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JP6205017B2 - トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、トランジスタの製造方法に関する。
近年、溶液中のイオン濃度を検出するイオンセンサや、溶液中のタンパク質やグルコース等の有機物質を検出するバイオセンサのように、溶液(電解質溶液)中に含まれる特定物質を検出するセンサ素子の研究開発が盛んに行われている。このようなセンサ素子の一種に、ダイヤモンド薄膜上にソース電極及びドレイン電極が形成されており、ソース電極とドレイン電極との間であって上記の溶液が接するダイヤモンド薄膜の表面がゲートとして機能する電界効果トランジスタを備えるものがある。このような電界効果トランジスタは、溶液が接する部分がダイヤモンド薄膜とされているため安定性が高く、製造が容易であり、且つ低コストであるという利点を有する。
以下の特許文献1には、上記の電界効果トランジスタを備えるイオンセンサが開示されている。具体的には、検出対象の溶液が挟持されるように配置された参照極及び作用極を備えており、参照極及び作用極の各々が上記の電界効果トランジスタ(pチャネルの電界効果トランジスタ)によって構成されたイオンセンサが開示されている。また、この特許文献1には、ゲートとして機能するダイヤモンド薄膜の表面に対して水素終端処理を施した上で、その一部を酸素終端又はフッ素終端することで、イオン感応性を制御する点も開示されている。
また、以下の特許文献2〜4には、ダイヤモンドの表面を処理(フッ素処理)する技術が開示されている。具体的に、以下の特許文献2には、導電性ダイヤモンドが被覆された導電性基材をフッ化処理(熱フッ素処理、電解フッ素処理)することにより長寿命化を図る点が開示されている。以下の特許文献3には、ダイヤモンドの表面を水素と硫化フッ素の混合ガスでなるプラズマに曝してダイヤモンド基板の表面を処理することにより正孔密度を高める点が開示されている。以下の特許文献4には、ダイヤモンド粉末とペルフルオロアゾアルカンとを溶液中に存在させて紫外線を照射して、ダイヤモンド粉末表面にペルフルオロアゾアルキル基を化学的に結合させる処理を行うことにより簡便にフッ素官能基を導入する点が開示されている。
特開2012−168120号公報 特開2006−97054号公報 特許第3886922号公報 特許第4119973号公報
ところで、上述した特許文献1に開示されている通り、水素終端処理が施されたダイヤモンド表面の一部をフッ素終端すれば、電界効果トランジスタのイオン感応性を自在に変化させることができるとも考えられる。しかしながら、本出願の発明者の研究によって、ダイヤモンドの表面をフッ素処理する場合において、その処理方法によってはフルオロカーボンの堆積膜が堆積されることが分かってきた。
フルオロカーボンは、周知の通り、炭素−フッ素結合(C−F)を持つ有機化合物の総称であって、化学反応が生じにくく温度を変化させても安定であるという性質を有する。このため、水素終端処理が施されたダイヤモンド表面の一部をフッ素終端する際に、このようなフルオロカーボンの堆積膜がダイヤモンド表面に堆積されると、ダイヤモンド表面の特性(性質)が本来意図した特性とは異なってしまう虞がある。すると、電界効果トランジスタのイオン感応性が、本来意図したイオン感応性とは異なったものになってしまい、その結果として、本来の特性とは異なったセンサ素子が製造されてしまう可能性があるという問題が生ずる。
以上から、意図した特性を有するセンサ素子を製造するには、電界効果トランジスタのゲートとして機能するダイヤモンド表面を処理する際に、フルオロカーボンの堆積膜の有無を制御することが極めて重要である。尚、上述した特許文献2〜4は、ダイヤモンドの表面を処理(フッ素処理)する技術を開示してはいるものの、これら特許文献2〜4は何れも、ダイヤモンドの表面を処理した際にフルオロカーボンの堆積膜が堆積される点については何ら言及していない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、フルオロカーボンの堆積膜の有無を制御することによってダイヤモンドの表面を所望の特性にすることが可能なトランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のダイヤモンド薄膜の表面処理方法は、基板(11、21、40)上に形成されたダイヤモンド薄膜(12、22)の表面処理方法であって、必要となる前記ダイヤモンド薄膜の表面特性に応じて、前記ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずに前記ダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する第1置換処理と、前記ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させながら前記ダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する第2置換処理との何れか一方の処理(S15)を行うことを特徴としている。
この発明によると、ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずにダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する第1置換処理と、ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させながらダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する第2置換処理との何れか一方の処理が行われる。
また、本発明のダイヤモンド薄膜の表面処理方法は、前記第1,第2置換処理の何れか一方の処理を行う前に、前記ダイヤモンド薄膜の表面の水素以外の終端を水素終端に置換する処理(S14)を行うことを特徴としている。
また、本発明のダイヤモンド薄膜の表面処理方法は、前記第1置換処理が、前記ダイヤモンド薄膜の全面又は一部の領域に対してフッ素ガス或いはフッ素系ガスを用いて被曝処理を行うことによって実現される処理、或いは前記ダイヤモンド薄膜の全面又は一部の領域に対するフッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング処理又は誘導結合型反応性イオンエッチング処理を行うことによって実現される処理であることを特徴としている。
また、本発明のダイヤモンド薄膜の表面処理方法は、前記第2置換処理が、前記ダイヤモンド薄膜の全面又は一部の領域に対するフッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング処理又は誘導結合型反応性イオンエッチング処理を行うことによって実現される処理であることを特徴としている。
また、本発明のダイヤモンド薄膜の表面処理方法は、前記第1置換処理の被曝処理で用いられるフッ素系ガスが、XeF又はCOFを含むガスであることを特徴としている。
また、本発明のダイヤモンド薄膜の表面処理方法は、前記第1置換処理の反応性イオンエッチング処理又は誘導結合型反応性イオンエッチング処理で用いられるフッ素系ガスが、C、C、S、N、C、N、及びS(x,y,zは1以上の整数)の少なくとも1つを含むガスであることを特徴としている。
また、本発明のダイヤモンド薄膜の表面処理方法は、前記第2置換処理の反応性イオンエッチング処理又は誘導結合型反応性イオンエッチング処理で用いられるフッ素系ガスが、C、C、S、N、C、N、及びS(x,y,zは1以上の整数)の少なくとも1つを含むガスであることを特徴としている。
本発明の電界効果トランジスタの製造方法は、基板(11、21、40)上に形成されたダイヤモンド薄膜(12、22)と、該ダイヤモンド薄膜上に形成されたソース電極(13、23)及びドレイン電極(14、24)とを備えており、該ソース電極及びドレイン電極間の前記ダイヤモンド薄膜の表面がゲート(16、26)として機能する電界効果トランジスタの製造方法であって、基板上に前記ダイヤモンド薄膜を形成する第1工程(S13)と、前記ダイヤモンド薄膜の表面の少なくとも前記ゲートとして機能する部分に対して、上記の何れかに記載のダイヤモンド薄膜の表面処理方法を用いて処理を行う第2工程(S14、S15)とを有することを特徴としている。
前記第1工程と前記第2工程との間に、前記ダイヤモンド薄膜上に前記ソース電極及び前記ドレイン電極を形成する第3工程(S16)を有することを特徴としている。
本発明の電界効果トランジスタの製造方法は、前記第3工程が、前記ソース電極及びドレイン電極を保護する保護膜(15、25)を、前記ソース電極及びドレイン電極を覆うように形成する工程を有することを特徴としている。
本発明のセンサ素子は、特定物質が含まれる溶液(W)に接する少なくとも1つの検出極(10、20)を備えており、該検出極の出力に基づいて前記溶液に含まれる前記特定物質を検出するセンサ素子(1、2)であって、上記の電界効果トランジスタの製造方法により製造された電界効果トランジスタが、前記ゲートとして機能する前記ダイヤモンド薄膜の表面が前記溶液に接するように、前記少なくとも1つの検出極に設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずにダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する第1置換処理と、ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させながらダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する第2置換処理との何れか一方の処理を行うようにしているため、ダイヤモンドの表面を所望の特性にすることが可能であるという効果がある。
本発明の第1実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサの構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサの平面透視図である。 本発明の第1実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサを用いたpH測定回路の一例を示す回路図である。 本発明の第1実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサに形成されているpチャネル電界効果トランジスタの特性の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態による電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態によるダイヤモンド薄膜の処理方法によって処理されたダイヤモンド薄膜の解析結果を示す図である。 同処理方法によって処理されたダイヤモンド薄膜の表面状態を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサの構成を示す断面図である。 本発明の実施形態で使用可能なダイヤモンド基板の例を示す図である。 第1実施例における電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。 第1実施例で得られた電界効果トランジスタの特性の一例を示す図である。 第2実施例における電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。 第2実施例で得られた電界効果トランジスタの電流電圧特性の一例を示す図である。 第3実施例における電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。 第3実施例で得られた電界効果トランジスタの電流電圧特性の一例を示す図である。 第3実施例で得られた電界効果トランジスタのpH感度の一例を示す図である。 第4実施例におけるダイヤモンド薄膜の表面処理方法を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態によるダイヤモンド薄膜の表面処理方法、電界効果トランジスタの製造方法、及びセンサ素子について詳細に説明する。尚、以下では、センサ素子がpHセンサである場合を例に挙げて説明するとともに、ダイヤモンド薄膜の表面処理方法及び電界効果トランジスタの製造方法については、pHセンサが備える電界効果トランジスタを製造する場合を例に挙げて説明する。
〔第1実施形態〕
〈センサ素子〉
図1は、本発明の第1実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサの構成を示す断面図である。また、図2は、同pHセンサの平面透視図である。尚、図1は、図2中のB−B線に沿う断面矢視図であり、図2は、図1中のA−A方向からpHセンサ1を見た場合の平面透視図である。図1,図2に示す通り、pHセンサ1は、互いに対向するように設けられた参照極10(検出極)と作用極20(検出極)とを備えており、これら参照極10と作用極20との間に導かれる被測定液W(溶液)のpHを測定する。
参照極10は、シリコンウェハ11(基板)、ダイヤモンド薄膜12、ソース電極13、ドレイン電極14、及び保護膜15を備える。ダイヤモンド薄膜12は、シリコンウェハ11の表面に形成されており、ソース電極13及びドレイン電極14は、ダイヤモンド薄膜12の表面において互いに対向するよう形成されている。保護膜15は、ダイヤモンド薄膜12上において、ソース電極13及びドレイン電極14を覆うように形成されている。この参照極10において、ソース電極13とドレイン電極14とによって挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜12の表面)がゲート16として機能する。
つまり、参照極10には、ソース電極13、ドレイン電極14、及びゲート16を備えるpチャネル電界効果トランジスタが形成されている。このpチャネル電界効果トランジスタは、ゲート16に被測定液Wが導かれることから、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET:Ion-Sensitive Field-Effect Transistor)ということができる。尚、このイオン感応性電界効果トランジスタは、ダイヤモンド薄膜12を有することからダイヤモンドISFETともいう。また、ダイヤモンド薄膜を有し、ダイヤモンドの接液部に酸化物を有しないことからダイヤモンドSGFET(electrolyte Solution-Gate FET)ともいう。
ここで、ゲート16の寸法は、pHセンサの特性に応じて適宜設定される。例えば、図2に示す通り、ゲート長αは、10〜1000μm程度の値に設定され、ゲート幅βは、0.01〜50mm程度の値に設定される。また、ソース電極13(ドレイン電極14)の長さγは、0.01〜50mm程度の値に設定され、ソース電極13(ドレイン電極14)の幅δは、0.01〜100mmの程度の値に設定される。
また、ゲート16として機能するダイヤモンド薄膜12の表面は、水素イオン濃度が1.0×10−1〜1.0×10−14mol/Lの範囲において電位が安定し、若しくはイオン感応性が実用上問題とならない程度に電位の一定性が保たれるように、終端元素が制御される。つまり、ゲート16として機能するダイヤモンド薄膜12の表面は、イオン鈍感応性終端とされる。尚、ダイヤモンド薄膜12の表面処理の詳細については後述する。
作用極20は、参照極10と同様の構成であり、シリコンウェハ21(基板)、ダイヤモンド薄膜22、ソース電極23、ドレイン電極24、及び保護膜25を備える。ダイヤモンド薄膜22は、シリコンウェハ21の表面に形成されており、ソース電極23及びドレイン電極24は、ダイヤモンド薄膜22の表面において互いに対向するよう形成されている。保護膜25は、ダイヤモンド薄膜22上において、ソース電極23及びドレイン電極24を覆うように形成されている。この作用極20において、ソース電極23とドレイン電極24とによって挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜22の表面)がゲート26として機能する。
つまり、作用極20には、ソース電極23、ドレイン電極24、及びゲート26を備えるpチャネル電界効果トランジスタが形成されている。このpチャネル電界効果トランジスタは、ゲート26に被測定液Wが導かれることから、イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)ということができる。
ここで、ソース電極23及びドレイン電極24は、図2に示す通り、参照極10のソース電極13及びドレイン電極14とそれぞれ同一の形状とすることが望ましい。ソース電極23及びドレイン電極24の大きさや間隔は、参照極10のソース電極13及びドレイン電極14の大きさ及び間隔と異なっていてもよい。但し、ゲート長α、ゲート幅β、ソース電極23(ドレイン電極24)の長さγ、及びソース電極23(ドレイン電極24)の幅δは、それぞれ上述した範囲の値に設定するのが好適である。
また、ゲート26として機能するダイヤモンド薄膜22の表面は、水素イオン濃度が1.0×10−1〜1.0×10−14mol/Lの範囲において電位がpH値に応じて線形或いは非線形に応答するように、終端元素が制御される。つまり、ゲート26として機能するダイヤモンド薄膜22の表面は、イオン感応性終端とされる。尚、ダイヤモンド薄膜12の表面処理の詳細については後述する。
次に、上記構成におけるpHセンサ1の動作について説明する。図1に示す通り、参照極10は、ゲート16として機能するソース電極13とドレイン電極14によって挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜12の表面)が被測定液Wに接する。これに対し、ソース電極13及びドレイン電極14は、保護膜15で覆われているため、被測定液Wに接することはない。また、作用極20は、ゲート26として機能するソース電極23とドレイン電極24によって挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜22の表面)が被測定液Wに接する。これに対し、ソース電極23及びドレイン電極24は、保護膜25で覆われているため、被測定液Wに接することはない。
被測定液Wの電荷はゲート16及びゲート26の界面電位に影響を及ぼし、その結果が出力端T1,T2(図3参照)で取り出される。
図3は、本発明の第1実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサを用いたpH測定回路の一例を示す回路図である。図3に示す通り、被測定液W(図3では図示省略)に接する擬似参照極30は接地されている。
参照極10のソース電極13には定電流源C1とバッファ回路B11とが接続され、参照極10のドレイン電極14にはバッファ回路B12が接続される。出力端T1は、バッファ回路B11を介して参照極10のソース電極13に接続されるとともに、抵抗R1及びバッファ回路B12を介して参照極10のドレイン電極14に接続される。作用極20のソース電極23には定電流源C2とバッファ回路B21とが接続され、作用極20のドレイン電極24にはバッファ回路B22が接続される。出力端T2は、バッファ回路B21を介して作用極20のソース電極23に接続されるとともに、抵抗R2及びバッファ回路B22を介して作用極20のドレイン電極24に接続される。
図3に示すソースフォロアーのpH測定回路では、被測定液Wの電荷がゲート16及びゲート26の界面電位に影響を及ぼし、これにより参照極10のゲート16と作用極20のゲート26とにそれぞれ電位が生じる。図3に示すpH測定回路において、出力端T1には参照極10のソース電極13とゲート16とに基づく電圧が生ずる。これに対し、出力端T2には作用極20のソース電極23とゲート26とに基づく電圧が生ずる。そして、出力端T1の電圧値と出力端T2の電圧値との差分は、被測定液WのpHと相関がある。
図4は、本発明の第1実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサに形成されているpチャネル電界効果トランジスタの特性の一例を示す図である。尚、図4に示す特性は、例えばpHセンサ1の作用極20に形成されているpチャネル電界効果トランジスタの特性をソース接地で評価したものである。pHセンサ1の参照極10に形成されているpチャネル電界効果トランジスタは、作用極20に形成されているpチャネル電界効果トランジスタとは電流及び電圧の大きさは異なるものの、おおむね図4(a),(b)に示すものと同様の特性を示す。
図4(a)は、ドレイン電極・ソース電極間の電圧(Vds)を一定の電圧(−0.5[V])に設定したときの、参照極の電圧(Vgs)と、ドレイン電極・ソース電極に流れる電流(Ids)との関係を示す図である。図4(a)を参照すると、参照極の電圧(Vgs)が−0.4〜−0.5[V]程度になると、ドレイン電極・ソース電極に流れる電流(Ids)が急激に大きくなる特性であるのが分かる。
図4(b)は、参照極の電圧(Vgs)をある範囲(0〜−1.4[V]の範囲)で変化させたときの、ドレイン電極・ソース電極間の電圧(Vds)と、ドレイン電極・ソース電極に流れる電流(Ids)との関係を示す図である。図4(b)を参照すると、参照極の電圧(Vgs)が大きくなるにつれて、図4(b)中の特性曲線が全体的に上方に持ち上がり、ドレイン電極・ソース電極に流れる電流(Ids)が大きくなる傾向があるのが分かる。
ここで、被測定液WのpH値が増加すると、図4(b)中の特性曲線は上方に移動し、被測定液WのpH値が減少すると図4(b)中の特性曲線は下方に移動する特性となる。また、ドレイン電極・ソース電極に流れる電流(Ids)が一定の場合に、被測定液WのpH値が増加すると、参照極の電圧(Vgs)は低下する特性となる。この特性を利用して、参照極の電圧(Vgs)の値から被測定液WのpH値を算出することができる。
〈電界効果トランジスタの製造方法及びダイヤモンド薄膜の処理方法〉
次に、上述したpHセンサ1の製造方法について説明する。尚、以下ではpHセンサ1の一連の製造工程のうち、参照極10及び作用極20に形成されるpチャネル電界効果トランジスタの製造方法と、この製造方法で用いられるダイヤモンド薄膜の処理方法とを中心に説明する。
図5は、本発明の第1実施形態による電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。pチャネル電界効果トランジスタの製造が開始されると、図5(a)に示す通り、まずシリコンウェハ11,21の表面を研磨する処理が行われる(工程S11)。具体的に、シリコンウェハ11,21を研磨する場合には、シリコンウェハ11,21と後の工程で形成されるダイヤモンド薄膜12,22との密着性を向上させるために、算術平均粗さRa:0.1〜15μm、最大高さRz:1〜100μmとするのが望ましい。
研磨処理が終了すると、研磨されたシリコンウェハ11,21の表面に対してダイヤモンド粉末の核付けを行う核付け処理が行われる(工程S12)。この工程は、シリコンウェハ11,21の表面に均一なダイヤモンド薄膜12,22を成長させるために行われる。ここで、ダイヤモンド粉末の核付け方法としては、ダイヤモンド微粒子が入った溶液を、超音波法、浸漬法、その他の方法でシリコンウェハ11,21の表面に塗布し、その溶媒を乾燥させる方法等を用いることができる。
ダイヤモンド粉末の核付けが終了すると、例えば熱フィラメントCVD法によって、シリコンウェハ11,21の表面にダイヤモンド薄膜12,22を成膜する処理が行われる(工程S13:第1工程)。具体的には、炭素源(例えば、メタン、アルコール、アセトン等の低分子有機化合物)を水素ガス等とともにフィラメントに供給する。尚、必要であれば、ドーパント(例えば、ホウ素)も炭素源及び水素ガス等とともにフィラメントに供給する。そして、炭素ラジカル等が発生する温度域(例えば、1800〜2800℃)までフィラメントを加熱して、この雰囲気内にダイヤモンドが析出する温度領域(例えば、750〜950℃)になるようにシリコンウェハ11,21を配置する。
ここで、上記の炭素源、ドーパント、及び水素ガス等を含む混合ガスの供給速度は反応容器のサイズに依るが、圧力は約2〜100[kPa]程度であることが好ましい。シリコンウェハ11,21上には、通常0.001〜2μmの粒径のダイヤモンド微粒子層が析出する。このダイヤモンド微粒子層の厚さは蒸着時間により調節することができるが、経済性の観点から0.5〜20μmとするのが好ましい。尚、上記工程S11,S12は、必要がなければ省略することも可能である。また、以下に述べる工程S14は、上記工程S13が兼ねても良い。
ダイヤモンド成膜処理が終了すると、シリコンウェハ11,21上に成膜されたダイヤモンド薄膜12,22(アズ・グローンダイヤモンド)に対して水素終端処理が行われる(工程S14:第2工程)。具体的には、成膜されたダイヤモンド薄膜12,22の表面の水素以外の終端(例えば、炭素終端や酸素終端等)を水素終端に置換することで高密度水素終端とする処理が行われる。この水素終端処理としては、フッ化水素酸水溶液による処理、水素プラズマ処理、水素雰囲気中の加熱処理、水素ラジカル処理、陰極還元法の何れかを選択することができる。尚、2種類以上の方法を組み合わせて、水素終端処理の効率を高めてもよい。
ここで、水素プラズマ処理としては、例えば、1[kW]、H−flow 400[sccm]、プラズマ照射時間5時間の処理条件でダイヤモンド薄膜12,22の表面における終端の水素密度を高密度化できる。また、陰極還元法としては、例えばアズ・グローン状態の導電性ダイヤモンド電極に約−1.8[V]の電圧を印加して0.1M硫酸水溶液(HSO)中に30分間以上浸漬する方法を使用できる。
水素終端処理が終了すると、フルオロカーボンの堆積膜の有無を考慮したフッ素ガス処理が行われる(工程S15:第2工程)。具体的には、必要となるダイヤモンド薄膜12,22の表面特性に応じて、以下に示す第1,第2置換処理の何れか一方の処理が選択されて行われる。
第1置換処理…ダイヤモンド薄膜12,22の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずにダイヤモンド薄膜12,22の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理
第2置換処理…ダイヤモンド薄膜12,22の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させながらダイヤモンド薄膜12,22の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理
上記の第1置換処理は、ダイヤモンド薄膜12,22の全面又は一部の領域(ゲート16,26として機能する領域)に対してフッ素ガス、或いはフッ素系ガスを用いて被曝処理を行うことによって実現される処理である。例えば、窒素ガス(Nガス)によって希釈したフッ素ガス(Fガス)が処理ガスとして用いられ、処理温度が20℃に設定されて、処理時間が10時間程度とされる。或いは、上記の第1置換処理は、上記領域に対するフッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)処理又は誘導結合型反応性イオンエッチング(ICP−RIE:Inductive Coupled Plasma−RIE)処理を行うことによって実現される処理である。
これに対し、上記の第2置換処理は、ダイヤモンド薄膜12,22の全面又は一部の領域(ゲート16,26として機能する領域)に対するフッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング(RIE)処理又は誘導結合型反応性イオンエッチング(ICP−RIE)処理を行うことによって実現される処理である。例えば、ICP−RIE処理が行われる場合には、八フッ化プロパンガス(Cガス)が処理ガスとして用いられ、ICP電源出力が500[W]、バイアス出力が0乃至は20[W]、ガス圧力が3[Pa]、Cガスの流量が20[sccm]、処理時間が5[sec]にそれぞれ設定されて処理される。
ここで、上記のフッ素系ガスとは、分子式内にFを含むガスの総称である。このフッ素系ガスの例としては、Cガス(例えば、CF、C、C、C等)、Cガス(例えば、CHF、CH、CHF等)、Sガス(例えば、SF等)、Nガス(例えば、NF等)、C(例えば、COF等)、N(例えば、FNO等)、S(例えば、SOF等)がある。また、上記フッ素系ガスを含む混合ガスもフッ素系ガスに含まれる。
上記の第1置換処理における被曝処理に使用するフッ素系ガスとしては、期待する効果に応じて上記のフッ素系ガスから選択でき、例えばXeF、COF等を使用することができる。また、上記の第1,第2置換処理におけるICP−RIE処理に使用するフッ素系ガスとしては、期待する効果に応じて上記のフッ素系ガスから選択でき、例えばCF、C、C、CHF、SF等を使用することができる。
フルオロカーボンの堆積膜の有無を考慮したフッ素ガス処理が終了すると、pチャネル電界効果トランジスタを製造する工程が行われる(工程S16:第3工程)。この工程は、電極形成工程と保護膜形成工程とに大別される。
電極形成工程では、まずダイヤモンド薄膜12,22の表面にレジストをスピンコートし、露光及び現像を行ってレジストをパターニングする処理が行われる。その後、Au/Tiスパッタリングしてリフトオフすることによって、図2に示す平面視形状を有するAu/Ti薄膜がダイヤモンド薄膜12,22上に形成される。これにより、ダイヤモンド薄膜12上にはソース電極13及びドレイン電極14が形成され、ダイヤモンド薄膜22上にはソース電極23及びドレイン電極24が形成される。
保護膜形成工程では、ダイヤモンド薄膜12,22及びAu/Ti薄膜が形成されたシリコンウェハ11,21上に保護膜15,25となるレジストをスピンコートし、露光及び現像によりレジストをパターニングする処理が行われる。レジストが除去された領域は、ダイヤモンド薄膜12,22が露出した状態となる。ダイヤモンド薄膜12が露出した領域はゲート16として機能し、ダイヤモンド薄膜22が露出した領域はゲート26として機能する。
以上の処理によって、pチャネル電界効果トランジスタが形成された参照極10及び作用極20が得られる。図1に示すpHセンサ1は、平面視でソース電極13,23が重なり、且つ平面視でドレイン電極14,24が重なるように参照極10及び作用極20を向かい合わせ、参照極10と作用極20とを予め規定された間隔だけ離間させて配置することによって得られる。
以上の工程を経て作成されたダイヤモンド表面の終端(フッ素終端、酸素終端、水素終端等)の定性定量に関しては、例えばX線光電子分光法(XPS)、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)等、従来から知られている解析方法により検査することができる。尚、図5(a)に示すフローチャートは、フルオロカーボンの堆積膜の有無を考慮したフッ素ガス処理(工程S15)を行った後に、pチャネル電界効果トランジスタを製造する工程(工程S16)を行うものであったが、図5(b)に示すフローチャートのように、工程S16と工程S15とを逆にすることも可能である。
図6は、本発明の第1実施形態によるダイヤモンド薄膜の処理方法によって処理されたダイヤモンド薄膜の解析結果を示す図である。また、図7は、同処理方法によって処理されたダイヤモンド薄膜の表面状態を模式的に示す図である。ここで、図6(a)及び図7(a)は、前述した第1置換処理が行われたダイヤモンド薄膜の解析結果及び表面状態をそれぞれ示す図であり、図6(b)及び図7(b)は、前述した第2置換処理が行われたダイヤモンド薄膜の解析結果及び表面状態をそれぞれ示す図である。尚、図6に示す解析結果は、上述のX線光電子分光法(XPS)を用いた解析結果である。
まず、図6(a)を参照すると、炭素−炭素結合(C−C)を示す大きなピークと、炭素−フッ素結合(C−F)を示す小さなピークとが現れているのが確認できるが、これらのピーク以外のピークは現れていない。このため、前述した、第1置換処理が行われたダイヤモンド薄膜の表面状態は、図7(a)に示す通り、一部がフッ素終端されているものの殆どが水素終端されており、しかもフルオロカーボンの堆積膜が堆積されていない(或いは、殆ど堆積されていない)状態である。
次に、図6(b)を参照すると、炭素−炭素結合(C−C)を示す大きなピーク及び炭素−フッ素結合(C−F)を示す小さなピークに加えて、炭素−フッ化炭素結合(C−CF)及び炭素−フッ素結合(C−F,C−F)を示す新たな3つのピークが現れているのが分かる。このため、前述した、第2置換処理が行われたダイヤモンド薄膜の表面状態は、図7(b)に示す通り、一部がフッ素終端されており、且つフルオロカーボンの堆積膜Dが堆積された状態である。
以上の通り、本実施形態では、ダイヤモンド薄膜に対して前述した第1置換処理を行えば、ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずにダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換することができる。これに対し、ダイヤモンド薄膜に対して前述した第2置換処理を行えば、ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させながらダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換することができる。このため、本実施形態では、ダイヤモンドの表面を所望の特性にすることが可能である。
ここで、上述した第1置換処理を行うことによってダイヤモンド薄膜の表面がイオン感応性終端となる場合には、pチャネル電界効果トランジスタを作用極20に形成する際(具体的には、ダイヤモンド薄膜22の表面を処理する際)に、上述した第1置換処理を行えば良い。また、上述した第2置換処理を行うことによってダイヤモンド薄膜の表面がイオン鈍感応性終端となる場合には、pチャネル電界効果トランジスタを参照極10に形成する際(具体的には、ダイヤモンド薄膜12の表面を処理する際)に、上述した第2置換処理を行えば良い。
上記の例とは逆に、上述した第1置換処理を行うことによってダイヤモンド薄膜の表面がイオン鈍感応性終端となり、上述した第2置換処理を行うことによってダイヤモンド薄膜の表面がイオン鋭感応性終端となる場合も考えられる。かかる場合には、pチャネル電界効果トランジスタを参照極10に形成する際に上述した第1置換処理を行い、pチャネル電界効果トランジスタを作用極20に形成する際に上述した第2置換処理を行えば良い。
このように、本実施形態では、ダイヤモンド薄膜12,22の表面にフルオロカーボンの堆積膜が堆積されていない電界効果トランジスタ、或いはダイヤモンド薄膜12,22の表面にフルオロカーボンの堆積膜が堆積された電界効果トランジスタの何れをも製造することが可能である。これにより、意図したイオン感応性を有する電界効果トランジスタを容易に製造することができる。
また、本実施形態におけるpHセンサ1は、参照極10に形成されたpチャネル電界効果トランジスタのゲート16として機能するダイヤモンド薄膜12の表面が被測定液Wに接するとともに、作用極20に形成されたpチャネル電界効果トランジスタのゲート26として機能するダイヤモンド薄膜22の表面が被測定液Wに接する。このため、pHセンサ1は、高温高圧及び耐酸耐アルカリ性に優れている。これにより、半導体製造プロセスにおける強酸・強アルカリ条件下であっても、タンパク質等の生体関連物質を扱うバイオプロセスであっても、pH値を正確に測定することが可能である。
〔第2実施形態〕
図8は、本発明の第2実施形態によるセンサ素子としてのpHセンサの構成を示す断面図である。尚、図8においては、図1に示す部材に相当する部材には同一の符号を付してある。上述した第1実施形態のpHセンサ1は、異なるシリコンウェハ11,12を用いて参照極10及び作用極20がそれぞれ形成されており、参照極10と作用極20との間に導かれる被測定液WのpHを測定するものであった。これに対し、本実施形態のpHセンサ2は、共通のシリコンウェハ40(基板)を用いて参照極10及び作用極20が形成されており、シリコンウェハ40上(参照極10及び作用極20上)に導かれる被測定液WのpHを測定するものである。擬似参照極30(不図示)としては、導電性材料(金属等)を使用する。
図8に示す通り、参照極10は、ダイヤモンド薄膜12、ソース電極13、ドレイン電極14、及び保護膜15を備える。ダイヤモンド薄膜12は、シリコンウェハ40の表面に形成されており、ソース電極13及びドレイン電極14は、ダイヤモンド薄膜12の表面において同一基板に平行して配置するよう形成されている。保護膜15は、ダイヤモンド薄膜12上において、ソース電極13及びドレイン電極14を覆うように形成されている。この参照極10において、ソース電極13とドレイン電極14とによって挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜12の表面)がゲート16として機能する。
また、ゲート16として機能するダイヤモンド薄膜12の表面は、水素イオン濃度が1.0×10−1〜1.0×10−14mol/Lの範囲において電位が安定し、若しくはイオン感応性が実用上問題とならない程度に電位の一定性が保たれるように、終端元素が制御される。つまり、上述した第1実施形態と同様に、ゲート16として機能するダイヤモンド薄膜12の表面は、イオン鈍感応性終端とされる。
作用極20は、ダイヤモンド薄膜22、ソース電極23、ドレイン電極24、及び保護膜25を備える。ダイヤモンド薄膜22は、シリコンウェハ40の表面であって参照極10が形成されている部分とは異なる部分に形成されており、ソース電極23及びドレイン電極24は、ダイヤモンド薄膜22の表面において互いに対向するよう形成されている。保護膜25は、ダイヤモンド薄膜22上において、ソース電極23及びドレイン電極24を覆うように形成されている。この作用極20において、ソース電極23とドレイン電極24とによって挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜22の表面)がゲート26として機能する。尚、ソース電極23及びドレイン電極24は、参照極10のソース電極13及びドレイン電極14とそれぞれ同一の形状とすることが望ましい。
また、ゲート26として機能するダイヤモンド薄膜22の表面は、水素イオン濃度が1.0×10−1〜1.0×10−14mol/Lの範囲において電位がpH値に応じて線形或いは非線形に応答するように、終端元素が制御される。つまり、ゲート26として機能するダイヤモンド薄膜22の表面は、イオン感応性終端とされる。
ここで、ゲート16として機能するダイヤモンド薄膜12の表面、及びゲート26として機能するダイヤモンド薄膜22の表面の終端制御は、第1実施形態と同様の方法で行うことができる。つまり、フルオロカーボンの堆積膜の有無を考慮したフッ素ガス処理を行うことによって、ダイヤモンド薄膜12,22の表面の終端制御を行うことができる(図5中の工程S15参照)。
図8に示すpHセンサ2によって被測定液WのpHを測定する場合には、シリコンウェハ40上(参照極10及び作用極20上)に被測定液Wが導かれる。これにより、参照極10は、ゲート16として機能するソース電極13及びドレイン電極14に挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜12の表面)が被測定液Wに接する。これに対し、ソース電極13及びドレイン電極14は、保護膜15で覆われているため、被測定液Wに接することはない。
また、作用極20は、ゲート26として機能するソース電極23とドレイン電極24によって挟まれた領域(ダイヤモンド薄膜22の表面)が被測定液Wに接する。これに対し、ソース電極23及びドレイン電極24は、保護膜25で覆われているため、被測定液Wに接することはない。
このようにして、pHセンサ2が被測定液WのpHを測定する場合には、pHセンサ1と同様に、参照極10のゲート16として機能する領域(ダイヤモンド薄膜12の表面)が被測定液Wに接するとともに、作用極20のゲート26として機能する領域(ダイヤモンド薄膜22の表面)が被測定液Wに接する状態にされる。このため、第1実施形態のpHセンサ1と同様の原理によって、被測定液WのpHが測定される。
以上、本発明の実施形態によるダイヤモンド薄膜の表面処理方法、電界効果トランジスタの製造方法、及びセンサ素子について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、シリコンウェハ11,21,40上に形成されているダイヤモンド薄膜12,22の表面を処理する例について説明した。しかしながら、処理対象のダイヤモンド薄膜は、基板(シリコン基板や炭素基板)上に形成されているものである必要は必ずしもなく、基板が除去されているもの(ダイヤモンドバルク体)であっても良い。また、ダイヤモンド薄膜は、多結晶構造のものであっても、単結晶構造のものであっても良い。
図9は、本発明の実施形態で使用可能なダイヤモンド基板の例を示す図である。尚、図9では、図1中のシリコンウェハ11,21、或いは図8中のシリコンウェハ40を基板SBとして示している。図9(a)に示すダイヤモンド基板は、基板SB上に不純物が添加されていないダイヤモンド薄膜(ノンドープダイヤモンド薄膜L1)が形成された基板であり、図9(b)に示すダイヤモンド基板は、基板SB上に不純物が添加されたダイヤモンド基板(ドープダイヤモンド薄膜L2)が形成された基板である。
図9(c)に示すダイヤモンド基板は、基板SBを有していないノンドープダイヤモンド薄膜L1のみからなる基板であり、図9(d)に示すダイヤモンド基板は、基板SBを有しておらず、ノンドープダイヤモンド薄膜L1上にドープダイヤモンド薄膜L2が形成された基板である。尚、図9(c),図9(d)に示すダイヤモンド基板は、基板SBを有していないため、ダイヤモンド自立体ということもできる。
図9(e)に示すダイヤモンド基板は、図9(a)に示すダイヤモンド基板上にドープダイヤモンド薄膜L2が形成された基板である。この基板をpHセンサ1等のセンサ素子に用いた場合には、ドープダイヤモンド薄膜L2の半導体特性と、ノンドープダイヤモンド薄膜L1の絶縁体特性との相乗効果を期待することができる。
図9(f),図9(g),図9(h)に示すダイヤモンド基板は、図9(a),図9(b),図9(e)に示すダイヤモンド基板の基板SB上にシリコン酸化膜(SiO)L0が形成され、このシリコン酸化膜L0上にノンドープダイヤモンド薄膜L1及びドープダイヤモンド薄膜L2の少なくとも一方が形成された基板である。この基板をpHセンサ1等のセンサ素子に用いた場合には、シリコン酸化膜による絶縁効果を期待することができる。
また、上記実施形態では、参照極10が基準とする疑似参照電極と作用極20が基準とする疑似参照電極とが共通する例について説明したが、これらは個別に設けられていても良い。また、上記実施形態では、基板としてシリコンウェハを用いる例を示したが、基板の材質は任意である。また、上記実施形態では、前述した第1,第2置換処理を行う前に水素終端処理を行う例について説明したが、水素終端処理を省略したとしても必要となるダイヤモンド薄膜の表面特性が得られるのであれば、水素終端処理を省略しても良い。
また、基板上にダイヤモンド薄膜を形成する方法は上記の方法に限定されず、任意のものを使用できる。代表的な形成方法としては気相合成法が使用でき、気相合成法としては、CVD(化学蒸着)法、物理蒸着(PVD)法、プラズマジェット法等がある。また、CVD法としては、熱フィラメントCVD法またはマイクロ波プラズマCVD法等がある。
また、何れのダイヤモンド成膜法を用いた場合であっても、合成されたダイヤモンド薄膜は多結晶であり、ダイヤモンド薄膜中にアモルファスカーボンやグラファイト成分が残存する場合がある。ダイヤモンド薄膜の安定性の観点からアモルファスカーボンやグラファイト成分は少ないほうが好ましく、ラマン分光分析において、ダイヤモンドに帰属する1332cm−1付近(1321〜1352cm−1の範囲)に存在するピーク強度I(D)と、グラファイトのGバンドに帰属する1580cm−1付近(1560〜1600cm−1の範囲)のピーク強度I(G)の比I(D)/I(G)が1以上であり、ダイヤモンドの含有量がグラファイトの含有量より多くなることが好ましい。
また、上記実施形態では、センサ素子としてpHセンサを例に挙げて説明したが、本発明はpHセンサ以外のセンサ素子(例えば、バイオセンサ)にも適用可能である。尚、バイオセンサの中には、上記の参照極10や作用極20に相当する検出極を1つしか備えないものも存在するが、本発明は、このようなバイオセンサにも適用可能である。
また、上述した実施形態では、図5に示す工程S15において、前述した第1,第2置換処理を行うことにより、イオン感応性が異なる電界効果トランジスタを製造する例について説明したが、化学吸着特性が異なる電界効果トランジスタを製造することも可能である。つまり、本発明は、用途に即した電界効果トランジスタを製造することが可能である。
本出願の発明者は、以上説明したダイヤモンド薄膜の表面処理方法を用いてダイヤモンド薄膜の表面を実際に処理し、或いは以上説明した電界効果トランジスタの製造方法を用いて実際に電界効果トランジスタを製造した。そして、処理されたダイヤモンド薄膜の特性を測定し、或いは製造された電界効果トランジスタの特性を測定した。以下、ダイヤモンド薄膜の表面に対して前述した第1置換処理を行って電界効果トランジスタを製造した第1〜第3実施例、及びダイヤモンド薄膜の表面に対して前述した第2置換処理を行った第4実施例について順に説明する。
〔第1実施例〕
本実施例では、SFのガスを用いてICP−RIE処理を行うことにより、フルオロカーボンの堆積膜を堆積させずにダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行うとともに電界効果トランジスタを製造している。図10は、第1実施例における電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。
図10に示す通り、本実施例では、まずシリコンウェハの表面を研磨する処理を行い、研磨したシリコンウェハの表面に対してダイヤモンド粉末の核付けを行う処理を行った(工程S21)。次に、核付け処理を行ったシリコンウェハの表面上に、熱フィラメントCVD法によってノンドープダイヤモンド薄膜を成膜し(工程S22)、そのノンドープダイヤモンド薄膜上に、マイクロ波プラズマCVD法によってボロン(ホウ素)ドープダイヤモンド薄膜を成膜した(工程S23)。ここで、成膜条件としては、例えばメタン(CH)濃度を0.01〜1%に設定し、B/C比を1000〜15000ppmに設定し、成膜時間を1〜10分に設定した。
続いて、マイクロ波プラズマCVD法によって水素終端処理を行い(工程S24)、その後に電界効果トランジスタを製造した(工程S25)。最後に、ゲートとして機能するダイヤモンド薄膜の表面に対して、SFのガスを用いてICP−RIE処理を行った(工程S26)。以上の工程を経て、フッ素終端されたゲートを有する電界効果トランジスタを得た。ここで、ICP−RIE処理条件としては、例えばICP電源出力を10〜1000[W]に設定し、真空度を約1.33〜13.3[Pa]に設定し、処理時間を2〜3分に設定した。
図11は、第1実施例で得られた電界効果トランジスタの特性の一例を示す図である。尚、図11においては、電界効果トランジスタの特性として、pH感度とX線光電子分光法(XPS)の解析結果を挙げている。図11に示す通り、本実施例で得られた電界効果トランジスタのpH感度は、8〜11[mV/pH]程度であった。また、XPSの解析結果(F1s/(C1s+F1s))は、30〜60[%]程度であった。尚、図11では、XPSの解析結果が30[%]であるもののみを図示している。これにより、本実施例で得られた電界効果トランジスタでは、ゲートとして機能するダイヤモンド薄膜の表面が、所定の割合でフッ素終端されていることを確認することができた。
〔第2実施例〕
本実施例では、フッ化キセノン(XeF)を用いて被曝処理を行うことにより、フルオロカーボンの堆積膜を堆積させずにダイヤモンド自立体(図9(d)参照)の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行うとともに電界効果トランジスタを製造している。図12は、第2実施例における電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。
図12に示す通り、本実施例では、まず多結晶ダイヤモンド基板の表面を洗浄(酸洗浄、有機溶媒洗浄)する処理を行った(工程S31)。次に、洗浄した多結晶ダイヤモンド基板の表面上に、マイクロ波プラズマCVD法によってボロンドープダイヤモンド薄膜を成膜した(工程S32)。ここで、成膜条件としては、例えばメタン(CH)濃度を0.01〜1%に設定し、B/C比を1000〜15000ppmに設定し、成膜時間を1〜10分に設定した。
続いて、マイクロ波プラズマCVD法によって水素終端処理を行い(工程S33)、その後に固体のXeFを昇華させて被曝処理を行って、ボロンドープダイヤモンド薄膜の特定箇所(ゲートとなる箇所)における水素終端の一部をフッ素終端に置換した(工程S34)。ここで、上記のXeFを用いた被曝処理の処理条件としては、例えば真空度を約133[Pa]に設定し、処理時間を5分に設定した。最後に、上記の特定箇所がゲートとなるように電界効果トランジスタを製造した(工程S35)。以上の工程を経て、フッ素終端されたゲートを有する電界効果トランジスタを得た。
図13は、第2実施例で得られた電界効果トランジスタの電流電圧特性の一例を示す図である。尚、図13に示す特性は、ソース電極及びドレイン電極が金(Au)で形成されており、ゲート長が500[μm]とされ、ゲート幅が10[mm]とされた電界効果トランジスタの電流電圧特性(ゲート電極・ソース電極間の電圧(Vgs)を変化させたときの、ドレイン電極・ソース電極間の電圧(Vds)と、ドレイン電極・ソース電極に流れる電流(Ids)との関係)である。
図13を参照すると、図4(b)と同様に、電圧(Vgs)が大きくなるにつれて、図13中の特性曲線が全体的に上方に持ち上がり、ドレイン電極・ソース電極に流れる電流(Ids)が大きくなる傾向があるのが分かる。これにより、電界効果トランジスタとして動作していることが確認できた。また、図示は省略しているが、本実施例で得られた電界効果トランジスタのpH感度は、5〜12[mV/pH]程度であり、XPSの解析結果(F1s/(C1s+F1s))は、5[%]程度であった。
〔第3実施例〕
本実施例では、Cガスを用いてICP−RIE処理を行うことにより、フルオロカーボンの堆積膜を堆積させずにダイヤモンド自立体(図9(d)参照)の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行うとともに電界効果トランジスタを製造している。図14は、第3実施例における電界効果トランジスタの製造方法を示すフローチャートである。
図14に示す通り、本実施例では、第2実施形態と同様に、多結晶ダイヤモンド基板の表面を洗浄(酸洗浄、有機溶媒洗浄)する処理(工程S31)、洗浄した多結晶ダイヤモンド基板の表面上に、マイクロ波プラズマCVD法によってボロンドープダイヤモンド薄膜を成膜する処理(工程S32)、及びマイクロ波プラズマCVD法による水素終端処理(工程S33)を順に行った。尚、上記工程S32の成膜条件は、第2実施例と同様に設定した。
その後、Cガスを用いたICP−RIE処理を行って、ボロンドープダイヤモンド薄膜の特定箇所(ゲートとなる箇所)における水素終端の一部をフッ素終端に置換した(工程S40)。ここで、上記ICP−RIE処理の処理条件としては、ICP電源出力を100[W]に設定し、処理時間を30秒に設定した。最後に、上記の特定箇所がゲートとなるように電界効果トランジスタを製造した(工程S35)。以上の工程を経て、フッ素終端されたゲートを有する電界効果トランジスタを得た。
図15は、第3実施例で得られた電界効果トランジスタの電流電圧特性の一例を示す図である。尚、図15に示す特性は、図13と同様に、ソース電極及びドレイン電極が金(Au)で形成されており、ゲート長が500[μm]とされ、ゲート幅が10[mm]とされた電界効果トランジスタの電流電圧特性である。図15を参照すると、図13に比べて電圧(Vgs)が変化した場合における特性曲線の変化幅(持ち上がり幅)は小さいものの、図13と同様の電流電圧特性を示していることから、電界効果トランジスタとして動作していることが確認できた。
図16は、第3実施例で得られた電界効果トランジスタのpH感度の一例を示す図である。尚、図16においては、横軸にpH値をとり、縦軸にゲート電極・ソース電極間の電圧(Vgs)を取ってある。図16を参照すると、pHが大きくなるにつれて電圧(Vgs)が僅かではあるが下がる傾向がある。このように、本実施例で得られた電界効果トランジスタのpH感度は、−1[mV/pH]程度であった。
また、図示は省略しているが、本実施例で得られた電界効果トランジスタのXPSの解析結果(F1s/(C1s+F1s))は、30[%]程度であった。尚、ICP−RIE処理の処理時間のみを30秒から1分に変更した場合(他の処理条件は変更無し)には、XPSの解析結果(F1s/(C1s+F1s))は、20[%]程度であった。また、本実施例では、XPSの解析結果において、C1sピーク付近(結合エネルギーが280〜295[eV]の領域)に炭素−フッ素結合(C−F)を示すピークが現れていないため、フルオロカーボンの堆積膜が無いことが確認できた。
〔第4実施例〕
本実施例では、Cガスを用いてICP−RIE処理を行うことにより、フルオロカーボンの堆積膜を堆積させながらダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行っている。図17は、第4実施例におけるダイヤモンド薄膜の表面処理方法を示すフローチャートである。尚、図17と図14とを比較すると分かるように、本実施例では、第3実施例と同じ工程によってダイヤモンド薄膜の表面が処理される。
図17に示す通り、本実施例では、第3実施形態と同様に、多結晶ダイヤモンド基板の表面を洗浄(酸洗浄、有機溶媒洗浄)する処理(工程S31)、洗浄した多結晶ダイヤモンド基板の表面上に、マイクロ波プラズマCVD法によってボロンドープダイヤモンド薄膜を成膜する処理(工程S32)、及びマイクロ波プラズマCVD法による水素終端処理(工程S33)を順に行った。尚、上記工程S32の成膜条件は、第3実施例と同様に設定した。
その後、Cガスを用いたICP−RIE処理を行って、ボロンドープダイヤモンド薄膜の特定箇所(ゲートとなる箇所)における水素終端の一部をフッ素終端に置換した(工程S40)。ここで、上記ICP−RIE処理の処理条件としては、ICP電源出力を300〜500[W]程度に設定し、処理時間を30秒に設定した。
図示は省略しているが、本実施例で得られた電界効果トランジスタのXPSの解析結果(F1s/(C1s+F1s))は、ICP電源出力が300[W]である場合には58[%]程度であり、ICP電源出力が500[W]である場合には62[%]程度であった。ここで、本実施例では、XPSの解析結果において、C1sピーク付近(結合エネルギーが280〜295[eV]の領域)に炭素−フッ素結合(C−F)を示すピークが現れていることから、フルオロカーボンの堆積膜が堆積されていることが確認できた。
以上の通り、Cガスを用いてICP−RIE処理を行う場合には、ICP−RIE処理の処理条件を変えるだけで、フルオロカーボンの堆積膜が堆積されたダイヤモンド薄膜と、フルオロカーボンの堆積膜が堆積されていないダイヤモンド薄膜との双方を得ることができる。尚、図17に示す工程S40の後に、図14に示す工程S35を行えば、第3実施例と同様に、フッ素終端されたゲートを有する電界効果トランジスタを得ることができる。
尚、上述した第3,第4実施例においては、ボロンドープダイヤモンド薄膜を成膜する処理(工程S32)、水素終端処理(工程S33)、水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理(工程S40)、及び電界効果トランジスタの製造工程(工程S35)を順に実施していた。しかしながら、電界効果トランジスタの製造工程(工程S35)は、ボロンドープダイヤモンド薄膜を成膜する処理(工程S32)と水素終端処理(工程S33)との間に実施しても良く、水素終端処理(工程S33)と水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理(工程S40)との間に実施しても良い。
1,2 pHセンサ
10 参照極
11 シリコンウェハ
12 ダイヤモンド薄膜
13 ソース電極
14 ドレイン電極
15 保護膜
16 ゲート
20 作用極
21 シリコンウェハ
22 ダイヤモンド薄膜
23 ソース電極
24 ドレイン電極
25 保護膜
26 ゲート
30 擬似参照極
40 シリコンウェハ
W 被測定液

Claims (15)

  1. ダイヤモンド薄膜を形成することと、
    前記ダイヤモンド薄膜の表面の少なくとも一部に対して、フッ素ガス或いは炭素を含まないフッ素系ガスを用いて被曝処理を行うことにより、前記ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずに前記ダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行うことと、
    前記ダイヤモンド薄膜の表面の一部上にゲートを形成することと
    前記ダイヤモンド薄膜の形成と前記置換処理との間に、前記ダイヤモンド薄膜上にソース電極及びドレイン電極を形成することと
    を有する、トランジスタの製造方法。
  2. 前記ソース電極及び前記ドレイン電極の形成は、前記ソース電極及びドレイン電極を保護する保護膜を、前記ソース電極及びドレイン電極を覆うように形成することを有する、請求項1記載のトランジスタの製造方法。
  3. 前記置換処理を行う前に、前記ダイヤモンド薄膜の表面の水素以外の終端を水素終端に置換する処理を行うことを有する、請求項1記載のトランジスタの製造方法。
  4. 前記被曝処理で用いられるフッ素系ガスは、XeFを含むガスである、請求項1記載のトランジスタの製造方法。
  5. ダイヤモンド薄膜を形成することと、
    前記ダイヤモンド薄膜の表面の少なくとも一部に対して、炭素を含まないフッ素系ガスを用いた誘導結合型反応性イオンエッチング処理を行うことにより、前記ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずに前記ダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行うことと、
    前記ダイヤモンド薄膜の表面の一部上にゲートを形成することと
    前記ダイヤモンド薄膜の形成と前記置換処理との間に、前記ダイヤモンド薄膜上にソース電極及びドレイン電極を形成することと
    を有する、トランジスタの製造方法。
  6. 前記置換処理を行う前に、前記ダイヤモンド薄膜の表面の水素以外の終端を水素終端に置換する処理を行う、請求項5記載のトランジスタの製造方法。
  7. 前記誘導結合型反応性イオンエッチング処理で用いられるフッ素系ガスは、S、N、N、及びS(x,y,zは1以上の整数)の少なくとも1つを含むガスである、請求項5記載のトランジスタの製造方法。
  8. ダイヤモンド薄膜を形成することと、
    前記ダイヤモンド薄膜の表面にボロンをドープすることと、
    ボロンがドープされた前記ダイヤモンド薄膜の表面の少なくとも一部に対して、炭素を含むフッ素系ガスを用いた誘導結合型反応性イオンエッチング処理を行うことにより、前記ダイヤモンド薄膜の表面にフルオロカーボンの堆積膜を堆積させずに前記ダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行うことと、
    前記ダイヤモンド薄膜の表面の一部上にゲートを形成することと
    前記ダイヤモンド薄膜の形成と前記置換処理との間に、前記ダイヤモンド薄膜上にソース電極及びドレイン電極を形成することと
    を有する、トランジスタの製造方法。
  9. 前記置換処理を行う前に、前記ダイヤモンド薄膜の表面の水素以外の終端を水素終端に置換する処理を行う、請求項8記載のトランジスタの製造方法。
  10. 前記誘導結合型反応性イオンエッチング処理で用いられるフッ素系ガスは、C、C、及びC(x,y,zは1以上の整数)の少なくとも1つを含むガスである、請求項8記載のトランジスタの製造方法。
  11. ダイヤモンド薄膜を形成することと、
    炭素を含むフッ素系ガスを用いて、前記ダイヤモンド薄膜の結晶構造からなる表面に、前記ダイヤモンド薄膜と結晶構造が異なるフルオロカーボンの堆積膜を堆積させながら前記ダイヤモンド薄膜の水素終端の一部をフッ素終端に置換する処理を行うことと、
    前記ダイヤモンド薄膜の表面の一部上にゲートを形成することと
    を有する、トランジスタの製造方法。
  12. 前記置換処理を行う前に、前記ダイヤモンド薄膜の表面の水素以外の終端を水素終端に置換する処理を行う、請求項11記載のトランジスタの製造方法。
  13. 前記置換処理は、前記ダイヤモンド薄膜の表面の少なくとも一部に対するフッ素系ガスを用いた反応性イオンエッチング処理を行う、請求項11記載のトランジスタの製造方法。
  14. 前記反応性イオンエッチング処理は、誘導結合型反応性イオンエッチング処理である、請求項13記載のトランジスタの製造方法。
  15. 前記反応性イオンエッチング処理で用いられるフッ素系ガスは、C、C、及びC(x,y,zは1以上の整数)の少なくとも1つを含むガスである、請求項13記載のトランジスタの製造方法。
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