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JP6241068B2 - 色調補正フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルム - Google Patents
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JP6241068B2 - 色調補正フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルム - Google Patents

色調補正フィルム及びそれを用いた透明導電性フィルム Download PDF

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本開示は、タッチパネル用の色調補正フィルム、及び色調補正フィルム上に透明導電層を備えた透明導電性フィルムに関する。
現在、画像表示部に直接触れることにより、情報を入力できるデバイスとしてタッチパネルが広く用いられている。タッチパネルは光を透過する入力装置を液晶表示装置等のディスプレイ画面上に配置したものであり、代表的な形式として、透明電極と指との間に生じる電流容量の変化を利用した静電容量式タッチパネルがある。
タッチパネル用の透明導電性フィルムとしては、透明基材フィルム上に、酸化錫を含有するインジウム酸化物(錫ドープ酸化インジウム、ITO)や酸化亜鉛等の金属酸化物による透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。このような透明導電性フィルムは、金属酸化物層の反射及び吸収に由来する可視光短波長領域の透過率の低下により、全光線透過率が低下すると同時に、黄色の呈色が見られることが多い。そのため、タッチパネルの下に配置される表示装置の発色を正確に表現することが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電性フィルムが提案されている(特開2011−98563号公報参照)。特開2011−98563号公報に記載の透明導電性フィルムは、透明基材フィルムであるポリエステルフィルムの表面から順に、高屈折率層、低屈折率層及び錫ドープ酸化インジウム層が積層された構成である。高屈折率層は、金属酸化物微粒子と紫外線硬化性バインダーより形成され、光の波長400nmにおける屈折率が1.63〜1.86、膜厚が40〜90nmである。低屈折率層は、光の波長400nmにおける屈折率が1.33〜1.53、膜厚が10〜50nmである。錫ドープ酸化インジウム層は、光の波長400nmにおける屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである。上記構成により透過光の着色低減効果を実現している。
特開2011−98563号公報
ここで特開2011−98563号公報に記載の透明導電性フィルムは、透過光の着色低減効果に優れるが、透明基材フィルムとしてポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂に代表される一般的なポリエステルフィルムを使用している。その結果、一般的なポリエステルフィルムを用いた透明導電性フィルムを偏光素子上に配置した場合、液晶表示装置に色の異なるムラ(以下、「ニジムラ」ともいう)が、特に表示画面を斜めから観察したときに生じ、液晶表示装置の表示品質が損なわれてしまうという課題があることが判明した。
当該ニジムラを抑制するには、COPフィルム、PCフィルム、TACフィルムでもある程度効果が期待できる。しかしながら、これらのフィルムは耐湿熱性に劣るため、高温多湿の環境下においては長時間の保管や使用が難しい。
そこで、本発明の目的とするところは、透過光の着色を抑え、全光線透過率が高く、且つ偏光素子上に配置して表示画面を斜めから観察してもニジムラが生じない透明導電性フィルム、及びその下地フィルムとして用いられる色調補正フィルムを提供することにある。
本開示の第1の側面において、透明基材フィルムの表面から順に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層が積層され、透明基材フィルムの裏側に、第二ハードコート層が積層されている巻き取り可能な可撓性を備える色調補正フィルムが提供される。前記第一ハードコート層は、波長400nmの光に対する屈折率が1.51〜1.61、膜厚が1.3〜3.5μmである。前記第一色調補正層は、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂からなり、波長400nmの光に対する屈折率が1.63〜1.86、膜厚が25〜90nmである。前記第二色調補正層は、シリカ微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂からなり、波長400nmの光に対する屈折率が1.33〜1.53、膜厚が10〜55nmである。前記第二ハードコート層は、硬化後の当該第二ハードコート層100wt%に対して、バインダーを80〜98wt、光重合開始剤を1〜10wt%、平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子を0.01〜19wt%含み、波長400nmの光に対する屈折率が1.51〜1.61、膜厚が1.3〜3.5μmであり、且つ、有機微粒子の平均粒子径が第二ハードコート層の膜厚の61〜350%であり、前記バインダーと光重合開始剤、平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子との和が99〜100wt%である。また、透明基材フィルムは、該フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差(nx−y)が0.07〜0.20の、配向ポリエステルフィルムである。
本開示の第2の側面において、第1の側面の色調補正フィルムは、第二ハードコート層のバインダーが、29〜75wt%の活性エネルギー線硬化型樹脂と、12〜60wt%のシリカ微粒子を含有するとともに、前記第二ハードコート層に対して前記活性エネルギー線硬化型樹脂と前記シリカ微粒子の和が80〜98wt%であることを更に特徴とする。
本開示の第3の側面において、第1及び第2の側面における色調補正フィルムの前記第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層された透明導電性フィルムが提供され、前記錫ドープ酸化インジウム層は、波長400nmの光に対する屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである。
第1の側面の色調補正フィルムでは、特定の層(第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層)の成分および膜厚を適切に設定したことで、良好な巻き取り性を維持しつつ、透過光の着色低減効果を発揮可能とすることができる。尚、本明細書中において、膜厚とは物理膜厚のことであり、光学膜厚ではない。
また、透明基材フィルムには所定の配向ポリエステルフィルムを使用しているため、本発明の色調補正フィルムないしこれを使用した後述の透明導電性フィルムを偏光素子上に配置した場合に、表示画面を斜めから観察してもニジムラが生じることがない。また、COPフィルムやPCフィルム等と比べて耐湿熱性に優れるため、高温多湿の環境下においても品質が劣化することなく、長時間の保管や使用に適している。
第2の側面の色調補正フィルムでは、バインダーを、第二ハードコート層に対して、活性エネルギー線硬化型樹脂を29〜75wt%、シリカ微粒子を12〜60wt%となるように設定することで、巻き取り性をより良好とすることが出来る。
第3の側面の透明導電性フィルムでは、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層及び錫ドープ酸化インジウム層の屈折率及び膜厚を適切に設定することにより、透過光の着色を抑えることができる。
そして第3の側面の透明導電性フィルムでは、波長400nmの屈折率を使用して各層を設計することで、透過光の着色を抑える効果が最大となる。
≪色調補正フィルム≫
本実施形態の色調補正フィルムは、透明基材フィルムの一面から順に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層が積層され、透明基材フィルムの他面に、第二ハードコート層が積層されている。本実施の形態の色調補正フィルムでは、特定の層(第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層)の成分および膜厚を適切に設定したことで、良好な巻き取り性を維持しつつ、透過光の着色低減効果を発揮可能とすることができる。
そして本実施の形態の透明導電性フィルムでは、第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層が積層される。そして透明導電性フィルムでは、波長400nmの光の屈折率を使用して各層を設計することで、透過光の着色を抑える効果が最大となる。
ここで本実施の形態において、波長400nmの光に対する屈折率を用いる理由を説明する。屈折率には波長分散性があり、短波長領域では屈折率が高くなる傾向がある。一般に、各層の屈折率調整では、ナトリウムのD線(波長589nmの光)の値を用いることが多いが、本実施の形態の色調補正層及び錫ドープ酸化インジウム層のように金属酸化物微粒子を含む層においては、屈折率の波長分散の影響が大きくなる。黄色味を抑えるには波長400nmの透過率制御が重要である。しかし、波長589nmの屈折率で各層の屈折率を調整した場合、波長400nmの透過率を十分に調整することは出来ないため、黄色味低減効果が十分に得られない。
以下に、この色調補正フィルムの構成要素について順に説明する。
<透明基材フィルム>
透明基材フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステルからなる配向ポリエステルフィルム(高複屈折フィルムとも称される)を使用する。特に、遅相軸方向の屈折率(nx)と進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx−ny:△n)が0.07〜0.20、好ましくは0.10〜0.15のものを使用する。この屈折率差(△n)が0.07未満では、充分なニジムラの抑制効果が得られず、また、後述のリタデーション値を得るために必要な膜厚が厚くなる。一方、屈折率差(△n)が0.20を超えると、フィルムに裂け、破れ等を生じやすくなり、工業材料としての実用性が著しく低下する。(nx)としては、1.67〜1.78が好ましく、より好ましくは1.69〜1.73である。(ny)としては、1.55〜1.65が好ましく、より好ましいくは1.57〜1.62である。(nx)、(ny)、及び(△n)が上記の関係を満たすことで、好適なニジムラの抑制効果を得ることができる。
また、配向ポリエステルフィルムのリタデーションは、3000〜30000nmが好ましい。リタデーションが3000nm未満では、色調補正フィルムないし後述の透明導電性フィルムを偏光素子上に配置した場合、斜め方向から観察した時に強い干渉色(ニジムラ)を呈し、包絡線形状が光源の発光スペクトルと相違して良好な視認性を確保することができない場合がある。一方、リタデーションが30000nmを超えても更なる視認性の改善効果は実質的に得られないばかりか、フィルムの厚みも相当に厚くなり、取り扱い性が低下する。より好ましいリタデーションの下限値は5000nm以上であり、さらに好ましくは10000nm以上である。
なお、リタデーションとは、ポリエステルフィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、ポリエステルフィルムの厚み(d)とにより、以下の式によって表わされるものである。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
リタデーションは、例えば王子計測機器製KOBRA−WRによって測定(測定角0°、測定波長548.2nm)することもできる。
配向ポリエステルフィルムは、未延伸のポリエステルフィルムを、縦・横方向の何れか一方又は双方に延伸することで結晶配向することができる。リタデーションの制御方法としては、延伸倍率、延伸温度、及び作製するポリエステルフィルムの膜厚により適宜設定することができる。具体的には、延伸倍率が高いほど、延伸温度が低いほど、また、膜厚が厚いほど、高いリタデーションを得やすくなり、延伸倍率が低いほど、延伸温度が高いほど、また、膜厚が薄いほど、低いリタデーションを得やすくなる。
配向ポリエステルフィルムの厚みは25〜400μmが好ましく、より好ましくは50〜200μmである。配向ポリエステルフィルムの厚みが25μmより薄い場合や400μmより厚い場合には、色調補正フィルムの製造時及び使用時における取り扱い性が低下してしまうと共に、リタデーションを上記範囲に設定し難くなる。なお、配向ポリエステルフィルムには、リタゼーションが上記範囲にある限りにおいて、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤などが挙げられる。
<第一ハードコート層>
透明基材フィルムには、表面硬度を向上するために第一ハードコート層が設けられている。
第一ハードコート層の材料としては従来公知のものでよく、特に制限されない。例えば、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物と、活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる第一ハードコート層用塗液を紫外線(UV)により硬化させた硬化物が挙げられる。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうち生産性及び硬度を両立させる観点より、鉛筆硬度(評価法:JIS−K5600−5−4)がH以上となる活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物の硬化物であることが好ましい。そのような活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物としては、例えば、公知の活性エネルギー線硬化型樹脂を2種類以上混合したもの、紫外線硬化性ハードコート材として市販されているもの、あるいはこれら以外に本発明の効果を損なわない範囲において、その他の成分をさらに添加したものを用いることができる。なお、本明細書中において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指す。
波長400nmの光に対する第一ハードコート層の屈折率は、1.51〜1.61となるように調整される。屈折率が1.51未満の場合、透明基材フィルムと第一ハードコート層との屈折率差が大きくなり、干渉ジマが発生するため好ましくない。屈折率が1.61よりも大きい場合、屈折率を大きくするために第一ハードコート層へ高屈折率材料を多く添加する必要がある。その場合、第一ハードコート層において高屈折率材料に起因した光の吸収及び、光の散乱が発生し、結果的に第一ハードコート層が着色し、且つ、全光線透過率が低下するため好ましくない。また第一ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1.3〜3.5μmである。膜厚が1.3μmより薄い場合は、鉛筆硬度がH未満になるため好ましくない。膜厚が3.5μmより厚い場合は、硬化収縮によるカールが強くなるとともに、不必要に厚くなり、生産性や作業性が低下するため好ましくない。
<第二ハードコート層>
透明基材フィルムの裏側には、表面硬度を向上し、巻き取り性を良好とするために第二ハードコート層が設けられている。第二ハードコート層は、バインダーと光重合開始剤、平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子とを混合してなる第二ハードコート層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。硬化後の第二ハードコート層100wt%に対して、バインダーと光重合開始剤、平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子との和は99〜100wt%であり、必要に応じてその他の成分を1wt%以下の範囲で添加することが出来る。その他の成分としては、レベリング剤、屈折率調整の低屈折率材料または高屈折率材料等が配合される。また、第二ハードコート層用塗液中には、塗工性の観点から通常希釈溶剤が含まれる。
バインダーの配合量は、硬化後の第二ハードコート層100wt%に対して、80〜98wt%である。バインダーが80wt%未満の場合、表面硬度が不足するため好ましくない。一方、バインダーが98wt%より多い場合、有機微粒子の量が少なくなり、第二ハードコート層の表面に凸を形成できなくなり、その結果、巻き取り性が不十分となる。
バインダーは、活性エネルギー線硬化型樹脂と、シリカ微粒子(後述)を有することが好ましい。例えばバインダーは、29〜75wt%の活性エネルギー線硬化型樹脂と、12〜60wt%のシリカ微粒子を含有することが好ましく、第二ハードコート層に対して活性エネルギー線硬化型樹脂と前記シリカ微粒子の和が80〜98wt%である。ここで活性エネルギー線硬化型樹脂が29wt%未満の場合、第二ハードコート層を膜状に維持することが困難となり好ましくない。また活性エネルギー線硬化型樹脂を単独でバインダーとして用いるとき、活性エネルギー線硬化型樹脂が98wt%より多いと巻き取り性が不十分となり好ましくない。
バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、波長400nmの光に対する屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
バインダーに対するシリカ微粒子の配合量は、0〜60wt%、好ましくは、12〜60wt%である。そしてシリカ微粒子の配合量が少ない場合、第二ハードコート層の表面硬度が弱くなる傾向がある。シリカ微粒子が60wt%より多い場合は、第二ハードコート層が白化する傾向があり好ましくない。
また、シリカ微粒子の平均粒子径は、0.1μm以下であることが好ましい。シリカ微粒子の平均粒子径が0.1μmよりも大きい場合、第二ハードコート層において光の散乱が生じ、ヘイズ値が高くなり白化する傾向にあり好ましくない。なお、本明細書において「シリカ微粒子の平均粒子径」とは、粒子径分布測定装置〔大塚電子(株)製、PAR−III〕を使用し、動的光散乱法により平均粒子径を測定することで求めた値である。またヘイズ値は、JIS−K−7105や、JIS−K−7136に準拠して測定できる。
バインダーとして用いられるシリカ微粒子は、中実シリカ微粒子や中空シリカ微粒子が用いられる。中実シリカ微粒子の屈折率は1.4〜1.5、中空シリカ微粒子の屈折率は1.2〜1.4である。シリカ微粒子の屈折率が1.5より大きい場合、活性エネルギー線硬化型樹脂とシリカ微粒子の屈折率差に起因した光の散乱が生じ、第二ハードコート層の光学性能が低下する傾向にある。シリカ微粒子の屈折率が1.2より小さい場合、中空シリカ微粒子の強度が弱く、耐擦傷性が悪くなる傾向が見られるが、第二ハードコート層に用いられるシリカ微粒子の配合量は少ないため、耐擦傷性悪化への影響は小さい。よって、第二ハードコート層で用いられるシリカ微粒子の屈折率は1.2以下でも技術的には問題無い。
第二ハードコート層で用いられる光重合開始剤は、第二ハードコート層用塗液を紫外線(UV)硬化させるために用いられる。光重合開始剤の配合量は、硬化後の第二ハードコート層100wt%に対して、1〜10wt%であることが好ましい。光重合開始剤が1wt%より少ないと、第二ハードコート層の硬化が不十分となる。一方、光重合開始剤が10wt%よりも多い場合は、第二ハードコート層中の光重合開始剤が不必要に多くなり、第二ハードコート層の光学性能が低下する傾向にある。このような光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が用いられる。
第二ハードコート層で用いられる平均粒子径0.8〜5.5mの有機微粒子の配合量は、硬化後の第二ハードコート層100wt%に対して0.01〜19wt%であり、且つ、有機微粒子の平均粒子径は第二ハードコート層の膜厚の61〜350%である。平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子が0.01wt%未満の場合、巻き取り性が不十分となる。一方、有機微粒子が19wt%より多い場合、第二ハードコート層が白化し好ましくない。有機微粒子の平均粒子径が第二ハードコート層の膜厚の61%未満の場合、有機微粒子が第二ハードコート層内に埋もれ、その結果、第二ハードコート層表面に凸が形成できず、巻き取り性が不十分になる。一方、有機微粒子の平均粒子径が第二ハードコート層の膜厚の350%より大きい場合、第二ハードコート層が白化し好ましくない。そして有機微粒子の平均粒子径は、第二ハードコート層の膜厚の100%〜340%であることが特に好ましい。
そのような有機微粒子としては、例えば塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体などから形成される。なお、本明細書において「有機微粒子の平均粒子径」とは、粒子径分布測定装置〔日機装(株)製、マイクロトラックMT3200II〕を使用し、レーザ回折・散乱法により平均粒子径を測定することで求めた値である。
本実施形態の色調補正フィルムの2つのハードコート層、すなわち第一ハードコート層及び第二ハードコート層の膜厚及び屈折率は、相互に同一であっても良いし、異なっていても良い。
<第一色調補正層>
第一色調補正層は、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる第一色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。金属酸化物微粒子としては、酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好ましい。波長400nmの光に対する酸化チタン及び酸化ジルコニウムの屈折率は製法によって異なるが、1.9〜3.0であることが好ましい。また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、波長400nmの光に対する屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
第一色調補正層は、金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂が適宜選択されることによって、波長400nmの光に対する屈折率が1.63〜1.86になるように形成される。さらに、第一色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は25〜90nm、好ましくは25〜55nmである。第一色調補正層の屈折率が1.63未満の場合は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されるようになる。また、第一色調補正層の屈折率が1.86より大きい場合は、第一色調補正層中の金属酸化物微粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまうため全光線透過率が低下する。第一色調補正層の膜厚が上記の範囲外では、b*の値が大きくなり、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<第二色調補正層>
第二色調補正層は、シリカ微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂とを混合してなる第二色調補正層用塗液を活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。シリカ微粒子としては、コロイダルシリカや中空シリカ微粒子が好ましい。波長400nmの光に対するコロイダルシリカ及び中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.50であることが好ましい。また、バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂は、波長400nmの光に対する屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
第二色調補正層は、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂が適宜選択されることによって、波長400nmの光に対する屈折率が1.33〜1.53になるように形成される。さらに、第二色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は10〜55nmである。第二色調補正層の屈折率が1.33未満の場合は、第二色調補正層中のシリカ微粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまうため全光線透過率が低下する。また、第二色調補正層の屈折率が1.53より大きい場合は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されるようになる。第二色調補正層の膜厚が上記範囲外では、b*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるようになる。
<第一ハードコート層、第二ハードコート層、第一色調補正層及び第二色調補正層の形成>
第一ハードコート層は透明基材フィルムに第一ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。第二ハードコート層は、透明基材フィルムの第一ハードコート層とは反対側の面に、第二ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。
一方、第一色調補正層は、形成された第一ハードコート層上に第一色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。更に、第二色調補正層は、形成された第一色調補正層上に第二色調補正層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで形成される。第一ハードコート層用塗液、第二ハードコート層用塗液、第一色調補正層用塗液、第二色調補正層用塗液の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、各ハードコート層の密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。
<プライマー層>
なお、透明基材フィルム(配向ポリエステルフィルム)と第一・第二ハードコート層との間には、両層の密着性を向上させるため、プライマー層を介在させることが好ましい。この場合、プライマー層の屈折率(np)と、配向ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率(nx)及び進相軸方向の屈折率(ny)とが、ny<np<nxとなる関係に設定することが好ましい。各屈折率をこのような関係に設定することで、プライマー層と配向ポリエステルフィルムとの屈折率差が低減され、ニジムラの発生を確実に抑制することができる。具体的には、プライマー層の屈折率(np)は、ポリエステルフィルムの進相軸方向の屈折率(ny)の最小屈折率1.55より高く、遅相軸方向の屈折率(nx)の最大屈折率1.78より低い範囲に設定する。好ましくは1.56〜1.65である。
また、プライマー層を介在させる場合は、ハードコート層の屈折率(nh)と、配向ポリエステルフィルムの遅相軸方向の屈折率(nx)及び進相軸方向の屈折率(ny)との関係も、ny<nh<nxとなる関係に設定することが好ましい。当該関係に設定することで、プライマー層の屈折率がニジムラ防止効果に与える影響がさらに少なくなる。この場合のハードコート層の屈折率(nh)は、上記プライマー層の屈折率と同様である。
プライマー層の材料としては、上記屈折率の条件を満たすものであれば特に限定されず、例えば熱硬化性又は熱可塑性のポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、及び、これらの変性体等が挙げられる。また、プライマー層の屈折率を調整するために、高屈折率微粒子、キレート化合物等を添加することができる。
ポリエステル樹脂としては、例えば、多塩基酸成分とジオール成分とから得られるポリエステルを用いることができる。多価塩基成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ダイマー酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸を例示することができる。
ジオール成分としては、例えばエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレングリコール、ジメチロールプロパン等や、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコールを例示することができる。
アクリル樹脂としては、以下に例示されるモノマーを共重合することで得られるものが挙げられる。モノマーとしては、例えばアルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸及びその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基又はその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンである。
ウレタン樹脂としては、例えばポリオール、ポリイソシアネート、鎖長延長剤、架橋剤等で構成されものが挙げられる。ポリオールとしては、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールのようなポリエーテル、ポリエチレンアジペート、ポリエチレン−ブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等を含むグリコールとジカルボン酸との脱水反応により製造されるポリエステル、カーボネート結合を有するポリカーボネート、アクリル系ポリオール、ひまし油等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、例えばトリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
鎖延長剤あるいは架橋剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、水等が挙げられる。
屈折率を調整するための高屈折率微粒子としては、上記第1光学干渉層で使用するものと同種のものを使用することができる。高屈折率微粒子の含有量としては特に限定されず、例えばプライマー層に添加する樹脂成分の硬化物の、予め測定した屈折率の値との加重平均で、形成するハードコート層の屈折率が上記関係を満たすよう、その他の成分との関係で適宜調整すればよい。
また、キレート化合物としては、例えば水溶性のチタンキレート化合物、水溶性のチタンアシレート化合物及び水溶性のジルコニウム化合物等が挙げられる。水溶性のチタンキレート化合物としては、例えばジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチル−1,3−ヘキサンジオラト)チタン、ジイソプロポキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールアミナト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタン、ヒドロキシビス(ラクタト)チタンのアンモニウム塩、チタンベロキソクエン酸アンモニウム塩等が挙げられる。
水溶性のチタンアシレート化合物としては、例えばオキソチタンビス(モノアンモニウムオキサレート)等が挙げられる。水溶性のジルコニウム化合物としては、例えばジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムアセテート等が挙げられる。
プライマー層の厚さとしては、要求される性能に応じて適宜調節すればよく特に限定されないが、例えば3〜1000nmとすることができる。特に、プライマー層の厚さが500nm以下であると、鉛筆硬度が向上するので好ましい。一方、プライマー層の厚みが3nm未満であると、配向ポリエステルフィルムとハードコート層との密着性が不充分となる。
プライマー層は、上記成分と必要に応じて他の成分とを溶媒中に混合分散させて調製したプライマー層用塗布液を用いて、他の層と同様に形成することができる。その他の成分としては、例えばレベリング剤、有機又は無機微粒子、光重合開始剤、熱重合開始剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、帯電防止剤、酸化防止剤、防汚剤、スリップ剤、屈折率調整剤、分散剤等が挙げられる。
プライマー層用塗布液を配向ポリエステルフィルムへ塗布するタイミングは、任意の段階で実施することができるが、配向ポリエステルフィルムの製造過程で塗布するのことが好ましく、特に配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布することが好ましい。
≪透明導電性フィルム≫
透明導電性フィルムは、色調補正フィルムの第二色調補正層上に錫ドープ酸化インジウム層を有する。すなわち、透明導電性フィルムは、上から錫ドープ酸化インジウム層、第二色調補正層、第一色調補正層、第一ハードコート層、透明基材フィルム、第二ハードコート層が順に積層した構成である。
透明導電性フィルムの透過光の着色は、JIS Z8729に規定されるLab表色系のb*で評価でき、好ましくは−2≦b*≦2、より好ましくは−1≦b*≦1である。b*>2の場合、透明導電性フィルムが黄色に着色して見えるため好ましくない。一方、b*<−2の場合、透明導電性フィルムが青色に着色して見えるため好ましくない。
透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは88%以上である。全光線透過率が88%未満の場合、視認性が悪化するため好ましくない。また、ヘイズ値は1%未満である。ヘイズ値が1%以上の場合、白化し視認性が悪化するため好ましくない。
<錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)>
第二色調補正層の上に積層される錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)は、透明導電層であり、波長400nmの光に対する屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである。屈折率がこの範囲を外れると、第一色調補正層及び第二色調補正層との光学干渉が適切に作用しなくなるため、透明導電性フィルムの透過色が着色を呈し、全光線透過率も低下する。また、ITO層の屈折率は第二色調補正層の屈折率よりも大きいことが好ましい。ITO層の膜厚が5nmより薄い場合は、ITO層を均一の厚みに成形することが難しく、安定した抵抗が得られないため好ましくない。また、ITO層の膜厚が50nmより厚い場合は、ITO層自身による光の吸収が強くなり、透過色の着色低減効果が薄れると共に、全光線透過率が小さくなる傾向があるため好ましくない。
<錫ドープ酸化インジウム層の形成>
錫ドープ酸化インジウム層の製膜方法は、特に限定されず、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法を採用できる。これらの中では、層の厚み制御の観点より蒸着法及びスパッタリング法が特に好ましい。尚、錫ドープ酸化インジウム層を形成した後、必要に応じて、100℃〜200℃の範囲内でアニール処理を施して結晶化することができる。具体的には、高い温度で結晶化すると錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は小さくなる傾向を示す。従って、錫ドープ酸化インジウム層の屈折率は、アニール処理の温度と時間を制御することで調整可能である。
以下に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明するが、本発明はそれら実施例の範囲に限定されるものではない。また、各例における、屈折率、透過色、全光線透過率、膜厚、リタデーション、ニジムラは下記に示す方法により測定した。
<屈折率(プライマー層、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート)層>
(1)波長400nmの光に対する屈折率が1.72のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)により、各層用塗液をそれぞれ乾燥硬化後の膜厚で100〜500nm程度になるように層の厚さを調整して塗布した。
(2)乾燥後、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射して硬化した。硬化後のPETフィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn-Cauchyの波長分散式(式1)の定数を求め、光の波長400nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ+b/λ+c (式1)
(N:屈折率、λ:波長、a、b、c:波長分散定数)
<屈折率(ITO層)>
(1)波長400nmの光に対する屈折率が1.72のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行い、実膜厚20nmの透明導電層としての錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、下記実施例および比較例のそれぞれの条件でアニーリングを施し、透明導電性フィルムを作製した。
(2)上記透明導電性フィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものを反射分光膜厚計(「FE-3000」、大塚電子株式会社製)により、反射スペクトルを測定した。
(3)反射スペクトルより読み取った反射率から、上記(式1)を用いて、光の波長400nmにおける屈折率を求めた。
なお、各表(後述)に記載の各層の屈折率は、上記屈折率測定用サンプルから求めた屈折率である。
<屈折率(配向ポリエステルフィルム)>
二枚の偏光板を用いて、配向ポリエステルフィルムの配向軸方向(主軸の方向)を求め、配向軸方向に対して直交する二つの軸の屈折率(nx、ny)を、アッベ屈折率計(アタゴ社製NAR−4T)によって求めた。
<配向ポリエステルフィルムの膜厚>
厚みd (nm)は、電気マイクロメータ(アンリツ社製)を用いて任意の10点を測定し、単位をnmに換算して平均値を求めた。
<配向ポリエステルフィルムのリタデーション>
リタデーションは、高複屈折フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)と、高複屈折フィルムの厚み(d)とにより、以下の式によって計算した。
リタデーション(Re)=(nx−ny)×d
<ニジムラ評価>
実施例、比較例にて作製した透明導電性フィルムを、液晶モニター(FLATORONIPS226V(LGElectronicsJapan社製))の観察者側の偏光素子上に配置した。なお、配向ポリエステルフィルムの遅相軸と液晶モニターの観察者側の偏光素子の吸収軸とのなす角度が0°となるように配置した。そして、暗所及び明所(液晶モニター周辺照度400ルクス)にて、正面及び斜め方向(約50度)から目視及び偏光サングラス越しに表示画像の観察を行い、ニジムラの有無を以下の基準に従い評価した。偏光サングラス越しの観察は、目視よりも非常に厳しい評価法である。観察は10人で行い、最多数の評価を観察結果としている。
◎:偏光サングラス越しでニジムラが観察されない。
○:偏光サングラス越しでニジムラが観察されるが、薄く、目視ではニジムラが観察されない、実使用上問題ないレベル。
△:偏光サングラス越しでニジムラが観察され、目視ではニジムラがごく薄く観察される。
×:偏光サングラス越しでニジムラが強く観察され、目視でもニジムラが観察される。
<透過色>
色差計(「SQ−2000」、日本電色工業株式会社製)を用いて透明導電性フィルムの透過色、b*を測定した。このb*は、JIS Z 8729に規定されているL*a*b表色系における値である。
<全光線透過率・ヘイズ値>
ヘイズメーター(「NDH2000」、日本電色工業株式会社製)により透明導電性フィルムの全光線透過率(%)及びヘイズ値を測定した。
<巻き取り性>
透明導電性フィルムを6インチコアを用いて巻き取り、目視で観察することにより、フィルムの巻き取り性を下記に示す評価基準によって評価した。
◎:巻きじわ及びへこみなどの凹凸状変化が全く無い。
○:巻きじわ及びへこみなどの凹凸状変化がほとんどない。
×:巻きじわ又はへこみなどの凹凸状変形が大きい。
〔プライマー層用組成物(E−1)〕
ポリエステル樹脂の水分散体20.7質量部、高屈折率微粒子分散液[商品名:酸化チタンスラリー(固形分20%分散液)、CIKナノテック(株)製]0.9質量部、水78.4質量部を混合して、プライマー層用組成物(E−1)を調整した。
〔第一ハードコート層用塗液(HC1−1)の調製〕
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート96質量部、光重合開始剤[商品名:IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製]4質量部及びイソブチルアルコール100質量部を混合して第一ハードコート層用塗液(HC−1)を調製した。第一ハードコート層用塗液(HC−1)を用いて形成される第一ハードコート層の屈折率は1.55であった。
〔第二ハードコート層用塗液の調製〕
第二ハードコート層用塗液として以下の原料を使用し、各原料を下記表1及び表2に記載した組成で混合して第二ハードコート層用塗液HC2−1〜HC2−18、HC’2−1〜HC’2−6を調整した。尚、表1及び表2中の数値はwt%である。得られた第二ハードコート層用塗液HC2−1〜HC2−18、HC’2−1〜HC’2−6を用いて形成される第二ハードコート層の屈折率を測定した。その結果を表1及び表2に示す。
活性エネルギー線硬化型樹脂としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを使用した。また光重合開始剤として、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)を使用した。また平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子として、綜研化学(株)製 MX−80H3wT(平均粒子径:0.8μm)と、綜研化学(株)製 MX−150(平均粒子径:1.5μm)または綜研化学(株)製 MX−500(平均粒子径:5.0μm)を使用した。バインダー及び光開始剤及び有機微粒子と、溶媒を、重量比で1:1の割合で混合した。溶媒としてメチルイソブチルケトンを使用した。
Figure 0006241068
Figure 0006241068
〔第一色調補正層用塗液の調製〕
第一色調補正層用塗液として以下の原料を使用し、各原料を下記表3に記載した組成で混合して、第一色調補正層用塗液C1−1〜C1−4を調製した。尚、表3中の数値はwt%である。得られた第一色調補正層用塗液C1−1〜C1−4を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表3に示す。
金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)または酸化チタン微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 RTTMIBK15WT%−N24)を使用した。また活性エネルギー線硬化型樹脂として、6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業(株)製紫光UV−7600B)を使用した。金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、重量比で100:5:1000の割合で混合した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE184(I−184)を使用した。また溶媒としてメチルイソブチルケトンを使用した。
Figure 0006241068
〔第二色調補正層用塗液の調製〕
第二色調補正層用塗液として以下の原料を使用し、各原料を下記表4に記載した組成で混合して、第二色調補正層用塗液C2−1〜C2−5を調製した。尚、表4中の数値はwt%である。得られた第二色調補正層用塗液C2−1〜C2−5を用いて形成される色調補正層の屈折率を測定した。その結果を表4に示す。
シリカ微粒子として、日揮触媒化成(株)製 アクリル修飾中空シリカ微粒子 スルーリアNAUまたは日産化学(株)製 XBA−STを使用した。また金属酸化物微粒子として、酸化ジルコニウム微粒子分散液(シーアイ化成(株)製 ZRMEK25%−F47)を使用した。また活性エネルギー線硬化型樹脂:日本化薬(株)製 DPHAを使用した。微粒子成分(シリカ微粒子又は金属酸化物微粒子)及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒を、重量比で100:5:4000の割合で混合した。光重合開始剤として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製IRGACURE907(I−907)を使用した。そして溶媒として、イソプロピルアルコールを使用した。
Figure 0006241068
(実施例1−1)
溶融ポリエチレンテレフタレートを、290℃で溶融して、フィルム形成ダイを通して、シート状に押出し、水冷冷却した回転急冷ドラム上に密着させて冷却し、未延伸フィルムを作製した。この未延伸フィルムを二軸延伸試験装置(東洋精機社製)にて、120℃にて1分間予熱した後、120℃にて、延伸倍率4.5倍に延伸した後、その両面にプライマー層用組成物(E−1)をロールコーターにて均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを引続き95℃で乾燥し、その延伸方向とは90度の方向に延伸倍率1.5倍にて延伸を行い、リタデーション=10000nm、膜厚=100μm、nx=1.70、ny=1.60、Δn=0.10の配向ポリエステルフィルム(PET−N)を得た。尚、プライマー層の屈折率は1.59、膜厚は80nmであった。
続いて、配向ポリエステルフィルム(PET−N)の一面に、第一ハードコート層用塗液(HC1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一ハードコート層を形成した。続いて、配向ポリエステルフィルム(PET−N)の他面に第二ハードコート層用塗液(HC2−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二ハードコート層を形成した。
上記第一ハードコート層上に、第一色調補正層用塗液(C1−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第一色調補正層を形成した。上記第一色調補正層上に、第二色調補正層用塗液(C2−1)をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射して硬化させることにより第二色調補正層を形成し、色調補正フィルム(S1−1)を作製した(下記表5を参照)。
参考例1−2〜参考例1−16、実施例2−1〜実施例2−10)
第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層を下記表5及び表6に記載した材料及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S1−2〜S1−16、S2−1〜S2−10)を作製した。
Figure 0006241068
Figure 0006241068
(実施例3−1)
上記色調補正フィルム(S1−1)の第二色調補正層上にインジウム:錫=10:1のITOターゲットを用いてスパッタリングを行うことにより、膜厚が20nmの錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を形成し、150℃、30分のアニール処理を施し、透明導電性フィルムを作製した。得られた透明導電性フィルムについて、巻き取り性、透過色b*、全光線透過率、ヘイズ値を前記方法で測定した。その結果を下記表7に示す。
参考例3−2〜参考例3−18、実施例4−1〜実施例4−10)
錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を表7及び表8に記載した膜厚とした以外は、実施例2−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
Figure 0006241068
Figure 0006241068
(比較参考例1−1〜比較参考例1−13、比較例2−1〜比較例2−3)
第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層、第二ハードコート層を下記表9及び表10に記載した材料及び膜厚とした以外は、実施例1−1と同様にして、色調補正フィルム(S’1−1〜S’1−13、S’2−1〜S’2−3)を作製した。
(比較参考例1−14、比較例2−4)
配向ポリエステルフィルム(PET-N)の変わりに、東洋紡社製汎用PETフィルム「A4100」(リタデーション=6200nm、膜厚=188μm、Δn=0.033)を用いた以外は、参考例1−1と同様にして色調補正フィルム(S’1−14)を、実施例2−1と同様にして色調補正フィルム(S’2−4)作製した。
Figure 0006241068
Figure 0006241068
(比較参考例3−1〜比較参考例3−15、比較例4−1〜比較例4−4)
錫ドープ酸化インジウム層(ITO層)を表11及び表12に記載した膜厚とした以外は、参考例3−1と同様にして透明導電性フィルムを作製した。
Figure 0006241068
Figure 0006241068
(結果および考察)
参考例3−1〜参考例3−18、実施例4−1〜実施例4−10では、第一ハードコート層及び各色調補正層、錫ドープ酸化インジウム層の屈折率と膜厚が本発明で規定される範囲に設定されていることから、透過色b*の値が小さく、透明導電性フィルムの着色を十分に抑え、更に、優れた全光線透過率を実現することが出来た。また、参考例3−1〜参考例3−18、実施例4−1〜実施例4−10では、第二ハードコート層の組成及び膜厚が本発明で規定される範囲に設定されていることから、優れた巻き取り性を実現出来た。更に、参考例3−1〜参考例3−18、実施例4−1〜実施例4−10では、透明基材フィルムとして、配向ポリエステルフィルムを使用したことから、ニジムラを抑制することが出来た。
その一方、比較参考例3−1〜3−7、比較参考例3−14は、第一ハードコート層、各色調補正層、錫ドープ酸化インジウム層の屈折率、及び膜厚のいずれかが本発明で規定される範囲外に設定されているため、透過色b*の値が大きく、透明導電性フィルムが着色する、若しくは、ヘイズが高く全光線透過率が低い結果となった。比較参考例3−8〜3−13、比較例4−1〜4−3は、第二ハードコート層の組成、及び膜厚のいずれかが本発明で規定される範囲外に設定されているため、巻き取り性が悪い、若しくは、ヘイズが高く全光線透過率が低い結果となった。比較参考例3−15、比較例4−4は、本願で規定された配向ポリエステルフィルムを使用していないため、ニジムラが強い結果となった。
本実施形態の色調補正フィルム及び透明導電性フィルムは、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他各種の実施の形態を取り得る。

Claims (2)

  1. 透明基材フィルムの表面から順に、第一ハードコート層、第一色調補正層、第二色調補正層が積層され、透明基材フィルムの裏側に、第二ハードコート層が積層されている巻き取り可能な可撓性を備える色調補正フィルムであって、
    前記第一ハードコート層は、波長400nmの光に対する屈折率が1.51〜1.61、膜厚が1.3〜3.5μmであり、
    前記第一色調補正層は、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂からなり、波長400nmの光に対する屈折率が1.63〜1.86、膜厚が25〜90nmであり、
    前記第二色調補正層は、シリカ微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂からなり、波長400nmの光に対する屈折率が1.33〜1.53、膜厚が10〜55nmであって、
    前記第二ハードコート層は、硬化後の該第二ハードコート層100wt%に対して、バインダーを80〜98wt%、光重合開始剤を1〜10wt%、平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子を0.01〜19wt%含み、波長400nmの光に対する屈折率が1.51〜1.61、膜厚が1.3〜3.5μmであり、且つ、有機微粒子の平均粒子径が第二ハードコート層の膜厚の61〜350%であり、
    前記バインダーと光重合開始剤、平均粒子径0.8〜5.5μmの有機微粒子との和が99〜100wt%であり、
    前記第二ハードコート層のバインダーが、29〜75wt%の活性エネルギー線硬化型樹脂と、12〜60wt%のシリカ微粒子を含有し、
    前記第二ハードコート層に対して前記活性エネルギー線硬化型樹脂と前記シリカ微粒子の和が80〜98wt%であり、
    前記透明基材フィルムは、該フィルムの面内において最も屈折率が大きい方向(遅相軸方向)の屈折率(nx)と、遅相軸方向と直交する方向(進相軸方向)の屈折率(ny)との差(nx−y)が0.07〜0.20の、配向ポリエステルフィルムである、色調補正フィルム。
  2. 請求項1に記載の色調補正フィルムの前記第二色調補正層上に、錫ドープ酸化インジウム層が積層された透明導電性フィルムであって、
    前記錫ドープ酸化インジウム層は、波長400nmの光に対する屈折率が1.85〜2.35、膜厚が5〜50nmである透明導電性フィルム。
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