以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る基板洗浄機1を説明する。図1は、基板洗浄機1の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。基板洗浄機1(以下、単に「洗浄機1」という。)は、基板Wを保持する基板保持装置としての4つのローラ10と、第1の洗浄装置としての第1洗浄装置11と、第2の洗浄装置としての第2洗浄装置12と、事前洗浄装置としての第1セルフクリーニング装置15及び第2セルフクリーニング装置16と、これらを収容するチャンバー40と、制御装置50とを備えている。基板洗浄機が洗浄する基板Wは、第1の面としての表面WA及び第2の面としての裏面WBを有しており、本実施の形態では、円形平板状の半導体基板であるとして説明する。基板Wは、典型的には配線パターンに応じた溝が表面WAに形成された二酸化珪素膜付きの円形基板であり、例えばこの二酸化珪素膜の上にバリアメタルとしてチタンナイトライド膜や窒化タンタル膜が形成され、この上にタングステン膜や銅膜が形成される等、各種の膜が形成されている。
ローラ10は、概ね円柱状に形成されており、円柱の軸線が鉛直になるように配設されている。ローラ10は、鉛直に配置されたときの上端付近に、基板Wの厚さよりもやや大きい幅の溝が形成された溝部10gが、軸線10aまわりの全周に形成されている。溝部10gにおける、基板Wの厚さよりもやや大きい幅とは、典型的には、基板Wの側縁部の溝部10gへの抜き差しに支障がなく、基板Wを安定的に保持できる幅である。溝部10gは、基板Wを保持したときに基板Wが容易に離脱することのない深さに形成されている。本実施の形態では4つ設けられている各ローラ10は、同じ高さに溝部10gが形成されている。このことで、4つのローラ10によって、表面WAが水平になる状態で基板Wを保持することができるように構成されている。
ローラ10は、本実施の形態では、上述のように4つが設けられているが、3つであってもよく、5つ以上であってもよい。各ローラ10は、それぞれ、サーボモータ等の駆動装置(不図示)によって軸線10aまわりに回転することができるように構成されている。また、各ローラ10は、基板Wの側縁部を溝部10gに係合させて基板Wを保持しているときに、基板Wに過度なたわみ力を作用させることなく、軸線10aまわりの回転によって各ローラ10の回転方向とは逆方向に基板Wを回転させることができる力で基板Wを保持する位置に配置されている。また、各ローラ10は、相互の位置関係が、基板Wを搬送するロボットハンド52の動きを妨げることのない範囲で、基板Wを安定的に保持できるように配置されている。各ローラ10は、基板Wの側縁部が溝部10gに係合している保持位置と、基板Wの側縁部が溝部10gに係合していない解除位置との間を移動することができるように構成されている。
第1洗浄装置11は、基板Wの表面WAを洗浄する第1の洗浄部材としての第1ロールスポンジ11aと、第1ロールスポンジ11aを移動させる第1移動装置11bとを有している。第1ロールスポンジ11aは、基板Wの直径よりも長い円柱状のスポンジであり、各ローラ10に保持された基板Wの上方に、長手方向が基板Wと平行になるように配設されている。第1ロールスポンジ11aは、円柱状の側面が、基板Wを洗浄する面となる。第1ロールスポンジ11aは、典型的には多孔質のPVA製スポンジからなるが発泡ウレタン製のものでもよく、スポンジに形成される孔の平均直径が小さいほどパーティクル除去能力が高くなる。第1ロールスポンジ11aは、円柱状の一端で第1移動装置11bに支持されている。第1ロールスポンジ11aは、円柱状の軸線を中心に回転することができるように構成されている。
第1移動装置11bは、支持している第1ロールスポンジ11aを軸線まわりに回転させる回転機構(不図示)を有している。第1移動装置11bは、自身の移動に伴って、第1ロールスポンジ11aを、基板Wを洗浄する位置と第1セルフクリーニング装置15の位置との間で移動させることができるように構成されている。第1移動装置11bは、本実施の形態では、各ローラ10に保持されている基板Wに対して第1ロールスポンジ11aが接触して洗浄する際の第1ロールスポンジ11aの位置と、そこから鉛直方向に第1セルフクリーニング装置15の高さまでとの間を垂直移動することができると共に、第1セルフクリーニング装置15のある位置と、そこから水平方向に平面視において基板Wを洗浄する際の位置との間を水平移動することができるように構成されている。
第2洗浄装置12は、第1洗浄装置11とは別個の洗浄装置である。第2洗浄装置12は、本実施の形態では、第1洗浄装置11と同様に構成されており、基板Wの表面WAを洗浄する第2の洗浄部材としての第2ロールスポンジ12aと、第2ロールスポンジ12aを移動させる第2移動装置12bとを有している。第2洗浄装置12は、第2ロールスポンジ12a及び第2移動装置12bが、それぞれ第1洗浄装置11の第1ロールスポンジ11a及び第1移動装置11bに相当する。第2ロールスポンジ12aは、第1ロールスポンジ11aと同様に構成されており、同様に動作する。第2移動装置12bは、第1移動装置11bと同様に構成されており、平面視において基板Wを洗浄する際の位置と第2セルフクリーニング装置16のある位置との間で水平移動する点を除き、第1移動装置11bと同様に動作する。
本実施の形態に係る洗浄機1は、さらに、基板Wの裏面WBを洗浄する第3の洗浄部材としての第3ロールスポンジ13aを有している。第3ロールスポンジ13aも、第1ロールスポンジ11a及び第2ロールスポンジ12aと同様の材質、大きさ、形状で構成されている。第3ロールスポンジ13aは、円柱状の一端で第3移動装置(不図示)に支持されている。第3移動装置(不図示)は、第3ロールスポンジ13aを、各ローラ10に保持されている基板Wの裏面WBに接触した位置と、裏面WBから離れた位置(下方位置)との間で、鉛直方向に移動させることができるように構成されている。
第1セルフクリーニング装置15は、基板Wの表面WAを洗浄して汚染された第1ロールスポンジ11aを清浄化する装置である。第1セルフクリーニング装置15によって行われるセルフクリーニングは、表面WAの洗浄に用いられる前に(事前に)第1ロールスポンジ11a自体を清浄にするものであり、事前洗浄に相当する。第1セルフクリーニング装置15は、本実施の形態では、洗浄板15aと、純水を供給する純水ノズル15bと、セルフクリーニング用の薬液を供給する薬液ノズル15cとを有している。洗浄板15aは、第1ロールスポンジ11aに付着した異物を除去するのに適した部材であり、本実施の形態では石英プレートが用いられている。第1セルフクリーニング装置15は、典型的には、純水ノズル15bから供給された純水及び薬液ノズル15cから供給された薬液を、飛散させずに収集する洗浄槽(不図示)をさらに有していることが好ましい。第1セルフクリーニング装置15は、軸線まわりに回転している第1ロールスポンジ11aに純水及び/又は薬液を掛けながら第1ロールスポンジ11aを洗浄板15aに押し付けることで、第1ロールスポンジ11aに付着していた異物を除去して清浄化するように構成されている。
第2セルフクリーニング装置16は、基板Wの表面WAを洗浄して汚染された第2ロールスポンジ12aを清浄化する装置である。第2セルフクリーニング装置16は、第1セルフクリーニング装置15と同様に構成されており、本実施の形態では、洗浄板16aと、純水ノズル16bと、薬液ノズル16cとを有している。第2セルフクリーニング装置16は、洗浄板16a、純水ノズル16b、薬液ノズル16cが、それぞれ第1セルフクリーニング装置15の洗浄板15a、純水ノズル15b、薬液ノズル15cに相当し、対応する部材と同様に構成されている。
第1セルフクリーニング装置15と第2セルフクリーニング装置16とは、平面視において、各ローラ10に保持された基板Wの外側で基板Wを両者の間に挟むように、各ローラ10に保持された基板Wの中心を通る仮想直線を軸として線対称に配置されている。第1セルフクリーニング装置15及び第2セルフクリーニング装置16は、高さ方向の配置が、典型的には各ローラ10に保持された基板Wよりも上方になっているが、各ローラに保持された基板Wよりも上方でなくてもよい。第1洗浄装置11は、表面WA上の位置と第1セルフクリーニング装置15との間を移動することができるように構成されている。第2洗浄装置12は、表面WA上の位置と第2セルフクリーニング装置16との間を移動することができるように構成されている。
本実施の形態に係る洗浄機1は、さらに、各ローラ10に保持された基板Wの表面WAに対し、薬液を供給する表面ケミカルノズル45a、45bと、純水を供給する表面リンスノズル46a、46bとを有している。本実施の形態では、表面ケミカルノズル45aと表面リンスノズル46aとが隣接して配置され、表面ケミカルノズル45bと表面リンスノズル46bとが隣接して配置されている。そして、表面ケミカルノズル45a及び表面リンスノズル46aと、表面ケミカルノズル45b及び表面リンスノズル46bとが、各ローラ10に保持された基板Wの中心を対称中心として対称に配置されている。また、本実施の形態に係る洗浄機1は、各ローラ10に保持された基板Wの裏面WBに対し、薬液を供給する裏面ケミカルノズル48と、純水を供給する裏面リンスノズル49とを有している。これらのノズル45a、45b、46a、46b、48、49は、各ロールスポンジ11a、12a、13aにより基板Wの表面WAあるいは裏面WBを洗浄する際に、薬液あるいは純水を吐出するように構成されている。
チャンバー40は、概ね直方体状に形成されている。チャンバー40には、チャンバー40の内外に対して、基板Wを出し入れする開口を形成する搬入出シャッタ40wと、第1ロールスポンジ11a及び第1セルフクリーニング装置15を出し入れする開口を形成する第1シャッタ40aと、第2ロールスポンジ12a及び第2セルフクリーニング装置16を出し入れする開口を形成する第2シャッタ40bとが設けられている。第1シャッタ40aによって開閉されるチャンバー40の開口は、第1セルフクリーニング装置15の位置にある第1ロールスポンジ11aの軸線を、第1移動装置11bの反対側に延ばした延長線(仮想直線)が、チャンバー40に当たる位置に、第1ロールスポンジ11a及び第1セルフクリーニング装置15を出し入れできる大きさで形成されている。第2シャッタ40bによって開閉されるチャンバー40の開口は、第2セルフクリーニング装置16の位置にある第2ロールスポンジ12aの軸線を、第2移動装置12bの反対側に延ばした延長線(仮想直線)が、チャンバー40に当たる位置に、第2ロールスポンジ12a及び第2セルフクリーニング装置16を出し入れできる大きさで形成されている。
搬入出シャッタ40wによって開閉されるチャンバー40の開口は、第1シャッタ40aと第2シャッタ40bとの間に、ロボットハンド52に把持された基板Wを出し入れできる大きさで形成されている。第1シャッタ40aと第1セルフクリーニング装置15との間には、第1ロールスポンジ11aを収容した第1セルフクリーニング装置15をチャンバー40の外に案内する第1引出機構41が設けられている。第2シャッタ40bと第2セルフクリーニング装置16との間には、第2ロールスポンジ12aを収容した第2セルフクリーニング装置16をチャンバー40の外に案内する第2引出機構42が設けられている。なお、第1ロールスポンジ11a及び第1セルフクリーニング装置15を出し入れする方向、第2ロールスポンジ12a及び第2セルフクリーニング装置16を出し入れする方向、及びロボットハンド52に把持された基板Wを出し入れする方向は、図1に示す方向に限らず、洗浄機1の設置態様に応じて適宜変更することができる。
制御装置50は、各ローラ10の平面視における移動及び軸線10aまわりの回転を制御することで、各ローラ10による基板Wの保持・解除、及び基板Wの水平面内における回転を制御することができるように構成されている。また、制御装置50は、第1ロールスポンジ11a及び第2ロールスポンジ12aの回転、並びに第1移動装置11b及び第2移動装置12bの移動を制御することができるように構成されている。また、制御装置50は、第1セルフクリーニング装置15及び第2セルフクリーニング装置16の作動・停止を制御することができるように構成されている。また、制御装置50は、表面ケミカルノズル45a、45b、表面リンスノズル46a、46b、裏面ケミカルノズル48、裏面リンスノズル49からの薬液あるいは純水の供給の有無を制御することができるように構成されている。また、制御装置50は、搬入出シャッタ40wの開閉を制御することができるように構成されている。
次に、図2を参照して、洗浄機1の作用を説明する。図2は、洗浄機1の動作のタイムチャートである。以下の説明において、洗浄機1の構成に言及しているときは、適宜図1を参照することとする。また、洗浄機1の構成部材の動作は、制御装置50によって制御される。洗浄機1は、停止中、第1洗浄装置11が第1セルフクリーニング装置15の位置にあり、第2洗浄装置12が第2セルフクリーニング装置16の位置にある(T0)。このとき、チャンバー40内に基板Wはない。洗浄機1が作動すると、ロボットハンド52によってチャンバー40内に基板Wが搬入され、搬入された基板Wは、表面WAを上方に向けて各ローラ10によって保持されて、回転させられる(T0〜T1)。基板Wの回転は、各ローラ10の軸線10aまわりの回転に伴って行われる。なお、基板Wが各ローラ10に保持されるとロボットハンド52がチャンバー40から退避する。
上述の基板Wの搬送が行われている一方で、第1洗浄装置11は、第1セルフクリーニング装置15の位置から、各ローラ10に保持されて回転している基板Wの位置まで移動し、第1ロールスポンジ11aが基板Wの表面WAに接触する(T1)。この第1洗浄装置11の移動は、スループットを向上させる観点から、基板Wの搬送と並行して行われることが好ましい。また、ディフェクトの増加等の洗浄性能に与える悪影響を抑制する観点から、基板Wの回転速度が後の洗浄処理に適した所定の回転速度に到達した後で、第1ロールスポンジ11aが表面WAに接するようにするとよい。さらに、スループットを向上させる観点から、制御装置50は、基板Wの回転速度が所定の回転速度に到達した後に遅滞なく(典型的には、所定の回転速度に到達したのと同時に)第1ロールスポンジ11aが表面WAに接するように、第1移動装置11bの移動を制御することが好ましい。
回転している基板Wに第1ロールスポンジ11aが接触したとき、表面WAに対して、表面ケミカルノズル45a、45bから薬液が供給され、表面リンスノズル46a、46bから純水が供給される。薬液及び純水が供給された、回転している基板Wに対し、第1ロールスポンジ11aが接触して軸線まわりに回転することにより、表面WAの洗浄が行われる(T1〜T2)。第1ロールスポンジ11aによって表面WAの洗浄が行われている間、第2ロールスポンジ12aは、基板Wから離れている第2セルフクリーニング装置16の位置でセルフクリーニングが行われている。
基板Wの洗浄が終了し、次の基板Wの洗浄が開始するまでの間に(T2〜T3)、以下の動作が行われる。まず、回転している基板Wから第1ロールスポンジ11aが離れる。そして、基板Wは、各ローラ10の軸線10aまわりの回転の停止に伴って回転が停止し、ロボットハンド52によってチャンバー40の外に搬出される。洗浄機1で洗浄された基板Wが搬出された後は、未洗浄の別の基板Wがロボットハンド52によってチャンバー40内に搬入され、搬入された基板Wは、各ローラ10によって保持されて、回転させられる。この間、第1洗浄装置11は、第1セルフクリーニング装置15の位置に移動し、第1ロールスポンジ11aのセルフクリーニングが開始される。他方、第2洗浄装置12は、第2ロールスポンジ12aのセルフクリーニングを終了して、第2セルフクリーニング装置16の位置から、各ローラ10に保持されている基板Wの位置まで移動し、第2ロールスポンジ12aが回転している基板Wの表面WAに接触する。このとき、第2ロールスポンジ12aは、第1ロールスポンジ11aによる表面WAの洗浄が行われていた間(T1〜T2)、セルフクリーニングが行われていたので、十分に清浄な状態になっている。なお、第2洗浄装置12の移動及び第2ロールスポンジ12aが表面WAに接触するタイミングは、上述した第1洗浄装置11の動作のタイミングと同じである。また、第1洗浄装置11及び第2洗浄装置12がそれぞれ移動する際、互いに干渉しないように制御装置50によってタイミングが調整される。
回転している基板Wに第2ロールスポンジ12aが接触したら、上述の第1洗浄装置11による表面WAの洗浄と同じ要領で、第2洗浄装置12による表面WAの洗浄を行う(T3〜T4)。換言すれば、時間T3〜T4における洗浄は、時間T1〜T2で行われた洗浄において用いられていた第1ロールスポンジ11aを、第2ロールスポンジ12aに置き換えたものとなる。第2ロールスポンジ12aによって表面WAの洗浄が行われている間、基板Wから離れている第1セルフクリーニング装置15の位置における第1ロールスポンジ11aのセルフクリーニングが継続している。
基板Wの洗浄が終了し、次の基板Wの洗浄が開始するまでの間に(T4〜T5)、時間T2〜T3で行われた搬送と概ね同様の動作が行われる。時間T4〜T5で行われる搬送が、時間T2〜T3で行われた搬送と異なる点は、第1洗浄装置11と第2洗浄装置12とが入れ替わる点である。つまり、まず、回転している基板Wから第2ロールスポンジ12aが離れる。そして、基板Wは、回転が停止し、ロボットハンド52によってチャンバー40の外に搬出され、代わって未洗浄の別の基板Wがチャンバー40内に搬入され、各ローラ10によって保持されて、回転させられる。この間、第2洗浄装置12は、第2セルフクリーニング装置16の位置に移動し、第2ロールスポンジ12aのセルフクリーニングが開始される。他方、第1洗浄装置11は、第1ロールスポンジ11aのセルフクリーニングを終了して、第1セルフクリーニング装置15の位置から、基板Wの位置まで移動し、第1ロールスポンジ11aが回転している基板Wの表面WAに接触する。
以下、時間T5〜T6では、時間T1〜T2における洗浄と同じ洗浄が行われ、時間T6〜T7では、時間T2〜T3における搬送と同じ搬送が行われ、それ以降の動作も同様に繰り返される。なお、これまでの図2を参照した説明では省略しているが、表面WAが洗浄されているとき(T1〜T2、T3〜T4、・・・)に、裏面WBには第3ロールスポンジ13aが接触し、裏面ケミカルノズル48から薬液が、裏面リンスノズル49から純水がそれぞれ供給されて裏面WBの洗浄も行われている。また、基板Wの搬送が行われる際(T2〜T3、T4〜T5、・・・)、第3ロールスポンジ13aは、各ローラ10に保持されている基板Wから離れて下方に退避し、基板Wの入れ替えが行われて未洗浄の基板Wが各ローラ10に保持されて回転した後に、上方に移動して裏面WBに接するように、上下に移動する。第3ロールスポンジ13aは、本実施の形態では、下方に退避しているときに、セルフクリーニング等の事前洗浄が行われないが、事前洗浄が行われるように構成してもよい。
以上で説明した洗浄機1では、一方のロールスポンジ(例えば、第1ロールスポンジ11a)が基板Wの表面WAを洗浄している間、他方のロールスポンジ(例えば、第2ロールスポンジ12a)は継続してセルフクリーニングが行われるので、セルフクリーニング時間が基板Wの搬送時間に制約されることがない。このため、ロールスポンジのセルフクリーニングを行う時間を十分に確保しつつ、チャンバー40内への基板Wの搬送後に速やかに基板Wの洗浄を開始することができ、洗浄レベルを落とすことなくスループットを向上させることができる。また、ロールスポンジが寿命となって交換する等の、第1洗浄装置11又は第2洗浄装置12のメンテナンスを行う際、セルフクリーニングが行われている方の洗浄装置をチャンバー40から引き出してメンテナンスを行うことで、一方の洗浄装置のメンテナンスを行いつつ、他方の洗浄装置のロールスポンジで基板Wの洗浄を継続することができ、メンテナンスによる洗浄機1のダウンタイムを削減することができる。
以上の説明では、第1ロールスポンジ11aと第2ロールスポンジ12aとが同じものであることとしたが、異なる性能で構成されていてもよい。例えば、第1ロールスポンジ11aよりも第2ロールスポンジ12aの方がスポンジに形成される孔の平均直径が小さいものを用いる等により、第1ロールスポンジ11aよりも第2ロールスポンジ12aの方が洗浄性能が高くなるように構成し、第1ロールスポンジ11aを粗洗浄として用い、第2ロールスポンジ12aを仕上げ洗浄として用いることが挙げられる。このように、第1ロールスポンジ11aと第2ロールスポンジ12aとで洗浄レベルを異ならせたものを洗浄機1Aということとして、前述の洗浄機1と区別することとする。洗浄機1Aは、第1ロールスポンジ11a及び第2ロールスポンジ12aの洗浄レベルが異なる点を除き、洗浄機1と同じ構成である。以下に、洗浄機1Aの典型的な動作例を説明する。
図3は、本発明の第1の実施の形態の変形例に係る洗浄機1Aの動作を説明するフローチャートである。以下の説明において、洗浄機1Aの構成に言及しているときは、適宜図1を参照することとする。また、洗浄機1Aの構成部材の動作は、制御装置50によって制御される。洗浄機1Aは、停止中、第1洗浄装置11が第1セルフクリーニング装置15の位置に、第2洗浄装置12が第2セルフクリーニング装置16の位置にあり、チャンバー40内に基板Wはない。洗浄機1Aが作動すると、ロボットハンド52によってチャンバー40内に基板Wが搬入される(S1)。搬入された基板Wは、各ローラ10によって保持されて、回転させられる(基板保持工程;S2)。なお、基板Wが各ローラ10に保持されるとロボットハンド52がチャンバー40から退避する。
上述の基板Wの搬送が行われている一方で、第1洗浄装置11は、第1セルフクリーニング装置15の位置から、各ローラ10に保持されて回転している基板Wの位置まで移動し、第1ロールスポンジ11aが基板Wの表面WAに接触する(S3)。ここまでの作用は、基板Wの搬入及び第1洗浄装置11の移動のタイミングや、基板Wの回転速度及び第1ロールスポンジ11aの表面WAへの接触のタイミング等も含め、洗浄機1と同様である。第1ロールスポンジ11aが表面WAに接触したら、表面WAの粗洗浄が行われる(第1の洗浄工程;S4)。表面WAの粗洗浄中(S4)、典型的には、表面WAには表面ケミカルノズル45a、45bから薬液が供給されるが、表面リンスノズル46a、46bから純水が供給されることとしてもよい。洗浄機1Aにおいても、洗浄機1と同様に、第1ロールスポンジ11aで表面WAを洗浄している間、第2ロールスポンジ12aは第2セルフクリーニング装置16でセルフクリーニングが行われている。
表面WAの粗洗浄(S4)が終了したら、第1ロールスポンジ11aを表面WAから離し、第1セルフクリーニング装置15へ移動する(退避工程;S5)。第1ロールスポンジ11aが表面WAから退避したら、第1ロールスポンジ11aと入れ替わるように、第2セルフクリーニング装置16の位置にある第2洗浄装置12が、回転している基板Wの位置まで移動して表面WAに接触する(S6)。第1ロールスポンジ11aが表面WAから退避して、第2ロールスポンジ12aが表面WAに接触するまでの間、基板Wは各ローラ10に保持された状態を維持しており、典型的には基板Wの回転速度も所定の回転速度に維持されている。なお、第1ロールスポンジ11aが表面WAから退避した後、第2ロールスポンジ12aが接触するまでに基板Wが所定の回転速度となっていれば、一旦回転速度を低下(ゼロを含む)させてもよい。
第2ロールスポンジ12aが表面WAに接触したら、表面WAの仕上げ洗浄が行われる(第2の洗浄工程;S7)。表面WAの仕上げ洗浄中(S7)、典型的には、表面WAには表面リンスノズル46a、46bから純水が供給されるが、表面ケミカルノズル45a、45bから薬液が供給されることとしてもよい。洗浄機1Aにおいても、洗浄機1と同様に、第2ロールスポンジ12aで表面WAを洗浄している間、第1ロールスポンジ11aは第1セルフクリーニング装置15でセルフクリーニングが行われている。表面WAの仕上げ洗浄(S7)が終了したら、第2ロールスポンジ12aを表面WAから離し、第2セルフクリーニング装置16へ移動する(S8)。第2ロールスポンジ12aが表面WAから離れたら、基板Wの回転を停止し、各ローラ10による基板Wの保持を解除する(S9)。保持が解除された基板Wは、ロボットハンド52によってチャンバー40の外に搬出される(S10)。なお、これまでの図3を参照した説明では省略しているが、表面WAが洗浄されているとき(S4、S7)に、洗浄機1と同様に、裏面WBには第3ロールスポンジ13aが接触しつつ薬液及び/又は純水が供給されて裏面WBの洗浄も行われている。
上述のように作用する洗浄機1Aでは、1つのモジュールで粗洗浄及び仕上げ洗浄の2種類の洗浄を完結することができ、粗洗浄から仕上げ洗浄へ移行する際に基板Wを搬送しなくて済み、合計の基板搬送時間を短縮することができてスループットを向上させることができる。また、粗洗浄に要する時間と仕上げ洗浄に要する時間とが異なる場合、仮に粗洗浄と仕上げ洗浄とが別々のモジュールで行われるとすると、スループットは長い洗浄時間に支配されてしまうことになるが、本変形例に係る洗浄機1Aでは、長い方の洗浄時間によってスループットが支配されることがない。また、洗浄機1Aでは、粗洗浄と仕上げ洗浄とで、薬液を供給するか純水を供給するかを変えることができ、プロセスの自由度を高めることができる。なお、洗浄機1Aにおいても、洗浄機1と同様に、1つのモジュールに2つの洗浄部材(11a、12a)を有するので、セルフクリーニングを行う時間を十分に確保することができ、洗浄レベルが落ちることを回避することができる。
以上の説明では、洗浄機1、1Aが、基板Wの裏面WBを洗浄する第3ロールスポンジ13a(第3の洗浄部材)を有していることとしたが、裏面WBを洗浄するに及ばない場合は第3ロールスポンジ13aを設けなくてもよい。逆に、洗浄機1、1Aが、第3の洗浄部材(本実施の形態では第3ロールスポンジ13a)に加えて、基板Wの裏面WBを洗浄する第4の洗浄部材を有することとしてもよく、この場合は、さらに第3の洗浄部材及び第4の洗浄部材に対してセルフクリーニング等の事前洗浄を行う事前洗浄装置を設け、第1ロールスポンジ11a及び第2ロールスポンジ12aの動作と同様に、第3の洗浄部材及び第4の洗浄部材が交互に裏面WBの洗浄を行い、裏面WBの洗浄を行っていない方の洗浄部材は事前洗浄が行われることとしてもよい。
次に図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る基板洗浄装置104を説明する。図4は、基板洗浄装置104の概略構成図である。基板洗浄装置104は、前述した洗浄機1Aと、基板洗浄機2(以下、単に「洗浄機2」という。)と、乾燥機3とを、それぞれ2機ずつ備えており、さらに、第1ロボットハンド52と、第2ロボットハンド53とを備えている。2つの洗浄機1Aは、同じ構成を有するものであるが、両者を区別するために、一方の洗浄機1Aを「洗浄機1AF」、他方の洗浄機1Aを「洗浄機1AS」ということがあり、両者に共通する性質について言及するときは「洗浄機1A」と総称する。同じ構成を有する2つの洗浄機2についても同様に、一方の洗浄機2を「洗浄機2F」、他方の洗浄機2を「洗浄機2S」ということがあり、両者を総称して「洗浄機2」という。同じ構成を有する2つの乾燥機3についても同様に、一方の乾燥機3を「乾燥機3F」、他方の乾燥機3を「乾燥機3S」ということがあり、両者を総称して「乾燥機3」という。
ここで図5を参照して、洗浄機2の構成を説明する。図5は、洗浄機2の概略構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。洗浄機2の、洗浄機1A(図1参照)と比較した主たる相違点は、洗浄機1Aが備えていた円柱状の第1ロールスポンジ11aを有する第1洗浄装置11及び円柱状の第2ロールスポンジ12aを有する第2洗浄装置12に代えて、洗浄機2では、ペンシル型の第1ペンスポンジ21aを有する第1洗浄装置21及びペンシル型の第2ペンスポンジ22aを有する第2洗浄装置22を備えている点である。洗浄機2は、基板Wを保持する基板保持装置としてのチャック20と、上述した第1洗浄装置21と、上述した第2洗浄装置22と、第1セルフクリーニング装置25と、第2セルフクリーニング装置26と、これらを収容するチャンバー40と、制御装置250とを備えており、基板洗浄機の一形態である。洗浄機2では、第1洗浄装置21が第1の洗浄装置に相当し、第2洗浄装置22が第2の洗浄装置に相当し、第1セルフクリーニング装置25及び第2セルフクリーニング装置26が事前洗浄装置に相当する。
チャック20は、チャック爪20aと、回転駆動軸20bとを有している。チャック爪20aは、基板Wの外周端部(エッジ部分)を把持して基板Wを保持するように複数設けられている。本実施の形態では、チャック爪20aが4つ設けられており、隣り合うチャック爪20a同士の間には、基板Wを搬送するロボットハンド52、53(図4参照)の動きを阻害しない間隔が設けられている。チャック爪20aは、基板Wの面を水平にして保持することができるように、それぞれ回転駆動軸20bに接続されている。本実施の形態では、表面WAが上向きとなるように、基板Wがチャック爪20aに保持される。回転駆動軸20bは、基板Wの面に対して垂直に延びる軸線まわりに回転することができ、回転駆動軸20bの軸線まわりの回転により基板Wを水平面内で回転させることができるように構成されている。
第1洗浄装置21は、第1ペンスポンジ21aと、第1ペンスポンジ21aを支持する第1アーム21bと、第1アーム21bを移動させる第1移動装置21cとを有している。第1ペンスポンジ21aは、第1の洗浄部材に相当する。第1ペンスポンジ21aは、第1ロールスポンジ11a(図1参照)よりも長さ及び直径共に小さい円柱状のスポンジであり、チャック20に保持された基板Wの上方に、軸線が表面WAと垂直になるように配設されている。第1ペンスポンジ21aは、長さが直径よりも短く形成されている。第1ペンスポンジ21aは、円柱状の端面が、基板Wを洗浄する面となる。第1ペンスポンジ21aは、第1ロールスポンジ11aと同じ材料を用いることができるが、異なる材料で形成されていてもよい。第1ペンスポンジ21aは、基板Wを洗浄する面とは反対側の端面で、第1アーム21bに支持されている。
第1アーム21bは、基板Wの半径よりも長い平棒状の部材である。第1アーム21bは、典型的には長手方向が表面WAと平行になるように配設されている。第1アーム21bは、一端で第1ペンスポンジ21aをその軸線まわりに回転可能に支持しており、他端には第1移動装置21cが接続されている。第1移動装置21cは、第1アーム21bを鉛直上下に移動させると共に、第1アーム21bを水平方向に揺動させる部材である。第1移動装置21cによる第1アーム21bの水平方向への揺動は、第1アーム21bの第1移動装置21cとの接続部を中心として、第1ペンスポンジ21aの軌跡が円弧を描く態様となっている。このとき、第1ペンスポンジ21aが、表面WAの中心を通るように、第1アーム21b及び第1移動装置21cが配設されている。また、第1移動装置21cは、モータ(不図示)を有しており、上述のように第1アーム21bを鉛直及び水平に動かすことで、第1ペンスポンジ21aを、基板Wの洗浄を行う表面WA上の位置と、第1セルフクリーニング装置25の位置との間で移動させることができるように構成されている。
第2洗浄装置22は、第2ペンスポンジ22aと、第2アーム22bと、第2移動装置22cとを有している。第2洗浄装置22は、本実施の形態では、第2ペンスポンジ22aを除き、第1洗浄装置21と同様に構成されている。第2洗浄装置22は、第2アーム22b及び第2移動装置22cが、それぞれ第1洗浄装置21の第1アーム21b及び第1移動装置21cに相当する。第2洗浄装置22は、平面視において、第2移動装置22cが、チャック20に保持された基板Wの中心を対称中心として、第1移動装置21cと対称になるように配設されている。第2ペンスポンジ22aは、第1ペンスポンジ21aと異なる性能で構成されているが、形状は第1ペンスポンジ21aと同じである。第2ペンスポンジ22aは、第1ペンスポンジ21aよりもスポンジに形成される孔の平均直径が小さいものを用いる等により、第1ペンスポンジ21aよりも洗浄性能が高くなるように構成されている。このような構成により、典型的には、第1ペンスポンジ21aが粗洗浄として用いられ、第2ペンスポンジ22aが仕上げ洗浄に用いられる。第2ペンスポンジ22aは、第2の洗浄部材に相当する。
第1セルフクリーニング装置25は、洗浄機1A(図1参照)の第1セルフクリーニング装置15と同様に、洗浄板25aと、純水ノズル25bと、薬液ノズル25cとを有しており、典型的には洗浄槽(不図示)をさらに有している。洗浄板25aは、第1ペンスポンジ21aに付着した異物を除去するのに適した大きさに形成されており、本実施の形態では石英プレートが用いられている。第1セルフクリーニング装置25は、軸線まわりに回転している第1ペンスポンジ21aに純水及び/又は薬液を掛けながら第1ペンスポンジ21aを洗浄板25aに押し付けることで、第1ペンスポンジ21aに付着していた異物を除去して清浄化するように構成されている。
第2セルフクリーニング装置26は、第1セルフクリーニング装置25と同様に構成されており、洗浄板26aと、純水ノズル26bと、薬液ノズル26cとを有しており、典型的には洗浄槽(不図示)をさらに有している。第2洗浄装置22は、洗浄板26a、純水ノズル26b、薬液ノズル26cが、それぞれ第1セルフクリーニング装置21の洗浄板25a、純水ノズル25b、薬液ノズル25cに相当し、対応する部材と同様に構成されている。第2セルフクリーニング装置26は、平面視において、洗浄板26aが、チャック20に保持された基板Wの中心を対称中心として、洗浄板25aと対称になるように配設されている。
本実施の形態に係る洗浄機2は、さらに、チャック20に保持された基板Wの表面WAに対し、第1ペンスポンジ21aで表面WAを洗浄するときに薬液を供給する第1表面ケミカルノズル145及び純水を供給する第1表面リンスノズル146と、第2ペンスポンジ22aで表面WAを洗浄するときに薬液を供給する第2表面ケミカルノズル245及び純水を供給する第2表面リンスノズル246とを有している。
チャンバー40は、概ね直方体状に形成されており、第1シャッタ40aと、第2シャッタ40bと、2つの搬入出シャッタ40wとが設けられている。第1シャッタ40aは、第1ペンスポンジ21aを支持している第1アーム21b及び第1セルフクリーニング装置25を出し入れする開口を形成するものである。第1シャッタ40aは、第1移動装置21cとの接続部を中心として揺動する第1アーム21bをチャンバー40の外側に引き出せる位置及び大きさに設けられている。第2シャッタ40bは、第2ペンスポンジ22aを支持している第2アーム22b及び第2セルフクリーニング装置26を出し入れする開口を形成するものである。第2シャッタ40bは、本実施の形態では、平面視において、第1シャッタ40aに対向する面に、揺動する第2アーム22bを引き出せる態様で設けられている。搬入出シャッタ40wは、ロボットハンド52(図4参照)に保持された基板Wを出し入れする開口を形成するものと、ロボットハンド53(図4参照)に保持された基板Wを出し入れする開口を形成するものとの2つが設けられている。2つの搬入出シャッタ40wは、本実施の形態では、平面視において、第1シャッタ40a及び第2シャッタ40bが設けられているチャンバー40の面に対して直交する2つの面にそれぞれ設けられている。
制御装置250は、チャック20の動作を制御することで、チャック20による基板Wの保持及び解除並びに基板Wの水平面内における回転を制御することができるように構成されている。また、制御装置250は、第1ペンスポンジ21a及び第2ペンスポンジ22aの回転、並びに第1移動装置21c及び第2移動装置22cの移動を制御することができるように構成されている。また、制御装置250は、第1セルフクリーニング装置25及び第2セルフクリーニング装置26の作動・停止を制御することができるように構成されている。また、制御装置250は、第1表面ケミカルノズル145、第1表面リンスノズル146、第2表面ケミカルノズル245、第2表面リンスノズル246からの薬液あるいは純水の供給の有無を制御することができるように構成されている。また、制御装置250は、2つの搬入出シャッタ40wの開閉を制御することができるように構成されている。
上述のように構成された洗浄機2の作用は、洗浄機1A(図1参照)の作用に準じている。以下に、洗浄機2の作用の概略を説明する。チャンバー40内に基板Wが搬入される過程で、第1セルフクリーニング装置25の位置にあった第1ペンスポンジ21aが、チャック20に保持された基板Wの中心の上方に移動する。チャック20に保持された基板Wが回転し、回転速度が所定の回転速度になったら、第1ペンスポンジ21aが下降して基板Wの表面WAに接触する。第1ペンスポンジ21aは、表面WAに接触したら、回転している基板Wの中心から側縁部に移動することにより、表面WAを粗洗浄する。表面WAの粗洗浄中、表面WAには、必要に応じて、第1表面ケミカルノズル145から薬液が供給され、及び/又は第1表面リンスノズル146から純水が供給される。第1ペンスポンジ21aが表面WAを粗洗浄している間、第2ペンスポンジ22aは第2セルフクリーニング装置26の位置でセルフクリーニングが行われている。
表面WAの粗洗浄が終了したら、第1ペンスポンジ21aが第1セルフクリーニング装置25の位置に移動し、これと入れ替わるように、第2セルフクリーニング装置26の位置にある第2ペンスポンジ22aが、チャック20に保持された基板Wの中心の上方に移動する。その後、第2ペンスポンジ22aは、第1ペンスポンジ21aと同様に、下降して表面WAに接触し、回転している基板Wの中心から側縁部に移動する。なお、第2ペンスポンジ22aの移動方向は、第1ペンスポンジ21aとは反対側になる。表面WAに接触している第2ペンスポンジ22aの移動により、表面WAの仕上げ洗浄が行われる。表面WAの仕上げ洗浄中、表面WAには、必要に応じて、第2表面ケミカルノズル245から薬液が供給され、及び/又は第2表面リンスノズル246から純水が供給される。第2ペンスポンジ22aが表面WAを仕上げ洗浄している間、第1ペンスポンジ21aは第1セルフクリーニング装置25の位置でセルフクリーニングが行われている。表面WAの仕上げ洗浄が終了したら、第2ペンスポンジ22aが第2セルフクリーニング装置26の位置に移動すると共に、基板Wがチャンバー40の外に搬出される。
再び図4に戻って、基板洗浄装置104を説明する。なお、以降の説明において、洗浄機1Aの構成に言及しているときは図1を、洗浄機2の構成について言及しているときは図5を、適宜参照することとする。基板洗浄装置104が備える機器のうち、乾燥機3は、詳細な説明は省略するが、洗浄機2で洗浄された基板Wをスピンチャックで把持して高速回転させるもの、あるいは表面がリンス液で覆われた基板Wを回転させながら乾燥気体流を基板Wの中心から外縁に移動させるもの等が用いられる。
基板洗浄装置104は、洗浄機1AFの下方に洗浄機1ASが配置され、洗浄機2Fの下方に洗浄機2Sが配置され、乾燥機3Fの下方に乾燥機3Sが配置されている。洗浄機1AF、洗浄機2F、乾燥機3Fは、この順で直線状に同一平面内に配置されている。洗浄機1AS、洗浄機2S、乾燥機3Sは、この順で直線状に同一平面内に配置されている。本実施の形態では、最初に洗浄機1AFで洗浄された基板Wが、原則として、次に洗浄機2Fで洗浄され、最後に乾燥機3Fで乾燥されるように構成されており、洗浄機1AF、洗浄機2F、乾燥機3Fが第1の洗浄ラインLFに配置されていることとなる。他方、最初に洗浄機1ASで洗浄された基板Wが、原則として、次に洗浄機2Sで洗浄され、最後に乾燥機3Sで乾燥されるように構成されており、洗浄機1AS、洗浄機2S、乾燥機3S第2の洗浄ラインLSに配置されていることとなる。ここで、洗浄ラインとは、原則として1つの基板Wの処理(洗浄、乾燥等)が複数の機器で行われる際の基板Wの移動経路であり、途中で基板Wが別の洗浄ラインに移ることを妨げるものではない。
第1ロボットハンド52は、上下に配置された洗浄機1AF、1ASと、上下に配置された洗浄機2F、2Sとの間のスペースに配設されている。第1ロボットハンド52は、移動機構(不図示)により、向きを変えることができると共に上下に移動することができ、各洗浄機1AF、1AS、2F、2Sの内部にアクセスすることができるように構成されている。第2ロボットハンド53は、上下に配置された洗浄機2F、2Sと、上下に配置された乾燥機3F、3Sとの間のスペースに配設されている。第2ロボットハンド53は、移動機構(不図示)により、向きを変えることができると共に上下に移動することができ、各洗浄機2F、2S及び各乾燥機3F、3Sの内部にアクセスすることができるように構成されている。
第1ロボットハンド52は、長手方向において基板Wの直径よりも大きく(典型的には基板Wの直径よりも一回り大きく)、幅方向において基板Wの直径よりも小さいアームを有している。第1ロボットハンド52のアームは、先端が先割れ状に形成されており、上部には基板Wの外縁を挟んで把持可能な把持部(不図示)が設けられている。第2ロボットハンド53は、第1ロボットハンド52と同様の構成を有している。
上述のように構成された基板洗浄装置104は、通常、第1の洗浄ラインLF(洗浄機1AF、洗浄機2F、乾燥機3F)において、基板Wの洗浄・乾燥処理を行うのと並行して、第2の洗浄ラインLS(洗浄機1AS、洗浄機2S、乾燥機3S)において、基板Wの洗浄・乾燥処理を行う。なお、第1の洗浄ライン及び第2の洗浄ラインでは、それぞれ同じ基板Wの処理が行われ、その内容は、第1ロールスポンジ11aによる粗洗浄、第2ロールスポンジ12aによる仕上げ洗浄、第1ペンスポンジ21aによる粗洗浄、第2ペンスポンジ22aによる仕上げ洗浄、乾燥である。
基板洗浄装置104は、各洗浄機1A、2について、1つのモジュールに2つの洗浄部材が設けられているので、粗洗浄と仕上げ洗浄との2段階の洗浄を行うに際し、他の洗浄ラインに相互に干渉することがない。仮に、1つのモジュールに1つの洗浄部材が設けられている従来の装置では、2段階の洗浄を行うためには他の洗浄ラインの一部を使用することとなり、処理能力が低下することとなる。基板洗浄装置104は、装置を大型化することなく、1台の装置で洗浄・乾燥処理が可能な基板Wの枚数を倍増させることができ、スループットを向上させることができる。
以上の基板洗浄装置104の説明では、洗浄機1A及び洗浄機2の双方とも、1つのモジュールに2つの洗浄部材が設けられていることとしたため、洗浄機1A及び洗浄機2の一方が基板洗浄機に相当し、他方が追加基板処理部の一形態である追加基板洗浄機に相当することとなる。なお、基板Wの洗浄の要求に応じて、少なくとも1つのモジュールに2つの洗浄部材が設けられていることとしてもよい。例えば、洗浄機1Aが1つのロールスポンジを備え、洗浄機2が2つのペンスポンジ21a、22aを備えることとしてもよい。この場合、洗浄機2が(第1又は第2の)基板洗浄機に相当し、洗浄機1Aが(第1又は第2の)追加基板洗浄機に相当することとなる。つまり、追加基板洗浄機は、1つのモジュールが有する洗浄部材の数を不問にしている。なお、基板洗浄装置104が、追加基板洗浄機を備えずに、追加基板処理部としての乾燥機のみを備えることとしてもよい。
以上の洗浄機2の説明では、第1ペンスポンジ21aと第2ペンスポンジ22aとの洗浄性能が異なっていて、洗浄機2の作用が洗浄機1Aの作用に準ずることとしたが、第1ペンスポンジ21aと第2ペンスポンジ22aとの洗浄性能を同等に構成して、洗浄機1の作用(第1ペンスポンジ21aで洗浄する基板Wと第2ペンスポンジ22aで洗浄する基板Wとを入れ替える)に準ずることとしてもよい。また、洗浄機2を、洗浄機1Aの作用に準ずることとするか、洗浄機1の作用に準ずることとするかにかかわらず、基板洗浄装置104の構成要素とせず、独立して作用する基板洗浄機として構成してもよい。
以上の洗浄機2の説明では、第1洗浄装置21及び第2洗浄装置22の配置に関し、第1移動装置21cと第2移動装置22cとが、平面視において、チャック20に保持された基板Wの中心を対称中心として対称になるように、かつ、セルフクリーニング位置における第1アーム21bと第2アーム22bとが平行になるように配設されていることとしたが、図6(A)に示すように、第1移動装置21cと第2移動装置22cとが隣接し、かつ、セルフクリーニング位置における第1アーム21bと第2アーム22bとが直交するように配設されることとしてもよい。この場合、第1アーム21b及び第2アーム22bの回転中心が異なるので、第1ペンスポンジ21aの軌跡と第2ペンスポンジ22aの軌跡とは同じにならない。あるいは図6(B)に示すように、第1洗浄装置21が退避したときの第1ペンスポンジ21aの位置と、第2洗浄装置22が退避したときの第2ペンスポンジ22aの位置とが同じになるように配設されることとしてもよい。この場合、第1ペンスポンジ21aと第2ペンスポンジ22aとでセルフクリーニング装置を共用しやすくなる。
以上で説明した基板洗浄装置104(あるいは独立した基板洗浄機としての洗浄機1、1A、2)は、典型的には、CMP(化学的機械的研磨)装置あるいは銅めっき装置等と共に、基板処理装置に実装される。
図7は、基板洗浄装置104を実装した基板処理装置100の全体構成を示す平面図である。以下の説明において、基板洗浄装置104の構成に言及しているときは、適宜図4あるいは図5を参照することとする。基板処理装置100は、概ね矩形状のハウジング101を備えており、ハウジング101の内部は隔壁101a、101b、101cによって区画されるロード/アンロード部102と、基板を研磨する研磨部103と、研磨後の基板を洗浄する上述の基板洗浄装置104とを備えている。また、基板処理装置100は、各部の動作を制御する制御装置60を備えている。
ロード/アンロード部102は、基板をストックするカセット81と、基板をカセット81から研磨部103へ、あるいは基板洗浄装置104からカセット81へと受け渡す搬送ロボット82を有している。搬送ロボット82は上下に2つのハンドを備えており、例えば、上側のハンドをカセット81に基板を戻すときに使用し、下側のハンドを研磨前の基板を搬送するときに使用して、上下のハンドを使い分けることができるように構成されている。
研磨部103は、ほぼ同様の構成の4つの研磨装置83を有している。各研磨装置83は、研磨面を有する研磨テーブル83aと、基板を保持することができると共に研磨テーブル83aに対して押圧することができるトップリング83bと、研磨テーブル83aにスラリー等の研磨液やドレッシング液(例えば、水)を供給するための研磨液供給ノズル83cと、研磨テーブル83aのドレッシングを行うためのドレッサ83dと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体を霧状にして、1又は複数のノズルから研磨面に噴射するアトマイザ83eとを有している。また、研磨装置83は、上下に昇降可能なリフタ83fと、上下に昇降可能なプッシャ83gとを有している。そして、搬送ロボット82に隣接する研磨装置83は、搬送ロボット82から基板を受け取り反転させることができる反転機83hを有している。
各研磨装置83は、トップリング83bが保持した基板を研磨テーブル83aに接触させ、研磨液供給ノズル83cから研磨テーブル83aに研磨液を供給しながら研磨テーブル83a及びトップリング83bを所定の回転速度で回転させることで、基板の表面を研磨することができるように構成されている。また、各研磨装置83は、研磨された基板をリフタ83fに載置する一方で、研磨テーブル83aの表面をドレッサ83dでドレッシングし、リフタ83fに載置されている基板を、プッシャ83gを介して基板洗浄装置104のロボットハンド52に渡すことができるように構成されている。
上述のように構成された基板処理装置100は、以下の動作を行う。カセット81に設置された基板を搬送ロボット82によって取り出し、研磨部103の反転機83hに渡す。基板を、反転機83hで反転した後リフタ83fに渡し、トップリング83bをリフタ83fの上方に移動した後リフタ83fで基板を押し上げ、基板をトップリング83bに吸着させる。その後、基板を研磨テーブル83aに接触させ、研磨液供給ノズル83cから研磨テーブル83aに研磨液の供給を開始し、同時に研磨テーブル83a及びトップリング83bを所定の回転速度で回転させ、基板の表面を研磨する。基板の表面を所定量研磨したら、研磨液供給ノズル83cからの研磨液の供給に代えて、純水供給ノズル(不図示)から純水を供給して基板の研磨を行う。純水を供給しながらの基板の研磨を所定時間行ったら、トップリング83bを上昇させて基板を研磨テーブル83aから離し、基板をリフタ83f上に載置する。このとき研磨テーブル83aに貼付されている研磨布をドレッサ83dで研磨し、研磨布をコンディショニングする。基板をリフタ83f上に載置したらリフタ83fを水平にプッシャ83gのある位置まで移動し、プッシャ83gで持ち上げた後、基板洗浄装置104のロボットハンド52が基板を受け取る。
基板Wを受け取ったロボットハンド52は、基板洗浄装置104において、前述した基板Wの洗浄を行う。基板洗浄装置104で洗浄が行われて乾燥した基板Wは、搬送ロボット82によって基板洗浄装置104から取り出され、洗浄後の基板Wをストックするカセット81に収容される。以上で説明したように、基板洗浄装置104を備える基板処理装置100は、基板Wの処理枚数を増やすことができ、スループットを向上させることができる。
以上の説明では、基板処理装置100が基板洗浄装置104を実装することとしたが、基板洗浄装置104に代えて、洗浄機1、1A、2を任意に1つ又は複数選択して個別に実装することとしてもよい。
以上の説明では、洗浄機1において、2つの洗浄部材(ロールスポンジ11a、12a)の各々に事前洗浄装置(セルフクリーニング装置15、16)を設けることとしたが、2つの洗浄部材で1つの事前洗浄装置を共用することとしてもよい。特に、2つの洗浄部材に粗洗浄と仕上げ洗浄との区別がない場合は共用化がしやすい。洗浄機1A、2においても同様である。
以上の説明では、第1洗浄装置11及び第2洗浄装置12で洗浄する第1の面が基板Wの表面WAであることとしたが、第1洗浄装置11及び第2洗浄装置12で洗浄する第1の面を裏面WBとし、第2の面を表面WAとしてもよい。
以上の説明では、第1洗浄装置11、21、及び第2洗浄装置12、22が、基板保持装置(ローラ10、チャック20)に保持された基板Wよりも上方に設けられていることとしたが、基板保持装置に保持された基板Wよりも下方に設けられていてもよい。