本実施例は、本発明の駐車支援装置を車両に実装して、車両の駐車動作を支援するシステムとして構成した例である。
(実施例の構成の説明)
まず、図面を用いて装置の構成を説明する。本実施例に係る駐車支援装置1は、図1に示すように、図示しない車両2に設置されて、撮像部10と、駐車支援開始スイッチ15と、座標変換・合成部20と、映像表示部30と、目標駐車位置・駐車方法指定部40と、目標移動経路生成部50と、車両パラメータ記憶部60と、駐車動作実行部70と、駐車完了判断部80と、ずれ量算出部90と、ずれ量記憶部100と、記憶情報消去指示部110と、記憶情報非反映指示部120と、警告出力部130と、からなる。
撮像部10は、図示しない車両2に設置されて、車両の前端を含む前方直近領域を撮影する前方カメラ10aと、車両の後端を含む後方直近領域を撮影する後方カメラ10bと、車両の左端を含む左方直近領域を撮影する左方カメラ10cと、車両の右端を含む右方直近領域を撮影する右方カメラ10dと、からなる。
駐車支援開始スイッチ15は、運転者が容易に操作できる位置に設けられたスイッチで、駐車支援装置1を起動するスイッチである。
座標変換・合成部20は、撮像部10で撮影した複数の画像をそれぞれ座標変換して、車両2を上空から見下ろした俯瞰図を生成して、さらに、生成された複数の俯瞰図を、車両2を表わす仮想画像の周囲に合成して、1枚の画像を生成する。
映像表示部30は、運転者が視認できる位置に設置されて、座標変換・合成部20で生成された俯瞰図を表示する。なお、映像表示部30は、タッチパネルの機能を有しており、運転者が映像表示部30の所定の位置を押下することによって、押下された位置座標を入力することができる。なお、映像表示部30には、適宜、駐車支援装置1の操作メニューが表示されて、運転者はその都度、目標駐車位置の指定や駐車方法の入力等、必要な指示を行う。
目標駐車位置・駐車方法指定部40は、運転者が、映像表示部30に表示された映像を見ながら、目標駐車位置と駐車方法を指定する。
目標移動経路生成部50は、目標駐車位置・駐車方法指定部40で指定した目標駐車位置まで、指定された駐車方法で駐車する際の、車両2の目標移動経路を生成する。
車両パラメータ記憶部60には、目標移動経路生成部50において車両2の目標移動経路を生成する際に利用する、車体サイズ、タイヤサイズ、操舵特性等の様々な車両パラメータが記憶されている。
駐車動作実行部70は、目標移動経路生成部50で生成された車両2の目標移動経路を辿るように、実際に車両2の操舵角を制御する。なお、本実施例では、アクセル操作は運転者が行い、操舵制御のみ駐車支援装置1が行うものとする。
駐車完了判断部80は、駐車動作実行部70で行った駐車動作が完了したか否かを判断する。
ずれ量算出部90は、撮像部10で撮影された映像の中から目標駐車位置を規定する区画線を検出する。また、駐車動作が完了したと判断されたときに、車両2が停止している位置と、目標駐車位置とのずれの大きさとずれの方向を算出する。
ずれ量記憶部100は、ずれ量算出部90で算出されたずれの大きさとずれの方向を記憶する。
記憶情報消去部110は、ずれ量記憶部100に記憶されたずれの大きさとずれの方向を消去する機能を有している。なお、この消去動作は、例えば、車両2のタイヤを交換したとき、タイヤの空気圧を調整したとき、乗員数が変化したとき、荷物積載量が大きく変化したとき等、車両の状態が大きく変化したときに行われ、運転者の同意を得た上で記憶された情報の消去を行う。
記憶情報非反映指示部120は、目標移動経路生成部50において車両2の目標移動経路を生成する際に、運転者の同意を得た上で、ずれ量記憶部100に記憶された、過去の駐車動作時に発生したずれの大きさとずれの方向を反映しないことを指示する。
警告出力部130は、ずれ量算出部90で算出されたずれの大きさまたはずれの方向のうち少なくとも一方が所定値を超えたときに、音や音声や表示によって、運転者に警告を出力する。
障害物検出部140は、運転者が目標駐車位置を指定したときに、指定された目標駐車位置の障害物の有無を判断する。そして、障害物があると判断されると、目標駐車位置の設定を無効とする。また、障害物検出部140は、駐車動作実行部70で駐車動作を行っているときに、車両2に接触する可能性のある障害物を検出する。そして、障害物が検出されたときには警報を出力する。もしくは、駐車動作を中止して、車両2を停止させる。
図2は、図1に機能ブロック図で示した駐車支援装置1を、実際に使用されるハードウェア構成に基づいて記載したハードウェアブロック図である。
すなわち、駐車支援装置1は、図2に示すように、撮像部10と、駐車支援開始スイッチ15と、ECU(Electronic Control Unit)200と、カーナビゲーションシステム300と、液晶モニタ302と、電動パワーステアリングコントローラ310と、電動パワーステアリングモータ312と、ステアリングホイール314と、からなる。
撮像部10の構成と機能は、先に、図1に基づいて説明した通りである。
駐車支援開始スイッチ15の機能は、先に、図1に基づいて説明した通りである。
ECU200は、さらに、カメラインタフェース210と、画像処理プロセッサ220と、マイコン230と、CANドライバ250、および、画像処理プロセッサ220に接続されたフラッシュROM222と、SD RAM224と、マイコン230に接続されたフラッシュROM246、および、DDR(Double Data Rate)RAM248と、からなる。
ECU200は、必要な演算処理を行う。具体的な内容は後述する。
カーナビゲーションシステム300はビデオセレクタとして機能して、通常はカーナビゲーションシステム300が出力する地図情報を液晶モニタ302に表示する。そして、液晶モニタ302は、映像表示部30(図1参照)として機能し、必要時には駐車支援装置1が出力する映像情報を表示する。また、運転者に必要な情報入力を促すインタフェース画面を表示して、目標駐車位置・駐車方法指定部40(図1参照)、記憶情報消去指示部110(図1参照)、記憶情報非反映指示部120(図1参照)の各情報入力機能を実現する。
電動パワーステアリングコントローラ310は、駐車動作を行う際に、電動パワーステアリングモータ312の回転方向と回転量を制御して、車両2の操舵制御を行う。すなわち、駐車動作実行部70(図1参照)の指令機能を実現する。
電動パワーステアリングモータ312は、電動パワーステアリングコントローラ310の指示に基づいて、車両2が備えるステアリングホイール314を回転して操舵角を制御する。すなわち、駐車動作実行部70(図1参照)のアクチュエータ機能を実現する。
ECU200は、さらに、カメラインタフェース210と、画像処理プロセッサ220と、マイコン230と、画像処理プロセッサ220に接続されたフラッシュROM222とSD RAM224と、マイコン230に接続されたフラッシュROM246とDDR RAM248と、CANドライバ250と、からなる。
カメラインタフェース210は、撮像部10で撮影した映像を画像処理プロセッサ220に入力する際のインタフェース機能を果たすとともに、画像処理プロセッサ220から撮像部10に対して、映像を撮影するタイミングを指示する際のインタフェース機能を実現する。
画像処理プロセッサ220は、画像処理を高速に行うために用いられる画像信号処理専用の集積回路である。その内部では、撮影された映像の座標変換、合成、映像の輝度補正、画面への軌跡線の描画等を行う。すなわち、座標変換・合成部20(図1参照)の機能を実現する。
画像処理プロセッサ220に接続されたフラッシュROM222は、画像処理プロセッサ220で合成された車両2の周囲マップ等の情報記憶用として用いられる。
画像処理プロセッサ220に接続されたSD RAM224は、画像処理プロセッサ220で合成された車両2の周囲マップ等の情報記憶用として用いられる他、後述する座標変換処理や画面合成を行う際のワ―クメモリとしても用いられる。
マイコン230は、必要な数値演算や、駐車枠を規定する区画線の検出や障害物の検出等の特定の画像処理を行う際に用いる。具体的には、実行する演算毎に、以下の機能を有する。
画像認識処理部232は、目標駐車位置の外周にあり、駐車枠を規定する区画線の検出を行って、駐車可能か否かを判定し、また、区画線を構成するエッジ構成点を検出する。すなわち、ずれ量算出部90(図1参照)や駐車完了判断部80(図1参照)で必要とする区画線の位置検出機能を実現する。また、障害物検出部140(図1参照)の障害物検出機能を実現する。
軌跡演算部234は、目標駐車位置までの目標移動経路を演算して、目標駐車位置までの駐車目標経路を生成する。すなわち、目標移動経路生成部50(図1参照)の機能を実現する。
制御目標舵角演算部236は、入力される制御目標位置における操舵角を駐車目標経路から抽出して、さらに制御目標位置と現在位置の差分、および目標操舵角演算を行う各種係数に基づいて操舵角の補正を行い、目標操舵角として出力する。すなわち、駐車動作実行部70(図1参照)の制御指令値を生成する機能を実現する。
舵角サーボ演算部238は、入力される目標操舵角と、絶対操舵角の差分、および操舵角サーボ演算を行う各種係数に基づいて、電動パワーステアリングモータ312に流す電流値を計算して電動パワーステアリングコントローラ310に出力する。すなわち、駐車動作実行部70(図1参照)の制御指令値を生成する機能を実現する。
ずれ補正値演算部240は、目標駐車位置に駐車した車両が区画線に対してなす角度と、区画線までの距離と、を計測する。すなわち、ずれ量算出部90(図1参照)の機能を実現する。また、記憶情報非反映指示部120(図1参照)から入力された情報は、ずれ補正値演算部240で利用される。
車両異常推定部242は、ずれ補正値演算部240の計測結果に基づいて、目標駐車位置に駐車した際のずれの大きさとずれの方向が所定値を超えているか否かを検出する。すなわち、ずれ量算出部90(図1参照)における異常値検出機能を実現する。
ずれオフセット値演算部244は、ずれ補正値演算部240の計測結果に基づいて、正常な駐車目標位置からのオフセット量を演算する。すなわち、ずれ量算出部90(図1参照)の機能を実現する。
マイコン230に接続されたフラッシュROM246は、マイコン230で実行するプログラムの格納用、目標移動経路を生成するために必要な車両パラメータの記憶用、運転者が入力した目標駐車位置の記憶用、および、駐車動作を行った後のずれの大きさとずれの方向の記憶用として利用される。すなわち、ずれ量記憶部100(図1参照)、車両パラメータ記憶部60(図1参照)、目標駐車位置・駐車方法指定部40(図1参照)の機能を実現する。また、記憶情報消去指示部110(図1参照)の指示に従って、所定の記憶内容が消去される。
マイコン230に接続されたDDR RAM248は、マイコン230で画像処理を行う際のワークメモリとして利用される。特に、クロック信号の立ち上がりと立ち下がりのそれぞれのタイミングでデータのやり取りを行うことができるDDR RAM248を利用することによって、画像処理を行う際の演算速度を向上させている。
マイコン230に接続されたCANドライバ250は、ECU200と、CANバスを介して接続されたカーナビゲーションシステム300、および電動パワーステアリングコントローラ310と、の通信を行う。また、必要に応じて、マイコン230と車両2との間で、その他の通信を行うために利用される。
以下、本実施例における動作の流れについて、順を追って説明する。
(駐車枠を示す区画線の説明)
駐車支援装置1が動作する駐車位置を構成する駐車枠は、路面に白線や黄線で引かれた区画線で囲まれているものとする。
実際の区画線は、図3(a)から(d)に示すように様々な形態がある。図3(a)は、駐車位置の四方を囲むように描画された区画線W1の例である。
図3(b)は、駐車位置の左右を規定するように描画された区画線W2の例である。
図3(c)は、駐車位置の左右と、前方または後方を規定するように描画された区画線W3の例である。
図3(d)は、駐車位置の前後と、左方または右方を規定するように描画された区画線W4の例である。
なお、駐車場によっては駐車位置を規定する区画線が描画されていない場合もある。本実施例では、このように区画線が描画されていない駐車場は、対象範囲から外すものとする。
車両2は、このように区画線W1,W2,W3,W4が描画された駐車位置に対して、前進または後退して駐車する。
なお、実際に車両を駐車させる方法には、他車に対して横並びに駐車する並列駐車と、他車に対して縦並びに駐車する縦列駐車とがある。
本実施例では、このうち、車両を前進させて行う並列駐車と、車両を後退させて行う並列駐車と、車両を後退させて行う縦列駐車を対象とする。
(目標駐車位置の指定方法の説明)
次に、駐車支援装置1を動作させて、目標駐車位置を指定する方法について説明する。図4(a)は、車両2を駐車させる駐車場の全景を上空からの俯瞰図で示したものである。今、車両2を目標駐車位置S1に駐車させるものとする。
図4(b)は、車両2に設置された撮像部10を構成する前方カメラ10a,後方カメラ10b,左方カメラ10c,右方カメラ10dでそれぞれ撮影された映像を、座標変換・合成部20において、上空から俯瞰したように座標変換して1枚の画像に合成した例である。図4(b)に示すように、CGで作成された車両2の現在位置P0の周りに、撮像部10で撮影された画像が合成される。以後、この画像を周囲マップIと呼ぶ。この座標変換と合成は、駐車支援開始スイッチ15のON操作とともに開始されて、以後、予め決められた時間間隔で連続的に実行されて、合成された周囲マップIは、随時、映像表示部30に表示される。
車両2の運転者は、車両2を停車させて、映像表示部30に表示された周囲マップIを確認しながら目標駐車位置S1を指定する。具体的には、車両2の運転者は、自分が駐車したい目標駐車位置S1が、映像表示部30に表示された周囲マップIの中に映る位置まで車両2を移動させて、そこで、一旦車両2を停止させる。その後、手指Fで映像表示部30の中の目標駐車位置S1に触れて、目標駐車位置・駐車方法指定部40に対して目標駐車位置S1の座標を入力する。このとき、具体的には、運転者は駐車枠の内部の1点に触れればよい。
入力された目標駐車位置S1の座標は、ずれ量算出部90に送られて、ずれ量算出部90において、目標駐車位置S1が含まれる駐車枠を規定する区画線を検出するとともに、障害物検出部140において、目標駐車位置S1に障害物がないことを検出する。
区画線の検出は、撮像部10を構成する4台のカメラ(前方カメラ10a,後方カメラ10b,左方カメラ10c,右方カメラ10d)のうち、目標駐車位置S1の座標を含む映像を撮影するカメラを選択して、そのカメラで撮影された映像に対して行われる。
画像処理によって、路面に描画された白線や黄線の検出を行うことは、昨今、一般的に行われており、そのいずれの方法を用いて行ってもよい。
例えば、路面に描画された白線や黄線で構成される区画線は、一般に路面に対して明るく撮影される。したがって、路面に対して正の輝度差を有している点(画素)を検出して、検出された点で囲まれて、なおかつ所定の幅を持った領域を、区画線を表わす領域として検出すればよい。なお、この方法によると、路面の汚れやごみなども検出される可能性があるため、該当する点を検出した後で、検出された複数の点が直線を構成している等の拘束条件を適用して、区画線を表わす領域を選択する。
また、撮影された画像から障害物の検出を行う方法は、特定の方法に限定されるものではなく、提案されているいずれの方法を用いて行ってもよい。例えば、撮像部10で撮影された画像の中から、鉛直方向に延びるエッジ成分を検出して、検出された鉛直エッジに挟まれた領域を障害物として検出することができる。また、撮像部を構成する各カメラ(前方カメラ10a,後方カメラ10b,左方カメラ10c,右方カメラ10d)が向いている方向に、例えば、超音波センサで構成された測距センサを配置して、この測距センサのうち、目標駐車位置S1を含む範囲を向いている測距センサの出力に基づいて、障害物を検出してもよい。
このようにして検出された区画線に囲まれた領域の中に障害物がないときに、駐車枠の位置を決定して、その結果を、図4(d)に示すように映像表示部30に表示する。これによって、運転者は、自分が指定した目標駐車位置S1が正しく設定できたことを確認する。また、指定された駐車枠の中に障害物が検出されたときには、運転者の指示を却下して再入力を促す。
(目標移動経路生成方法の説明)
図4(d)に示したように目標駐車位置の設定が完了した後で、運転者は、目標駐車位置・駐車方法指定部40の作用によって駐車方法の指定を行う。具体的な画面例は図示しないが、映像表示部30に表示された、駐車方法を選択するメニューの中から、これから行うべき駐車方法を選択する。本実施例では、後退によって並列駐車を行う選択をしたとする。
駐車方法が指定されると、次に、目標移動経路生成部50の作用によって、車両2の現在位置P0から目標駐車位置S1までの目標移動経路が計算される。
目標移動経路生成部50は、図5(a)に示すように、車両2の現在位置P0の周囲マップI上の座標と、目標駐車位置S1の周囲マップI上の座標とから、切り返し点P1の座標と、現在位置P0と切り返し点P1を繋ぐ円弧M1の式と、切り返し点P1と目標駐車位置S1を繋ぐ円弧M2の式と、がそれぞれ車両2の目標移動経路として算出される。なお、目標移動経路の計算に必要な情報は、予め車両パラメータ記憶部60に記憶されており、必要に応じて読み出されて使用される。
目標移動経路生成部50は、具体的には、切り返し点P1から一定の操舵角を保持した状態で後退したときに目標駐車位置S1に到達するように、切り返し点P1の位置を設定する。このようにして設定される切り返し点P1の位置は複数通り設定することができる。そして、その中から、例えば、現在位置P0から一定の操舵角を保持した状態で前進したときに切り返し点P1に到達して、さらに、現在位置P0から切り返し点P1を経て目標駐車位置S1に至る距離が最短となるように、切り返し点P1の位置を設定すればよい。
そして、現在位置P0から切り返し点P1に至る、円弧M1からなる経路と、切り返し点P1から目標駐車位置S1に至る、円弧M2からなる経路がそれぞれ設定される。
なお、前記した例では、距離が最短となるように切り返し点P1の位置を設定したが、切り返し点P1の位置の設定方法は、それに限るものではない。例えば、障害物検出部140によって、車両2の近傍に障害物があることが検出されたときには、検出された障害物を避けて駐車できるような経路が生成される。
(駐車動作の説明)
駐車動作実行部70(図1参照)は、図5(a)〜(c)のように設定された目標移動経路に沿って、車両2を移動させる。このとき、車両2の操舵角は、設定された目標移動経路を辿るように制御される。また、車両2のアクセル操作は、運転者が自ら行ってもよいし、また、車両2が極低速で移動するように、アクセル操作を制御してもよい。
なお、駐車動作実行部70で駐車動作を行っているとき、運転者がブレーキを操作した際には、安全のため、車両2はその場で停止するものとする。また、障害物検出部140は、駐車動作実行部70で駐車動作を行っている間、車両2の周囲の障害物検出を行う。そして、車両2と接触する可能性のある障害物が検出されたときには、ブレーキをかけて車両2を停車させるものとする。
車両2の移動中の操舵制御は、具体的には、駐車動作実行部70において、目標移動経路生成部50で生成された目標移動経路から必要な操舵角を算出して、目標移動経路上にある進むべき目標位置と、過去の車速と操舵角を積分して得られる現在位置との差分値、および、目標操舵角を演算するための各種係数に基づいて操舵角の補正を行い、目標移動経路を辿るための目標操舵角を決定する。
そして、決定された目標操舵角と実際の操舵角との差分値、および、操舵角サーボ量を演算するための各種係数に基づいて、図2に示す電動パワーステアリングモータ312に流す電流値を算出して、電動パワーステアリングコントローラ310に出力する。
図2に示す電動パワーステアリングコントローラ310は、指示された電流を電動パワーステアリングモータ312に流して、車両2の操舵角を制御する。
(駐車完了判断方法の説明)
駐車動作を行っている最中も、随時、ずれ量算出部90において、撮像部10で撮影された映像の中から、目標駐車位置を規定する区画線の検出が行われる。
そして、駐車完了判断部80において、駐車動作が完了したか否かの判断が随時行われる。図6は、この駐車完了判断の方法を説明する図である。
図6(a)は、区画線Wiで規定された目標駐車位置に、後退で並列駐車を行っている例を示している。駐車完了判断部80は、図6(a)における目標駐車位置を規定する区画線Wiのうち、車両が進入する側の左右2本の区画線Wiの端点K1,K2を両端とする線分Kと、車両2の幅と等しい長さを有して、車両2の前端に接する線分Hとの位置関係に基づいて、駐車が完了したか否かを判断する。
なお、区画線Wiは、一般に幅を有するため、以降、区画線Wiの位置は、路面との境界を表わす点のうち、駐車枠の内側にある点の位置で表わすものとする。
図6(b)は、区画線Wiで規定された目標駐車位置に、後退で並列駐車を行って、駐車動作が完了した様子を示している。このとき、線分Hは、線分Kに対して左側に位置する。これは、車両2の前端が、線分Kを跨いで、区画線Wiに囲まれた目標駐車位置に入ったことを意味している。
線分Hが、線分Kに対して左側に位置していることが確認された後で、線分Hの端点H1,H2から、それぞれ線分Kに向かって垂線を下ろして垂線の足を求める、そして、その垂線長を、それぞれh1,h2とする。
このとき、線分Hの端点H1,H2から、それぞれ線分Kに下ろした垂線の足が線分K上にあることを確認した上で、垂線長h1,h2のうち小さい方の値(図6(b)の場合はh2)が、予め決めておいた所定値よりも大きいことが確認されたときに、駐車動作が完了したものと判断する。すなわち、車両2が駐車枠に進入して、かつ車両2の先端が所定値以上、駐車枠内に進行したことを確認して、駐車が完了したと判断する。
図6(c)は、区画線Wiで規定された目標駐車位置に、前進で並列駐車を行って、駐車動作が完了した様子を示している。
この場合も図6(b)の例と同様にして駐車動作の完了判断を行うことができる。すなわち、車両2の後端を示す線分Gの端点であり、車両2の左端位置に対応する特徴点である基準点G2と、車両2の右端位置に対応する特徴点である基準点G1から、それぞれ線分Kに下ろした垂線の足が、ともに線分K上にあることを確認した上で、垂線長g1,g2のうち小さい方の値(図6(c)の場合はg2)が、予め決めておいた所定値よりも大きいときに、駐車が完了したと判断する。すなわち、車両2が駐車枠に進入して、かつ車両2の後端が所定値以上、駐車枠内に進行したことを確認して、駐車が完了したと判断する。
なお、図6に図示しないが、後退で縦列駐車を行っているときの駐車動作の完了判断も、前記した判断方法に則って行うことができる。すなわち、車両の前端を示す線分Hが、車両が進入する側の左右2本の区画線の端点K1,K2を両端とする線分Kを跨いで、さらに所定距離だけ駐車枠内に進行したと判断されたときに、縦列駐車が完了したと判断する。
(目標駐車位置とのずれ量の算出方法の説明)
駐車動作が完了した後で、ずれ量算出部90において、車両2が駐車枠を規定する区画線に対してどのような姿勢で駐車しているかを検出する。
まず、ずれ量の定義について説明する。ここでいうずれ量には、ずれの大きさとずれの方向の2つの量がある。図7は、車両2が後退で並列駐車を行って、駐車動作が完了したときに得られる周囲マップIの様子を示している。
ここで、車両2の区画線Wiに対するずれの大きさΔL1,ΔL2は、それぞれ、周囲マップIの中で、車両2の後端を示す一方の基準点G2(車両2の左端位置に対応する1つの特徴点)を通る水平線と左側の区画線との交点をA1としたときの線分G2A1の長さ(図7のΔL1)と、車両2の後端を示す他方の基準点G1(車両2の右端位置に対応する1つの特徴点)を通る水平線と右側の区画線との交点をB1としたときの線分G1B1の長さ(図7のΔL2)で定義されるものとする。
また、車両2の区画線Wiに対するずれの方向Δθは、車両2の左端、または右端に沿う直線と、区画線Wiとのなす角度で定義されるものとする。
ずれの大きさΔL1,ΔL2は、ともに画素単位の値として算出されるが、予め、区画線Wiとの位置関係が明確にわかった位置に車両2を停止させて、そのときのずれの大きさΔL1,ΔL2を算出することによって、画素単位の値を実際の距離に換算する換算係数を求めておくことができる(キャリブレーション)。そして、周囲マップIから算出されたずれの大きさΔL1,ΔL2に、前記した換算係数を作用させることによって、長さ単位のずれの大きさΔL1,ΔL2を算出することができる。
また、ずれの方向Δθは、左側の区画線上に、交点A1とは別の点A2を検出して、交点A1と点A2のそれぞれの座標に基づいて算出することができる。また、右側の区画線を用いて、交点B1とは別の点B2を検出して、交点B1と点B2のそれぞれの座標に基づいて算出することもできる。
ずれの方向Δθを高い精度で算出するために、区画線上で検出する点A2は、交点A1からできるだけ離れた位置とするのが望ましい。したがって、交点A1の上下方向座標に対して、周囲マップI上で上方向または下方向に所定値以上離れた上下位置で点A2の検出を行うようにする。または、交点B1の上下方向座標に対して、周囲マップI上で上方向または下方向に所定値以上離れた上下位置で点B2の検出を行うようにする。
このようにして算出されたずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθは、それぞれ、ずれ量記憶部100に記憶される。
もし、車両2が区画線Wiに対して正しく駐車されたときには、ΔL1=ΔL2,Δθ=0となるような、ずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθが算出されて記憶される。
(目標駐車位置とのずれ量の補正方法の説明)
ここで、車両2に、タイヤ空気圧の低下や、乗員の乗車位置・荷物の積載位置の偏り等、4輪に係る荷重の均等性が著しく崩れる状態が発生したときには、駐車動作を行った際に、車両2に駐車動作実行部70の指令値通りの操舵角を与えても、車両2の4輪にかかる荷重が均等でないために、目標移動経路生成部50で生成された目標移動経路を正しく辿ることができずに、駐車動作を完了したときの駐車位置が、目標駐車位置からずれる可能性がある。
そして、このときは、一般に、ΔL1≠ΔL2、Δθ≠0となる。このようにして発生した駐車位置のずれは、車両の状態(タイヤ空気圧、乗員数、荷物の積載状態等)が変わらない限り、駐車場所が変わっても恒常的に発生する可能性が高い。したがって、駐車動作を何度か行ったときに、例えば3回連続して、左右のずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθのうち、少なくとも一方が、予め決められた所定量だけずれているときには、そのずれは恒常的なずれであると判断することができる。
そして、目標移動経路生成部50において、車両2の目標移動経路を生成する際に、ずれが発生することを前提として、そのずれがなくなるような目標移動経路を生成する。
目標移動経路生成部50において、ずれが生じない目標移動経路を生成するには、いくつかの方法が考えられ、そのいずれを行ってもよい。例えば、切り返し点P1の座標を補正することによって円弧M1,M2の形状をそれぞれ補正して、ずれが発生しても駐車枠の所定の位置に駐車できる、すなわち、駐車を完了したときに、左右のずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθが、それぞれ、ΔL1=ΔL2,Δθ=0となるような、補正された目標移動経路を生成してもよい。
また、目標駐車位置S1の座標のみを補正することによって円弧M2の形状を補正して、ずれが発生しても駐車枠の所定の位置に駐車できる、すなわち、駐車を完了したときに、左右のずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθが、それぞれ、ΔL1=ΔL2,Δθ=0となるような、補正された目標移動経路を生成してもよい。
なお、左右のずれの大きさΔL1,ΔL2の差と、ずれの方向Δθのうち、少なくとも一方が、予め設定した所定の上限値を超えているときには、警告出力部130の作用によって、車両に異常が発生している可能性があることを、音や音声や表示によって運転者に警告する。そして、タイヤ空気圧のチェックや、荷物の積載状態の確認、乗員の乗車位置の偏りの確認を促す。
以上、本実施例の構成と作用について、後退による並列駐車を例にあげて説明したが、その他の駐車形態、ずなわち、前進による並列駐車や後退による縦列駐車を行う場合であっても、同様の作用によって一連の動作が行われる。
例えば、図5(b)は、目標駐車位置S2に対して、前進による並列駐車を指定した場合の例を示す。この場合は、切り返し点P2が設定されて、現在位置P0から切り返し点P2に至る円弧M3と、切り返し点P2から目標駐車位置S2に至る円弧M4が、それぞれ車両2の目標移動経路として算出される。
また、図5(c)は、目標駐車位置S3に対して、縦列駐車を指定した場合の例を示す。この場合は、切り返し点P3が設定されて、現在位置P0から切り返し点P3に至る直線N1と、切り返し点P3から目標駐車位置S3に至る円弧M5,円弧M6が、それぞれ車両2の目標移動経路として算出される。なお、この場合、円弧M5と円弧M6は、点P4において接続されて、この点P4において、操舵角の設定を変更する必要がある。すなわち、円弧M5上ではステアリングホイール314(図2参照)を左に操舵して、円弧M6上ではステアリングホイール314を右に操舵する。
(ずれ量の記憶方法、および利用方法の説明)
算出されたずれ量(ずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθ)は、それぞれ、過去所定回数分だけ、ずれ量記憶部100(図1参照)に記憶される。そして、新たなずれ量が算出されたときに、最も古いずれ量が消去される構成になっている。
ここで、車両2のタイヤ交換を行ったとき、タイヤの空気圧を調整したとき、車両2の荷物の積載状態が大きく変化したとき、車両2に乗車している乗員数が大きく変化したとき等、車両状態が大きく変化したときには、駐車動作を行ったときのずれ量の発生状態が変化する可能性が高いため、図1に示す目標駐車位置・駐車方法指定部40によって目標駐車位置と駐車方法を指定したときに、過去に記憶されたずれ量を消去することができる。この機能は、図1に示す記憶情報消去部110の作用によって実現される。
具体的には、図1に示す映像表示部30の画面内に、過去のずれ量を消去するか否かを尋ねるメニューを表示して、運転者が、それに対して必要な情報を入力するインタフェースによって実現される。
さらに、図1に示す記憶情報非反映指示部120の作用によって、目標移動経路生成部50において目標移動経路を生成する際に、過去のずれ量を考慮しないで目標移動経路を生成する設定とすることもできる。
これは、普段利用している駐車場とは状態が大きく異なる駐車場、例えば、傾斜がある駐車場で駐車を行う際や、未舗装の駐車場で駐車を行う際等に、過去のずれ量を考慮して目標移動経路を生成してしまうと、逆に、ずれ量が増加してしまう可能性があるためである。このような状況においては、記憶情報非反映指示部120の作用によって、一時的に、過去のずれ量を考慮しないで目標移動経路を生成することができる。
記憶情報非反映指示部120の機能は、図1に示す目標駐車位置・駐車方法指定部40によって目標駐車位置と駐車方法を指定したときに、映像表示部30の画面内に、過去のずれ量を反映するか否かを尋ねるメニューを表示して、運転者が、それに対して必要な情報を入力するインタフェースによって実現される。そして、記憶情報非反映指示部120の機能を利用したときには、駐車完了時に算出されるずれ量は、ずれ量記憶部100に記憶しないものとする。
(実施例における処理の流れの説明)
以上、駐車支援装置1で行われる処理の概要を説明したが、次に、全体の処理の流れを、図8のフローチャートを用いて説明する。なお、前記したキャリブレーションは事前に実施済みであるものとして、図8のフローチャートへは記載は省略する。
(ステップS800)駐車支援開始スイッチ15がONになったか否かを判断する。ONのときはステップS802に進み、ONでないときはステップS800を繰り返す。
(ステップS802)ずれ量記憶部100に記憶されている、後述するずれ補正フラグを読み込む。
(ステップS804)運転者は、目標駐車位置・駐車方法指定部40の作用によって、目標駐車位置・駐車方法の指示を行う。
(ステップS806)撮像部10で車両2の周囲の映像を撮影して画像入力を行い、さらに、座標変換・合成部20で入力された画像を座標変換して俯瞰図に変換する。
(ステップS808)座標変換・合成部20において、生成された俯瞰図を1枚の画像に合成して周囲マップIを作成して、映像表示部30に表示する。
(ステップS810)後述するずれ量補正フラグが立っているか否かを判断する。ずれ量補正フラグが立っているときはステップS812に進み、ずれ量補正フラグが立っていないときはステップS814に進む。
(ステップS812)目標移動経路生成部50において、車両2の現在位置P0から、切り返し点P1を経て目標駐車位置S1に至る、補正された目標移動経路を生成する。
(ステップS814)目標移動経路生成部50において、車両2の現在位置P0から、切り返し点P1を経て目標駐車位置S1に至る、補正されていない目標移動経路を生成する。
(ステップS816)駐車動作実行部70において、目標移動経路生成部50で生成された目標移動経路を辿るように、車両2の操舵角を制御しながら、駐車動作を行う。
(ステップS818)駐車完了判断部80において、駐車動作が完了したか否かを判断する。駐車動作が完了したときはステップS820に進み、駐車動作が完了していないときはステップS806に戻る。ステップS818で行われる処理の詳細な流れについては後述する。
なお、ステップS806に戻った後で、ステップS812において目標移動経路の生成を繰り返すが、これは、ステップS816に戻って駐車動作を継続してもよい。ただし、駐車動作を継続すると、目標移動経路を辿った際に、車両2の走行とともに誤差が蓄積される可能性があるため、ステップS806に戻って、車両2が微小距離走行する毎に、改めて、現在位置からの目標移動経路を生成することによって、誤差の蓄積を防止することができる。
(ステップS820)ずれ量算出部90において、目標駐車位置と実際の駐車位置との間のずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθをそれぞれ算出する。なお、ステップS820で行われる処理の詳細な流れについては後述する。
(ステップS822)ずれ量算出部90において、ずれ量(ずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθ)が、それぞれ、予め設定した許容範囲内にあるか否かを判断する。もし、許容範囲内にあるときは図8の処理を終了する。一方、許容範囲内にないときには、ステップS824に進む。
(ステップS824)ずれ量算出部90において、ずれ量(ずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθのいずれか1つ)が、予め設定した上限値以上であるか否かを判断する。もし、上限値以上であるときにはステップS826に進み、上限値以上でないときにはステップS828に進む。
(ステップS826)警告出力部130において、タイヤ空気圧のチェック、荷物の積載状態の確認、乗員の乗車位置の偏りの確認を行うように、警告を出力する。
(ステップS828)ずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθを、それぞれ、ずれ量記憶部100に記憶する。
(ステップS830)ずれ量算出部90において、ずれ量記憶部100に記憶された、過去のずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθとを分析して、同一方向に所定回数(例えば3回)以上ずれたか否かを判断する。条件に合致したとき(YESのとき)はステップS832に進み、条件に合致しないとき(NOのとき)はステップS834に進む。
(ステップS832)ずれ量記憶部100において、目標移動経路生成部50で車両2の目標移動経路を生成する際に、目標移動経路に補正を施すことを示すずれ量補正フラグを立てる。
(ステップS834)ずれ量記憶部100において、目標移動経路生成部50で車両2の目標移動経路を生成する際に、目標移動経路に補正を施すことを示すずれ量補正フラグをおろす。
次に、図9を用いて、駐車完了判断処理の流れについて説明する。
(ステップS901)縦列駐車中か否かを判断する。縦列駐車中であったら、ステップS902に進み、縦列駐車中でないときはステップS903に進む。
(ステップS902)駐車完了判断部80において、車両2の前端が線分K(図6(b)参照)を跨いで、所定距離以上駐車枠内に進んだ位置にあるか否かを判断する。条件に合ったとき(YESのとき)はステップS907に進み、条件に合わないとき(NOのとき)はステップS902を繰り返す。
(ステップS903)後退で並列駐車中か否かを判断する。後退で並列駐車中であったら、ステップS904に進み、後退で並列駐車中でないときはステップS905に進む。
(ステップS904)駐車完了判断部80において、車両2の前端が線分K(図6(b)参照)を跨いで、所定距離以上駐車枠内に進んだ位置にあるか否かを判断する。条件に合ったとき(YESのとき)はステップS907に進み、条件に合わないとき(NOのとき)はステップS904を繰り返す。
(ステップS905)前進で並列駐車中か否かを判断する。前進で並列駐車中であったら、ステップS906に進み、後退で並列駐車中でないときはステップS901に戻る。
(ステップS906)駐車完了判断部80において、車両2の後端が線分K(図6(c)参照)を跨いで、所定距離以上駐車枠内に進んだ位置にあるか否かを判断する。条件に合ったとき(YESのとき)はステップS907に進み、条件に合わないとき(NOのとき)はステップS906を繰り返す。
(ステップS907)駐車完了判断部80において、駐車が完了したと判断される。
次に、図10を用いて、ずれ量算出処理の流れについて説明する。なお、この処理は、全て、図1に示すずれ量算出部90で行われる。
(ステップS101)車両2の左端位置に対応する特徴点である基準点G2と、車両2の右端位置に対応する特徴点である基準点G1の位置(図7参照)を検出する。基準点G1,G2は、車両2の左右後端を表わす点であって、それらの点は、撮像部10の仕様と車両2の種類が同じであって、なおかつ、周囲マップIの合成方法が同じであれば、周囲マップIの中で、予め決められた位置に存在する。したがって、周囲マップIの中から、車両2を表わす仮想画像に外接する矩形の頂点のうち、駐車枠の奥側にある頂点の位置を検出することによって、基準点G1,G2の位置を検出することができる。また、基準点G1,G2の位置は、駐車支援装置1の仕様が変わらない限り、前記したように、周囲マップ内での座標を予め計算しておくことができるため、その座標を記憶しておき、記憶された値を読み出して使用してもよい。
(ステップS102)車両の左側の区画線上の特徴点である交点A1と、車両の右側の区画線上の特徴点である交点B1の位置(図7参照)を検出する。交点A1の位置は、周囲マップIの中から検出された区画線と、基準点G2を通る水平線との交点のうち、車両2の左側の交点の位置として検出されて、交点B1の位置は、周囲マップIの中から検出された区画線と、基準点G1を通る水平線との交点のうち、車両2の右側の交点の位置として検出される。
(ステップS103)ずれの大きさΔL1(図7参照)を算出する。具体的には、ずれの大きさΔL1は、基準点G2と交点A1の距離として算出される。
(ステップS104)ずれの大きさΔL2(図7参照)を算出する。具体的には、ずれの大きさΔL2は、基準点G1と交点B1の距離として算出される。
(ステップS105)点A2または点B2の位置(図7参照)を検出する。具体的には、点A2は、先に検出した交点A1に対して、周囲マップI上で所定値だけ上方にある区画線Wi上の点として検出される。また、点B2は、先に検出した交点B1に対して、周囲マップI上で所定値だけ上方にある区画線Wi上の点として検出される。
(ステップS106)ずれの方向Δθ(図7参照)を算出する。具体的には、交点A1と点A2を結ぶ線分が、周囲マップIの鉛直方向となす角度として算出される。また、ずれの方向Δθは、交点B1と点B2を結ぶ線分が、周囲マップIの鉛直方向となす角度として算出してもよい。
以上説明したように、このように構成された本発明の1実施形態である駐車支援装置1によれば、目標駐車位置S1の近傍で停止した車両2において、撮像部10が撮像して、運転者に対して提示された車両周囲の映像の中から、目標駐車位置・駐車方法指定部40によって、運転者が目標駐車位置S1と駐車方法を指定して、目標移動経路生成部50が、目標駐車位置S1の近傍から目標駐車位置S1までの車両2の目標移動経路を生成して、駐車動作実行部70が、生成された目標移動経路に従って車両2を駐車させて、駐車完了判断部80が、駐車が完了したことを判断して、ずれ量算出部90が、駐車が完了したときの、車両2の位置と目標駐車位置S1とのずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθ(ずれ量)を算出して、ずれ量記憶部100が、算出されたずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθ(ずれ量)を記憶する。そして、目標移動経路生成部50が新たな目標移動経路を生成するときに、ずれ量記憶部100に記憶された、過去複数回の駐車完了時のずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθ(ずれ量)に基づいて、ΔL1=ΔL2,Δθ=0になるように(ずれ量が発生しないように)、目標駐車位置S1の近傍から目標駐車位置S1までの車両2の目標移動経路を生成するため、タイヤ空気圧の低下や空気圧のばらつき、乗員の乗車位置の偏り、荷物の積載位置の偏り等に左右されずに、また、運転者が特別な操作を行うことなしに、目標駐車位置S1の中に、駐車枠を示す区画線と所定の位置関係を保った状態で、車両2を確実に駐車することができる。
また、本発明の1実施形態である駐車支援装置1によれば、ずれ量算出部90は、ずれ量として、車両2の左端と車両2の左側の駐車枠を表わす区画線との距離で表わされる左方のずれの大きさΔL1と、車両2の右端と車両2の右側の駐車枠を表わす区画線との距離とで表わされる右方のずれの大きさΔL2と、車両2の左端、または右端に沿う直線と駐車枠を表わす区画線との角度で表わされるずれの方向Δθと、を算出するため、駐車が完了したときの車両2の姿勢を簡便に算出することができる。
また、本発明の1実施形態である駐車支援装置1によれば、ずれ量算出部90は、車両2の駐車が完了したときに、目標駐車位置S1の周囲に引かれた区画線のうち、車両2の左側の区画線上にある2つの特徴点である、交点A1と点A2の位置と、車両2の左端位置に対応する1つの特徴点である基準点G2の位置と、を検出して、検出された交点A1の位置と基準点G2の位置とに基づいて左方のずれの大きさΔL1を算出し、車両2の右側の区画線上にある2つの特徴点である、交点B1と点B2の位置と、車両2の右端位置に対応する1つの特徴点である基準点G1の位置と、を検出して、検出された交点B1の位置と基準点G1の位置とに基づいて右方のずれの大きさΔL2を算出し、さらに、車両2の左側の区画線上にある2つの特徴点である、交点A1と点A2の位置、または、車両2の右側の区画線上にある2つの特徴点である、交点B1と点B2の位置、に基づいて、ずれの方向Δθを算出するため、駐車が完了したときの車両2の位置と目標駐車位置S1とのずれを、簡単な処理によって算出することができる。
また、本発明の1実施形態である駐車支援装置1によれば、目標移動経路生成部50が、所定回数の駐車を行って、左方のずれの大きさΔL1と右方のずれの大きさΔL2の差分値と、ずれの方向Δθと、がともに所定範囲内にあるとき、駐車動作実行部70が次の駐車を行う際に、目標駐車位置S1に、左方のずれの大きさΔL1と右方のずれの大きさΔL2の差分値が0になり、かつ、ずれの方向Δθが0になるように駐車することができる目標移動経路を生成するため、運転者が何ら特別な指示を行うことなしに、ずれ量の発生を確実に補正することができる。
また、本発明の1実施形態である駐車支援装置1によれば、車両の前端または後端が、前記車両の左右にそれぞれ引かれた2本の区画線のそれぞれ端点のうち、前記車両が進入する側の2つの端点を結んだ線分に対して、目標駐車位置の外側から前記目標駐車位置の内側に所定距離以上離れた位置にあること、を検出して、前記車両の駐車が完了したと判断するため、駐車が完了したときの車両2の位置と目標駐車位置S1とのずれを簡便な演算によって算出することができる。
また、本発明の1実施形態である駐車支援装置1によれば、ずれ量記憶部100に記憶されたずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθ(ずれ量)を消去する記憶情報消去部110を有するため、車両状態が大きく変化したときには、過去のずれ量を消去することができ、これによって、車両状態が変化する前のずれ量を用いて目標移動経路を生成してしまうことにより、駐車完了時に、車両2のずれ量が増大してしまうことを防止できる。
また、本発明の1実施形態である駐車支援装置1は、ずれ量記憶部100に記憶されたずれの大きさΔL1,ΔL2とずれの方向Δθ(ずれ量)を目標移動経路生成部50において車両2の目標移動経路を生成する際に利用しない記憶情報非反映指示部120を有するため、普段利用している駐車場とは状態が大きく異なる駐車場において、ずれ量を補正した目標移動経路の生成を一時的に中止することができ、これによって、車両2のずれ量が増大してしまうことを防止できる。
また、本発明の1実施形態である駐車支援装置1によれば、ずれ量算出部90で算出されたずれの大きさΔL1,ΔL2の差とずれの方向Δθ(ずれ量)のうち、少なくとも一方が所定の上限値以上であるときに警告を出力する警告出力部130を有するため、車両に異常が発生している可能性があることを運転者に対して確実に警告することができ、タイヤ空気圧のチェックや、荷物の積載状態の確認、乗員の乗車位置の偏りの確認を促すことができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。