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JP6223244B2 - アンテナ装置及びアンテナ励振方法 - Google Patents
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JP6223244B2 - アンテナ装置及びアンテナ励振方法 - Google Patents

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Description

この発明は、フェーズドアレーアンテナを構成する複数の素子アンテナの励振位相を調整して、低サイドローブ化を実現するアンテナ装置及びアンテナ励振方法に関するものである。
複数の素子アンテナから構成されているフェーズドアレーアンテナでは、複数の素子アンテナの励振分布(励振振幅位相)を制御することにより、単一のアンテナでは実現することが難しいアンテナ放射パターンを形成することができる。
フェーズドアレーアンテナでは、複数の素子アンテナに接続される移相器の移相量を制御することで、電子的にアンテナ放射パターンを制御することができるため、各種のレーダシステムや衛星搭載用アンテナとして広く利用されている。
上述の移相器には、移相量を連続的に可変するアナログ移相器と、移相量を離散的な値に切り換えるディジタル移相器とがある。
アナログ移相器では、高精度な制御が難しいため、一般的には、制御の点で有利なディジタル移相器が用いられることが多い。
ディジタル移相器を用いる場合、切り換えられる移相量が量子化ビット数に対応する離散的な値になるため、理想的な移相量とディジタル移相器で実現可能な移相量との間に量子化位相誤差が生じる。また、ディジタル移相器では、ダイオードやトランジスタなどの半導体スイッチによって移相量が切り換えられるため、半導体スイッチの個体毎の特性の違いに伴って通過振幅誤差及び通過位相誤差が生じる。上記の誤差の影響で、アンテナ特性の劣化が生じる。
以下の特許文献1には、上記の誤差の影響を低減するために、メインアンテナの受信信号S1とサブアンテナの受信信号の分配信号S2,S3とが合成された際の電力が最小となるように素子アンテナの励振振幅位相を制御するアンテナ装置が開示されている。
ただし、フェーズドアレーアンテナにおける励振振幅を自在に制御することは容易ではない。
また、素子アンテナの励振振幅位相を制御するには、可変減衰器等のハードウェアをフェーズドアレーアンテナに追加する必要があるため、製造コストが大きくなる。
以下の特許文献2には、フェーズドアレーアンテナの励振振幅を自在に制御できるようにするために、時間ウエイトの概念を利用している時間変調アレーアンテナが開示されている。
これは、複数の励振位相で受信又は送信した信号を時間平均することにより、等価的に所定の振幅分布を与えた状態と同じ放射パターンを得るものである。
(例えば、特許文献1を参照)。
特開2013−118613号公報(図1) 特開2013−219742号公報(図1)
従来のアンテナ装置は以上のように構成されているので、特許文献2の場合、フェーズドアレーアンテナの励振振幅を自在に制御することができるが、ディジタル移相器の量子化誤差である振幅誤差や位相誤差を低減する手段を備えておらず、サイドローブレベルが劣化してしまうなどの課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、可変減衰器等のハードウェアをフェーズドアレーアンテナに追加することなく、移相器の量子化誤差を低減して、低サイドローブ化を実現することができるアンテナ装置及びアンテナ励振方法を得ることを目的とする。
この発明に係るアンテナ装置は、フェーズドアレーアンテナを構成する複数の素子アンテナと、素子アンテナにより受信された信号の位相を調整する複数の移相器と、素子アンテナの励振分布及び移相器の励振位相を時分割に切り換える切換回数を設定する設定手段と、移相器について設定可能な励振位相の中から、切換回数分の励振位相の組み合わせを複数選択し、その励振位相の組み合わせ毎に、切換回数分の励振位相が示す位相ベクトルの合成ベクトルを算出する合成ベクトル算出手段と、合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、設定手段により設定された励振分布を示す励振ベクトルと相関している合成ベクトルを選択する合成ベクトル選択手段と、合成ベクトル選択手段により選択された合成ベクトルが示す励振位相にしたがって移相器の移相量を制御する移相量制御手段と、複数の移相器により位相が調整された信号を合成する合成手段とを設け、時間平均処理手段が、合成手段により合成された信号の時間平均を算出するようにしたものである。
この発明によれば、移相器について設定可能な励振位相の中から、切換回数分の励振位相の組み合わせを複数選択し、その励振位相の組み合わせ毎に、切換回数分の励振位相が示す位相ベクトルの合成ベクトルを算出する合成ベクトル算出手段と、合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、設定手段により設定された励振分布を示す励振ベクトルと相関している合成ベクトルを選択する合成ベクトル選択手段とを備え、移相量制御手段が、合成ベクトル選択手段により選択された合成ベクトルが示す励振位相にしたがって移相器の移相量を制御するように構成したので、可変減衰器等のハードウェアをフェーズドアレーアンテナに追加することなく、移相器の量子化誤差を低減して、低サイドローブ化を実現することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるアンテナ装置の処理内容(アンテナ励振方法)を示すフローチャートである。 励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルなどを示す説明図である。 切換回数Mを増やすことで、量子化誤差の低減精度が向上する旨を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるアンテナ装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるアンテナ装置の処理内容(アンテナ励振方法)を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3によるアンテナ装置を示す構成図である。 式(3)の関係を示す概念図である。
実施の形態1.
この実施の形態1では、アンテナ装置がN本の素子アンテナを備え、受信アンテナとして動作する場合を想定して説明する。
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置を示す構成図である。
図1において、1−1〜1−Nはアンテナ開口を形成するN本の素子アンテナである。
移相器2−1〜2−Nは移相器制御装置5の制御の下で、素子アンテナ1−1〜1−Nにより受信された信号の位相を調整する。
電力合成器3は移相器2−1〜2−Nにより位相が調整された信号を合成し、その合成信号を受信機11に出力する合成手段である。
なお、素子アンテナ1−1〜1−N、移相器2−1〜2−N及び電力合成器3からフェーズドアレーアンテナ4が構成されている。
移相器制御装置5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、移相器2−1〜2−Nの移相量を制御する装置である。
移相器制御装置5の励振分布設定部6は所望の放射パターンを実現するために、素子アンテナ1−1〜1−Nの理想的な励振分布である励振振幅位相を設定する設定部である。
位相切換回数設定部7は移相器2−1〜2−Nの励振位相を時分割で切り換える切換回数Mを設定する設定部である。
なお、励振分布設定部6及び位相切換回数設定部7から設定手段が構成されている。
合成ベクトル算出部8は移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相(移相器2−1〜2−Nの量子化ビット数から定まる全ての励振位相であり、例えば、量子化ビット数が5ビットであれば、設定可能な励振位相の個数は32個である)の中から、切換回数分(M個分)の励振位相βm,k(移相状態)の組み合わせを複数選択し、その励振位相βm,kの組み合わせ毎に、切換回数分(M個分)の励振位相βm,kが示す位相ベクトルの合成ベクトルvkを算出する処理を実施する。なお、合成ベクトル算出部8は合成ベクトル算出手段を構成している。
ベクトル比較部9は合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkの中から、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相を示す励振ベクトルVdと相関している合成ベクトルvkを選択する処理を実施する。例えば、合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkと、励振分布設定部6により設定された励振ベクトルVdとのユークリッド距離を算出し、そのユークリッド距離が最小の合成ベクトルを選択する。なお、ベクトル比較部9は合成ベクトル選択手段を構成している。
移相器制御信号出力部10は励振時間設定部12により設定された励振時間の間、ベクトル比較部9により選択された合成ベクトルvkが示す励振位相を移相器2−1〜2−Nに設定することで、その移相器2−1〜2−Nの移相量を制御する処理を実施する。なお、移相器制御信号出力部10は移相量制御手段を構成している。
受信機11は電力合成器3から出力された合成信号を検波して、その合成信号をディジタルデータに変換し、そのディジタルデータを時間平均処理部13に出力する。
励振時間設定部12は励振時間を設定する設定部である。
時間平均処理部13は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、受信機11から出力されたディジタルデータの時間平均を算出する処理を実施する。なお、時間平均処理部13は時間平均処理手段を構成している。
信号処理部14は時間平均処理部13により時間平均の算出結果から、例えば、所望の信号を探知する処理などを実施する。
なお、この発明の各実施の形態では、処理するデータをディジタルデータとして処理するが、ディジタルデータに限らず、アナログデータで処理してもよい。
図1の例では、アンテナ装置の構成要素であるフェーズドアレーアンテナ4、移相器制御装置5、受信機11、励振時間設定部12、時間平均処理部13及び信号処理部14のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを示したが、例えば、フェーズドアレーアンテナ4及び受信機11以外の構成要素がコンピュータで構成されていてもよい。
フェーズドアレーアンテナ4及び受信機11以外の構成要素をコンピュータで構成する場合、移相器制御装置5、励振時間設定部12、時間平均処理部13及び信号処理部14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1によるアンテナ装置の処理内容(アンテナ励振方法)を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
この実施の形態1では、N本の素子アンテナ1−1〜1−Nが等間隔に配置されているリニアアレーアンテナである例を説明する。
まず、移相器制御装置5の励振分布設定部6は、所望の放射パターンを実現するために、素子アンテナ1−1〜1−Nの理想的な励振分布である励振振幅位相An(n=1,2,・・・,N)を設定する(図2のステップST1)。
例えば、素子アンテナ1の本数が8本であれば、素子アンテナ1毎に、8個の励振振幅位相Anを設定する。
次に、位相切換回数設定部7は、移相器2−1〜2−Nの励振位相を時分割で切り換える切換回数Mを設定する(ステップST2)。
また、励振時間設定部12は、時分割で切り換えられる励振位相の励振時間を設定する(ステップST3)。時分割で切り換えられる励振位相の励振時間は、それぞれ異なる時間でもよいが、全て等しい時間であってもよい。
合成ベクトル算出部8は、位相切換回数設定部7が切換回数Mを設定すると、移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相の中から、切換回数分(M個分)の励振位相βm,kの組み合わせを求める。ただし、m=1,2,・・・,M、k=1,2,・・・,Kであり、Kは励振位相の組み合わせ数である。
ここで、移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相は、移相器2−1〜2−Nの量子化ビット数から定まる全ての励振位相であり、例えば、量子化ビット数が5ビットであれば、設定可能な励振位相の個数は32個であり、量子化ビット数が6ビットであれば、設定可能な励振位相の個数は64個である。
合成ベクトル算出部8は、K個の励振位相βm,kの組み合わせを求めると、下記の式(1)に示すように、その励振位相βm,kの組み合わせ毎に、当該組み合わせに係るM個分の励振位相βm,kが示す位相ベクトル(M本の位相ベクトル)の合成ベクトルvkを算出する(ステップST4)。
Figure 0006223244

Figure 0006223244
式(2)のVkは、合成ベクトル算出部8により算出されたK個の合成ベクトルvkを表している。
ベクトル比較部9は、合成ベクトル算出部8がK個の合成ベクトルvkを算出すると、K個の合成ベクトルvkの中から、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相を示す励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルを選択する(ステップST5)。
ここで、図3は励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルなどを示す説明図である。
以下、図3を参照しながら合成ベクトル算出部8及びベクトル比較部9の処理内容を具体的に説明する。
図3の横軸は、1つの移相器2における励振位相の実数軸Reを示し、縦軸は励振位相の虚数軸Imを表している。
図3では、説明の簡単化のため、励振位相の切換回数Mが2回(M=2)である例を示している。
移相器2の量子化ビット数が5ビットであれば、上述したように、設定可能な励振位相βm,kの個数は32個であるが、図面の簡略化のために、図3では、3個の励振位相βi-1、βi、βi+1だけを代表的に表記している。
図3において、20は励振分布設定部6により設定された励振振幅位相Anを示す励振ベクトルVd(実数軸Reとのなす角がφ0のベクトル)であり、この励振振幅位相Anは、所望のアンテナ放射パターンを実現するための理想的な励振分布であるため、励振ベクトルVdの長さが図3に示す円の半径と一致している。
位相ベクトル21は励振位相βiを示すベクトル(実数軸Reとのなす角がφ1のベクトル)であり、位相ベクトル21は量子化誤差があるため、ベクトル長が円の半径より長くなっている。また、なす角φ1も量子化誤差がない場合のなす角とずれている。
位相ベクトル22は励振位相βi+1を示すベクトル(実数軸Reとのなす角がφ2のベクトル)であり、位相ベクトル22は量子化誤差があるため、ベクトル長が円の半径より短くなっている。また、なす角φ2も量子化誤差がない場合のなす角とずれている。
位相ベクトル23は励振位相βi-1を示すベクトル(実数軸Reとのなす角がφ3のベクトル)であり、位相ベクトル23は量子化誤差があるため、ベクトル長が円の半径より長くなっている。また、なす角φ3も量子化誤差がない場合のなす角とずれている。
合成ベクトル算出部8は、励振位相の切換回数Mが2回(M=2)である場合、励振位相βiを示す位相ベクトル21と、励振位相βi+1を示す位相ベクトル22とを合成して、その合成ベクトル24を算出したのち、その合成ベクトル24を切換回数M(=2)で平均化することで、合成ベクトル25を算出する。
また、合成ベクトル算出部8は、励振位相βiを示す位相ベクトル21と、励振位相βi-1を示す位相ベクトル23とを合成して、その合成ベクトル26を算出したのち、その合成ベクトル26を切換回数M(=2)で平均化することで、合成ベクトル27を算出する。
なお、合成ベクトル算出部8は、励振位相βi+1を示す位相ベクトル22と、励振位相βi-1を示す位相ベクトル23とを合成して、合成ベクトル25や合成ベクトル27に相当する合成ベクトルも算出するが、この合成ベクトルについては、図面の簡略化や説明の簡単化のために、図3には表記していない。
ベクトル比較部9は、合成ベクトル算出部8が合成ベクトル25,27を算出すると、合成ベクトル25と励振ベクトルVd(ベクトル20)のユークリッド距離L1を算出するとともに、合成ベクトル27と励振ベクトルVd(ベクトル20)のユークリッド距離L2を算出する。
ベクトル比較部9は、ユークリッド距離L1,L2を算出すると、ユークリッド距離L1とユークリッド距離L2を比較し、励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルとして、そのユークリッド距離が最小の合成ベクトルを選択する。
図3の例では、L1<L2であるため、励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルとして、合成ベクトル25を選択する。
このように、合成ベクトル算出部8により算出された複数の合成ベクトルvkの中から、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相を示す励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルが選択されるため、移相器2の量子化誤差である振幅誤差や位相誤差が低減される。
移相器制御信号出力部10は、ベクトル比較部9が励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトル(図3の例では、合成ベクトル25)を選択すると、励振時間設定部12により設定された励振時間の間、ベクトル比較部9により選択された合成ベクトルが示す励振位相β(ベクトル比較部9により選択された合成ベクトルのベクトル長と、その合成ベクトルと実数軸Reのなす角とを示す位相情報)を移相器2−1〜2−Nに設定する(ステップST6)。
移相器2−1〜2−Nは、素子アンテナ1−1〜1−Nが信号を受信すると、移相器制御信号出力部10により設定された励振位相が示す移相量だけ、素子アンテナ1−1〜1−Nにより受信された信号の位相を調整する(ステップST7)。
電力合成器3は、移相器2−1〜2−Nにより位相が調整された信号を合成し、その合成信号を受信機11に出力する。
受信機11は、電力合成器3から出力された合成信号を検波して、その合成信号をA/D変換し、ディジタルの合成信号(以下、「ディジタルデータ」と称する)を時間平均処理部13に出力する。
時間平均処理部13は、時間平均処理部13からディジタルデータを受けると、そのディジタルデータを蓄積する(ステップST8)。
移相器2−1〜2−Nに設定する励振位相βは、励振時間設定部12により設定された励振時間が経過する毎に、移相器制御信号出力部10によって切り換えられ、その励振位相βの切換回数がM回に到達するまでは、ステップST7〜ST8の処理が繰り返し実行される。その励振位相βm,kの切換回数がM回に到達すると、M個のディジタルデータが時間平均処理部13に蓄積されて、ステップST10の処理に移行する(ステップST9)。
時間平均処理部13は、M個のディジタルデータを蓄積すると、M個のディジタルデータの平均値(時間積分値)を算出する(ステップST10)。
信号処理部14は、時間平均処理部13からM個のディジタルデータの平均値を受けると、そのディジタルデータの平均値から、例えば、所望の信号を探知する処理などを実施する。
この実施の形態1では、励振位相の切換回数Mが2回(M=2)である例を示したが、この切換回数Mは任意設定することが可能であり、この切換回数Mを増やせば、移相器2の量子化誤差の低減精度を上げることができる。
図4は切換回数Mを増やすことで、量子化誤差の低減精度が向上する旨を示す説明図である。
図4において、20は、図3の場合と同様に、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相Anを示す励振ベクトルVd(理想のベクトル)である。
位相ベクトル31,32,33は各々の励振位相を示すベクトルである。
合成ベクトル34は位相ベクトル31と位相ベクトル32が合成されたベクトル(切換回数“2”で平均化された合成ベクトル)であって、切換回数Mが2回(M=2)であるときの複数の合成ベクトルの中で、励振ベクトルVd(理想のベクトル)とのユークリッド距離が最小の合成ベクトルである。
合成ベクトル35は位相ベクトル31と位相ベクトル32と位相ベクトル33が合成されたベクトル(切換回数“3”で平均化された合成ベクトル)であって、切換回数Mが3回(M=3)であるときの複数の合成ベクトルの中で、励振ベクトルVd(理想のベクトル)とのユークリッド距離が最小の合成ベクトルである。
図4の例では、切換回数Mが2回(M=2)である場合、合成ベクトル算出部8により算出された複数の合成ベクトルvkの中から、ベクトル比較部9によって合成ベクトル34が選択される。
また、切換回数Mが3回(M=3)である場合、合成ベクトル算出部8により算出された複数の合成ベクトルvkの中から、ベクトル比較部9によって合成ベクトル35が選択される。
このとき、図4からも明らかなように、切換回数Mが2回(M=2)である場合に選択される合成ベクトル34よりも、切換回数Mが3回(M=3)である場合に選択される合成ベクトル35の方が、ユークリッド距離が小さくて、より励振ベクトルVd(理想のベクトル)に近づいている。
したがって、切換回数Mが多い方が、量子化誤差の低減精度が向上する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相の中から、切換回数分の励振位相βm,kの組み合わせを複数選択し、その励振位相βm,kの組み合わせ毎に、切換回数分の励振位相βm,kが示す位相ベクトルの合成ベクトルvkを算出する合成ベクトル算出部8と、合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkの中から、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相を示す励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルvkを選択するベクトル比較部9とを設け、移相器制御信号出力部10が、ベクトル比較部9により選択された合成ベクトルvkが示す励振位相βを移相器2−1〜2−Nに設定することで、その移相器2−1〜2−Nの移相量を制御するように構成したので、可変減衰器等のハードウェアをフェーズドアレーアンテナ4に追加することなく、移相器2−1〜2−Nの量子化誤差を低減して、低サイドローブ化を実現することができる効果を奏する。
この実施の形態1では、合成ベクトル算出部8が、移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相の中から、切換回数分(M個分)の励振位相βm,kの組み合わせを求め、その励振位相βm,kの組み合わせ毎に、当該組み合わせに係るM個分の励振位相βm,kが示す位相ベクトルの合成ベクトルvkを算出する例を示したが、移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相のうち、理想のベクトルである励振ベクトルVdとのユークリッド距離が予め設定された閾値より小さい位相ベクトルの励振位相だけを残し(励振ベクトルVdとのユークリッド距離が閾値より大きい位相ベクトルの励振位相を除外する)、残っている励振位相の中から、切換回数分(M個分)の励振位相βm,kの組み合わせを求め、その励振位相βm,kの組み合わせ毎に、当該組み合わせに係るM個分の励振位相βm,kが示す位相ベクトルの合成ベクトルvkを算出するようにしてもよい。
実施の形態2.
この実施の形態2では、アンテナ装置がN本の素子アンテナを備え、送受信アンテナとして動作する場合を想定して説明する。
図5はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
送信機41は送信信号を生成し、その送信信号を電力合成分配器42に出力する。
電力合成分配器42は送信機41から送信信号を受けると、その送信信号の電力をN分配して、複数の信号を移相器2−1〜2−Nに出力する一方、移相器2−1〜2−Nが素子アンテナ1−1〜1−Nにより受信された信号の位相を調整すると、位相調整後の複数の信号を合成して、その合成信号を受信機11に出力する。なお、電力合成分配器42は合成手段及び分配手段を構成している。
図5の例では、アンテナ装置の構成要素であるフェーズドアレーアンテナ4、移相器制御装置5、受信機11、送信機41、励振時間設定部12、時間平均処理部13及び信号処理部14のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを示したが、例えば、フェーズドアレーアンテナ4、受信機11及び送信機41以外の構成要素がコンピュータで構成されていてもよい。
フェーズドアレーアンテナ4、受信機11及び送信機41以外の構成要素をコンピュータで構成する場合、移相器制御装置5、励振時間設定部12、時間平均処理部13及び信号処理部14の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図6はこの発明の実施の形態2によるアンテナ装置の処理内容(アンテナ励振方法)を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
まず、移相器制御装置5の励振分布設定部6は、上記実施の形態1と同様に、所望の放射パターンを実現するために、素子アンテナ1−1〜1−Nの理想的な励振分布である励振振幅位相An(n=1,2,・・・,N)を設定する(図6のステップST11)。
次に、位相切換回数設定部7は、上記実施の形態1と同様に、移相器2−1〜2−Nの励振位相を時分割で切り換える切換回数Mを設定する(ステップST12)。
また、励振時間設定部12は、上記実施の形態1と同様に、時分割で切り換えられる励振位相の励振時間を設定する(ステップST13)。
合成ベクトル算出部8は、位相切換回数設定部7が切換回数Mを設定すると、上記実施の形態1と同様に、移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相の中から、切換回数分(M個分)の励振位相βm,kの組み合わせを求める。
合成ベクトル算出部8は、K個の励振位相βm,kの組み合わせを求めると、上記実施の形態1と同様に、その励振位相βm,kの組み合わせ毎に、当該組み合わせに係るM個分の励振位相βm,kが示す位相ベクトル(M本の位相ベクトル)の合成ベクトルvkを算出する(ステップST14)。
ベクトル比較部9は、合成ベクトル算出部8がK個の合成ベクトルvkを算出すると、上記実施の形態1と同様に、K個の合成ベクトルvkの中から、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相を示す励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルvkを選択する(ステップST15)。
移相器制御信号出力部10は、ベクトル比較部9が励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルvkを選択すると、上記実施の形態1と同様に、励振時間設定部12により設定された励振時間の間、ベクトル比較部9により選択された合成ベクトルvkが示す励振位相βを移相器2−1〜2−Nに設定する(ステップST16)。
送信機41は、送信信号を生成し、その送信信号を電力合成分配器42に出力する。
電力合成分配器42は、送信機41から送信信号を受けると、その送信信号の電力をN分配して、複数の信号を移相器2−1〜2−Nに出力する。
移相器2−1〜2−Nは、電力合成分配器42により分配された信号を受けると、移相器制御信号出力部10により設定された励振位相βが示す移相量だけ、その信号の位相を調整し、位相調整後の信号を素子アンテナ1−1〜1−Nに出力する(ステップST17)。
これにより、素子アンテナ1−1〜1−Nから位相調整後の信号が空間に放射される(ステップST18)。
素子アンテナ1−1〜1−Nから放射された信号の一部は、観測対象である目標物によって反射(あるいは散乱)されてフェーズドアレーアンテナ4に戻ってくる。
素子アンテナ1−1〜1−Nは、目標物により反射されて戻ってきた信号を受信する(ステップST19)。
移相器2−1〜2−Nは、素子アンテナ1−1〜1−Nが信号を受信すると、移相器制御信号出力部10により設定された励振位相βが示す移相量だけ、素子アンテナ1−1〜1−Nにより受信された信号の位相を調整する(ステップST20)。
電力合成分配器42は、移相器2−1〜2−Nにより位相が調整された信号を合成し、その合成信号を受信機11に出力する。
受信機11は、電力合成分配器42から出力された合成信号を検波して、その合成信号をA/D変換し、ディジタルの合成信号であるディジタルデータを時間平均処理部13に出力する。
時間平均処理部13は、時間平均処理部13からディジタルデータを受けると、そのディジタルデータを蓄積する(ステップST21)。
移相器2−1〜2−Nに設定する励振位相βは、励振時間設定部12により設定された励振時間が経過する毎に、移相器制御信号出力部10によって切り換えられ、その励振位相βの切換回数がM回に到達するまでは、ステップST17〜ST21の処理が繰り返し実行される。その励振位相βの切換回数がM回に到達すると、M個のディジタルデータが時間平均処理部13に蓄積されて、ステップST23の処理に移行する(ステップST22)。
時間平均処理部13は、M個のディジタルデータを蓄積すると、M個のディジタルデータの平均値(時間積分値)を算出する(ステップST23)。
信号処理部14は、時間平均処理部13からM個のディジタルデータの平均値を受けると、そのディジタルデータの平均値から、例えば、所望の信号を探知する処理などを実施する。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、移相器2−1〜2−Nについて設定可能な励振位相の中から、切換回数分の励振位相βm,kの組み合わせを複数選択し、その励振位相βm,kの組み合わせ毎に、切換回数分の励振位相βm,kが示す位相ベクトルの合成ベクトルvkを算出する合成ベクトル算出部8と、合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkの中から、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相を示す励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルvkを選択するベクトル比較部9とを設け、移相器制御信号出力部10が、ベクトル比較部9により選択された合成ベクトルvkが示す励振位相βを移相器2−1〜2−Nに設定することで、その移相器2−1〜2−Nの移相量を制御するように構成したので、可変減衰器等のハードウェアをフェーズドアレーアンテナ4に追加することなく、移相器2−1〜2−Nの量子化誤差を低減して、低サイドローブ化を実現することができる効果を奏する。
また、この実施の形態2によれば、信号の送信と受信で連携しているので、時間平均処理部13によるディジタルデータの平均化の効果が大きく、送受信合わせた量子化誤差(通過振幅誤差、通過位相誤差)の最小化を図ることができる効果を奏する。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3によるアンテナ装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
校正行列設定部51は素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合の影響を示す相互結合行列G(振幅と位相の情報を有する複素数)の逆行列である校正行列G-1を設定する設定部である。
励振分布設定部52は図1の励振分布設定部6と同様に、所望の放射パターンを実現するために、素子アンテナ1−1〜1−Nの理想的な励振分布である励振振幅位相V1を設定したのち、校正行列設定部51により設定された校正行列G-1を用いて、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合を校正している励振振幅位相V0を算出する設定部である。
なお、位相切換回数設定部7、校正行列設定部51及び励振分布設定部52から設定手段が構成されている。
この実施の形態3では、校正行列設定部51及び励振分布設定部52を図1のアンテナ装置に適用する例を示しているが、校正行列設定部51及び励振分布設定部52を図5のアンテナ装置に適用するようにしてもよい。
次に動作について説明する。
ただし、校正行列設定部51及び励振分布設定部52以外は、上記実施の形態1,2と同様であるため、ここでは、校正行列設定部51及び励振分布設定部52の処理内容だけを説明する。
校正行列設定部51は、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合の影響を示す相互結合行列Gの逆行列である校正行列G-1を設定する。
励振分布設定部52は、図1の励振分布設定部6と同様に、所望の放射パターンを実現するために、素子アンテナ1−1〜1−Nの理想的な励振分布である励振振幅位相V1を設定する。
ただし、励振振幅位相V1は、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合の影響を考慮していないため、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合の影響が大きい場合には、移相器2−1〜2−Nの量子化誤差の低減精度が劣化する可能性がある。
励振分布設定部52により設定された励振振幅位相V1と、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合の影響を示す相互結合行列Gと、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合を校正している励振振幅位相V0との間には、下記の式(3)に示す関係がある。
1=GV0 (3)
図8は式(3)の関係を示す概念図である。
式(3)を下記の式(4)のように変形すれば、励振分布設定部52により設定された励振振幅位相V1と、校正行列設定部51により設定された校正行列G-1(相互結合行列Gの逆行列)とを用いて、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合を校正している励振振幅位相V0を算出することができる。
0=G-11 (4)
したがって、励振分布設定部52は、式(4)にしたがって素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合を校正している励振振幅位相V0を算出し、その励振振幅位相V0をベクトル比較部9に出力する。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、励振分布設定部52が、素子アンテナ1−1〜1−Nの理想的な励振分布である励振振幅位相V1を設定したのち、校正行列設定部51により設定された校正行列G-1を用いて、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合を校正している励振振幅位相V0を算出するように構成したので、素子アンテナ1−1〜1−Nの間の相互結合の影響が大きい場合でも、移相器2−1〜2−Nの量子化誤差の低減精度を高めることができる効果を奏する。
実施の形態4.
上記実施の形態1〜3では、励振分布設定部6により設定された励振振幅位相を示す励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルvkを選択する方法として、ベクトル比較部9が、合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkと励振ベクトルVdとのユークリッド距離Lを算出し、合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkの中から、その励振ベクトルVdとのユークリッド距離Lが最小の合成ベクトルを選択するものを示したが、合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkと励振ベクトルVdとの相関係数cosθを算出し、合成ベクトル算出部8により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルvkの中から、その励振ベクトルVdとの相関係数cosθが最も1に近い合成ベクトルを選択するようにしてもよい。
具体的には、以下のようにして、励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルを選択する。
ベクトル比較部9は、合成ベクトル算出部8がK個の合成ベクトルvkを算出すると、下記の式(5)に示すように、K個の合成ベクトルvkと励振ベクトルVdとの相関係数cosθを算出する。
Figure 0006223244
式(5)において、Aは励振ベクトルVd、Bkは合成ベクトルvkである。
ベクトル比較部9は、K個の合成ベクトルvkと励振ベクトルVdとの相関係数cosθを算出すると、それらの相関係数cosθの中で、最も1に近い相関係数cosθを特定し、励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルvkとして、その励振ベクトルVdとの相関係数cosθが最も1に近い合成ベクトルを選択する。
この選択方法によれば、励振ベクトルVdと最も相関している合成ベクトルvkを簡易なアルゴリズムで選択することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1−1〜1−N 素子アンテナ、2−1〜2−N 移相器、3 電力合成器(合成手段)、4 フェーズドアレーアンテナ、5 移相器制御装置、6 励振分布設定部(設定手段)、7 位相切換回数設定部(設定手段)、8 合成ベクトル算出部(合成ベクトル算出手段)、9 ベクトル比較部(合成ベクトル選択手段)、10 移相器制御信号出力部(移相量制御手段)、11 受信機、12 励振時間設定部、13 時間平均処理部(時間平均処理手段)、14 信号処理部、20 励振ベクトルVd、21〜23 位相ベクトル、24,26 合成ベクトル、25,27 切換回数で平均化された合成ベクトル、31,32,33 位相ベクトル、34,35 切換回数で平均化された合成ベクトル、41 送信機、42 電力合成分配器(合成手段、分配手段)、51 校正行列設定部(設定手段)、52 励振分布設定部(設定手段)。

Claims (8)

  1. フェーズドアレーアンテナを構成する複数の素子アンテナと、
    前記素子アンテナにより受信された信号の位相を調整する複数の移相器と、
    前記素子アンテナの励振分布及び前記移相器の励振位相を時分割に切り換える切換回数を設定する設定手段と、
    前記移相器について設定可能な励振位相の中から、前記切換回数分の励振位相の組み合わせを複数選択し、前記励振位相の組み合わせ毎に、前記切換回数分の励振位相が示す位相ベクトルの合成ベクトルを算出する合成ベクトル算出手段と、
    前記合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、前記設定手段により設定された励振分布を示す励振ベクトルと相関している合成ベクトルを選択する合成ベクトル選択手段と、
    前記合成ベクトル選択手段により選択された合成ベクトルが示す励振位相にしたがって前記移相器の移相量を制御する移相量制御手段と、
    前記複数の移相器により位相が調整された信号を合成する合成手段と、
    前記合成手段により合成された信号の時間平均を算出する時間平均処理手段と
    を備えたアンテナ装置。
  2. 送信信号を複数の信号に分配する分配手段と、
    上記分配手段により分配された信号の位相を調整する複数の移相器と、
    前記複数の移相器により位相が調整された信号を送信する複数の素子アンテナと、
    前記素子アンテナの励振分布及び前記移相器の励振位相を時分割に切り換える切換回数を設定する設定手段と、
    前記移相器について設定可能な励振位相の中から、前記切換回数分の励振位相の組み合わせを複数選択し、前記励振位相の組み合わせ毎に、前記切換回数分の励振位相が示す位相ベクトルの合成ベクトルを算出する合成ベクトル算出手段と、
    前記合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、前記設定手段により設定された励振分布を示す励振ベクトルと相関している合成ベクトルを選択する合成ベクトル選択手段と、
    前記合成ベクトル選択手段により選択された合成ベクトルが示す励振位相にしたがって前記移相器の移相量を制御する移相量制御手段と
    を備えたアンテナ装置。
  3. 前記複数の素子アンテナが、前記複数の移相器により位相が調整された信号を送信する送信アンテナとして用いられる他に、信号を受信する受信アンテナとして用いられる場合、
    前記複数の移相器は、前記分配手段により分配された信号の位相を調整する一方、前記素子アンテナにより受信された信号の位相を調整する機能を備え、
    前記複数の移相器により位相が調整された信号を合成する合成手段と、
    前記合成手段により合成された信号の時間平均を算出する時間平均処理手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
  4. 前記設定手段は、前記複数の素子アンテナ間の相互結合を校正する校正行列を用いて、前記素子アンテナの励振分布を設定することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
  5. 前記合成ベクトル選択手段は、前記合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルと前記設定手段により設定された励振分布を示す励振ベクトルとのユークリッド距離を算出し、前記合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、前記励振ベクトルとのユークリッド距離に基づいて合成ベクトルを選択することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
  6. 前記合成ベクトル選択手段は、前記合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルと前記設定手段により設定された励振分布を示す励振ベクトルとの相関係数を算出し、前記合成ベクトル算出手段により組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、前記励振ベクトルとの相関係数に基づいて合成ベクトルを選択することを特徴とする請求項1から請求項4のうちのいずれか1項記載のアンテナ装置。
  7. 複数の移相器が、フェーズドアレーアンテナを構成する複数の素子アンテナにより受信された信号の位相を調整する位相調整処理ステップと、
    設定手段が、前記素子アンテナの励振分布及び前記移相器の励振位相を時分割に切り換える切換回数を設定する設定処理ステップと、
    合成ベクトル算出手段が、前記移相器について設定可能な励振位相の中から、前記切換回数分の励振位相の組み合わせを複数選択し、前記励振位相の組み合わせ毎に、前記切換回数分の励振位相が示す位相ベクトルの合成ベクトルを算出する合成ベクトル算出処理ステップと、
    合成ベクトル選択手段が、前記合成ベクトル算出処理ステップで組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、前記設定処理ステップで設定された励振分布を示す励振ベクトルと相関している合成ベクトルを選択する合成ベクトル選択処理ステップと、
    移相量制御手段が、前記合成ベクトル選択処理ステップで選択された合成ベクトルが示す励振位相にしたがって前記移相器の移相量を制御する移相量制御処理ステップと、
    合成手段が、前記位相調整処理ステップで位相が調整された複数の信号を合成する合成処理ステップと、
    時間平均処理手段が、前記合成処理ステップで合成された信号の時間平均を算出する時間平均処理ステップと
    を備えたアンテナ励振方法。
  8. 分配手段が、送信信号を複数の信号に分配する分配処理ステップと、
    複数の移相器が、上記分配処理ステップで分配された信号の位相を調整し、位相調整後の信号を複数の素子アンテナに出力する位相調整処理ステップと、
    設定手段が、前記素子アンテナの励振分布及び前記移相器の励振位相を時分割に切り換える切換回数を設定する設定処理ステップと、
    合成ベクトル算出手段が、前記移相器について設定可能な励振位相の中から、前記切換回数分の励振位相の組み合わせを複数選択し、前記励振位相の組み合わせ毎に、前記切換回数分の励振位相が示す位相ベクトルの合成ベクトルを算出する合成ベクトル算出処理ステップと、
    合成ベクトル選択手段が、前記合成ベクトル算出処理ステップで組み合わせ毎に算出された合成ベクトルの中から、前記設定処理ステップで設定された励振分布を示す励振ベクトルと相関している合成ベクトルを選択する合成ベクトル選択処理ステップと、
    移相量制御手段が、前記合成ベクトル選択処理ステップで選択された合成ベクトルが示す励振位相にしたがって前記移相器の移相量を制御する移相量制御処理ステップと
    を備えたアンテナ励振方法。
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