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JP6184387B2 - 回転電機、及び回転電機の製造方法 - Google Patents
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JP6184387B2 - 回転電機、及び回転電機の製造方法 - Google Patents

回転電機、及び回転電機の製造方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、回転電機、及び回転電機の製造方法に関する。
回転電機の固定子に挿入されるコイルの巻き方として、重ね巻き方式がある。重ね巻き方式とは、複数のコイルを固定子の周方向に並べて、隣接するコイルの一部が相互に固定子の径方向に重なるようにし、その重なりの内側と外側とが交互に入れ替わるようにして巻く方式をいう。この重ね巻き方式は、各相各極のコイルを、挿入するスロットを所定ピッチずつずらしながら固定子の径方向へ交互に重ねて配置することで構成される。通常、コイルは、例えば銅線を多数回巻いて構成されるため柔軟性に乏しく、コイルをスロットへ挿入する際の操作性が悪かった。
そのため、例えば各相各極のコイルを複数に分けて、段階的にスロットへ挿入する方法が提案されている。
特開平10−28346号公報
しかし、回転電機には、例えば各相各極がスロットピッチの異なる大小2つのコイルで構成されているものがある。このようなものについて、単純にコイルを分割して複数回挿入する方式を採用すると、分割前のコイルの数に分割した数を乗じた数のコイルを製造しなければならなくなる。そうすると、コイルをスロットへ挿入する際の操作性は向上するものの、個々のコイルを製造するための工数や、挿入前のコイルを配置する際の工数が多くなる。その結果、このような工数の増大が、かえって生産性の向上を阻害する要因となっていた。
そこで、重ね巻き方式において、固定子に挿入される個々のコイルに関する工数を低減し、生産性の向上が図られる回転電機、及び回転電機の製造方法を提供する。
実施形態の回転電機は、固定子と、前記固定子に対して回転可能に設けられた回転子と、を備える。前記固定子は、コイルが挿入されるスロットと、種類毎に異なるスロットピッチで前記スロットに挿入される複数種類の単位コイルと、複数種類の前記単位コイルを重ね巻き方式で配置し前記固定子の径方向に重ねて配置される複数のコイル群と、を有する。前記各コイル群は、前記スロットに挿入されていない状態において同一の配置構成であり、相互に所定スロットピッチずらして前記スロットに挿入されている。
実施形態の回転電機の製造方法は、種類毎に異なるスロットピッチで前記スロットに挿入される複数種類の単位コイルを製造する単位コイル製造工程と、複数種類の前記単位コイルを重ね巻き方式で前記スロットに挿入可能なコイル群を複数製造するコイル群製造工程と、前記各コイル群を、前記固定子の径方向に重ねて配置するとともに、相互に所定スロットピッチずらして前記スロットに挿入するコイル挿入工程と、を含む。
第1実施形態による回転電機の一例を示す図 第1コイル群及び第2コイル群における単位コイルの配置を直線状に展開して示す図 第2実施形態による図2相当図 第3実施形態による図2相当図 第4実施形態による図2相当図
以下、複数の実施形態による回転電機、及び回転電機の製造方法について、図面を参照して説明する。なお、各実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、各実施形態において、「コイル」とは、銅線を所定回数巻回して環状に形成したものを意味する。「単位コイル」は、製造されるコイルの最小単位を意味する。
(第1実施形態)
[構成]
図1に示す回転電機10は、本発明の回転電機の一例として示すもので、インナロータ型の3相4極の永久磁石モータである。なお、回転電機10は、永久磁石モータに限られず、誘導電動機であっても良い。また、回転電機10は、インナロータ型に限られず、アウタロータ型でも良い。
回転電機10は、回転子20及び固定子30を備えている。回転子20は、回転子鉄心21及び複数この場合4個の永久磁石22を有している。回転子20は、例えば電磁鋼板をプレスで打ち抜いて円環状に形成された鉄心片を、複数枚積層して一体的に構成されている。回転子20の中心部に形成された穴部23には、図示しない回転軸が設けられる。永久磁石22は、回転子20の周方向に沿って等間隔に設けられている。永久磁石22は、回転子20の周方向において互いに極性の異なる磁極すなわちN極またはS極が交互となるように配置されている。
固定子30は、固定子鉄心31を有している。固定子鉄心31は、例えば電磁鋼板をプレスで打ち抜いて円環状に形成された鉄心片を、複数枚積層して一体的に構成されている。固定子鉄心31は、複数この場合36個のティース32と、隣接するティース32の間に形成された複数この場合36個のスロット33と、を有している。各スロット33は、等間隔に配置されており、中心側が開口して固定子鉄心31の径方向の外側へ向けて窪んだ溝形状に形成されている。
固定子30は、第1コイル群411及び第2コイル群412を有している。第1コイル群411と第2コイル群412とは、固定子30の径方向に重ねるようにして配置されている。この場合、第1コイル群411は、固定子30において径方向の外側つまり外周側に設けられる。第2コイル群412は、固定子30において径方向の内側つまり内周側、すなわち第1コイル群411に対して固定子30の径方向の内側に設けられる。
第1コイル群411及び第2コイル群412は、複数種類の単位コイル、この場合、第1単位コイル51と第2単位コイル52との2種類の単位コイルから構成されている。この場合、第1単位コイル51と第2単位コイル52とは、銅線の巻数すなわちターン数が同一で、コイルの外径及びスロットピッチが異なる。第1単位コイル51は、9スロットピッチで配置されている。第2単位コイル52は、7スロットピッチで配置されている。なお、本実施形態の説明において、スロットピッチとは、基準となるスロット33から対象とするスロット33までのスロット33の個数を意味する。例えば、第1単位コイル51が9スロットピッチで配置されているとは、第1単位コイル51の一端が挿入されているスロット33の次のスロット33から数えて9個目のスロットに当該第1単位コイル51の他端が挿入されていることを意味する。
第1単位コイル51は、第2単位コイル52よりも外径が大きい。したがって、第1単位コイル51の総長は、第2単位コイル52の総長よりも長い。また、第1単位コイル51と、その第1単位コイル51に隣接して配置された第2単位コイル52とによって、組合せコイル53が構成されている。すなわち、組合せコイル53は、スロットピッチの異なる2つの単位コイル、この場合、第1単位コイル51及び第2単位コイル52とから構成されている。なお、第1単位コイル51は、第2単位コイル52に対して、固定子鉄心31の径方向に対する内側又は外側のいずれであってもよい。
第1コイル群411及び第2コイル群412は、各組合せコイル53と、組合せコイルを構成しない単位コイル52と、をスロット33に重ね巻き方式で挿入して構成されている。ここで、重ね巻き方式とは、図1に示すように、固定子鉄心31の周方向に隣接する各コイル、この場合、組合せコイル53及び組合せコイル53を構成しない第2単位コイル52が、固定子鉄心31の径方向に交互に重なるとともに、その重なりの内側と外側とが交互に入れ替わるように各コイルを巻く方式をいう。
この場合、ある組合せコイル53について見ると、第2単位コイル52は、第1単位コイル51に対して内側のスロット33に配置されている。つまり、第2単位コイル52は、第1単位コイル51に対して、第1単位コイル51の中心部側のスロット33に配置されている。したがって、組合せコイル53を構成する第1単位コイル51と第2単位コイル52とは、同心状に巻かれている。しかし、組合せコイル53を構成する第1単位コイル51と第2単位コイル52とが同心状に巻かれていることによって、組合せコイル53と、組合せコイル53を構成しない第2単位コイル52と、が重ね巻き方式で固定子鉄心31に配置されていることは否定されない。
固定子30のスロット33には、第1コイル群411の単位コイル51、52のうちいずれか一方の端部と、第2コイル群412の単位コイル51、52のうちいずれか一方の端部と、が挿入されている。そのため、一のスロット33に挿入される単位コイル51、52の巻数の合計は、各単位コイル51、52の2倍になる。また、一のスロット33に挿入される各単位コイル51、52の巻数の合計は、各スロット33において等しくなる。
なお、「各スロット33において等しい」とは、各スロット33における単位コイル51、52の巻数の合計が完全に等しい場合のみならず、若干の差がある場合も含まれる。すなわち、例えば、固定子30の回転位置を検出するために、一部のスロット33についてコイルの巻数を変化させることが考えられる。しかし、このように、各スロット33における各単位コイル51、52の巻数の合計に若干の差がある場合であっても、その差がモータ特性に実質的に影響を及ぼさない程度の範囲であれば、各スロット33における巻数の合計の差は、実質的に等しいものとして許容される。
第1コイル群411と第2コイル群412とは、固定子30に挿入されていない状態において、第1単位コイル51と第2単位コイル52との配置が同一である。そして、第1コイル群411と第2コイル群412とは、挿入されるスロット33が異なることにより、固定子30に対する各単位コイル51、52の配置が異なっている。本実施形態において、第1コイル群411及び第2コイル群412は、それぞれ6個の第1単位コイル51と12個の第2単位コイルとを有している。
次に、第1コイル群411及び第2コイル群412における各単位コイル51、52の具体的な配置について説明する。図2は、第1コイル群411及び第2コイル群412における単位コイル51、52の配置を示すもので、図1の第1コイル群411及び第2コイル群412を直線状に展開した概念を示す図である。図2には、36個の各スロット3について、Nを1〜36の整数とし、あるスロット33を第1スロットとした場合のN番目のスロットを第Nスロットとして表している。
各スロット33には、第1単位コイル51又は第2単位コイル52の端部が挿入されている。図2では、各単位コイル51、52について、U相の単位コイル51、52を実線で示し、V相の単位コイル51、52を破線で示し、W相の単位コイル51、52を一点鎖線で示している。また、各スロット33に挿入されている端部について、U相の単位コイル51、52を円形、V相の単位コイル51、52を四角形、W相の単位コイル51、52を三角形で表している。
第1コイル群411において、6個の第1単位コイル51は、それぞれ第1、4、7、19、22、25スロットの外周側と、第10、13、16、28、31、34スロットの内周側とに挿入されている。12個の第2単位コイル52は、それぞれ第2、5、8、11、14、17、20、23、26、29、32、35スロットの外周側と、第9、12、15、18、21、24、27、30、33、36、3、6スロットの内周側とに挿入されている。これにより、各単位コイル51、52は、時計回り方向側が固定子30の内周側となり、反時計回り方向側が固定子鉄心31の外周側となるように、隣接する各単位コイル51、52が順に重なるように配置されている。
第1単位コイル51と、その第1単位コイル51の内側のスロット33に挿入される第2単位コイル52とによって、組合せコイル53が構成されている。すなわち、本実施形態の場合、第1、4、7、19、22、25スロット及び第10、13、16、28、31、34スロットに挿入される6個の第1単位コイル51と、第2、5、8、20、23、26スロット及び第9、12、15、27、30、33スロットに挿入される6個の第2単位コイル52とによって、6組の組合せコイル53が構成されている。
そして、各相の各極は、3相とも組合せコイル53によって構成される極と、3相とも第2単位コイル52によって構成される極とが、交互に配置されている。つまり、第1コイル群411における各相の各極は、第1単位コイル51及び各第1単位コイル51に対して固定子鉄心31の内径側に第2単位コイル52を配置した組合せコイル53から構成される極と、1つの第2単位コイル52から構成される極と、を交互に配置して構成されている。
第2コイル群412は、固定子30に配置されていない状態では、第1コイル群411と同一の構成である。第2コイル群412は、第1コイル群411に対して、360度を極数で割った角度、この場合、機械角で90度つまり9スロットピッチずらして、固定子30に配置されている。すなわち、第2コイル群412において、6個の第1単位コイル51は、それぞれ第10、13、16、28、31、34スロットの外周側と、第19、22、25、1、4、7スロットの内周側とに挿入されている。12個の第2単位コイル52は、それぞれ第2、5、8、11、14、17、20、23、26、29、32、35スロットの外周側と、第9、12、15、18、21、24、27、30、33、36、3、6スロットの内周側とに挿入されている。
この場合、6組の組合せコイル53は、それぞれ第10、13、16、28、31、34スロット及び第19、22、25、1、4、7スロットに挿入される6個の第1単位コイル51と、第11、14、17、29、32、35スロット及び第18、21、24、36、3、6スロットに挿入される6個の第2単位コイル52とによって構成されている。第1コイル群411と第2コイル群412とにおいて、各第2単位コイル52の配置は同一である。すなわち、第1コイル群411と第2コイル群412とにおいて、第2単位コイル52は、その両端が挿入されるスロットの間隔が9スロットピッチで形成され、かつ、各第2単位コイル52が9スロットピッチ間隔で固定子鉄心31に配置されている。
そして、第2コイル群412についても、各相の各極は、3相とも組合せコイル53によって構成される極と、3相とも第2単位コイル52によって構成される極とが、交互に配置されている。つまり、第2コイル群412における各相の各極は、第1単位コイル51及び各第1単位コイル51に対して固定子鉄心31の外径側に第2単位コイル52を配置した組合せコイル53から構成される極と、1つの第2単位コイル52から構成される極と、を交互に配置して構成されている。
固定子鉄心31に第1コイル群411及び第2コイル群412が配置された状態において、各スロット33には、第1コイル群411を構成する第1単位コイル51又は第2単位コイル52のうちいずれ1つの単位コイルの端部と、第2コイル群412を構成する第1単位コイル51又は第2単位コイル52のうちいずれか1つの単位コイルの端部と、が挿入されている。すなわち、各スロット33には、2つの単位コイル51、52のそれぞれの端部が挿入されている。そして、各単位コイル51、52の巻数は同一である。したがって、各スロット33に挿入された単位コイルの巻数、すなわちスロット33に挿入されている銅線の本数は同一になる。
[製造方法]
次に、上記構成の回転電機10の製造方法について説明する。
まず、単位コイル製造工程が実行される。単位コイル製造工程では、図示しない巻線機によって第1単位コイル51と第2単位コイル52とが製造される。次に、コイル群製造工程が実行される。コイル群製造工程では、6個の第1単位コイル51と12個の第2単位コイル52とが重ね巻き方式で配置されて、第1コイル群411及び第2コイル群412が製造される。この時点では、第1コイル群411と第2コイル群412とで構成上の差はない。
その後、コイル挿入工程が実行される。コイル挿入工程では、スロット33に挿入されていない状態で同一構成となる第1コイル群411及び第2コイル群412が、相互に所定のスロットピッチずらしてスロット33に挿入される。すなわち、コイル挿入工程では、まず、第1コイル群411の各単位コイル51、52の端部が、それぞれ固定子30のスロット33内に挿入される。これにより、第1コイル群411が、固定子30の外周側に配置される。次に、第2コイル群412が、第1コイル群411に対して所定スロットピッチこの場合9スロットピッチ周方向へずらしてスロット33内に挿入される。これにより、第2コイル群412が、固定子30の内周側、すなわち第1コイル群411に対して内周側に配置される。
その後、コイルエンド拡開工程が実行される。コイルエンド拡開工程では、詳細は図示しないが、第1コイル群411及び第2コイル群412のコイルエンドが拡開される。これにより固定子30が完成する。その後、固定子30は、次の工程において回転子20と組合わされ、これにより回転電機10が完成する。
なお、図1に示すように、固定子30は、第1コイル群411と第2コイル群412との間の電気的な絶縁を確保するための絶縁紙34や、相間の電気的な絶縁を確保するための図示しない相間絶縁紙を備えている。絶縁紙34は、第1コイル群411と第2コイル群412との間に設けられている。絶縁紙34は、例えば絶縁性を有するアラミド紙を帯状に切断し、その帯状の両端を接続して環状に構成されたものである。図示しない相間絶縁紙は、第1コイル群411における各相の単位コイル51、52の相互間、及び第1コイル群411における各相の単位コイル51、52の相互間に設けられている。相間絶縁紙は、例えば絶縁性を有する矩形状のアラミド紙で構成されている。ちなみに、本実施形態の場合、スロット33内においては、異相のコイルが存在しないため、スロット33内に相間絶縁紙は設ける必要はない。
以上の実施形態によれば、各相のコイルは、第1コイル群411と第2コイル群412との複数に分けて、固定子30のスロット33に挿入される。そのため、一度にスロット33に挿入する銅線の本数を低減することができるため、コイルの柔軟性が増す。したがって、第1コイル群411及び第2コイル群412をスロット33に挿入する際の操作性が向上し、これにより、スロット33に対するコイルの挿入を容易なものとすることができる。その結果、回転電機10の生産性の向上を図ることができる。
更に、第1コイル群411及び第2コイル群412を構成する第1単位コイル51及び第2単位コイル52は、同一の巻数である。したがって、複数段階に分けてコイルをスロット33に挿入するために、巻数が異なる複数種類の単位コイルを製造する必要がない。そのため、単位コイルの製造工数を削減することができ、その結果、生産性の更なる向上を図ることができる。
更に、第1コイル群411と第2コイル群412とは、スロット33に挿入される前の状態において同一の構成である。したがって、第1コイル群411と第2コイル群412とを製造する工程を共通化することができる。よって、第1コイル群411及び第2コイル群412の製造工程を削減することができ、その結果、固定子30の製造工程を削減することができる。
また、例えば大小2個のコイルで1極を構成したもので、従来のように単純にコイルを複数に分割したものの場合、必要な単位コイルの総数は、1極のコイル数×極数×相数×分割数となる。この場合、例えば本実施形態と同様に、3相4極で2段に分割したものにおいて、必要な単位コイルの総数は、1極のコイル数(2個)×極数(4極)×相数(3相)×分割数(2段)=48個となる。一方、本実施形態においては、必要な単位コイルの総数は、(第1単位コイル51の数(6個)+第2単位コイル52の数(12個))×コイル群の数(2個)=36個となる。したがって、本実施形態によれば、従来構成に比べて必要な単位コイルの数を削減することができる。これにより、単位コイル51、52を製造するための工数や、固定子30に配置するための工数を削減することができ、その結果、その結果、回転電機10の生産性の更なる向上を図ることができる。
ここで、各単位コイル51、52において固定子30のスロット33から突出した部分をコイルエンドと言うが、このコイルエンドは、モータ特性に寄与しない部分であるため、できるだけ低減することが望ましい。しかし、従来の全てのコイルを同一工程でスロットに挿入する製造方法では、コイルの柔軟性が低く、コイルを高密度に配置することができないため、コイルエンドの小型化が難しかった。一方、本実施形態によれば、コイルを、第1コイル群411と第2コイル群412とに分けてスロット33に挿入することで、一回の挿入時におけるコイルの柔軟性を高くすることができる。これにより、コイルエンドを小さくすることができる。その結果、回転電機10全体を小型化することができ、ひいては、同一サイズの回転電機において従来のものに比べて高効率化を図ることができる。また、コイルエンドを小さくすることで、コイルの銅線の総長を短くすることができる。これにより、コイルに要する銅線の量を削減することができ、その結果、コストを低減することができる。
なお、第1コイル群411及び第2コイル群412を次のように変形してもよい。すなわち、第1コイル群411において、例えば第1単位コイル51の巻数をX1に設定し、第2単位コイル52の巻数をX2に設定する。一方、第2コイル群412において、第1単位コイル51の巻数をX2に設定し、第2単位コイル52の巻数をX1に設定する。これによれば、各スロット33に挿入される巻線の合計をX1+X2に揃えることができる。したがって、これによれば、第1コイル群411と第2コイル群412とを個別に製造する必要はあるものの、各コイル群411,412をスロット33に挿入する際の操作性等において、上記構成と同様の効果が得られる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図3を参照して説明する。
第2実施形態において、固定子30は、第1実施形態の第1コイル群411及び第2コイル群412に換えて、第1コイル群421及び第2コイル群422を備えている。第2実施形態のコイル群421、422は、第1実施形態のコイル群411、412と同じ個数の単位コイル51、52を有しているが、その単位コイル51、52の配置が第1実施形態と異なる。
この場合、第2実施形態の第1コイル群421は、第1実施形態の第1コイル群411に対して、V相の単位コイル51、52の配置を、360度を極数で割った角度、この場合、機械角で90度すなわち9スロットピッチずらした構成となっている。同様に、第2実施形態の第1コイル群421は、第1実施形態の第2コイル群412に対して、V層の単位コイル51、52の配置を、機械角で90度すなわち9スロットピッチずらした構成となっている。
ここで、第1実施形態の各コイル群411、412を見ると、図1に示すように、各相の組合せコイル53が3個連続して配置された部分と、各相の第2単位コイル52が3個連続して配置された部分とが交互に現れている。この場合、各相の組合せコイル53が3個連続して配置された部分の銅線の密度は、各相の第2単位コイル52が3個連続して配置された部分の銅線の密度に比べて大きい。コイルエンドを小型化することができる量は、銅線の密度が小さい部分に比べて、銅線の密度が大きい部分の方が少ない。そのため、図1のように、固定子30の周方向において銅線の密度が不均一になって、粗密状態が交互に現れると、コイルエンドの大きさにばらつきが生じる。その結果、全体としてコイルエンドの小型化量が少なくなる。
一方、本実施形態によれば、第1コイル群421及び第2コイル群422は、組合せコイル53と、第2単位コイル52とが交互に配置された構成になる。これにより、固定子30の周方向において、銅線の密度を平均化して均一にすることができる。その結果、全体としてコイルエンドの更なる小型化を図ることができる。
なお、本実施形態においても、第1コイル群421及び第2コイル群422を次のように変形してもよい。すなわち、第1コイル群421において、例えば第1単位コイル51の巻数をX1に設定し、第2単位コイル52の巻数をX2に設定する。一方、第2コイル群422において、第1単位コイル51の巻数をX2に設定し、第2単位コイル52の巻数をX1に設定する。これによれば、各スロット33に挿入される巻線の合計をX1+X2に揃えることができる。したがって、これによれば、第1コイル群421と第2コイル群422とを個別に製造する必要はあるものの、各コイル群421,422をスロット33に挿入する際の操作性等において、上記構成と同様の効果が得られる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図4を参照して説明する。
第3実施形態は、第1コイル群431及び第2コイル群432の構成が、第1実施形態の第1コイル群411及び第2コイル群412と異なる。すなわち、第3実施形態において、第1コイル群431及び第2コイル群432は、12個の第1単位コイル54と6個の第2単位コイル52とから構成されている。この場合、第3実施形態の第1単位コイル54の外径は、第1実施形態の第1単位コイル51の外径よりも小さい。すなわち、第3実施形態の第1単位コイル54の総長は、第1実施形態の第1単位コイル51の総長よりも短い。第1単位コイル54と第2単位コイル52とは、銅線の巻数が同一で、コイルの外径及びスロットピッチが異なる。第1単位コイル54は、8スロットピッチで配置されている。
第1コイル群431において、12個の第1単位コイル54は、それぞれ第1、2、4、5、7、8、19、20、22、23、25、26スロットの外周側と、第9、10、12、13、15、16、27、28、30、31、33、34スロットの内周側とに挿入されている。また、6個の第2単位コイル52は、それぞれ第11、14、17、29、32、35スロットの外周側と、第18、21、24、36、3、6スロットの内周側とに挿入されている。
この場合、隣接する2個の同相の第1単位コイル54によって、6組の組合せコイル55が構成されている。そして、各相の各極は、3相とも組合せコイル55によって構成される極と、3相とも第2単位コイル52によって構成される極とが、交互に配置されている。この構成によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、上記第1及び第2実施形態において、組合せコイル53は、異なるスロットピッチのコイル、この場合、9スロットピッチで配置された第1単位コイル51と、7スロットピッチで配置された第2単位コイル52とから構成されている。そのため、組合せコイル53において、第1単位コイル51又は第2単位コイル52のうち固定子鉄心31の外周側に配置されるコイルは、内周側に配置される他方のコイルを覆うようにして配置される。したがって、第1単位コイル51又は第2単位コイル52のうち固定子鉄心31の外周側に配置されるコイルは、全体として長くなりがちである。
一方、本実施形態において、組合せコイル55は、同一のスロットピッチのコイル、この場合、8スロットピッチで配置された2個の単位コイル54から構成されている。この場合、各単位コイル54は、同一のスロットピッチで配置されているため、各単位コイル54の一部が相互に重なるだけである。したがって、各単位コイル54が全体として長くなることを抑制することができる。その結果、上記各実施形態に比べて、組合せコイル55全体の銅線の総長を極力短くすることができ、コスト低減に繋がる。また、組合せコイル55全体の銅線の総長を極力短くすることで、上記各実施形態に比べてコイルエンドの更なる小型化を図ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図5を参照して説明する。
第4実施形態は、第2実施形態と同様の思想を、第3実施形態の構成に適用したものである。すなわち、第4実施形態において、固定子30は、第3実施形態の第1コイル群431及び第2コイル群432に換えて、第1コイル群441及び第2コイル群442を備えている。第4実施形態の第1コイル群441は、第3実施形態の第1コイル群431に対して、V相の単位コイル54、52の配置を、360度を極数で割った角度、この場合、機械角で90度すなわち9スロットピッチずらした構成となっている。
この構成によれば、上記第3実施形態と同様の作用効果に加え、上記第2実施形態と同様の作用効果も得られる。
以上説明した実施形態によれば、固定子は、同一の巻数で構成され、種類毎に異なるピッチでスロットに挿入される複数種類の単位コイルと、複数の単位コイルをスロットに重ね巻き方式で挿入して構成され、固定子の径方向に重ねて配置される複数のコイル群と、を有している。そして、各コイル群は、一のスロットに挿入される各単位コイルの巻数の合計が各スロットにおいて等しくなるように相互に所定スロットピッチずらしてスロットに挿入されている。
これによれば、上記各実施形態と同様の作用効果が得られる。更に、これによれば、コイル群毎に分けてコイルを固定子のスロットに挿入することができるため、1度に挿入するコイルの量を低減することができる。その結果、コイルの柔軟性が増し、コイルをスロットに挿入する際の操作性が向上し、これにより、回転電機の生産性の向上が図られる。更に、各コイル群は、スロットに挿入されていない状態において同一構成である。そのため、コイル群毎に異なる構成とする必要がない。したがって、コイル群を製造するための工数を極力低減することができ、その結果、回転電機の全体としての生産性を向上することができる。
また、本実施形態において、組合せコイル55は、上記第3実施形態と同様に、8スロットピッチで配置された2個の単位コイル54から構成されているため、組合せコイル55全体の銅線の総長を極力短くすることができる。更に、本実施形態において、第1コイル群441及び第2コイル群442は、組合せコイル55と、第2単位コイル52とが交互に配置された構成になる。したがって、固定子鉄心31の周方向において、銅線の密度を平均化して均一にすることができる。これにより、上記第3実施形態に比べてコイルエンドの更なる小型化を図ることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変更は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、10は回転電機、20は回転子、30は固定子、33はスロット、411、421、431、441は第1コイル群(コイル群)、412、422、432、442は第2コイル群(コイル群)、51、54は第1単位コイル(単位コイル)、52は第2単位コイル(単位コイル)、53、55は組合せコイルを示す。

Claims (7)

  1. 固定子と、前記固定子に対して回転可能に設けられた回転子と、を備え、
    前記固定子は、
    コイルが挿入されるスロットと、
    種類毎に異なるスロットピッチで前記スロットに挿入される複数種類の単位コイルと、
    複数種類の前記単位コイルを重ね巻き方式で配置し前記固定子の径方向に重ねて配置される複数のコイル群と、を有し、
    前記各コイル群は、前記スロットに挿入されていない状態において同一の配置構成であり、相互に所定スロットピッチずらして前記スロットに挿入されている回転電機。
  2. 前記各コイル群は、一の前記スロットに挿入される前記各単位コイルの巻数の合計が各スロットにおいて等しい請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記複数種類の単位コイルは、第1単位コイル及び第2単位コイルを含み、
    前記各コイル群における各相の各極は、前記第1単位コイルと前記第2単位コイルとを有する組合せコイルから構成される極と、1つの前記第2単位コイルから構成される極と、を交互に配置して構成されている請求項1又は2に記載の回転電機。
  4. 前記複数種類の単位コイルは、第1単位コイル及び第2単位コイルを含み、
    前記各コイル群における各相の各極は、2つの前記第1単位コイルを所定ピッチずらして配置した組合せコイルから構成される極と、1つの前記第2単位コイルから構成される極と、を交互に配置して構成されている請求項1又は2に記載の回転電機。
  5. 前記各コイル群は、前記組合せコイルと前記第2単位コイルとが交互に配置されている請求項3又は4に記載の回転電機。
  6. 前記単位コイルは、同一の巻数で構成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の回転電機。
  7. 種類毎に異なるスロットピッチで前記スロットに挿入される複数種類の単位コイルを製造する単位コイル製造工程と、
    複数種類の前記単位コイルを重ね巻き方式で前記スロットに挿入可能なコイル群を複数製造するコイル群製造工程と、
    前記各コイル群を、前記固定子の径方向に重ねて配置するとともに、相互に所定スロットピッチずらして前記スロットに挿入するコイル挿入工程と、
    を含む回転電機の製造方法。
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