JP6232282B2 - 音声認識誤り修正装置 - Google Patents
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Description
図1に示す音声認識誤り修正装置100は、原稿テキスト集合200に含まれる原稿201を読み上げた発話音声を認識する音声認識装置220が出力する認識結果の単語列(認識単語列)を入力として受け付け、予め記憶した対応原稿の単語列を推定することで、認識単語列に含まれる誤りを修正するものである。ここで、音声認識誤り修正装置100が推定処理のために予め記憶した情報は、原稿テキスト集合200を予め読み込んで構築された対応原稿の集合であって、状態を表すノードとノード間の状態遷移を表す枝とをネットワークとして有した重み付き有限状態トランスデューサ(Weighted Finite State Transducers:以下、WFSTという)で表された対応原稿集合である。この音声認識誤り修正装置100は、WFSTのネットワーク上で最良仮説を逐次調べ、WFST上の対応原稿の単語列と認識単語列との編集距離を基準に、全ての単語の入力を待たずに最終最良仮説を近似して部分的に修正結果を逐次確定する。
(A1)原稿テキスト集合200内の複数の原稿文が音声認識対象として読まれる。
(A2)例えば1つのニュース項目に関する原稿といっても、いくつかの更新された版(バージョン)が用意されていて、どのバージョンの原稿が何時のニュース番組で読まれるのか事前には分かっていない。
(A3)複数の原稿文がどのような順番で読まれるのか事前には分かっていない。
(A4)原稿テキスト集合200に含まれる原稿文には、読まれないものもある。
(A5)読む人物によっては、原稿通りに読まずに、敢えて言い回しを変えてしまう場合や、言い誤りが生じる場合がある。
(A6)音声認識装置220の認識誤りのため意昧不明になった字幕を送出して視聴者に誤解を与えたり不快にさせたりすることを回避することを大前提とする。そのため、意味不明な認識結果の場合には送出せず、代わりに、事前に編集者により校正され内容が確認されている、発話内容に最も近いと自動推定された原稿(事前原稿)を字幕として送出する。
(A7)インタビュー部分などであって認識結果に対応する原稿が元々存在しない場合、自動推定は不可能なので、元原稿が無いインタビュー部分などについては字幕を送出しない。
トランスデューサ構築装置240は、音声認識の対象となる読み上げ原稿、つまり、原稿テキスト集合200に含まれる原稿文から、音声認識誤り修正装置100で利用するWFSTを事前に構築する。WFSTは、入力シンボルと出力シンボル、遷移重みを有する有限状態機械であり、単語と文などの異なる粒度の入出力を効率よく扱うことができる。このWFSTの構築については後記する。
図2は、トランスデューサ構築装置240で構築されたWFSTの例である。WFSTは、状態を表すノードと、状態遷移を表す枝と、を有する。なお、状態遷移のことを単に遷移という場合もある。本実施形態では、入力シンボルを単語、出力シンボルを所定の単語列とする、WFSTを構築する。所定の単語列を文として説明する。
トランスデューサ構築装置240によるWFSTの構築方法について説明する。
予めWFSTにおいて出力遷移(<EmiX>が記載された遷移)を配置するための単語列の単位を決定しておく。これは、必要とする誤り修正能力に応じて設定することができる。出力遷移を配置する位置は、原稿テキスト集合200に含まれる原稿の単位を1つの区切りとすることができる。出力遷移を配置する位置は、文章単位、句単位、あるいは、記者が原稿の読み易さのために配置した改行単位などが利用可能である。ここで、長い単位を設定すると修正精度は高くなるが、送出する字幕単語列の確定が遅くなる。逆に、短い単位を設定すると、送出する字幕単語列の確定は速くなるが修正精度が低下する。よって、どのような単位を利用するかについては、期待される音声認識の認識精度と、原稿と読み上げ音声の一致度合いと、に応じて適宜設計すればよい。
図1に示す例では、トランスデューサ構築装置240は、単語ネットワーク登録手段241と、編集ネットワーク登録手段242と、を備えている。
単語ネットワーク登録手段241は、原稿テキスト集合200に含まれる原稿テキストにおける予め定められた所定単位(例えば文単位)毎に次の一連の処理を行う。すなわち、単語ネットワーク登録手段241は、一連の処理として、原稿テキスト集合200に含まれる原稿テキストに含まれる単語列の単語を読み込む度に、WFSTのネットワークの始点ノードから、単語を受理する入力遷移の枝と新たなノードとを、読み込んだ単語列が予め定められた所定単位(例えば文単位)になるまで順次作成する。そして、WFSTのネットワークにおいて、読み込んだ単語列の出力遷移の枝を追加して終点ノードに連結する。
図1に示す例では、音声認識誤り修正装置100とは別にトランスデューサ構築装置240を設けたが、図3に示すように、例えば音声認識誤り修正装置100がトランスデューサ構築装置240を備えるようにしてもよい。この音声認識誤り修正装置100は、図3に示すように、WFST記憶手段(対応原稿集合記憶手段)110と、ノードデータ更新手段120と、ノードデータ記憶手段130と、原稿探索手段140と、原稿出力手段150と、を備えている。
例えば、図2に示す例において、認識単語列として入力する単語列が、対応原稿と全く同じ単語列である場合、始点ノード001から、単語「先月」を受理して対応原稿の単語に対応する遷移を通ってノード002に進むので、ノードデータ更新手段120は、スコアに「0」を加算する。その後、例えば、「の」を受理してノード003に進むと、スコアに「0」を加算する。同様に、「関東甲信」、…を受理していくと、スコアに「0」ずつ足していくことになる。
原稿分割手段143は、今回トレースバックするパスの中で、2つの出力遷移間に挟まれたパス区間毎にWFST(対応原稿集合)に含まれる対応原稿の単語列を切り出すものである。図4及び図5を用いて説明した例の場合、出力遷移<Emi1>と出力遷移<Emi2>との間に挟まれたパス区間が、原稿分割手段143により分割される。
本発明の実施形態に係る音声認識誤り修正装置100による処理の流れについて図6を参照(適宜図3参照)して説明する。
(前提1)認識結果の単語入力を{ω0,ω1,…,ωk,…,ωj,…}とする。
(前提2)前回のトレースバックにより確定した部分の最後の入力単語をωkとし、そのときの出力遷移をap(時間軸に沿ったP番目の出力遷移)とする。
(前提3)認識結果の単語ωjが入力された後、所定の無音が続いたことをトリガに、逐次確定を行う場合を考える。
(前提4)ノードデータ更新手段120は、無音になる前に最後に入力した単語ωjを受理して遷移できるノードを全て計算する。
音声認識の認識精度が90%くらいならば、編集距離の値も90%くらいになる可能性がある。判別に用いる編集距離の閾値Tとしては、音声認識の認識精度よりも充分低いところ、例えば単語一致率の信頼度分だけ下方にマージンを取って設定することが好ましい。ここで、単語一致率の信頼度は、WFSTのネットワークの2つの出力遷移間の単語数に依存する。
(E1) 今日 の 天気 は 晴れ です
(E2) 今日 の 天気 は 雨 です
(E3) 今日 の 天気 は 曇り です
このような場合、編集距離の閾値も80%くらいに設定してしまったとしたら所望の動きが実現できない。なお、ニュース原稿の一文ごとに出力遷移を配置し、閾値Tを50%とした条件で実験した場合、問題なく動作することが確認できた。
<オプション1:言い換えを受理するWFSTの構築>
WFSTの情報源となる原稿には、それが読まれるときに、読み飛ばされる句や、言い換えられる句、補足される句が含まれている場合がある。これらの一部には、定型で高い頻度で起こるものがある。例えば、ニュース番組の原稿では、取材元を表す「警視庁によりますと、」などの句は、読み飛ばされやすい定型句である。ただし、これを読み飛ばしたとしても、ニュース主文(5W1H)の文意に変わりはなく、実用上の問題はない。
WFSTを作成する際に、必要があればWFSTの最小化を行ってもよい。ここで、WFSTの最小化について図7(b)を参照して説明する。図7(b)の左側の図は、原稿から通常の手法で構築されたWFSTの一例を示す模式図である。ここで、a1〜a6は異なる単語を示す。
WFSTの最小化によれば、同じ接頭辞を有する単語列(文)を同一の遷移で共有できるので、演算量を削減することができる。
また、WFSTを作成する際に、必要があればWFSTの決定化を行ってもよい。ここで、WFSTの決定化について図7(c)を参照して説明する。図7(c)の左側の図は、図7(b)の右側に示すWFSTと同じ形状のWFSTの模式図である。ただし、図7(b)において単語a4が記載されていた遷移には、代わりに出力文o1が記載されている。同様に、単語a5が記載されていた遷移には、代わりに出力文o2が記載され、単語a6の代わりに出力文o3が記載されている。
元のWFSTには、左から2番目のノードから次のノードへ状態遷移する際に分岐があり、この2番目のノードから図中下のノードに遷移した時点で、出力文がo1やo2ではなくo3になることが決定的であることが分かる。そこで、少しでも早く推定結果を出力するために、決定化した後のWFSTでは、出力文の位置を変更したものである。
本発明は、多言語字幕の生成にも応用可能である。例えば図2に示すWFSTのノード015の次の<Emi2>が記載された出力遷移に、ノード010〜015までの和文に対応した英文を出力シンボルとすることにより、日本語の音声入力に対応した英語の字幕を生成することができる。また、日英の字幕を同時に生成する必要がある場合には、「今週 も まとまった 雨 は …」にその英訳文を併記したものを利用することができる。
音声認識対象は、ニュース番組(首都圏ニュース845)の9番組分から取得した気象コーナーを除く420文とした。これらの音声認識結果を入力として420文の修正結果を人の目で見て確認して分析し、その分析結果を、「適切・同意」、「不適」、「出力なし」、「判定困難」の4種類に分類した。ここで、「不適」とは、文章として成立していないものや、意味の異なるものを表す。また、「判定困難」とは、複数文にまたがる言い換えや、「同意」であるかどうか判断できないものを表す。分析結果を表1に示す。
110 WFST記憶手段(対応原稿集合記憶手段)
120 ノードデータ更新手段
130 ノードデータ記憶手段
140 原稿探索手段
141 最大スコアノード検出手段
142 トレースバック手段
143 原稿分割手段
144 出力候補記憶手段
145 編集距離算出手段
146 編集距離判別手段
147 確定出力記憶手段
148 確定時刻記憶手段
150 原稿出力手段
200 原稿テキスト集合
220 音声認識装置
240 トランスデューサ構築装置
241 単語ネットワーク登録手段
242 編集ネットワーク登録手段
Claims (6)
- 原稿テキスト集合に含まれる原稿を読み上げた発話音声を認識する音声認識装置が出力する認識単語列を入力として受け付け、予め記憶した対応原稿集合の中から対応原稿の単語列を推定することで、前記認識単語列に含まれる誤りを修正する音声認識誤り修正装置であって、
前記原稿テキスト集合を予め読み込んで構築された前記対応原稿集合であって状態を表すノードとノード間の状態遷移を表す枝とをネットワークとして有した重み付き有限状態トランスデューサで表された前記対応原稿集合を記憶する対応原稿集合記憶手段と、
前記認識単語列の単語の入力を受け付ける時刻毎に、前記重み付き有限状態トランスデューサのネットワーク上を遷移可能な状態のスコアをノードデータとして計算および更新するノードデータ更新手段と、
前記計算されたノードデータを更新時刻毎に記憶するノードデータ記憶手段と、
最終最良仮説を確定するための全原稿についての全認識単語列の認識結果の入力を待たずに予め定められた処理開始条件が満たされる度に、その時点で記憶されている前記ノードデータに基づいて前記ネットワーク上をトレースバックしながら、前記最終最良仮説を部分的に近似した仮説を誤り修正結果として逐次確定する原稿探索手段と、
前記誤り修正結果として確定された対応原稿を逐次出力する原稿出力手段と、
を備えることを特徴とする音声認識誤り修正装置。 - 対応原稿集合記憶手段に記憶された前記対応原稿集合として予め構築された重み付き有限状態トランスデューサは、前記ネットワークとして、
前記対応原稿集合に含まれる対応原稿毎に始点ノードと終点ノードとの間に前記対応原稿の単語列を構成する各単語の入力遷移をそれぞれ表す枝と前記単語列の出力遷移を表す枝とを含み、
前記終点ノードから前記始点ノードに遷移する状態遷移を表す枝とを備えると共に、
単語の置換に対応して任意の単語を受理する状態遷移を表す枝と、単語の挿入に対応して任意の単語を受理する状態遷移を表す枝と、単語の削除に対応して入力が無くても出力側に遷移する状態遷移を表す枝と、のうちの少なくとも1つを備えることを特徴とする請求項1に記載の音声認識誤り修正装置。 - 前記原稿探索手段は、
前記対応原稿集合に含まれる対応原稿の単語列と、入力された前記認識単語列との編集距離として、前記重み付き有限状態トランスデューサのネットワーク上で予め定められた範囲のパス区間の対応原稿の単語列についての挿入、置換、削除に係る編集操作回数を、当該パス区間の単語数で除した値を算出し、
前記パス区間毎に算出された前記編集距離を所定の閾値と比較することで、前記最終最良仮説を近似することを特徴とする請求項2に記載の音声認識誤り修正装置。 - 前記原稿探索手段は、
前記編集距離が前記閾値以下である対応原稿の単語列が確定された時点で、前記重み付き有限状態トランスデューサのネットワークにおいて当該対応原稿のパス区間以前に逐次出力が確定された対応原稿までさかのぼって、前記編集距離が前記閾値以下となったすべてのパス区間の対応原稿を前記原稿出力手段によってネットワークの上流から順次出力させ、前記編集距離が閾値より大きなすべてのパス区間の対応原稿を出力させないことを特徴とする請求項3に記載の音声認識誤り修正装置。 - 対応原稿集合記憶手段に記憶された前記対応原稿集合として予め構築された重み付き有限状態トランスデューサは、前記ネットワークとして、
前記原稿テキスト集合に含まれる単語列と同様の意味を有する予め定められた言い換え候補の単語列を受理する枝、または/および、前記原稿テキスト集合に含まれる単語列であって前記音声認識装置が出力する認識単語列において脱落する可能性があるものとして予め定められた単語列を受理する枝を、さらに備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の音声認識誤り修正装置。 - 前記原稿探索手段は、前記発話音声がない無音期間が所定の期間に達した場合、または、前記音声認識装置が出力する認識単語列としての単語の入力数が所定の単語数に達した場合、前記処理開始条件が満たされたものとして、前記重み付き有限状態トランスデューサのネットワーク上をトレースバックすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の音声認識誤り修正装置。
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