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JP6218214B2 - 架構体及び建物 - Google Patents
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JP6218214B2 - 架構体及び建物 - Google Patents

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Description

本発明は、架構体及び建物に係り、詳しくは、左右一対の鉛直部材と上側の水平部材及び下側の水平部材とで囲まれた矩形枠内部に設けられる架構体、及び該架構体を備えた建物に関するものである。
従来、建物の構造形式として、柱、梁からなるラーメン架構と、この架構内に設けられた間柱などの中間部材及び筋違やブレースなどの斜材と、を組み合わせた複合構造が用いられている。このような複合構造では、ラーメン架構によって建物の鉛直荷重と水平荷重(地震荷重や風荷重)を支持するとともに、中間部材及び斜材には水平荷重を主に負担させることで、耐震(耐風)性を高めるものとされている。複合構造として、上下の梁の中間位置同士を連結して設けられる中間部材(間柱)と、この中間部材に対して四方の柱梁接合部から延びて連結されるブレースと、を備えたブレース構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このブレース構造は、中間部材に対する一対の上ブレースと、一対の下ブレースと、の連結位置を上下にずらして偏心させることで、中間部材の偏心部分(上下ブレースの連結位置間)を集中的にせん断変形させ、この偏心部分をエネルギー吸収材として利用するものである。
特開平10−227061号公報
しかしながら、特許文献1に記載された従来のように、中間部材の偏心部分に応力を集中させて、その塑性変形によってエネルギー吸収させようとする構造においては、エネルギー吸収材の周辺部材を強固に補強したり、周辺部材に付加応力が作用しないような機構を設けたりしなければならず、構造が複雑になって材料及び施工のコストが増加してしまう。さらに、エネルギー吸収材に応力を集中させる従来の構造では、エネルギー吸収材の周辺部材の剛性を高める必要があり、架構全体の初期剛性が高くなり過ぎることから、地震動等の水平力が作用した際に建物への入力が過大になり、柱の定着部や柱梁接合部が損傷してしまい、構造性能を十分に高めることができないという問題もある。
したがって、本発明は、構造を簡単化することができて低コストで施工可能であるとともに、構造性能を向上させることができる架構体及び建物を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の架構体は、左右一対の鉛直部材と上側の水平部材及び下側の水平部材とで囲まれた矩形枠内部に設けられる架構体であって、前記一対の鉛直部材のうちの一方の上端部から他方の下端部まで延びる主斜材と、前記一対の鉛直部材のうちの他方の上端部から斜め下方に延びて前記主斜材まで延びる上側斜材と、前記一対の鉛直部材のうちの一方の下端部から斜め上方に延びて前記主斜材まで延びる下側斜材と、前記主斜材の両端部と前記一対の鉛直部材とをそれぞれ接続する接合部材と、前記上側斜材の上端部と前記他方の鉛直部材とを接続する上側第一接続部材と、前記上側斜材の下端部と前記主斜材とを接続する上側第二接続部材と、前記下側斜材の下端部と前記一方の鉛直部材とを接続する下側第一接続部材と、前記下側斜材の上端部と前記主斜材とを接続する下側第二接続部材と、を備え、前記上側第二接続部材と前記下側第二接続部材とは、前記主斜材の長手方向中央位置を挟んで上下に略等距離だけ離隔して設けられていることを特徴とする。
このような本発明の架構体によれば、主斜材に対して上側斜材と下側斜材とが主斜材の中央よりも上下に偏心して接続されているので、架構体に水平力が作用した場合には、主斜材と上側斜材及び下側斜材とがそれぞれ筋交いとして軸力を負担し、水平力に抵抗するとともに、上側斜材及び下側斜材が負担する軸力によって主斜材に曲げモーメントとせん断力とが生じることとなる。このように主斜材が軸力材と同時に曲げ材として機能することで、X型の筋交いを用いた軸力構造と比較して、架構体の水平剛性を抑制しつつ、曲げ変形による靱性を高めることができる。従って、水平剛性の抑制によって地震動の加速度入力を低下させることができるとともに、高い靱性によって変形性能を向上させることができ、繰り返し入力される地震動のような外力に対しても復元力を維持して、高い履歴エネルギー吸収性能を発揮することができる。
さらに、本発明によれば、主斜材を鉛直部材に接続する接合部材と、上側斜材を鉛直部材に接続する上側第一接続部材と、上側斜材を主斜材に接続する上側第二接続部材と、下側斜材を鉛直部材に接続する下側第一接続部材と、下側斜材を主斜材に接続する下側第二接続部材と、の各部において一対(2つ)の部材同士が接続され、3以上の部材が同一部位に重なって接続されることがないので、接続部の構造を簡単化することができる。このため、接合部材、及び各接続部材の部材形状を単純化かつ小型化できるとともに、接続作業も簡便かつ迅速に行うことができ、各部材の材料コスト及び施工コストを抑制することができる。
請求項2に記載の架構体は、請求項1に記載された架構体において、前記上側第接続部材、前記上側第二接続部材、前記下側第接続部材、及び前記下側第二接続部材のうち少なくとも1つは、減衰手段が設けられた減衰接続部材とされていることが好ましい。
このような構成によれば、上側斜材及び下側斜材の少なくとも一方と鉛直部材又は主斜材とが減衰接続部材で接続されることで、架構体に水平力が作用した場合に減衰手段による減衰力を発揮させることができ、そのエネルギー吸収によって架構体の損傷を防止し、構造性能をさらに高めることができる。
請求項3に記載の架構体は、請求項2に記載された架構体において、前記減衰接続部材は、接続対象の一方の部材に固定されるベース部材と、他方の部材に設けられて前記ベース部材と相対移動自在な移動部材と、を有し、前記減衰手段は、前記ベース部材と前記移動部材との相対移動によって減衰力を発揮可能に構成されていることが好ましい。
このような構成によれば、ベース部材と移動部材との相対移動によって減衰力を発揮するように減衰接続部材が構成されていることで、上側斜材及び下側斜材の少なくとも一方と鉛直部材又は主斜材との接続部分における応力の伝達を減衰力に効率的に変換することができる。また、上側斜材及び下側斜材の少なくとも一方と鉛直部材又は主斜材との接続部分において、減衰接続部材のベース部材と移動部材とに相対移動を生じさせることで、架構体の初期水平剛性がさらに抑制されることとなり、加速度入力を低減させるとともに、鉛直部材の定着部や水平部材との接合部に作用する応力を低減して構造性能を高めることができる。
請求項4に記載の架構体は、請求項3に記載の架構体において、前記減衰接続部材において、前記ベース部材には、前記移動部材の移動を所定範囲内に規制する移動規制部が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、移動規制部によって移動部材の移動を所定範囲内に規制することで、架構体にある程度以上の水平変位が生じた場合には、減衰接続部材におけるベース部材と移動部材との相対移動を規制し、即ち、上側斜材及び下側斜材と鉛直部材及び主斜材とが移動不能に接続されるようにすることで、架構体に過度な水平変位が生じることを防止することができる。
請求項5に記載の架構体は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の架構体において、前記主斜材、前記上側斜材、及び前記下側斜材は、それぞれ木製、竹製、金属製、又は樹脂製であるか、あるいは該素材のうちから複数の素材を複合した複合材料製であることを特徴とする。
このような構成によれば、建物の構造種別や規模に応じて適切な素材を選択し、素材の強度や変形性能に応じた構造性能の架構体を構成することができる。ここで、例えば、木造住宅等の比較的小規模な建物においては、主斜材、上側斜材及び下側斜材を木製又は竹製とするか、主斜材のみを竹製とすることで、比較的安価に架構体を構成することができる。一方、鉄骨造のビル等の場合には、主斜材、上側斜材及び下側斜材を鋼製やその他金属製とすることで、強度を高めて大きな水平力を負担させることができる。
請求項6に記載の建物は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の架構体を骨組み内に備えたことを特徴とする。
ここで、本発明の建物としては、その用途(住宅、店舗、商業ビル、工場、倉庫など)や、規模(建築面積、容積、階数など)、構造種別(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)は、いずれも限定されず、各種の建物に対して本発明の架構体を適用することができる。また、本発明において、鉛直部材とは、柱等の鉛直方向に延びて設けられる部材を意味し、水平部材とは、梁や基礎、土台等の水平方向に延びて設けられる部材を意味するが、ここでの鉛直方向や水平方向としては、多少の傾きを有した方向をも含むものである。
以上の本発明によれば、主斜材に対して上側斜材及び下側斜材を偏心させて接続したことで、主斜材が軸力材と同時に曲げ材として機能することから、架構体の水平剛性を抑制して加速度入力を低下させることができるとともに、曲げ変形による靱性を高めて変形性能を向上させることができる。さらに、各部材同士の接続部の構造を簡単化することができるので、部材形状の簡素化と接続作業の簡便化を図ることができ、架構体の設置コストを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る架構体を示す正面図である。 前記架構体の一部を拡大して示す正面図である。 本発明の変形例に係る架構体を示す正面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る架構体を用いた建物の骨組みを、図1、図2に基づいて説明する。本実施形態の架構体10を用いた建物の骨組み1は、例えば、戸建て住宅やアパート等の建物であって、木造軸組み構造かつ2階〜3階建ての比較的小規模な建物に適用されるものである。骨組み1は、複数の鉛直部材としての柱Cと、これらの柱Cの上端部を連結して水平方向に延びる上側の水平部材としての梁G1と、柱Cの下端部を連結して水平方向に延びる下側の水平部材としての基礎梁G2と、を有して構成されている。基礎梁G2は、鉄筋コンクリート製の基礎Fの上部に固定されている。なお、下側の水平部材は、基礎梁に限らず、一般の梁であってもよい。そして、架構体10は、左右一対の柱Cと上下の梁G1及び基礎梁G2とで囲まれた矩形枠Wの内部に設けられ、建物に作用する水平力(地震荷重や風荷重)を主に負担するものであって、建物の骨組み1における複数個所にバランスよく設けられている。
柱Cは、角形断面を有した杉の集成材等の木材で構成され、例えば、105mmx105mmの断面寸法を有して形成されている。梁G1は、角形断面を有した杉の集成材等の木材で構成され、例えば、105mmx180mmの断面寸法を有して形成されている。基礎梁G2は、角形断面を有した杉の集成材等の木材で構成され、例えば、105mmx105mmの断面寸法を有して形成されている。柱Cの下端部は、基礎Fから基礎梁G2を貫通して設けられる定着部材B1によって基礎梁G2に接合されている。柱Cの上端部は、梁G1に固定されるか又は梁G1を貫通して上階の柱(不図示)に固定される定着部材B2によって梁G1に接合されている。これらの定着部材B1,B2は、例えば、30mmの径寸法を有したホールダウン金物やアンカーボルト等が利用可能である。また、矩形枠Wの内部には、架構体10の側面に沿って内装材や外装材を固定するための横材Tや縦材Mが設けられている。
架構体10は、左右一対の柱Cのうち、一方(図1の左側)の柱Cの上端部から他方(図1の右側)の柱Cの下端部まで延びる主斜材11と、他方の柱Cの上端部から斜め下方に延びて主斜材11まで延びる上側斜材12と、一方の柱Cの下端部から斜め上方に延びて主斜材11まで延びる下側斜材13と、主斜材11の上下端部と一方の柱Cの上端部及び他方の柱Cの下端部とをそれぞれ接続する接合部材14と、上側斜材12の上端部と他方の柱Cの上端部とを接続する上側第一接続部材15と、上側斜材12の下端部と主斜材11とを接続する上側第二接続部材である減衰接続部材20と、下側斜材13の下端部と一方の柱Cの下端部とを接続する下側第一接続部材16と、下側斜材13の上端部と主斜材11とを接続する下側第二接続部材である減衰接続部材20と、を備えて構成されている。これらの主斜材11、上側斜材12、及び下側斜材13は、例えば、105mmx45mmの断面寸法を有した竹の集成材で構成されている。
接合部材14、上側第一接続部材15及び下側第一接続部材16は、同一の部材から構成され、断面コ字形に形成されるとともに柱Cの側面にビスやボルトによって固定されるものであって、定着部材B1,B2と連結される定着部17と、この定着部17から延びる一対の接続部18と、を有している。一対の接続部18は、主斜材11、上側斜材12及び下側斜材13のそれぞれの端部を挟んで設けられ、これらを貫通するピン19によって回転可能に接続されている。即ち、主斜材11、上側斜材12及び下側斜材13は、柱Cに対してピン接合され、これらの各部材の端部には曲げモーメントが生じないようになっている。
減衰接続部材20は、図2にも示すように、接続対象の一方の部材である主斜材11に固定されるベース部材21と、他方の部材である上側斜材12及び下側斜材13の端部に設けられる移動部材22と、ベース部材21と移動部材22との間に設けられる減衰手段としての粘弾性体23と、を有して構成されている。ベース部材21は、主斜材11の側面に沿って固定される平板状の第一ベース板21Aと、この第一ベース板21Aを覆って固定される側面凹字状の第二ベース板21Bと、これらを主斜材11に固定するボルト24及びナット25と、を有して構成されている。移動部材22は、底面部22Aと、この底面部22Aの両端縁から立ち上がる一対の側面部22Bと、を有して断面コ字形に形成され、ボルト26及びナット27によって上側斜材12及び下側斜材13の端部に回転自在に取り付けられている。この移動部材22は、底面部22Aが第一ベース板21Aと第二ベース板21Bとの間に挿通されることで、ベース部材21に対して主斜材11の軸方向に沿って相対移動自在に設けられている。
粘弾性体23は、第一ベース板21Aと底面部22Aとの間、及び第二ベース板21Bと底面部22Aとの間、即ち底面部22Aの表裏に一対で設けられている。この粘弾性体23は、ベース部材21と移動部材22との相対移動によってせん断変形し、この変形によって減衰力を発揮可能に構成されている。また、第二ベース板21Bは、移動部材22の底面部22Aを挿通させる隙間の端部を構成する段部21Cを有し、この段部21Cと底面部22Aとの間に、移動部材22が移動可能なクリアランスAが設けられている。従って、移動部材22は、一方側及び他方側に向かってそれぞれクリアランスAの距離だけ移動可能に構成されており、その距離を移動したら段部21Cに当接することで、それ以上の移動が規制されている。即ち、段部21Cによって、移動部材22の移動を所定範囲内に規制する移動規制部が構成されている。
以上の骨組み1及び架構体10において、各部の寸法としては、例えば、左右の柱Cの間隔である柱スパンLが910mm、梁G1の下端と基礎梁G2の上端との距離である内法高さHが2700mmに設定されている。また、主斜材11に対する上側斜材12及び下側斜材13の接続位置、即ち、減衰接続部材20の位置は、主斜材11の長手方向中央位置を挟んで上下に略等距離だけ離隔して設けられ、上下の減衰接続部材20間の距離は、主斜材11の長さ寸法の1/3程度に設定されている。なお、主斜材11の長手方向に沿った減衰接続部材20の位置は、後述するように、主斜材11に曲げ変形を生じさせる位置であればよく、上下の減衰接続部材20同士が接近し過ぎないことが好ましく、その間隔寸法が主斜材11の長さ寸法の1/4以上かつ1/2以下程度に設定されていればよい。さらに、主斜材11と上側斜材12及び下側斜材13とが成す交差角度としては、減衰接続部材20のベース部材21と移動部材22とに相対変位が生じやすくするために、交差角度が小さい方が好ましいが、30°以上かつ60°以下程度に設定されていればよい。
次に、架構体10の作用について説明する。建物に地震等の外力が入力した場合、骨組み1をせん断変形させるような水平力が作用する。例えば、図1において、梁G1位置に左から右に向かう水平力が作用した場合には、主斜材11に圧縮の軸力が生じて、この主斜材11が筋交いとして機能する。これと同時に、上側斜材12に引張の軸力が生じ、その下端部の減衰接続部材20において、移動部材22がベース部材21に対して上方にスライドし、このスライドによって粘弾性体23にせん断変形が生じる。これと同様に、下側斜材13に引張の軸力が生じ、その上端部の減衰接続部材20において、移動部材22がベース部材21に対して下方にスライドし、このスライドによって粘弾性体23にせん断変形が生じる。このように作用する水平力が微小で、骨組み1のせん断変形が小さい範囲(例えば、層間変形角が1/200程度)では、主斜材11が筋交いとして機能するとともに、減衰接続部材20の粘弾性体23による減衰力が発揮され、建物の振動が抑制できるようになっている。
次に、外力レベルが上がって骨組み1に作用する水平力が大きくなり、骨組み1のせん断変形がある程度まで大きくなった場合(例えば、層間変形角が1/100程度)には、減衰接続部材20における移動部材22がクリアランスAの距離だけ移動し、ベース部材21の段部21Cに当接することで移動が規制され、主斜材11と上側斜材12及び下側斜材13とが移動不能かつ回転可能にピン接合されることとなり、これらの部材間で直接的に応力伝達が行われる。具体的には、上側斜材12及び下側斜材13に生じる軸力の分力が主斜材11に軸力及びせん断力として伝達され、主斜材11に曲げモーメントが発生する。このように上側斜材12及び下側斜材13から伝達される分力は対称形となるため、主斜材11には、その長手方向中央を中心として上下逆向きの曲げモーメント及びせん断力が生じ、主斜材11がS字形に変形することとなる。即ち、主斜材11が軸力を負担する筋交いとして機能するとともに、曲げモーメント及びせん断力を負担する曲げ材としても機能する。
以上の本実施形態によれば、主斜材11が筋交い(軸力材)と同時に曲げ材として機能することで、架構体10の水平剛性を抑制しつつ、曲げ変形による靱性を高めることができる。従って、水平剛性の抑制によって地震動等の加速度入力を減少させることができるとともに、高い靱性によって変形性能を向上させることができ、繰り返し入力される地震動のような外力に対しても復元力を維持して、高い履歴エネルギー吸収性能を発揮することができる。さらに、主斜材11と上側斜材12及び下側斜材13と減衰接続部材20で接続されているので、架構体10に水平力が作用した場合に粘弾性体23による減衰力を発揮させることができ、そのエネルギー吸収によって架構体10及び骨組み1の損傷を防止し、構造性能をさらに高めることができる。また、大きな外力が作用した場合には、減衰接続部材20におけるベース部材21の段部21Cに当接することで移動部材22の移動が規制されることで、架構体10及び骨組み1に過度な水平変位が生じないようにして建物の倒壊を防止することができる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、前記実施形態では、柱C、梁G1、基礎梁G2が木製の木造建物における骨組み1に対し、主斜材11、上側斜材12及び下側斜材13が竹の集成材からなる架構体10を設けたが、主斜材11、上側斜材12及び下側斜材13を木製としてもよいし、木製や竹製に限らず、各部材が鉄骨製や鉄筋コンクリート製であってもよいし、木製や竹製と鉄骨製や鉄筋コンクリート製とを混合したものであってもよい。また、本発明の架構体は、2〜3階建ての戸建て住宅等の比較的小規模の建物に設けられるものに限らず、事務所ビルや倉庫、校舎などにも適用可能である。さらに、本発明の架構体は、新築の建物の施工時に骨組みに組み込まれるものに限らず、既存の建物に対して後から取り付けられる耐震補強用の架構体としても利用可能である。
また、本発明の架構体は、図3に示すものであってもよい。具体的には、架構体10Aは、前記実施形態の架構体10における減衰接続部材20に代えて、上側斜材12の下端部と主斜材11とが上側第二接続部材31で接続され、下側斜材13の上端部と主斜材11とが下側第二接続部材32で接続されている。上側第二接続部材31及び下側第二接続部材32は、主斜材11の側面にビスやボルトによって固定される固定部33と、この固定部33から延びる一対の接続部34と、上側斜材12及び下側斜材13の端部を貫通するピン35と、を有して断面コ字形に形成されている。また、上側第二接続部材31及び下側第二接続部材32において、固定部33と接続部34との境界部分には、ノッチ(切欠き)が形成されており、上側斜材12及び下側斜材13から主斜材11に作用する力が一定値を超えた場合には、ノッチによって折れ曲がり、これによって過大な力が主斜材11に作用することが防止されている。このような架構体10Aによれば、前記実施形態の架構体10のように減衰接続部材20によるエネルギー吸収は期待できないものの、それ以外については架構体10と同様の効果が得られる。
さらに、架構体10Aによれば、外力レベルが上がって骨組み1に作用する水平力が大きくなり、骨組み1のせん断変形が大きくなった場合(例えば、層間変形角が1/50程度)には、互いにピン接合された主斜材11と上側斜材12及び下側斜材13とに作用する応力が大きくなることから、上側第二接続部材31及び下側第二接続部材32の伝達応力も大きくなり、これらの部材がノッチ部分で折れ曲がり、応力伝達が抑制されるとともに、ノッチ部分の塑性変形によるエネルギー吸収が行われる。即ち、架構体10Aの負担せん断力が頭打ちになり、この架構体10Aから柱Cに伝達される応力が抑制されることで、柱Cの破壊や定着部材B1,B2の破断が防止されるようになっている。この場合でも、主斜材11が筋交いとして機能するとともに曲げ材としても機能し、曲げ材として靱性を有した主斜材11による負担応力が維持できるようになっている。
1 骨組み
10 架構体
11 主斜材
12 上側斜材
13 下側斜材
14 接合部材
15 上側第一接続部材
16 下側第一接続部材
20 減衰接続部材(上側第二接続部材、下側第二接続部材)
21 ベース部材
21C 段部(移動規制部)
22 移動部材
23 粘弾性体(減衰手段)
31 上側第二接続部材
32 下側第二接続部材
C 柱(鉛直部材)
G1 梁(水平部材)
G2 基礎梁(水平部材)
W 矩形枠

Claims (6)

  1. 左右一対の鉛直部材と上側の水平部材及び下側の水平部材とで囲まれた矩形枠内部に設けられる架構体であって、
    前記一対の鉛直部材のうちの一方の上端部から他方の下端部まで延びる主斜材と、
    前記一対の鉛直部材のうちの他方の上端部から斜め下方に延びて前記主斜材まで延びる上側斜材と、
    前記一対の鉛直部材のうちの一方の下端部から斜め上方に延びて前記主斜材まで延びる下側斜材と、
    前記主斜材の両端部と前記一対の鉛直部材とをそれぞれ接続する接合部材と、
    前記上側斜材の上端部と前記他方の鉛直部材とを接続する上側第一接続部材と、
    前記上側斜材の下端部と前記主斜材とを接続する上側第二接続部材と、
    前記下側斜材の下端部と前記一方の鉛直部材とを接続する下側第一接続部材と、
    前記下側斜材の上端部と前記主斜材とを接続する下側第二接続部材と、を備え、
    前記上側第二接続部材と前記下側第二接続部材とは、前記主斜材の長手方向中央位置を挟んで上下に略等距離だけ離隔して設けられていることを特徴とする架構体。
  2. 前記上側第接続部材、前記上側第二接続部材、前記下側第接続部材、及び前記下側第二接続部材のうち少なくとも1つは、減衰手段が設けられた減衰接続部材とされていることを特徴とする請求項1に記載の架構体。
  3. 前記減衰接続部材は、接続対象の一方の部材に固定されるベース部材と、他方の部材に設けられて前記ベース部材と相対移動自在な移動部材と、を有し、
    前記減衰手段は、前記ベース部材と前記移動部材との相対移動によって減衰力を発揮可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の架構体。
  4. 前記減衰接続部材において、前記ベース部材には、前記移動部材の移動を所定範囲内に規制する移動規制部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の架構体。
  5. 前記主斜材、前記上側斜材、及び前記下側斜材は、それぞれ木製、竹製、金属製、又は樹脂製であるか、あるいは該素材のうちから複数の素材を複合した複合材料製であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の架構体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の架構体を骨組み内に備えたことを特徴とする建物。
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