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JP6212951B2 - 電池用電極部材の製造方法 - Google Patents
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JP6212951B2 - 電池用電極部材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などに適用される電池用電極部材の製造方法に関する。より詳しくは、コーティングロールに保持搬送される基材表面に、正極塗料あるいは負極塗料を、ダイヘッドのスリットから吐出し、ほぼ全面に塗布膜を形成する連続塗工、あるいはバルブの開閉によって間欠的に吐出することで、塗工部および未塗工部を形成する間欠塗工された電池用電極部材において、その同一面上に少なくとも2種の塗料が塗布されている電池用電極部材の製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池の電極部材は、例えば、電気自動車、燃料電池車、ハイブリッド電気自動車、家庭用蓄電設備、電動工具、電車、小型ポータブル機器等に使用される二次電池(キャパシターを含む)の電極部分に使用される。特に近年、リチウムイオン二次電池は、自動車用に搭載されるなど、その発展が著しい。自動車分野にとっての電池への要求性能は、高容量化、高出力、サイクル安定性、コスト、占有容積、安全性などが重要視されている。
リチウムイオン二次電池を構成している部品は、大きく、正極および負極電極、セパレータ、電解液に分けることができ、その中でも電極は、集電体、活物質、バインダ、導電材といった材料から構成されている。
近年、車載用のリチウムイオン二次電池に関して鋭意研究されているが、活物質などの材料面のみならず、電極形状や加工プロセスの面でも研究開発が進んでいる。
特に、電極作製の際、電極基材である集電体上に、前述したように活物質を含む材料を溶剤で希釈したスラリーを塗布する場合が多いが、塗工精度や乾燥条件によっては性能に大きく影響してしまう。
また、スラリー塗布後の乾燥膜は、膜密度向上や密着性向上、塗面平滑化、内部抵抗低減のため、プレスをする場合がほとんどである。
塗布精度に関しては、所望の厚みの平滑な塗布面を得ることや塗布位置や形状が非常に重要である。それができてこそ、安定な電池性能を維持できるのである。
集電体上に、電極となる平滑な塗布面を得て、これを、積層あるいは捲回することで大容量の電池を得ることができ、材料の持つ理論値並の電池性能をロスなく発現させたりすることができる。
また、位置や形状についても、正極、負極となる電極塗膜の塗布位置が異なったり、塗布形状が設計通りでないと、電池容量に影響したり、電池反応に利用されない部分が生じたりする。さらに、部分的に析出が生じ、セパレータを突き破り対極と接触することによりショートするなど、性能面、コスト面、安全面からも影響は大きい。
積層されてなる電池に用いられることが多い間欠塗工や、捲回されてなる電池に用いられる連続塗工では、いずれの場合もプレス加工されるケースが多いが、プレス加工する際、電極基材(例えば、アルミニウム箔、銅箔、樹脂基材等)と電極塗膜との伸びの違いから密着性が上手く取れなかったり、ハンドリング上ヒビが入ってしまったりすることがある。
また、電池性能向上の1つとして放電容量を上げるために電極塗膜の厚みを厚くする場合があるが、電極塗膜の厚みを厚くした場合、クラックがより入りやすく、また、電極塗膜表面から電極基材(金属箔など)までの距離、すなわち、電極塗膜の厚み分だけ、電子移動距離が遠くなることになる。すなわち、電子移動距離が長い分抵抗となり、効率が下がってしまい電池性能低下を招いている。
また、電極塗膜中のほとんどは、正極あるいは負極活物質であり、他に必要に応じた量の導電助剤やバインダが混合されている。活物質中では、イオンから電子のやり取りを行って導電助剤を介して電極基材へと伝えていくのであるが、活物質自体は、導電性が極少であるため、すぐそばに導電助剤がないと効率が悪く、電極基材から離れた塗膜表面側、つまり、電解液と触れている界面側などで反応、生成した電子が電極基材法線方向で電極基材に到達することは、抵抗が大きいことを意味し、電池性能としての損失も大きい。
導電助剤の割合を増やしてしまうと活物質の量が必然的に減り、活物質の量が減ると電子のやり取りする反応野が減り、電池容量の低下を招くことがある。少々導電助剤の割合を増やしたといえども、効率的に導電助剤が配置されるわけではないため、電池性能の大きな向上は期待できない。
そこでこのような課題を解決するために、いくつかの特許が出願されている。
例えば、特許文献1では、下地層を設けることで、電極基材との密着性を向上させるようにしている。また、特許文献2では、シリコン系活物質などからなる柱状の電極を用いることで、充放電サイクル特性に優れた二次電極用電極が提案されている。
さらに、ストライプ塗工と呼ばれる、同一面に塗工部と未塗工部とを設ける方法で塗工を行い、未塗工部に集電機能を持たせることで、低内部抵抗で大電流出力特性に優れたリチウム二次電池(例えば、特許文献3参照)、あるいは、2層分の電極活物質層を順次あるいは同時に塗布することで電極としての機能を持たせて、出力特性を向上させるようにしたもの(例えば、特許文献4参照)、さらに、バインダ濃度に傾斜をつけた層を部分的に設けることで、電極塗膜と集電体との密着性を向上させる方法(例えば、特許文献5参照)、が提案されている。
特開2012−156109号公報 特開2003−303586号公報 特許第3511517号明細書 特許第5070680号明細書 特開2013−12393号公報
上述の特許文献1では、下地層を設けることで電極基材との密着性は向上し、電子のやり取りもスムーズになり、抵抗が減じて電池性能も向上する。しかしながら、塗膜表面側など電極基材から遠いところで発生した電子については考慮されておらず、損失低減が図られていない。
また、特許文献2に示すような、柱状の電極を用いる場合、柱状形状を作製するために工程が増えてしまう。また、別工程で電極基材に細工を加えることで、柱状部分と塗膜部分との界面に歪みが生じ、上手く電子伝達できないため、逆に抵抗になってしまう場合も少なくない。
さらに、特許文献3および特許文献4記載のいずれの方法においても、電池性能向上が顕著ではなく、特許文献5においても、電極塗膜と集電体との密着性については向上するものの、バインダリッチな層が内部抵抗となり、特定の電池評価条件では効果を出すものの、全体的に性能が減じてしまっていた。
そこで、本発明の目的は、ひびやクラックの発生を抑制しつつ、密着性に優れ電池性能を向上させることの可能な電池用電極部材の製造方法を提供することを目的としている。
発明の一態様は、コーティングロールに保持搬送される電極基材表面に、正極または負極の塗料を、ダイヘッドのスリットから吐出して電極塗膜を形成する電池用電極部材の製造方法において、前記ダイヘッドにより、正極あるいは負極活物質を含む塗料と、当該塗料を塗布して形成される活物質帯よりも体積抵抗率が低い導電帯となる塗料とを含む少なくとも2種の塗料を前記電極基材の幅方向の両端を除く領域に同時に吐出させ、且つ、前記活物質帯と前記導電帯とが前記電極基材の幅方向に隣接して交互に配置されさらに交互に配置された前記活物質帯及び前記導電帯の幅方向の両側には前記活物質帯が位置するように前記ダイヘッドのスリットを配置して前記吐出を行うことで、前記電極基材の幅方向の両端に未塗布部を形成するようにし、そのすぐ内側に前記活物質帯を形成することを特徴とする電池用電極部材の製造方法、である。
前記電極塗膜の塗布幅をW(mm)、前記活物質帯の1本当たりの塗布幅をL(mm)、前記活物質帯の本数をa(本)、前記導電帯の1本当たりの塗布幅をL′(mm)、前記導電帯の本数をb(本)とし、これらがW=L×a+L′×bの条件を満足するとき、前記活物質帯の塗布幅Lおよび前記導電帯の塗布幅L′は、0.02mm<L′<W/2およびL′×b<W/2を共に満足するようになっていてよい。
前記電極塗膜は、連続塗工または間欠塗工により形成されるものであってよい。
本発明の一態様によれば、コーティングロールに抱かれて走行する基材表面に、正極塗料あるいは負極塗料を、ダイヘッドのスリットから吐出し電極塗面を形成した電池用電極部材において、同一面に少なくとも2種の塗料が吐出されてなる塗膜を水平方向に隣接して形成し、さらに、その1種以上が活物質を含む塗膜(活物質帯)よりも導電性が良好な塗膜(導電帯)であるため、電極基材を離れた塗膜表面側で反応し電子となったものが塗膜あるいは電極基材の法線方向に必ず移動するのではなく、本発明で記した低抵抗な導電帯側すなわち塗膜あるいは電極基材に平行に近い方向にひきつけることもできる。そのため電極内での抵抗を下げ電流ロスを少なくすることができる。
また、少なくとも2種の塗膜を同時に形成することで、異種材料同士の密着性に関しても境界が混和し塗膜同士の密着性を向上させることができる。
本発明に適用した塗工設備全体を表す構成図の一例である。 本発明に適用した塗工ヘッドの一例を示す断面図である。 本発明に適用した塗工ヘッドの一例を示す断面図である。 本発明に適用した塗工ヘッドの一例を示す断面図である。 本発明に適用した塗工ヘッドの一例を示す断面図である。 本発明における電池用電極部材の電極面の一例を示す構成図である。 (a)は本発明における導電帯側のシム板の一例を示す構成図、(b)活物質帯側のシム板の一例を示す構成図である。
以下、本発明の実施形態を説明する。
なお、下記に記載した形態のみに限定されるものではない。
(塗工装置)
まず、本発明における電池用電極部材を作製するにあたり用いる塗工装置について説明する。
図1は、塗工装置100の一例を示す概略構成図であって、給液タンク1、送液ポンプ2、切替バルブ3、塗工ヘッド4、ストレーナ5、コーティングロール6、および電極基材7を備え、給液タンク1、送液ポンプ2、切替バルブ3および塗工ヘッド4間は配管を介して接続されている。
給液タンク1の塗布液は、送液ポンプ2およびストレーナ5を介して塗工ヘッド4に供給される。送液ポンプ2とストレーナ5との間には切替バルブ3が介挿され、切替バルブ3を操作することにより、送液ポンプ2から吐出された塗布液の供給先を、ストレーナ5側と給液タンク1側との間で切り替える。
給液タンク1は、塗布送液塗料量に対し、不足ない十分な容量があればよく、容量は特に規定されるものではない。また、給液タンク1中の塗料中の無機成分の沈降防止や分散状態の確保のため、攪拌翼を設けることも可能である。また、必要に応じ給液タンク1内を減圧したり加圧したりし、脱泡、送液の補助を行うようにしてもよい。また、給液タンク1の内壁面と塗料との抵抗を下げ、流動性をよくするため、給液タンク1の内壁面をフッ素加工や鏡面加工しても構わない。また、1つの装置で給液タンク1と送液ポンプ2とを兼ねていてもよい。
送液ポンプ2は、モーノポンプ、ダイヤフラムポンプ、サインポンプ、ベローズポンプ、チューブフラムポンプ、プランジャポンプ、シリンジポンプなどを適用することができる。これらポンプのうちいずれかのポンプを、塗料粘度と吐出量、脈動、摺動異物等の特性に合わせて、適宜選択するとよい。
送液ポンプ2の吐出量は、一定時間内に塗布する量、すなわち、塗布幅、塗布厚み、塗布速度により決定され、決定された1回転あたりの吐出量を満足し且つ均一に塗膜するために必要な回転数が、時間あたりの回転数の規格内となるポンプであれば、適用することができ制限されることはない。但し、可能な限り規格内で運転することのできる適切な吐出量のポンプを選択するとよい。
切替バルブ3は、ピストンバルブ、ダイヤフラムバルブ、サンプリングバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ、チャッキバルブ、シリンジバルブなどを適用することができる。一方の方向への流路を遮断し、他方の方向に流路を変更できる切替可能なバルブであれば適用することができる。可能であれば、バルブの開閉で送液管内あるいは塗工ヘッド4内部の圧力に影響を及ぼさないバルブを選択するとよい。
塗工ヘッド4は、スロットダイ方式のダイヘッドである。塗工ヘッド4の、ヘッドの刃先形状、刃先角度、マニホールド形状、マニホールド容量、ヘッド内面の鏡面度、供給口径、供給位置は、特に限定されるものではないが、同時に同一面に複数の異塗料を塗布するため、図2、図3、図4、図5に示すように、マニホールドを少なくとも2個持ち、シム形状やセッティングの位置すなわち各部材の配置位置を調整することによって、刃先で塗料が合流する、あるいは、塗布された後塗料が合流するようになっている。つまり、図6に示すように、塗布された後の塗膜が、一方の塗料からなる所定幅の塗膜と、他方の塗料からなる所定幅の塗膜とが、水平方向に隣接して形成されるようになっている。
なお、図6は、電極面の構成の一例を示したものであり、32は一方の塗料からなる活物質帯塗布部、33は他方の塗料からなる導電帯塗布部であり、活物質帯塗布部32および導電帯塗布部33とが電極塗膜となる。
電極面に塗料を塗布することによって、図6に示すように、活物質帯塗布部32と導電帯塗布部33とが水平方向にストライプ状に交互に形成される。なお、図6中の31は未塗布部である。
塗工ヘッド4の形態は、前述の図2、図3、図4、図5にあるように、種類の異なる塗料毎に上流ヘッドおよび下流ヘッドをそれぞれ持っていてもよいし、全体で1つの上流および下流のダイヘッドを持ち、中間に上下を仕切る板を用い、さらにその上下に塗布用のシムをセットし各塗料の吐出口は、その上下のマニホールドに接したシムで形状を決定するようにしてもよい。もちろん、中間にセットされる板は送液塗布時の圧力でも変形しないことが求められる。
なお、図2、図3、図4、図5において、11は、活物質帯塗布側のダイヘッド及びマニホールド、12は活物質帯塗布側の給液口、13は活物質帯塗布側のシム板、14は仕切り鋼板、15は活物質帯塗布側の下流ダイヘッド、16は挟みダイヘッド、17は導電帯塗布側のダイヘッドおよびマニホールド、18は導電帯塗布側のシム板、19は導電帯塗布側の下流ダイヘッド、20は導電帯塗布側の給液口である。
図7(a)、図7(b)は、活物質帯塗布側のシム板13、導電帯塗布側のシム板18の形状の一例を示したものである。
活物質帯塗布側のシム板13は幅Lmmの、a本のストライプ状のシム(図7(a)の34)を備えた形状となる。導電帯塗布側のシム板18は幅L‘mmの、b本のストライプ状のシム(図7(b)の36)を備えた形状となる。
そして、電極塗膜の塗布幅をW(mm)とし、活物質帯となる塗膜の1本当たりの塗布幅(つまりシム板13のシムの開口部の幅)をL(mm)、活物質帯の本数をa(本)、導電帯となる塗膜の1本当たりの塗布幅(つまりシム板18のシムの開口部の幅)をL‘(mm)、導電帯の本数をb(本)とし、すなわち、W=L×a+L’×bであるとき、活物質帯の塗布幅Lおよび導電帯の塗布幅L‘が、0.02mm<L’<W/2およびL’×b<W/2を共に満足するように設定する。
なお、シムの先端は直角でもよいし、液が多少広がるように、またネックインによるツノ防止などのために切り欠きやセッティングが施されていても構わない。なお、図7(a)において35は、活物質帯塗布側のシム34の開口部(幅Lmm)を表す。図7(b)において37は、導電帯塗布側のシム36の開口部(幅L‘mm)を表す。
但し、ストライプ状のシムには精度が要求される。レーザ加工の場合には10μm程度、湿式エッチングなどの場合には1μm程度の開口部を得ることができるが、開口部が狭い場合、配管内およびダイ内圧力が上昇しすぎてしまうため塗布する塗料粘度を相当低くしなければならない。さらに、基本的には、配管途中にストレーナ5を通し塗料中の粒子を解すが塗料中の粉体の粒子径が大きいもので十数μmのものもあるため、それより開口部が広くないと粒子が詰まってしまい、そもそも塗布できなくなってしまう。
また、活物質帯よりも導電帯の面積の方が大きいと、そもそも、活物質帯でさせうる反応野が少なく、電池性能が減じてしまう。そのため、本発明では、開口部幅を上述のように限定している。
塗工ヘッド4への塗料供給方法に関しては、塗布幅によって適宜選択するとよいが、基本的には、幅方向の圧力ムラすなわち塗布ムラを軽減させる場合、センター部より供給する場合が好ましいが適宜選択が必要である。
また、塗工ヘッド4において、2種類の塗料を吐出する刃先の位置が同一ということは、各塗料塗布時のギャップがほぼ同じになるということを示している。したがって、塗料固形分をほぼ同等の大きさにし、ウェット膜厚すなわち、塗工ヘッド4の2種類の塗料を吐出する刃先の設定ギャップをほぼ同等にする必要がある。塗料固形分、ウェット膜厚は多少前後しても塗布可能であって、乾燥後2種の塗料の膜厚が同等の膜厚となれば問題はない。可能であれば、2種塗料ともネックインによってできる両端のツノ状の盛り上がりがない方が好ましい。
活物質帯は、主として、正極あるいは負極の活物質を含み、導電助剤、バインダ、溶剤、必要に応じ添加剤を含む。
正極にはリチウム含有遷移金属酸化物を活物質として用い、その活物質表面あるいは電解液が浸透した内部で、リチウムイオンと電子の共受を行い、電流が生じる。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な化合物であり、無機化合物としては、組成式、LiMO、または、Li(但し、Mは遷移金属、0≦x≦1、1≦y≦2)で表記される。
複合酸化物、トンネル上の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化物、リチウムイオン含有のカルコゲン化合物を用いることが出来る。
その具体例として、LiCoO、NiO、Ni、MnO4、LMn、MnO、Fe、Fe、FeO、V、V13、VO、Nb、Bi、Sb等のV族金属化合物、CrO、Cr、MoO、MoS、WO、SeO等のVI族金属化合物、TiO、TiS、SiO、SnO、CuO、CuO、AgO、CuS、CuSO等が挙げられる。
また、上記の遷移金属を2種以上混合したもの、あるいは、2種以上の遷移金属を含有する化合物、いわゆる、2元系、3元系でも構わない。
さらに、有機物系としては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリアセチレン、ポリアセン系材料等の導電性高分子化合物などが挙げられる。
正極の電極層組成や作製法自体に特に制限はないが、最終的に、必要な材料を混合した塗料を電極基材7に塗布、乾燥して、電極化することが好適である。
負極活物質としては、天然グラファイト、人造黒鉛、アモルファスカーボン、カ−ボンブラック、アモルファスカーボンなどを含む材料やこれらに若干量異種元素が存在する場合や、これらが添加された炭素化物や金属リチウムやその合金、スズ、シリコンらそれら合金で、リチウムイオンの吸放出可能なものが挙げられる。
導電助剤としては、活物質で生じた電子を集電体までロスなく伝導させるために、導電剤が含有されている。この導電剤は、カーボン系材料を用いることが多く、いかに少量で効率良く電子を伝導するか、活物質やバインダとの馴染み具合により適宜選択するとよい。その具体例としては、カーボンブラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、カーボンウィスカー、炭素繊維、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンナノ粒子およびナノチューブ、酸化チタン、酸化ルテニウム、アルミニウム、ニッケル等の金属粉やファイバーなどが挙げられ、これら1種また2種以上を混合して使用してもよく、必要に応じては、分散媒を添加することも可能である。
分散媒としては、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホアミド、水等の極性溶媒が挙げられる。
バインダとしては、フッ素系の樹脂が挙げられる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−塩化3フッ化エチレン(CTFE)共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンフッ素ゴム、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルフッ素ゴム等フッ素系ポリマ、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴム、スチレン/ブタジエンゴム、プロピレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックスなどが挙げられ、1種または、2種以上を組み合わせて用いることができる。このほかに、ポリアクリル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、ベークライトなども、単体あるいは複数を組み合わせて用いてもよい。
また、電極層厚以下の粒子径のアルミナ粒子、シリカ粒子、ラテックス粒子やその他イオン伝導性を妨げず、当該イオン伝導性物質中で安定な非電子伝導性微粒子を、膜厚制御や加工性、膜の機械的強度の向上や、形状を安定化させる目的で充填しても構わない。また、同様の理由から、多孔質の非電子伝導性高分子マトリックス材料(各種不織布など)を充填しても構わない。もちろん、電子伝導性物質で、上記の理由を捕捉できるのであればなおよい。
添加剤としては、電池性能への影響を考慮すると特段入れないほうが好ましいが、もし、塗料のレベリング性や電極基材7への濡れ性向上、塗料同士の相性、粘度調整、レオロジー性改善等々で使用する場合は、できる限り最小源とし、また可能であれば、溶剤乾燥時に一緒に揮発してしまう方が好ましい。
また導電帯は、活物質帯よりも体積抵抗率の低い導電性が良好な塗膜からなり、導電帯の導電性塗膜成分は主として、導電助剤、バインダ、溶剤、必要に応じた添加剤からなっている。導電助剤としては、電極塗膜と同様のものを使用すればよく、但し、バインダ、添加剤は可能な限り少なく分散していることが好ましい。分散が良好であれば、使用する必要はない。活物質帯と同時塗布のため、粘度等の兼ね合いもあるが、可能であれば、導電助剤:バインダ比=50/50から99/1(重量比)の間が好ましい。可能であれば、導電助剤比率が95/5以上となるとさらに好ましい。またバインダや溶剤も電極塗膜と同様のものを使用できる。むしろ同じものを使用したほうが、塗布時の濡れ性、レベリング性などが近似するため好ましい。
コーティングロール6は、真円で歪みのないロールであることが求められる。塗工ヘッド4の刃先とコーティングロール6との隙間は数μm単位での設定が必要な場合が多いためである。表面はクロムめっき、表面研磨され、多少の電極基材7の搬送速度とロール周速とに差があっても電極基材7に傷をつけずに搬送できるようになっている。また、もちろん、左右差もなく設置されていることが必要である。
電極基材7に関しては、電池用基材としては、一般的に金属箔が用いられることが多く、銅箔、アルミ箔が多く、単一金属や合金、さらには、複数の金属を積層あるいは貼合させることもできる。但し、金属箔に限定されるものではなく、プラスチック基材でも導電性のあるものもしくは導電性のものが練り込まれたもの、または、表面にコーティングを施し表面導電性を持たせたもの、金属とプラスチックとの貼合したものなどでも構わない。偏肉のない基材で電極として用いられるのであれば適宜選択は可能である。
図1に示すストレーナ5は必ずしも必要ではないが、送液中で凝集した塗料内粒子を解す効果をもたらし、塗布塗膜にスジ引きなどを軽減し、塗面に凝集物がないようにし、送液、塗布圧力を安定化させることで、塗工精度を向上させ、結果電池性能も向上をさせている。
ストレーナ5の形状は、パンチングメタル、ワイヤーエッジなど形状は適宜選択するとよい。また、目の粗さ、耐圧性については、送液する塗料、送液量、送液圧などを考慮し、選択するとよい。
以上のような構成を有する塗工設備を用いて、電極塗膜の塗工を行うと、図6に示すように、活物質帯としての塗膜と導電帯としての塗膜とがストライプ状に交互に水平方向に隣接して形成された電極塗膜が形成されることになる。つまり、外観上ストライプ状に、体積抵抗率の小さい導電性良好な導電帯が形成されていることになる。
ここで、導電帯としての塗膜は、電帯活物質帯としての塗膜よりも、導電性が良好な塗膜であるため、電極基材7を離れた塗膜表面側で反応し電子となったものが塗膜あるいは電極基材7の法線方向に必ず移動するのではなく、低抵抗な導電帯側すなわち塗膜あるいは電極基材7に平行に近い方向にひきつけることもできる。そのため、電池用電極部材内での抵抗を下げることができ、すなわち電流ロスを少なくすることができる。
また、上述のように、少なくとも2種の塗膜を同時に形成することで、異種材料同士の密着性に関して境界が混和し、塗膜同士の密着性も向上させることができる。
さらに、導電帯は、活物質を含まないためその分活物質帯よりもバインダーを多めに混合でき且つ導電助剤も多いことから、導電性良好で密着良好な電極塗膜を実現することができ、電池寿命的にも有利である。
また、低抵抗で電子を移動させることができるため、大きな電流値での充放電や長期にわたる充放電が可能になり全体的に電池性能を向上させることができる。
なお、連続塗工、間欠塗工のいずれによって、電極塗膜を作製する場合であっても適用することができる。
また、電極塗膜を、2種類の塗料により形成する場合について説明したが、これに限るものではなく、3種類以上の塗料によって形成することもできる。この場合には、活物質帯となる1種類の塗料と、導電帯となる2種類以上の塗料とにより、電極塗膜を形成すればよい。導電帯となる塗料が複数ある場合には、導電帯となる複数の塗膜の塗布幅の合計を前述のL‘(mm)とし、導電帯となる複数の塗膜の本数の合計を前述のb(本)とし、前記条件を満足するように設定すればよい。
また、活物質帯および導電帯は、複数設ける場合に限るものではなく、導電帯1本を配置し、その両側に活物質帯を配置することで、電極塗膜を形成してもよい。
以下、実施例を説明する。
但し、実施例が本発明を制限するものではない。
(実施例1)
<塗料作製および基材>
活物質帯用の正極電極用塗料として、下記の正極塗料を準備した。
活物質:LiMn2O4(三井金属社製):90質量部、導電材:アセチレンブラック(電気化学工業社製):5質量部、バインダ:PVDF(クレハ社製):5質量部、溶剤としてNMP(三菱化学製)を混合し、粘度約10000mPa・sの塗料を作製した。また、導電帯用の塗料としての導電良好塗料は下記の通りとした。
導電材:アセチレンブラック(電気化学工業製):97質量部、バインダ:PVDF(クレハ社製):3質量部、分散剤:BYK製:0.1質量部に溶剤としてNMP(三菱化学製)を混合し、粘度:約6000mPa・sの塗料を得た。
電極基材7として、15μm厚みのアルミニウム箔(1085材、東海アルミニウム社製)を使用した。対極となる負極電極用塗料としては下記の材料を準備した。活物質:天然黒鉛(日立化成製):90質量部導電剤:アセチレンブラック(電気化学工業製):4質量部、バインダ:SBR(日本ゼオン製):4質料部(固形分換算)増粘剤:CMC(カルボキシメチルセルロース):2部、さらに希釈溶剤として水を用い、固形分50%となるように塗料を調製した。基材は電解銅箔(古河電工製)を使用した。
<装置および製造方法>
上記で作製した3種の塗料のうち正極側に活物質帯と帯電帯とを設けることにし、負極側は1種の塗料だけ塗布し、対極として用いるだけとする。
正極側は活物質帯、帯電帯いずれの塗布部も平均膜厚(乾燥時)が100μmになるようにスロットダイ方式で連続塗工した。活物質帯塗布側のシム板の厚みは1.5mm、導電帯塗布側のシム板の厚みは1.0mmで連続塗工した。その際、図1に示した、内面テフロン(登録商標)コーティングされて攪拌翼のついた給液タンク1内に塗料を貯め、配管接続された送液ポンプ2(モーノポンプ:兵神装備株式会社製)より、呼び径1Sの送液配管でつなぎ、切替バルブ3(株式会社コガネイ社製)から塗工ヘッド4へと接続した。また、未塗布部の領域では、切替バルブ3から給液タンク1に還流させることで、未塗布部を形成するように配管した。このとき、塗工ヘッド4のセッティングは、図3に示すように形成し、刃先部分の活物質帯側のシム板13、および帯電帯側のシム板18の位置は、電極基材7に塗布される寸前に2種の塗料同士が接した状態で電極基材7に塗布されるようにセットした。
当該条件下のもと、電極基材7の塗布幅400mmに対し、活物質塗布部幅合計:塗布幅W:約300mm、活物質帯L:9mmを30本、導電帯L‘:1mm幅を30本交互に設けるように塗布し、塗布速度2m/分の速度で塗工、乾燥を行ない、電池用電極部材を得た。
負極電極については、上記材料をスロットダイ方式で塗布し、正極容量の1.2倍にあたる容量相当の厚みを塗布幅300mmで連続塗布し、電池用電極部材を準備した。
(実施例2)
実施例1と同様の塗料を準備し塗工を行なった。
但し、その際、電極基材7の塗布幅:300mmに対し、活物質帯塗布部幅L:19mmを15本、導電帯塗布幅:1mm幅を15本交互に設けるように塗布し、塗布速度2m/分の速度で連続塗工を行ない、電池用電極が得られた。
(比較例1)
実施例1と同様の塗料を準備し塗工を行なった。
但し、その際、塗布幅W:300mmに対し、活物質帯塗布幅L:4mmが30本、導電帯塗布幅L‘:6mm、30本交互に設けるように塗布し、塗布速度2m/分の速度で連続塗工を行ない電池用電極が得られた。
(比較例2)
実施例1と同様の塗料を準備し連続塗工を行なった
但し、その際、導電性良好塗布部がなく、活物質塗布部のみとし、リチウムイオン電池電極膜を得た。
(評価項目、評価方法)
実施例および比較例で得られた塗膜をプレス機にセットし、プレスを実施し、活物質帯部分が所望の密度(2.6g/cm)になるようにプレスを実施し、シートを得た。
(1)電池性能1:
得られた各電極シートを用い、コインセルを作製した。電解液はLiPFを1mol含み、エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(1/1vol)の比で混合したものを、セパレータはPP(セルガード社製)のものを用いた。
そのコインセルを25℃環境下で、0.1C、0.2C、0.5C、1C、2C、5C、10Cの順で各3サイクル充放電したとき、0.5Cと5Cでの各放電容量の平均値から放電容量保存比Aを算出した。
A=5C時の放電容量/0.5C時の放電容量
(2)電池性能2:
充放電性能1(すなわち電池性能1)の測定時における5C時の放電容量(電極膜重量当たり)において、実施例1の放電容量(mAh/g)を100%とした場合の各例での放電容量比率を算出した。
(3)密着性:
得られたシートを1インチの紙管に塗工流れ方向に一旦巻きつけ、ほどいた後、活物質帯と導電帯とを含むように、流れ方向にセロテープ(登録商標)(ニチバン製:25mm幅)を貼り付け、180度の方向に引っ張りはがし、塗膜の密着性について評価した。
評価:○:剥離なし △:一部剥離あり ×:全面剥離
(結果)
測定結果を下記表1に示す。
Figure 0006212951
表1の結果からも、本発明により電池性能向上、電極基材へ密着向上が確認できた。
1 :給液タンク
2 :送液ポンプ
3 :切替バルブ
4 :塗工ヘッド
5 :ストレーナ
6 :コーティングロール
7 :電極基材
11:活物質帯塗布側ダイヘッド及びマニホールド
12:活物質帯塗布側給液口
13:活物質帯塗布側シム板
14:仕切り鋼板
15:活物質帯塗布側下流ダイヘッド
16:挟みダイヘッド
17:導電帯塗布側ダイヘッドおよびマニホールド
18:導電帯塗布側シム板
19:導電帯塗布側下流ダイヘッド
20:導電帯塗布側給液口
11:活物質帯塗布側ダイヘッド及びマニホールド
31:未塗布部(耳部)
32:活物質帯塗布部
33:導電帯塗布部
34:活物質帯塗布シム
35:活物質塗布シム開口部
36:導電帯塗布シム
37:導電帯塗布シム開口部

Claims (3)

  1. コーティングロールに保持搬送される電極基材表面に、正極または負極の塗料を、ダイヘッドのスリットから吐出して電極塗膜を形成する電池用電極部材の製造方法において、
    前記ダイヘッドにより、正極あるいは負極活物質を含む塗料と、当該塗料を塗布して形成される活物質帯よりも体積抵抗率が低い導電帯となる塗料とを含む少なくとも2種の塗料を前記電極基材の幅方向の両端を除く領域に同時に吐出させ、且つ、前記活物質帯と前記導電帯とが前記電極基材の幅方向に隣接して交互に配置されさらに交互に配置された前記活物質帯及び前記導電帯の幅方向の両側には前記活物質帯が位置するように前記ダイヘッドのスリットを配置して前記吐出を行うことで、前記電極基材の幅方向の両端に未塗布部を形成するようにし、そのすぐ内側に前記活物質帯を形成することを特徴とする電池用電極部材の製造方法。
  2. 前記電極塗膜の塗布幅をW(mm)、前記活物質帯の1本当たりの塗布幅をL(mm)、前記活物質帯の本数をa(本)、前記導電帯の1本当たりの塗布幅をL′(mm)、前記導電帯の本数をb(本)とし、これらがW=L×a+L′×bの条件を満足するとき、
    前記活物質帯の塗布幅Lおよび前記導電帯の塗布幅L′は、
    0.02mm<L′<W/2およびL′×b<W/2を共に満足することを特徴とする請求項1に記載の電池用電極部材の製造方法。
  3. 前記電極塗膜は、連続塗工または間欠塗工により形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電池用電極部材の製造方法。
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