以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず、本発明を適用する画像形成装置の一例について図1を参照して説明する。図1は同画像形成装置の機構部の平面説明図である。
この画像形成装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、図示しない左右の側板に横架した主ガイド部材1及び図示しない従ガイド部材でキャリッジ3を移動可能に保持している。そして、主走査モータ5によって、駆動プーリ6と従動プーリ7間に架け渡したタイミングベルト8を介して主走査方向(キャリッジ移動方向)に往復移動する。
このキャリッジ3には、液体吐出ヘッドからなる記録ヘッド4a、4b(区別しないときは「記録ヘッド4」という。)を搭載している。記録ヘッド4は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出する。また、記録ヘッド4は、複数のノズルからなるノズル列4nを主走査方向と直交する副走査方向に配置し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド4は、図2に示すように、それぞれ複数のノズル4nを配列した2つのノズル列Na、Nbを有する。記録ヘッド4aの一方のノズル列Naはブラック(K)の液滴を、他方のノズル列Nbはシアン(C)の液滴を吐出する。記録ヘッド4bの一方のノズル列Naはマゼンタ(M)の液滴を、他方のノズル列Nbはイエロー(Y)の液滴を、それぞれ吐出する。
記録ヘッド4を構成する液体吐出ヘッドとしては、例えば、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータを用いることができる。
一方、用紙10を搬送するために、用紙を静電吸着して記録ヘッド4に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト12を備えている。この搬送ベルト12は、無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。
そして、搬送ベルト12は、副走査モータ16によってタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。この搬送ベルト12は、周回移動しながら図示しない帯電ローラによって帯電(電荷付与)される。
さらに、キャリッジ3の主走査方向の一方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4の維持回復を行う維持回復機構20が配置され、他方側には搬送ベルト12の側方に記録ヘッド4から空吐出を行う空吐出受け21がそれぞれ配置されている。
維持回復機構20は、例えば記録ヘッド4のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材20a、ノズル面を払拭するワイパ部材20b、画像形成に寄与しない液滴を吐出する図示しない空吐出受けなどで構成されている。
また、搬送ベルト12と維持回復機構20との間の記録領域外であって、記録ヘッド4に対向可能な領域には、本発明に係る吐出検知手段を構成する吐出検知ユニット100が配置されている。一方、キャリッジ3には、吐出検知ユニット100の後述する電極板101を清掃する清掃ユニット200が設けられている。
また、キャリッジ3の主走査方向に沿って両側板間に、所定のパターンを形成したエンコーダスケール23を張装し、キャリッジ3にはエンコーダスケール23のパターンを読取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ24を設けている。これらのエンコーダスケール23とエンコーダセンサ24によってキャリッジ3の移動を検知するリニアエンコーダ(主走査エンコーダ)を構成している。
また、搬送ローラ13の軸にはコードホイール25を取り付け、このコードホイール25に形成したパターンを検出する透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ26を設けている。これらのコードホイール25とエンコーダセンサ26によって搬送ベルト12の移動量及び移動位置を検出するロータリエンコーダ(副走査エンコーダ)を構成している。
このように構成したこの画像形成装置においては、図示しない給紙トレイから用紙10が帯電された搬送ベルト12上に給紙されて吸着され、搬送ベルト12の周回移動によって用紙10が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ3を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙10にインク滴を吐出して1行分を記録する。そして、用紙10を所定量搬送後、次の行の記録を行う。
記録終了信号又は用紙10の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙10を図示しない排紙トレイに排紙する。
次に、この画像形成装置の制御部の概要について図3を参照して説明する。同図は同制御部の全体ブロック説明図である。
この制御部500は、この装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501が実行するプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、画像データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
また、制御部500は、PCなどのホスト(情報処理装置)600との間でデータの転送を司るホストI/F506と、記録ヘッド4を駆動制御する画像出力制御部511と、エンコーダ解析部512を備えている。エンコーダ解析部512は、主走査エンコーダセンサ24、副走査エンコーダセンサ26からの検出信号を入力して解析する。
また、制御部500は、主走査モータ5を駆動する主走査モータ駆動部513と、副走査モータ16を駆動する副走査モータ駆動部514と、各種センサ及びアクチュエータ517との間のI/O516なども備えている。
を備えている。
また、制御部500は、吐出検知ユニット100の電極板101に液滴が着弾したときの電気的変化を測定(検出)して吐出/不吐出を判別する吐出検知部531を備えている。また、制御部500は、吐出検知ユニット100の電極板101を払拭する清掃ユニット200の駆動モータ203を駆動する清掃ユニット駆動部532を備えている。
画像出力制御部511は、印刷データを生成するデータ生成手段、記録ヘッド4を駆動制御するための駆動波形を発生する駆動波形発生手段、駆動波形から所要の駆動信号を選択するためのヘッド制御信号及び印刷データを転送するデータ転送手段などを含む。そして、キャリッジ3側に搭載された記録ヘッド4を駆動するためのヘッド駆動回路であるヘッドドライバ510に対して駆動波形、ヘッド制御信号、印刷データなどを出力して、記録ヘッド4のノズルから印刷データに応じて液滴を吐出させる。
また、エンコーダ解析部512は、検出信号から移動方向を検知する方向検知部520と、移動量を検知するカウンタ部521とを備えている。
制御部500は、エンコーダ解析部512からの解析結果に基づいて、主走査モータ駆動部513を介して主走査モータ5を駆動制御することでキャリッジ3の移動制御を行う。また、副走査モータ駆動部514を介して副走査モータ16を駆動制御することで用紙10の送り制御を行う。
この制御部500の主制御部500Aは、記録ヘッド4の滴吐出検出を行うときには、記録ヘッド4を移動させ、記録ヘッド4の所要のノズルから滴吐出を行わせて滴吐出検知部531からの検出信号によって滴吐出状態を判別する制御を行う。
次に、吐出検知ユニットの一例について図4ないし図8を参照して説明する。図4は同吐出検知ユニットに係わる部分の説明図、図5は同じくキャリッジ部分及び吐出検知ユニットの要部斜視説明図、図6は同じく正面説明図、図7は同吐出検知ユニットの斜視説明図、図8は同吐出検知ユニットのワイパ退避カバーの説明に供する斜視説明図である。
吐出検知ユニット100は、ホルダ部材103の記録ヘッド4のノズル面41と対向可能な上面に、着弾部材である電極板101が配置されている。電極板101の表面(対向面)が着弾面となる。
ホルダ部材103は、例えばプラスチック等の絶縁材料で形成されている。
電極板101は、導電性の金属板で、錆びにくく、インクに対して変質しにくい材料で形成することが好ましい。電極板101は、例えば、SUS304、銅合金にNiメッキを施したもの、あるいは、Pdメッキを施したものなどで形成できる。また、電極板101の液滴が着弾する表面には撥水処理を施すことが好ましい。
この電極板101にはリード線102が電気的に接続され、詳細は後述する吐出検知部531に接続されている。
また、ホルダ部材103には、図7に示すように、ワイパ部材202による払拭方向の終端側に開口部110が形成されている。そして、この開口部110を形成する部分の一部(エッジ部分)で、ワイパ部材202から廃液(ワイパ部材202に付着した液滴)を除去して清掃する清掃部材であるワイパクリーナ111を形成している。
なお、ホルダ部材103には、開口部110の下側から図示しない廃液タンクへとつながる流路を形成する廃液チューブ112が設けられている。また、図示しないが、廃液タンクへとつながる流路上には吸引ポンプが配置され、開口部110の底部に溜まった廃液を廃液タンクへと排出する。
一方、キャリッジ3には、電極板101の表面(着弾面)に着弾した液滴をノズル配列方向に沿って移動して払拭するワイパ部材202を含む清掃手段である清掃ユニット200が設けられている。
ワイパ部材202は、例えばEPDMで形成している。EPDMは撥水性がそれほど高くなく、ワイパ部材202の撥水性よりも電極板101表面の撥水性の方が高くできる。ワイパ部材202の撥水性よりも電極板101表面の撥水性の方を高くすることによって、電極板101からインクを払拭し易くなる。
このワイパ部材202は、駆動プーリ221と従動プーリ222との間に掛け回されたタイミングベルト223に取付けられている。そして、キャリッジ3に取付けられた駆動源である駆動モータ203でウオームギヤ224及びギヤ225を介して駆動プーリ221を回転駆動することによって、ワイパ部材202がタイミングベルト223とともに図4の矢印A方向に周回移動する。
また、ワイパ部材202を退避位置でカバーするワイパ退避カバー204を備えている。ワイパ部材202を使用しないときには、ワイパ部材202はワイパ退避カバー204内に格納される。これにより、ワイパ部材202に付着している微量の廃液が、キャリッジ動作中に飛散することを防止できる。
ワイパ退避カバー204は、図8に示すように、下面がワイパ部材202から垂れ落ちる廃液を受ける廃液受け部204aとなり、この廃液受け部204aには廃液を吸収して保持する吸収部材207を設けている。
次に、図4に戻って、吐出検知部531の一例について説明する。
吐出検知部531は、図4に示すように、電極板101に高電圧VE(例えば750V)を加える高電圧電源701を備えている。この高電圧電源701は、主制御部500Aによってオン/オフ制御される。
また、電極板101に液滴が着弾したときの電気的変化に伴う信号を入力するバンドパスフィルタ(BPF)702と、信号を増幅する増幅器(AMP)703と、増幅信号をA/D変換するAD変換器(ADC)704とを備えている。このADC704の変換結果を主制御部500Aに入力する。
そして、吐出検知を行うときには、記録ヘッド4のノズル面41と電極板101とを対向させ、電極板101に高電圧VEを付与し、ノズル面41と電極板101との間に電位差を与える。このとき、記録ヘッド4のノズル面41はマイナスに帯電し、電極板101はプラスに帯電される。
この状態で、記録ヘッド4から1ノズルずつ検知用の液滴を1滴又は複数滴吐出させる。
このとき、吐出される液滴はマイナスに帯電された記録ヘッド4のノズル面41から吐出されるので、液滴もマイナスに帯電されている。これがプラスに帯電された電極板101に着弾すると、電極板101に加えている高電圧VEの電圧が微小に変動する。
そこで、バンドパスフィルタ702にてこの変動分(AC成分)を抽出し、増幅回路703で増幅して、ADC704でA/D変換して測定結果(検出結果)として主制御部500Aに入力する。
主制御部500Aでは、測定結果(変動分)と予め設定した閾値を越えているか否かを判別して、測定結果が閾値を越えているときには、吐出していると判別し、閾値を越えていないときには不吐出と判別する。
なお、本実施形態では、1ノズルずつ吐出させて電極板101に着弾させているため、1ノズルの吐出/不吐出の判別には、0.5〜10msec程度の時間を要する。すべてのノズルについての吐出/不吐出の判別が終了した後、電極板101に加えている高電圧VEはオフ状態にされる。
次に、清掃ユニットのワイパ部材による電極板101の表面(着弾面)の払拭動作について図9を参照して説明する。図9は同説明に供する斜視説明図である。
まず、清掃ユニット200のモータ203を駆動して、ワイパ部材202を移動させ、図9(a)に示すように、電極板101に吐出された着弾したインク120をワイパ部材202で払拭していく。
このとき、図9(b)に示すように、払拭されたインク120の一部は開口部110に排出され、ワイパ部材202に付着したインクは、図9(c)に示すように、ワイパクリーナ111によって掻き落とされる。
ところが、通常の吐出検知時の吐出量は非常に少ない量のため、払拭しきれずに、図9(b)、(c)に示すように、電極板101上に、インク120aとして示すように薄く引き延ばされる。
この薄く引き延ばされたインク120aは、薄いために乾燥しやすく、短い時間で固着してしまう。そして、これが繰り返されると、電極板101の表面(着弾面)に徐々に積層されて堆積していくことになる。
このように、電極板101の表面にインクが堆積すると、堆積インクの表面は荒れた状態であるため、ノズル面41との距離がばらつき、検知性能もばらつきが生じることになる。
また、堆積してノズル面41との距離が相当近くなると、吐出検知時の吐出滴が跳ね返ってノズル面41に付着し、不吐出やノズル曲がりなどの異常吐出の原因となる。さらに、堆積が進むと、いずれは、記録ヘッド4のノズル面41と接触し、ノズル内のメニスカスを破壊したり、ノズル内に入り込んだりして、異常吐出を引き起こすことになる。
そこで、吐出検知で微量のインクを電極板101に吐出した後、必要に応じて、ワイパ部材202による払拭を行う前に、電極板101の吐出検知位置に吐出検知で吐出した量のインク量よりも多い所定の量のインクを吐出して、電極板101上を洗い流すような状態にして、払拭部材202で払拭するようにしている。
次に、本発明の第1実施形態における吐出検知動作の制御について図10のフロー図を参照して説明する。
まず、吐出検知動作開始すると、記録ヘッド4を吐出検知位置に移動する。そして、吐出検知を実行する。この吐出検知では、所定のノズル列から1ノズルずつインク滴を電極板101に向けて吐出する。1ノズル当たりの吐出滴数は、電位変化を大きくするために複数滴を連続吐出させることが好ましい。このとき、前述したように、吐出された滴によって、電極板101の電圧が変化するので、その電気的変化を検出して、吐出の有無を検知する。
ここで、吐出位置(液滴を吐出する電極板101上の位置)は、ワイパ部材202での払拭時に電極板101の払拭方向における側端からインクがこぼれてしまわないように、電極板101の短手方向の略中央部とすることが好ましい。
ただし、上述した記録ヘッド4のように複数のノズル列を有する場合、近接したノズル列があるときは、近接したノズル列間の中央付近が電極板101の中央と合う位置で各ノズル列の吐出検知を実行するのが好ましい。これにより、ヘッドの移動時間を少しでも短くして吐出検知時間を短縮することができる。
逆に、ノズル列の間隔が広い場合には、各ノズル列が電極板101の略中央になるように各ノズル列の吐出検知ごとに移動させて、吐出検知を実行する。
そして、吐出検知を実行した後、清掃用液滴を吐出する清掃用吐出を実行するか否かを判別する。
すなわち、吐出検知で吐出するインク量は非常に微量であるので、それをワイパ部材202で払拭して薄く引き延ばしたものが堆積して吐出検知性能に影響を与えるレベルにはすぐには達しない。そのため、吐出検知の度に毎回清掃用吐出を行うのでは、無駄なインクの消費量が多くなる。
そこで、ある程度堆積したところ、例えば、吐出検知回数をカウントして予め定めた閾値と比較し、閾値を超えたとき(堆積が進行したとき)に清掃用吐出を実施するようにすることで、無駄なインク消費を低減することができる。
ここで、清掃用吐出を実行するときには、例えば当該吐出検知を行ったノズル列のノズルから、清掃用の吐出量のインク滴を電極板101上に吐出する。このときは、全チャンネル(ノズル)から同時に吐出して、清掃用吐出に要する時間を短縮することが好ましい。
その後、又、清掃用吐出を実行しないときには、ワイパ部材202を吐出検知ユニット100の清掃位置に移動し、モータ203を駆動してワイパ部材202によって電極板101の表面を払拭して清掃する(吐出検知ユニット清掃実施)。
このとき、上述したように吐出検知用のインク滴のみであれば、払拭するときに非常に薄く引き延ばされるだけである。これに対し、本実施形態のように、清掃用の多量のインク滴を吐出して清掃する場合には、洗い流すような効果が生まれ、たとえ多少インクの堆積があったとしても、一緒に排出される。
これにより、電極板101を長期間清浄に保つことができ、正常な吐出検知動作を長期間行うことができる。
その後、ワイパ部材202は待機位置に移動して吐出検知動作が終了となる。
なお、上記説明では、記録ヘッド4を搭載したキャリッジ3が用紙搬送方向と直交する方向に往復移動するシリアル型画像形成装置で説明しているが、用紙幅のヘッドを有し、用紙搬送経路の画像形成面と対向する位置に配置されたライン型画像形成装置にも適用できる。ライン型画像形成装置に適用した場合、電極板101がラインヘッドの全幅に対向する位置に配置し、ヘッドが移動しない機構の場合は、その対向位置を常にキープするようになり、ヘッドを電極板101の吐出検知位置に移動する必要が無くなる。
次に、本実施形態における清掃用吐出の吐出量について図11及び図12も参照して説明する。図11は各ノズルからの吐出量(滴数)、電極板上の位置、払拭動作後の電極板上のインクの状態を説明する説明図、図12は清掃用吐出後の電極板上のインクの状態を説明する説明図である。
本実施形態体では、清掃用吐出処理において、清掃用液滴の吐出における吐出量は、払拭方向上流側よりも払拭方向下流側を多くするようにしている。
例えば、1列のノズル列のノズルが100個とし、払拭開始側のノズルを1ch(ch:チャンネル)目とし、払拭終了側のノズルを100cn目とする。
このとき、図11(a)に示すように、清掃用吐出では、例えば1ch目から70ch目のノズルからは各chにつきそれぞれ50滴ずつの吐出を行い、71ch目〜100ch目のノズルからはそれぞれ200滴ずつ吐出させる。つまり、ワイパ部材202の払拭開始側(払拭方向上流側)のノズルよりも払拭終了側(払拭方向下流側)のノズルの方の吐出量を多くする。
このような清掃用吐出を行った場合、電極板101に着弾したインク300の状態は図12に示すようになる。
この状態でワイパ部材202による払拭を行うと、電極板101上のインク300が引き延ばされて図11(c)に示すような状態になる。
ここで、吐出検知用のインク滴のみであれば、払拭するときに非常に薄く引き延ばされるだけであるのに対し、清掃用の多量のインク滴(清掃用液滴)が吐出されることで、洗い流すような作用が生まれ、たとえ多少インクの堆積があったとしても、一緒に払拭除去することができる。
これにより、電極板101を長期間清浄に保つことができ、正常な吐出検知動作を長期間行うことができる。
そして、本実施形態では、清掃用吐出を実行するか否かを判別するようにしている。
つまり、吐出検知で吐出するインク量は非常に微量であるので、それをワイパ部材202で払拭して薄く引き延ばしたものが堆積して吐出検知性能に影響を与えるレベルに達するまでには時間がかかる。そのため、吐出検知動作を行う度に毎回清掃用吐出を行うのでは、無駄なインクの消費量が多くなる。
そこで、ある程度廃液(インク)が堆積したところで、清掃用吐出を実施するようにすることで、無駄なインク消費を低減することができる。
上述した本実施形態の作用について図13及び図14も参照して説明する。図13は払拭後に生じる廃液(インク)の堆積状態の説明に供する斜視説明図、図14は同じく平面説明図である。
吐出検知用吐出を実施してから、ワイパ部材202による払拭動作を繰り返したとき、図13及び図14に示すように払拭除去できなかったインク300が堆積する。
このときのインク300の堆積量は、吐出検知の実施回数、環境、インクの乾燥速度等によるが、0.1mm〜0.3mm程度にまで成長する。特に、領域301では高く堆積する。
そこで、払拭方向下流側におけるノズルからの吐出量が、払拭方向上流側における吐出量よりも多くなるように、つまり、領域301の堆積を確実に除去できるように多くの量の清掃用液滴を吐出する。
これによって、領域301を含めて電極板101上の堆積しているインク300を確実に少ない吐出量、あるいは、少ない払拭回数で除去することができる。
この場合、堆積物の残りが多い場合には、吐出と清掃部材による払拭を繰り返したり、払拭部材による払拭のみを繰り返したりすることで、より確実に堆積物を除去することが可能となる。
また、清掃用吐出を行った後、所定時間(例えば数秒)経過してからワイパ部材202による払拭を実施すると、清掃用液滴によって堆積物の粘度が低下するので、より効果的に清掃(払拭除去)することができる。
次に、比較例について図15ないし図17を参照して説明する。図15は比較例の清掃用吐出を行って払拭したときの電極板上のインクの状態を説明する斜視説明図、図16は同じく平面説明図、図16は同じくインクが側面に移動した状態を説明する斜視説明図である。
比較例は、清掃用吐出として、払拭方向開始側(上流側)でも払拭方向終了側(下流側)と同程度に多くの吐出量で液滴を吐出する。
このような吐出を行うと、図15及び図16に示すように、ワイパ部材202による払拭によって電極板101上でインク300が払拭方向と交差する方向の両端まで引き延ばされて広がり、払拭清掃に時間がかかることになる。
また、払拭によって図17に示すように電極板101の側面にインク300が流れ出してしまい、装置内に滴下するという不具合が発生する。
次に、本発明の第2実施形態について図18も参照して説明する。図18は同実施形態における各ノズルからの吐出量(滴数)、電極板上の位置、払拭動作後の電極板上のインクの状態を説明する説明図である。
本実施形態体では、清掃用吐出において、払拭方向上流側では清掃用液滴を吐出しないで、払拭方向下流側で1又は複数のノズルから清掃用液滴を吐出するようにしている。
例えば、1列のノズル列のノズルが100個とし、払拭開始側のノズルを1ch(ch:チャンネル)目とし、払拭終了側のノズルを100cn目とする。
このとき、図18(a)に示すように、清掃用吐出では、例えば1ch目から70ch目のノズルからは吐出を行わず、71ch目〜100ch目のノズルからはそれぞれ200滴ずつ吐出させる。つまり、ワイパ部材202の払拭開始側(払拭方向上流側)のノズルよりも払拭終了側(払拭方向下流側)のノズルの方の吐出量を多くする。
このような清掃用吐出を行った場合、電極板101に着弾したインク300の状態は図17(c)に示すようになる。
このような構成でも、払拭終了側での堆積物を効果的に除去することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図19も参照して説明する。図19は同実施形態における各ノズルからの吐出量(滴数)、電極板上の位置、払拭動作後の電極板上のインクの状態を説明する説明図である。
本実施形態体では、清掃用吐出処理において、払拭方向上流側と払拭方向下流側とでアナログ的(曲線状)に滴数(吐出量)を変化させている。また、払拭方向下流側では、終了側で滴数を徐々に少なくしている。
このような構成でも、払拭終了側での堆積物を効果的に除去することができる。
次に、本発明の第4実施形態について図20のフロー図も参照して説明する。
本実施形態では、清掃用吐出を行った後、ワイパ部材202によって電極板101の表面を払拭して清掃するまでの間に所定時間、例えば10秒間ほど待ち時間を入れるようにしている。すなわち、清掃用吐出実行後、所定時間経過後に、払拭動作に移行する。
これにより堆積していた堆積物が清掃用液滴によってふやける(粘度が低下する)ので、ワイパ部材202によって電極板101の表面を払拭したときに、よりきれいに清掃することができる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
前述したように、複数種類の液滴を吐出する場合、粘度が相対的に低いインク(一番低いインクを使用する。
これにより、堆積物の除去をより効率的に行うことができる。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
記録ヘッド4の状態を維持、回復するための維持回復動作として、画像形成に寄与しない空液滴を吐出する空吐出動作を行う。
ここで、空吐出動作前に清掃用吐出動作において他のノズルよりも多くのインク(液滴)を吐出したノズルについては、空吐出動作での吐出量を少なくする制御をする。
あるいは、空吐出動作後に清掃用吐出動作を行うときには、清掃用吐出動作において他のノズルよりも多くのインク(液滴)を吐出するノズルについては、空吐出動作での吐出量を少なくする制御をする。
このように、清掃用吐出動作で多くの吐出量で滴を吐出することでノズルにはよりフレッシュなインクが導かれるので、空吐出動作で吐出する吐出量は少なくてもよい。これにより、無駄な液体消費を低減できる。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
本実施形態は、前記第1実施形態の電極板101に代えて、単に液滴を受ける着弾面を形成する着弾部材を備え、この着弾部材に空吐出滴を吐出する空吐出動作を行うようにしたものである。
このような構成でも、前記第1実施形態或いは第3実施形態と同様に、払拭部材で着弾面を払拭する前に、着弾面に対して清掃用液滴を吐出させ、清掃用液滴の吐出における吐出量は、払拭方向上流側よりも払拭方向下流側を多くする制御をする構成とすることができる。
また、前記第2実施形態と同様に、払拭部材で着弾面を払拭する前に、着弾面に対して清掃用液滴を吐出させ、清掃用液滴の吐出は、払拭方向下流側で着弾面に対向する1又は複数のノズルから行う制御をする構成とすることもできる。
これによって、空吐出動作を行う着弾部材の着弾面の払拭清掃を効率的に行うことができる。
上記各実施形態では、着弾部材が電極板である例で説明しているが、着弾部材が抵抗体(抵抗部材)であって、滴着弾による両端間の抵抗値変化を検出して吐出検知を行うものにも同様に適用することができる。
また、本願において、「用紙」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味である、被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。また、画像形成、記録、印字、印写、印刷はいずれも同義語とする。
また、「画像形成装置」は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の媒体に液体を吐出して画像形成を行う装置を意味する。また、「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与すること(単に液滴を媒体に着弾させること)をも意味する。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
また、「画像」とは平面的なものに限らず、立体的に形成されたものに付与された画像、また立体自体を三次元的に造形して形成された像も含まれる。