JP6206024B2 - ガス調理器用ガラストッププレート - Google Patents
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Description
該ガス調理器用ガラストッププレートを厚み方向に貫通する熱源用開口部を有し、
上記装飾層は、シリカを主成分とし、酸化マンガン、酸化コバルト、及びMnとCoとの複合酸化物から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を含有するシリカ膜と、該シリカ膜中に分散された無機顔料とを有し、
上記装飾層において、上記シリカ膜中に含まれる上記金属酸化物におけるMn量及び/又はCo量は、シリカ100質量部に対して0.5〜50質量部であることを特徴とするガス調理器用ガラストッププレートにある。
したがって、上記ガス調理器用ガラストッププレートは、長期間にわたって、装飾層の優れた意匠性を維持することができる。
板状のガス調理器用ガラストッププレートにおいては、鍋などを配置し、使用者が視認する側の面が調理面であり、調理面の反対面が裏面である。裏面は、トッププレートをガス調理器上に配置したときに、ガス管や点火装置等のガス調理器の内部装置と対向する面である。
ガラス板は、透明の低膨張ガラスセラミックスからなることが好ましい。透明の低膨張ガラスセラミックスは、透光性で膨張率が低いものがよい。例えば、主結晶相にβ−石英固溶体を析出したものがある。β−石英固溶体を析出した低膨張ガラスセラミックスの体積結晶化度は、約70%であり、結晶の大きさは0.1μm以下である。β−石英固溶体は負の膨張特性を示し、残存ガラス相の正の膨張特性と打ち消し合って熱膨張率がほぼゼロになる。屈折率(nD)は1.541であり、β−石英固溶体の析出結晶の大きさは0.1μm以下で可視光の波長より小さく、結晶相と残存ガラス相の屈折率もほぼ同程度であるため、光の散乱がなく、外観的には透明であり、可視光域から赤外域の光をよく透過する。
この場合には、ガス調理器用ガラストッププレートとして要求される機械的強度及び耐熱性を十分に確保することができる。また、ガラス板の厚みは、例えば2〜6mmにすることができる。
なお、シリカ膜は、本発明の効果を阻害しない範囲で、酸化マンガン、酸化コバルト、MnとCoとの複合酸化物以外の金属酸化物を含有することができる。
この場合には、上記ガス調理器用ガラストッププレートは、白系、シルバー系、又はゴールド系の高級感のある意匠性を示すことができる。また、白系、シルバー系、又はゴールド系の装飾層を有するトッププレートにおいては、上述の調理シミが目立ち易い傾向があるが、上記ガス調理器用ガラストッププレートは、上述のごとく緻密性に優れた装飾層を有しているため、例え調理シミの目立ち易い白系又はシルバー系であっても、調理シミの形成を抑制することができる。即ち、この場合には、調理シミの発生を抑制できるという上述の作用効果が顕著になる。無機顔料としては、所望の色に応じて市販品等を利用することができる。
この場合には、ガス調理器用ガラストッププレートは、光沢感のあるパール調の色調を示し、より優れた意匠性を発揮することができる。装飾層は、上述の金属酸化物を含有するため、無機顔料として上述のようにパール調顔料を選択することにより、シルバーからゴールド系の色調の光沢感のある装飾層を形成することができる。シルバーからゴールド系の色調は、パール調顔料や金属酸化物の量を調整により調整することができる。また、パール調の装飾層を有するトッププレートにおいては、調理シミが目立ち易い傾向があるが、上記ガス調理器用ガラストッププレートにおいては、上述のように緻密な装飾層を有するため、調理シミが目立ち易い色調の装飾層を有していても調理シミの形成を抑制することができる。
シリコーンレジンとしては、例えばストレートシリコーンワニスKR282(信越化学工業(株)製)、ストレートシリコーンワニスKR271(同社製)、ストレートシリコーンワニスKR311(同社製)、変性シリコーンワニスKR211(同社製)、シリコーンアルキッドワニス(同社製)、シリコーンエポキシワニスES100N(同社製)等の市販品を利用することができる。
シリカゾルとしては、例えばエチルシリケートなどを加水分解して得られるシリカゾル、コロイド状シリカゾルなどを用いることができる。
また、装飾層形成用塗料中の無機顔料の量は、形成しようとする装飾層の色調に応じて適宜調整することができる。具体的には、無機顔料の量はシリカ形成材料(固形分量)100質量部に対して、例えば150〜400質量部の範囲にすることができる。
なお、有機バインダ、有機溶剤、シリカ形成材料中のレジン成分、ゾル成分、金属レジネートの樹脂成分などの装飾層形成用塗料中の有機成分は、装飾層形成用塗料の焼き付け時に消失させることができる。
遮光層は、黒色系の耐熱性の膜であれば様々なものを用いることができ、2層以上の積層体であってもよい。
遮光層としては、例えば黒色系の金属光沢膜を形成することができる。金属光沢膜は、貴金属及び/又は金属酸化物によって構成することができる。貴金属、及び金属酸化物の金属成分としては、例えばAu、Pt、Pd、Rh、Ru、Bi、Sn、Ni、Fe、Cr、Ti、Ca、Si、Ba、Sr、Mg、Ag、Zr、In、Mn等がある。金属光沢膜は、これらの貴金属、金属、金属酸化物のいずれか又はこれらの組み合わせから構成することができる。金属光沢膜を形成する場合には、コストの増大を防止するために、その厚みは2μm以下であることが好ましい。また、遮光性を得ることができれば、金属光沢膜の厚みは可能な限り小さくすることが好ましい。
黒色系無機顔料が分散されたシリカ膜を形成する場合には、上記シリカ形成材料と、黒色系無機顔料とを含有する遮光層用塗料を焼き付けることができる。シリカ形成材料としては、上述の装飾層と同様に、シリコーンレジン及び/又はシリカゾルを用いることができる。また、黒色系無機顔料としては、例えば、Cr−Fe系酸化物、Cu−Cr−Mn系酸化物、Co−Mn−Cr−Fe系酸化物、Co−Ni−Cr−Fe系酸化物、Co−Ni−Cr−Fe−Mn系酸化物等を用いることができる。黒色無機顔料としては、具体的には市販品を用いることができ、その配合割合は遮光層の遮光性等に応じて適宜調整することができる。また、これらの黒色系無機顔料は、一般に球形又は球形に近い形状の粒子からなるため、黒色系無機顔料を含む遮光層は装飾層に対する密着性が低くなるおそれがある。そこで、遮光層には、黒色系顔料と共に、マイカ等の鱗片状の粒子からなる添加剤を添加することができる。このような添加剤としては、マイカ等の鉱物の他、例えば上述のパール調顔料を用いることもできる。遮光層用塗料には、その他に、有機溶剤や有機バインダ等を添加することができる。
次に、ガス調理器用ガラストッププレートの実施例について図1〜図3を用いて説明する。図1〜図3に示すごとく、本例のガス調理器用ガラストッププレート1は、透明の低膨張ガラスセラミックスからなるガラス板2と、その裏面22側に積層された装飾層3と、その上に積層された遮光層4とを有する。ガラス板2は、リチウムアルミノシリケートガラスからなり、主結晶相がβ−石英固溶体を析出してなる。具体的には、ガラス基板2としては、熱膨張係数が−1×10-7/℃(30〜380℃)の日本電気硝子(株)製の商品名「ネオセラムN−0」(以下、「N−0」という。)を用いた。
具体的には、まず、希薄なチタン酸水溶液中にマイカ粉体を懸濁させて懸濁液を得た。この懸濁液を温度70〜100℃に加温し、チタン塩を加水分解させてマイカ粉体の表面に水和酸化チタンを析出させた。その後、マイカ粉体を温度700℃〜1000℃で焼成した。これにより、酸化チタンからなるパール調皮膜322をマイカからなる無機顔料321に被覆してなるパール調顔料32を得た(図3参照)。
即ち、ガス調理器用ガラストッププレート1は、装飾層3が有する優れた意匠性を示すと共に、調理シミの発生を抑制することができる。また、遮光層4は、ガス調理器の内部構造を隠蔽する役割を果たすと共に、上述の調理シミを目立たなくする役割を果たすことができる。
したがって、本例のガス調理器用ガラストッププレート1は、長期間にわたって、装飾層3の優れた意匠性を維持することができる。
また、本例の遮蔽層4には、黒色系無機顔料42だけでなく、鱗片状の粒子(パール調顔料43)を分散させている。そのため、遮蔽層4の密着性が向上している。
本例においては、金属レジネートの種類や配合量を変えてガラス板上に装飾層を形成し、その調理シミの形成の評価を行う例である。
具体的には、まず、実施例1と同様のガラス板(「N−0」)を準備した。次に、パール調顔料と、シリコーンレジンと、有機バインダと、金属レジネートとを混練して、ペースト状の装飾層形成用塗料を作製した。パール調顔料、シリコーンレジン、有機バインダとしては、実施例1と同様のものを用いた。また、金属レジネートとしては、実施例1と同様のCoレジネートの他、Mn含有量が8質量%のMnレジネート、Ti含有量が15質量%のTiレジネート、又はAg含有量が28.5質量%のAgレジネートを用いた。本例においては、後述の表1に示す配合割合で、パール調顔料、シリコーンレジン、有機バインダ、金属レジネートを混合して13種類の塗料を作製した。これらのうち1種類は、金属レジネートを含有していない塗料である(表1参照)。
試料E1〜試料E5は、装飾層として、シリカを主成分とし、酸化コバルトを含有するシリカ膜と、このシリカ膜中に分散されたパール調顔料を有するガラストッププレート用の試験板である。試料E6〜試料E10は、装飾層として、シリカを主成分とし、酸化マンガンを含有するシリカ膜と、このシリカ膜中に分散されたパール調顔料を有するガラストッププレート用の試験板である。
また、試料C1は、装飾層として、シリカからなるシリカ膜と、このシリカ膜中に分散されたパール調顔料を有するガラストッププレート用の試験板である。試料C2は、装飾層として、シリカを主成分とし、酸化チタンを含有するシリカ膜と、このシリカ膜中に分散されたパール調顔料を有するガラストッププレート用の試験板である。試料C3は、装飾層として、シリカを主成分とし、銀を含有するシリカ膜と、このシリカ膜中に分散されたパール調顔料を有するガラストッププレート用の試験板である。
「調理シミ試験」
酒:醤油:みりん:油=1:1:1:1(温度25℃における体積比)でこれらを混合して調理汁の試験液を作製した。スポイトを用いて各試料(試料E1〜E10及び試料C1〜C3)の裏面(装飾層及び遮光層の形成面)側に試験液をそれぞれ垂らし、直径1cm程度の液溜まりを形成した。次いで、温度250℃の窯中で、試験液を塗布した各試料を1時間加熱した。
ΔE=√(L1−L0)2+(a1−a0)2+(b1−b0)2 ・・・式(1)
ここで、各変数は分光測色計(エックスライト(株)製の「SP60」)によって測定した値であり、L0、a0、b0は、いずれも試験液を塗布していない部分にて測定した値であり、L1、a1、b1は、いずれも試験液を塗布した部分にて測定した値である。各試料の色差ΔEを表1及び図4に示す。なお、図4における横軸は、装飾層(シリカ膜)におけるシリカ100質量部に対する金属レジネート由来の金属量(質量部)であり、縦軸は、色差ΔEである。
また、調理シミ試験後の調理面(装飾層及び遮光層が形成されていない面)側からのデジタルカメラ写真を図5(試料E1〜E3及び試料E6〜E8)、及び図6(試料C1〜C3)に示す。
11 熱源用開口部
2 ガラス板
22 裏面
3 装飾層
4 遮光層
Claims (6)
- ガラス板と、該ガラス板の裏面側に積層された厚み0.2〜5μmの装飾層と、該装飾層上に積層された遮光層とを有するガス調理器用ガラストッププレートにおいて、
該ガス調理器用ガラストッププレートを厚み方向に貫通する熱源用開口部を有し、
上記装飾層は、シリカを主成分とし、酸化マンガン、酸化コバルト、及びMnとCoとの複合酸化物から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を含有するシリカ膜と、該シリカ膜中に分散された無機顔料とを有し、
上記装飾層において、上記シリカ膜中に含まれる上記金属酸化物におけるMn量及び/又はCo量は、シリカ100質量部に対して0.5〜50質量部であることを特徴とするガス調理器用ガラストッププレート。 - 上記無機顔料は、白系顔料又はシルバー系顔料であることを特徴とする請求項1に記載のガス調理器用ガラストッププレート。
- 上記無機顔料は、パール調顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のガス調理器用ガラストッププレート。
- 上記装飾層は、シリコーンレジン及び/又はシリカゾルからなるシリカ形成材料と、無機顔料と、Mnレジネート及び/又はCoレジネートからなる金属レジネートとを少なくとも含有する装飾層形成用塗料を焼き付けてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガス調理器用ガラストッププレート。
- 上記装飾層は、上記装飾層形成用塗料を温度500〜900℃で焼き付けてなることを特徴とする請求項4に記載のガス調理器用ガラストッププレート。
- 上記遮光層は、黒色系無機顔料が分散されたシリカ膜又は耐熱樹脂膜からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス調理器用ガラストッププレート。
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