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JP6201637B2 - 基材、ディスプレイ用基材、及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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JP6201637B2 - 基材、ディスプレイ用基材、及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

基材、ディスプレイ用基材、及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELと略す)素子等のディスプレイ用・照明用基板等に用いることが可能で、ガスバリア性が高く、かつ耐熱性を有する基材及びその基材を使用した有機EL素子に関する。
近年、種々の表示方式のディスプレイが使用され、また実用方法も種々検討がされている。ブラウン管を除くと、いずれのディスプレイも薄型化を目指すものであり、さらにはフレキシブルなものが求められるようになってきている。そこで、従来、ディスプレイを構成していたガラス基板に代わって、樹脂フィルムを用いることが検討されている。有機EL素子の基材に樹脂フィルムを使用する場合、形成されている素子が、水蒸気や酸素などに触れて性能劣化しないように超高度ハイバリア性が要求される。また、加工時や使用時の発熱や加熱時の熱で伸びや撓みを生じにくく寸法安定性を高めるため、耐熱性及び低線膨張係数であることが求められる。
従来のガスバリア性積層フィルムとしては、高分子樹脂基材上に、無機化合物からなる蒸着層と、水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤の塗布層からなるガスバリア性被膜と、の2層を形成したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ガスバリア性積層フィルムとしては、高分子樹脂基材上に、無機化合物からなる蒸着層と、被膜層との2層から形成し、前記被膜層を、1種以上の金属アルコキシド或いはその加水分解物及び分子中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物との混合溶液を主剤とし、好ましくは塩化錫、メラミン、メラミン樹脂、ホルムアルデヒドを含むコーティング剤の塗布層からなるものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−164591号公報 特開平7−268115号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載のガスバリア性積層フィルムは、耐水性及び耐湿性を有し、ある程度の変形に耐えられる可撓性を有し、かつガスバリア性を示すが、耐熱性及び低線膨張係数については記載も言及もされていない。
ここで、ガスバリア性フィルムの高分子樹脂基材に耐熱性及び低線膨張係数を有した樹脂を使用してガスバリア性フィルムを作製することは、高分子樹脂基材とバリア層との密着性、高分子樹脂基材の耐薬品性、高分子樹脂基材とバリア層の応力差、高分子樹脂基材の透湿度などを考慮すると作製は容易ではない。耐熱性及び低線膨張係数を有していないバリア性フィルムを有機ELの基材に使用した場合、有機EL素子工程中の熱履歴で基材が反り、搬送・次工程の成膜は困難となる。また、搬送・成膜が仮に出来たとしても仕上がった有機EL素子には反りが残り、有機EL層ないしバリア層に応力が掛かり、膜にクラックが入って表示不良が発生することがある。
本発明は、このような問題点を解消するためになされたものである。反りを発生させずに、耐熱性とバリア性を有する基材を簡便に提供することを目的とする。また、この基材を用いて光学特性を損なうことなく、防湿性に優れた有機EL素子を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の1態様の基材は、ガスバリア性フィルムと耐熱性フィルムとの間に、応力緩和シートを介挿したことを特徴とする。
このとき、前記応力緩和シートは、少なくとも耐熱多孔膜と、該耐熱多孔膜の両面に設けられた接着剤を有する積層物であっても良い。
また、前記接着剤は、熱可塑性粘着剤又は熱可塑性接着剤であり、全光線透過率が70%以上であっても良い。
また、前記ガスバリア性フィルムは、酸素透過率が0.3cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が0.001g/m/day以下であり、かつ全光線透過率が70%以上であってもよい。
また、前記耐熱性フィルムは、ガラス転移温度が120℃以上であり、線膨張係数が100ppm/K以下であり、かつ全光線透過率が70%以上であっても良い。
また、本発明の1態様のディスプレイ用基材は、前記1態様の基材上に電極層が形成されていることを特徴とする
また、本発明の1態様の有機エレクトロルミネッセンス素子は、前記1態様のディスプレイ用基材と、該電極層上に形成された少なくとも発光層を有する有機発光媒体層と、該有機発光媒体層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする。
本発明の態様では、ガスバリア性フィルムと耐熱性フィルムとを応力緩和シートを介して積層させてなる基材である。ガスバリア性フィルム単体では加熱時の熱で反ってしまうが、応力緩和シートを介して耐熱性フィルムを積層させることで反りを解消させることが可能となる。ガスバリア性フィルムと耐熱性フィルムとの熱収縮率差により生じる反りを、応力緩和シートの耐熱多孔膜が緩和させることで成し得る。
耐熱多孔膜の両面の接着剤は、ガスバリア性フィルムと耐熱性フィルムを接着し、接着剤に熱可塑性粘着剤又は熱可塑性接着剤を使用することで、接着剤が耐熱多孔膜の空隙に入り込み、外部からの透湿を抑制することが出来る。
ガスバリア性フィルムにおける酸素透過率が0.3cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が0.001g/m/day以下であることにより、酸素や水蒸気等に弱い部材を有する有機EL素子の支持基板等に用いることが可能となる。
耐熱性フィルムにおけるガラス転移温度が120℃以上であり、線膨張係数が100ppm/K以下であることにより、有機EL素子の耐熱性が要求されるディスプレイ用基板等に用いることが可能となる。
前記の基材上に電極層を形成することで、ディスプレイ用基材として用いることが出来、さらに有機EL層を形成することで、経時で酸素や水蒸気等の影響を受けることなく、ダークスポット等もない有機EL素子を提供することが出来る。また、ガスバリア性フィルム、接着剤及び耐熱性フィルムの全光線透過率が70%以上であることで、光学特性を損なうことのない有機EL素子を提供することが出来る。
このように、本発明の1態様によれば、反りを発生させずに、耐熱性とバリア性を有する基材を簡便に提供することが出来、また、この基材を用いて光学特性を損なうことなく、防湿性に優れた有機EL素子を提供することが出来る。
本発明の実施形態に係る基材を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る有機EL素子を示す断面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において参照する図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さ、寸法等は、実際のものとは異なる。また、本発明の用途は有機EL素子に限定されるものではない。
本発明の有機EL素子を、図1、2を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る基材の断面図である。本実施形態の基材10は、図1に示すように、ガスバリア性フィルム1と耐熱性フィルム2との間に応力緩和シート3が介挿されて構成されたガスバリア性積層フィルムである。応力緩和シート3は、耐熱多孔膜4の両面に接着剤5が形成されて構成される。
図2は、本発明の一実施形態に係る有機EL素子の断面図である。本実施形態の有機EL素子は、図1に示すように、基材10のガスバリア性フィルム1の上に、電極層11、有機発光媒体層12、対向電極層13、封止基材14がこの順で積層されて構成される。符号15は接着層を表す。
(基材)
次に、有機EL素子の基材10を構成する各部の材料等について説明する。
(1)ガスバリア性フィルム1
本実施形態に係るガスバリア性フィルム1の材料は、ガスバリア性フィルムとしての酸素透過率が0.3cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が0.001g/m/day以下であり、かつ全光線透過率が70%以上であれば特に限定はされない。ガスバリア性フィルム1は、樹脂フィルム上にガスバリア層が形成されたものある。その樹脂フィルムの例としては、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリアリレート、ポリアミド、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等を挙げることが出来る。樹脂フィルムの厚みに特に制限はないが、10um以上200um以下であることが好ましい。ガスバリア層は、ガスバリア性を有するものであれば特に制限はないが、たとえば、透明無機酸化膜、透明無機酸化窒化膜、透明無機窒化膜などの無機膜、無機微粒子(珪素、アルミニウム、亜鉛、ジルコニウム等の金属の酸化物や窒化物、ゾルゲル反応物の微粒子、雲母、クレー、タルク等の鉱物の微粒子等)を分散した有機膜のいずれか一種を単独で、または二種以上を組み合わせたものなどが挙げられる。ガスバリア層の膜厚は、ガスバリア性として有用な厚さであれば特に制限はないが、好ましくは30Å以上50000A以下である。30A未満では、ディスプレイ用基板としてのガス遮断性が十分でなく、50000Aを超えると、それ自身の応力が大きくなり、フレキシビリティが損なわれる。ガスバリア層の製法について特に制限はないが、たとえば、印刷法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の方法や、Cat-CVD法やプラズマCVD法、大気圧プラズマCVD法を適用して形成される。成膜材料の種類、成膜のし易さ、工程効率等を考慮して選択すればよい。
(2)耐熱性フィルム2
本実施形態の耐熱性フィルム2は、後述する応力緩和シート3を介してガスバリア性フィルム1と貼り合わされる。本実施形態に係る耐熱性フィルム2の材料は、ガラス転移温度が120℃以上であり、線膨張係数が100ppm/K以下であり、かつ全光線透過率が70%以上であれば特に限定はされない。耐熱性フィルム2の材料の例として、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂などが挙げられる。耐熱性フィルムの厚みに特に制限はないが、10um以上200um以下であることが好ましい。
(3)応力緩和シート3
本実施形態の応力緩和シート3は、後述する耐熱多孔膜4と、その耐熱多孔膜4の両面にそれぞれ形成された接着剤5とを有するシートである。
(4)耐熱多孔膜4
本実施形態に係る耐熱多孔膜4は、耐熱性樹脂をマトリックスとして含む多孔膜である。耐熱性樹脂の例としては、ポリシクロオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂(ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなど)、芳香族ポリアミド樹脂(アラミドなどの全芳香族ポリアミドなど)、芳香族ポリエステル樹脂(ポリアリレートなど)、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルケトン樹脂(ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンなど)、ポリスルホン樹脂(ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなど)、ポリフェニレンスルフィド樹脂(ポリフェニレンスルフィドなど)などが挙げられる。これらの耐熱性樹脂は、一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用できる。耐熱多孔膜は、例えば、耐熱性樹脂を有機溶媒に溶解させて、25℃における粘度が0.5Pa・s以上100Pa・s以下である溶液に調整し、その溶液を支持体上にキャストし、相対湿度が60%以上である雰囲気下においてキャストした溶液の有機溶媒を蒸発させることによりキャストした溶液の液面上で水蒸気を凝結させ、生じた微小水滴を蒸発させることで耐熱樹脂の多孔膜を得ることが出来る。また、耐熱性樹脂と造孔剤とを用いて作製したり、耐熱性樹脂の前駆体(モノマーまたはオリゴマーなどを含む)と造孔剤とを含む溶液または分散液を用いて、流延または塗布により、シート成形する方法において、適当な段階で加熱などにより前駆体を反応させることにより、耐熱多孔膜を形成することもできる。分散媒としては、例えばエタノール、エチレングリコールなどのアルコール(C1-4アルカノール又はC2-4アルカンジオールなど);アセトンなどのケトン;ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;アセトニトリルなどのニトリル;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド;N−メチル−2−ピロリドン(NMP);テトラメチル尿素;またはこれらから選択された複数の溶媒の混合物などが挙げられる。耐熱多孔膜の厚みは1um以上200um以下が好ましく、耐熱多孔膜の平均空孔径は、0.01μm以上3μm以下が好ましい。空孔径が小さすぎると応力緩和の効果が薄く、空孔径が大きすぎると耐熱多孔膜の強度が不十分となる。耐熱多孔膜の空隙率は、30体積%以上70体積%以下が好ましい。空隙率が小さすぎると応力緩和の効果が薄く、空隙率が大きすぎると、耐熱多孔膜の強度が不十分となる。
(5)接着剤5
本実施形態に係る接着剤5は、耐熱多孔膜4の両面にそれぞれ形成される。本実施形態に係る接着剤5の材料は、熱可塑性の粘着剤及び接着剤が望ましく、ゴム系、アクリル系、エポキシ系シリコーン系などを使用することができる。また、接着剤の形態は液状でもシート状でも良い。接着剤の全光線透過率は70%以上が好ましく、低透湿性を有するものが好ましく、100g/m/day(@60℃90%RH)以下であることが好ましい。低透湿であればあるほど、基材10はガスバリア性を有することが出来る。接着剤5は公知の技術で形成でき、例えばスクリーン印刷、グラビア印刷、ラミネート等を使用することが出来る。接着剤5を耐熱多孔膜4の両面に形成する方法は限定されるものではなく、例えば、ガスバリア性フィルム1、耐熱性フィルム2のそれぞれ表層に接着剤5をコーティングし、耐熱多孔膜を挟み込んでラミネートすることで出来る。接着剤5は熱可塑性であるので、熱を加えることで接着剤5が耐熱多孔膜の空隙に入り込み、基材10にバリア性を持たせることが出来る。接着剤の厚みは、1um以上30um以下が好ましい。薄すぎると密着性が劣り、厚すぎるとバリア性が劣る。
(有機EL素子)
以下、有機EL素子を構成する各部の材料について説明する。本実施形態の有機EL素子は、上記基材上に後述する電極層11と、電極層11上に形成された有機発光媒体層12と、その有機発光媒体層12上に形成された対向電極層13とを有する。
(1)電極層11
有機EL素子の製造は、最初に、基材10の上に電極層11を成膜し、必要に応じてパターニングを行う。
ここで、電極層11の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物や、金、白金などの金属材料や、これら金属酸化物や金属材料の微粒子をエポキシ樹脂やアクリル樹脂などに分散した微粒子分散膜を、単層もしくは積層したものをいずれも使用することができる。また、必要に応じて、電極層11の配線抵抗を低くするために、銅やアルミニウムなどの金属材料を補助電極として併設してもよい。電極層11の形成方法としては、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法などの乾式成膜法や、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの湿式成膜法などを用いることができる。陽極層3のパターニング方法としては、材料や成膜方法に応じて、マスク蒸着法、フォトリソグラフィー法、ウェットエッチング法、ドライエッチング法などの既存のパターニング法を用いることができる。
(2)有機発光媒体層12
有機EL素子の製造は、次に、電極層11の上に有機発光媒体層12を形成する。
本実施形態の有機発光媒体層12としては、発光物質を含む単層膜、あるいは多層膜で形成することができる。多層膜で形成する場合の構成例としては、正孔輸送層、電子輸送性発光層または正孔輸送性発光層、電子輸送層からなる2層構成や正孔輸送層、発光層、電子輸送層からなる3層構成、さらには、必要に応じて正孔(電子)注入機能と正孔(電子)輸送機能を分けたり、正孔(電子)の輸送をプロックする層などを挿入することにより、さらに多層形成することがより好ましい。
正孔輸送材料の例としては、銅フタロシアニン、テトラ(t−ブチル)銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン類及び無金属フタロシアニン類、キナクリドン化合物、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン、N,N’−ジ(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン等の芳香族アミン系低分子正孔注入輸送材料や、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリビニルカルバゾール、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物などの高分子正孔輸送材料、ポリチオフェンオリゴマー材料、その他既存の正孔輸送材料の中から選ぶことができる。
発光材料としては、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ−2,5−ジヘプチルオキシ−パラ−フェニレンビニレン、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体等、Ir錯体等の燐光性発光体などの低分子系発光材料や、ポリフルオレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリスピロなどの高分子材料や、これら高分子材料に前記低分子材料の分散または共重合した材料や、その他既存の発光材料を用いることができる。
電子輸送材料の例としては、2−(4−ビフィニルイル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、オキサジアゾール誘導体やビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリノラート)ベリリウム錯体、トリアゾール化合物等を用いることができる。
有機発光媒体層12の膜厚は、単層または積層により形成する場合においても1000nm以下であり、好ましくは50nm以上150nm以下である。特に、高分子EL素子の正孔輸送材料は、基材や陽極層の表面突起を覆う効果が大きく、50〜100nm程度厚い膜を成膜することがより好ましい。
有機発光媒体層12の形成方法としては、材料に応じて、真空蒸着法や、スピンコート、スプレーコート、フレキソ、グラビア、マイクログラビア、凹版オフセットなどのコーティング法、印刷法やインクジェット法などを用いることができる。高分子発光媒体層を溶液化する際には、形成方法に応じて、溶剤の蒸気圧、固形分比、粘度などを制御することが好ましい。溶剤としては、水、キシレン、アニソール、シクロヘキサノン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、トルエン、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの単独溶媒でも、混合溶媒でも良い。また、塗工性向上のために、必要に応じて界面活性剤、酸化防止剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤などの添加剤を適量混合することがより好ましい。塗布液の乾燥方法としては、EL特性に支障のない程度に溶剤を取り除ければ良く、加熱しても、減圧しても、加熱減圧しても良い。
(3)対向電極層13
有機EL素子の製造は、次に、対向電極層13を形成する。
対向電極層13の材料としては、有機発光媒体層12への電子注入効率の高い物質を用いる。具体的にはMg,Al, Yb等の金属単体を用いたり、発光媒体と接する界面にLiや酸化Li,LiF等の化合物を1nm程度挟んで、安定性・導電性の高いAlやCuを積層して用いてもよい。または電子注入効率と安定性を両立させるため、仕事関数が低いLi,Mg,Ca,Sr,La,Ce,Er,Eu,Sc,Y,Yb等の金属1種以上と、安定なAg,Al,Cu等の金属元素との合金系を用いてもよい。具体的にはMgAg,AlLi,CuLi等の合金が使用できる。対向電極層13を透光性電極層として利用する場合には、仕事関数が低いLi,Caを薄く設けた後に、ITO(インジウムスズ複合酸化物)やインジウム亜鉛複合酸化物、亜鉛アルミニウム複合酸化物などの金属複合酸化物を積層してもよく、有機発光媒体層12に、仕事関数が低いLi,Caなどの金属を少量ドーピングして、ITOなどの金属酸化物を積層してもよい。対向電極層13の形成方法は、材料に応じて、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、反応性蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法を用いることができる。対向電極層13の厚さに特に制限はないが、10nm〜1000nm程度が望ましい。また、対向電極層13を透光性電極層として利用する場合、CaやLiなどの金属材料を用いる場合の膜厚は0.1〜10nm程度が望ましい。
必要に応じ対向電極層13上に保護膜を形成する。保護膜は電気絶縁性を有し、水分、酸素および低分子成分に対するバリア性を有する材料で形成される。例えば、酸化ケイ素、酸化アルミ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化錫、インジウム錫オキサイド(ITO)及びチッ化ケイ素からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の無機材料を使用できる。保護膜の形成方法としては、スパッタリング法、CVD法、及び真空蒸着法などを用いることができる。ポリシラザン組成物からなる無機ポリマーの吸湿能力と、保護膜を組み合わせることで一層顕著な防湿効果が得られる。保護膜の厚みは膜の防湿性によるため限定されるものではないが、0.2μm以上10μm以下が望ましい。
(4)封止基材14
封止基材14としては、可撓性を有し、酸素透過率が0.3cc/m/day以下、水蒸気透過率が0.001g/m/day以下のバリア性を有し、所定の強度を有するものであれば特に限定されるものではない。バリア性は、可撓性フィルムの表面に無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成される。可撓性フィルムとして例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン(登録商標)、シクロオレフィン系樹脂、アルミニウムやステンレスなどの金属箔や前記樹脂フィルムにアルミニウム、銅、ニッケル、ステンレスなどの金属膜を積層させたフィルムも使用することができる。バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素など素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素などを用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良する為にこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせ複合膜がより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。バリア膜の形成方法については、特に制限は無く、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法などを用いる事ができる。また、封止基材14をトップエミッション型として用いる場合は、全光線透過率が70%以上である基材を使用する事が望ましい。封止基材の厚みは10〜500μm程度が望ましい。
(5)接着層15
接着層15は、封止基材14上もしくは有機EL素子を形成した基材10上に全面もしくは端面に形成される。端面のみに形成する場合は、内部を吸湿樹脂等で充填しておくことが望ましい。接着層15の形成方法は、印刷法、ノズル塗布法、または予め別の基材上に形成させておいて転写させる転写法などを用いることが出来る。接着層15の材料としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂などからなる光硬化型接着性樹脂、熱硬化型接着性樹脂、2液硬化型接着性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの酸変性物からなる熱可塑性接着性樹脂などを単層もしくは積層して用いることができる。特に、耐湿性、耐水性に優れ、硬化時の収縮が少ないエポキシ系熱硬化型接着性樹脂を用いることが望ましい。また、接着層15内部の含有水分を除去するために、酸化バリウムや酸化カルシウムなどの乾燥剤を混入したり、接着層の厚みをコントロールするために数%程度の無機フィラーを混入したりしても良い。
有機EL素子基材と封止基材との貼合わせは、不活性ガス雰囲気下で行い、気泡が入らないように撓ませながら貼合わせを行う。貼合安定性、貼合部内への気泡混入防止等を考慮し、10Pa以下1×10-5Pa以上の減圧及び0.01MPa以上0.5MPa以下の加圧条件で行うことがより好ましい。
(実施例1)
ガスバリア性フィルムは、厚さ25μmのPETフィルムの上面にAl(酸化アルミニウム)を真空蒸着法により、膜厚500Åの薄膜層を形成し、その上にポリビニルアルコールの3.0wt%水/イソプロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)を塗布し乾燥機で120℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μmの被膜を形成し、さらに真空蒸着法により、Al(酸化アルミニウム)を膜厚500Åの薄膜層を形成したものを使用した。耐熱性フィルムはシクロオレフィンコポリマー樹脂からなるフィルム(グンゼ社製、F1フィルム、厚さ100μm)を使用した。ガスバリア性フィルムのバリア層上、耐熱性フィルム上にポリイソブチレン系樹脂からなる熱可塑性粘着剤を30μm厚でコーティングし、耐熱多孔膜を挟み込むように熱ラミネート(温度:70℃)して、基材10を得た。使用した耐熱多孔膜は、孔径10μm、空孔率40%で、ポリカーボネートを溶解させたトルエン溶液を50μmの厚さでキャストし、これを温度35℃、相対湿度96%に調整されたオーブン内に30分間静置し、トルエンを蒸発させたものである。
上記基材を有機EL素子の基材10(5cm)に使用し、基材10上にスパッタリング法で電極層11としてITO膜(150nm)をパターン成膜した。
次に有機発光媒体層12として、正孔輸送層にポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との混合物(PEDOT-PSS)からなる50nmの正孔輸送層と、ポリ[2−メトキシ−5−(2'−エチルヘキシロキシ)−1、4−フェニレンビニレン](MEHPPV)からなる80nm厚の発光層をそれぞれ印刷法により形成した。
次に、蒸着室とCVD室とが連結された蒸着装置に基板を移動し、最初に基板を蒸着室に移動させ、Ca(10nm)、Al(150nm)をこの順に積層形成した。次に基板をCVD室に移動させ、有機発光媒体層12と対向電極層13を被覆するように、保護膜の窒化珪素膜をCVD法で3μm形成した。
封止基材14はPET/アルミニウム箔(95μm)からなるバリアフィルム(4cm□)を使用し、アクリル系熱硬化樹脂を厚み20μmでコーティングした。
最後に積層された有機EL素子基材と、接着剤が形成された封止基材を真空1Pa、加圧0.1MPaで貼り合せを行い、フレキシブル有機EL素子を得た。
(実施例2)
基材の耐熱性フィルムにポリエーテルスルホンからなるフィルム(住友ベークライト社製、100μm)を使用したことを除いて、実施例1の手順を繰り返して、フレキシブル有機EL素子を得た。
(比較例1)
実施例1で耐熱多孔膜を取り除いたことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
(比較例2)
実施例1で基材10にガスバリア性フィルムのみを使用したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
(評価)
実施例1、2及び比較例1、2に記載した有機EL素子の基材10をオーブンに150℃30分間放置した。放置後の反り量を表1に示す。また、実施例1、2及び比較例1、2で得た有機EL素子を40℃90%RHの恒温恒湿槽に250h放置した。放置前後の平均ダークスポットサイズも表1に示す。
Figure 0006201637
表1から分かるように、実施例1、2で使用した基材は、比較例1、2で使用した基材に比べ反り量が少ない。このことから、耐熱性フィルムと接着剤を介して貼り合せることで反りが低減し、さらに接着剤の間に形成した耐熱多孔膜を設けた応力緩和シートを介して貼り合せる事で反りが低減できた。また、実施例1、2で作製した素子は、恒温恒槽放置によるダークスポットサイズが、比較例1と同等で比較例2より小さい。このことから、接着剤の間に耐熱多孔膜を形成してもバリア性を損なうことがなく、また、耐熱性フィルムと応力緩和シートを介して貼り合せる事で封止性能が向上した。よって、反りを発生させずに、防湿性に優れた有機EL素子を提供することが出来た。
1…ガスバリア性フィルム
2…耐熱性フィルム
3…応力緩和シート
4…耐熱多孔膜
5…接着剤
10…基材
11…電極層
12…有機発光媒体層
13…対向電極層
14…封止基材
15…接着層

Claims (6)

  1. ガスバリア性フィルムと耐熱性フィルムとの間に、少なくとも耐熱多孔膜と、該耐熱多孔膜の両面に設けられた接着剤とを有する応力緩和シートを介挿したことを特徴とする基材。
  2. 前記接着剤は、熱可塑性粘着剤又は熱可塑性接着剤であり、全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1に記載の基材。
  3. 前記ガスバリア性フィルムは、酸素透過率が0.3cc/m/day以下であり、水蒸気透過率が0.001g/m/day以下であり、かつ全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基材。
  4. 前記耐熱性フィルムは、ガラス転移温度が120℃以上であり、線膨張係数が100ppm/K以下であり、かつ全光線透過率が70%以上であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基材。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の基材上に電極層が形成されていることを特徴とするディスプレイ用基材。
  6. 請求項に記載のディスプレイ用基材と、該電極層上に形成された少なくとも発光層を有する有機発光媒体層と、該有機発光媒体層上に形成された対向電極層とを有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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