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JP6191866B2 - 充填材料の製造方法 - Google Patents
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JP6191866B2 - 充填材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は中和沈殿澱物および建設残土を用いた充填材料の製造方法に関する。廃鉱山等の坑道に充填する充填材料として中和沈殿澱物および建設残土を用いた充填材料が検討されている。本発明はこのような充填材料の製造方法に関する。
廃鉱山では、坑道等の地下空間において、鉱石に含まれる重金属等が好気性雰囲気下で酸化されて廃水中へ溶出することが知られており、流出する鉱山廃水の中和処理を行い、その工程で発生する沈殿物を埋め立て処分している。降雨等の影響により坑内を流れる水量が増えると、沈殿物の発生量が増加する。
そこで、坑道等の地下空間を充填して坑道内を流れる水の量を削減する方法が検討され、特許文献1および特許文献2のような地下空間または地下坑道の充填工法が提案されている。これらの工法で使用される充填材には高流動性や材料分離抵抗性が求められている。また、特許文献3には埋戻しに用いる高流動性処理土について記載されている。
特開平9−125900号公報 特開2002−81054号公報 特開2013−64314号公報
規模の大きな鉱山では、充填材料の製造場所から注入口までの距離が長くなるため、充填材料の搬送はポンプ圧送が有利である。また、廃水の処理工程で発生した沈殿物を充填材料の一部として利用できれば、埋め立て処分が不要となり、環境への負荷も大幅に低減されることになる。充填材料としてはセメントまたはセメント系固化材、沈殿物、土壌および水等からなる流動化処理土が考えられるが、沈殿物は鉱山によってその性状が異なること、土壌は入手場所により異なることから、所定の流動性を得るための配合も異なり、配合の決定が難しいと云う問題があった。
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、セメント、中和沈殿物、建設残土および水を用いた充填材料について、所定の流動性および材料強度が得られる配合を容易に決定することができる製造方法を提供する。
本発明は以下の構成からなる充填材料の製造方法である。
<1>
地下空間ないし地下坑道の充填に用いる材料(この材料を充填材料と云う)の製造方法であって、鉱山廃水の中和処理によって発生した沈殿物(この沈殿物を中和沈殿物と云う)、セメント、建設残土、および水を配合してなり、混練から所定時間経過後の流動性(JHフロー)と材齢28日での一軸圧縮強度(硬化体強度)の目標値を満足する充填材料について、以下の式〔1〕および式〔2〕および式〔3〕に従って上記各材料の単位量を決定し、決定した単位量に基づいて上記各材料を配合して充填材料を製造する方法。
W=α×JH+β×ωL−γ×s+δ ・・・〔1〕
ただし、ωL=〔P×pl/100×ωLp/100〕+〔B×cl/100×ωLcl/100〕
α,β,γ,δ:実験定数
W:単位水量(kg/m)
JH:混練から所定時間経過後のJHフロー値(mm)
P :中和沈殿物量(kg/m)
pl:中和沈殿物中の75μm未満部分(質量%)
ωLp:中和沈殿物の液性限界時の含水比(質量%)
B :建設残土量(kg/m)
cl:建設残土中の75μm未満部分(質量%)
s :中和沈殿物および建設残土中の75μm以上部分(kg/m)
ωLcl:建設残土の液性限界時の含水比(質量%)

σ28=n×C/W+m ・・・〔2〕
ただし、σ28:28日材齢時の硬化体強度(N/mm)
n、m:配合試験に基づく定数
C:単位セメント量(kg/m)

V+CV+BV+W=1000・・・〔3〕
ただし、PV:中和沈殿物容量(L/m)
V:セメント容量(L/m)
V:建設残土容量(L/m)

<2>
単位水量と細粒分容量に基づき、以下の式〔4〕に従って、ブリーディング率5%以下の材料分離抵抗性を判断する上記[1]に記載する充填材料の製造方法。
単位水量/細粒分容量<8 ・・・〔4〕
(細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
<3>
細粒分容量に基づき、以下の式〔5〕に従って、透水係数1×10 −5 cm/s以下の遮水性を判断する上記[1]または上記[2]に記載する充填材料の製造方法。
細粒分容量>100L/m ・・・〔5〕
(細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
本発明の充填材料の製造方法は以下の態様を含む。
<2>
単位水量と細粒分容量に基づき以下の式〔4〕に従って材料分離抵抗性(ブリーディング率5%以下)を判断する上記<1>に記載する充填材料の製造方法。
単位水量/細粒分容量<8 ・・・〔4〕
(細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
<3>
細粒分容量に基づき以下の式〔5〕に従って遮水性(透水係数1×10-5cm/s以下)を判断する上記<1>または上記<2>に記載する充填材料の製造方法。
細粒分容量>100L/m3 ・・・〔5〕
(細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
〔具体的な説明〕
以下、本発明を具体的に説明する。なお、単位固有の場合を除き、量は質量(水を除き乾燥質量)、%は質量基準である。
一般に、粒状物質と水からなるスラリーの流動性は以下のように変化する。ここで、細粒分は粒子径75μm未満の粒子、粗粒分は粒子径75μm以上の粒子である。
(イ)スラリーの流動性は、スラリーの単位水量Wが増加すると高くなり、この単位水量Wが減少すると低下する。
(ロ)粒状物質と水の量比が一定のとき、スラリーの流動性は粒状物質の粒子径が小さいほど(単位量中の細粒分量が多いほど)低下する。
(ハ)セメントモルタルのようにセメント(細粒分)と砂(粗粒分)が混在する系では、水量が一定の場合、細粒分量と粗粒分量の比率が流動性を左右する。
上記(ロ)において、細粒分が流動するために必要な水量が存在し、この水量は細粒分の液性限界時における含水量と細粒分量に基づいている。一般に液性限界は425μm未満の粒子を対象とした試験でその含水比が測定されるが、流動化に必要な水量の主体は細粒分が要求する水量であるので、これを(液性限界時の含水量)×(細粒分量)によって定める。
セメント、中和沈殿物、建設残土、および水からなる充填材料では、細粒分は中和殿物と建設残土およびセメントに含有されており、ここでセメントは加水後に水和反応を伴い液性限界が不定であるので除外され、中和殿物と建設残土の細粒分の合計量とそれぞれの液性限界の含水量に基づいて細粒分に関する水量が定められる。
上記(ハ)において、細粒分と粗粒分が混在する場合、粗粒分の比率が高いと流動しやすくなり、目的の流動性を得るための水量は少なくて済む。そこで、目的の流動性を得るための水量は粗粒分に基づく量を差し引いて定められる。この粗粒分量は中和殿物と建設残土の粗粒分の合計量である。
本発明は上記検討に基づき、セメント、中和沈殿物、建設残土、および水を配合してなる充填材料において、混練から所定時間経過後の流動性(JHフロー)と各材料の単位量との関係を、以下の式〔1〕で表現できることを見出した。さらに、セメント水比と硬化体強度の関係式〔2〕および各材料の容積和が充填材料の単位容量になることを示す式〔3〕を用い、配合設計の与条件となる硬化体強度および中和沈殿物量の決定後、式〔1〕と式〔2〕および式〔3〕から、上記材料の配合を決定できることを見出した。
W=α×JH+β×ωL−γ×s+δ ・・・〔1〕
ただし、ωL=〔P×ωLp/100〕+〔B×cl/100×ωLcl/100〕
α,β,γ,δ:実験定数
W:単位水量(kg/m3)
JH:混練から所定時間経過後のJHフロー値(mm)
P :中和沈殿物量(kg/m3)
ωLp:中和沈殿物の液性限界時の含水比(質量%)
B :建設残土量(kg/m3)
cl:建設残土中の75μm未満部分(質量%)
s :建設残土中の75μm以上部分(kg/m3)
ωLcl:建設残土の液性限界時の含水比(質量%)
σ28=n×C/W+m ・・・〔2〕
ただし、σ28:28日材齢時の硬化体強度(N/mm2)
n、m:配合試験に基づく定数
C:単位セメント量(kg/m3)
V+CV+BV+W=1000・・・〔3〕
ただし、PV:中和沈殿物容量(L/m3)
V:セメント容量(L/m3)
V:建設残土容量(L/m3)
上記式〔1〕において、一般に中和沈殿物に含まれる粗粒子は少ないので粗粒子部分は省略されている。中和沈殿物に粗粒子が含まれる場合には液性限界時の水量は細粒子を対象として算出し、中和沈殿物の粗粒子量を建設残土中の粗粒子量に加算する。この場合、液性限界時の水量は次式によって与えられる。また、式〔1〕のsは中和沈殿物および建設残土中の75μm以上部分の合計量(kg/m3)になる。
ωL=〔P×pl/100×ωLp/100〕+〔B×cl/100×ωLcl/100〕
pl:中和沈殿物中の75μm未満部分(質量%)
なお、式〔1〕による配合設計において、液性限界時の含水量、細粒子量、粗粒子量は、使用する中和沈殿物および建設残土について事前に測定される。
充填材料の配合設計に先立ち、使用する中和沈殿物、セメント、建設残土および水について、事前の試験によって上記式〔1〕の実験定数α、β、γおよびδを定める。この事前の試験は、上記の実験定数が求められる範囲で実施すればよい。
例えば、実施例1のデータに基づいて、混練後90分のフロー値との関係について以下の重回帰式が得られる(決定係数0.961)。
W=0.337×JH(90)+0.159×ωL−0.222×s+667.982
また、例えば、混練直後のフロー値について以下の重回帰式が得られる(決定係数0.962)。
W=0.296×JH(0)+0.274×ωL−0.191×s+598.633
さらに、例えば、混練60分後のフロー値について以下の重回帰式が得られる(決定係数0.964)。
W=0.317×JH(60)+0.170×ωL−0.219×s+658.308
上記式〔2〕によって、単位水量Wと単位セメント量Cの比から28日材齢時の硬化体強度が示される。式〔2〕のn、mは配合試験に基づく定数である。実施例で使用する中和沈殿物A、Bについて、配合試験に基づく定数n、mは、例えば以下のとおりである。
(イ)中和沈殿物Aについて、中和沈殿物の単位量44kg/m3におけるnは6.905、mは−0.453、単位量132kg/m3におけるnは0.970、mは−0.055であり、式〔2〕は以下のとおりである。
σ28=6.905×C/W−0.453
σ28=0.970×C/W−0.055
(ロ)中和沈殿物Bについて、中和沈殿物の単位量45kg/m3におけるnは4.610、mは−0.268、単位量135kg/m3におけるnは0.470、mは−0.039であり、式〔2〕は以下のとおりである。
σ28=4.610×C/W−0.268
σ28=0.470×C/W−0.039
ここで、中和沈殿物の性状は、その発生する鉱山などによって異なる。また、中和沈殿物の単位量によって強度発現が異なる。そのため、上記式〔2〕の配合試験による定数nとmは、配合設計の対象である中和沈殿物の単位量を加えた単位水量Wと単位セメント量Cの比を変えた事前の試験によって予め求める。
上記式〔3〕によって充填材料における各材料の単位容量が示される。
単位水量Wと細粒分容量Xに基づき以下の式〔4〕に従って、ブリーディング率5%以下の材料分離抵抗性を判断することができる。W/Xが8以上では材料分離抵抗性が低くなり、ブリーディング率が5%超えるので、例えば、建設残土が細粒分を含む場合には建設残土量を増やして配合を補正し、またはセメント量を増やして配合を補正する。
単位水量W/細粒分容量X<8 ・・・〔4〕
(細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
細粒分容量Xに基づき、以下の式〔5〕に従って、透水係数1×10 −5 cm/s以下の遮水性を判断することができる。Xが100L/mより小さいと、遮水性が不十分になり、透水係数1×10−5cm/sを越えるため、例えば、建設残土が細粒分を含む場合は建設残土量を増やして配合を補正し、またはセメント量を増やして配合を補正する。
細粒分容量X>100L/m ・・・〔5〕
(細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
事前の試験によって定めたα,β,γ,δ、およびn、mに基づき、式〔1〕および式〔2〕と式〔3〕に従って決定した配合によって、セメント、中和沈殿物、建設残土、および水を混合して充填材料を製造する。なお、所定のブリーディング率(材料分離抵抗性)や透水係数(遮水性)が定められる場合には、式〔4〕および式〔5〕を用いて配合を再検討し、建設残土に細粒分を含む場合には建設残土の単位量を、含まない場合にはセメントの単位量を設定し、式〔1〕および式〔2〕と式〔3〕に基づいて配合を再度決定する。
本発明において、セメントは早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、セメント系固化材などを使用することができる。
本発明において、中和沈殿物は鉱山の廃水を中和処理して発生した中和沈殿物を使用することができる。建設残土は建設工事などで発生するものをそのまま使用することができる。混練水は水道水、中和沈殿物の上澄み水などを好適に使用することができる。流動性の調整、凝結時間の調整または材料分離低減などのために、化学混和剤などの添加物を必要に応じて使用することができる。
本発明によれば、セメント、中和沈殿物、建設残土および水からなる充填材料について、配合を容易に決定することができ、目標の流動性を有する充填材料を容易に製造することができる。
目標流動性(混練90分後のJHフロー値)を300mmとした場合の単位水量と重回帰式(式〔1〕)で得られた単位水量との関係を示すグラフ。
本発明の実施例において使用した材料を以下に示す。
<セメント>高炉セメントB種、細粒分量は100%
<中和沈殿物>鉱山の廃水を中和処理して発生した中和沈殿物A(鉱山A)、B(鉱山B)を使用した。中和沈殿物A、Bの物理的性状を表1に示す。
中和沈殿物A〔液性限界の含水比120.2%、細粒分量は実質的に100%〕
中和沈殿物B〔液性限界の含水比198.4%、細粒分量は63%〕
なお、中和沈殿物Bの回帰分析では、中和沈殿物の細粒分量を63%、粗粒分量を37%とし、液性限界時の水量は細粒子を対象として算出し、中和沈殿物の粗粒子量を建設残土中の粗粒子量に加算して行った。
Figure 0006191866
<建設残土>表2に示す物理的性状の砂質土、粘性土を、単独および混合使用した。
砂質土〔液性限界の含水比0%(測定不能)、細粒分量は実質的に0%〕
粘性土〔液性限界の含水比64.4%、細粒分量は実質的に100%〕
<その他の材料>混練水は水道水を使用した。
Figure 0006191866
<流動性試験>
旧日本道路公団基準「エアモルタル及びエアミルクの試験方法」1.2シリンダー法(JHS A 313-1992)により、フロー値(JHフロー)を測定した。
<材料分離抵抗性>
土木学会基準JSCE−F 522-2007「プレパックドコンクリートの注入モルタルのブリーディング率及び膨張率試験方法(ポリエチレン袋法)(案)」に準じ、混練から3時間経過後のブリーディングの有無を確認した。
<強度性状>
JIS A 1216:2009「土の一軸圧縮試験方法」に準じて、硬化体の材齢7日および28日強度を測定した。
<透水試験>
JIS A 1218:2009「土の透水試験方法」の変水位透水試験により測定した。
〔実施例1〕
表3および表4に例示する配合を含む189配合での試験結果を用いた重回帰分析によって、混練直後、混練後60分、混練後90分における式〔1〕の実験定数α、β、γ、δをそれぞれ導いた。
混練後90分後の、α、β、γ、δはおのおの0.337、0.159、0.222、667.982であり、式〔1〕は以下のとおりであった(重回帰式の決定係数0.961)。
W=0.337×JH(90)+0.159×ωL−0.222×s+667.982
同様に、混練直後は次式のとおり(重回帰式の決定係数0.962)。
W=0.296×JH(0)+0.274×ωL−0.191×s+598.633
混練後60分は次式のとおりであった(重回帰式の決定係数0.964)。
W=0.317×JH(60)+0.170×ωL−0.219×s+658.308
表3の試料A-4では、中和沈殿物の液性限界の含水比ωLpは120.2%であり、また、建設残土(粘性土)の液性限界の含水比ωLcl=64.4%であるから、ωLは次式で与えられる。
ωL=〔P×ωLp/100+B×ωLcl/100〕
さらに、中和沈殿物Aの量Pは88kg/m3であり、建設残土(粘性土)の量Bは297kg/m3であるからωLは以下のようになる。
ωL=88×120.2/100+297×64.4/100=297
次に、建設残土(粘性土)の75μm以上部分の質量sは実質0%(細粒分量は実質的に100%)であるから、s=0である。ここでJH(混練90分後)の目標値300mmとすると、単位水量Wは次式で与えられる。
W=0.337×300+0.159×297−0.222×0+667.982=816.3
表3の試料A-4の単位水量は807kg/m3であるから、式〔1〕に基づいて求めた単位水量は表3の単位水量に近く、式〔1〕は信頼性の高いことが確認された。
単位水量と式〔1〕に基づいて算出した単位水量(図中、重回帰式より得られた単位水量)の関係を図1に示した。図示するように、これらの単位水量はほぼ直線状に分布し、良く一致することを示している。
表4の試料B-5では、中和沈殿物の細粒分量が63%、液性限界の含水比ωLpは198.4%であり、建設残土(粘性土)の液性限界の含水比ωLcl=64.4%であるから、ωLは次式で与えれる。
ωL=〔P×pl/100×ωLp/100+B×ωLcl/100〕
次に、中和沈殿物Bの量Pは135kg/m3であり、建設残土(粘性土)の量Bは190kg/m3であるからωLは以下のようになる。
ωL=135×63/100×198.4/100+190×64.4/100=291
また、建設残土(粘性土)の75μm以上部分の質量sは実質0%(細粒分量は実質的に100%)であるが、中和沈殿物Bの粗粒分量が37%であるから、s=135×37/100=50である。ここでJH(混練90分後)の目標値300mmとすると、単位水量Wは次式で与えられる。
W=0.337×300+0.159×291−0.222×50+667.982=804
試料B-5の単位水量は842kg/m3であるから、式〔1〕に基づいて求めた単位水量は表3の単位水量に近く、式〔1〕は信頼性の高いことが確認された。
Figure 0006191866
Figure 0006191866
〔実施例2〕
目標流動性(混練90分後のJHフロー値)300mmとし、中和沈殿物Aでは中和沈殿物の乾燥単位質量を132(kg/m3)、中和沈殿物Bでは135(kg/m3)、材齢28日での一軸圧縮強さを0.04(N/mm2)、建設残土として砂質土および粘性土を用いて以下の式に従って充填材料の4配合(表5No.1〜4)を計算した。
W=0.337×JH(90)+0.159×ωL−0.222×s+667.982
σ28=0.970×C/W−0.055(中和沈殿物A)
σ28=0.470×C/W−0.039(中和沈殿物B)
V+CV+BV+W=1000
配合計算の結果、砂質土(表5No.1、No.3)では中和沈殿物AとBのいずれも、細粒分量が不足して式〔4〕と式〔5〕の条件を満たさなかったため、セメント量を増加させて配合を補正し、単位質量を定めた。この結果を表5に示す。表5の配合に従って充填材料を製造した。製造した充填材料のJHフロー値、ブリーディング率、一軸圧縮強さ、透水係数を表6に示す。
表6に示すように、製造した充填材料の混練90分後のJHフロー値は目標流動性に極めて近く、また3時間後のブリーディングが発生せず、十分な強度を有する充填材料が得られた。
Figure 0006191866
Figure 0006191866
本発明によれば、セメント、中和沈殿物、建設残土および水等からなる充填材料の配合を容易に決定できるので、目標の流動性を有する充填材料を容易に製造することが可能となり、産業上有用である。

Claims (3)

  1. 地下空間ないし地下坑道の充填に用いる材料(この材料を充填材料と云う)の製造方法であって、鉱山廃水の中和処理によって発生した沈殿物(この沈殿物を中和沈殿物と云う)、セメント、建設残土、および水を配合してなり、混練から所定時間経過後の流動性(JHフロー)と材齢28日での一軸圧縮強度(硬化体強度)の目標値を満足する充填材料について、以下の式〔1〕および式〔2〕および式〔3〕に従って上記各材料の単位量を決定し、決定した単位量に基づいて上記各材料を配合して充填材料を製造する方法。
    W=α×JH+β×ωL−γ×s+δ ・・・〔1〕
    ただし、ωL=〔P×pl/100×ωLp/100〕+〔B×cl/100×ωLcl/100〕
    α,β,γ,δ:実験定数
    W:単位水量(kg/m)
    JH:混練から所定時間経過後のJHフロー値(mm)
    P :中和沈殿物量(kg/m)
    pl:中和沈殿物中の75μm未満部分(質量%)
    ωLp:中和沈殿物の液性限界時の含水比(質量%)
    B :建設残土量(kg/m)
    cl:建設残土中の75μm未満部分(質量%)
    s :中和沈殿物および建設残土中の75μm以上部分(kg/m)
    ωLcl:建設残土の液性限界時の含水比(質量%)

    σ28=n×C/W+m ・・・〔2〕
    ただし、σ28:28日材齢時の硬化体強度(N/mm)
    n、m:配合試験に基づく定数
    C:単位セメント量(kg/m)

    V+CV+BV+W=1000・・・〔3〕
    ただし、PV:中和沈殿物容量(L/m)
    :セメント容量(L/m)
    :建設残土容量(L/m)
  2. 単位水量と細粒分容量に基づき、以下の式〔4〕に従って、ブリーディング率5%以下の材料分離抵抗性を判断する請求項1に記載する充填材料の製造方法。
    単位水量/細粒分容量<8 ・・・〔4〕
    (細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
  3. 細粒分容量に基づき、以下の式〔5〕に従って、透水係数1×10 −5 cm/s以下の遮水性を判断する請求項1または請求項2に記載する充填材料の製造方法。
    細粒分容量>100L/m ・・・〔5〕
    (細粒分容量はセメントと中和沈殿物および建設残土の細粒分容量の合量)
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