する溶解度と10℃の水に対する溶解度の値を代入し、算出された−5℃の水に対する溶解度は、4.42mol/kg−H2Oであった。また、クエン酸の50℃の水に対する溶解度は、12.7mol/kg−H2Oであった。
50mLポリプロピレン製容器に、酸化硫酸バナジウム6.9gと純水7.9mLとを仕込み、ウォーターバスにて50〜60℃程度に加温し、スターラーチップにて30分撹拌し、溶解させた。その後無水クエン酸17.3gを添加し、ウォーターバスにて60℃程度に加温し、スターラーチップにて30分撹拌した。以上の手順により、バナジウム濃度が3mol/L、硫酸イオン濃度が3mol/Lであり、クエン酸が完溶せず、一部固体状態で存在している組成物を調製し、4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物10mLを得た。
上記4価のバナジウムイオンを含む電解液を用いて、実施例1と同様の方法により5価のバナジウムイオンを含む電解液組成物を10mL調製した。
4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物及び5価のバナジウムイオンを含む電解液組成物の析出試験を、実施例1と同様に実施した。4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物には析出物が発生した。5価のバナジウムイオンを含む電解液組成物には析出物が発生しなかった。その結果を表1に示す。
500mLポリプロピレン製容器に、酸化硫酸バナジウム69gと純水79mLとを仕込み、ウォーターバスにて50〜60℃程度に加温し、スターラーチップにて30分撹拌し、溶解させた。dl−マンデル酸を46g添加し、25℃環境下でスターラーチップにて30分撹拌した。以上の手順により、バナジウム濃度が3mol/Lであり、硫酸イオン濃度が3mol/Lであり、dl−マンデル酸が完溶せず、一部固体状態で存在している組成物を調製し、これを4価のバナジウムイオンを含む電解液組成物とした。
粉体の流動層について詳細に説明する。図2にdl−マンデル酸の粉体流動層の一例の概略図を示す。実施例2で調製した電解液組成物を投入した粉体状態のdl−マンデル酸粉体を、粉体流動層保持部8と、その内部に備え付けられたガラスフィルター9で保持した。粉体流動層保持部8内に満たされた溶液は、送液ポンプ11等によって送液チューブ10を介して送液されることで、粉体流動層保持部8の上部から排出され、送液ポンプ11を通過しガラスフィルター9の下部より粉体流動層保持部8の内部に流入するような流れができる。その流れにより、ガラスフィルター9上部に保持されたdl−マンデル酸の粉体が常に流動しているようなdl−マンデル酸の粉体の流動層7を形成した。
2:正極電解液タンク
3:負極電解液タンク
4:送液チューブポンプ
5:送液チューブ
6:グラスウール
7:dl−マンデル酸の粉体の流動層
8:粉体流動層保持部
9:ガラスフィルター
10:送液チューブ
11:送液ポンプ
Claims (9)
- 水と、
バナジウムイオンと、
50℃の水に対するモル溶解度が4.0mol/kg−H2O以上であり、−5℃の水に対するモル溶解度が1.5mol/kg−H2O以下である、酸及び/又は塩と、
を含み、
前記酸及び/又は塩が、マンデル酸、マンデル酸誘導体、マンデル酸塩、及びマンデル酸誘導体の塩からなる群より選択される少なくとも1種を含む、
電解液組成物。 - 前記バナジウムイオンのモル濃度が、2.0mol/Lを超える、請求項1に記載の電解液組成物。
- 前記酸及び/又は塩の他に、アニオン性物質を少なくとも1種類含む、請求項1又は請求項2に記載の電解液組成物。
- 前記アニオン性物質が硫酸イオンを含む、請求項3に記載の電解液組成物。
- 前記アニオン性物質のモル濃度が、前記バナジウムイオンのモル濃度の10倍以下である、請求項3又は請求項4に記載の電解液組成物。
- 前記電解液組成物中の前記酸及び/又は塩が、50℃において一部が固体状態で存在する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電解液組成物。
- 前記固体である、酸及び/又は塩が、粉体層を形成する、請求項6に記載の電解液組成物。
- 前記粉体層が、流動層である、請求項7に記載の電解液組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の電解液組成物を含む、レドックスフロー電池。
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| JP2013109197A JP6180189B2 (ja) | 2013-05-23 | 2013-05-23 | 電解液組成物及びレドックスフロー電池 |
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