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JP6186982B2 - 不織布と樹脂の複合体及びその製造方法 - Google Patents
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JP6186982B2 - 不織布と樹脂の複合体及びその製造方法 - Google Patents

不織布と樹脂の複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、数平均繊維幅が異なる2種類の繊維を含む不織布と樹脂との複合体、及びその製造方法に関する。
近年、石油資源の代替および環境意識の高まりから再生産可能な天然繊維の応用に注目が集まっている。天然繊維の中でもセルロース繊維、とりわけ木材由来のセルロース繊維(パルプ)は主に紙製品として幅広く使用されている。紙に使用されるセルロース繊維の幅は10〜50μmのものがほとんどである。このようなセルロース繊維から得られる紙(シート)は不透明であり、印刷用紙として幅広く利用されている。一方、セルロース繊維をレファイナーやニーダー、サンドグラインダーなどで処理(叩解、粉砕)し、セルロース繊維を微細化(ミクロフィブリル化)すると透明紙(グラシン紙等)が得られる。また、従来からセルロース繊維で構成された不織布は、サイズ剤や紙力増強剤などを添加し、紙として印刷用紙や書籍などに利用されている。さらに、セルロース繊維で構成された不織布は、気体や液体などに対する透過性を利用して、フィルター、蓄電素子、電池又はキャパシタのセパレータなどへの利用も検討されている。
特許文献1には、平均繊維径0.1〜20μmのセルロース繊維と平均繊維径100nm未満のセルロースナノファイバーとを抄紙した不織布が記載されている。これは、ミクロンオーダー以下の微小な繊維径を有するセルロース繊維で構成され、かつ機械的強度及び耐熱性が高いセルロース繊維不織布を提供することを目的としたものである。
また特許文献2には、平均繊維径0.1〜50μmのセルロース繊維と平均繊維径1.5μm以下のポリオレフィン繊維とを含み、かつ厚みが20μm以下である不織布が記載されている。これは、薄肉であっても、透気性と機械的強度とを両立できる不織布を提供することを目的としたものである。
一方、特許文献3には、短繊維、補強材及び弾性重合体からなる不織布シートが記載されている。短繊維はアクリロニトリル50〜95重量%と少なくとも1種の他のモノマーからなるアクリロニトリル系共重合ポリマーから構成され、少なくとも2種の異なる繊維直径を有するアクリル繊維A及びBが使用される。また、アクリル繊維A及びBの繊維直径は、それぞれAが0.1μm以上7μm未満、Bが10μm以上18μm未満であり、その混率が、A/B=40/60〜80/20であることを特徴とするものである。特許文献3は、繊度の異なる繊維の使用、または異なる種類の繊維を使用することにより、獣毛調あるいは杢調様風合いを与える合成皮革用不織布シートを提供することを目的としている。
特開2012−36517号公報 特開2012−36518号公報 特開2000−248471号公報
本発明は、高い引裂強度と低い線熱膨張係数とを併有する不織布樹脂複合体、及びその製造方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記の課題を解決するために鋭意検討した。先ず、数平均繊維幅2nm以上1000nm未満の第1の繊維と、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmである第2の繊維とを含有する分散液をろ過し、ろ過後の湿紙状態の不織布を乾燥した。次いで、上記で製造した不織布に樹脂を複合化することによって、高い引裂強度と低い線熱膨張係数とを併有する不織布と樹脂との複合体を製造できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 数平均繊維幅2nm以上1000nm未満の第1の繊維と、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmである第2の繊維とを含有する不織布に樹脂を含有させた複合体。
(2) 引裂強度が20mN以上である、(1)に記載の複合体。
(3) 線熱膨張係数が70ppm/K以下である、(1)又は(2)に記載の複合体。
(4) 全光線透過率が80%以上であり、ヘーズが10〜80%である、(1)から(3)の何れかに記載の複合体。
(5) 坪量が50〜200g/mである、(1)から(4)の何れかに記載の複合体。
(6) 繊維含有率が10〜70質量%である、(1)から(5)の何れかに記載の複合体。
(7) 第1の繊維と第2の繊維の質量比が99.9/0.1〜50/50である、(1)から(6)の何れかに記載の複合体。
(8) 第1の繊維と第2の繊維の質量比が99/1〜60/40である、(1)から(7)の何れかに記載の複合体。
(9) 第1の繊維の数平均繊維幅が2nm以上800nm未満である、(1)から(8)の何れかに記載の複合体。
(10) 第1の繊維がセルロース繊維であり、第2の繊維がポリエステル繊維である、(1)から(9)の何れかに記載の複合体。
(11) 数平均繊維幅2nm以上1000nm未満の第1の繊維と、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmである第2の繊維とを含有する分散液をろ過し、ろ過後の湿紙状態の不織布を乾燥することによって不織布を製造する工程、及び前記不織布に樹脂を複合化する工程を含む、(1)から(10)の何れかに記載の複合体の製造方法。
本発明によれば、高い引裂強度と低い線熱膨張係数とを併有する不織布と樹脂との複合体、及びその製造方法が提供される。
以下、本発明について更に詳細に説明する。なお、本明細書に記載される材料、方法及び数値範囲などの説明は、当該材料、方法及び数値範囲などに限定することを意図したものではなく、また、それ以外の材料、方法及び数値範囲などの使用を除外するものでもない。
本発明の複合体は、数平均繊維幅2nm以上1000nm未満の第1の繊維と、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmである第2の繊維とを含有する不織布に樹脂を含有させた複合体である。
(1)不織布について
本発明で用いる不織布は、数平均繊維幅2nm以上1000nm未満の第1の繊維と、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmである第2の繊維とを含有する。
[第1の繊維]
本発明で用いる第1の繊維は、数平均繊維幅が2nm以上1000nm未満の微細繊維であればその種類は特に限定されない。例えば、微細セルロース繊維でもよいし、微細セルロース繊維以外の微細繊維でもよく、また微細セルロース繊維と、微細セルロース繊維以外の微細繊維との混合物でもよい。特に好ましくは、第1の繊維はセルロース繊維である。
微細セルロース繊維の詳細については後記する。微細セルロース繊維以外の繊維としては、例えば、無機繊維、有機繊維、合成繊維等、半合成繊維、再生繊維が挙げられるが特に限定されない。無機繊維としては、例えば、ガラス繊維、岩石繊維、金属繊維等が挙げられるがこれらに限定されない。有機繊維としては、例えば、炭素繊維、キチン、キトサン等の天然物由来の繊維等が挙げられるがこれらに限定されない。合成繊維としては、例えば、ナイロン、ピニロン、ビニリデン、ポリエステル、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリウレタン、アクリル、ポリ塩化ビニル、アラミド等が挙げられるがこれらに限定されない。半合成繊維としては、アセテート、トリアセテート、プロミックス等が挙げられるがこれらに限定されない。再生繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、ポリノジックレーヨン、リヨセル、テンセル等が挙げられるがこれらに限定されない。微細セルロース繊維と微細セルロース繊維以外の微細繊維を混合して用いる場合、微細セルロース繊維以外の微細繊維は、必要に応じて化学的処理、解繊処理等の処理を施すことができる。微細セルロース繊維以外の微細繊維に化学的処理、解繊処理等の処理を施す場合、微細セルロース繊維以外の微細繊維は、微細セルロース繊維と混合してから化学的処理、解繊処理等の処理を施すことができる。または、微細セルロース繊維以外の微細繊維に化学的処理、解繊処理等の処理を施してから微細セルロース繊維と混合することもできる。微細セルロース繊維以外の微細繊維を混合する場合、微細セルロース繊維と微細セルロース繊維以外の微細繊維の合計量における微細セルロース繊維以外の微細繊維の添加量は特に限定されない。添加量は、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、さらに好ましくは30質量%以下であり、特に好ましくは20質量%以下である。
<微細セルロース繊維>
本発明においては、第1の繊維として、セルロース原料を化学的処理及び解繊処理することによって得られる微細セルロース繊維を使用してもよい。
セルロース原料としては、製紙用パルプ、コットンリンターやコットンリントなどの綿系パルプ、麻、麦わら、パガスなどの非木材系パルプ、ホヤや海草などから単離されるセルロースなどが挙げられるが、特に限定されない。これらの中でも、入手のしやすさという点で、製紙用パルプが好ましいが、特に限定されない。製紙用パルプとしては、広葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(LBKP)、未晒クラフトパルプ(LUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(LOKP)など)、針葉樹クラフトパルプ(晒クラフトパルプ(NBKP)、未晒クラフトパルプ(NUKP)、酸素漂白クラフトパルプ(NOKP)など)、サルファイトパルプ(SP)、ソーダパルプ(AP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)、ケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ、楮、三椏、麻、ケナフ等を原料とする非木材パルプ、古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられるが、特に限定されない。これらの中でも、より入手しやすいことから、クラフトパルプ、脱墨パルプ、サルファイトパルプが好ましいが、特に限定されない。セルロース原料は1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
微細セルロース繊維の数平均繊維幅は、2nm以上1000nm未満であり、より好ましくは数平均繊維幅2nm以上800nm未満である。微細セルロース繊維は、通常製紙用途で用いるパルプ繊維よりもはるかに細いセルロース繊維あるいは棒状粒子でもよい。微細セルロース繊維は結晶部分を含むセルロース分子の集合体であり、その結晶構造はI型(平行鎖)である。微細セルロース繊維の数平均繊維幅は電子顕微鏡で観察して測定することができる。微細セルロース繊維の平均繊維幅が2nm未満であると、セルロース分子として水に溶解しているため、微細セルロース繊維としての物性(強度や剛性、寸法安定性)が発現しなくなる。微細セルロース繊維がI型結晶構造をとっていることは、グラファイトで単色化したCuKα(λ=1.5418Å)を用いた広角X線回折写真より得られる回折プロファイルにおける典型的なピークをもつことから同定することができる。即ち、上記回折プロファイルにおいて2θ=14〜17°付近と2θ=22〜23°付近の2箇所の位置に典型的なピークをもつことから同定することができる。また、微細セルロース繊維の電子顕微鏡観察による繊維幅の測定は以下のようにして行う。濃度0.05〜0.1質量%の微細セルロース繊維の水系懸濁液を調製し、該懸濁液を親水化処理したカーボン膜被覆グリッド上にキャストしてTEM観察用試料とする。幅の広い繊維を含む場合には、ガラス上にキャストした表面のSEM像を観察してもよい。構成する繊維の幅に応じて1000倍、5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。但し、試料、観察条件や倍率は下記の条件を満たすように調整する。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を目視で読み取る。こうして少なくとも重なっていない表面部分の画像を3組以上観察し、各々の画像に対して、直線X、直線Yと交錯する繊維の幅を読み取る。このように少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。微細セルロース繊維の平均繊維幅はこのように読み取った繊維幅の平均値である。
微細セルロース繊維の繊維長は特に限定されないが、1〜1000μmが好ましく、5〜800μmがさらに好ましく、10〜600μmが特に好ましい。繊維長が1μm未満になると、微細繊維シートを形成し難くなる。1000μmを超えると微細繊維のスラリー粘度が非常に高くなり、扱いづらくなる。繊維長は、TEM、SEM、AFMによる画像解析より求めることができる。
<化学的処理>
セルロース原料又はその他の繊維原料(無機繊維、有機繊維、合成繊維等、半合成繊維、再生繊維など)の化学的処理の方法は、微細繊維を得ることができる方法である限り特に限定されない。例えば、オゾン処理、酵素処理、又はセルロース又は繊維原料中の官能基と共有結合を形成し得る化合物による処理などが挙げられるがこれらに限定されない。
オゾン処理の一例としては、特開2010−254726号公報に記載されている方法を挙げることができるが特に限定されない。具体的には、繊維をオゾン処理した後、水に分散し、得られた繊維の水系分散液を粉砕処理する。
酵素処理の一例としては、特願2012−115411号(特願2012−115411号に記載の内容は全て本明細書中に引用されるものとする)に記載の方法を挙げることができるが特に限定されない。具体的には、繊維原料を、少なくとも酵素のEG活性とCBHI活性の比が0.06以上の条件下で、酵素で処理する方法である。
セルロース又は繊維原料中の官能基と共有結合を形成し得る化合物による処理としては、以下の方法が挙げられるが、特に限定されない。
(a)特開2011−162608号公報に記載されている四級アンモニウム基を有する化合物による処理;
(b)特願2012−24457に記載されているカルボン酸系化合物を使用する方法;並びに
(c)特願2011−252649に記載されている「構造中にリン原子を含有するオキソ酸、ポリオキソ酸又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物」を使用する方法;
特願2012−24457及び特願2011−252649に記載の内容は全て本明細書中に引用されるものとする。
特開2011−162608号公報に記載されている四級アンモニウム基を有する化合物による処理は、繊維中の水酸基と四級アンモニウム基を有するカチオン化剤とを反応させて、該繊維をカチオン変性する方法である。
特願2012−24457に記載されているカルボン酸系化合物を使用する方法は以下の通りである。先ず、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物、2つ以上のカルボキシ基を有する化合物の酸無水物、およびそれらの誘導体よりなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボン酸系化合物により、繊維原料を処理して、繊維原料にカルボキシ基を導入する。このカルボキシ基導入工程終了後に、カルボキシ基を導入した繊維原料をアルカリ溶液で処理するアルカリ処理工程を行う。
特願2011−252649に記載されている方法は、構造中にリン原子を含有するオキソ酸、ポリオキソ酸又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種の化合物(以下化合物Aと称す)により繊維原料を処理する方法である。この方法としては、繊維原料に化合物Aの粉末や水溶液を混合する方法、繊維原料のスラリーに化合物Aの水溶液を添加する方法等が挙げられる。化合物Aはリン酸、ポリリン酸、亜リン酸、ホスホン酸、ポリホスホン酸あるいはこれらのエステルが挙げられるが特に限定されない。また、これらは塩の形を取っても構わない。リン酸基を有する化合物としては、リン酸、リン酸のナトリウム塩であるリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、更にリン酸のカリウム塩であるリン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸三カリウム、ピロリン酸カリウム、メタリン酸カリウム、更にリン酸のアンモニウム塩であるリン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、メタリン酸アンモニウムなどが挙げられるが特に限定されない。
<解繊処理>
セルロース原料又はその他の繊維原料(無機繊維、有機繊維、合成繊維等、半合成繊維、再生繊維など)は解繊処理に供することにより微細化して、数平均繊維幅が2nm以上1000nm未満の微細繊維を得ることができる。解繊処理工程では、解繊処理装置を用いて、前記の化学的処理で得られた原料を解繊処理して、微細繊維分散液を得ることができる。
解繊処理装置としては、湿式粉砕する装置等を適宜使用することができる。例えば、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、ビーターなどであるが、特にこれらに限定されない。
[第2の繊維]
本発明で用いる第2の繊維は、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmであればその種類は特に限定されない。例えば、第1の繊維に関連して上記した、セルロース繊維、無機繊維、有機繊維、合成繊維等、半合成繊維、再生繊維などが挙げられるが特に限定されない。第2の繊維としては、上記の中でも合成繊維が特に好ましく、ポリエステルが最も好ましい。
[第1の繊維と第2の繊維の質量比]
本発明において、第1の繊維と第2の繊維の質量比は、特に限定されない。即ち、第1の繊維と第2の繊維の種類に応じて第1の繊維と第2の繊維の質量比を適宜設定して、使用することができる。好ましくは、第1の繊維と第2の繊維の質量比は、99.9/0.1〜50/50であり、さらに好ましくは、99/1〜60/40である。第2の繊維の質量比が0.1未満になると、比引裂強度が低下し、また第2の繊維の質量比が50を超えると引張強度が低下する傾向が見られ、好ましくない。
[不織布]
本発明で用いる不織布は、3.0mN・m/g以上の比引裂強度と、10MPa以上
の引張強度を有することが好ましい。比引裂強度は、例えば3.0〜50mN・m/g、好ましくは4.0〜45mN・m/g、より好ましくは5.0〜40mN・m/gであるが特に限定されない。引張強度は、例えば10〜200MPa、好ましくは10〜180MPa、より好ましくは15〜150MPa、さらに好ましくは20〜100MPa、特に好ましくは20〜80MPaであるが特に限定されない。
不織布の坪量は特に限定されないが、好ましくは3〜200g/mであり、より好ましくは10〜100g/mであり、さらに好ましくは20〜60g/mである。
不織布には、用途に応じた添加剤、例えば、サイズ剤、ワックス、無機充填剤、着色剤、安定化剤(酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤など)、可塑剤、帯電防止剤、難燃剤などを含有させもよい。
不織布の厚みは特に限定されず、一般的には1〜100μm程度である。不織布は、目的に応じて複数の不織布を積層してもよい。
[不織布の製造方法]
不織布の製造方法は、特に限定されず、例えば、第1の繊維と第2の繊維とを混合し、湿式抄紙又は乾式抄紙などの抄紙により製造できる。
湿式抄紙は、通常の方法で行うことができ、例えば、手抄き抄紙機や多孔板などを備えた湿式抄紙機などを用いて抄紙してもよい。乾式抄紙も、慣用の方法、例えば、エアレイド製法、カード製法などを用いて抄紙することができる。
例えば、本発明では、第1の繊維と第2の繊維を含有する分散液を用いて、湿式抄紙により、不織布を製造することができる。分散液は、第1の繊維と第2の繊維と分散媒とを含有する液である。分散媒としては、水、有機溶剤を使用することができるが、取り扱い性やコストの点から、水のみが好ましいが、特には限定されない。有機溶剤を使用する場合でも水と併用することが好ましいが、特には限定されない。水と併用する有機溶剤としては、アルコール系溶剤(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、アセテート系溶剤(酢酸エチル等)等の極性溶剤が好ましいが、特にこれらに限定されない。分散液における固形分濃度は、特に限定されないが、0.05〜10質量%であることが好ましく、0.1〜5質量%であることがより好ましい。上記した分散液をろ過し、ろ過後の湿紙状態の不織布を乾燥することによって不織布を製造することができる。
(2)樹脂について
本発明の複合体は、上記した不織布に樹脂を含有させることによって製造する。不織布と樹脂の混合比は、特に制限されないが、1:99〜99:1が好ましく、5:95〜95:5がさらに好ましく、10:90〜90:10が特に好ましい。
樹脂としては、特に限定されないが、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂、あるいは有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした樹脂等を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、芳香族ポリカーボネート系
樹脂、脂肪族ポリカーボネート系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、脂肪族ポリエステル
系樹脂、脂肪族ポリオレフィン系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、熱可塑性ポリイミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリス
ルホン系樹脂、非晶性フッ素系樹脂等が挙げられるがこれらに制限されない。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、珪素樹脂、ポリウレタン樹脂、アリルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂等が挙げられるがこれらに制限されない。
光硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、オキセタン樹脂等の前駆体が挙げられるがこれらに制限されない。
樹脂は、単独で用いても良く、2種類以上の異なる樹脂を用いても良い。
なお、上記した熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び光硬化性樹脂のうち、光硬化性樹脂が最も好ましい。
熱硬化性樹脂の硬化剤としては、例えば、多官能アミン、ポリアミド、酸無水物、フェノール樹脂等が挙げられるが特にこれらに制限されない。また、熱硬化性樹脂の硬化触媒としては、例えば、イミダゾール等が挙げられるが特にこれらに制限されない。前記硬化剤、硬化触媒は、単独で用いることもできるし、2種類以上を用いることもできる。
不織布に樹脂を含有させて、硬化させることによって、不織布と樹脂との複合体を製造する場合に硬化させる方法としては、例えば、熱により硬化させる方法、放射線照射により硬化される方法等が挙げられるが、これらに制限されない。放射線としては、赤外線、可視光線、紫外線、挙げられるが、これらに制限されない。熱により硬化させる方法の場合、例えば、熱重合開始剤を用いても良く、硬化することができる方法であれば特に制限なく用いることができる。
(3)不織布に樹脂を含有させた複合体について
不織布に樹脂を含有させた本発明の複合体の形状は、シート状、立体、球状、粒子状等特に制限なく、曲面を有していても良いし、異形形状であっても良い。また、厚さも特に制限はない。また、複合体がシート状である場合、複数枚のシートを積層することもできる。
本発明の複合体の引裂強度は特に限定されないが、好ましくは20mN以上である。引裂強度は、例えば20mN〜300mNであり、より好ましくは25mN〜300mNであり、さらに好ましくは30mN〜200mNである。
本発明の複合体の線熱膨張係数は特に限定されないが、好ましくは70ppm/K以下である。線熱膨張係数は、例えば60ppm/K以下であり、より好ましくは50ppm/K以下であり、さらに好ましくは40ppm/K以下であり、特に好ましくは30ppm/K以下である。
本発明の複合体の全光線透過率は特に限定されないが、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは70%以上であり、特に好ましくは80%以上である。全光線透過率の上限は特に限定されず、100%でもよいし、99%以下でもよい。
本発明の複合体のヘーズは特に限定されないが、好ましくは10〜80%であり、より好ましくは20〜80%であり、さらに好ましくは30〜70%であり、特に好ましくは40〜60%である。
本発明の複合体の坪量は特に限定されないが、好ましくは50〜200g/mであり、より好ましくは50〜150g/mである。
本発明の複合体における繊維含有率は特に限定されないが、好ましくは10〜70質量%であり、より好ましくは20〜60質量%である。
本発明の複合体は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、リアプロジェクションテレビ等のディスプレイ等に用いることができる。さらに本発明の複合体は、タッチパネルや太陽電池の基板や前面板、カラーフィルター基板等に用いることができる。特に、本発明の複合体を用いたディスプレイ用プラスチック基板によって、これらディスプレイに用いられるガラス用途への本発明の複合体の代替が可能になり、軽量化、柔軟性、割れにくいなどの効果が得られる。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
(1)不織布の作製
針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)をダブルディスクリファイナーにて変則フリーネスが100mlになるまで叩解し、濃度2%のパルプ分散液(A)を得た。このときの数平均繊維長は0.30mm、数平均繊維幅は24400nmであった。これを濃度が0.2%になるようにイオン交換水で希釈し、NiroSoavi社製高圧ホモジナイザー「Panda Plus2000」により処理圧力120MPaで3回の微細化処理を行い、セルロース微細繊維含有分散液(B)を得た。このときの数平均繊維幅は130nmであった。
セルロース微細繊維含有分散液(B)に対し、日本エステル社製ポリエステル短繊維「N801」(数平均繊維幅20000nm、数平均繊維長5.0mm)を、セルロース/ポリエステル短繊維が重量比で98/2となるように混合した。スリーワンモーターにて全量が十分混合されるように5分間攪拌し、セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維混合分散液(C)を得た。
セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維混合分散液(C)を、不織布の仕上がり坪量が40.0g/mになるように調整した。これを、焼結サイズが30〜50μmのアドバンテック社製ブフナーロート型ガラスフィルター「KG−90」上にアドバンテック社製PTFEメンブレンを載せたろ過瓶上に流延し、アスピレーターで吸引しながらろ過を行った。このようにして作製した湿紙状態の不織布に対し、東邦化学社製ジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGDME;商品名「ハイソルブMDM」、分子量134、沸点162℃、表面張力28N/m)を不織布の固形分100部に対し2400部を添加した。DEGDMEを吸引ろ過した後、湿紙状態の不織布を105℃に加熱したシリンダドライヤーで0.1MPaに加圧しながら乾燥し、セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布(D)を得た。以上の手順を経て得られたセルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布(D)の坪量は35.1g/mであった。
(2)アセチル化
セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布(D)を100mlの無水酢酸に含浸して90℃にて7時間加熱した。その後、蒸留水でよく洗浄し、最後に2−プロパノールに10分浸した後、120℃、0.14MPaにて5分間プレス乾燥してアセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布(E)を得た。アセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布(E)の坪量は39.4g/mであった。
(3)樹脂複合化
アセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布(E)を、ビス(メタクリロイルオキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン96重量部、ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)4重量部、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製ルシリンTPO)0.05重量部、ベンゾフェノン0.05重量部を混合した溶液に含浸させ、減圧下一晩おいた。これを2枚のガラス板にはさみ、無電極水銀ランプ(フュージョンUVシステムズ社製「Dバルブ」)を用いて、放射照度400mW/cm2の下を、ライン速度7m/minで照射した。このときの放射照射量は0.12J/cm2であった。この操作を、ガラス面を反転して2回行った。紫外線照射後のガラス面の温度は25℃であった。
次いで、放射照度1900mW/cm2の下をライン速度2m/minで照射した。このときの放射照射量は2.7J/cm2であった。この操作をガラス面を反転して8回行った。紫外線照射後のガラス面の温度は44℃であった。放射照射量は21.8J/cm2であった。紫外線照射終了後、ガラス板よりはずし、190℃の真空オーブン中で4時間加熱して繊維樹脂複合体を得た。なお、紫外線の放射照度は、オーク製作所製紫外線照度計「UV−M02」で、アタッチメント「UV−35」を用いて、320〜390nmの紫外線の照度を23℃で測定した。得られた繊維樹脂複合体の坪量は102.9g/mであった。
(実施例2)
実施例1の(1)において、セルロース微細繊維含有分散液(B)に対し、日本エステル社製ポリエステル短繊維「N801」を、セルロース/ポリエステル短繊維が重量比で95/5となるように混合した以外の操作は同様とし、不織布を得た。得られた不織布の坪量は35.3g/mであった。以下、実施例1の(2)アセチル化及び(3)樹脂複合化の場合と同様にして繊維樹脂複合材料を得た。アセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布の坪量は38.8g/mであり、繊維樹脂複合体の坪量は94.9g/mであった。
(実施例3)
実施例1の(1)において、セルロース微細繊維含有分散液(B)に対し、日本エステル社製ポリエステル短繊維「N801」を、セルロース/ポリエステル短繊維が重量比で90/10となるように混合した以外の操作は同様とし、不織布を得た。得られた不織布の坪量は34.9g/mであった。以下、実施例1の(2)アセチル化及び(3)樹脂複合化の場合と同様にして繊維樹脂複合材料を得た。アセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布の坪量は39.6g/mであり、繊維樹脂複合体の坪量は99.9g/mであった。
(実施例4)
実施例1の(1)において、セルロース微細繊維含有分散液(B)に対し、日本エステル社製ポリエステル短繊維「N801」を、セルロース/ポリエステル短繊維が重量比で80/20となるように混合した以外の操作は同様とし、不織布を得た。得られた不織布の坪量は35.2g/mであった。以下、実施例1の(2)アセチル化及び(3)樹脂複合化の場合と同様にして繊維樹脂複合材料を得た。アセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布の坪量は39.7g/mであり、繊維樹脂複合体の坪量は101.1g/mであった。
(実施例5)
実施例1の(1)において、セルロース微細繊維含有分散液(B)に対し、日本エステル社製ポリエステル短繊維「N801」を、セルロース/ポリエステル短繊維が重量比で70/30となるように混合した以外の操作は同様とし、不織布を得た。得られた不織布の坪量は35.5g/mであった。以下、実施例1の(2)アセチル化及び(3)樹脂複合化の場合と同様にして繊維樹脂複合材料を得た。アセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布の坪量は39.8g/mであり、繊維樹脂複合体の坪量は100.8g/mであった。
(実施例6)
実施例1の(1)において、セルロース微細繊維含有分散液(B)に対し、日本エステル社製ポリエステル短繊維「N801」を、セルロース/ポリエステル短繊維が重量比で60/40となるように混合した以外の操作は同様とし、不織布を得た。得られた不織布の坪量は34.7g/mであった。以下、実施例1の(2)アセチル化及び(3)樹脂複合化の場合と同様にして繊維樹脂複合材料を得た。アセチル化セルロース微細繊維・ポリエステル短繊維含有不織布の坪量は39.9g/mであり、繊維樹脂複合体の坪量は100.6g/mであった。
(比較例1)
実施例1の(1)において、セルロース微細繊維含有分散液(B)に対しその他の繊維を混合せず、不織布の仕上がり坪量が40.0g/mになるように調整した。その後は実施例1の(1)と同様の方法で不織布を得た。得られた不織布の坪量は34.8g/mであった。以下、実施例1の(2)アセチル化及び(3)樹脂複合化の場合と同様にして繊維樹脂複合材料を得た。アセチル化セルロース微細繊維含有不織布の坪量は40.5g/mであり、繊維樹脂複合体の坪量は102.4g/mであった。
<変則フリーネス>
実施例1におけるパルプ分散液(A)を調整するにあたり基準とした変則フリーネスは、パルプ採取量を0.3g/Lとした以外はJIS P 8121 に準じて測定したフリーネスである。
<評価方法>
実施例1から6及び比較例1で作製した繊維樹脂複合体について以下の評価方法に従って評価した。上記の評価結果を表1に示す。
(1)繊維樹脂複合材料のヘーズ
JIS規格K7136に準拠し、スガ試験機製ヘーズメータを用いてC光によるヘーズ値を測定した。
(2)繊維樹脂複合材料の全光線透過率
JIS規格K7105に準拠し、スガ試験機製ヘーズメータを用いてC光による全光線透過率を測定した。
(3)繊維樹脂複合材料の線熱膨張係数
得られた繊維樹脂複合体をレーザーカッターにより、3mm幅×40mm長に切断した。これを、SII製TMA120を用いて引張モードでチャック間20mm、荷重10g、窒素雰囲気下、室温から180℃まで5℃/min.で昇温、180℃から25℃まで5℃/min.で降温、25℃から180℃まで5℃/min.で昇温した際の2度目の昇温時の60℃から100℃の測定値から線熱膨張係数を求めた。
(4)繊維樹脂複合材料の引裂強度
試験片長さ30mm、幅20mm、上部半円半径10mm、切り込み20mmとした以外は、JIS K 7128−2に準じて測定した。
Figure 0006186982
表1から明らかなように、実施例1〜6においては引裂強度が高く線熱膨張係数が低い複合体が得られた。一方、比較例1においては、引裂強度が低下した複合体が得られた。

Claims (11)

  1. 数平均繊維幅2nm以上1000nm未満の第1の繊維と、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmである第2の繊維とを含有する不織布に樹脂を含有させた複合体であって、前記第1の繊維はセルロース繊維である、複合体
  2. 引裂強度が20mN以上である、請求項1に記載の複合体。
  3. 線熱膨張係数が70ppm/K以下である、請求項1又は2に記載の複合体。
  4. 全光線透過率が80%以上であり、ヘーズが10〜80%である、請求項1から3の何れか1項に記載の複合体。
  5. 坪量が50〜200g/mである、請求項1から4の何れか1項に記載の複合体。
  6. 繊維含有率が10〜70質量%である、請求項1から5の何れか1項に記載の複合体。
  7. 第1の繊維と第2の繊維の質量比が99.9/0.1〜50/50である、請求項1から6の何れか1項に記載の複合体。
  8. 第1の繊維と第2の繊維の質量比が99/1〜60/40である、請求項1から7の何れか1項に記載の複合体。
  9. 第1の繊維の数平均繊維幅が2nm以上800nm未満である、請求項1から8の何れか1項に記載の複合体。
  10. 第2の繊維がポリエステル繊維である、請求項1から9の何れか1項に記載の複合体。
  11. 数平均繊維幅2nm以上1000nm未満のセルロース繊維である第1の繊維と、数平均繊維幅1000nm以上100000nm以下であり、かつ数平均繊維長が0.1〜20mmである第2の繊維とを含有する分散液をろ過し、ろ過後の湿紙状態の不織布を乾燥することによって不織布を製造する工程、及び前記不織布に樹脂を複合化する工程を含む、請求項1から10の何れか1項に記載の複合体の製造方法。
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