JP6234532B2 - 食後の急激な血糖値上昇抑制用食品 - Google Patents
食後の急激な血糖値上昇抑制用食品 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6234532B2 JP6234532B2 JP2016207075A JP2016207075A JP6234532B2 JP 6234532 B2 JP6234532 B2 JP 6234532B2 JP 2016207075 A JP2016207075 A JP 2016207075A JP 2016207075 A JP2016207075 A JP 2016207075A JP 6234532 B2 JP6234532 B2 JP 6234532B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- paramylon
- amorphous
- blood glucose
- food
- suppressing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
Description
糖尿病は、このブドウ糖の調整機能が正常に働かなくなり、血液中のブドウ糖濃度が異常に上昇する疾患である。
この糖尿病は、大きく分けて1型と2型が存在する。
1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が破壊されることにより、膵臓からインスリンが分泌されなくなる疾病である。
また、2型糖尿病は、生活習慣病の一つであるといわれており、肥満、過食、運動不足、ストレス等の環境因子の関与が大きく、中年以降の比較的高齢の肥満者に発症しやすい疾病である。
この2型糖尿病は、インスリン依存型の1型糖尿病とは異なり、一般的にはインスリン非依存型の病像を呈し、食事療法と運動療法が治療の基本となる。
自然誘発型の2型糖尿病モデルラットであるOtsuka Long-Evans Tokushima Fatty(OLETF)ラットは、食欲抑制に関与するコレシストキニン受容体が欠損しており、過食、体重増加・肥満を呈し、10週齢前後でもコントロール群と比較して血糖値に有意差が認められ、20週齢ごろより糖尿病と診断される。
発症の原因は、血中や臓器へトリグリセリドが蓄積し、インスリンの分泌異常やインスリン抵抗性を引き起こすという中性脂肪毒性説が提唱されている。
このユーグレナは鞭毛虫の一群で、この群には、運動性のある藻類として有名なミドリムシが含まれる。
大部分のユーグレナは、葉緑体を持っており、光合成を行って独立栄養生活を行うが、捕食性のものや吸収栄養性のものもある。ユーグレナ(Euglena)は、動物学と植物学の双方に分類される属である。
また、ユーグレナに含まれる貯蔵多糖であるパラミロンは、β-1,3-グルカンから構成されており、抗アレルギー作用や免疫賦活作用といった有効性が見出されている。
つまり、パラミロンは高分子体で多孔質である為、コレステロールを吸着し、この吸着により、メタボリックシンドロームが抑制されると考えられている。
つまり、本願出願人は、様々な可能性を有するパラミロンの更なる有用な用途を開拓するとともに、パラミロンが奏する有用な機能を更に大きく発現させるべく、パラミロン自体に改良を加え、この改良により有用な知見が多く得られている。
「アモルファス」(amorphous)とは、非晶質のことであり、これは、結晶のような長距離秩序は無いが、短距離秩序を有する物質の状態を指す。
熱力学的には、自由エネルギーの極小(非平衡準安定状態)にある状態のことをいう。
同じ物質であっても、結晶状態とアモルファス状態とでは、同じ材料でも物性が大幅に変わることがある。
例えば、電気伝導性、熱伝導性、光透過性、物理的強度、耐触性、超伝導性等が大幅に変わってしまうことがあることが報告されている。
アモルファスパラミロンとは、パラミロンの異性体で非結晶体である。
パラミロンをアルカリで溶解し、酸で中和することにより、パラミロンの結合が切断されてアモルファスパラミロンが生成される。
なお、本明細書において、「結晶性パラミロン」とは、アモルファス化されていないパラミロン(つまり、通常のパラミロン)を指し、「アモルファスパラミロン」という用語との対比として使用している。
以上のように、鋭意研究によって、今日、ユーグレナは免疫性疾患や大腸癌抑制等に対して有効であると広く認知されている。
特許文献1には、糖尿病予防剤が開示されている。
特許文献1に記載の糖尿病予防剤としては、β-1,3-グルコシド結合を有する多糖類であるカードランが開示されている。
このカードランは、糖尿病予防や血糖値上昇抑制作用を示し、カードランからなる糖尿病予防剤が創製されている。
特許文献1においては、カードランとしてはアルカリ水溶液で溶解、またはゲル化したものも含まれている。
また、特許文献2には、アラメ由来のβ-グルカン素材が開示されている。
特許文献2に記載の技術では、海藻の一種であるアラメを熱水抽出した水溶性β-グルカンが使用されており、このβ-グルカンは、免疫賦活作用及び抗糖尿病効果を呈する。このため、このβ-グルカンは、健康機能食品用素材として利用可能である。
更に、特許文献3には、糖尿病予防剤が開示されている。
この特許文献3には、ヘマトコッカス属に属する微細藻類由来のアスタキサンチンとそのエステルが肥満に伴う血糖値上昇を抑制することが開示されている。
また更に、特許文献4には、ドナリエラ属の粉末の治療用使用に関する知見が開示されている。
この特許文献4の記載によると、ドナリエラ属の粉末を核内受容体のアクチベータ―と一緒に投与する糖尿病用経口薬剤の開発がなされている。
また、特許文献3及び特許文献4に記載の技術のように、ヘマトコッカス及びドナリエラといった微細藻類での報告はあるが、これらの効果は、カロテノイド系の色素による効果と考えられ、ユーグレナの効果に言及する報告はない。
このパラミロン及びアモルファスパラミロンは、化学的にも安定した物質であり、従来の糖尿病抑制剤とも併用できる物質である。
そして、このような状況下、パラミロンに血糖値の抑制効果があることを検証するとともに、更に、このパラミロンに比して、アモルファスパラミロンが、血糖値の急激な上昇を抑制する効果があるか否かもまた検証することとした。
また、これらパラミロン及びアモルファスパラミロンの高GI食品への利用可能性を探求した。
つまり、パラミロン及びアモルファスパラミロンを高GI食品と同時に摂取することで、低GI食品を摂取した場合と同様に食品摂取後の急激な血糖値上昇を抑制することができることから、このような利用可能性を探求するものである。
更に、特許文献2乃至特許文献4に例示される、血糖値の低下を目的として海藻類や微細藻類を利用するという報告例に比して、ユーグレナ摂取による糖尿病の発症抑制効果を検証した。
なお、低GI食品とは、GI(Glycemic Index:血糖指数)が低い食品のことを指す。
このGIとは、1981年にトロント大学のデイビット・ジェンキンス博士らによって提唱された概念であり、炭水化物摂取後の血糖値上昇速度の指標である。
GIが高い程、食品摂取後に急激に血糖値が上昇することとなるが、このように血糖値が急激に上昇すると、すい臓より多量のインスリンが急激に分泌されることとなる。
このインスリンは、血糖をエネルギーへと変換する一方で、過剰な糖質を脂肪組織に蓄える。
よって、高GI食品は、糖尿病を含む生活習慣病等の観点からも避けられるべきであると考えられており、健康的な生活のために低GI食品の需要、及び高GI食品摂取時における血糖値上昇抑制への期待が高まっている。
また、本発明の他の目的は、化学的に安定した物質であるアモルファスパラミロンを有効成分とすることにより、高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を抑制することが可能な食後の急激な血糖値上昇抑制用食品を提供することにある。
更に、このとき、このアモルファスパラミロンの特性は、X線回折法による、前記結晶性パラミロンの結晶度に対する相対結晶度が20%以下として特定される。
この「パラミロン」は上位概念であり、ユーグレナから分離精製された態様の「結晶性パラミロン」及びこれから派生したパラミロンも含まれる。
請求項1に記載のパラミロンとしては、有効効果を向上させるべく、結晶性パラミロンをアモルファス化した、「アモルファスパラミロン」が利用される。
なお、「結晶性パラミロン」とは、培養されたユーグレナより公知の方法で精製されたパラミロンを指し、通常粉末体として提供される。
つまり、本明細書においては、「アモルファス」との物質的区別を図るべく「結晶性」という文言を使用したものである。
このように、本発明によれば、結晶性パラミロンをアモルファス化し、非晶性とした(ただし、「全く結晶構造を持たない」という意味合いではなく、「結晶性パラミロンと比して結晶性が低くなっている」という意味合いで「非晶性」という文言を使用する)。
以上のように、「アモルファスパラミロン」は、食後の急激な血糖値上昇抑制用食品として有効に作用し、本発明に係る「アモルファスパラミロン」の方がパラミロンよりも更に高い糖尿病抑制効果を奏する。
なお、このアモルファスパラミロンは、化学的にも安定した物質であり、従来の糖尿病抑制剤とも併用できる物質である。
このように、アモルファス化されたアモルファスパラミロンは、結晶性パラミロン粉末体とは異なった物性を示し(比重、結晶の大きさ等)、特に、高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を抑制する効果を有する有効な物質となる。
また本発明に係るユーグレナ由来の結晶性パラミロンをアモルファス化したアモルファスパラミロンを含む前記パラミロンは、肝臓中のトリグリセリドの増加を抑制し、インスリンの分泌を促すことにより、糖尿病の発症を抑制する。
なお、この「パラミロン」は前述した通り上位概念であり、ユーグレナから分離精製された態様の「結晶性パラミロン」及びこれから派生したパラミロンである「アモルファスパラミロン」も含まれ、本項では、アモルファスパラミロンがパラミロンに包含されることを明確に規定した。
つまり、アモルファスパラミロンを摂取することにより、高GI食品を摂取した場合であっても有効に血糖値上昇(特に、急激に血糖値が上昇する摂取後30分以内の血糖値上昇)を抑制することができる。
このため、パラミロン(アモルファスパラミロンを含む)は、2型の疾患に有効に作用する。
特に、食品としては、低GI食品としての利用や、高GI食品への利用が期待される。
高GI食品への利用とは、アモルファスパラミロンを摂取することにより、高GI食品摂取時において、低GI食品を摂取した場合と同様に食品摂取後30分以内の急激な血糖値上昇が抑制されるという効果を利用したものである。
このように、本発明に係るアモルファスパラミロンを有効成分とする食後の急激な血糖値上昇抑制用食品は、あらゆる形態で高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を抑制する機能を有する物質として提供され得るとともに、広く活用の場を想定することができる有用な物質である。
このアモルファスパラミロンで構成される食後の急激な血糖値上昇抑制用食品を摂取させることによって、高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇が有効に抑制されることがわかった。
つまり、アモルファスパラミロンは、肝臓中のトリグリセリドの増加を抑制し、インスリンの分泌を促すことにより、高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を抑制することがわかった。
そして、この効果は、アモルファスパラミロンで顕著であった。
このように、本発明に係る食後の急激な血糖値上昇抑制用食品は、高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を有効に抑制するために広く活用することができる。
また、本発明に係る食後の急激な血糖値上昇抑制用食品は、化学的に安定した物質であるアモルファスパラミロンを有効成分とすることにより、高GI食品同時摂取時に急激な血糖値の上昇を抑制することが可能となる。
このため、2型の疾患に有効に作用する。
なお、アモルファスパラミロンは上記の通り化学的に安定であり、従来の糖尿病抑制剤を併用することも可能である。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、結晶性パラミロンをアモルファス化して結晶性パラミロンよりも有用効果を向上させたアモルファスパラミロンの高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を抑制する効果に関するものである。結晶性パラミロンをアモルファス化したアモルファスパラミロンを有効成分とする食後の急激な血糖値上昇抑制用食品又は食後の急激な血糖値上昇抑制剤に関する。
(1)アモルファスパラミロンの製造工程
図1により、アモルファスパラミロンの製造方法について説明する。
なお、本製造方法は、約40gのアモルファスパラミロンを製造するための例であり、アモルファスパラミロンの製造量を増減させるためには、適宜スケールを変更することにより対応する。手順は同様である。
本実施形態においては、水酸化ナトリウム水溶液を2リットル調整した。
次いで、工程2で、1N水酸化ナトリウム水溶液に結晶性パラミロン粉末を50g添加して溶解させる。
結晶性パラミロン粉末は、1〜2時間スターラで撹拌することにより、1N水酸化ナトリウム水溶液に溶解させた。
この結晶性パラミロン粉末は、培養したユーグレナより、公知の方法で分離精製されたものである。
なお、1N塩酸を滴下するに従い、滴下部分がゲル化するが、このゲルをスパーテル等で崩しながら、中和が確認されるまで中和反応を継続した。
中和が完了した時点では、水分がゲルに完全に抱き込まれ、全体がゼリー状となる。
この遠心分離は、水分が分離し、沈殿を回収することができる条件で行えばよい。
本実施形態においては、100ml遠沈管で2500rpm、10分間の遠心分離を行った。
この工程では、蒸留水を沈殿に添加して撹拌し、遠心分離を行う。
つまり、上清廃棄→蒸留水添加→撹拌→遠心分離という工程を繰り返し実施することにより沈殿を洗浄し、沈殿したゲルを回収する。
本実施形態においては、4回の上記洗浄工程を繰り返した。
このようにして回収したアモルファスパラミロンは、吸湿性が高いため、ある程度手でほぐした後、乾燥剤を入れたデシケータで保存する。
この操作で、約40gのアモルファスパラミロンを作成することができた。
次いで、本発明に係るアモルファスパラミロンについて説明する。
アモルファスパラミロンの結晶度を測定するために、各パラミロンサンプルのX線回折を行った。
サンプルとしては、以下のサンプルを準備した。
イ)サンプル
a.サンプルA 結晶性パラミロン
b.サンプルB アモルファスパラミロン(30g生産スケール)
c.サンプルC アモルファスパラミロン(15g生産スケール)
d.サンプルD アモルファスパラミロン(5g生産スケール)
これらのサンプルは、粉砕機により粉砕された後、X線回折装置により分析される。
なお、サンプルAは、結晶性パラミロン粉末であるが、サンプルB乃至サンプルDを粉砕するため、前処理条件を同一とする目的で粉砕処理を実施した。
また、サンプルAは対照であり、アモルファス化されたパラミロンであるサンプルB乃至サンプルDのサンプルAに対する相対結晶度を算定する。
ロ−1)粉砕機
Retsch社製ボールミルMM400
粉砕条件:振動数20回/秒、粉砕時間5分
ロ−2)X線回折装置
スペクトリス社製H’PertPRO
測定条件:管電圧45KV、管電流40mA
測定範囲:2θ 5〜70°(回折ピーク位置確認フルスキャン)
2θ 5〜30°(強度測定用詳細スキャン)
ハ−1)ピーク位置確認
フルスキャンで回折ピーク位置を確認し、回折ピーク強度測定に用いる角度を決定した。
ハ−2)回折ピーク強度測定
上記ピーク位置確認で決定した角度で詳細スキャンを実施し、回折ピーク強度を測定した。
その結果を基に、回折ピーク強度比を相対結晶度として算出した。
ニ−1)ピーク位置確認
回折ピーク位置確認フルスキャンの結果を図2に示す。
図2に示すとおり、サンプルAにおいて、2θ=20°の付近に顕著なピークを観測することができた。
よって、強度測定用詳細スキャンを行う範囲を2θが5°乃至30°の範囲と決定した。
ニ−2)強度測定結果
強度測定用詳細スキャンの結果を図3に示す。
図3に示すように、サンプルB乃至サンプルDにおける2θ=20°の付近の回折ピークが、サンプルAの回折ピークに比して小さくなっていることが認められ、このことより、サンプルB乃至サンプルDの結晶度がサンプルAの結晶度に比して小さくなっていることがわかる。
ニ−3)結晶度算出
強度測定結果とアモルファスパラミロンのサンプルであるサンプルB乃至サンプルDの相対結晶度の算出結果を表1に示す。
相対結晶度(%)=(サンプル回折ピーク強度/対照回折ピーク強度)×100
つまり、対照である結晶性パラミロンの結晶度を100%とし、アモルファス化したパラミロンの結晶度を算出したものである。
このように、アモルファスパラミロンの相対結晶度は、相対結晶度20%以下程度であると考えられ、より詳しくは、相対結晶度16%以下となっていることがわかる。
これは、サンプルB乃至サンプルDに共通に現れていることから、同様の構造によるものであると考えられ、このことからも、アモルファス化によって、結晶構造が変化し、結晶性パラミロンとは異なる構造となったことがわかる。
つまり、通常の結晶構造の結晶性パラミロンには無い若しくは通常構造の結晶性パラミロンにおいては低い効能を、アモルファスパラミロンは高く発揮することができるものである。
以下、説明の簡略化のため、単に「パラミロン」との表示は、上記「結晶性パラミロン」を指し、「アモルファスパラミロン」と区別することとする。
なお、パラミロンは、公知の方法でユーグレナより抽出の後精製され、粉体状となったものが使用される。
OLETFラットのコントロールとしては、Otsuka Long-Evans Tokushima(LETO)ラットを使用した。
7週齢の雄性LETOラット5匹、OLETFラット20匹を日本エスエルシー株式会社より購入した。
OLETFラットは、各群の体重が等しくなるよう4群に群分けし、10週間飼育した。
精製飼料(AIN-93M)および一般飼料にセルロースの代わりとしてユーグレナ、パラミロン、アモルファスパラミロンをそれぞれ2%ずつ添加した飼料を摂取させた。
この実験スキームを図4に示す。
以下、図4のLETO群を「LC群」、OLETFラットの中でAIN-93Mを摂取した群を「OC群」、ユーグレナを摂取した群を「EU群」、パラミロンを摂取した群を「PM群」、アモルファスパラミロンを摂取した群を「AP群」と各々記すこととする。
飼料と水は自由摂取とし、毎週体重を測定した。飼育室の温度は23℃に保ち、明暗12時間サイクルで、明期は午前9時から午後9時までとし、光照明した。
各ラットを10週間飼育後、ジエチルエーテル麻酔下で開腹し、後大静脈より採血して屠殺した。
各ラットより、肝臓、膵臓、腎臓および内臓脂肪を採取し、重量を測定した。
なお、屠殺前日に代謝ケージに入れて24時間尿と糞を採取し、測定まで−30℃で保存した。
飼育開始0週目、6週目、10週目に経口ブドウ糖負荷試験(Oral glucose tolerance test:以下、「OGTT」と記す)を実施した。
OGTTにおいては、各ラットに対し18時間絶食後、2g/kgBWのグルコースをゾンデで強制投与した。
そして、投与0、30、60、120分に尾静脈より採血を行い、血糖値の測定を行った。
測定した血糖値の値から、血中濃度曲線下面積(Area under the blood concentration time curve:以下、「AUC」と記す)を求めた。
血中グルコース、トリグリセリド(TG)については富士ドライケム3000で測定した。
また、インスリンはレビスインスリン-ラットTで、アディポネクチンはレビス高分子アディポネクチン-マウス/ラットで測定した。
イ)飼料摂取量について
ラット各群の飼料摂取量についての結果を、表2に示す。
ラット各群の体重についての結果を表3に示す。
ラット各群の内臓脂肪量についての結果を表4に示す。
ラット各群の肝臓1g当りのトリグリセリド量についての結果を示すグラフを図5に示す。
図5に示すように、PM群及びAP群は、OC群と比べて肝臓1g中のトリグリセリド量がLC群並に低いことがわかる。
つまり、この結果と上記「飼料摂取量」「体重変化」「内臓脂肪量」の結果を踏まえると、AP群は飼料摂食量が多く、体重・内臓脂肪量が多いにも関わらず、トリグリセリド量は多くならなかったことがわかる。
ラット各群の血清中インスリン濃度についての結果を示すグラフを図6に示す。
図6に示すように、血清中インスリン濃度はAP群が最も高いことがわかる。
10週目の糖負荷試験における、ラット各群の血糖値変化についての結果を示すグラフを図7に示す。
図7に示すように、PM群及びAP群において、糖摂取後30分の血糖値上昇を抑制する傾向が認められた。
つまり、パラミロン及びアモスファスパラミロンを摂取することにより糖摂取後30分の血糖値上昇を抑制する傾向が確認されたものである。
OLETFラットは、パラミロン及びアモルファスパラミロンを摂取しても、通常のOLETFラットと同様に過食及び肥満の状態になる。
また、このとき、内臓脂肪の増加も認められ、典型的な糖尿病の病態を示すこととなる。
しかしながら、糖負荷試験においては、図7に示すように、パラミロン及びアモルファスパラミロンを摂取することにより糖摂取後30分の血糖値上昇が抑制された。
現在、血中や臓器へトリグリセリドが蓄積し、その結果インスリンの分泌が阻害されてしまうことが2型糖尿病を発症するメカニズムといわれている。
今回、パラミロン及びアモルファスパラミロンの摂取により、肝臓中のトリグリセリドの増加が抑制され、インスリンが正常に分泌されたことによって糖接種後30分の血糖値上昇が抑制されたと考えられる。
飼料摂取量(表2)、体重(表3)、内臓脂肪量(表4)、トリグリセリド量(図5)、血清中インスリン濃度(図6)と併せて検討すると、PM群よりAP群の方が摂食量は多く(表2)、体重・内臓脂肪量が多い(表3及び表4)にも関わらず、肝臓1g中のトリグリセリド量が少なく(図5)、インスリン濃度が高い(図6)ことがわかる。
そして、これを踏まえ、図7をもう少し詳しく解析すると、この図7だけを見ると、AP群とPM群とに顕著な差がないように見えるが、上記の結果を併せると、PM群よりAP群の方がより多くの餌を摂取しても糖尿病になりにくいことを示していることがわかる。
つまり、本試験において、AP群は、飼料の摂取が多く、肥満傾向を示しているにもかかわらず、インスリンの分泌量が多く、血糖値の上昇が有効に抑えられていることが確認されており、よって、PM群よりAP群の方がより多くの餌を摂取しても糖尿病になりにくいことが確認されたものである。
これらの結果より、パラミロン及びアモルファスパラミロンの低GI食品としての利用可能性が強く期待される。
また、これらパラミロン及びアモルファスパラミロンは、化学的に安定した物質である。
このようなパラミロン若しくはアモルファスパラミロンを有効成分とすることにより、高GI食品同時摂取時に急激な血糖値の上昇を抑制することが可能となるため、高GI食品への利用もまた期待されるものである。
なお、パラミロン若しくはアモルファスパラミロンは上記の通り化学的に安定であり、従来の糖尿病抑制剤を併用することも可能である。
Claims (4)
- ユーグレナ由来の結晶性パラミロンをアモルファス化したアモルファスパラミロンを有効成分とし、
高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を抑制するために用いられる食後の急激な血糖値上昇抑制用食品。 - 前記アモルファスパラミロンは、X線回折法による、前記結晶性パラミロンの結晶度に対する相対結晶度が20%以下であることを特徴とする請求項1に記載の食後の急激な血糖値上昇抑制用食品。
- 前記アモルファスパラミロンは、肝臓中のトリグリセリドの増加を抑制し、インスリンの分泌を促すことにより、糖尿病の発症を抑制することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の食後の急激な血糖値上昇抑制用食品。
- 前記アモルファスパラミロンは、継続的に摂取することにより、高GI食品摂取後30分以内の血糖値の上昇を抑制し、2型糖尿病を抑制する2型糖尿病抑制用であることを特徴とする請求項3に記載の食後の急激な血糖値上昇抑制用食品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016207075A JP6234532B2 (ja) | 2016-10-21 | 2016-10-21 | 食後の急激な血糖値上昇抑制用食品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2016207075A JP6234532B2 (ja) | 2016-10-21 | 2016-10-21 | 食後の急激な血糖値上昇抑制用食品 |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2012273607A Division JP2014118374A (ja) | 2012-12-14 | 2012-12-14 | 糖尿病抑制剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2017019866A JP2017019866A (ja) | 2017-01-26 |
| JP6234532B2 true JP6234532B2 (ja) | 2017-11-22 |
Family
ID=57888991
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016207075A Active JP6234532B2 (ja) | 2016-10-21 | 2016-10-21 | 食後の急激な血糖値上昇抑制用食品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6234532B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3315162B2 (ja) | 1992-09-03 | 2002-08-19 | 株式会社プラスチック工学研究所 | キャピラリー方式の粘度計 |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2018159714A1 (ja) * | 2017-03-02 | 2018-09-07 | 株式会社神鋼環境ソリューション | 糖及び/又は脂質の代謝改善剤 |
| JP7286335B2 (ja) * | 2018-02-09 | 2023-06-05 | 株式会社ユーグレナ | 骨密度改善用食品組成物、骨密度改善剤、前駆骨芽細胞増殖用食品組成物、骨分化促進用食品組成物、骨強化用食品組成物、抗骨粗鬆症用食品組成物、前駆骨芽細胞増殖剤、骨分化促進剤、骨強化剤、抗骨粗鬆症剤、骨密度改善剤の製造方法、前駆骨芽細胞増殖剤の製造方法、骨分化促進剤の製造方法、骨強化剤の製造方法及び抗骨粗鬆症剤の製造方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4307006B2 (ja) * | 2002-03-28 | 2009-08-05 | キリンフードテック株式会社 | 糖尿病予防剤 |
| JP2009062337A (ja) * | 2007-09-07 | 2009-03-26 | Euglena Co Ltd | α−グルコシダーゼ活性阻害剤及びこれを含む食品 |
| JP2011184592A (ja) * | 2010-03-09 | 2011-09-22 | Euglena Co Ltd | アモルファスパラミロン |
-
2016
- 2016-10-21 JP JP2016207075A patent/JP6234532B2/ja active Active
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3315162B2 (ja) | 1992-09-03 | 2002-08-19 | 株式会社プラスチック工学研究所 | キャピラリー方式の粘度計 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2017019866A (ja) | 2017-01-26 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2014118374A (ja) | 糖尿病抑制剤 | |
| Genta et al. | Subchronic 4-month oral toxicity study of dried Smallanthus sonchifolius (yacon) roots as a diet supplement in rats | |
| Xu et al. | A more pronounced effect of type III resistant starch vs. type II resistant starch on ameliorating hyperlipidemia in high fat diet-fed mice is associated with its supramolecular structural characteristics | |
| US12053498B2 (en) | Fruit and vegetable pomace composition and use as blood glucose modulator and anti-diabetic agent | |
| JP5496427B2 (ja) | 炎症性腸疾患治療剤 | |
| BR112016011564B1 (pt) | usos de inibidores de sglt2 ou formas farmaceuticamente aceitáveis dos mesmos para o tratamento de distúrbios metabólicos em animais felinos | |
| JP6234532B2 (ja) | 食後の急激な血糖値上昇抑制用食品 | |
| WO2019237595A1 (zh) | 木聚糖在制备预防或治疗骨质疏松的药物或食品中的应用 | |
| JP5866693B2 (ja) | 大腸癌の前癌病変発生抑制剤及び方法 | |
| Romus et al. | Effect of inulin from dahlia tubers (Dahlia variabilis) extract on insulitis severity and insulin expression in diabetic rats | |
| WO2004110174A1 (ja) | グリセミック指数低減用組成物及び食品 | |
| Zakaria et al. | Animal models in type 2 diabetes mellitus research: pros and cons | |
| JP6241644B2 (ja) | PPARγ発現向上剤、並びにそれを含む基礎代謝向上剤、筋肉疲労回復向上剤、PPARγ発現向上用医薬組成物及びPPARγ発現向上用飲食品 | |
| JP5481036B2 (ja) | ガゴメ由来免疫賦活剤およびガゴメ由来の粘性多糖類の抽出方法 | |
| JP2008184392A (ja) | シークワーシャー由来の脂質代謝改善剤 | |
| CN104605349A (zh) | 一种含d-松醇并具有降血糖功能的保健品及功能学评价方法 | |
| US20130018015A1 (en) | Nutritional Composition and Methods of Making and Using Same | |
| JP2022171876A (ja) | 血糖値上昇抑制用青汁、抗酸化用青汁、整腸用青汁、コラーゲン吸収促進用青汁、カルシウム吸収促進用青汁及び血中コレステロール上昇抑制用青汁 | |
| JP6894789B2 (ja) | 胆汁酸吸着剤、その製造方法、及び胆汁酸吸着剤を含む飲料物 | |
| JP5768252B2 (ja) | 抗脂血及び内臓脂肪予防食品 | |
| JP6676874B2 (ja) | 非アルコール性脂肪性肝疾患の発症リスクを低減する機能を有する食品 | |
| CN112996523B (zh) | 血糖值上升抑制用、血液中甘油三酯上升抑制用组合物 | |
| JP2011032256A (ja) | 薬用ニンジンを始めとしたサポニン含有生薬服用時に生じるメンゲン反応の防止及び生薬の吸収性を増大させる製法(生薬の有効成分を鶏卵タンパクに吸収させる方法)による医薬組成物及び健康食品 | |
| JP6289086B2 (ja) | 糖尿病予防用または抗糖尿病用食品組成物 | |
| Gu | Effects of grain sorghum muffin on blood glucose and insulin responses in prediabetic men |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20161021 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20161202 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170704 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170720 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170926 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171024 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6234532 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |