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JP6195082B2 - 高圧ガス容器内の水分除去方法 - Google Patents
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Description

本発明は、高圧ガス容器内の水分除去方法に関する。
新たに製品ガスが投入される高圧ガス容器や水圧による耐圧検査が行われた高圧ガス容器(以下、単に「ガス容器」と記載する場合がある)では、大気中で容器弁の容器本体への取り付け作業が行われる。このため、ガス容器の内部に大気中の水分が混入してしまう。ガス容器内に水分が混入した状態のまま製品ガスを充填すると、製品ガスに要求される純度規格を満足することができない。
中でも、水分に関しては、製品純度規格が0.5ppm以下であるにも関わらず、その吸着性によって除去しにくいため、ガス容器内を十分に乾燥させる必要があった。
ところで、ガス容器内を乾燥させる方法としては、特許文献1が知られている。この特許文献1には、水蒸気や加熱空気等の加熱気体を導入してガス容器内を加熱乾燥し、圧縮空気によって水蒸気等を追い出した後、ガス容器を冷却して密閉する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、容器弁を取り付ける前にガス容器内を加熱乾燥するため、容器弁を取りつける際にガス容器内に空気が混入してしまい、空気中に含まれる徴量水分がガス容器の内壁表面に付着又は吸着して残存してしまうという問題があった。
このため、ガス容器内に純度の高い製品ガスを充填する場合、ガス容器内に残存する水分によって製品ガスの純度が維持できず、加熱乾燥工程の終了後や製品ガスの充填前に、再び容器内の水分を除去する工程を繰り返す必要があった。また、容器内の水分を除去する工程を繰り返して行ったとしても、製品ガスの純度について製品規格を満足することは困難であるのが実状であった。
特許第3995372号公報
他方で、高圧ガス容器に用いられる容器弁には、高圧ガスを確実に遮断する機能が求められており、容器弁が全開になる際の開度が限られている。そのため、ガス容器に容器弁を取り付けた後、この容器弁を介してガス容器内の真空引きを行うと真空引きの効率が悪くなるという課題があった。
特にガス容器内を真空引きする工程においては、残留不純物を低くするために高真空領域が好ましいものの、中真空領域よりも低い圧力領域においてはガス容器内の水蒸気の排気速度も遅くなるため、長時間の真空引きが必要であった。さらには、ボンベの加熱を含めた設備、電力、人手など多くのエネルギーを必要とするという課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、効率よく短時間で充分な乾燥状態を実現することが可能な、高圧ガス容器内の水分除去方法を提供することを課題とする。
かかる課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
すなわち、請求項1に係る発明は、容器弁が取り付けられた高圧ガス容器内の水分を除去する方法であって、前記高圧ガス容器内の圧力が1〜500Paとなるまで、前記容器弁を介して前記高圧ガス容器内を排気する第1ステップと、前記高圧ガス容器内の圧力が2kPa以上100kPa未満となるまで、前記容器弁を介して前記高圧ガス容器内に洗浄ガスを充填する第2ステップと、を含み、前記高圧ガス容器を加熱した状態で、前記第1ステップと前記第2ステップとを繰り返す、高圧ガス容器内の水分除去方法である。
請求項2に係る発明は、前記高圧ガス容器の外部表面の温度が60〜70℃の範囲となるように加熱する、請求項1に記載の高圧ガス容器内の水分除去方法である。
請求項3に係る発明は、前記洗浄ガスの含有水分量が0.1ppm未満である、請求項1又は2に記載の高圧ガス容器内の水分除去方法である。
請求項4に係る発明は、前記第1ステップと前記第2ステップとを3回以上繰り返す、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高圧ガス容器内の水分除去方法である。
本発明の高圧ガス容器内の水分除去方法は、容器弁が取り付けられた高圧ガス容器を加熱した状態で、高圧ガス容器内の圧力が1〜500Paとなるまで、容器弁を介して高圧ガス容器内を排気する第1ステップと、高圧ガス容器内の圧力が2kPa以上100kPa未満となるまで、容器弁を介して高圧ガス容器内に洗浄ガスを充填する第2ステップと、繰り返して行うことにより、効率よく短時間で高圧ガス容器内を充分に乾燥させることができる。
本発明を適用した一実施形態である高圧ガス容器内の水分除去方法に適用可能な高圧ガス容器内の水分除去装置の構成を示す系統図である。 本発明を適用した一実施形態である高圧ガス容器内の水分除去方法を示すフローチャートである。
以下、本発明を適用した一実施形態である高圧ガス容器内の水分除去方法について、これを用いる高圧ガス容器内の水分除去装置とともに図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明を適用した一実施形態である高圧ガス容器内の水分除去方法(以下、単に「水分除去方法」ということがある)に適用可能な高圧ガス容器内の水分除去装置(以下、単に「水分除去装置」ということがある)の構成を示す系統図である。
図1に示すように、水分除去装置1は、容器弁2Aが取り付けられたガス容器(高圧ガス容器)2を処理対象とするものであり、ガス容器2を加熱するための加熱装置(加熱手段)3と、ガス容器2の表面温度を測定する温度計(温度測定手段)4(4A,4B,4C)と、容器弁2Aに接続されてガス容器2内と連通する主経路L1と、ガス容器2の内部の圧力を測定するための圧力計(圧力測定手段)5と、ガス容器2内及び主経路L1内を真空排気する真空ポンプ(減圧手段)6と、ガス容器2内及び主経路L1内に洗浄ガスを供給する洗浄ガス供給経路L2と、ガス容器2内及び主経路L1内に充填された洗浄ガスを放出する洗浄ガス放出経路L3と、主経路L1に接続されてガス容器2内及び主経路L1内に充填された洗浄ガスの一部を取得するサンプリング経路L4と、サンプリング経路L4に設けられた水分計(水分測定手段)7と、を備えて、概略構成されている。
ガス容器2は、高圧ガスを充填して保管するための容器であり、新たに製品ガスが投入される前の高圧ガス容器や、水圧による耐圧検査が行われた高圧ガス容器が処理対象となる。
ガス容器2の材質としては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ステンレス鋼、マンガン鋼、アルミニウム等が挙げられる。
ガス容器2のサイズとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、10〜48Lのものが挙げられる。
容器弁2Aは、特に限定されるものではないが、ガス容器2内に充填される製品ガスの成分に応じて、材質、口金部の外径、ネジ方向等を適宜選択することができる。
加熱装置3は、少なくともガス容器2の全体を加熱することができるものであれば、特に限定されるものではない。このような加熱装置3としては、具体的には、例えば、ガス容器2の全体を収納して内部空間を加熱することができる加熱炉や、ガス容器2の表面に直接巻き付けるヒータ等が挙げられる。
温度計4は、ガス容器2の表面温度を測定することができるものであれば、特に限定されるものではない。また、温度計4は、ガス容器2の表面の複数の場所を同時に測定するために、複数設けることが好ましい。具体的には、例えば、図1に示すように、ガス容器2の外部表面のうち、肩部を測定する温度計4Aと、胴部を測定する温度計4Bと、底部を測定する温度計4Cと、をそれぞれ設けることが好ましい。これにより、ガス容器2内の温度分布に対応して、ガス容器2をより適切に加熱することができる。
主経路L1は、ガス容器2内を乾燥させるための主たる経路である。この主経路L1は、一端が容器弁2Aに接続されており、他端が真空ポンプ6と接続されている。これにより、主経路L1とガス容器2内とが連通されるとともに、真空ポンプ6によってガス容器2内及び主経路L1内を真空排気することができる。また、主経路L1には、一端側に開閉弁Vが、他端側に開閉弁Vがそれぞれ設けられている。
主経路L1の材質としては、耐熱性、耐圧性及び耐腐食性を有するものであれば、特に限定されるものではない。このような材質としては、具体的には、例えば、ステンレス配管等が挙げられる。また、主経路L1の径としては、排気効率を考慮すると1/2インチ以上のものを用いることが好ましい。
圧力計5は、ガス容器2の内部の圧力を測定するために、開閉弁Vを介して主経路L1に接続されている。圧力計5の設置場所としては、ガス容器2の内部の圧力を測定可能であれば、特に限定されるものではない。例えば、図1に示すように主経路L1に設けて主経路L1内の圧力を測定することによってガス容器2内の圧力を監視(モニター)する構成としてもよいし、容器弁2Aに接続してガス容器2内の圧力を直接測定する構成としてもよい。
真空ポンプ6は、ガス容器2内及び主経路L1内を中真空領域(具体的には、1Pa以下)になるまで真空排気することができるものであれば、特に限定されるものではない。このような真空ポンプ6としては、具体的には、例えば、ドライポンプ式のものが挙げられる。
洗浄ガス供給経路L2は、ガス容器2内及び主経路L1内に洗浄ガスを供給するための配管経路である。この洗浄ガス供給経路L2は、一端が図示略の洗浄ガス供給源に接続されており、他端が主経路L1に接続されている(あるいは、主経路L1から分岐されている)。また、洗浄ガス供給経路L2には、開閉弁Vが設けられている。
洗浄ガスとしては、含有水分量が少なく、ガス容器2内の水分を除去することが可能なものであれば、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、含有水分量が0.1ppm未満の高純度窒素、高純度ヘリウム等が挙げられる。
洗浄ガス放出経路L3は、ガス容器2内及び主経路L1内に充填された洗浄ガスを放出するための配管経路である。この洗浄ガス放出経路L3は、一端が主経路L1に接続されており(あるいは、主経路L1から分岐されており)、他端が大気開放されている。また、洗浄ガス放出経路L3には、開閉弁Vが設けられている。この洗浄ガス放出経路L3によれば、ガス容器2内及び主経路L1内の圧力が大気圧よりも高い場合に開閉弁Vを開放状態とすることにより、ガス容器2内及び主経路L1内に充填された洗浄ガスを系外に放出することができる。
サンプリング経路L4は、ガス容器2内及び主経路L1内に充填された洗浄ガスの一部を取得するための配管経路である。このサンプリング経路L4は、一端が主経路L1に接続されており(あるいは、主経路L1から分岐されており)、他端が大気開放されている。また、サンプリング経路L4には、開閉弁Vが設けられている。
水分計7は、サンプリング経路L4において、開閉弁Vの二次側に設けられている。水分計7は、ガス容器2内及び主経路L1内に充填された洗浄ガス中の水分濃度を測定することができるものであれば、特に限定されるものではない。このような水分計7としては、具体的には、例えば、水晶発振式やキャビティリングダウン式等が挙げられる。
また、水分除去装置1は、図示略の制御装置(制御手段)を備えている。この制御装置によって、温度計4(4A,4B,4C)及び圧力計5の指示値に従って、開閉弁V〜Vをそれぞれ開閉動作させるように構成されている。
次に、上述した水分除去装置1を用いた本実施形態の水分除去方法について、詳細に説明する。図2は、本実施形態の水分除去方法を含む、高圧ガス容器への製品ガスの充填準備工程を示すフローチャートである。
高圧ガス容器への製品ガスの充填方法は、先ず、図2中のステップS1に示すように、第1工程としてガス容器2内の目視観察を行う。具体的には、先ず、未だ容器弁2Aをガス容器2に取り付けていない状態において、必要に応じて内視鏡など用いて、容器の内面の錆びや汚れについて、目視にて確認する。錆びや汚れの程度が目視で一定以上確認できた場合、廃棄処理となる。一方、再利用可能と判断された場合は、別途酸洗浄などが行われ、改めて目視により観察される。なお、この第1工程において、ガス容器2には、容器弁2Aが取り付けられていないため、ガス容器2の内部は大気雰囲気と同じ状態となっている。
次に、図2中のステップS2に示すように、第2工程としてガス容器2に容器弁2Aの取り付けを行う。具体的には、規定トルクとなるまでバルブの締付けが行われて、ガス容器2に容器弁2Aが取り付けられる。これにより、ガス容器2の内部と外部とが容器弁2Aによって仕切られる(遮断される)。
次に、図2中のステップS3に示すように、第3工程としてガス容器2内の乾燥(すなわち、本実施形態の水分除去方法)を行う。
ガス容器2内の乾燥は、図2中に示すように、第1〜第5サブ工程によって行う。
先ず、図2中のステップS3−1に示す第1サブ工程は、ガス容器2内及び主経路L1内の洗浄ガスによる置換を行う工程である。具体的には、先ず、ガス容器2の容器弁2Aが閉の状態で、開閉弁Vを開状態、開閉弁V、V、V、V、Vを閉状態とする。次に、ガス容器2内の残留ガスを放出させるために容器弁2Aを開状態、開閉弁Vを開状態にする。次に、ガスの流れが無くなったことを確認したら、開閉弁V及び容器弁2Aを閉状態にする。
次に、ガス容器2への容器弁2A取り付け時に配管系内に混入し、配管内の表面に吸着した水分を低減させるために、洗浄ガスとして含有水分量が0.1ppm未満の高純度窒素による置換作業を行う。具体的には、先ず、開閉弁Vを開状態とし、ガス容器2内及び主経路L1内に高純度窒素をあらかじめ設定されている圧力(例えば、2〜3MPa)で導入した後、開閉弁Vを閉状態とする。次に、ガス容器2内及び主経路L1内が大気圧となるまで高純度窒素を放出するために、開閉弁Vを開状態とし、放出が完了した後、開閉弁Vを閉状態とする。このように、開閉弁V及び開閉弁Vの開閉作業により、高純度窒素による置換作業を複数回(例えば10回)実施することにより、ガス容器2内及び主経路L1内に混入した水分量を低減させる。
次に、図2中のステップS3−2に示す第2サブ工程は、ガス容器2を加熱する工程である。具体的には、加熱装置3を作動させて加熱を開始する。ここで、加熱装置3による高圧ガス容器の加熱温度は、60℃以上100℃未満とすることが好ましい。次に、ガス容器2の外部表面の肩部、胴部及び底部のそれぞれの温度を温度計4A〜4Cで測定し、それぞれの温度が60〜70℃の範囲に入ったら、制御装置(図示略)によってこの温度域を維持するように、加熱装置3の出力(加熱温度)を制御する。このように、加熱装置3によってガス容器2を加熱することにより、ガス容器2内の表面に吸着した水分を脱着させることができる。
次に、図2中のステップS3−3に示す第3サブ工程は、ガス容器2内(及び主経路L1内)を真空排気する工程(第1ステップ)である。具体的には、先ず、真空ポンプ6を起動させ、開閉弁V及び開閉弁Vを開状態にし、ガス容器2内及び主経路L1内の真空排気を開始する。次に、真空排気が開始された後に開閉弁Vを開状態とし、圧力計5によってガス容器2内及び主経路L1内の真空度の測定を開始する。ここでは、ガス容器2内及び主経路L1内の圧力が、中真空領域(1〜500Pa)の任意の設定値(例えば、1Pa)となるまで真空排気を行う。このように、ガス容器2内を真空排気することにより、加熱によって脱着した水分を高圧ガス容器2内及び主経路L1内から排出することができる。
なお、容器弁2Aが取り付けられた状態で(すなわち、容器弁2Aを介して)ガス容器2内の圧力を1Pa未満の高真空領域まで到達させようとすると、排気時間が非常に長くなり、その間の各エネルギーが無駄となる。このため、本実施形態の水分除去方法における第3サブ工程では、中真空領域まで真空排気すれば充分である。これにより、排気時間を短縮することができる。
次に、図2中のステップS3−4に示す第4サブ工程は、ガス容器2内及び主経路L1内を、洗浄ガスによる充填と真空排気とを繰り返して行う、真空領域回分置換工程である。具体的には、先ず、開閉弁Vを閉状態にしてガス容器2内の真空排気を止める。次に、開閉弁Vを開状態にして、洗浄ガスとして高純度窒素をガス容器2内(及び主経路L1内)に導入し、ガス容器2内の圧力が2kPa以上100kPa未満の任意の設定値(例えば、10kPa)に到達するまで充填する(第2ステップ)。次いで、圧力計5の指示値によって、ガス容器2内の圧力が任意の設定値に到達したことを確認したら、開閉弁Vを閉状態とし、ガス容器2内への高純度窒素ガス(洗浄ガス)の充填を止める。
次に、開閉弁Vを開状態とし、ガス容器2内及び主経路L1内の圧力が1〜500Paの任意の設定値(例えば、100Pa)となるまで真空排気を行なって、ガス容器2内及び主経路L1内の洗浄ガスを排出する(第1ステップ)。次いで、圧力計5の指示値が任意の設定値に到達したことを確認したら、開閉弁Vを閉状態としてガス容器2内の真空排気を止める。このような操作を、3回以上(例えば5回)繰り返すことで、ガス容器2の加熱温度が60℃から70℃の範囲であっても、ガス容器2内の水分を十分に低減することができる。
ところで、真空領域回分置換工程における真空側(低圧側)圧力の設定値(上記例では、100Pa)をより低い圧力領域で実施した場合、水分を除去する能力は高まるが、真空排気に必要な時間が長くなる。このため、真空ポンプの稼働や加熱に必要な総エネルギーは上昇し、総工程時間も長くなってしまう。
また、真空領域回分置換工程における加圧側(高圧側)圧力の設定値(上記例では、10kPa)をより高い圧力領域で実施した場合、水分希釈倍率は高くなるが、水分のガス容器2内壁への再吸着も同時に起き、かつ次工程の真空排気に要する時間も長くなるため、効率的ではない。したがって、真空領域回分置換工程において、低圧側圧力と高圧側圧力との差の幅を広げるよりも、複数回の操作を繰り返すほうが効率を高くすることができる。
次に、図2中のステップS3−4に示す第5サブ工程は、ガス容器2を冷却する工程である。具体的には、先ず、上記第4サブ工程(真空領域回分置換工程)が完了した後、引き続き開閉弁Vを開状態にして、ガス容器2内の真空排気を継続する。次に、圧力計5の指示値が例えば、1Paに達したことを確認したら、加熱装置3によるガス容器2の加熱を停止して、冷却を開始する。温度計4A〜4Cのそれぞれが50℃未満になったら、開閉弁Vを閉状態とし、次いで開閉弁Vを閉状態として、真空排気を終了する。
次に、加熱装置3からガス容器2を取り出して放熱させる。例えば、従来のガス容器の水分除去方法では、ガス容器を100℃以上で加熱していたが、本実施形態の水分除去方法では60〜70℃で加熱するため、取り扱いも安全で、冷却時間も短くなる。これにより、生産効率を上げることができる。
次に、図2中のステップS4に示すように、第4工程として、水分除去が完了した高圧ガス容器2に、所望の製品ガスを充填する。以上の工程により、水分含有量が0.5ppm以下となり、製品ガスに要求される純度規格を満たすことができる。
以上説明したように、本実施形態の水分除去方法によれば、容器弁2Aが取り付けられたガス容器2を加熱した状態で、ガス容器2内の圧力が1〜500Paとなるまで、容器弁2Aを介してガス容器2内を排気する工程と、ガス容器2内の圧力が2kPa以上100kPa未満となるまで、容器弁2Aを介してガス容器2内に洗浄ガスを充填する工程と、繰り返して行うことにより、ガス容器2内を充分な乾燥状態に維持することができる。したがって、作業時間の短縮、加熱エネルギーの削減を図ることができるため、生産性を向上することができる。
以下に、実施例及び比較例を用いて、本発明の効果を示す。
(実施例1)
図1に示す水分除去装置1を用いるとともに、図2に示す水分除去方法を行った。
図2中のステップS3−1に示す第1サブ工程では、洗浄ガスとして含有水分量が0.1ppm未満の高純度窒素を用い、高純度窒素による置換作業を10回行った。
次に、図2中のステップS3−2に示す第2サブ工程では、ガス容器2の外部表面の肩部、胴部及び底部のそれぞれの温度を温度計4A〜4Cで測定し、それぞれの温度が60〜70℃の範囲となるように、加熱温度を制御した。
次に、図2中のステップS3−3に示す第3サブ工程では、ガス容器2内及び主経路L1内の圧力が、1Paとなるまで真空排気を行った。
次に、図2中のステップS3−4に示す第4サブ工程(真空領域回分置換工程)では、真空側(低圧側)圧力の設定値を100Paとして真空排気を行うと共に、加圧側(高圧側)圧力の設定値を10kPaとして洗浄ガスの充填を行った。なお、洗浄ガスには、含有水分量が0.1ppm未満の高純度窒素を用いた。また、真空領域回分置換工程の繰り返し回数は5回とした。
次に、図2中のステップS3−5に示す第4サブ工程では、ガス容器2内の圧力が1Paとなったときに加熱を停止して、冷却を開始した。次いで、ガス容器2の温度が50℃未満となった際に、真空排気を終了した。
冷却完了後、開閉弁Vを開状態として、高純度窒素ガスをガス容器2に0.5MPaで充填した。次に、開閉弁Vを開状態として、充填された高純度窒素ガス中に含有される水分量を水分計7によって測定したところ、水分量は90ppb未満であった。また、加熱開始から、冷却終了までの総工程時間は2時間30分であった。
結果を下記表1に示す。
(比較例1)
上記実施例1において、真空領域回分置換工程を実施する圧力領域の下限を10Pa、上限を100kPaに変更した以外は同様の条件を用いて処理を行った。
冷却完了後、実施例1と同様にして高純度窒素ガスを0.5MPaで充填したところ、水分計7によって0.7ppmの水分量が検出された。また、加熱開始から、冷却終了までの総工程時間は2時間30分であった。
結果を下記表1に示す。
(比較例2)
従来のガス容器内の水分除去方法として、上述した特許文献1に記載された実施例では、0.5MPaまで充填した時の水分濃度は−74.0℃(1.4ppm)であった。また、加熱開始から、冷却終了までの総工程時間は26時間以上であった。
結果を下記表1に示す。
Figure 0006195082
表1に示すように、比較例1のような圧力範囲では、ガス容器の水分除去が十分行えず、製品の露点が大きく上昇することが確認された。
これに対して、実施例1では、比較例1及び比較例2と比較して桁違いの水分除去能力を有すると共に、真空排気を含めた、加熱から冷却までに要する時間を大幅に短縮することができることが確認された。
1…水分除去装置、2…ガス容器(高圧ガス容器)、2A…容器弁、3…加熱装置(加熱手段)、4,4A,4B,4C…温度計(温度測定手段)、5…圧力計(圧力測定手段)、6…真空ポンプ(減圧手段)、7…水分計(水分測定手段)、L1…主経路、L2…洗浄ガス供給経路、L3…洗浄ガス放出経路、L4…サンプリング経路、V〜V…開閉弁

Claims (4)

  1. 容器弁が取り付けられた高圧ガス容器内の水分を除去する方法であって、
    前記高圧ガス容器内の圧力が1〜500Paとなるまで、前記容器弁を介して前記高圧ガス容器内を排気する第1ステップと、
    前記高圧ガス容器内の圧力が2kPa以上100kPa未満となるまで、前記容器弁を介して前記高圧ガス容器内に洗浄ガスを充填する第2ステップと、を含み、
    前記高圧ガス容器を加熱した状態で、前記第1ステップと前記第2ステップとを繰り返す、高圧ガス容器内の水分除去方法。
  2. 前記高圧ガス容器の外部表面の温度が60〜70℃の範囲となるように加熱する、請求項1に記載の高圧ガス容器内の水分除去方法。
  3. 前記洗浄ガスの含有水分量が0.1ppm未満である、請求項1又は2に記載の高圧ガス容器内の水分除去方法。
  4. 前記第1ステップと前記第2ステップとを3回以上繰り返す、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高圧ガス容器内の水分除去方法。
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