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JP6180775B2 - 鋼管・コンクリート複合構造橋脚 - Google Patents
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本発明は、主として高橋脚に適用される鋼管・コンクリート複合構造橋脚に関する。
橋脚を構築するにあたり、高さの低い橋脚であればともかく、高橋脚を鉄筋コンクリート構造で構築しようとすると、輻輳する鉄筋の配筋作業や型枠の組立及び撤去作業に多くの時間を要するため、高強度と急速施工の要請に応えることができない。
そのため、中空鋼管とその周囲に打設形成されたコンクリート体とからなる鋼管・コンクリート複合構造橋脚を滑動型枠装置を用いて構築する施工方法が広く採用されており、かかる施工方法によれば、溶接による接合が容易でなおかつ曲げ及びせん断耐力が大きい中空鋼管に鉄筋の一部を代替させることで該鉄筋の配筋量を少なくするとともに、先行建込みされた中空鋼管に滑動型枠装置を吊り下げることでスリップフォーム工法による施工を行い、さらには、横筋としてPCストランドを採用することにより、巻付け機による効率的な巻付けが可能となるため、高橋脚を急速施工することができる。
特許第2591422号公報
このように、橋脚本体については、中空鋼管やPCストランドを用いつつ、スリップフォーム工法で施工することにより、鉄筋工事、型枠工事及びコンクリート工事の作業性を格段に向上させることができる。
一方、中空鋼管とフーチングとが取り合う箇所では、中空鋼管の周囲に補強筋を配置した上、該補強筋を取り囲むように建て込まれた型枠内にコンクリートを打設するという一般的な鉄筋コンクリート工事の手順で施工が行われるが、高橋脚の場合、脚部に生じる曲げモーメントや引抜き力が大きくなり、その分、中空鋼管とフーチングの接合部に高い強度が要求される。
しかしながら、橋脚の高さに見合った定着強度を得るには、特許文献1に記載されているように、中空鋼管のうち、フーチングに埋設される範囲に、ピッチ40mm程度以下、高さ2.5mm程度以上のスパイラル状のリブを外周面に突設するとともに、該リブに対向するように、縦筋及びスパイラル筋からなる補強筋を中空鋼管の周囲に配筋しなければならず、それゆえ、中空鋼管の周囲で鉄筋が複雑に交錯し、フーチングの鉄筋コンクリート工事に時間がかかるという問題や、中空鋼管の製作コストが高くなるという問題を生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、中空鋼管の脚部を高い強度でフーチングに定着可能で作業性にも優れなおかつ中空鋼管の製作コストを低減可能な鋼管・コンクリート複合構造橋脚を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚は請求項1に記載したように、フーチングと該フーチングに立設された橋脚本体とを備えるとともに、該橋脚本体を、鋼管群として複数立設された中空鋼管とそれらの周囲に配置されたコンクリート体とで構成した鋼管・コンクリート複合構造橋脚において、
前記コンクリート体を、前記橋脚本体の表面側近傍に沿って建て込まれた縦筋と前記鋼管群を取り囲むように該縦筋の外側に巻回された引張材と前記縦筋及び前記引張材が埋設されるように前記中空鋼管の周囲に打設されたコンクリートとで構成するとともに、前記中空鋼管をその下端が前記フーチングに埋設されるように該フーチングに接合し、前記中空鋼管の管壁のうち、前記フーチングに埋設される範囲に該中空鋼管の内外を連通させる連通孔を設け、該連通孔に満たされたコンクリートを介して前記中空鋼管内のコンクリートと該中空鋼管の周囲に拡がるコンクリートとを一体化させたものである。
また、本発明に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚は、前記連通孔にロッド状部材を挿通配置したものである。
また、本発明に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚は、前記ロッド状部材が前記連通孔の近傍にのみ延びるように該ロッド状部材を短鉄筋で構成したものである。
本発明に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚においては、中空鋼管をその下端がフーチングに埋設されるように該フーチングに接合するにあたり、中空鋼管の管壁のうち、フーチングに埋設される範囲に該中空鋼管の内外を連通させる連通孔を設けるとともに、該連通孔に満たされたコンクリートを介して中空鋼管内のコンクリートと該中空鋼管の周囲に拡がるコンクリートとを一体化させてある。
このようにすると、中空鋼管に引抜き又は曲げによる引張力が作用したとき、中空鋼管には、その外周面のみならず、内周面にもコンクリートからの付着応力が作用するとともに、連通孔に満たされたコンクリートが、それに一体化された中空鋼管内外のコンクリートに対してせん断抵抗するため、従来のように、リブ付き鋼管を用いたりその周囲に補強筋を配置したりせずとも、中空鋼管を高い強度でフーチングに定着することができる。
加えて、中空鋼管の内部空間のうち、フーチングに埋設される範囲には、中空鋼管の管壁に応力集中が生じて局部座屈を生じることがないよう、コンクリートを充填して剛性を高める必要があるが、上述のように構成すれば、コンクリート打設の際、連通孔を介してコンクリートを流出入させることができるため、中空鋼管内へのコンクリートの充填性や作業性を高めることも可能となる。
ここで、フーチングへの中空鋼管の定着強度が上述の構成では十分でない場合、上述の連通孔にロッド状部材を挿通配置した構成を採用することができる。
かかる構成によれば、連通孔に挿通配置されたロッド状部材がシアキーとして作用するため、フーチングへの中空鋼管の定着強度はさらに向上する。
ロッド状部材は、管壁に対してほぼ垂直となるように連通孔に挿通配置するのが望ましい。
また、本発明に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚によれば、フーチングにおける鉄筋コンクリート工事の作業性が大幅に改善されるため、橋脚本体の工事を早期に開始することが可能となる。
本実施形態に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚を示した全体図であり、(a)は橋軸方向から見た鉛直断面図、(b)は橋軸直交方向(A−A線方向)から見た矢視図。 本実施形態に係る鋼管とフーチングの接合構造を示した全体図であり、(a)は側面図、(b)は鉛直断面図。 本実施形態に係る鋼管とフーチングの接合構造の作用を示した説明図。 変形例に係る鋼管とフーチングの接合構造を示した全体図であり、(a)は側面図、(b)は鉛直断面図、(c)はB−B線に沿う水平断面図。 変形例に係る鋼管とフーチングの接合構造の作用を示した説明図。
以下、本発明に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚を示した全体図であり、(a)は橋軸方向から見た鉛直断面図、(b)は橋軸直交方向(A−A線方向)から見た矢視図である。
これらの図でわかるように、本実施形態に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚1は、地盤2内に造成された鉄筋コンクリートからなるフーチング3、該フーチングに立設された橋脚本体4及び該橋脚本体の上端に架け渡された上部工である橋桁5で構成してある。
橋脚本体4は、フーチング3から立ち上げられ地表面からH1の高さ区間に延設された本体下部4aと、その上方のH2の高さ区間に延設された本体中間部4bと、その上方のH3の高さ区間に延設された本体上部4cとで構成してあり、本体下部4aは、フーチング3に立設された複数の中空鋼管6と、それらの周囲に配置された鉄筋コンクリートからなるコンクリート体7aとで構成してあるとともに、中空鋼管6は、橋軸方向に沿って2列、橋軸直交方向に沿って4列となるように鋼管群として配置してある。
また、本体中間部4bは、本体下部4aから延びる複数の中空鋼管6及びそれらの周囲に配置されたコンクリート体7bで、本体上部4cは、本体中間部4bから延びる複数の中空鋼管6及びそれらの周囲に配置されたコンクリート体7cでそれぞれ構成してある。
コンクリート体7b,7cは、橋脚本体4b,4cの表面側近傍に沿って建て込まれた縦筋の外側に複数の中空鋼管6からなる鋼管群を取り囲むように、PCストランド等で構成された引張材を巻回した上、それらが埋設されるように中空鋼管6の周囲にコンクリートを打設することで適宜構成すればよい。
図2は、中空鋼管6とフーチング3との接合部を本実施形態に係る鋼管とフーチングの接合構造21として示したものである。同図に示すように、中空鋼管6は、その下端がフーチング3に埋設されるように該フーチングに接合してあるとともに、該中空鋼管の管壁22のうち、フーチング3に埋設される範囲に中空鋼管6の内外を連通させる連通孔23を設け、該連通孔に満たされたコンクリートを介して、中空鋼管6内のコンクリート24と該中空鋼管の周囲に拡がるコンクリート25を一体化させてある。
連通孔23は、該連通孔に満たされ固化したコンクリートとそれに一体化された中空鋼管6の内外のコンクリートとの間でせん断力が伝達されるように、その大きさやピッチを適宜設定する。
本実施形態に係る鋼管とフーチングの接合構造21を構築するには、まず、一般的なフーチングの造成手順に従って地盤2を掘り下げるとともに掘り下げられた底面を適宜底付けし、しかる後、図2に示す下端筋26を配筋するとともに、中空鋼管6を仮受けするための架台(図示せず)をその載置面が該中空鋼管の下端位置となるように設置する。
次に、中空鋼管6を架台上に据え付け、次いで上端筋27を配筋する。なお、本実施形態では、中空鋼管6を取り囲む補強筋の配筋作業は不要である。
次に、型枠(図示せず)を適宜建て込んだ後、該型枠の内側にコンクリートを打設してフーチング3の造成を完了する。
コンクリートを打設する際には、中空鋼管6の外側に投入されたコンクリートを中空鋼管6の管壁22に形成された連通孔23を介して該中空鋼管の内部に流入させ、又はその逆方向に流出させるようにしてもよいが、コンクリートの品質を確保するためには、中空鋼管6の外側と内側にそれぞれコンクリートを投入し、それらを個別に締め固めつつ、連通孔23にもコンクリートが連続して満たされるようにするのが望ましい。
本実施形態に係る鋼管とフーチングの接合構造21においては、中空鋼管6に引抜き又は曲げによる引張力が作用したとき、中空鋼管6には、図3に示すようにその外周面(同図右側の面)のみならず、内周面(同図左側の面)にもコンクリートからの付着応力や周面摩擦力が作用するとともに、中空鋼管6内のコンクリート24と該中空鋼管の周囲に拡がるコンクリート25が、連通孔23に満たされたコンクリート31を介して一体化されているため、コンクリート24,25からのせん断力がコンクリート31に作用し(太い矢印で図示)、さらに連通孔23へと伝達する。
以上説明したように、本実施形態に係る鋼管とフーチングの接合構造21によれば、中空鋼管6の管壁22のうち、フーチング3に埋設される範囲に中空鋼管6の内外を連通させる連通孔23を設け、該連通孔に満たされたコンクリート31を介して、中空鋼管6内のコンクリート24と該中空鋼管の周囲に拡がるコンクリート25とを一体化させるようにしたので、中空鋼管6に引張力が作用したとき、該中空鋼管の内周面及び外周面には、コンクリート24,25からの付着応力や周面摩擦力が反力として作用するとともに、連通孔23には、コンクリート31を介してコンクリート24,25からのせん断力が反力として作用する。
そのため、従来のように、リブ付き鋼管を用いたりその周囲に補強筋を配置したりせずとも、中空鋼管6を高い強度でフーチング3に定着することが可能となる。
加えて、中空鋼管6の内部空間のうち、フーチング3に埋設される範囲には、中空鋼管6の管壁22に応力集中が生じて局部座屈を生じることがないよう、コンクリートを充填して剛性を高める必要があるが、上述のように構成すれば、コンクリート打設の際、連通孔23を介してコンクリートを流出入させることができるため、中空鋼管6内へのコンクリートの充填性や作業性を高めることも可能となる。
また、本実施形態に係る鋼管・コンクリート複合構造橋脚1によれば、上述した鋼管とフーチングの接合構造21の作用により、フーチング3における鉄筋コンクリート工事の作業性が大幅に改善されることとなり、かくして橋脚本体4の工事を早期に開始することが可能となる。
本実施形態では特に言及しなかったが、フーチング3への中空鋼管6の定着強度が上述の構成では十分でない場合、図4に示した変形例を採用することができる。
同図に示した変形例に係る鋼管とフーチングの接合構造41は、上述した実施形態と同様、中空鋼管6をその下端がフーチング3に埋設されるように該フーチングに接合するとともに、中空鋼管6の管壁22のうち、フーチング3に埋設される範囲に中空鋼管6の内外を連通させる連通孔23を設け、該連通孔に満たされたコンクリートを介して中空鋼管6内のコンクリート24と該中空鋼管の周囲に拡がるコンクリート25とを一体化させてあるが、本変形例では、ロッド状部材としての短鉄筋42を、管壁22に対してほぼ垂直となるように連通孔23に挿通配置してある。
かかる構成において中空鋼管6に引張力が作用したときも上述の実施形態と同様、図5に示すように、中空鋼管6の内周面及び外周面にコンクリート24,25からの付着応力や周面摩擦力が反力として作用するとともに(細い矢印で図示)、連通孔23には、コンクリート31を介してコンクリート24,25からのせん断力が反力として作用するが(太い矢印で図示)、これらに加え、連通孔23に挿通配置された短鉄筋42がシアキーとして作用するため(白抜きの矢印で図示)、フーチング3への中空鋼管6の定着強度はさらに向上する。
1 鋼管・コンクリート複合構造橋脚
3 フーチング
4 橋脚本体
6 中空鋼管(鋼管群)
7a,7b コンクリート体
21,41 鋼管とフーチングの接合構造
22 管壁
23 連通孔
31,24,25 コンクリート
42 短鉄筋(ロッド状部材)

Claims (3)

  1. フーチングと該フーチングに立設された橋脚本体とを備えるとともに、該橋脚本体を、鋼管群として複数立設された中空鋼管とそれらの周囲に配置されたコンクリート体とで構成した鋼管・コンクリート複合構造橋脚において、
    前記コンクリート体を、前記橋脚本体の表面側近傍に沿って建て込まれた縦筋と前記鋼管群を取り囲むように該縦筋の外側に巻回された引張材と前記縦筋及び前記引張材が埋設されるように前記中空鋼管の周囲に打設されたコンクリートとで構成するとともに、前記中空鋼管をその下端が前記フーチングに埋設されるように該フーチングに接合し、前記中空鋼管の管壁のうち、前記フーチングに埋設される範囲に該中空鋼管の内外を連通させる連通孔を設け、該連通孔に満たされたコンクリートを介して前記中空鋼管内のコンクリートと該中空鋼管の周囲に拡がるコンクリートとを一体化させたことを特徴とする鋼管・コンクリート複合構造橋脚。
  2. 前記連通孔にロッド状部材を挿通配置した請求項1記載の鋼管・コンクリート複合構造橋脚。
  3. 前記ロッド状部材が前記連通孔の近傍にのみ延びるように該ロッド状部材を短鉄筋で構成した請求項2記載の鋼管・コンクリート複合構造橋脚。
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