以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[第一実施形態]
〈ラップトップコンピュータ〉
図1のラップトップコンピュータ1は、操作部2と、この操作部2に回動可能(開閉可能)に連結された液晶表示部3とを有している。当該ラップトップコンピュータ1は、筐体の厚み(最厚部(液晶表示部3の閉塞時))が21mm以下であり、いわゆるウルトラブック(登録商標)と呼ばれるものである(以下「超薄型コンピュータ1」ということがある)。
当該超薄型コンピュータ1の液晶表示部3は、液晶パネル4と、この液晶パネル4に向けて裏面側から光を照射するエッジライト型バックライトユニット11(以下「バックライトユニット11」ということがある)とを有している。この液晶パネル4は、筐体の液晶表示部用ケーシング5によって、裏面、側面、及び表面の周囲が保持されている。ここで、液晶表示部用ケーシング5は、液晶パネル4の裏面(及び背面)に配設される天板14と、液晶パネル4の表面の周囲の表面側に配設される表面支持部材6とを有している。なお、当該超薄型コンピュータ1の筐体は、上記液晶表示部用ケーシング5、及びこの液晶表示部用ケーシング5にヒンジ部7を介して回動可能に設けられ、中央演算処理装置(超低電圧CPU)等が内蔵される操作部用ケーシング8を有している。
この液晶表示部3の厚みは、筐体の厚みが所望範囲であれば特に限定されるものではないが、液晶表示部3の厚みの下限は、2mmが好ましく、3mmがより好ましく、4mmがさらに好ましい。一方、液晶表示部3の上限は、7mmが好ましく、6mmがより好ましく、5mmがさらに好ましい。液晶表示部3の厚みが上記上限を超えると、超薄型コンピュータ1の薄型化の要請に沿うことが困難となるおそれがある。また、液晶表示部3の厚みが上記下限未満であると、液晶表示部3の強度の低下や輝度低下等を招くおそれがある。
〈バックライトユニット〉
上記バックライトユニット11は、図2に示すように、ライトガイドフィルム12と、ライトガイドフィルム12の裏面に積層される反射シート13と、ライトガイドフィルム12に光を照射する光源17と、ライトガイドフィルム12の表面に積層される光学シート(図示省略)とを有している。この光源17は、後述するライトガイドフィルム12の微細変調構造における稜線方向と略直交する端面側に配設される。
(ライトガイドフィルム)
ライトガイドフィルム12は、端面から入射する光線を表面から略均一に出射する。ライトガイドフィルム12は、図2に示すように、導光層19と、ハードコート層22との二層構造体として形成されている。ライトガイドフィルム12は、平面視略方形状に形成されており、厚みが略均一の板状(非楔状)に形成されている。ライトガイドフィルム12の平均厚みは600μm以下である。ライトガイドフィルム12の平均厚みの下限は、100μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。一方、ライトガイドフィルム12の平均厚みの上限は、580μmがより好ましく、550μmがさらに好ましい。上記平均厚みが上記上限を超える場合、超薄型コンピュータ1において望まれるバックライトユニット11の薄型化の要望に沿えないおそれがある。また、上記平均厚みが上記下限未満の場合、ライトガイドフィルム12の強度が不十分となるおそれがあり、また、光源17の光をライトガイドフィルム12に十分に入射させることができないおそれがある。
(導光層)
導光層19は、光線を透過させる必要があるため、透明、特に無色透明に形成される。導光層19は、ポリカーボネート系樹脂を主成分として形成されている。導光層19は、ポリカーボネート系樹脂を主成分とすることで、透明性を高め、光の損耗を少なくすることができる。また、ポリカーボネート系樹脂は耐熱性を有するので、光源17の発熱によって劣化等が生じ難い。導光層19の裏面には拡散パターン23が形成されている。また、ポリカーボネート系樹脂は、アクリル系樹脂等に比べて吸水性が少ないため、寸法安定性が高い。
上記ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されず、直鎖ポリカーボネート系樹脂又は分岐ポリカーボネート系樹脂のいずれかのみであってもよく、直鎖ポリカーボネート系樹脂と分岐ポリカーボネート系樹脂との双方を含むポリカーボネート系樹脂であってもよい。上記ポリカーボネート系樹脂としては、透明性、耐衝撃性、難燃性、寸法安定性等に優れる芳香族ポリカーボネート系樹脂が好ましい。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、特に限定されるものではなく、1種のみを用いてもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂は、一般式−(−O−X1−O−C(=O)−)−(式中、X1は、一般的には炭化水素であるが、所望の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたものであってもよい)で示される炭酸エステル結合を有する基本構造の重合体である。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂とは、炭酸エステル結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素であるポリカーボネート樹脂をいう。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂としては、例えば芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応させてなる熱可塑性樹脂の芳香族ポリカーボネート重合体が挙げられる。また、上記ジヒドロキシ化合物及びカーボネート前駆体に加えて、ポリヒドロキシ化合物等を反応させてもよい。さらに、カーボネート前駆体として二酸化炭素を用い、環状エーテルと反応させる方法を採用してもよい。なお、上記芳香族ポリカーボネート重合体は、1種の繰り返し単位のみからなる単独重合体であってもよく、2種以上の繰り返し単位を有する共重合体であってもよい。かかる共重合体としては、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体等、種々の共重合形態から選択される。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の原料として使用される上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−1−メチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−テトラブロモフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;4,4' −ジヒドロキシフェニルエーテル、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;4,4' −ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4' −ジヒドロキシ−3,3' −ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;4,4' −ジヒロキシジフェニルなどのジヒドロキシジフェニル類等が挙げられる。
なかでも、上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましい。また、上記ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類のなかでも、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。なお、上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の原料として使用される上記カーボネート前駆体としては、例えばカルボニルハライド、カーボネートエステル等が挙げられる。
上記カルボニルハライドとしては、例えばホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
上記カーボネートエステルとしては、例えばジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
なお、上記カーボネート前駆体は、1種のみを単独で用いてもよく、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法等の公知の方法が挙げられる。
また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の製造については、必要に応じて分岐剤が用いられてもよい。かかる分岐剤としては、例えば1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;α,α',α"−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン;1−〔α−メチル−α−(4'−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4−〔α',α'−ビス(4"−ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン;フロログリシン,トリメリト酸,イサチンビス(o−クレゾール)等が挙げられる。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率は特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率の下限としては、0.5mol%が好ましく、0.7mol%がより好ましく、0.8mol%がさらに好ましい。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率の上限としては、1.5mol%が好ましく、1.3mol%がより好ましく、1.2mol%がさらに好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が上記上限を超える場合、耐衝撃性や透明性が低下すると共に、成形性が低下するおそれがある。逆に、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の分岐率が上記下限未満の場合、溶融張力が低下して難燃性が低下するおそれがある。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)の下限としては、2.0×104が好ましく、2.2×104がより好ましく、2.4×104が更に好ましい。また、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)の上限としては、5.0×104が好ましく、4.8×104がより好ましく、4.6×104がさらに好ましい。上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記上限を超える場合、成形性が低下するおそれがある。逆に、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂の重量平均分子量(Mw)が上記下限未満の場合、機械的強度が低下するおそれがある。上記重量平均分子量(Mw)とは、GPCによって測定したポリスチレン換算値を意味する。
上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は特に限定されないが、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の下限は、1.0が好ましく、1.3がより好ましく、1.5がさらに好ましい。また、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の上限は、2.5が好ましく、2.3がより好ましく、2.1がさらに好ましい。上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。逆に、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が上記下限未満の場合、成形性が低下するおそれがある。なお、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は、カラムとしてPolymer Laboratories社製の「PLGel 5μ MIXED−C」を使用し、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定することができる。また、上記重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)の調整は、重合の際に分子量調整剤の使用料、添加時期等を調整したり、反応時間や反応温度等の重合条件を調整したりすることによって可能である。
上記芳香族ポリカーボネート系樹脂のメルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)は特に限定されないが、下限は15cm3/10minが好ましく、17cm3/10minがより好ましく、20cm3/10minがさらに好ましい。また、上記メルトボリュームフローレートの上限は、80cm3/10minが好ましく、75cm3/10minがより好ましく、70cm3/10minがさらに好ましい。上記メルトボリュームフローレートが上記上限を超える場合、溶融温度が低くなり、溶融押出成形される場合の吐出量が不安定化して成形性が低下するおそれがある。逆に、上記メルトボリュームフローレートが上記下限未満の場合、溶融温度が高くなり、溶融押出成形される場合に、押出機とダイの間に設置されるフィルターが目詰まりしやすくなる。なお、「メルトボリュームフローレート(300℃、1.2kg荷重)」は、ISO1133に準拠して測定した値である。
導光層19は、重量平均分子量1000以上10000以下のポリスチレン系樹脂を含むとよい。上記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量としては、1500以上8000以下がより好ましく、2000以上5000以下がさらに好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。
また、上記ポリスチレン系樹脂の含有量は特に限定されるものでないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の下限は、0.1質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.3質量部がさらに好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する含有量の上限は、3質量部が好ましく、2質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記ポリスチレン系樹脂の含有量が上記上限を超える場合、光線透過率が低下するおそれがある。逆に、上記ポリスチレン系樹脂の含有量が上記下限未満の場合、光線透過率の向上効果が得られないおそれがある。
導光層19は、熱可塑性ポリアクリル系樹脂を含むとよい。かかる熱可塑性ポリアクリル系樹脂としては、特に限定されず、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリアクリロニトリル、アクリル酸−n−ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エチル−アクリル酸−2−クロロエチル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)が特に好ましい。
上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量の下限としては、0.01質量部が好ましく、0.03質量部がより好ましく、0.05質量部がさらに好ましい。また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量の上限としては、1質量部が好ましく、0.7質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量が上記上限を超える場合、透明性の向上効果があまり得られず、分光光線透過率が向上しないおそれがある。逆に、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の含有量が上記下限未満の場合、透明性が低下するおそれがある。
また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量は、特に限定されないが、下限は5000が好ましく、1万がより好ましく、2万がさらに好ましい。また、上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量の上限は、10万が好ましく、8万がより好ましく、6万がさらに好ましい。上記熱可塑性ポリアクリル系樹脂の分子量が上記範囲であることによって、成形時の相分離が抑えられ、好適に透明性が向上される。
導光層19は、酸化防止剤を含有するのが好ましい。上記酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えばヒンダードフェノール系化合物やチオエーテル系化合物が挙げられる。なかでも、上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物が好ましく、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが特に好ましい。
上記酸化防止剤の含有量は、特に限定されるものではないが、上記芳香族ポリカーボネート系樹脂100質量部に対する上記酸化防止剤の含有量の下限は、0.01質量部が好ましく、0.03質量部がより好ましく、0.04質量部がさらに好ましい。また、上記酸化防止剤の含有量の上限としては、0.1質量部が好ましく、0.08質量部がより好ましく、0.07質量部がさらに好ましい。上記酸化防止剤の含有量が上記上限を超える場合、酸化防止剤を含有させる効果が向上されないおそれがある。逆に、上記酸化防止剤の含有量が上記下限未満の場合、酸化防止剤を含有させることによる効果が十分得られないおそれがある。
なお、導光層19は、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、滑剤、加工助剤、可塑剤、耐衝撃助剤、位相差低減剤、艶消し剤、抗菌剤、防かび等の任意成分を含んでもよい。
導光層19の平均厚みは、特に限定されないが、下限は、100μmが好ましく、150μmがより好ましく、200μmがさらに好ましい。また、上記導光層19の平均厚みの上限は、580μm以下が好ましく、560μmがより好ましく、540μmがさらに好ましい。上記導光層19の平均厚みが上記下限未満の場合、ライトガイドフィルム12が薄くなってしまい、強度が十分でないおそれがあり、また、光源17の光を導光層19に十分に入射させることができないおそれがある。一方、導光層19の平均厚みが上記上限を超える場合、ライトガイドフィルム12が厚くなってしまい、超薄型コンピュータ1において望まれるバックライトユニット11の薄型化の要望に沿えないおそれがある。
導光層19の波長300nmにおける分光光線透過率は、特に限定されないが、下限としては、65%以上が好ましく、70%がより好ましく、73%がさらに好ましい。上記分光光線透過率が上記範囲であることによって、導光層19の導光性を高め、輝度を向上することができる。なお、当該ライトガイドフィルム12は、導光層19の端面から可視光領域の波長の光線を入射して導光層19内を伝搬させるものである。この点、波長300nmにおける分光光線透過率は、可視光域の分光光線透過率を直接的に表すものではないものの、可視光領域の分光光線透過率を反映する傾向にある。なお、「導光層の波長300nmにおける分光光線透過率」は、厚み400μmで測定した可視−UV分光スペクトルにおけるものである。
導光層19の屈折率(n1)は、特に限定されないが、1.56以上1.68以下が好ましく、1.58以上1.66以下がより好ましい。
導光層19の表面(ハードコート層22との界面)は、波状の微細変調構造を有している。また、波状の微細変調構造における稜線20方向と光線が入射する端面とが略直交している。これにより、導光層19内を伝播する光線が表面において反射する際に一部の光線の進行方向が稜線20側に寄るため、光線が稜線方向側に集光されやすくなる。また、これに加えて表面から出射する光線が波状の上記微細変調構造での屈折により稜線方向と垂直方向に若干拡散するため、出射光線の拡散性が向上する。
上記微細変調構造における稜線間隔pとしては、特に限定されないが、1mm以上500mm以下が好ましい。稜線間隔pの上限は、100mmがより好ましく、60mmがさらに好ましい。一方、稜線間隔pの下限は、10mmがより好ましく、20mmがさらに好ましい。稜線間隔pが上記範囲外の場合、ライトガイドフィルム12内を伝搬する光線が稜線方向側に集光されにくい。
また、上記変調構造における複数の谷線21が通る近似仮想面を基準とする稜線20の平均高さhは、特に限定されないが、5μm以上40μm以下が好ましい。上記平均高さの下限は、7μmがより好ましく、9μmがさらに好ましい。一方、上記平均高さの上限は、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。上記平均高さhが上記範囲外の場合、ライトガイドフィルム12内を伝搬する光線が稜線方向側に集光されにくい。
拡散パターン23は、導光層の裏面に形成される複数の凹部から構成されている。複数の凹部は、導光層19の裏面に散点状に形成されている。複数の凹部は、当該ライトガイドフィルム12から均一な光を表面側に出射できるように配設されている。具体的には、複数の凹部は、光源17に近接する位置での存在割合が少なく、光源17から遠くなるにつれて存在割合が多くなるように形成されている。複数の凹部の存在割合の調整は、各凹部の大きさを同一としつつ配設位置を調整したり、各凹部の大きさを変更することによって可能である。ただし、当該ライトガイドフィルム12の薄型化を促進しつつ導光性を向上させる点からは、各凹部の大きさを同一としつつ配設位置を調整する方が好ましい。
上記凹部の平均径は、特に限定されないが、下限は、0.5μmが好ましく、1μmがより好ましく、5μmが更に好ましい。また、上記凹部の平均径の上限は、50μm以下が好ましく、40μmがより好ましく、30μmがさらに好ましい。上記凹部の平均径が上記下限未満の場合、光散乱効果が十分に得られないおそれがある。逆に上記凹部の平均径が上記上限を超える場合、輝度ムラを生じるおそれがあると共に、凹部の高さが大きくなり、ライトガイドフィルム12の薄型化の促進が困難になるおそれがある。なお、「径」とは、外形の最大幅と、その最大幅方向に直交方向の外形の幅との中間値を意味する。さらに、「平均径」とは、複数の凹部の径の平均値をいう。
上記凹部の形状としては、特に限定されないが、半球状、円錐状、円筒状、多角錐状、多角柱状、蹄状等とすることが可能である。なかでも、上記凹部は、半球状の凹状部として形成されることが好ましい。上記凹部を半球状の凹状部とすることによって、成形性が向上され、エッジが出るのを防止することができると共に、薄型化が促進される。
(ハードコート層)
ハードコート層22は、導光層19の表面に積層されている。ハードコート層22は、熱硬化性樹脂や活性エネルギー線硬化性樹脂等の合成樹脂を主成分として含んでいる。なかでも、ハードコート層22は、紫外線や電子線等の活性エネルギー線によって硬化する活性エネルギー線硬化性樹脂を含むことが好ましい。特に、ハードコート層22の主成分としては、ハードコート層22の屈折率を小さくする点等から、活性エネルギー線硬化性のアクリル系樹脂が好ましい。
上記活性エネルギー線硬化性のアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等の重合性官能基を有するモノマー又はオリゴマーを混合した組成物が挙げられる。この組成物としては、3官能以上の多官能モノマーを用いることが好ましい。また、上記モノマー又はオリゴマーは、単独又は複数混合して使用することができる。
上記モノマーとしては、特に限定されるものではなく、メチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシ(メタ)アクリレート等の単官能アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサ(メタ)トリアクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレートヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等が挙げられる。
上記オリゴマーとしては、特に限定されるものではなく、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルキット(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記活性エネルギー線硬化性のアクリル系樹脂の含有量は、特に限定されないが、ハードコート層22の固形分総量に対して、50質量%以上が好ましく、55質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上が特に好ましい。
上記モノマー又はオリゴマーの重合を開始させるためには光重合開始剤が用いられることが好ましい。かかる光重合開始剤としては、特に限定されるものではなく、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、2−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のカルボニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの光重合開始剤は単独で使用してもよく、2種以上組み合せて用いてもよい。
上記光重合開始剤の含有量は、特に限定されないが、ハードコート層22の固形分総量に対して0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上8質量%以下がより好ましい。
ハードコート層22には、屈折率の調整や、耐熱性、寸法安定性等の向上のために、コロイダルシリカ、コロイダル酸化アルミニウム、コロイダル炭酸カルシウム、スメクタイト、マイカ、酸化チタン、酸化ジルコン、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、タルク、アルミナ、硫酸バリウム、アスベスト、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)などの無機超微粒子を分散含有させてもよい。
さらに、ハードコート層22には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、帯電防止剤、滑剤、着色剤等を含有してもよい。
ハードコート層22の平均厚みは、特に限定されないが、下限は、2μmが好ましく、7μmがより好ましく、10μmがさらに好ましい。また、上記ハードコート層22の平均厚みの上限は、20μmが好ましく、18μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。ハードコート層22の平均厚みが上記下限未満である場合、導光層19の傷付きを的確に防止できなくなるおそれがある。逆に、ハードコート層22の平均厚みが上記上限を超える場合、ライトガイドフィルム12の薄型化の要求に沿わないおそれがあるとともに、導光層19とハードコート層22との硬度差に起因してカールが発生するおそれがある。
ハードコート層22の鉛筆硬度は、HB以上が好ましく、H以上がより好ましく、2H以上がさらに好ましい。ハードコート層22の鉛筆硬度を上記下限以上とすることで、ハードコート層22自体の傷付きを的確に防止することができ、ハードコート層22の表面で傷による不用意に光線が拡散等することを的確に防止できる。なお、ライトガイドフィルム12の鉛筆硬度の上限は、特に限定されるものではなく、例えば4Hである。なお、「鉛筆硬度」とは、JIS K5400に規定する試験方法の8.4に記載の鉛筆引っかき値に基づく値をいう。
ハードコート層22の屈折率(n2)は、特に限定されないが、1.3以上1.75以下が好ましく、1.4以上1.65以下がより好ましく、1.5以上1.56以下がさらに好ましい。また、ハードコート層22の屈折率(n2)は、導光層19の屈折率(n1)よりも小さいことが好ましい。つまり、導光層19の屈折率(n1)とハードコート層の屈折率(n2)とが、n1>n2を満たすことが好ましい。また、導光層19の屈折率(n1)とハードコート層22の屈折率(n2)との差の絶対値(|n1−n2|)が、0.1以下が好ましい。上記屈折率の差の絶対値(|n1−n2|)の上限は、0.08がより好ましく、0.06がさらに好ましい。上記導光層19の屈折率(n1)とハードコート層22の屈折率(n2)との差の絶対値が上記上限を超える場合、導光層19内を伝搬する光線をハードコート層22内に好適に出射させることができないおそれがある。なお、上記屈折率の差の絶対値(|n1−n2|)の下限は、特に限定されず、0又は0.001である。
(反射シート)
反射シート13は、ライトガイドフィルム12の裏面側から出射された光線を表面側に反射させる。反射シート13としては、ポリエステル系樹脂等の基材樹脂にフィラーを分散含有させた白色シートや、ポリエステル系樹脂等から形成されるフィルムの表面に、アルミニウム、銀等の金属を蒸着させることで正反射性が高められた鏡面シート等が挙げられる。
(光源)
光源17は、液晶表示部用ケーシング5に内蔵されており、照射面がライトガイドフィルム12の導光層19の端面に対向(又は当接)するよう配設されている。光源17としては、種々のものを用いることが可能であり、例えば発光ダイオード(LED)を用いることが可能である。具体的には、この光源17として、複数の発光ダイオードが導光層19の端面に沿って配設されたものを用いることができる。
当該バックライトユニット11においては、ライトガイドフィルム12の一つの側縁のみの側方に光源17を配設する片側エッジライト方式や、ライトガイドフィルム12の対向する側縁の側方に光源17をそれぞれ配設する両側エッジライト方式や、ライトガイドフィルム12の各側縁の側方に光源17を配設する全周囲エッジライト方式等を採用することが可能である。
(光学シート)
光学シートは、上述のように当該ライトガイドフィルム12の表面に積層されるシートであり、ライトガイド12から出射した光線を拡散、屈折等する光学的機能を有するシートである。この光学シートとしては、例えば光拡散シート、プリズムシート等が用いられる。この光学シートは、裏面に当該ライトガイドフィルム12とのスティッキングを防止するためのスティッキング防止層を有することが好ましい。このスティッキング防止層としては、例えばビーズを含む塗工液の塗工により形成され、裏面に微細凹凸を有するものを採用可能である。
〈ライトガイドフィルムの製造方法〉
次に、当該ライトガイドフィルム12の製造方法について以下説明するが、本発明のライトガイドフィルム12の製造方法は以下に述べる製造方法に限定されるものではない。
ライトガイドフィルム12の製造方法としては、表面に波状の微細変調構造を有する導光層19を成形する工程(STEP1)と、導光層19の裏面に拡散パターン17を形成する工程(STEP2)と、導光層19の表面にハードコート層22を形成する工程(STEP3)とを有している。なお、STEP1とSTEP2とを別工程でそれぞれ行うことも可能であるが、本実施形態においては、STEP1では押出シート成形法が採用され、STEP2では、押圧ロールを拡散パターンが転写されたロール状の反転型とすることで、STEP1とSTEP2とが同時に行われる。
STEP1は、図4の押出成形装置24を用いて実施される。押出成形装置24は、押出機及びTダイ25と、一対の押圧ロール26と、巻取り装置(図示せず)等とを有している。Tダイ25としては、例えばフィッシュテールダイ、マニホールドダイ、コートハンガーダイ等の周知のものを使用することができる。また、Tダイ25の断面形状は、上記微細変調構造の稜線と垂直断面形状の反転形状である。これにより、表面が波状の微細変調構造を有するライトガイドフィルムが形成される。
一対の押圧ロール26は隣接して平行に配設されている。押出機及びTダイ25は、一対の押圧ロール26のニップに溶融樹脂をシート状に押し出し可能に構成されている。一対の押圧ロール26は、温度制御手段が設けられ、表面温度を押出成形に最適な温度に制御可能に構成されている。押圧ロール26として、金属ロールと表面に弾性体を被覆したフレキシブルロールとからなる金属弾性ロールを用いることが好ましい。
一対の押圧ロール26は、押圧ロール26aと、押圧ロール26bとから構成されている。このうち、押圧ロール26aは、拡散パターンが表面に転写された反転型として形成されている。
STEP1は、溶融状態の導光層形成材料をTダイ25に供給し、この形成材料を押出機及びTダイ25から押し出したうえ、一対の押圧ロール26で押圧する押出シート成形法によって行われる。なお、Tダイ25から押し出す導光層形成材料の溶融温度は、使用される樹脂の融点等を考慮して適宜選定される。STEP1で形成される導光層の平均厚さは600μm未満とされる。導光層19の平均厚さは、一対の押圧ロール26の配設間隔を調整すること等によって調整される。
また、一対の押圧ロール26の配設間隔や回転速度等は、Tダイ25から押出されるシート本体の形成材料の供給量や溶融状態等を考慮して調整される。
STEP2は、押圧ロール26aの表面に転写された拡散パターンを溶融状態のシート本体の形成材料が硬化する前に転写することで行われる。STEP2では、溶融状態のシート本体の形成材料が一対の押圧ロール26によって押圧されることで、押圧ロール26a表面に転写された拡散パターンがシート本体の裏面に転写される。STEP2では、この転写によって、シート本体の裏面に複数の凹部が形成される。
STEP3は、上記微細変調構造が形成された導光層19の表面にハードコート層22の形成材料を塗工することで、ハードコート層22を形成する工程である。このようにハードコート層22の形成材料を塗工する方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレー法、スライドコート法、ディップ法、バーコート法、ロールコーター法、スクリーン印刷法等、種々の方法を用いることができる。また、ハードコート層22の製造に当たっては、必要に応じて、前処理として、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下におけるプラズマ処理等の表面改質処理を行ってもよい。
〈利点〉
当該ライトガイドフィルム12は、導光層19の表面に形成されるハードコート層22によって、導光層19表面の傷の発生を防止できる。このため、導光層19内を導光する光線が導光層19表面の傷により不用意に拡散等して、輝度ムラが生ずることを的確に防止できる。
また、当該ライトガイドフィルム12は、平均厚みが600μm以下とされるので、薄型化を促進することができる。そして、このようにライトガイドフィルム12が薄いため導光層19を導光する光線が導光層19の表面及び裏面で従来の導光板よりも反射する回数が多いものの、上記のようにハードコート層22によって導光層19の傷の発生が防止されているため、輝度ムラの発生を効果的に抑制できる。
さらに、当該ライトガイドフィルム12は、押出シート成形法により、押出ダイに上記微細変調構造の稜線と垂直断面形状の反転形状を付けることで、導光層19の表面が波状の微細変調構造を有するライトガイドフィルムを容易かつ確実に形成することができる。
また、当該ライトガイドフィルム12は、波状の微細変調構造における稜線20方向と光線が入射する端面とが略直交するよう配設されるので、導光層19内の透過光線が稜線方向側に集光されやすく、このため入射した光線の導光性を高めることができる。また、導光層19の表面から出射する光線が上記波状の微細変調構造での屈折により稜線方向と垂直方向に若干拡散され、このため出射光線の拡散性を向上することができる。
[第二実施形態]
〈ライトガイドフィルム〉
次に第二実施形態のライトガイドフィルムとして、図5に示すライトガイドフィルム33を説明する。なお、第二実施形態の説明において、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。
当該ライトガイドフィルム33は、導光層34とハードコート層22とを備えるとともに、導光層34とハードコート層22との間に積層される保護層38を更に備えている。上記導光層34の裏面には拡散パターン37が形成されている。
保護層38は、アクリル系樹脂を主成分とする。ここで、保護層38は、アクリル系樹脂のみから構成することも可能であるが、副成分として例えば芳香族ポリカーボネート系樹脂等のその他の樹脂を含むことも可能である。このように副成分を含む場合、保護層38は、アクリル樹脂と芳香族ポリカーボネート系樹脂との共重合体又はポリマーアロイであるとよい。この芳香族ポリカーボネート系樹脂はアクリル系樹脂100重量部に対し10質量部以上50質量部以下の割合で含有されるとよい。
上記アクリル系樹脂としては、特に限定されないが、ポリメタクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸エステル、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、(メタ)アクリル酸メチル−スチレン共重合体、脂環族炭化水素基を有する重合体(例えば、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体、メタクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ノルボルニル共重合体)などが挙げられる。これらのアクリル系樹脂のなかでも、ポリ(メタ)アクリル酸メチルなどのポリ(メタ)アクリル酸C1−6アルキルが好ましく、メタクリル酸メチル系樹脂がより好ましい。
保護層38の導光層34に対する厚み比としては、特に限定されないが、上記厚み比の下限としては、1/50が好ましく、1/25がより好ましく、1/20がさらに好ましい。また、上記厚み比の上限としては、1/5が好ましく、1/8がより好ましく、1/10がさらに好ましい。保護層38の導光層34に対する厚み比が上記上限を超える場合、導光層34の厚みが小さくなり、光源から入射した光を導光層34において的確に伝搬できないおそれが高くなる。逆に、保護層38の導光層34に対する厚み比が上記下限未満の場合、ライトガイドフィルム33の表面側の硬度を好適に高められないおそれがある。
導光層34の屈折率(n1)と保護層38の屈折率(n3)との差の絶対値(|n1−n3|)、及びハードコート層22の屈折率(n2)と保護層38の屈折率(n3)との差の絶対値(|n2−n3|)は、いずれも0.1以下が好ましい。導光層34の屈折率(n1)と保護層38の屈折率(n3)との差の絶対値(|n1−n3|)、及びハードコート層22の屈折率(n2)と保護層38の屈折率(n3)との差の絶対値(|n2−n3|)の上限は、0.08がより好ましく、0.06がさらに好ましい。上記導光層34の屈折率(n1)と保護層38の屈折率(n3)との差の絶対値(|n1−n3|)が上記上限を超える場合、導光層34内を伝搬する光線を保護層38内に好適に出射することができないおそれがある。また、ハードコート層22の屈折率(n2)と保護層38の屈折率(n3)との差の絶対値(|n2−n3|)が上記上限を超える場合、保護層38内を伝搬する光線をハードコート層22内に好適に出射させることができないおそれがある。
また、導光層34の屈折率(n1)と、ハードコート層22の屈折率(n2)と、保護層38の屈折率(n3)とが、n1>n3>n2を満たすことが好ましい。これにより、一定角度以上で導光層34から保護層38に入射する光線は、導光層34と保護層38との界面で全反射されて導光層34内を伝搬する。また、一定角度以上で保護層38からハードコート層22に入射する光線は、保護層38とハードコート層22との界面で全反射されて導光層34内及び保護層38内を伝搬する。それゆえ、ライトガイドフィルム33は、ライトガイドフィルム33内を伝搬する光線のうち、ハードコート層22まで達する光線の量を低減することができる。従って、ライトガイドフィルム33は、光線を表面側から好適に出射させることができると共に、仮にハードコート層22の表面に傷が入り、またはゴミ等が付着した場合であっても、この傷やゴミ等によって光が乱反射されるのを抑制することができる。
〈ライトガイドフィルムの製造方法〉
次に、当該ライトガイドフィルム33の製造方法について以下説明するが、本発明のライトガイドフィルム33の製造方法は以下に述べる製造方法に限定されるものではない。
ライトガイドフィルム33の製造方法としては、導光層34及び保護層38からなるシート状の積層体を生成する工程(STEP1)と、導光層34の裏面に拡散パターン37を形成する工程(STEP2)と、保護層38の表面にハードコート層22の形成材料を塗布し、乾燥させ、活性エネルギー線照射させることによってハードコート層22を生成する工程(STEP3)とを有している。当該ライトガイドフィルム33は、図5の共押出機39を用いた共押出成形法によって成形される。STEP3については、第1実施形態にて説明したものと同様であり、説明を省略する。
共押出機39は、押出機40、41と、分配ブロック42と、マルチマニホールドダイ(Tダイ)43と、押圧ロール44、45とを有している。押圧ロール44及び押圧ロール45は、隣接して平行に配設されている。押圧ロール45は、拡散パターン37が表面に転写された反転型として形成されている。
STEP1では、まず、保護層38の形成材料が押出機40に投入され、導光層34の形成材料が押出機41に投入される。次に、保護層38の形成材料及び導光層34の形成材料は、分配ブロック42に供給され、所望の厚みになるように分配される。そして、保護層38の形成材料及び導光層34の形成材料は、所望の厚みに分配された後、マルチマニホールドダイ43内で積層され、マルチマニホールドダイ43の先端からフィルム状に押出しされる。なお、押出機40、41及びマルチマニホールドダイ43の温度設定は、使用される樹脂の融点等を考慮して適宜選択される。また、当該ライトガイドフィルム33の製造については、必ずしも分配ブロック42及びマルチマニホールドダイ43を用いたマルチマニホールド方法を用いる必要はなく、フィードブロック積層方式やダイ外積層方式であるデュアルスロットダイ等を用いてもよい。
STEP2は、押圧ロール45の表面に転写された拡散パターンを溶融状態のシート本体の形成材料が硬化する前に転写することで行われる。STEP2では、溶融状態のシート本体の形成材料が一対の押圧ロール44、45によって押圧されることで、押圧ロール45表面に転写された拡散パターンがシート本体の裏面に転写される。STEP2では、この転写によって、シート本体の裏面に複数の凹部が形成される。
STEP3は、上記保護層38の表面にハードコート層22の形成材料を塗工することで、ハードコート層22を形成する工程である。このようにハードコート層22の形成材料を塗工する方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート法、スプレー法、スライドコート法、ディップ法、バーコート法、ロールコーター法、スクリーン印刷法等、種々の方法を用いることができる。また、ハードコート層22の製造に当たっては、必要に応じて、前処理として、アルゴンガスや窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下におけるプラズマ処理等の表面改質処理を行ってもよい。
[第三実施形態]
〈バックライトユニット〉
次に第三実施形態のバックライトユニットとして、図7に示すバックライトユニット60について説明する。なお、第三実施形態の説明において、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。
上記バックライトユニット60は、ライトガイドフィルム61と、ライトガイドフィルム61の裏面に積層される反射シート62と、ライトガイドフィルム61に光を照射する光源68と、ライトガイドフィルム61の表面に積層される光学シート(図示省略)とを有している。この光源68は、後述ライトガイドフィルム61の微細変調構造における稜線方向と略平行する端面側に配設される。
当該ライトガイドフィルム61は、第一実施形態と同様に導光層63とハードコート層64とを備え、上記導光層63の裏面には拡散パターン65が形成されている。
導光層63の表面(ハードコート層64との界面)は、波状の微細変調構造を有している。また、波状の微細変調構造における稜線66方向と光線が入射する端面とが略平行に位置している。これにより、導光層63内を伝搬する光線の進行方向に対し上記微細変調構造の稜線66方向が略垂直に位置するため、上記波状の微細変調構造により表面への光線の入射角が変動することに起因し、導光層63からハードコート層64へ好適に光線が出射し、これによりライトガイドフィルム61の表面からの出光性が向上する。
上記微細変調構造における稜線間隔としては、特に限定されないが、1mm以上500mm以下が好ましい。稜線間隔の上限は、100mmがより好ましく、60mmがさらに好ましい。一方、稜線間隔の下限は、10mmがより好ましく、20mmがさらに好ましい。稜線間隔が上記下限未満の場合、導光層63からハードコート層64へ光線が出射しすぎるおそれがある。一方、稜線間隔が上記上限を超える場合、導光層63からの出光性の向上効果が低い可能性がある。なお、微細変調構造における全ての稜線間隔が上記範囲内にあることが好ましいが、微細変調構造における複数の稜線間隔のうち一部が上記範囲外であってもよく、この場合には、複数の稜線間隔のうち50%以上、好ましくは70%の稜線間隔が上記範囲内にあるとよい。
また、上記微細変調構造における複数の谷線67が通る近似仮想面を基準とする稜線66の平均高さは、特に限定されないが、5μm以上40μm以下が好ましい。上記平均高さの下限は、7μmがより好ましく、9μmがさらに好ましい。上記平均高さhの上限は、20μmがより好ましく、15μmがさらに好ましい。上記平均高さが上記上限を超える場合には、ライトガイドフィルム61の表面から光線が出射しすぎるおそれがある。逆に、上記平均高さが上記下限未満の場合、ライトガイドフィルム61の出光性の向上効果が低くなるおそれがある。
[第四実施形態]
〈ライトガイドフィルム〉
次に第四実施形態のライトガイドフィルムとして、図8に示すライトガイドフィルム51を説明する。なお、第四実施形態の説明において、第一実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。
当該ライトガイドフィルム51は、第一実施形態と同様に導光層52とハードコート層53とを備えている。上記導光層52の裏面には拡散パターン54が形成されている。拡散パターン54は、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部から形成されている。具体的には、拡散パターン54は、導光層52の形成材料中に発色剤を含有させておき、導光層52の成形後にレーザー照射することで上記発色剤が発色して形成されている。
導光層52の形成材料中に分散含有される発色剤は、レーザー照射によって色が変色する顔料である。この発色剤としては、レーザーマーキング剤として用いられる周知の有機物や無機物を用いることができる。具体的には、例えば、黄色酸化鉄、無機鉛化合物、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット、水銀、コバルト、銅、ビスマス、ニッケル等の金属化合物、真珠光沢顔料、珪素化合物、雲母類、カオリン類、珪砂、硅藻土、タルク等を挙げることができ、これらの中から1種又は2種以上を用いることができる。ただし、本実施形態において拡散パターン54は光線を反射させる反射パターンとして形成されるため、光線を反射する色を有することが好ましい。従って、当該ライトガイドフィルム51では、レーザー照射によって白色に発色する発色剤を用いることが好ましく、逆にレーザー照射によって炭化し光線を吸収する黒色に変化する発色剤は不適切である。このような白色に発色する発色剤としては、例えばチタンブラック、コーディエライト、雲母等が挙げられる。
上記コーディエライトとしては、組成式MG2Al3(AlSi5O18)で表される無機化合物のほか、Mgの一部がFeに置換されたものを用いることができる。また、水分を含有したものを用いてもよい。
上記雲母としては、マスコバイト、フロゴバイト、バイオタイト、セリタイト等の天然雲母、フッ素金雲母、フッ素四ケイ素雲母等の合成雲母を用いることができる。
導光層51における発色剤の含有量は、特に限定されないが、下限は、0.0001質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましい。また、上記発色剤の含有量の上限は、2.5質量%以下が好ましく、1質量%がより好ましい。発色剤の含有量が上記下限未満の場合に、レーザー照射時に十分な発色効果が得られず、所望の反射パターンを形成できないおそれがある。逆に、発色剤の含有量が上記上限を超える場合、導光層52の透明度、機械的強度等が低下するおそれがある。
導光層52に照射するレーザーは、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガスレーザー、一酸化炭素レーザー、半導体レーザー、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー等が挙げられる。なかでも波長が9.3μmから10.6μmである炭酸ガスレーザーが精細なドットパターンを形成するのに好適である。上記炭酸ガスレーザーとしては、横方向大気圧励起(TEA)型、連続発振型、パルス発振型等を用いることができる。
光散乱部の形状は、特に限定されないが、半球状、円錐状、円筒状、多角錐状、多角柱状、蹄状等とすることが可能である。なかでも、光散乱部の形状としては、半球状が好ましい。光散乱部を半球状とすることによって、成形性が向上されると共に、エッジが出るのを防止することができる。なお、拡散パターン54の配設パターンは、図2の拡散パターン23と同様である。また、光散乱部の平均径は、図2の凹部と同様である。
なお、当該ライトガイドフィルム51は、拡散パターン54がレーザー照射によって形成される。そのため、当該ライトガイドフィルム51は、共押出成形法によって成形される場合であっても、押圧ロールの表面に拡散パターン54が転写されている必要はない。
〈ライトガイドフィルムの製造方法〉
次に、当該ライトガイドフィルム51の製造方法について以下説明するが、本発明のライトガイドフィルム51の製造方法は以下に述べる製造方法に限定されるものではない。
ライトガイドフィルム51の製造方法としては、表面に波状の微細変調構造を有する導光層52を成形する工程(STEP1)と、導光層52の裏面に拡散パターン54を形成する工程(STEP2)と、導光層52の表面にハードコート層53を形成する工程(STEP3)とを有している。本実施形態においては、STEP1及びSTEP3については、第1実施形態にて説明したものと同様であり、説明を省略する。なお、本実施形態においては、押圧ロールには、拡散パターンが表面に転写された反転型を用いていない。
STEP2は、STEP1で形成された導光層52に対してレーザー照射することで、導光層52に光拡散パターン54を形成するものである。導光層52に照射するレーザーは、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸ガスレーザー、一酸化炭素レーザー、半導体レーザー、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザー等が挙げられる。なかでも波長が9.3μmから10.6μmである炭酸ガスレーザーが精細なドットパターンを形成するのに好適である。上記炭酸ガスレーザーとしては、横方向大気圧励起(TEA)型、連続発振型、パルス発振型等を用いることができる。
〈利点〉
当該ライトガイドフィルム51は、拡散パターン54が、レーザー照射によって発色した複数の光散乱部からなるため、所望の拡散パターン54を容易かつ確実に形成することができる。また、このような方法によって拡散パターン54を形成する場合、当該ライトガイドフィルム51の裏面に凸部等を設ける必要がないため、薄型化を促進することができる。
[その他の実施形態]
なお、本発明のライトガイドフィルム、超薄型液晶バックライトユニット及び携帯型コンピュータは、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
上記実施形態においては、当該ライトガイドフィルムは、導光層の表面が波状の微細変調構造を有する構成について説明したが、導光層の表面及び裏面が波状の微細変調構造を有する構成とすることができる。導光層の表面及び裏面が波状の微細変調構造を有することにより、当該ライトガイドフィルムから出光する光線の輝度及びその均一性の低下を抑制することができる。
上記実施形態においては、当該ライトガイドフィルムの保護層の表面及び裏面が微細変調構造を有する構成について説明したが、保護層の表面が微細変調構造を有しない構成とすることができる。
また、本発明のライトガイドフィルムの拡散パターンは、インクジェット印刷、スクリーン印刷等の印刷法や平板状の反転型を用いた熱プレス法等、種々の方法で形成することができる。
さらに、上記実施形態においては、シート本体の成形工程(STEP1)と拡散パターン形成工程(STEP2)とを同時に行うものについて説明したが、上述のようにSTEP1とSTEP2とを別工程で行うことが可能であり、具体的にはSTEP1によって成形したシート本体をロール状に巻回し、その後ロール状の状態からシート本体を引出してSTEP2を行うことも可能である。
また、上記実施形態のようなSTEP2の後に、アニーリング処理する工程を行ってもよい。このアニーリング処理は、特に限定されず公知の方法を採用することができる。例えば、加熱ロール、赤外線ヒーター、熱風等からなる加熱方法を採用することができる。これらの方法のなかでも、加熱ロールによりアニーリング処理するのが好ましい。加熱ロールを高温にすることで、シート本体の表面の温度を一気に上昇させることができ、シート本体の収縮率を抑制することができる。
さらに、当該携帯型コンピュータとしては、超薄型のラップトップコンピュータの他、携帯電話やスマートフォン等の携帯電話端末や、タブレット端末等の種々のコンピュータが挙げられる。