上記の本発明の洗浄用アダプタは、前記筒状部と、前記筒状部の一端を塞ぐ天板とを備えた有底筒形状を有していてもよい。この場合、前記ポートは前記天板に偏芯して設けられていることが好ましい。これにより、洗浄液を、ポートを介して、オスルアーと外筒との間の空隙に向かって注入することができる。従って、外筒の内周面に形成された雌ネジの谷に付着した汚れの除去が容易になる。
前記ポート内または前記ポートと前記内腔との境界に、小孔が形成されたバッフル板が設けられていてもよい。これにより、洗浄液を小孔からアダプタとオスコネクタとで囲まれた空間内に勢いよく噴射することができる。その結果、洗浄液による汚れの除去性能が更に向上する。
本発明の洗浄用アダプタは、前記筒状部の内腔と連通した第2ポートを更に備えることが好ましい。これにより、アダプタとオスコネクタとで囲まれた空間内の圧力が異常に上昇することなく、当該空間に洗浄液を注入することができる。当該空間内に洗浄液を勢いよく注入することが可能になるので、洗浄液による汚れの除去性能が向上する。汚れを含む洗浄液を別のポートから流出させれば、洗浄作業後のオスコネクタに残存する汚れを少なくすることができる。
上記において、前記第2ポートは前記筒状部に設けることができる。
前記筒状部の内周面は、前記外筒が挿入される開口側で径大のテーパ面であることが好ましい。これにより、オスコネクタの外筒の外周面が先細のテーパ面である場合、アダプタをオスコネクタに液密に装着する作業が簡単になる。
前記栓体は、前記オスルアーの前記流路内に挿入されて前記流路を塞ぐことが好ましい。これにより、簡単な構造でオスルアーの流路を確実に塞ぐことができる。
本発明の洗浄用アダプタは、前記オスコネクタに係合する係合構造を更に備えることが好ましい。これにより、アダプタとオスコネクタとが意図せずに分離してしまう可能性を低減することができる。
前記ポートは、前記ポートに接続される部材との接続状態を維持するためのロック機構を備えていてもよい。これにより、ポートと、これに接続される部材とが、意図せずに分離してしまう可能性を低減することができる。
同様に、前記第2ポートは、前記第2ポートに接続される部材との接続状態を維持するためのロック機構を備えていてもよい。これにより、第2ポートと、これに接続される部材とが、意図せずに分離してしまう可能性を低減することができる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する部材のうち、本発明を説明するために必要な主要部材のみを簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。以下の各図では、実際の部材の寸法および各部材の寸法比率等が忠実に表されていない。
(実施形態1)
<構成>
図1は、本発明の実施形態1にかかる洗浄用アダプタ(以下、単に「アダプタ」という)1の斜視図である。図2は、アダプタ1の中心軸1aを含む面に沿った断面斜視図である。図3は、アダプタ1の底面図である。以下の説明の便宜のために、中心軸1aに平行な方向を「上下方向」、図1の紙面の上側をアダプタ1の「上側」、図1の紙面の下側をアダプタ1の「下側」という。中心軸1aに垂直な面に平行な方向を「水平方向」という。また、中心軸1aの周りに回転する方向を「周方向」、中心軸1aに直交する方向を「半径方向」という。但し、「上下方向」及び「水平方向」は、アダプタ1の使用時の向きを意味するものではない。
アダプタ1は、中空筒形状を有する筒状部10と、筒状部10の上端を塞ぐ円形の天板13とを備えた有底筒形状を有する。本実施形態では、天板13は水平方向に平行な平板であるが、天板13の形状はこれに限定されず、例えばその中央部分が上方に向かってドーム状に突出した曲面であってもよい。筒状部10の内周面11は、中心軸1aと同軸のテーパ面(円錐面)であり、その内径は、天板13から遠ざかるにしたがって大きくなる。内周面11の内径及びテーパ角度は、アダプタ1を用いて洗浄されるオスコネクタ110(後述する図4参照)の外筒113の外周面114のテーパ面と一致するように設定されている。一対の係止突起14が、筒状部10の内周面11から中心軸1aに向かって突出している。係止突起14は、筒状部10の下端近傍であって、中心軸1aに対して対称の位置に配置されている。
天板13から、筒状部10の内腔12に向かって、中心軸1aと同軸の栓体15が突出している。本実施形態では、栓体15の外周面は、中心軸1a方向において外径が一定である円筒面である。但し、栓体15の外周面の形状は、これに限定されず、例えば、その先端(下端)に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(円錐面)であってもよい。栓体15の外径は、アダプタ1を用いて洗浄されるオスコネクタ110(後述する図4参照)のオスルアー111の流路112を規定する内周面の内径と一致するように設定されている。
第1ポート16が、天板13から上方に向かって突出している。第1ポート16は、中空の筒形状を有し、筒状部10の内腔12に連通している。第1ポート16は、中心軸1aに対して偏芯し、中心軸1aと平行に延びている。本実施形態では、第1ポート16の内周面は、天板13に近づくにしたがってその内径が小さくなるテーパ面(円錐面、例えば125/1000テーパ)である。但し、第1ポート16の内周面の形状は、これに限定されず、任意の形状(例えば円筒面)を有していても良い。
第2ポート17が、筒状部10の外周面の天板13の近傍の位置から外向き(中心軸1aから離れる向き)に突出している。第2ポート17は、中空の筒形状を有し、筒状部10の内腔12に連通している。第2ポート17は、半径方向(中心軸1aに直交する方向)に沿って延びている。本実施形態では、第2ポート17の内周面は、筒状部10に近づくにしたがってその内径が小さくなるテーパ面(円錐面、例えば125/1000テーパ)である。但し、第2ポート17の内周面の形状は、これに限定されず、任意の形状(例えば円筒面)を有していても良い。
図2から理解できるように、第1ポート16及び第2ポート17は、中心軸1aを含む一平面に沿って配置されている。当該平面において、第1ポート16と第2ポート17とは、中心軸1aに対して互いに反対側に配置されている。
アダプタ1は、硬い材料(硬質材料)からなり、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有している。このような硬質材料は、制限はないが、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレン、硬質ポリ塩化ビニル、ABS(アクリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等の樹脂材料を用いることができ、中でもポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール(POM)が好ましい。アダプタ1は、上記の樹脂材料を用いて、射出成形法等により一体的に製造することができる。
<使用方法>
以上のように構成され本実施形態1のアダプタ1の使用方法を説明する。
図4は、アダプタ1によって洗浄されるオスコネクタ110の断面図である。オスコネクタ110は、ISO80369−3に準拠している。オスコネクタ110は、図14A及び図14Bに示したオスコネクタ910と同様に、筒状のオスルアー111と、オスルアー111を取り囲む外筒113とを備えている。外筒113のオスルアー111に対向する内周面には雌ネジ115が形成されている。外筒113の外周面114は、先端(基端部117とは反対側端)に近づくにしたがってその外径が小さくなるテーパ面(円錐面)である。オスコネクタ110の筒状の基端部117にチューブ118の上流端が挿入され接続されている。オスルアー111を貫通する流路112とチューブ118の流路119とが連通している。チューブ118は例えばPEGカテーテルであってもよい。この場合チューブ118の図示しない下流端は患者の胃内に挿入されている。オスコネクタ110は、チューブ(PEGカテーテル)118とともに患者に留置されている。
オスコネクタ110は、硬く、外力によって実質的に変形しない機械的強度(剛性)を有する硬質材料を用いて作成される。その材料は、制限はないが、上述したアダプタ1の材料と同じ材料を使用することができる。
チューブ118は、一般に可撓性を有する。チューブ118の材料は、制限はないが、一般に、ゴム状の弾性を有する軟質の材料(いわゆるエラストマー)を用いることができ、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。
図5は、アダプタ1の使用方法を説明する分解斜視図、図6はアダプタ1の使用方法を説明する拡大断面図である。
図5に示すように、アダプタ1の筒状部10をオスコネクタ110に対向させる。注入器として、アダプタ1の第1ポート16及び第2ポート17に対して第1シリンジ60及び第2シリンジ70を準備する。第1シリンジ60内には、洗浄液が貯留されている。洗浄液としては、制限はないが、例えば、ぬるま湯、水、お茶、希釈酢水などを用いうる。第2シリンジ70は空である。
図6に示すように、アダプタ1の筒状部10内に、オスコネクタ110の外筒113を挿入する。筒状部10の内周面11の内径及びテーパ角度は、外筒113の外周面114の外径及びテーパ面と一致する。従って、アダプタ1の筒状部10とオスコネクタ110の外筒113とは液密に接続される。
アダプタ1の栓体15は、オスコネクタ110のオスルアー111の流路112内に挿入される。栓体15の外径は、オスルアー111の流路112を規定する内周面の内径と一致する。従って、オスルアー111の流路112は、栓体15によって塞がれる。
筒状部10の内周面11に形成された係止突起14は、オスコネクタ110の外筒113の下側端縁113aに係合する。
アダプタ1の第1ポート16には、洗浄液を貯留した第1シリンジ60のノズル61が挿入され液密に接続される。アダプタ1の第2ポート17には、空の第2シリンジ70のノズル71が挿入され液密に接続される。
かくして、アダプタ1とオスコネクタ110とで囲まれた空間18が形成される。空間18は、第1ポート16及び第2ポート17を介して第1シリンジ60及び第2シリンジ70のみと連通している。
この状態で、第1シリンジ60のプランジャ63を押し込む。第1シリンジ60内の洗浄液は、ノズル61及び第1ポート16を介して、空間18に流入する。第1ポート16は中心軸1aに対して偏芯しており、図6に示されているように、オスコネクタ110のオスルアー111と外筒113との間の空隙に向かって開口している。第1シリンジ60から押し出された洗浄液は、オスコネクタ110のこの空隙内に勢いよく噴射され、乱流が生じ、様々な向きに向かって流れる。この洗浄液の流れによって、オスルアー111の外周面及び外筒113の内周面(特に、雌ネジ115の谷)に付着した汚れが除去される。汚れを含む洗浄液は、第2ポート及びノズル71を介して第2シリンジ70に流出する。第2シリンジ70のプランジャ73は、第2シリンジ70に流入する洗浄液によって押し出される。
このように、第1シリンジ60から洗浄液を空間18に注入し、オスコネクタ110を洗浄し、汚れを含む洗浄液を第2シリンジ70内に流入させる。必要に応じて、第2シリンジ70に流入した洗浄液を再度空間18に注入し、オスコネクタ110を洗浄し、第1シリンジ60内に流入させてもよい。洗浄液を、空間18を介して第1シリンジ60と第2シリンジ70との間で往復移動させる操作を、必要な回数だけ繰り返しても良い。
上記とは逆に、第1ポート16に空の第1シリンジ60を接続し、第2ポート17に洗浄液を貯留した第2シリンジ70を接続してもよい。
洗浄作業が終了すると、アダプタ1から第1シリンジ60及び第2シリンジ70を取り外す。アダプタ1は、オスコネクタ110に装着したままにしておいてもよいし、取り外してもよい。洗浄したオスコネクタ110にアダプタ1を装着したままにすることで、オスコネクタ110の清浄状態を維持することができる。
以上のアダプタ1を用いたオスコネクタ110の洗浄作業は、経腸栄養療法を行った直後に毎回行うことが好ましい。
以上のように、本実施形態1では、筒状部10にオスコネクタ110の外筒113が挿入されて、筒状部10と外筒113とが液密に接続される。空間18と連通した第1ポート16及び第2ポート17には、それぞれ第1シリンジ60及び第2シリンジ70が接続される。
従って、例えば第1ポート16から洗浄液を注入し、第2ポート17から洗浄液を流出させることができる。これにより、アダプタ1とオスコネクタ110とで囲まれた空間18内の圧力が異常に上昇することなく、空間18に洗浄液を注入することができる。また、空間18内に洗浄液を勢いよく注入することも可能である。従って、洗浄液による汚れの除去性能が向上する。汚れを含む洗浄液は、第2ポート17から流出し回収される。このため、汚れがオスコネクタ110に再付着する可能性は低く、洗浄作業後のオスコネクタ110に汚れはほとんど残存しない。
洗浄液を注入する第1ポート16が、天板13に偏芯して設けられている。このため、第1ポート16から注入された洗浄液は、オスコネクタ110のオスルアー111と外筒113との間の空隙に向かって流れる。従って、オスルアー111の外周面及び外筒113の内周面に付着した汚れの除去性能が向上する。外筒113の内周面に形成された雌ネジ115の谷などに付着した、拭き取りでは除去することが困難な汚れも除去することができる。
第2ポート17は筒状部10に設けられている。このため、天板13に設けられた第1ポート16に接続された第1シリンジ60と、第2ポート17に接続された第2シリンジ70とを離間させることができるので、各シリンジ60,70の操作が容易である。また、第1ポート16と第2ポート17とが離れているので、洗浄液は、第1ポート16から第2ポート17に至る過程で空間18内を隅々まで流れる。これにより、空間18内に洗浄液が滞留する部分が生じにくくなり、汚れの除去性能が向上する。
筒状部10と外筒113とは液密に接続される。また、第1ポート16と第1シリンジのノズル61、第2ポート17と第2シリンジ70のノズル71も、それぞれ液密に接続される。従って、洗浄作業中に、洗浄液が外界に漏れ出る可能性はない。
アダプタ1をオスコネクタ110に接続したとき、栓体15は、オスルアー111の流路112を塞ぐ。これにより、汚れを含む洗浄液が、オスルアー111の流路112及びチューブ118の流路119を通って患者の体内に流入することはない。栓体15がオスルアー111の流路112内に嵌入されるので、流路112を確実に塞ぐことができる。
筒状部10の内周面11は、天板13から遠ざかるにしたがって内径が大きくなるテーパ面であり、当該テーパ面は、オスコネクタ110の外筒113の外周面114のテーパ面と一致する。従って、筒状部10にオスコネクタ110の外筒113を挿入するだけで、筒状部10の内周面11と外筒113の外周面114とを面接触させ、筒状部10と外筒113とを液密に接続することができる。アダプタ1をオスコネクタ110に装着する作業は極めて簡単で、操作性は良好である。このようなメステーパ面11とオステーパ面114との接続は、アダプタ1とオスコネクタ110との接続強度を向上させ、両者が意図せずに分離してしまう可能性を低減する。
アダプタ1は、オスコネクタ110に係合する係合構造として、係止突起14を備える。これにより、洗浄液を注入することによって空間18の内圧が上昇した場合や、アダプタ1とオスコネクタ110との間に分離する向きの引っ張り力が意図せずに作用した場合に、アダプタ1とオスコネクタ110とが意図せずに分離してしまう事態が発生する可能性を低減することができる。
上記の実施形態1は例示にすぎない。本発明は、上記の実施形態1に限定されず、適宜変更することができる。
ポート16,17の角度は任意である。例えば、第1ポート16から流入した洗浄液が螺旋状に中心軸1aの周りを旋回するように、第1ポート16を、天板13(即ち、水平方向面)に対して傾斜させてもよい。第2ポート17は半径方向に沿っている必要はなく、例えば、中心軸1aと平行な方向に沿って見たとき、第2ポート17が筒状部10の内周面11の接線方向に沿っていてもよい。
2つポート16,17の位置も任意である。例えば、2つのポート16,17を天板13に設けることができる。この場合、2つのポートは中心軸1aに対して回転対称(2回対称)であることが好ましい。この構成でも、上記の実施形態と同様に、洗浄液を、オスコネクタ110のオスルアー111と外筒113との間の空隙に向かって注入することができるので、雌ネジ115の谷などに付着した汚れを効果的に除去することができる。天板13に設けた2つポート16,17は中心軸1aに平行であってもよい。あるいは、洗浄液が、螺旋状に中心軸1aの周りを旋回するように、2つのポートを天板13に対して傾斜させてもよい。
あるいは、2つのポート16,17を筒状部10に設けることもできる。この場合、洗浄液が中心軸1aの周りを旋回するように、中心軸1aと平行な方向に沿って見たとき、2つのポートが筒状部10の内周面11の接線方向に沿っていてもよい。2つのポートは中心軸1aに対して回転対称(2回対称)であることが好ましい。
図7に示すように、第1ポート16と内腔12との境界に、小孔21が形成されたバッフル板20を設けてもよい。この場合、バッフル板20はポート16の内腔12側の開口を塞ぐ。小孔21は、バッフル板20を貫通する貫通孔である。全ての小孔21の流路の合計断面積は、第1ポート16及び第1ポート16に接続されるノズル61の各流路の断面積より小さい。これにより、第1ポート16から注入された洗浄液を、アダプタ1とオスコネクタ110とで囲まれた空間18内に、小孔21から勢いよく噴射させることができる。その結果、空間18内での洗浄液の流速が大きくなり、洗浄液による汚れの除去性能が更に向上する。本例では、バッフル板20に設けられた小孔21の数は4個(図7では1個の小孔21は見えない)であるが、本発明はこれに限定されず、1つ以上であれば、これより多くても少なくてもよい。小孔21の内径も任意である。小孔21の貫通方向は、中心軸1aに対して平行であってもよいし、傾斜していてもよい。複数の小孔21の貫通方向をそれぞれ適切に設定することにより、洗浄液による汚れの除去性能を更に向上させることができる。バッフル板20の位置は、第1ポート16内であってもよい。小孔21が形成されたバッフル板20を第2ポート17内又は第2ポート17と内腔12との境界に設けてもよい。
上記の実施形態では、シリンジ60,70のノズル61,71の外周面のテーパ面形状に一致するように、ポート16,17の内周面を、先端に近づくにしたがって内径が大きくなるテーパ面(円錐面、例えば125/1000テーパ)に設定されている。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ポート16,17の形状は、これに接続される注入器に応じて適宜変更しうる。ポート16,17をノズル61,71内に挿入することにより、ポート16,17と注入器とを液密に接続する構造であってもよい。
上記の実施形態では2つのポート16,17の両方に注入器(シリンジ60,70)を接続した。この構成では、2つの注入器間で洗浄液を行き来させることができる。但し、本発明はこれに限定されない。
例えば、2つのポート16,17のいずれか一方のみに洗浄液を貯留した注入器を接続し、他方はチューブを介して容器などに接続し、当該容器内に汚れを含む洗浄液を回収することもできる。2つのポートが中心軸1aに対して非対称に設けられている場合、いずれのポートから洗浄液を注入し、いずれのポートから汚れを含む洗浄液を回収するかは、任意に設定することができる。
あるいは、2つのポート16,17のいずれか一方のみに洗浄液を貯留した注入器を接続し、他方には弾性的に膨張可能なバルーンを接続してもよい。空間18に注入器から洗浄液を注入すると、それ以前に空間18内に存在した空気がバルーンに移動する。バルーンは、空間18内の圧力上昇を抑制する圧力上昇抑制機構として機能する。これにより、注入器による空間18への洗浄液の注入が容易になる。
アダプタ1が、ポート16,17に着脱可能なキャップを備えていてもよい。オスコネクタ110を洗浄した後、オスコネクタ110にアダプタ1を装着したままにする場合、ポート16,17にキャップを装着してポート16,17の開口を塞ぐことにより、オスコネクタ110をより清浄な状態で維持し続けることができる。
アダプタ1が、内腔12と連通するポートを3つ以上備えていてもよい。この場合、ポートの配置は任意に設定することができる。例えば、オスコネクタ110の汚れの程度に応じて、洗浄液を注入するポートを変更することができる。使用しないポートは、キャップをかぶせて塞いでもよい。あるいは、ポートの1つには、空間18内の圧力上昇を抑制するために、バルーンなどの圧力上昇抑制機構を接続してもよい。
空間18内に洗浄液を注入する注入器は、シリンジに限定されない。例えば、スポイト又はこれと類似する器具を用いても良い。
ポート16,17に注入器を直接接続するのではなく、例えば柔軟なチューブを介してポート16,17と注入器とを接続してもよい。
アダプタ1の筒状部10の内周面11の形状は、オスコネクタ110の外筒113の外周面114に液密に接続することができれば、上記の実施形態1に限定されず、任意である。現在検討中のISO80369−3では、オスコネクタ110の外筒113の外周面114の形状は任意である。従って、筒状部10の内周面11の形状は、外筒113の外周面114の形状に応じて設定される。例えば、筒状部10の内周面11が、外筒113の外周面114に形成された雄ネジに螺合する雌ネジを有していても良い。筒状部10の内周面11が、外筒113の外周面114に密着して液密なシールを形成するOリングを備えていてもよい。
栓体15は、オスルアー111の流路112内に挿入することなく、オスルアー111の流路112の先端側の開口に密着することによって、流路112を塞いでもよい。
オスコネクタ110に係合する係合構造は、一対の係止突起14に限定されない。例えば、係止突起14の数は2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。係止突起が、筒状部10の内周面11に周方向に連続する環状の突起であってもよい。係止突起の半径方向に沿った変位を容易にするために、筒状部10の下端から上方に向かって複数のスリット(切り込み)を形成し、隣り合うスリットで囲まれた弾性変位可能な部分に係止突起を設けてもよい。係合構造が係合するオスコネクタ110の部分は、外筒113以外の部分であってもよい。係合構造がネジ構造(例えば、雌ネジ)を含んでいてもよい。係合構造を省略してもよい。
上記の説明では、洗浄対象であるオスコネクタがISO80369−3に準拠したオスコネクタである場合を例に説明したが、本発明のアダプタは、これ以外のオスコネクタを洗浄するために使用することもできる。
アダプタ1で洗浄されるオスコネクタが設けられたチューブ118は、任意である。チューブ118は、例えば、患者から長く導出された、いわゆる「チューブ型」PEGカテーテルであってもよく、患者の体外に実質的に導出されない、いわゆる「ボタン型」PEGカテーテルに接続されたチューブであってもよい。あるいは、チューブ118が、経鼻カテーテルであってもよい。アダプタ1は、経腸栄養剤を流す任意のチューブの上流端に設けられたオスコネクタを洗浄するために用いることができる。
(実施形態2)
<構成>
図8は、本発明の実施形態2にかかる洗浄用アダプタ(以下、単に「アダプタ」という)2の斜視図である。図9は、アダプタ2の中心軸1aを含む面に沿った断面斜視図である。本実施形態2のアダプタ2を示す図面において、実施形態1のアダプタ1の要素と同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、それらについての詳細な説明を省略する。
本実施形態2のアダプタ2は、実施形態1のアダプタ1が備えていた第2ポート17を備えていない。アダプタ2は、筒状部10の内腔12と連通するただ1つのポート16を備えている。これを除いて、アダプタ2はアダプタ1と同じである。
<使用方法>
以上のように構成され本実施形態2のアダプタ2の使用方法を説明する。
アダプタ2は、実施形態1のアダプタ1と同様に、図4に示したオスコネクタ110を洗浄するために使用される。
図10は、アダプタ2の使用方法を説明する分解斜視図、図11はアダプタ2の使用方法を説明する拡大断面図である。
図10に示すように、アダプタ2の筒状部10をオスコネクタ110に対向させる。アダプタ2のポート16に対してシリンジ60を準備する。シリンジ60内には、洗浄液が貯留されている。
図11に示すように、アダプタ2の筒状部10内に、オスコネクタ110の外筒113を挿入する。実施形態1と同様に、筒状部10と外筒113とは液密に接続される。アダプタ2の栓体15は、オスルアー111の流路112内に挿入され、流路112を塞ぐ。筒状部10の内周面11に形成された係止突起14は、オスコネクタ110の外筒113の下側端縁113aと係合する。
アダプタ2のポート16には、洗浄液を貯留したシリンジ60のノズル61が液密に接続される。
アダプタ1とオスコネクタ110とで囲まれた空間18は、ポート16を介してシリンジ60のみと連通している。
この状態で、シリンジ60のプランジャ63を押し込む。アダプタ2とオスコネクタ110とで囲まれた空間18内には空気が存在する。空気は圧縮性を有するので、プランジャ63を押し込むことにより、洗浄液を空間18内に注入することが可能である。実施形態1とは異なり、プランジャ63の一度の押し込みで、空間18を洗浄液でほぼ満たすことは困難であるかも知れないが、プランジャ63の押し引き操作と、アダプタ2及びオスコネクタ110の姿勢変化とを組み合わせることにより、空間18内に予め存在していた空気をシリンジ60に移動させ、その代わりに洗浄液を空間18内に移動させることができる。このようにして空間18内に注入した洗浄液で、オスルアー111の外周面及び外筒113の内周面に付着した汚れが除去される。
洗浄作業が終了すると、アダプタ2からシリンジ60を取り外す。更に、オスコネクタ110からアダプタ2を取り外す。
以上のように、本実施形態2では、筒状部10にオスコネクタ110の外筒113が挿入されて、筒状部10と外筒113とが液密に接続される。ポート16は、筒状部10の内腔12と連通し、シリンジ60が接続される。従って、ポート16から空間18に洗浄液を注入することができる。空間18に予め存在する空気の圧縮性を利用して、空間18内に洗浄液を勢いよく注入することも可能である。このようにして、オスコネクタ110を洗浄することができる。
上記を除いて、本実施形態2は実施形態1と同じである。
上記の実施形態2は例示にすぎない。本発明は、上記の実施形態2に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、上記の実施形態2において、ポート16の位置は変更可能である。実施形態1の第2ポート17と同様に、筒状部10にポートを設けてもよい。ポート16の角度、形状は実施形態1で説明したように適宜変更しうる。
アダプタ2(特に筒状部10及び天板13)の一部又は全部が、可撓性を有する材料で構成されていてもよい。これにより、洗浄液を注入したとき、可撓性を有する部分が変形して空間18内の圧力上昇を緩和する。このため、洗浄液の注入作業が容易になる。可撓性を有する材料は、制限はないが、ゴム状の弾性を有する軟質の材料(いわゆるエラストマー)を用いることができ、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム等のゴムや、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーを用いることができる。
その他、実施形態1で説明した各種の変更例は、複数のポートを前提とするものを除いて、本実施形態2にも同様に適用しうる。
(実施形態3)
<構成>
図12は、本発明の実施形態3にかかる洗浄用アダプタ(以下、単に「アダプタ」という)3の斜視図である。図12において、実施形態1のアダプタ1の要素と同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、それらについての詳細な説明を省略する。
本実施形態3のアダプタ3は、第1ポート16及び第2ポート17の外周面に第1螺状突起(第1雄ネジ)31及び第2螺状突起(第2雄ネジ)32がそれぞれ形成されている点で、実施形態1のアダプタ1と異なる。螺状突起31,32は、雄ネジのネジ山をポート16,17の周方向において分断した、いわゆる不連続ネジである。上記を除いて、アダプタ3はアダプタ1と同じである。
<使用方法>
以上のように構成され本実施形態3のアダプタ3の使用方法を説明する。
アダプタ3は、実施形態1のアダプタ1と同様に、図4に示したオスコネクタ110を洗浄するために使用することができる。アダプタ1と同様に、アダプタ3はオスコネクタ110に装着される。
図13は、アダプタ3のポート16,17に接続される、注入器としてのシリンジ300の斜視図である。実施形態1,2で使用したシリンジ60,70と同様に、シリンジ300は、筒状の外筒310と、外筒310の後端の開口に対して出し入れされるプランジャ303とを備える。外筒310の先端には、ノズル311と、ノズル311を取り囲むロック筒315が設けられている。ロック筒315は、略円筒形状を有し、ノズル311に対向するその内周面には、雌ネジ317が形成されている。シリンジ300は、雌ネジ317が形成されたロック筒315を備える点を除いて、実施形態1のシリンジ60,70と同じであってもよい。
2つのシリンジ300を用意する。一方には洗浄液が貯留されている。シリンジ300のノズル311をポート16,17に挿入し、外筒310をポート16,17に対して回転させて雌ネジ317と螺状突起31,32とを螺合させる。かくして、2つのシリンジ300を、アダプタ3のポート16,17にそれぞれ液密に接続する。その後、実施形態1と同様にして、洗浄液を一方のシリンジ300からアダプタ3とオスコネクタ110とで囲まれた空間18(図6参照)内に注入してオスコネクタ110を洗浄する。
本実施形態3では、ポート16,17の螺状突起31,32がシリンジ300の雌ネジ317と螺合するので、ポート16,17とシリンジ300とは強固に接続される。螺状突起31,32は、シリンジ300との液密な接続状態を維持する(ロックする)ためのロック機構として機能する。ポート16,17がロック機構を備えることにより、例えば、洗浄液をシリンジ300から空間18内に勢いよく噴射させるために、プランジャ303を介してシリンジ300内の洗浄液を加圧しても、シリンジ300がポート16,17から意図せずに分離するのを防止することができる。また、ポート16,17とノズル311との接続が緩むことによって、両者の接続界面に沿って洗浄液が外界に漏れ出る可能性を低減することができる。
螺状突起31,32が不連続ネジであるので、螺状突起31,32及びその近傍の汚れの除去が容易である。但し、螺状突起31,32が、ネジ山が周方向に連続した、いわゆる連続ネジ(即ち、通常の雄ネジ)であってもよい。
ポート16,17に設けられる、シリンジ300との接続状態を維持するためのロック機構の構成は、螺状突起31,32に限定されない。シリンジ300が、ノズル311の周囲に、雌ネジ317以外のロック機構を備えていてもよい。シリンジ300に設けられるロック機構に応じて、ポート16,17に設けられるロック機構の構成を適宜変更しうる。一般に、ポート16,17及びシリンジ300に設けられるロック機構は、ポート16,17に対するノズル311の抜き差し方向に互いに係合し合う係合構造で構成しうる。ポート16,17に設けられるロック機構としては、制限はなく、螺状突起31,32のような螺合構造の他、ロック筒315の内周面に形成された凹部又は凸部と係合する凸部(例えば突起、爪など)又は凹部(例えば溝)であってもよい。
実施形態1で説明したようにポート16,17の一方又は両方にシリンジ以外の部材を接続することができる。この場合には、当該部材との接続状態を維持するためのロック機構を当該ポートに設けることができる。
ポート16,17の一方のみにロック機構を設けてもよい。
本実施形態3のアダプタ3は、実施形態1のアダプタ1のポートの少なくとも一つに、当該ポートに接続される部材との接続状態を維持するためのロック機構を設けたものである。実施形態1の説明は、本実施形態3にも同様に適用しうる。
実施形態2のアダプタ2のポート16に、当該ポート16に接続される部材との接続状態を維持するために、上記と同様のロック機構を設けることもできる。この場合、実施形態2の説明は、当該ロック機構を設けたアダプタにも同様に適用しうる。実施形態2のアダプタ2では、洗浄液を内腔18内に注入する際に、内腔18内の圧力が上昇しやすいので、ポート16にロック機構を設けることは有効である。