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JP6198640B2 - 石油コークス吹込み高炉操業方法 - Google Patents
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Description

本発明は、微粉炭の多量吹込み操業を行っている高炉において、微粉炭の一部を石油コークスに置換して羽口から吹き込む高炉操業方法に関するものである。
高炉操業においては、羽口から吹き込む炭材(固体還元剤)として、通常、石炭を微粉砕した微粉炭が使用されている。微粉炭の代替品として石油コークス(オイルコークスともいう。)が知られているが、石油コークスは、概して、微粉炭に比べて低揮発分でかつ粉砕性に劣ることから、燃焼性に劣る。このため、微粉炭の一部を石油コークスに置換して羽口から吹き込むと、羽口先のレースウェイ内での燃焼性の悪化により、未燃焼の炭素粉が発生して高炉内に蓄積し、炉内通気性が悪化する懸念がある。したがって、従来は、特に150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業下では、石油コークスを使用することができなかった。
高炉操業において、石油コークスを微粉炭の代替品として羽口から吹き込む従来技術としては、例えば下記特許文献1〜3に記載された方法が挙げられる。
特許文献1には、オイルコークスの燃焼性向上を目的として、酸素富化送風を行い、羽口先温度2350〜2400℃として微粉炭中にオイルコークスを混合して炉内に吹き込む方法が提案されている。しかしながら、この方法は、同文献の実施例に記載されるように、吹込み燃料比75kg/t−銑鉄と低吹込み燃料比レベルでの適用に留まっている。また同文献には、オイルコークスの粉砕性に関する問題点は指摘されておらず、ましてやオイルコークスからショットコークスを分離し別途粗粉砕しておくことについては記載はもとより示唆すらも認められない。
また、特許文献2には、羽口内径部への灰分の溶融物の付着による微粉炭の吹込みの不安定化を防止することを目的として、石炭に灰分含有率2%以下の石油系固体炭化水素(石油コークス)を混合し粉砕して所定の平均灰分含有率以下の微粉の混合燃料と成して高炉羽口へ吹き込む方法が提案されている。しかしながら、この方法は、同文献の実施例に記載されるように、石油系固体炭化水素としては、石炭よりも粉砕性の良い(HGIが高い)特殊品のみの適用に留まっている。
また、特許文献3には、石炭系固体燃料では本質的に達成不可能であったオイルなみの高カロリー、低Ashを享受し高炉の操業改善を図ることを目的として、高炉羽口に連接された熱風吹き込み用ブローパイプ内へ、固体燃料を供給し、かつ、燃焼を生じせしめるランスとブローパイプの接点以前で石油コークスを、微粉炭用石炭中に混合し、その混合比率を20%以上吹き込むことにより、高炉羽口への既公知微粉炭吹き込み設備を円滑に活用し高炉にとってより効果的な燃焼効率を得る方法が提案されている。しかしながら、この方法は、同文献の実施例に記載されるように、石油コークスとしては、石炭よりも粉砕性の良い(HGIが高い)特殊品のみの適用に留まっている。また、この方法は、送風原単位1250Nm/t−銑鉄と仮定して、同文献の実施例の操業データから吹込み燃料比を推算すると86kg/t−銑鉄となり、低吹込み燃料比レベルでの適用に留まっている。
特開平3−51606号公報 特開昭60−131905号公報 特開昭63−121607号公報
そこで本発明の目的は、微粉炭比150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業下において、吹込み炭材の燃焼性を悪化させることなく、安定して、石油コークスを微粉炭の一部と置換して羽口から吹き込むことができる高炉操業方法を提供することにある。
本発明の要旨は、銑鉄1トン当たり、150kg以上の石炭と10〜80kgの石油コークスとからなる160〜250kgの微粉炭材を羽口から吹き込む高炉操業方法であって、前記石油コークスをショットコークスとそれ以外の残部に分離するショットコークス分離工程と、次いで、前記ショットコークスを粒度分布の最大値が5mm以下となるように粗粉砕して粗粉砕物とするショットコークス粗粉砕工程と、前記石炭が、揮発分を無水ベースで25質量%以上含有する石炭であって、この石炭と、前記石油コークスの残部と、前記ショットコークスの粗粉砕物とを、粒径300μm以下が95質量%以上になるように混合粉砕して、前記微粉炭材を作製する混合粉砕工程と、この微粉炭材を前記羽口から高炉内へ吹き込む羽口吹込み工程と、を備えたことを特徴とする石油コークス吹込み高炉操業方法である。
本発明に係る石油コークス吹込み高炉操業方法を用いることで、微粉炭比150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭比操業下においても、レースウェイ内での吹込み炭材の燃焼性が維持されて未燃焼の炭素粉の増加が抑制されるとともに、微粉炭の一部を石油コークスに置換することによる、発生ガス量の減少と灰分量の低下が相俟って炉内通気性を維持できるようになり、高炉の安定操業が可能になった。
従来技術の工程と本発明の工程とを対比して示す概略フロー図である。
上述したように、本発明に係る石油コークス吹込み高炉操業方法は、
(A)銑鉄1トン当たり、150kg以上の石炭と10〜80kgの石油コークスとからなる160〜250kgの微粉炭材を羽口から吹き込む高炉操業方法であって、
(B)前記石油コークスをショットコークスとそれ以外の残部に分離するショットコークス分離工程と、
(C)次いで、前記ショットコークスを粒径5mm以下に粗粉砕して粗粉砕物とするショットコークス粗粉砕工程と、
(D)前記石炭が、揮発分を無水ベースで25質量%以上含有する石炭であって、この石炭と、前記石油コークスの残部と、前記ショットコークスの粗粉砕物とを、粒径300μm以下が95質量%以上になるように混合粉砕して、前記微粉炭材を作製する混合粉砕工程と、
(E)この微粉炭材を前記羽口から高炉内へ吹き込む羽口吹込み工程と、を備えたことを特徴とするものである。
以下、上記(A)〜(E)の要件ごとにさらに詳細に説明する。
[(A)銑鉄1トン当たり、150kg以上の石炭と10〜80kgの石油コークスとからなる160〜250kgの微粉炭材を羽口から吹き込む高炉操業方法]
<銑鉄1トン当たり150kg以上の石炭>
本発明に係る石油コークス吹込み高炉操業方法は、微粉炭比150kg/t−銑鉄以上の高微粉炭吹込み操業下での石油コークスの使用技術を対象としているので、微粉炭用の石炭の使用量は銑鉄1トン当たり150kg以上を前提とした。
<銑鉄1トン当たり10〜80kgの石油コークス>
ここに、「石油コークス」とは、既述したようにオイルコークスとも呼ばれ、石油精製の重質残渣油(アスファルト、ピッチ等)を炭化して得られる炭素質物質の総称である。原油の精製過程において主に減圧蒸留装置から出てくる重油残渣油を熱分解装置(コーカー)にて処理し、ガソリン・軽油留分を搾り取った後に残る残渣である。
石油コークスの使用量は、微粉炭用の石炭の一部と置換して、還元材コストを低減するとともに、発生ガス量減少および灰分量低下の効果を有効に発揮させるため、銑鉄1トン当たり10kg以上、好ましくは15kg以上、さらに好ましくは20kg以上とする。ただし、石油コークスの使用量が多くなりすぎると、レースウェイ内での燃焼性が低下して未燃焼炭素粉の発生が増加するので、銑鉄1トン当たり80kg以下、好ましくは75kg以下、さらに好ましくは70kg以下とする。
<銑鉄1トン当たり160〜250kgの微粉炭材>
そして、前記石炭と前記石油コークスからなる微粉炭材の使用量については、その下限は、前記石炭と前記石油コークスの各使用量の下限同士の合計量である、銑鉄1トン当たり160kgとしたが、その上限は、酸素富化送風などの既存技術により炉内通気性を確保して安定操業を維持しうる250kgとした。
[(B)前記石油コークスをショットコークスとそれ以外の残部に分離するショットコークス分離工程]
<ショットコークスとそれ以外の残部>
ここに、「ショットコークス」とは、石油コークスに含まれるもののうち、硬くて高密度で球状のものである。また、ショットコークス以外の残部は、ニードルコークス、スポンジコークスなど、ショットコークスよりも柔らかくて低密度で非球状のものである(例えば、特開2007−537343号公報、特開2008−504376号公報等参照)。
<ショットコークスとそれ以外の残部とに分離>
ショットコークスとそれ以外の残部とに分離するのは、硬くて粉砕しにくいショットコークスだけを選別して、別途粗粉砕しておくためである。分離手段としては、特に限定されないが、例えば、硬度差や密度差(反発係数差)を利用した反発式選別機、形状の相違を利用した転選機(スパイラルシュート方式、ベルトコンベア方式など)が挙げられる。具体的には、搖動機械式選別機、傾斜型選別機、搖動反発式選別機、形状選別機(転選機)などが例示できる。
なお、分離したショットコークスは、本発明では次工程以降の処理をして最終的には高炉内に吹き込まれて使用されるが、本発明の範囲外の別の利用方法として、高炉では使用せずに、コークス炉でコークス原料として使用する、セメント・キルン等の燃料として外販する、等の方法も考えられる。
[(C)次いで、前記ショットコークスを粒径5mm以下に粗粉砕して粗粉砕物とするショットコークス粗粉砕工程]
<粒径5mm以下>
ここで、「粒径5mm以下」とは、5mm(またはそれ以下)の篩目を全量通過する状態をいう。
<前記ショットコークスを粒径5mm以下に粗粉砕>
上記の分離したショットコークスを粗粉砕して粒径5mm以下とすることで、ショットコークスとそれ以外の残部(ニードルコークス、ポーラスコークス等)と石炭の各粉砕性をほぼ同等にすることにより、次工程での混合粉砕における混合性と微粉砕性が良くなり、レースウェイ内で燃焼しにくい粗粉が少なくなり、高炉への吹込み時の燃焼性が向上する(図1(b)参照)。
一方、粗粉砕をせずにショットコークスをそのまま使用すると(すなわち、ショットコークスとそれ以外の残部とに分離することなく、石油コークスをそのまま使用すると)、次工程での石炭との混合粉砕において、硬くて球状のままのショットコークスは粉砕されにくいため、レースウェイ内で燃焼しにくいショットコークス由来の粗粉が増加し、高炉への吹込み時の燃焼性が悪化する(図1(a)参照)。
粗粉砕の手段としては、特に限定されるものではないが、一般的には、ロッドミル、ボールミル、ハンマミル、ピンミル、インパクトクラシャ、ジャイアントクラッシャ、コーンクラッシャ等が挙げられる。なお、石油コークスが水分を含有していても、粒径5mm以下への粗粉砕であるので、粗粉砕に際して石油コークスは必ずしも乾燥する必要はない。
[(D)前記石炭が、揮発分を無水ベースで25質量%以上含有する石炭であって、この石炭と、前記石油コークスの残部と、前記ショットコークスの粗粉砕物とを、粒径300μm以下が95質量%以上になるように混合粉砕して、前記微粉炭材を作製する混合粉砕工程]
<揮発分を乾量基準で25質量%以上含有する石炭>
揮発分の多い石炭は燃焼性が良く、レースウェイ内の燃焼場の温度が上昇する。その結果、燃えにくい石油コークスの燃焼が促進される(いわゆる加速燃焼)。このような加速燃焼作用を有効に発揮させるためには、石炭の揮発分量を無水ベースで25質量%以上、好ましくは30質量%以上とする必要がある。ただし、石炭の揮発分量を高くしすぎると、発生ガス量が増大し、炉内通気性を低下させるおそれがあるので、無水ベースで50質量%以下、さらには40質量%以下とするのが好ましい。
なお、本発明で使用する石炭としては、揮発分量が上記所定範囲の石炭1種類だけを用いてもよいが、平均揮発量が上記所定範囲となるように揮発分量の異なる複数種類の石炭を配合して用いてもよい。
<この石炭と、前記石油コークスの残部と、前記ショットコークスの粗粉砕物とを、粒径300μm以下が95質量%以上になるように混合粉砕>
上記のように、石油コークスから分離したショットコークスを予め粗粉砕しておくことで、粉砕性をほぼ同等にした、石炭と、石油コークスの残部と、ショットコークスの粗粉砕物とを混合粉砕することにより、異種炭材の混合性および粉砕性が向上し、燃焼性がさらに向上する。レースウェイ内での燃焼性を確保するため、混合粉砕の結果得られる粉状固体燃料の粒度は、粒径300μm以下が95質量%以上になるようにする。
混合粉砕の手段としては、特に限定されるものでなく、例えば、石炭を微粉炭にするのに常用される竪型ローラーミル等を用いることができ、そのセパレータ回転速度や粉砕時間(原料供給速度)等を調整することで上記所定粒度が得られる。なお、被粉砕物(石炭、石油コークス)が水分を含有する場合は、粒径300μm以下が95質量%以上の微粉砕であるので、混合粉砕に際して被粉砕物を乾燥する必要がある。
[(E)この微粉炭材を前記羽口から高炉内へ吹き込む羽口吹込み工程]
上記のようにして作製した微粉炭材は、例えば、従来の微粉炭と同様、羽口に設置した微粉炭吹込みランスを用いて高炉内に吹き込むことができる。なお、レースウェイ内における微粉炭材の燃焼性をさらに向上させるため、従来の微粉炭吹込み操業で常用されている送風への酸素富化量の調整を行ってもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することももちろん可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
〔使用炭材〕
石油コークスとして、下記表1に示す各成分組成を有する5種類の石油コークスを用いた。また、石炭として、下記表2に示す各成分組成を有する3種類の石炭を用いた。
〔ショットコークスの分離〕
そして、上記各石油コークスを、搖動機械式選別機(御池鉄工所社製)を用いて、(1)高反発物(重量物)、(2)低反発物(軽量物)、(3)細粒物、の3種類に選別した。そして、搖動スクリーンの傾斜角度および回転数、ならびに選別ファンの風量を適宜調整して、選別された上記(1)高反発物(重量物)の圧潰強度が50〜100kgf(≒490〜980N)で、形状係数が0.9以上となったものをショットコークスとし、選別された上記(2)低反発物(軽量物)と(3)細粒物の圧潰強度が40kgf(≒390N)以下で、形状係数が0.8以下となったものをショットコークス以外の残部とした。なお、上記表1に、分離されたショットコークスの石油コークス中における質量割合を併記した。
〔ショットコークスの粗粉砕〕
上記のようにして分離したショットコークスを、ハンマミル(ホソカワミクロン社製、型式:H18)を用いて、ハンマの回転速度、粉砕時間等を調整することで、粒径5mm以下(5mmの篩目を全量通過する状態)に粗粉砕した。
〔石炭の揮発分量の調整〕
上記3種類の石炭を、単独で用いて、または複数種類を配合して揮発分量の調整を行った。なお、複数種類を配合する場合には、配合後の石炭の揮発分量は、配合された各石炭の揮発分量を配合質量割合で加重平均して求めた。
〔炭材の混合粉砕〕
上記のようにして調製された、石炭と、ショットコークスの粗粉砕物と、ショットコークス以外の残部とを、石炭と石油コークスの配合質量割合を種々変更し、粉砕機として竪型ローラーミル(アーステクニカ社製、型式:KVM−60)を用いて混合粉砕を行った。この粉砕機は、粉砕・分級・乾燥を1台で実施することができる高性能加圧式粉砕機であり、複数種類の炭材を投入して一緒に粉砕することで、混合しながら所定粒度まで粉砕(混合粉砕)ができる。粉砕条件としては、原料供給量=2.0t/h、ミル入口風量=50Nm/min、ローラー加圧力=4.0t/ローラー、セパレータ回転速度=100rpm、ミル入口温度=200〜400℃、ミル出口温度=50〜100℃とした。
〔微粉炭材の燃焼試験〕
そして、上記混合粉砕後の微粉炭材の高炉レースウェイ内における燃焼性を評価するため、コークス充填型試験燃焼炉(宮川一也ら:材料とプロセス,vol.7(1994),p.128、有山達郎ら:鉄と鋼,vol.81(1995),p.1114参照)を用いて、燃焼試験を行った。この試験燃焼炉は、高さ2.5m、奥行き1.9mの扇形の炉であり、内径0.08mの羽口1本を備えている。試験条件としては、コークス粒径=8〜20mm、送風温度=1050℃、送風量=720Nm/hとした。
微粉炭材の燃焼性を評価する指標として、レースウェイでの燃え残りの炭素分である未燃C量(単位:kg/t−溶銑)を用いた。この未燃C量は、下記式(1)で定義される。
未燃C量(kg/t−溶銑)=微粉炭材比(kg/t−溶銑)×[(100−微粉炭材の灰分(df%))/100]×[(100−微粉炭材の燃焼率(%))/100]・・・式(1)
ここに、微粉炭材の燃焼率(%)=[微粉炭材の(固定炭素+揮発分)の質量減少量]÷[微粉炭素の(固定炭素+揮発分)の初期質量]×100
上記微粉炭材の燃焼率は、具体的には、燃焼試験中に上記試験燃焼炉の羽口対面よりサンプリングプローブを挿入してレースウェイ出口での微粉炭材を採集し、燃焼試験前後のおける微粉炭材の灰分を測定し、アッシュトレーサ法にて次式で求めた。
微粉炭材の燃焼率(%)=[(100−燃焼試験前の灰分量)−(100−燃焼試験後の灰分量)×(燃焼試験前の灰分量/燃焼試験後の灰分量)]÷(100−燃焼試験前の灰分量)×100
また、微粉炭材比(kg/t−銑鉄)は、送風原単位1250Nm/t−銑鉄と仮定して、送風量720Nm/h一定の条件下で微粉炭材供給量(kg/h)を調整することにより設定した。
そして、下記の根拠により、未燃C量が70kg/t−銑鉄より少ない場合を、微粉炭材の燃焼性が良好で合格(○)、70kg/t−銑鉄以上の場合を、燃焼性が劣り不合格(×)と判定した。
すなわち、高炉内におけるソリューションカーボン量(C+CO→2COの反応で消費される銑鉄1トン当たりのC量[kg/t−銑鉄])は、従来の高炉操業の実績から、微粉炭比が160kg/t−銑鉄以上の場合70〜85kg/t−銑鉄である。したがって、未燃C量が70kg/t−銑鉄より少なければ、高炉内でソリューションロス反応によりこの未燃Cが完全に消費されるため、未燃Cが高炉内に蓄積することが防止され、高炉内の通気性が確保できることになる。
試験条件および試験結果を下記表3および表4に示す。
上記表3に示すように、本発明の要件を全て満足する場合は、いずれも、未燃C量が70kg/t−銑鉄を下回っており、吹込み炭材(微粉炭材)の燃焼性に優れることがわかる。
これに対し、上記表4に示すように、本発明の要件のうち、少なくともいずれかの要件を満足しない場合は、未燃C量が70kg/t−銑鉄以上になっており、吹込み炭材(微粉炭材)の燃焼性が劣ることがわかる。
例えば、試験No.101は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行わずに、そのままの石油コークスを石炭と混合粉砕したため、得られた微粉炭材に粗粉が多く含まれ、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.102は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行わず、さらに、そのままの石油コークスと石炭とを別個に粉砕した後に混合したため、得られた微粉炭材に粗粉が多く含まれるとともに、異種炭材の混合性が不十分となり、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.103、104は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行わず、そのままの石油コークスを、揮発分量の低い石炭と混合粉砕したため、得られた微粉炭材に粗粉が多く含まれるとともに、加速燃焼作用が十分に発揮されず、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.105は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行ってはいるが、石炭と石油コークスとを別個に粉砕した後に混合したため、得られた微粉炭材は十分に微粉化されているものの、異種炭材の混合性が不十分となり、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.106〜108は、ショットコークスの分離を行ってはいるが、粗粉砕を行わないか、または粗粉砕が不十分であったため、その後に石炭と石油コークスの残部とともに混合粉砕を行っているにも関わらず、微粉炭材には粗粉が多く含まれ、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.109、110は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行い、石炭と石油コークスの残部とともに混合粉砕を行っているものの、使用した石炭の揮発分が低かったため、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.111は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行い、揮発分の高い石炭と石油コークスの残部とともに混合粉砕を行っているものの、混合粉砕が不十分であったため、微粉炭材の微粉化が不足し、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.112は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行い、揮発分の高い石炭と石油コークスの残部とともに十分に混合粉砕を行っているものの、石油コークスへの置換率(石油コークスの原単位)が高すぎたため、燃焼試験における未燃Cが増加している。
また、試験No.113は、ショットコークスの分離・粗粉砕を行い、揮発分の高い石炭と石油コークスの残部とともに十分に混合粉砕を行っているものの、吹込み炭材比(微粉炭材の原単位)が高すぎたため、燃焼試験における未燃Cが増加している。
以上より、本発明の適用性が確認できた。

Claims (1)

  1. 銑鉄1トン当たり、150kg以上の石炭と10〜80kgの石油コークスとからなる160〜250kgの微粉炭材を羽口から吹き込む高炉操業方法であって、
    前記石油コークスをショットコークスとそれ以外の残部に分離するショットコークス分離工程と、
    次いで、前記ショットコークスを粒度分布の最大値が5mm以下となるように粗粉砕して粗粉砕物とするショットコークス粗粉砕工程と、
    前記石炭が、揮発分を無水ベースで25質量%以上含有する石炭であって、この石炭と、前記石油コークスの残部と、前記ショットコークスの粗粉砕物とを、粒径300μm以下が95質量%以上になるように混合粉砕して、前記微粉炭材を作製する混合粉砕工程と、
    この微粉炭材を前記羽口から高炉内へ吹き込む羽口吹込み工程と、
    を備えたことを特徴とする石油コークス吹込み高炉操業方法。
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