しかしながら、このようにして回転鋸を切断装置に取り付けた場合、補助板は切断装置に強固に固定することができるが、鋸本体と補助板とを組み付ける固着具の大きさには、回転鋸の厚みの関係から制限があるため、鋸本体と補助板とを強固に組み付けることは難しい。このため、このような回転鋸を用いて被切断物を切断する場合には、切断中に鋸本体と補助板とが互いにガタついて切断不良が生じ易くなるという問題が生じる、
本発明は、前述した問題に対処するためになされたもので、その目的は、製造が簡単で低コスト化が図れるとともに、切断不良の発生を防止できる回転鋸および回転鋸の取付構造を提供することである。なお、下記本発明の各構成要件の記載においては、本発明の理解を容易にするために、実施形態の対応箇所の符号を括弧内に記載しているが、本発明の構成要件は、実施形態の符号によって示された対応箇所の構成に限定解釈されるべきものではない。
前述した目的を達成するため、本発明に係る回転鋸の構成上の特徴は、切断装置の鋸取付部(18,28,38)に取り付けられて回転することにより被切断物を切断加工する回転鋸(10,20)であって、円板状に形成されてその外周に刃部(12,22)が設けられ中央側に一方の面の開口が他方の面の開口よりも大径になった複数の本体側連結穴(13,23,33)と複数のねじ穴(14a,24a)とがそれぞれ間隔を保って設けられた鋸本体(11,21,31)と、板状に形成されてその外周側に複数の本体側連結穴と同じ間隔で複数の補助板側連結穴(15b,25b,35b)が設けられるとともに、複数のねじ穴と同じ間隔で一方の面の開口が他方の面の開口よりも小径になった複数の固定用穴(15d,25d)が設けられ、複数の補助板側連結穴を複数の本体側連結穴に合わせるとともに、複数の固定用穴を複数のねじ穴に合わせて鋸本体の他方の面に設置される補助板(15,25,35)と、筒状に形成されてその外周部の一方に本体側連結穴の内周部(13a)に係合できる外周側係合部(16b,26b)が設けられているとともに、内周部の他方に内周側に突出する内周側係合部(16c,26c,36c)が設けられ、外周側係合部を本体側連結穴の内周部に係合させた状態でそれぞれの本体側連結穴から補助板側連結穴に向かって挿入される複数の押圧用部材(16,26,36)と複数の固定用穴から挿入されて複数のねじ穴にそれぞれ螺合する複数の皿ボルト(17,27)とを備え、押圧用部材および皿ボルトの補助板側に位置するそれぞれの端部が補助板から外部に突出しないようにしたことにある。
本発明に係る回転鋸は、外周に刃部が設けられた鋸本体と、補助板と、押圧用部材とで構成されており、鋸本体の中央側には一方の面の開口が他方の面の開口よりも大径になった複数の本体側連結穴が間隔を保って設けられ、補助板の外周側には複数の本体側連結穴と同じ間隔で複数の補助板側連結穴が設けられている。すなわち、補助板の大きさは鋸本体の中央側部分と同じ程度の大きさになる。また、押圧用部材は、外周部の一方、すなわち鋸本体の一方の面に対応する端部側に鋸本体の本体側連結穴に係合できる外周側係合部が設けられ、内周部の他方、すなわち補助板に対応する端部側に内周側係合部が設けられた筒状に形成されており、本体側連結穴に軸方向を揃えて挿入し、外周側係合部を本体側連結穴の内周部に係合させることにより、鋸本体に組み付けることができる。
本発明によると、鋸本体は、外周に刃部が設けられた厚みが一定の円板に複数の本体側連結穴を設けることにより形成でき、補助板は、鋸本体よりも小さな所定の形状の板に複数の補助板側連結穴を設けることにより形成できる。そして、複数の補助板側連結穴をそれぞれ複数の本体側連結穴の小径側に合わせて補助板を鋸本体の他方の面に設置することにより、外周側部分が薄肉で中央側部分が肉厚になった回転鋸の形状にすることができる。このため、肉厚の円板を切削加工して外周側部分を薄肉にするといった面倒な処理は不要になり、製造が容易になるとともに低コスト化が可能になる。
また、押圧用部材は筒状に形成されているため、内部に、例えば、頭部とねじ部とからなるボルトを通すことができ、その際、ボルトの頭部を内周側係合部に係合させることができる。このため、鋸本体の本体側連結穴から補助板の補助板側連結穴に向かって押圧用部材を挿入して外周側係合部を本体側連結穴の内周部に係合させ、さらに、押圧用部材の内部にボルトを通してボルトの頭部を内周側係合部に係合させた状態でボルトのねじ部を切断装置の鋸取付部に螺合によって固定することにより、鋸本体と補助板とを一体にして鋸取付部に取り付けることができる。この場合、鋸本体が押圧部材とボルトとを介して鋸取付部に取り付けられ、鋸本体と鋸取付部との間に補助板が介在するようになる。このため、鋸取付部の回転力は主として鋸本体に伝わるようになり、切断加工の際に、鋸本体が回転すると、補助板も鋸本体と一体となって回転する。この結果、鋸本体と補助板とがガタついて切断不良が生じるといったことは生じ難くなる。
なお、複数の本体側連結穴の数や配置は任意に設定することができるが、鋸本体と同心上の仮想円の円周に沿って一定間隔で3〜6個設けることが好ましい。また、補助板の形状は円形にすることが好ましいが、三角形、四角形または五角形以上の多角形であってもよい。そして、複数の補助板側連結穴の数や配置も複数の本体側連結穴に対応させて、補助板の中心を中心とする仮想円の円周に沿って一定間隔で3〜6個設けることが好ましい。また、押圧用部材の他方の端部は補助板側連結穴の外部に突出しないことが好ましく、この場合、押圧用部材の他方の端部は補助板側連結穴内に位置していてもよいし、本体側連結穴内に位置していてもよい。
また、本発明によると、本体側連結穴から挿入された押圧用部材の先端部は補助板側連結穴内に位置するようになる。このため、ボルト等の棒状固定部材を用いて、回転鋸を切断装置の鋸取付部に固定するときに、鋸取付部の鋸取付面が平面であれば、押圧用部材は、棒状固定部材によって鋸本体に押さえ付けられ、補助板や鋸取付部側に直接押さえ付けられることなく、棒状固定部材を介して鋸本体を鋸取付部側に押圧する。この際、押圧用部材の先端部が鋸取付部に当接しないため、鋸本体と鋸取付部とで補助板を強固に挟むことができる。このため、補助板と鋸本体はガタつくことなく鋸取付部と一体となって回転できるようになる。この結果、スムーズな切断加工が可能になる。また、押圧用部材は、補助板側連結穴に対して抵抗なく挿入できるものであることが好ましい。
なお、本発明においては、押圧用部材の鋸本体側に位置する端部も鋸本体の一方の面から外部に突出しないようにすることが好ましい。鋸本体の一方の面は、補助板が設置される面と反対側の面であり、回転鋸を用いて行う切断加工が、粗鋳物の製品部分から突出する不要部分を切断除去するものであれば、製品部分に対向させる面である。これによると、押圧用部材の鋸本体側に位置する端部が外部に突出して切断加工の妨げになることを防止できる。なお、直接被切断物を切断する部分が回転鋸の外周部分であっても、被切断物に突出部分があれば、その突出部分が回転鋸の一方の面の中央側部分に接触することもある。このため、押圧用部材の一端部が鋸本体の一方の面から外部に突出しないようにすることにより、被切断物の形状に拘わらず良好な切断加工が行えるようになる。
本発明に係る回転鋸の他の構成上の特徴は、本体側連結穴(13)が一方側が大径で他方側が小径になった段違い状の穴で構成され、押圧用部材(16)の外周側係合部(16b)が本体側連結穴の段部に係合可能な平面を備えたフランジ状突部で構成されていることにある。
本発明によると、本体側連結穴の内周部と押圧用部材の外周側係合部との係合が、段部とフランジ状突部との係合になるためより確実な係合が可能になる。
本発明に係る回転鋸のさらに他の構成上の特徴は、本体側連結穴(23)が一方から他方に向かって徐々に小径になったテーパ状の穴で構成され、押圧用部材(26)の外周側係合部(26b)が本体側連結穴のテーパ面に係合可能なテーパ面を備えたフランジ状突部で構成されていることにある。
本発明によると、鋸本体の厚みが薄い場合でも、本体側連結穴の内周部と押圧用部材の外周側係合部との係合をより確実にすることができる。すなわち、薄い鋸本体の本体側連結穴の内周部に段部を設けた場合には、強度が弱くなって、その段部に押圧用部材の外周側係合部を係合させたときに段部が破損する虞が生じる。これに対し、本発明では、本体側連結穴の内周面の略全体で押圧用部材からの押圧力を受けるようになるため、充分な強度を確保できるようになる。なお、本体側連結穴のテーパ部分は、本体側連結穴の内周面全体に形成してもいし一部に形成してもよい。そして、外周側係合部のテーパ部分は、本体側連結穴のテーパ部分に対応させて形成する。
また、本発明に係る回転鋸の取付構造の構成上の特徴は、前述した各回転鋸を切断装置の鋸取付部に取り付けた回転鋸の取付構造であって、鋸取付部における補助板に対向する鋸取付面に複数の本体側連結穴と同じ間隔で複数のねじ穴(18c,28c,38c)が設けられており、複数のボルト(19,29)を複数の押圧用部材を介して本体側連結穴と補助板側連結穴とにそれぞれ通し、複数のボルトの頭部(19b,29b)をそれぞれ内周側係合部に係合させて鋸本体で補助板を鋸取付部に押し付けた状態で、複数のボルトを複数のねじ穴に螺合させたことにある。
本発明に係る回転鋸の取付構造では、鋸本体と、補助板と、押圧用部材とで構成された回転鋸を、複数のボルトで鋸取付部に取り付けている。この場合、まず、鋸本体の本体側連結穴から補助板の補助板側連結穴に向かって押圧用部材を挿入して外周側係合部を本体側連結穴の内周部に係合させている。そして、押圧用部材の内部にボルトを通してボルトの頭部を内周側係合部に係合させた状態でボルトのねじ部を鋸取付部のねじ穴に螺合させることにより、鋸本体と補助板とを一体にして鋸取付部に取り付けている。これによると、鋸本体が押圧部材とボルトとを介して鋸取付部に取り付けられ、鋸本体と鋸取付部との間に補助板が介在するようになる。このため、鋸取付部の回転力は主として鋸本体に伝わるようになり、切断装置の作動により鋸取付部が回転するときに、鋸本体と補助板とが一体となって回転するようになる。このため、鋸本体がガタついて切断不良が生じることは起きにくい。
なお、本発明においては、鋸取付部の鋸取付面が平面であるときには、押圧用部材の他端が補助板の外部に突出しないようにすることが必要であるが、鋸取付部の鋸取付面における押圧用部材に対向する部分に凹部等が設けられている場合には、その凹部等の深さに応じて押圧用部材の他端部が補助板の外部に突出していてもよい。要は、ボルトの押圧力によって鋸本体と補助板とが鋸取付部に押圧取付される際に、押圧用部材がその押圧の妨げにならなければよい。
なお、本発明においては、鋸取付部における補助板に対向する鋸取付面の中央に鋸取付面から突出する中心軸が形成され、鋸本体の中央に中心軸が挿通できる装着穴が形成され、補助板の中央に中心軸が挿通できる中心軸挿通穴が形成されていることが好ましい。これによると、鋸本体の中央部が鋸取付部の中心軸に支持されるため、鋸本体および補助板の鋸取付部に対する設置位置が正確になる。これによって、回転鋸は安定した状態で回転できる。また、中心軸は、装着穴に対してはきつく嵌合した状態で挿通できるようにしても緩めに嵌合した状態で挿通できるようにしてもよいが、中心軸挿通穴に対しては余裕をもって挿通できるようにすることが好ましい。
さらに、本発明では、鋸取付部における補助板に対向する鋸取付面の外周側に鋸取付面から突出するドライブピンが形成され、鋸本体の中央側にドライブピンが挿通できるドライブホールが形成され、補助板の外周側にドライブピンが挿通できるピン挿通孔が形成されていることが好ましい。これによると、鋸本体のドライブホールおよび補助板のピン挿通孔にそれぞれドライブピンが挿通しているため、鋸取付部の回転力はドライブピンによって回転鋸に伝わるようになる。このため、ボルトや押圧用部材にかかる鋸取付部の回転力が低減されるようになり、ボルトや押圧用部材は、主として鋸本体と補助板とを鋸取付部に固定できる強度を備えていればよくなる。また、ボルトや押圧用部材に無理な力が加わって破損することも防止できる。なお、ドライブピンによる回転力は、鋸本体と補助板との双方に掛かるようにしてもよいが、鋸本体だけに掛かるようにすることが好ましい。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1(a),(b)および図2は、本実施形態に係る回転鋸10を示しており、この回転鋸10は、鋸本体11と、補助板15と、4個の押圧用部材16と、4個の皿ボルト17とで構成されている。回転鋸10は、切断装置(図示せず)の鋸取付部18(図4参照)に組み付けられて、切断装置の作動によって回転することにより、主として粗鋳物の不要突起物を切断除去するものであり、通常は、図1(a)に示した面を上方に向けて水平に配置して使用されるものである。このため、以下の説明では、回転鋸10の上下の方向は、図1(b)に示した状態に基づいたものとする。
鋸本体11は、円板状の台金11aの外周部に刃部12を形成して構成されており、台金11aの中央部には装着穴11bが形成されている。そして、装着穴11bの周囲に、4つの本体側連結穴13と、2つのドライブホール14と、4つのねじ穴14aとが形成されている。鋸本体11は、JIS規格のSK−5,SKS−5,SCM440,SCM435等のうちのいずれかからなる鋼板材で形成されており、直径(回転鋸10が回転するときの刃部12の外周縁部の直径)が460mmで、厚みが7mmに設定されている。また、装着穴11bの直径は50.8mmに設定されている。
刃部12は、台金11aの外周部に一定のピッチで形成された刃台12aとチップ12bとからなる複数の切り刃12cで構成されている。刃台12aは、台金11aの外周部から外部側に突出する突部で構成されている。そして、刃台12aにおける回転鋸10の回転方向(図1(a)の状態での反時計周り方向)の前方側に位置する縁部は略径方向に延び、刃台12aにおける回転方向の後方側に位置する縁部は後方やや内周側に直線状に延びたのちに凹部を形成するように滑らかに湾曲して次の刃台12aの前方側に位置する縁部に連なっている。また、刃台12aにおける回転方向の前方側の縁部の外周側部分には、段状の凹部が形成されており、この段状の凹部にチップ12bが固定されている。
チップ12bは、PCD(ダイヤモンド焼結体)からなっており、刃台12aの段状の凹部に設置できる大きさの略矩形の小さな部材からなっている。このチップ12bは、幅(上下方向の長さ)が9mmに設定されており、刃台12aの段状の凹部に固定された状態では、上下両側部分が刃台12aの幅方向の両側から少し突出している。また、チップ12bの外周側端部は、刃台12aの外周側端部よりも少し外周側に突出している。このチップ12bは、ろう付けによって、各刃台12aの段状の凹部に固定されている。このようにして形成された切り刃12cは、台金11aの外周部に一定のピッチで30個形成されており、この30個の切り刃12cによって、刃部12が構成されている。
本体側連結穴13は、鋸本体11と同心で直径が165mmの仮想円aを描いたときの円周上に中心が位置するようにして軸周り方向に90度の間隔で4つ設けられている。この本体側連結穴13の上部は下部よりも大径になっており、上部と下部との間に段部13aが形成されている。本体側連結穴13の上部は、直径が34mmで上下方向の長さが3.5mmに設定され、本体側連結穴13の下部は、直径が26mmで上下方向の長さが3.5mmに設定されている。
ドライブホール14は、本体側連結穴13と同様、前述した仮想円aの円周上に中心が位置するようにして設けられており、軸周り方向に180度の間隔で所定の2つの本体側連結穴13の近傍にそれぞれ配置されている。このドライブホール14の直径は12.5mmに設定されている。また、ねじ穴14aも、仮想円aの円周上に中心が位置するようにして設けられており、各ねじ穴14aが、2つの本体側連結穴13の中間に位置するように配置されている。このねじ穴14aは、M8ボルトが螺合できる大きさに形成されている。
補助板15は、円板の中央部に中心軸挿通穴15aを形成し、さらに中心軸挿通穴15aの周囲に4つの補助板側連結穴15bと、2つのピン挿通孔15c(図4参照)と、4つの固定用穴15dとを形成して構成されている。補助板15は、鋸本体11と同じ鋼板材で形成されており、直径が200mmで、厚みが8.5mmに設定されている。また、中心軸挿通穴15aの直径は、装着穴11bの直径よりも僅かに長い51.8mmに設定されている。4つの補助板側連結穴15bは、補助板15の外周側に鋸本体11の4つの本体側連結穴13と同じ間隔で配置されており、その直径は、27mmに設定されている。
2つのピン挿通孔15cは、補助板15の外周側に鋸本体11の2つのドライブホール14と同じ間隔を保って所定の2つの補助板側連結穴15bの近傍にそれぞれ配置されている。このピン挿通孔15cの直径は13.5mmに設定されている。また、4つの固定用穴15dは、補助板15の外周側に鋸本体11の4つのねじ穴14aと同じ間隔を保って、それぞれ2つの補助板側連結穴15bの中間に位置するように配置されている。この固定用穴15dは、上部がM8ボルトのねじ部が挿通できる真っ直ぐな穴で構成され、下部が上部から下部に行くほど直径が大きくなったテーパ状の穴で構成されている。
このように構成された補助板15は、中心軸挿通穴15aを装着穴11bに合わせ、固定用穴15dの上部をねじ穴14aに合わせて鋸本体11の下面に組み付けられる。これによって、本体側連結穴13と補助板側連結穴15bとが同軸上で連通し、ドライブホール14とピン挿通孔15cとが同軸上で連通する。その状態で、皿ボルト17を、ねじ部17a側から固定用穴15dに下方から通し、ねじ部17aをねじ穴14aに螺合させることにより、補助板15を鋸本体11に固定できる。この皿ボルト17は、ねじ部17aと頭部17bとからなるM8ボルトで構成されており、頭部17bは、ねじ部17aの下端(図2の状態で下端)から下方に行くほど大径になった円錐台形に形成されている。そして、補助板15を鋸本体11に固定したときに、頭部17bは固定用穴15dの下部内に収まり、ねじ部17aの上端部はねじ穴14a内に位置しており、皿ボルト17のどの部分も外部に突出していない。
押圧用部材16は、図3(a),(b)に示したように、軸方向を上下に向けた円筒部16aと、円筒部16aの外周面上端に形成された外向きフランジ状の外周側係合部16bと、円筒部16aの内周面下端に形成された内向きフランジ状の内周側係合部16cからなっている。円筒部16aは、外径が25mmで内径が17mmに設定され、外周側係合部16bは、外径が33mmで厚みが3mmに設定されている。そして、内周側係合部16cは内径が11mmで厚みが3.5mmに設定されている。また、円筒部16aの外周面と外周側係合部16bの下面との境界部、円筒部16aの内周面と内周側係合部16cの上面との境界部および外周側係合部16bの外周面と下面との境界部には、それぞれ0.5mmのRが形成されている。
この押圧用部材16は、内周側係合部16cを下方に向けて、鋸本体11の上方から本体側連結穴13と補助板側連結穴15bとに挿入することにより、図2に示したように、鋸本体11と補助板15とに組み付けられ、これによって回転鋸10が形成される。この状態では、外周側係合部16bが、本体側連結穴13の段部13aに係合して、外周側係合部16bの上面は鋸本体11の上面よりも低い位置にあり、内周側係合部16cの下面は補助板15の下面よりも高い位置にある。
また、鋸取付部18は、図4に示したように、補助板15の直径と略同じ直径の軸部で構成されており、その上面中央の中心軸挿通穴15aに対向する部分には、上方に向かって突出する中心軸18aが設けられ、鋸取付部18の上面における2つのピン挿通孔15cに対向する部分には、それぞれ上方に向かって突出するドライブピン18bが設けられている。中心軸18aは装着穴11bに嵌合できる太さに形成され、ドライブピン18bはドライブホール14に嵌合できる太さに形成されている。そして、鋸取付部18の上面における4個の押圧用部材16に対向する部分には、それぞれM10ボルトが螺合できるねじ穴18cが形成されている。
回転鋸10は、中心軸挿通穴15aに中心軸18aを挿通させてその上端部分を装着穴11bに嵌合させるとともに、ピン挿通孔15cにドライブピン18bを挿通させてその上端部分をドライブホール14に嵌合させることにより鋸取付部18の上面に組み付けられている。このとき、中心軸18aの上端部は鋸本体11の上面から僅かに突出し、ドライブピン18bの上端部は鋸本体11の上面よりも僅か下方に位置している。
その状態で、六角穴付きボルト19を、ねじ部19a側から押圧用部材16に上方から通し、ねじ部19aをねじ穴18cに螺合させることにより、回転鋸10を鋸取付部18に固定できる。この六角穴付きボルト19は、ねじ部19aと頭部19bとからなるM10ボルトで構成されており、頭部19bの上面中央には、平面視が六角形の六角穴19cが形成されている。そして、回転鋸10を鋸取付部18に固定したときに、頭部19bは押圧用部材16の内部に収まって外部に突出していない。また、鋸取付部18は、モータを備えた切断装置の本体に連結されており、モータの作動によって回転する。さらに、切断装置には移動機構も備わっており、これによって、鋸取付部18は、上下、前後、左右の各方向に移動できる。
次に、前述のようにして切断装置に取り付けられた回転鋸10を用いて、例えば、アルミ合金製のシリンダヘッドの粗鋳物から押湯や湯口等の不要突起物を切断除去する方法を説明する。この場合、まず、切断装置の側部側上方にワーク設置面を下方に向けてワーク支持台を設置するとともに、切断除去する不要突起物を下方に向けて粗鋳物をワーク支持台のワーク設置面に固定する。つぎに、粗鋳物の側方で回転鋸10の上面が粗鋳物の製品部分であるシリンダヘッドの下面の高さよりも僅かに下方に位置するように回転鋸10を移動させたのちに、回転鋸10を回転させながら粗鋳物に接近させていく。そして、回転鋸10の刃部12が不要突起物に接触すると、不要突起物は切断されてシリンダヘッドから除去される。
この場合、回転鋸10の上面には、中心に位置する中心軸18a以外の突出部分はないため、粗鋳物に接触して切断加工の障害になるものはない。このため、スムーズな切断が可能になる。また、鋸本体11と補助板15とは皿ボルト17によって固定され、回転鋸10は六角穴付きボルト19によって、鋸取付部18に固定されている。そして、切断装置の作動による鋸取付部18の回転力は、ドライブピン18b、押圧用部材16および六角穴付きボルト19を介して鋸本体11に伝わるため、六角穴付きボルト19が緩んで回転鋸10がガタついたり、皿ボルト17が緩んで鋸本体11と補助板15とがガタついたりするといったことは生じ難くなる。このため、切断不良も生じなくなる。
以上のように、本実施形態に係る回転鋸10は、別体からなる鋸本体11と補助板15を組み付けることにより、外周側部分を薄肉にして中央側部分を肉厚にしている。このため、回転鋸10を製造する際に、肉厚の円板を切削して外周側部分を薄肉にするといった面倒な加工は不要になり、製造が容易になるとともに低コスト化が可能になる。また、押圧用部材16は、皿ボルト17によって一体に組み付けられた鋸本体11と補助板15とを、六角穴付きボルト19の締め付け力を介して鋸取付部18に押さえ付けており、この際、押圧用部材16が、鋸取付部18に当接しないことから、鋸本体11だけでなく補助板15も確実に鋸取付部18に押し付けることができる。このため、粗鋳物を切断加工する際に、鋸本体11や補助板15がガタついて切断不良が生じるといったことは生じ難い。
また、本体側連結穴13を、上部が大径で、下部が小径になるようにしてその間に段部13aを設け、押圧用部材16の外周上部に、段部13aに係合できる外周側係合部16bを設けるとともに、押圧用部材16の内周下部に、六角穴付きボルト19の頭部19bが係合できる内周側係合部16cを設けている。このため、六角穴付きボルト19で回転鋸10を鋸取付部18に固定する際に、本体側連結穴13の段部13aに押圧用部材16の外周側係合部16bが係合し、押圧用部材16の内周側係合部16cに六角穴付きボルト19の頭部19bが係合することにより、鋸本体11と補助板15とをより確実に固定することができる。
さらに、押圧用部材16を用いることによって、六角穴付きボルト19の頭部19bを補助板15の内部側まで位置させることができ、これによって、押圧用部材16および六角穴付きボルト19の頭部19bが鋸本体11の上面から上方に突出しなくなる。このため、押圧用部材16および六角穴付きボルト19が、切断加工の妨げになることはない。また、鋸取付部18の中心軸18aを、鋸本体11の装着穴11bに嵌合させているため、回転鋸10は安定した状態で回転できる。さらに、切断装置の作動による鋸取付部18の回転力は、ドライブピン18b、押圧用部材16および六角穴付きボルト19の各部材を介して回転鋸10に伝わるため、押圧用部材16や六角穴付きボルト19は、主として鋸本体11と補助板15とを鋸取付部18に固定するために設ければよく、特に強度の大きなもので構成しなくても済む。
(第2実施形態)
図5(a),(b)は、本発明の第2実施形態に係る回転鋸20を示している。この回転鋸20は、鋸本体21と、補助板25と、4個の押圧用部材26と、4個の皿ボルト27とで構成されている。鋸本体21は、円板状の台金21aの外周部に刃部22を形成して構成されており、台金21aの中央部には装着穴21bが形成されている。そして、装着穴21bの周囲に4つの本体側連結穴23と、2つのドライブホール24と、4つのねじ穴24aとが形成されている。この鋸本体21の厚みは3mmに設定されている。
また、刃部22は、台金21aの外周部に一定のピッチで形成された刃台22aとチップ22bとからなる複数の切り刃22cで構成されており、チップ22bの幅は5mmに設定されている。本体側連結穴23は、内周面が、上端から下端に行くほど徐々に小径になったテーパ面で構成されており、上端の直径が32mmで、下端の直径が20mmに設定されている。また、本体側連結穴23の中央部分の断面における両縁部の角度は120度に設定されている。この鋸本体21のそれ以外の部分の構成や寸法は、前述した鋸本体11と同一である。
補助板25は、円板の中央部に中心軸挿通穴25aを形成し、さらに中心軸挿通穴25aの周囲に4つの補助板側連結穴25bと、2つのピン挿通孔25cと、4つの固定用穴25dとを形成して構成されている。補助板側連結穴25bの直径は23mmに設定されており、補助板25のそれ以外の部分の構成や寸法は、前述した補助板15と同一である。このように構成された補助板25は、皿ボルト27によって鋸本体11に固定されており、皿ボルト27は、前述した皿ボルト17と太さが同じでねじ部27aの長さが、皿ボルト17のねじ部17aよりも4mm短くなっている。これによって、ねじ部27aの上端部はねじ穴24a内に位置している。
押圧用部材26は、図6(a),(b)に示したように、軸方向を上下に向けた円筒部26aと、円筒部26aの外周面上端に形成された外向きフランジ状の外周側係合部26bと、円筒部26aの内周面下端に形成された内向きフランジ状の内周側係合部26cからなっている。円筒部26aは、外径が20mmで内径が14mmに設定され、外周側係合部26bは、上面が平面で下面が上部から下部に行くほど小径になったテーパ面で構成されており、外径が32mmで、厚みが内周側が3mmで外周側に行くほど徐々に薄肉になっている。そして、内周側係合部26cは内径が6mmで厚みが2mmに設定されている。また、円筒部26aの外周面と外周側係合部26bの下面との境界部および、円筒部26aの内周面と内周側係合部26cの上面との境界部には、それぞれ0.5mmのRが形成されている。
この押圧用部材26を、皿ボルト27によって固定された鋸本体21と補助板25とに組み付けることによって回転鋸20が形成され、この回転鋸20は、六角穴付きボルト29によって鋸取付部28に固定される。鋸取付部28は、図7に示したように構成されており、前述した鋸取付部18と同様、中心軸28a、2つのドライブピン28bおよびねじ穴28cが設けられている。中心軸28aは、中心軸18aと直径が同じで突出長さが中心軸18aよりも短くなっている。この中心軸28aの突出長さは、上端部が回転鋸20の上面から突出しない長さに設定されている。
また、ドライブピン28bも、ドライブピン18bと直径が同じで突出長さがドライブピン18bよりも短くなっている。このドライブピン28bの突出長さは、上端部が回転鋸20の上面から突出しない長さに設定されている。そして、ねじ穴28cは、M8ボルトが螺合できる大きさに形成されている。回転鋸20を鋸取付部28に固定する六角穴付きボルト29は、ねじ部29aと頭部29bとからなるM8ボルトで構成されており、頭部29bの上面中央には、平面視が六角形の六角穴29cが形成されている。回転鋸20の組付け方法、六角穴付きボルト29を用いて回転鋸20を鋸取付部28に固定する方法および回転鋸20を用いた被切断物の切断方法は、前述した第1実施形態と同じであるため、その説明は省略する。
以上のように、本実施形態に係る回転鋸20では、本体側連結穴23の内周面をテーパ状に形成したため、本体側連結穴23の内周面全体を係合面にすることができる。このため、鋸本体21の厚みを3mmと薄くしても固定に耐える充分な強度を確保できるようになる。この回転鋸20およびその取付構造のそれ以外の作用効果については、前述した回転鋸10およびその取付構造の作用効果と同様である。
また、本発明に係る回転鋸および回転鋸の取付構造は、前述した実施形態に限定するものでなく、適宜、変更して実施することが可能である。例えば、前述した実施形態では、鋸取付部18,28の鋸取付面を平面にしているが、この鋸取付面の押圧用部材16,26に対向する部分に凹部を形成することができ、この場合には、押圧用部材16,26の下端を回転鋸10,20の下面から突出させてもよい。すなわち、図8に示したように、鋸取付部38におけるねじ穴38cの開口周縁部に凹部38aを形成して、鋸本体31の本体側連結穴33と補助板35の補助板側連結穴35bを挿通する押圧部材36の内周側係合部36c側の下端部が凹部38aの底面に当接しない範囲で補助板35の下面から下方に突出するようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、被切断物をシリンダヘッドの粗鋳物としたが、被切断物は、切断加工されるものであれば他のものでもよい。その場合、回転鋸10,20の向きは水平方向に限らず、被切断物の固定状態に応じて変更する。さらに、本体側連結穴23の内周面は、全体をテーパ面にしなくてもよく、鋸本体21の厚みに応じて一部だけをテーパ面にすることもできる。また、回転鋸10,20や鋸取付部18,28の各部分の寸法、形状、材料、構成についても、前述した実施形態に限定するものでなく、本発明の技術的範囲で、適宜変更することができる。