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JP6244756B2 - リソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、および基板の製造方法 - Google Patents
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JP6244756B2 - リソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、および基板の製造方法 - Google Patents

リソグラフィー用共重合体の製造方法、レジスト組成物の製造方法、および基板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明はリソグラフィー用共重合体の製造方法、該リソグラフィー用共重合体を用いたレジスト組成物の製造方法、および該レジスト組成物を用いて、パターンが形成された基板を製造する方法に関する。
半導体素子、液晶素子等の製造工程においては、近年、リソグラフィーによるパターン形成の微細化が急速に進んでいる。微細化の手法としては、照射光の短波長化がある。
最近では、KrFエキシマレーザー(波長:248nm)リソグラフィー技術が導入され、さらなる短波長化を図ったArFエキシマレーザー(波長:193nm)リソグラフィー技術及びEUV(波長:13.5nm)リソグラフィー技術が研究されている。
ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて用いられる化学増幅型レジスト用共重合体としては波長193nmの光に対して透明なアクリル系共重合体が注目されている。
例えば下記特許文献1には、単量体として(メタ)アクリル酸エステルを用いてなるリソグラフィー用の共重合体が記載されている。
ところで、(メタ)アクリル酸エステルの共重合体はラジカル重合法で重合されるのが一般的である。一般に、単量体が2種以上ある多元系共重合体では、各単量体間の共重合反応性比が異なるため、重合初期と重合後期とで、生成する共重合体における単量体単位の組成(共重合組成)が異なり、得られる共重合体は組成分布を持つようになる。
共重合体における単量体単位の組成にばらつきがあると、溶媒への溶解性が不均一になりやすく、レジスト組成物を調製する際に、溶媒に溶解させるのに長時間を要したり、不溶分が発生することで製造工程数が増加したりする等、レジスト組成物の調製に支障を来たす場合がある。また、得られるレジスト組成物の感度が不充分となりやすい。
例えば、特許文献2には、高感度のレジストを得るために、重合反応開始からモノマー溶液の供給終了までの間、重合反応系内に存在する未反応単量体の組成の変動が小さいフォトレジスト用共重合体の製造方法が記載されている。
特許文献3には、レジスト用共重合体の製造に用いる単量体のうち、酸脱離性基を有する単量体の一部を予め反応容器内に供給しておき、ここに酸脱離性基を有する単量体の残りと、他の単量体の混合物を滴下して重合させる方法が記載されている。滴下重合法では、重合反応初期に分子量が高い共重合体が生成し、その後、重合反応が進むにつれて低分子量の共重合体が生成するため、予め反応容器内に酸脱離性基のみを存在させておくことによって、重合初期に生成する高分子量側に低極性の酸脱離性基が偏って含まれる共重合体が得られる。
特開2002−145955号公報 特開2010−202699号公報 国際公開第2008/053877号
しかしながら、上記特許文献2、3に記載されている方法では、リソグラフィー用共重合体の溶解性、またはレジスト組成物の感度が充分に改善されない場合がある。
特に、本発明者等の知見によれば、特許文献3に記載の方法で得られる共重合体は、高極性溶剤への溶解性が著しく劣る。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、溶媒への溶解性が良好であり、レジスト組成物に用いたときの感度を向上できるリソグラフィー用共重合体、該共重合体の製造方法、該リソグラフィー用共重合体を用いたレジスト組成物、および該レジスト組成物を用いて、パターンが形成された基板を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は下記[1]〜[3]である。
[1]反応器内に重合開始剤および2種以上の単量体を供給し、共重合体(P)を得る重合工程を有するリソグラフィー用共重合体の製造方法であって、
前記単量体は、酸脱離性基を含む少なくとも1種の単量体と、酸脱離性基を含まない少なくとも1種の単量体を含み、
前記重合工程が、単量体を含有する溶液Sa(aは1〜d、dは1以上の整数)、および単量体を含有する溶液Tb(bは1〜e、eは1以上の整数)をそれぞれ反応器内へ供給する工程を有し、
前記重合工程において、前記反応器内に、前記重合開始剤を滴下する前または該重合開始剤の滴下開始と同時に、該反応器内に前記溶液Saを供給開始し、
該反応器内に前記溶液Saを供給開始した後または該溶液Saの供給開始と同時に、該反応器内に前記溶液Tbを滴下開始し、溶液Tbの滴下終了よりも前に、溶液Saの供給が終了し、
前記溶液S1〜Sdの合計における単量体の含有比率である第1の組成は、前記溶液T1〜Teそれぞれにおける単量体の含有比率である第2の組成よりも、酸脱離性基を含む単量体の比率が高く、酸脱離性基を含まない単量体の比率が低い、共重合体の製造方法であって、
下記条件で測定した場合のリソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液の濁度Th(80)が、4.7NTU以下であり、かつ濁度Tm(80)が3.9以下である リソグラフィー用共重合体の製造方法。
濁度Th(80)の測定条件
(1)リソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液を調整する。
(2)前記PGMEA溶液に、n−ヘプタンを添加した際の濁度が10NTUになる、n−ヘプタン添加量(X)hを決定する。
(3)前記(2)工程で決定したn−ヘプタン添加量の80%の量のn−ヘプタンを、リソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液に添加し、25℃に調整し4時間攪拌する。
(4)前記(3)工程で得られた溶液の溶液温度を25℃に調整して、濁度計(Orbeco-Hellige製TB200)を用いて濁度Th(80)を測定する。
濁度Tm(80)の測定条件
(5)リソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液を調整する。
(6)前記PGMEA溶液に、メタノールを添加した際の濁度が5.0NTUになる、メタノール添加量(X)mを決定する。
(7)前記(6)工程で決定したメタノール添加量の80%の量のメタノールを、リソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液に添加し、25℃に調整し4時間攪拌する。
(8)前記(7)工程で得られた溶液の溶液温度を25℃に調整して、濁度計(Orbeco-Hellige製TB200)を用いて濁度Tm(80)を測定する。
[2]上記リソグラフィー用共重合体の製造方法により得られる重合体と、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と溶媒を混合する工程を含むレジスト組成物の製造方法。
[3]上記製造方法により得られるレジスト組成物を被加工基板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法によれば、溶媒や現像液への溶解性が均一で、特に低温での溶媒への溶解性(低温溶解性)が良好であり、高感度、高解像度なリソグラフィー用共重合体が得られる。
本発明のレジスト組成物の製造方法によれば、レジスト溶媒への溶解性が優れ、感度に優れるレジスト組成物が得られる。
本発明の基板の製造方法によれば、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成できる。
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸またはメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロイルオキシ」は、アクリロイルオキシまたはメタクリロイルオキシを意味する。また、PGMEAは、プロピレングリコールモノメチルエーテルを意味する。
本発明における共重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により、ポリスチレン換算で求めた値である。
<リソグラフィー用共重合体(P)>
本発明のリソグラフィー用共重合体の製造方法により得られるリソグラフィー用共重合体(以下、共重合体(P)ということもある)は単量体単位α’〜α’(ただし、α’〜α’は単量体α〜αからそれぞれ導かれる単量体単位を表す。nは2以上の整数を表す。)からなり、前記単量体単位α’〜α’は、酸脱離性基を含む少なくとも1種の単量体単位と、酸脱離性基を含まない少なくとも1種の単量体単位を含む。すなわち共重合体(P)は、酸脱離性基を含む少なくとも1種の単量体および酸脱離性基を含まない少なくとも1種の単量体を重合して得られる共重合体である。
前記nの上限は、本発明による効果が得られやすい点で6以下が好ましい。特に共重合体(P)がレジスト用共重合体である場合には、5以下がより好ましく、4以下がさらに好ましい。
リソグラフィー用共重合体(P)は酸脱離性基を含むものであればよく、例えば、レジスト膜の形成に用いられるレジスト用共重合体、レジスト膜の上層に形成される反射防止膜(TARC)またはレジスト膜の下層に形成される反射防止膜(BARC)の形成に用いられる反射防止膜用共重合体等が挙げられる。
共重合体(P)は、その単量体単位α’〜α’にそれぞれ対応する単量体α〜αを重合させて得られる。単量体は、重合性多重結合を有する化合物である。重合性多重結合とは重合反応時に開裂して共重合鎖を形成する多重結合であり、エチレン性二重結合が好ましい。単量体はビニル基を有する化合物が好ましく、ラジカル重合しやすいものが好ましい。特に(メタ)アクリル酸エステルは波長250nm以下の露光光に対する透明性が高い点で好ましい。
[酸脱離性基を有する単量体単位・単量体]
酸脱離性基とは、酸により開裂する結合を有する基であり、該結合の開裂により酸脱離性基の一部または全部が共重合体の主鎖から脱離する基である。
例えばレジスト用組成物において、酸脱離性基を有する単量体単位を有する共重合体は、酸成分と反応してアルカリ性溶液(現像液)に可溶となり、レジストパターン形成を可能とする作用を奏する。
酸脱離性基を有する単量体は、酸脱離性基および重合性多重結合を有する化合物であればよく、公知のものを使用できる。
酸脱離性基を有する単量体の具体例として、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
該脂環式炭化水素基は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子と直接結合していてもよく、アルキレン基等の連結基を介して結合していてもよい。
該(メタ)アクリル酸エステルは、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、(メタ)アクリル酸エステルのエステル結合を構成する酸素原子との結合部位に第3級炭素原子を有する(メタ)アクリル酸エステル、または、炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有するとともに、該脂環式炭化水素基に−COOR基(Rは置換基を有していてもよい第3級炭化水素基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、またはオキセパニル基を表す。)が直接または連結基を介して結合している(メタ)アクリル酸エステルを含む。
エステルの酸素原子が第3級炭素原子に結合しているため、酸発生剤より発生した酸により分解、脱離してカルボキシル基が生成するのでアルカリ現像の際、現像液に可溶となる。
炭素数6〜20の脂環式炭化水素基を有し、かつ酸脱離性基を有している(メタ)アクリル酸エステルを単量体とする単量体単位の好ましい例として、下記式(i)〜(iv)で表される単量体単位が挙げられる。
式(i)〜(iv)において、R31、R32、R33、R34は、それぞれ水素原子またはメチル基を表す。R、R、Rは、それぞれ炭素数1〜5のアルキル基を表す。該アルキル基は直鎖状でもよく分岐状でもよい。R、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜3のアルキル基を表す。該アルキル基は直鎖状でもよく分岐状でもよい。X、X、X、Xは、それぞれ炭素数1〜6のアルキル基を表す。該アルキル基は直鎖状でもよく分岐状でもよい。n1、n2、n3、n4は、それぞれ0〜4の整数を表す。n1、n2、n3またはn4が2以上の場合、1つの単量体単位中にX、X、XまたはXは複数存在する。該複数のX、X、XまたはX互いに同じであってもよく、異なってもよい。式(iii)中のR331、R332、R333、R334はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。該アルキル基は直鎖状でもよく分岐状でもよい。式(iii)中のZ、Zはそれぞれ独立に−O−、−S−、−NH−または鎖長1〜6のメチレン鎖を表す。鎖長1〜6のメチレン鎖とは−(CH−(kは1〜6の整数を表す)で表される2価基である。式(iii)中のqは0または1を表す。式(iv)中のrは0〜2の整数を表す。
特に、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト組成物を製造する場合には、酸脱離性基を有する単量体の好ましい例として、例えば、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、1−(1’−アダマンチル)−1−メチルエチル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロペンチル(メタ)アクリレート、イソプロピルアダマンチル(メタ)アクリレート、1−エチルシクロオクチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、1−エチルシクロヘキシルメタクリレート、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、1−エチルシクロペンチルメタクリレート、イソプロピルアダマンチルメタクリレートがより好ましい。
酸脱離性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[酸脱離性基を含まない単量体単位・単量体]
リソグラフィー用共重合体(P)中の酸脱離性基を含まない単量体単位は特に限定されず、リソグラフィー用共重合体の分野で公知の単量体単位を、用途や要求特性に応じて適宜選択して用いることができる。
共重合体(P)がレジスト用共重合体である場合、酸脱離性基を含まない単量体単位として、極性基を含む単量体単位を有することが好ましく、さらに必要に応じて、それ以外の酸脱離性基を含まない公知の単量体単位を有していてもよい。レジスト用共重合体における酸脱離性基を有する単量体単位の比率は、感度および解像度の点から、共重合体を構成する全単量体単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、25モル%以上がより好ましい。また、基板等への密着性の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
レジスト用共重合体の重量平均分子量(Mw)は1,000〜100,000が好ましく、3,000〜30,000がより好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は1.0〜3.0が好ましく、1.1〜2.5がより好ましく、1.1〜1.7がより好ましい。
[極性基を有する単量体単位・単量体]
「極性基」とは、極性を持つ官能基または極性を持つ原子団を有する基であり、具体例としては、ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、カルボキシ基、アミノ基、カルボニル基、フッ素原子を含む基、硫黄原子を含む基、ラクトン骨格を含む基、アセタール構造を含む基、エーテル結合を含む基などが挙げられる。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用共重合体は、極性基を有する単量体単位として、ラクトン骨格を有する単量体単位を有することが好ましく、さらに後述の親水性基を有する単量体単位を有することが好ましい。
[ラクトン骨格を有する単量体単位・単量体]
ラクトン骨格としては、例えば、4〜20員環のラクトン骨格が挙げられる。ラクトン骨格は、ラクトン環のみの単環であってもよく、ラクトン環に脂肪族または芳香族の炭素環または複素環が縮合していてもよい。
レジスト用共重合体がラクトン骨格を有する単量体単位を含む場合、その含有量は、基板等への密着性の点から、全単量体単位(100モル%)のうち、20モル%以上が好ましく、35モル%以上がより好ましい。また、感度および解像度の点から、60モル%以下が好ましく、55モル%以下がより好ましく、50モル%以下がさらに好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体としては、基板等への密着性に優れる点から、置換あるいは無置換のδ−バレロラクトン環を有する(メタ)アクリル酸エステル、置換あるいは無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、無置換のγ−ブチロラクトン環を有する単量体が特に好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体の具体例としては、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−δ−バレロラクトン、4,4−ジメチル−2−メチレン−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、β−(メタ)アクリロイルオキシ−β−メチル−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、2−(1−(メタ)アクリロイルオキシ)エチル−4−ブタノリド、(メタ)アクリル酸パントイルラクトン、5−(メタ)アクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3−オン、9−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3−オン等が挙げられる。また、類似構造を持つ単量体として、メタクリロイルオキシこはく酸無水物等も挙げられる。
これらの中でも、β−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、α−(メタ)アクリロイルオキシ−γ−ブチロラクトン、5−メタクリロイルオキシ−2,6−ノルボルナンカルボラクトン、8−メタクリロキシ−4−オキサトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3−オンがより好ましい。
ラクトン骨格を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[親水性基を有する単量体単位・単量体]
本明細書における「親水性基」とは、ヒドロキシ基、シアノ基、メトキシ基、カルボキシ基およびアミノ基の少なくとも1種である。これらの親水性基は、例えば、−C(CF−OHのように、フッ素基等を含む連結基を含むものであってもよい。
これらのうちで、波長250nm以下の光で露光するパターン形成方法に適用されるレジスト用共重合体は、親水性基としてヒドロキシ基またはシアノ基を有することが好ましい。
レジスト用共重合体における親水性基を有する単量体単位の含有量は、レジストパターン矩形性の点から、全単量体単位(100モル%)のうち、5〜30モル%が好ましく、10〜25モル%がより好ましい。
親水性基を有する単量体としては、例えば、末端ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリ酸エステル;単量体の親水性基上にアルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する誘導体;環式炭化水素基を有する単量体(例えば(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル等。)が置換基としてヒドロキシ基、カルボキシ基等の親水性基を有するものが挙げられる。
親水性基を有する単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−n−プロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。基板等に対する密着性の点から、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等が好ましい。
これらの中でも、メタクリル酸3−ヒドロキシアダマンチル、2−または3−シアノ−5−ノルボルニル(メタ)アクリレート、2−シアノメチル−2−アダマンチルメタクリレートがより好ましい。
親水性基を有する単量体は、1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般に、共重合体は分子量分布を持つため、溶媒への溶解性が均一ではなく、レジスト組成物に用いた場合に現像液への溶解性が不十分となりやすい成分が存在する。
酸脱離性基を含む単量体単位を有する共重合体において、現像液等の溶媒への溶解性は(i)共重合体の分子量と、(ii)共重合体鎖中の酸脱離性基を有する単量体単位(酸によって結合が開裂して溶解性が増す成分)の量とに依存する。
(i)については、共重合組成における酸脱離性基を有する単量体単位の比率が同じである場合、共重合体の分子量が大きいほど溶媒への溶解速度は遅くなり、逆に分子量が小さいほど溶媒への溶解速度は速くなる。
(ii)については、酸脱離性基は、酸によって結合が開裂しない状態では共重合体鎖のレジスト溶媒やネガ型現像液等の有機溶剤への溶解速度向上に寄与し、酸によって結合が開裂することにより共重合体鎖のポジ型現像液等のアルカリ水溶液への溶解速度が格段に増す。したがって、同じ分子量の共重合体鎖では、酸脱離性基を有する単量体単位の比率が高いほど現像液への溶解速度は速くなり、逆に酸脱離性基を有する単量体単位の比率が低いほど現像液への溶解速度は遅くなる。
本発明の共重合体の製造方法により得られる共重合体(P)は、重合反応初期の酸脱離性基を有する単量体の添加量を多くすることで、高分子量側に酸脱離性基が適度に多く存在するため、共重合体鎖の分子量が大きいことによる溶媒への溶解速度の低下が、酸脱離性基を有する単量体単位の組成分布が高いことによる溶解速度の上昇で補われ、溶媒への溶解性が向上し、溶解速度の均一性が向上する。
したがって、本発明の共重合体の製造方法により得られる共重合体(P)を化学増幅型レジスト組成物に用いた場合に、現像液への溶解性および溶解速度の均一性が向上し、高感度な化学増幅型レジスト組成物を得ることができる。
<共重合体の製造方法>
[重合開始剤]
本発明のリソグラフィー用共重合体(P)の製造方法で用いられる重合開始剤は、熱により分解して効率的にラジカルを発生するものが好ましく、10時間半減期温度が重合温度条以下であるものを用いることが好ましい。好ましい重合温度は50〜150℃であり、重合開始剤としては10時間半減期温度が50〜70℃のものを用いることが好ましい。また重合開始剤が効率的に分解するためには、重合開始剤の10時間半減期温度と重合温度との差が10℃以上であることが好ましい。
重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]等のアゾ化合物、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物;が挙げられる。アゾ化合物がより好ましい。溶媒への溶解性に優れ、溶液重合に好適に用いることができる点でジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましい。
これらは市販品から入手可能である。例えばジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(和光純薬工業社製、V601(商品名)、10時間半減期温度66℃)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業社製、V65(商品名)、10時間半減期温度51℃)等を好適に用いることができる。
[溶媒]
本発明のリソグラフィー用共重合体(P)の製造方法においては重合溶媒を用いてもよい。重合溶媒としては、例えば、下記のものが挙げられる。
エーテル類:鎖状エーテル(例えばジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル(以下、「PGME」と記すこともある。)等。)、環状エーテル(例えばテトラヒドロフラン(以下、「THF」と記すこともある。)、1,4−ジオキサン等。)等。
エステル類:酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」と記すこともある。)、γ−ブチロラクトン等。
ケトン類:アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等。
アミド類:N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等。
スルホキシド類:ジメチルスルホキシド等。
芳香族炭化水素:ベンゼン、トルエン、キシレン等。
脂肪族炭化水素:ヘキサン等。
脂環式炭化水素:シクロヘキサン等。
重合溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
重合溶媒の使用量は特に限定されないが、例えば、重合反応終了時の反応器内の液(重合反応溶液)の固形分濃度が20〜40質量%程度となる量が好ましい。
本実施形態のリソグラフィー用共重合体の製造方法は、本発明の共重合体(P)を製造するのに好適な方法である。
本実施形態のリソグラフィー用共重合体の製造方法は、反応器内に重合開始剤および2種以上の単量体を供給し、共重合体(P)を得る重合工程を有する。例えば単量体α〜αを重合して、単量体単位α’〜α’からなる共重合体(P)を得る。単量体単位α’〜α’は、単量体α〜αからそれぞれ導かれる単量体単位を表す。nは2以上の整数を表す。単量体α〜αには、酸脱離性基を含む少なくとも1種の単量体と、酸脱離性基を含まない少なくとも1種の単量体が含まれる。
本実施形態において、該重合工程はラジカル重合法で行われ、単量体および重合開始剤を反応器内に滴下しながら、該反応器内で重合を行う滴下重合法を用いる。
すなわち、反応器内に単量体および重合開始剤を滴下しながら、該反応器内で2種以上の単量体α〜αを重合して、単量体単位α’〜α’からなる共重合体(P)を得る重合工程を有する。
本実施形態では、単量体を含有する溶液Sa(aは1〜d、dは1以上の整数)、および単量体を含有するTb(bは1〜e、eは1以上の整数)を用いる。溶液Sa、Tbは溶媒を含有することが好ましい。
[溶液Tb]
溶液Tb(単にTbということもある。)は、溶液T1、T2、…Te(eは1以上の整数)の総称である。溶液Tbとして、1つの溶液のみ(T1のみ)を用いてもよく、2つ以上の溶液(T1、T2…Te)を用いてもよい。eの上限値は特に限定されないが、多いと操作が煩雑になるため実質的には4以下が好ましく、3以下がより好ましい。
溶液Tbにおける単量体の組成(第2の組成、単位:モル%)は、得ようとする共重合体(P)における単量体単位α’1〜α’nの含有比率(共重合組成、単位:モル%)を表す目標組成(単位:モル%)と同じである。
溶液Tbとして2つ以上の溶液を用いる場合、溶液Tbの第2の組成とは、T1〜Teそれぞれにおける単量体の組成を意味する。すなわち、T1〜Teにおける各単量体の組成はいずれも目標組成と同じである。
例えば、共重合体(P)が、単量体x、y、zを共重合させて得られる3元系の共重合体であって、目標組成がx’:y’:z’であるとき、第2の組成x:y:zはx’:y’:z’と同じにする。
なお本実施形態において、所期の効果を得るうえで、第2の組成(モル%)は目標組成(モル%)と同一または同一に近い組成であることが好ましい。第2の組成(モル%)は目標組成(モル%)と同一であることが最も好ましいが、該目標組成に対して±10%の範囲内、好ましくは±5%の範囲内の誤差であれば許容される。すなわち該誤差範囲であれば、第2の組成と目標組成とが同一または同一に近い組成であるものとする。
溶液Tbは滴下により反応器に供給する。
[溶液Sa]
溶液Sa(単にSaということもある。)は、溶液S1、S2、…Sd(dは1以上の整数)の総称である。溶液Saとして、1つの溶液のみ(S1のみ)を用いてもよく、2つ以上の溶液(S1、S2…Sd)を用いてもよい。dの上限値は特に限定されないが、多いと操作が煩雑になるため実質的には5以下が好ましく、4以下がより好ましい。
溶液Saとして2つ以上の溶液を用いる場合、溶液Saにおける単量体の含有比率(第1の組成、単位:モル%)は、S1〜Sdの合計における単量体の組成を意味する。
溶液S1〜Sdのそれぞれにおける単量体の組成は、互いに同じでもよく、異なっていてもよく、いずれも目標組成とは異なる。第1の組成は、単量体α1〜αnのうち、酸脱離性基を含む単量体の比率が第2の組成(モル%)より多い組成である。溶液Saにおける単量体の含有比率(第1の組成)は、共重合体(P)における目標組成と、重合に用いられる各単量体の反応性とを加味して予め設計された組成であることが好ましい。第1の組成の設計方法は後述する。
溶液Saは、予め反応器内に仕込んでおいてもよく、滴下等により反応器に徐々に供給してもよく、これらを組み合わせてもよい。
[重合開始剤]
重合開始剤は滴下により反応器に供給する。溶液Tbに重合開始剤を含有させてもよい。溶液Saを滴下する場合は、該溶液Saに重合開始剤を含有させてもよい。滴下する2以上の溶液(Saおよび/またはTb)に、重合開始剤を含有させてもよい。溶液Sa、溶液Tbとは別に、重合開始剤を含有する溶液(重合開始剤溶液)を滴下してもよい。これらを組み合わせてもよい。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類に応じて、また得ようとする共重合体(P)の重量平均分子量の目標値に応じて設定される。例えば、反応器に供給される単量体の合計の100モル%に対して、重合開始剤の使用量は1〜25モル%の範囲が好ましく、1.5〜20モル%の範囲がより好ましい。
[溶液Saにおける単量体の含有量]
重合工程で使用される単量体の合計量(全単量体供給量)は、溶液Sa、Tbに含まれる単量体の総和であり、得ようとする共重合体(P)の量に応じて設定される。
また該全単量体供給量のうち、溶液Saに含まれる単量体の合計量が占める比率が少なすぎると、溶液Saを用いることによる所期の効果が充分に得られず、多すぎると重合工程の初期に生成される共重合体の分子量が高くなりすぎる。したがって、全単量体供給量に対して、溶液Saに含まれる単量体の合計量は3〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
[溶液Sa、溶液Tbの供給]
重合工程において、反応器内に重合開始剤を滴下したときに、該反応器内に溶液Saが存在していることが必要である。したがって、反応器内に重合開始剤を滴下する前または重合開始剤の滴下開始と同時に、該反応器内に溶液Saを供給開始する。
また反応器内に溶液Tbを滴下したときに、該反応器内に溶液Saが存在していることが必要である。したがって、反応器内に溶液Saを供給開始した後または溶液Saの供給開始と同時に、該反応器内に溶液Tbを滴下開始する。溶液Tbの滴下開始は、前記重合開始剤の滴下開始と同時または前記重合開始剤の滴下開始より後であることが好ましい。
重合開始剤の滴下開始と溶液Tbの滴下開始は同時であることが好ましい。溶液Tbの滴下終了よりも前に、溶液Saの供給を終了する。
溶液Tbの滴下は、連続的でもよく、断続的でもよく、滴下速度が変化してもよい。生成される共重合体の組成および分子量をより安定させるためには、連続的に、一定速度で滴下することが好ましい。
溶液Saを滴下により供給する場合、連続的でもよく、断続的でもよく、滴下速度が変化してもよい。生成される共重合体の組成および分子量をより安定させるためには、連続的に、一定速度で滴下することが好ましい。
溶液Saは、重合工程の初期に、その全量を供給することが好ましい。具体的には、重合開始剤の滴下開始から溶液Tbの滴下終了までを基準時間とするとき、該基準時間の20%が経過する以前に、溶液Saの供給を終了することが好ましい。例えば基準時間が4時間である場合は、重合開始剤の滴下開始から48分経過する以前に、溶液Saの全量を反応器内に供給することが好ましい。
溶液Saの供給終了は、基準時間の15%以前が好ましく、10%以前がより好ましい。
また基準時間の0%の時点で溶液Saの全量が供給されていてもよい。すなわち重合開始剤の滴下開始前に、反応器内に溶液Saの全量を仕込んでおいてもよい。
[重合開始剤の供給速度]
重合工程における重合開始剤の滴下は、溶液Tbの滴下終了時まで行ってもよく、その前に終了してもよい。溶液Tbの滴下終了時まで行うことが好ましい。上記N(v)/Naveが本発明の範囲である共重合体(P)、または分子量分布と組成分布の関係が上式(1)を満たす共重合体(P)が得られやすい点で、重合の初期から後期にかけて、各瞬間に生成する分子量は緩やかに減少することが好ましい。反応器内で開始剤から発生するラジカルのモル濃度の、反応器内のモノマーモル濃度に対する割合が、重合初期から後期にかけて緩やかに増加するように開始剤を供給すると、重合の初期から後期にかけて生成する共重合体の分子量が緩やかに減少する。
例えば重合開始剤の滴下開始から溶液Tbの滴下終了までの基準時間が4時間である場合、全重合工程で生成する共重合体の質量平均分子量を100%とすると、重合開始剤の滴下開始後30分以内に生成する共重合体の質量平均分子量は101〜200%であることが好ましく、102〜150%であることがより好ましく、103〜130%がさらに好ましい。
[重合工程の好ましい態様]
重合工程の好ましい態様としては、以下の(A)、(B)、(C)が挙げられる。
(A)予め反応器内に、単量体α1〜αnを第1の組成で含有する溶液Saの全量(S1)を仕込んでおき、反応器内を所定の重合温度まで加熱した後、該反応器内に、単量体α1〜αnを第2の組成で含有するとともに、重合開始剤を含む溶液Tbを滴下する。Tbと並行して、重合開始剤の一部を含む重合開始剤溶液を滴下しても良い。重合開始剤溶液と溶液Tbは同時に滴下開始するか、または重合開始剤溶液を先に滴下開始する。同時が好ましい。重合開始剤溶液の滴下開始から溶液Tbの滴下開始までの時間は0〜10分が好ましい。
滴下速度はそれぞれ一定であることが好ましい。重合開始剤溶液は溶液Tbよりも先に滴下を終了する。
(B)反応器内に溶媒のみを仕込み、所定の重合温度まで加熱した後、単量体α1〜αnを第1の組成で含有する溶液Saと、単量体α1〜αnを第2の組成で含有するとともに、重合開始剤を含む溶液Tbをそれぞれ滴下する。Saには重合開始剤の一部を含有させても良い。両液は同時に滴下開始するか、または溶液Saを先に滴下開始する。溶液Saの滴下開始から溶液Tbの滴下開始までの時間は0〜10分が好ましい。
滴下速度はそれぞれ一定であることが好ましい。溶液Tbよりも溶液Saの方が先に滴下を終了する。
(C)予め反応器内に、溶液Saの一部を仕込んでおき、反応器内を所定の重合温度まで加熱した後、該反応器内に、溶液Saの残部と、単量体α1〜αnを第2の組成で含有するとともに、重合開始剤を含む溶液Tbをそれぞれ滴下する。溶液Saの残部には重合開始剤の一部が含まれていても良い。溶液Saの残部と溶液Tbは同時に滴下開始するか、または溶液Saの残部を先に滴下開始する。同時が好ましい。溶液Saの残部の滴下開始から溶液Tbの滴下開始までの時間は0〜10分が好ましい。
滴下速度はそれぞれ一定であることが好ましい。溶液Saの残部は溶液Tbよりも先に滴下を終了する。
溶液Tbの滴下終了後、必要に応じて、反応器内を重合温度に保持する保持工程、冷却工程、精製工程等を適宜行うことができる。
<溶液Saの第1の組成の設計方法(第1の方法)>
以下、第1の組成の好ましい設計方法(第1の方法)を説明する。
本方法では、溶液S1〜Sdの合計における単量体の組成(第1の組成)は、下記方法(a)および(b)により決定される未反応単量体の組成(U)よりも、酸脱離性基を含む単量体の比率が高く、酸脱離性基を含まない単量体の比率が低くなるように設計する。
(a):まず、単量体組成が前記目標組成α’:α’:…:α’と同一又は同一に近い組成の単量体混合物と重合開始剤と溶媒を含有する滴下溶液を、溶媒のみを入れた反応器内に一定の滴下速度で滴下し、該反応器内に存在する未反応単量体の組成の時間変化を測定する。
工程(b):前記(a)で測定した未反応単量体の組成が一定または一定に近い状態となるときの未反応単量体の組成(U)を決定する。
(a)において、時間帯と反応液中の未反応単量体の組成との関係を調べると、反応初期には未反応単量体の組成は変動するが、その後中盤に未反応単量体の組成はほぼ安定(一定または一定に近い状態)となり、滴下溶液を全て供給し終わった後の終盤に再度未反応単量体の組成は変動する。
(b)では、その中盤の安定状態となった時の未反応単量体の組成を測定する。なお、未反応単量体の組成の安定状態(一定または一定に近い状態)とは、各単量体それぞれの含有比率(モル%)の測定値が、直前の測定時の測定値を100%とするとき、90〜110%、好ましくは95〜105%、より好ましくは96〜104%である状態をいう。
例えば、滴下開始からの経過時間がt、t、t…のときに、時間t(mは1以上の整数。)における測定値と、時間tm+1における測定値との変動幅が最も小さいときの、tにおける未反応単量体の組成と、tm+1における未反応単量体の組成の平均値を、(b)で決定される未反応単量体の組成(U)とすることが好ましい。
(b)により決定された未反応単量体の組成(U)は、反応器内に存在する未反応の単量体の含有比率が該組成(U)であるとき、該反応器内に目標組成の溶液が滴下されると、滴下直後に生成される共重合体分子の単量体単位の含有比率が目標組成とほぼ同じになり、したがって反応器内に残存する未反応単量体の組成がほぼ一定となる組成である。かかる状態の反応器内に溶液Tbの滴下を継続して行うと、常に目標組成に近い共重合体分子が生成し続けるという定常状態が得られる。
本方法では、該(b)により決定された未反応単量体の組成(U)よりも、酸脱離性基を含む単量体の比率が高く、酸脱離性基を含まない単量体の比率が低くなるように第1の組成を設計する。
これにより、重合初期には、分子量が高くて酸脱離性基を多く含む共重合体分子が生成し、その後に上記定常状態が得られるため、上記N(v)/Naveが本発明の範囲である共重合体(P)または分子量分布と組成分布の関係が上式(1)を満たす共重合体(P)を得ることができる。
本発明の共重合体(P)が得られやすい点で、第1の組成における酸脱離性基を含む単量体の含有比率(モル%)は、組成(U)における酸脱離性基を含む単量体の含有比率(モル%)の値の1.1〜1.9倍の範囲内が好ましく、1.2〜1.9倍がより好ましく、1.3〜1.8倍がさらに好ましい。
第1の組成における、酸脱離性基を含まない単量体どうしの含有比率の比は、組成(U)における比とほぼ同じであることが好ましい。
<溶液Saの第1の組成の設計方法(第2の方法)>
以下、第1の組成の好ましい設計方法(第2の方法)を説明する。
本方法では、溶液S1〜Sdの合計における単量体の組成(第1の組成)の、各単量体単位の含有比率を、下記方法(1)〜(4)により求めたS’aの組成における各単量体単位の含有比率の値のそれぞれ0.75倍〜1.25倍の範囲内、好ましくは0.8倍〜1.2倍の範囲内、より好ましくは0.9倍〜1.1倍の範囲内に設計する。
(1)まず単量体組成が目標組成α’1:α’2:…:α’nと同じである単量体混合物100質量部と重合開始剤と溶媒を含有する滴下溶液を、溶媒のみを入れた反応器内に一定の滴下速度で滴下し、滴下開始からの経過時間がt1、t2、t3…のときに、それぞれ反応器内に残存している単量体α1〜αnの組成(単位:モル%)M1:M2:…:Mnと、t1からt2までの間、t2からt3までの間、…にそれぞれ生成した共重合体における単量体単位α’1〜α’nの比率(単位:モル%)P1:P2:…:Pnを求める。
(2)前記P1:P2:…:Pnが、目標組成α’1:α’2:…:α’nに最も近い時間帯「tmからtm+1までの間(mは1以上の整数。)」を見つける。
(3)該「tmからtm+1までの間」におけるP1:P2:…:Pnの値と、経過時間tmにおけるM1:M2:…:Mnの値とから、下記式により、ファクターF1、F2、…Fnを求める。F1=P1/M1、F2=P2/M2、…Fn=Pn/Mn。
(4)S’aの組成(単位:モル%)をα11:α12:…:α1nを、で表わすと、上記(3)で求めたファクターF、F、…Fの関数であるG、G…Gと、目標組成α’:α’:…:α’とから、下記式によりS’aの組成(単位:モル%)を求める。
=F、ただし、α1iが酸脱離性基を含む単量体の含有比率であるときはG=F/3である。(iは1以上n以下の自然数。)
α11=(α’/G)/(α’/G+α’/G+…+α’/G)×100、
α12=(α’/G)/(α’/G+α’/G+…+α’/G)×100、
…α1n=(α’/G)/(α’/G+α’/G+…+α’/G)×100。
[ファクターFx、Fy、Fzの求め方]
以下、第2の方法を、共重合体(P)が3元系の共重合体である場合を例に挙げて説明するが、2元系または4元系以上でも同様にしてファクターを求めることができる。
(1)まず、単量体組成が目標組成x’:y’:z’と同じである単量体混合物と溶媒と重合開始剤を含有する滴下溶液を、反応器内に一定の滴下速度vで滴下する。反応器内には、予め溶媒のみを入れておく。
滴下開始からの経過時間がt1、t2、t3…のときに、それぞれ反応器内に残存している単量体x、y、zの組成(モル%)Mx:My:Mzと、t1からt2までの間、t2からt3までの間…にそれぞれ生成した共重合体における単量体単位の比率(モル%)Px:Py:Pzを求める。
(2)Px:Py:Pzが、目標組成x’:y’:z’に最も近い時間帯「tmからtm+1までの間(mは1以上の整数。)」を見つける。
(3)その「tmからtm+1までの間」におけるPx:Py:Pzの値と、経過時間tmにおけるMx:My:Mzの値とから、下記式により、ファクターFx、Fy、Fzを求める。
Fx=Px/Mx、Fy=Py/My、Fz=Pz/Mz。
ファクターFx、Fy、Fzは、各単量体の相対的な反応性を反映する値であり、重合に用いられる単量体の組み合わせまたは目標組成が変わると変化する。
(4)S’aの組成(モル%)x00:y00:z00は、ファクターFx、Fy、Fzの関数であるGx、Gy、Gzを用いて設計する。x00が酸脱離性基を含む単量体の含有比率であり、y00、z00が酸脱離性基を含まない単量体の含有比率である場合、Gx=Fx/3、Gy=Fy、Gz=Fzとし、x00=x’/Gx、y00=y’/Gy、z00=z’/Gzにより算出する。
(3)により決定されたファクターFx、Fy、Fzは、仮に反応器内に存在する単量体の含有比率がx00=x’/Fx、y00=y’/Fy、z00=z’/Fzであるときに該反応器内に目標組成の溶液が滴下されると、滴下直後に生成される共重合体分子の単量体単位の含有比率が目標組成とほぼ同じになり、反応器内に残存する未反応単量体の組成がほぼ一定となる組成である。したがって、かかる反応器内に目標組成の溶液の滴下を継続して行うと、常に目標組成に近い共重合体分子が生成し続けるという定常状態が得られる。
本方法では、(4)において、ファクターFx、Fy、Fzの関数であるGx、Gy、Gzを用いて第1の組成を設計する。このときに酸脱離性基を含む単量体(例えばx)については、Fの値を3で除した値をGとし(Gx=Fx/3)とし、酸脱離性基を含まない単量体についてはG=F(Gy=Fy、Gz=Fz)とする。
このように、酸脱離性基を含む単量体についてのみ、ファクターFの値を3で除した値を用いて第1の組成を設計することにより、重合初期には、分子量が高くて酸脱離性基を適度に多く含む共重合体分子が生成し、その後、上記定常状態が得られる。
本発明者等の知見によれば、上記N(v)/Naveが本発明の範囲である共重合体(P)または分子量分布と組成分布の関係が上式(1)を満たす共重合体(P)を得るうえで、酸脱離性基を含む単量体についてのファクターFの除数を3とすることが最も好ましい。
すなわち、酸脱離性基を含む単量体のファクターFは該単量体の共重合反応性の高さを表す指標であり、ファクターFをそのまま用いると(すなわち、ファクターFを1で除すと)、定常状態と同一の共重合組成比の共重合体が得られる。重合初期に、分子量が高くて酸脱離性基をより多く含むためには除数を大きくする必要があるが、その偏りの程度を表す式(1)が0.1〜0.5の範囲に相当するためには、除数は3が最も好ましい
前記第1の方法は、反応器内の未反応単量体の組成がほぼ一定になる状態を定常状態とみなして第1の組成を設計するため、簡便である。
第2の方法は、反応器内で生成される共重合体の共重合組成が目標組成に最も近くなる状態を見つけ、さらにその状態における反応速度比を反映したファクターFを用いて第1の組成を設計するため、共重合体(P)の製造において、真の定常状態により近い状態が得られやすい。
第2の方法で設計された第1の組成と、第1の方法における方法(a)、(b)により決定される未反応単量体の組成(U)との関係において、該第1の組成における酸脱離性基を含む単量体の含有比率(モル%)は、組成(U)における酸脱離性基を含む単量体の含有比率(モル%)の値の1.1〜1.9倍の範囲内となっている。1.2〜1.9倍の範囲内となっていることが好ましく、1.3〜1.8倍の範囲内となっていることが好ましい。
第1の方法で設計した第1の組成と、第2の方法で設計した第1の組成とが一致する場合もあり得る。
<共重合体(P)の濁度>
本発明の共重合体(P)は、20wt%のPGMEA溶液にn−ヘプタンを添加した際の濁度が10NTUになる、n−ヘプタン添加量(X)hの80wt%のn−ヘプタンを、該共重合体(P)の20wt%のPGMEA溶液に添加した際の該PGMEA溶液の濁度Th(80)が、4.7NTU以下である。PGMEA溶媒への溶解性が高く、リソグラフィー用材料として好適に用いることができる点でTh(80)は4.6以下が好ましく、4.5以下がより好ましく、4.4以下がさらに好ましく、4.3以下が特に好ましい。
該共重合体(P)の20wt%のPGMEA溶液にn−ヘプタンを添加した溶液は、25℃に調整し、4時間攪拌してから濁度の測定を行う。
濁度の測定には、Orbeco-Hellige製TB200を用い、溶液温度を25℃に調整して測定する。
また、濁度Tm(80)は本発明の共重合体(P)の20wt%のPGMEA溶液にメタノールを添加した際の濁度が5.0NTUになる、メタノール添加量(X)mの80wt%のメタノールを、該共重合体(P)の20wt%のPGMEA溶液に添加した際の該PGMEA溶液の濁度Tm(80)が、3.9NTU以下である。PGMEA溶媒への溶解性が高く、リソグラフィー用材料として好適に用いることができる点でTm(80)は3.8以下が好ましく、3.7以下がより好ましく、3.6以下がさらに好ましく、3.5以下が特に好ましい。
本発明の共重合体(P)は、20wt%のPGMEA溶液にPGMEAより極性の低いn−ヘプタンを添加した場合と、PGMEAより極性の高いメタノールを添加した場合の両方において濁度の上昇が緩やかであり、溶媒への溶解安定性に優れる。
特に限定されないが、上記濁度Th(80)が4.7NTU以下でありかつ濁度Tm(80)が3.9以下を満たす共重合体(P)の製造方法としては、上述した重合反応による製造方法、洗浄や分離操作により所望の共重合組成と分子量を有する共重合体を除去する方法、異なる共重合組成分布と分子量分布を有する共重合体同士を混合する方法などが挙げられる。一度の重合反応で生産性良く得られる点で、上述した重合反応による製造方法が好ましい。
<低温溶解性評価方法>
本発明の共重合体は、以下の方法により低温溶解性を評価することができる。具体的には、リソグラフィー用共重合体、共重合体の良溶媒、共重合体の貧溶媒から成る共重合体の析出していない試験溶液の温度を下げて、共重合体が析出する温度を測定する評価する方法であり、(1)試験溶液を調整する試験溶液調整工程と、(2)温度を下げて析出温度を測定する評価工程を含む。
<(1)試験溶液調製工程>
試験溶液は、リソグラフィー用共重合体、共重合体の良溶媒、共重合体の貧溶媒を含む。
調製の手順は、共重合体を良溶媒に完全溶解させた後、貧溶媒を添加しても良いし、又は良溶媒と貧溶媒の混合溶媒に共重合体を溶解させても良く、さらに、共重合体、良溶媒、貧溶媒の混合を同時に行っても良い。このうち、共重合体の析出が起こりにくく、溶液が不均一になりにくい点で、共重合体を良溶媒に完全溶解させた後、貧溶媒を添加する方法が、最も好ましい。
良 溶媒の種類及びリソグラフィー用共重合体と良溶媒の比は、共重合体と良溶媒が全体に均一に混合し、共重合体が析出していない状態になれば、特に制限はない。共重合体と良溶媒の比は、0.5質量%〜30質量%が好ましく、5質量%〜25質量%が更に好ましい。本評価方法では、貧溶媒の共存により、共重合体の良溶媒に対する溶解性を低下させ、さらに温度を下げて、共重合体の析出温度を測定するため、0.5質量%〜30質量%の濃度であれば、共重合体が良溶媒に完全に溶解するとともに、共重合体の貧溶媒の共存により低温で析出しやすくなる。
本明細書における良溶媒とは、常温(25℃)において、リソグラフィー用共重合体を、5質量倍量以下の溶媒量で完全に溶解できる溶媒をいう。特に3質量倍量以下の溶媒量でリソグラフィー用共重合体を完全に溶解できるものを用いることが好ましい。試験溶液に用いる良溶媒は1種単独の溶媒でもよく2種以上の混合物でもよい。混合溶媒の場合は、混合後に上記良溶媒の条件を満たすものであれば良溶媒として用いることができる。
一方、貧溶媒とは、常温(25℃)において、リソグラフィー用共重合体に対し、5質量倍量の単独溶媒を加えて撹拌しても全く溶解しない溶媒をいう。特に10質量倍量の単独溶媒を加えても全く溶解しないものを用いることが好ましい。混合溶媒の場合は、混合後に上記貧溶媒の条件を満たすものであれば、貧溶媒として用いることができる。
貧溶媒の量は、共重合体の析出が起こらない範囲であれば特に限定されず、また共重合体の分子量や組成によって、最適な量が異なるが、概ね以下が目安となる。すなわち、共重合体と良溶媒のみで調整した溶液に対し、貧溶媒を添加して、ポリマーの析出が始まる貧溶媒添加量を調べ、その貧溶媒添加量の95.0〜99.5%となる量の貧溶媒を用いて、試験溶液を調整するのが好ましく、97.0〜99.0%となる貧溶媒量を用いるのがより好ましい。
本評価方法では、貧溶媒を共存させることで、共重合体の良溶媒に対する溶解性を低下させる。これにより、共重合体中の難溶解成分の凝集が起こり、さらに温度を下げることで、共重合体全体の析出が起こる。本評価方法では、この析出温度を測定することで、共重合体の低温での溶解性を評価することができる。
また、上記の通りの貧溶媒量を添加することで、室温に近い温度で析出が起こるため、評価を短時間で簡便に行うことが可能である。
良溶媒としては、リソグラフィー用組成物を調製する際に用いられる公知のリソグラフィー溶媒から適宜選択して用いることができる。1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
好ましい良溶媒の具体例としては、テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
貧溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、水などを用いることができる。貧溶媒は1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、評価対象のレジスト用共重合体がアクリル系共重合体である場合、良溶媒としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、乳酸エチル、THF、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を用い、貧溶媒としてIPE(ジイソプロピルエーテル)、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、イソプロパノールを用いることが好ましい。
<(2)評価工程>
上記試験溶液の温度を下げ、共重合体が析出する温度を測定する。温度を下げる方法は特に限定されないが、細かい温度制御(最小設定幅が0.1℃以下)が可能な恒温槽に試験溶液を入れて恒温槽の温度を下げる方法、試験溶液を置いた部屋の温度を下げる方法、試験溶液に直接温度計を設置し冷蔵庫に入れる方法などが挙げられる。
試験溶液の温度を下げる際、試験溶液を入れる容器は、密閉又は略密閉された容器であることが望ましい。「密閉又は略密閉された容器」とは、溶剤の揮発と試験溶液の結露が抑制できれば特に限定はされず、容器に専用の蓋をしても良く、覆いをかぶせても良い。
また試験溶液内が常に均一な温度になるよう撹拌しながら試験が行うことが望ましい。
試験溶液は、貧溶媒を加えた時点から測定まで一定時間撹拌することが好ましい。撹拌時間は、試験溶液が均一になれば、特には限定されないが1〜8時間が好ましく、2〜6時間がより好ましい。貧溶媒の添加により、共重合体の良溶媒への溶解性が低くなり、一時的に析出又はそれに近い状態になる。撹拌時間が1時間以下であると、試験溶液が均一になる前に測定をすることになり、正しい値が得られない。一方、撹拌時間が8時間以上であると、撹拌中に良溶媒・貧溶媒の揮発が徐々に起き、溶液の組成が初期と変わってしまう可能性がある。
また、2種以上の共重合体の比較を行う場合は、撹拌時間の差は1時間以内であることが望ましく、30分以内であることがさらに望ましい。
試験溶液の調製及び撹拌温度は、特に限定されないが、15℃〜35℃が好ましく、より好ましくは、20℃〜30℃である。共重合体のへの溶解性は、溶液温度によって異なるため、試験溶液の調整、撹拌は同一の温度で行うことが好ましく、そのため、温度が安定しやすい、室温に近い温度で調整、撹拌を行うことが好ましい。
また、正確な測定を行うために、試験溶液の調整及び撹拌温度は、指定した温度の±3℃の範囲で実施するのが好ましく、±2℃の範囲で実施するのが更に好ましく、±1℃の範囲で実施するのが最も好ましい。
降温は、1.0℃ずつの幅で実施できることが好ましく、0.5℃ずつの幅で実施できることが更に好ましい。またこの降温幅を実現するために、0.1℃刻みで温度設定が可能な恒温槽を使用することが好ましい。
また、2種以上の共重合体の比較を行う場合は、試験溶液の調整、撹拌、降温の各工程で、温度を統一することが望ましい。
<レジスト組成物>
本発明のレジスト組成物は、本発明のリソグラフィー用共重合体(P)をレジスト溶媒に溶解して調製される。レジスト溶媒としては、共重合体の製造における上記重合溶媒と同様のものが挙げられる。
本発明のレジスト組成物が化学増幅型レジスト組成物である場合は、さらに活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(以下、光酸発生剤という。)を含有させる。
(光酸発生剤)
光酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物において公知の光酸発生剤の中から任意に選択できる。光酸発生剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、スルホンイミド化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物、ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
レジスト組成物における光酸発生剤の含有量は、共重合体(P)の100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部がより好ましい。
(含窒素化合物)
化学増幅型レジスト組成物は、含窒素化合物を含んでいてもよい。含窒素化合物を含むことにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。すなわち、レジストパターンの断面形状が矩形により近くなる。また半導体素子の量産ライン等では、レジスト膜に光を照射し、次いでベーク(PEB)した後、次の現像処理までの間に数時間放置されることがあるが、そのような放置(経時)によるレジストパターンの断面形状の劣化の発生がより抑制される。
含窒素化合物としては、アミンが好ましく、第2級低級脂肪族アミン、第3級低級脂肪族アミンがより好ましい。
レジスト組成物における含窒素化合物の含有量は、共重合体(P)の100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましい。
(有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体)
化学増幅型レジスト組成物は、有機カルボン酸、リンのオキソ酸またはその誘導体(以下、これらをまとめて酸化合物と記す。)を含んでいてもよい。酸化合物を含むことにより、含窒素化合物の配合による感度劣化を抑えることができ、また、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等がさらに向上する。
有機カルボン酸としては、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられる。
リンのオキソ酸またはその誘導体としては、リン酸またはその誘導体、ホスホン酸またはその誘導体、ホスフィン酸またはその誘導体等が挙げられる。
レジスト組成物における酸化合物の含有量は、共重合体(P)の100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましい。
(添加剤)
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、界面活性剤、その他のクエンチャー、増感剤、ハレーション防止剤、保存安定剤、消泡剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。該添加剤は、当該分野で公知のものであればいずれも使用可能である。また、これら添加剤の量は、特に限定されず、適宜決めればよい。
<パターンが形成された基板の製造方法>
本発明の、パターンが形成された基板の製造方法の一例について説明する。
まず、所望の微細パターンを形成しようとするシリコンウエハー等の基板の被加工面上に、本発明のレジスト組成物をスピンコート等により塗布する。そして、該レジスト組成物が塗布された基板を、ベーキング処理(プリベーク)等で乾燥することにより、基板上にレジスト膜を形成する。
ついで、レジスト膜に対して、フォトマスクを介して露光を行い潜像を形成する。露光光としては、250nm以下の波長の光が好ましい。例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV光が好ましく、ArFエキシマレーザーが特に好ましい。また、電子線を照射してもよい。
また、該レジスト膜と露光装置の最終レンズとの間に、純水、パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロトリアルキルアミン等の高屈折率液体を介在させた状態で光を照射する液浸露光を行ってもよい。
[現像]
露光後、現像処理を行うことにより、基材上の薄膜の一部を溶解させる。現像後、基板を純水等で適宜洗浄処理(リンス処理)する。このようにして被加工基板上にレジストパターンが形成される。
現像方法は、ポジ型、ネガ型のどちらでもよい。ポジ型の場合は、露光された領域の薄膜が溶解する。ネガ型の場合は、露光された領域以外の薄膜が溶解する。現像後は洗浄液で洗浄処理する。
現像方法は特に限定されないが、例えば、現像液が満たされた槽中に基材を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基材表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基材表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基材上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用できる。
[現像液]
ポジ型現像を行う場合は、アルカリ現像液を使用することが好ましい。アルカリ現像液としてはアルカリ性水溶液が好適に用いられる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類;トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類;ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩;ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類;等の水溶液を使用することができる。
ポジ型現像の後に行う洗浄処理における洗浄液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
ネガ型現像を行う際には、有機溶剤を含有する現像液(以下、有機系現像液ともいう。)を使用することが好ましい。ネガ型現像を行う際に使用する有機系現像液としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等のアルコール系溶剤;トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;等を使用することができる。
レジストパターンが形成された基板は、適宜熱処理(ポストベーク)してレジストを強化し、レジストのない部分を選択的にエッチングする。
エッチング後、レジストを剥離剤によって除去することによって、微細パターンが形成された基板が得られる。
本発明の製造方法により得られるリソグラフィー用共重合体は、溶媒への溶解性に優れ、レジスト組成物に用いたときに、現像液への溶解性が均一で、高い感度のレジスト膜を形成できる。
したがって、レジスト組成物を調製する際のレジスト溶媒への共重合体の溶解を容易にかつ良好に行うことができる。
またポジ型のレジスト組成物の場合は、アルカリ現像液に対する優れた溶解性が得られ、感度の向上に寄与する。またレジスト組成物中の不溶分が少ないため、パターン形成において、該不溶分に起因する欠陥が生じにくい。
ネガ型のレジスト組成物の場合は、ネガ型現像液である有機溶剤に対する優れた溶解性が得られ、感度の向上に寄与する。またレジスト組成物中の不溶分が少ないため、パターン形成において、該不溶分に起因する欠陥が生じにくい。
したがって本発明の基板の製造方法によれば、本発明のレジスト組成物を用いることによって、基板上に欠陥の少ない、高精度の微細なレジストパターンを安定して形成できる。また、高感度および高解像度のレジスト組成物の使用が要求される、波長250nm以下の露光光を用いるフォトリソグラフィーまたは電子線リソグラフィー、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を使用するリソグラフィーによる、パターン形成にも好適に用いることができる。
なお、波長250nm以下の露光光を用いるフォトリソグラフィーに用いられるレジスト組成物を製造する場合には、共重合体が該露光光の波長において透明であるように、単量体を適宜選択して用いることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、各実施例、比較例中「部」とあるのは、特に断りのない限り「質量部」を示す。測定方法および評価方法は以下の方法を用いた。
(重量平均分子量および分子量分布の測定)
共重合体の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)は、下記の条件(GPC条件)でゲル・パーミエーション・クロマトグラフィーにより、ポリスチレン換算で求めた。
[GPC条件]
装置:東ソー社製、東ソー高速GPC装置 HLC−8220GPC(商品名)、
分離カラム:昭和電工社製、Shodex GPC K−805L(商品名)を3本直列に連結したもの、
測定温度:40℃、
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、
試料(共重合体の場合):共重合体の約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
試料(重合反応溶液の場合):サンプリングした重合反応溶液の約30mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液、
流量:1mL/分、
注入量:0.1mL、
検出器:示差屈折計。
検量線I:標準ポリスチレンの約20mgを5mLのTHFに溶解し、0.5μmメンブレンフィルターで濾過した溶液を用いて、上記の条件で分離カラムに注入し、溶出時間と分子量の関係を求めた。標準ポリスチレンは下記の東ソー社製の標準ポリスチレン(いずれも商品名)を用いた。
F−80(Mw=706,000)、
F−20(Mw=190,000)、
F−4(Mw=37,900)、
F−1(Mw=10,200)、
A−2500(Mw=2,630)、
A−500(Mw=682、578、474、370、260の混合物)。
(単量体の定量)
重合反応溶液中に残存する未反応の単量体量は次の方法で求めた。
反応器内の重合反応溶液を0.5g採取し、これをアセトニトリルで希釈し、メスフラスコを用いて全量を50mLとした。この希釈液を0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、東ソー社製、高速液体クロマトグラフHPLC−8020(製品名)を用いて、該希釈液中の未反応単量体量を、単量体ごとに求めた。
この測定において、分離カラムはジーエルサイエンス社製、Inertsil ODS−2(商品名)を1本使用し、移動相は水/アセトニトリルのグラジエント系、流量0.8mL/min、検出器は東ソー社製、紫外・可視吸光光度計UV−8020(商品名)、検出波長220nm、測定温度40℃、注入量4μLで測定した。なお、分離カラムであるInertsil ODS−2(商品名)は、シリカゲル粒径5μm、カラム内径4.6mm×カラム長さ450mmのものを使用した。移動相のグラジエント条件は、A液を水、B液をアセトニトリルとし、下記の通りとした。また、未反応単量体量を定量するために、濃度の異なる3種類の各単量体溶液を標準液として用いた。
測定時間0〜3分:A液/B液=90体積%/10体積%。
測定時間3〜24分:A液/B液=90体積%/10体積%から、50体積%/50体積%まで。
測定時間24〜36.5分:A液/B液=50体積%/50体積%から、0体積%/100体積%まで。
測定時間36.5〜44分:A液/B液=0体積%/100体積%。
(共重合組成の測定)
得られた共重合体の約5質量部を重ジメチルスルホキシドの約95質量部に溶解して試料溶液を調製した。この試料溶液をNMRチューブに入れ、H−NMR(JEOL社製、共鳴周波数:270MHz)を用いて分析した。各単量体単位に由来するシグナルの積分強度比から、共重合体の共重合組成を算出した。
(レジスト組成物の感度の評価)
レジスト組成物を6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、ホットプレート上で120℃、60秒間のプリベーク(PAB)を行い、厚さ300nmのレジスト膜を形成した。ArFエキシマレーザー露光装置(リソテックジャパン社製、製品名:VUVES−4500)を用い、露光量を変えながら10mm×10mmの面積の18ショットを露光した。次いで110℃、60秒間のポストベーク(PEB)を行った後、レジスト現像アナライザー(リソテックジャパン社製、製品名:RDA−806)を用い、23.5℃にて2.38%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で65秒間現像した。各露光量のレジスト膜それぞれについて、現像中のレジスト膜厚の経時変化を測定した。
得られたレジスト膜厚の経時変化のデータを基に、露光量(単位:mJ/cm)の対数と、初期膜厚に対する30秒間現像した時点での残存膜厚の比率率(単位:%、以下残膜率という。)との関係をプロットして、露光量−残膜率曲線作成した。この曲線に基づいて、残膜率0%とするための必要露光量(Eth)の値を求めた。すなわち、露光量−残膜率曲線が、残膜率0%の直線と交わる点における露光量(mJ/cm)をEthとして求めた。このEthの値は感度を表し、この値が小さいほど、感度が高いことを示す。
<参考例1:溶液Saの組成の設計>
本例は、溶液Saの第1の組成の設計方法として上記第2の方法を用いた例である。
本例では、下記式(m−1)、(m−2)、(m−3)で表される単量体m−1、m−2、m−3を重合して、目標組成がm−1:m−2:m−3=40:40:20(モル%)、重量平均分子量の目標値が10,000の共重合体を製造する場合の、Saの組成を求めた。3種の単量体のうち、単量体m−2が酸脱離性基を有する単量体である。
本例で使用した重合開始剤はジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート(前記V601(商品名))である。重合温度は80℃とした。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサー、滴下漏斗、および温度計を備えたフラスコ(反応器)に、窒素雰囲気下で、乳酸エチルを67.8部入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記の単量体混合物、溶媒、および重合開始剤を含む滴下溶液を、滴下漏斗より4時間かけて一定の滴下速度でフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。滴下溶液の滴下開始から7時間後に、室温まで冷却して反応を停止させた。
単量体m−1を28.56部(40モル%)、
単量体m−2を32.93部(40モル%)、
単量体m−3を19.82部(20モル%)、
乳酸エチルを122.0部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを2.415部(単量体の全供給量に対して2.5モル%)。
上記滴下溶液の滴下開始から0.5、1、2、3、4、5、6、7時間後に、それぞれフラスコ内の重合反応溶液を0.5gサンプリングし、単量体m−1〜m−3の定量をそれぞれ行った。これにより各サンプリング時においてフラスコ内に残存している未反応の各単量体の質量がわかる。その結果、例えば滴下開始から2、3、4時間後の結果は表1の通りであった。
次いで、各単量体の分子量を用いて、各サンプリング時においてフラスコ内に残存している未反応の各単量体のモル分率(Mx:My:Mzに該当する。)に換算した。
その結果、例えば滴下開始から2、3、4時間後の結果は表2の通りであった。
一方、4時間一定速度でフラスコに供給された各単量体の質量(全供給量)から、各サンプリング時までに供給された各単量体の合計質量を求め、これから各サンプリング時においてフラスコ内に残存している各単量体の質量を引くことで、各サンプリング時において、それまでに供給された単量体のうち共重合体へ転化したものの質量を、各単量体について計算した。
次いで差分データをとることによって、サンプリング時とサンプリング時の間に共重合体へ転化したもの質量を、各単量体について求め、モル分率に換算した。このモル分率の値は、各サンプリング時とサンプリング時の間に生成した共重合体、すなわち滴下からの経過時間(反応時間)がt1からt2までの間、t2からt3までの間…にそれぞれ生成した共重合体における単量体単位の含有比率(共重合組成ということもある。)Px:Py:Pzに該当する。
その結果、共重合組成(Px:Py:Pz)が、目標組成である40:40:20に最も近いのは、滴下開始から2時間後〜3時間後に生成した共重合体であり、Px:Py:Pz=41.05:38.47:20.48であった。
この値と、滴下開始からの経過時間が2時間後におけるMx:My:Mzの値(表2)を用い、Fx=Px/Mx、Fy=Py/My、Fz=Pz/Mzより、ファクターFx、Fy、Fzを求めると、Fx=1.27、Fy=0.76、Fz=1.22となる。また、Gx=Fx=1.27、Gy=Fy/3=0.25、Gz=Fz=1.22。
該ファクターの値と、目標組成を用いてSaの組成x:y:zを求めた。
=((40/1.27)/(40/1.27+40/0.25+20/1.22))=15.3モル%。
=((40/0.25)/(40/1.27+40/0.25+20/1.22))=76.7モル%。
=((20/1.22)/(40/1.27+40/0.25+20/1.22))=8.0モル%。
<参考例2:溶液Saの組成の設計>
参考例1と同じ条件において、溶液Saの第1の組成の設計方法として上記第1の方法を用いる場合について説明する。
表1、2に示されるように、未反応単量体の組成の時間変化において、滴下開始から3時間後と4時間後との変動幅がもっとも小さかった。
したがって、滴下開始から3時間後の未反応単量体のモル分率(Mx:My:Mz)と、4時間後の未反応単量体のモル分率(Mx:My:Mz)の平均値を、未反応単量体の組成(U)として採用する。
組成(U)のMx’:My’:Mz’は以下の通りとなる。
Mx’=31.3モル%、
My’=52.4モル%、
Mz’=16.3モル%。
本例において、溶液Saの第1の組成は、単量体m−1、m−2、m−3のうち、酸脱離性基を有する単量体m−2の比率を上記My’の1.5倍とする。第1の組成における(m−1の比率)/(m−3の比率)は、Mx’/Mz’と同じとする。
その結果、溶液Saの第1の組成は以下の通りとなる。
単量体m−1:14.1モル%、
単量体m−2:78.6モル%、
単量体m−3:7.3モル%。
<実施例1>
本例では、予めS1を反応器内に供給し、T1および重合開始剤溶液を滴下する工程を設けた。
参考例1で求めたSaの組成をS1の組成として用いた。使用する単量体の種類、重合開始剤の種類、重合温度、共重合体の目標組成、および重量平均分子量の目標値は参考例1と同じである。S1の単量体組成(第1の組成)は上述のファクターを用いた方法で設計したSaの組成とほぼ同じとし、T1の単量体組成(第2の組成)は目標組成と同じとした。
本例におけるS1の単量体組成(第1の組成)と、参考例2における未反応単量体の組成(U)との関係において、該第1の組成における酸脱離性基を含む単量体の含有比率(モル%)は、組成(U)における酸脱離性基を含む単量体の含有比率(モル%)に対して、1.46倍であった(表8に示す。以下同様。以下「組成(U)に対する第1の組成における酸脱離性基の割合」という。)。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサー、滴下漏斗2個、および温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、下記のS1を入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、別個の滴下漏斗より下記のT1と重合開始剤溶液の供給を同時に開始し、T1を4時間かけて、重合開始剤溶液を20分かけてフラスコ内に滴下した。さらにT1の供給終了直後より、80℃の温度を2時間保持した。T1の滴下開始から7時間後に、室温まで冷却して反応を停止させた。
(S1)
単量体m−1を1.69部(15.3モル%)、
単量体m−2を9.42部(76.7モル%)、
単量体m−3を1.21部(8.0モル%)、
乳酸エチルを99.3部。
(T1)
単量体m−1を29.75部(40モル%)、
単量体m−2を34.30部(40モル%)、
単量体m−3を20.65部(20モル%)、
乳酸エチルを118.8部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを2.119部(S1およびT1における単量体の合計量に対して1.84モル%)。
(重合開始剤溶液)
乳酸エチルを8.3部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを0.530部(S1およびT1における単量体の合計量に対して0.48モル%)。
[共重合体の精製]
反応時間7時間が経過した後に、室温まで冷却して反応を停止させ、フラスコ内の重合反応溶液を、約10倍量のメタノールおよび水の混合溶媒(メタノール/水=80/20容量比)に撹拌しながら滴下し、白色の析出物(共重合体P1)の沈殿を得た。沈殿を濾別し、再度、前記と同じ量のメタノールおよび水の混合溶媒(メタノール/水=90/10容量比)へ投入し、撹拌しながら沈殿の洗浄を行った。そして、洗浄後の沈殿を濾別し、共重合体湿粉160部を得た。この共重合体湿粉のうち10部を減圧下40℃で約40時間乾燥した。
得られた白色粉体(共重合体P1)をH−NMRとGPCにて分析しMw、Mw/Mnを求めた。結果を表7に示す(以下、同様)。また共重合体の溶解性(濁度)を評価した。結果を表8に示す(以下、同様)。
[20wt%のPGMEA溶液の濁度Th(80)、Tm(80)の測定]
上記共重合体P1の20部をPGMEAの80部へ完全に溶解させ、表Xに示す量のn−ヘプタン、もしくはメタノールを添加して、4時間撹拌した。4時間撹拌後、濁度計(Orbeco-Hellige製TB200)を用いて、各溶液の濁度を測定した。撹拌、測定は25℃で行った。測定結果を表3に示す。
この結果より、濁度10NTUを挟む2点の濁度の測定結果より、濁度10NTUとなるn−ヘプタン添加量(X)hを計算で求め、さらに、(X)hの80%のn−ヘプタン添加量を求めた。また、濁度5.0NTUを挟む2点の濁度の測定結果より、濁度5.0NTUとなるメタノール添加量(X)mを計算で求め、さらに、(X)mの80%のメタノール添加量を求めた。結果を表4、表5に示す。
次いで、(X)hの80%のn−ヘプタンと、(X)mの80%のメタノールを、20wt%PGMEA溶液にそれぞれ添加し、4時間撹拌後、濁度計を用いて、濁度を測定した。結果を表8に示す。


[レジスト組成物の製造]
上記共重合体湿粉の残りを、PGMEAの880gへ投入し、完全に溶解させて共重合体溶液とした後、孔径0.04μmのナイロン製フィルター(日本ポール社製、P−NYLON N66FILTER0.04M(商品名))へ通液して、共重合体溶液を濾過した。
得られた共重合体溶液を減圧下で加熱してメタノールおよび水を留去し、さらにPGMEAを留去し、共重合体の濃度が25質量%の共重合体P1溶液を得た。この際、最高到達真空度は0.7kPa、最高溶液温度は65℃、留去時間は8時間であった。
得られた共重合体P1溶液の200部と、光酸発生剤であるトリフェニルスルホニウムトリフレートの1部と、溶媒であるPGMEAとを、共重合体濃度が12.5質量%になるように混合して均一溶液とした後、孔径0.1μmのメンブレンフィルターで濾過し、レジスト組成物を得た。得られたレジスト組成物について上記の方法で感度を評価した。結果を表7に示す(以下、同様)。
<比較例1>
実施例1において、S1およびT1、開始剤溶液の組成をそれぞれ以下の通りに変更したほかは、実施例1と同様に行った。
本例では、参考例1で得たファクターの値(Fx=1.27、Fy=0.76、Fz=1.22)と目標組成を用い、下記の計算式によりSaの組成x:y:zを決めた。S1の単量体組成は該Saの組成とほぼ同じとし、T1の単量体組成は目標組成と同じとした。
本例におけるS1の単量体組成(第1の組成)と、参考例2における未反応単量体の組成(U)とを比べると、組成(U)に対する第1の組成における酸脱離性基の割合は1.00倍であった。
=40/1.27=31.45モル
=40/0.76=52.63モル
=20/1.22=16.39モル
(S1)
単量体m−1を3.99部(31.3モル%)、
単量体m−2を7.68部(52.4モル%)、
単量体m−3を2.88部(16.3モル%)、
乳酸エチルを99.3部。
(T1)
単量体m−1を24.03部(40モル%)、
単量体m−2を27.71部(40モル%)、
単量体m−3を16.68部(20モル%)、
乳酸エチルを101.8部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを0.690部(S1およびT1における単量体の合計量に対して0.7モル%)。
(重合開始剤溶液)
乳酸エチルを2.0部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを1.280部(S1およびT1における単量体の合計量に対して1.3モル%)。
実施例1と同様にして、反応時間7時間が経過したフラスコ内の重合反応溶液から、比較共重合体Q1を得た。得られた比較共重合体Q1について、実施例1と同様の測定および評価を行った。
実施例1と同様に、Mw、Mw/Mnを求めた。実施例1と同様に、溶解性(濁度)、感度を評価した。
<比較例2>
実施例1において、S1およびT1、開始剤溶液の組成をそれぞれ以下の通りに変更したほかは、実施例1と同様に行った。
本例では、予め反応器内に供給するS1中の単量体を、酸脱離性基を含有する単量体のみとした。T1の単量体組成は目標組成と同じとした。
本例におけるS1の単量体組成(第1の組成)と、参考例2における未反応単量体の組成(U)とを比べると、組成(U)に対する第1の組成における酸脱離性基の割合は1.91倍であった。
(S1)
単量体m−1を0部(0モル%)、
単量体m−2を12.89部(100モル%)、
単量体m−3を0部(0モル%)、
乳酸エチルを100.7部、
(T1)
単量体m−1を29.75部(40モル%)、
単量体m−2を34.30部(40モル%)、
単量体m−3を20.65部(20モル%)、
乳酸エチルを116.5部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを1.997部(S1およびT1における単量体の合計量に対して1.73モル%)。
(重合開始剤溶液)
乳酸エチルを10.4部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを0.666部(S1およびT1における単量体の合計量に対して0.58モル%)。
実施例1と同様にして、反応時間7時間が経過したフラスコ内の重合反応溶液から、比較共重合体Q2を得た。得られた比較共重合体Q2について、実施例1と同様の測定および評価を行った。
実施例1と同様に、Mw、Mw/Mn、を求めた。実施例1と同様に、溶解性(濁度)、感度を評価した。
<比較例3>
参考例1において、反応時間7時間が経過した後に、室温まで冷却して反応を停止させて得られるフラスコ内の重合反応溶液を用い、実施例1の共重合体の精製工程と同様にして比較共重合体Q3を得た。得られた比較共重合体Q3について、実施例1と同様の測定および評価を行った。
実施例1と同様に、Mw、Mw/Mnを求めた。実施例1と同様に、溶解性(濁度)、感度を評価した。
<比較例4>
本例では、単量体混合物と重合開始剤と溶媒を含有する滴下溶液を、溶媒のみを入れた反応器内に一定の滴下速度で滴下する方法で、酸脱離性基を含む単量体単位の含有比率が異なる2種の共重合体(Q4−1およびQ4−2)をそれぞれ合成し、これらを混合する方法でリソグラフィー用共重合体(Q4)を製造した。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサー、滴下漏斗、および温度計を備えたフラスコ(反応器)に、窒素雰囲気下で、乳酸エチルを81.8部入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記の単量体混合物、溶媒、および重合開始剤を含む滴下溶液を、滴下漏斗より4時間かけて一定の滴下速度でフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。滴下溶液の滴下開始から7時間後に、室温まで冷却して反応を停止させた。
単量体m−1を25.50部(30モル%)、
単量体m−2を49.00部(50モル%)、
単量体m−3を23.60部(20モル%)、
乳酸エチルを147.2部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを2.070部(単量体の全供給量に対して1.8モル%)。
反応時間7時間が経過したフラスコ内の重合反応溶液から、実施例1と同様にして比較共重合体Q4−1を得た。比較共重合体Q4−1のMwは12200、Mw/Mnは1.75であった。
窒素導入口、撹拌機、コンデンサー、滴下漏斗、および温度計を備えたフラスコ(反応器)に、窒素雰囲気下で、乳酸エチルを79.6部入れた。フラスコを湯浴に入れ、フラスコ内を撹拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
その後、下記の単量体混合物、溶媒、および重合開始剤を含む滴下溶液を、滴下漏斗より4時間かけて一定の滴下速度でフラスコ内に滴下し、さらに80℃の温度を3時間保持した。滴下溶液の滴下開始から7時間後に、室温まで冷却して反応を停止させた。
単量体m−1を42.50部(50モル%)、
単量体m−2を29.40部(30モル%)、
単量体m−3を23.60部(20モル%)、
乳酸エチルを143.3部、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレートを4.600部(単量体の全供給量に対して4.0モル%)。
反応時間7時間が経過したフラスコ内の重合反応溶液から、実施例1と同様にして比較共重合体Q4−2を得た。比較共重合体Q4−2のMwは8500、Mw/Mnは1.65であった。
Q4−1の57.5部とQ4−2の42.5部を混合し、比較混合共重合体Q4を得た。
得られた比較混合共重合体Q4について、実施例1と同様にして、表6、7に示す項目についての測定および評価を行った。
<低温溶解性の測定>
上記共重合体P1の20部をPGMEAの80部へ完全に溶解させた試験溶液P1を撹拌しつつ、貧溶媒としてメタノールを徐々に添加し、室温で析出する添加量を調べたところ、試験溶液の110重量部のメタノールを加えたところで、共重合体が析出した。この値を元に、貧溶媒添加量は108.5重量部(110重量部の98.6%)とした。
(試験溶液の調製)
共重合体P1、Q3を、表8に記載の配合を用い、密閉可能なガラスびん中に試験溶液P1、Q3を準備した。良溶媒に共重合体を完全溶解させたあとに、貧溶媒を添加する手順とし、貧溶媒添加後4時間撹拌して、試験溶液とした。溶液調整時・撹拌時の温度は25℃±1℃とした。
(析出温度の測定)
密閉可能なガラスびんに入れた試験溶液P1、Q3を25℃の恒温槽に入れ、恒温槽の温度を0.5℃刻みで下げた。0.5℃下げるたびに、その温度で5分間保持し、共重合体の析出が起こるか否かを目視で確認した。この操作を繰り返し、共重合体の析出温度を測定した。結果を表9に示す。
表7、9の結果に示されるように、本発明の範囲内である実施例1の共重合体P1は、低極性溶剤(ヘプタン)または高極性溶剤(メタノール)のいずれを添加しても濁度は低く、溶解性に優れる。したがって、ポジ現像、ネガ現像の双方における現像液への溶解性において良好な均一性が得られる。
また、実施例1で得た共重合体P1を用いて調製したレジスト組成物は感度に優れる。
これに対して、比較例1及び3の比較共重合体Q1、Q3は、実施例1と比較して感度が劣る。また特に低極性溶剤への溶解性が悪く、低温での溶解安定性が著しく悪い。
また比較例2の比較共重合体Q2は、感度及び低極性溶剤への溶解性は実施例1と同程度であるが、酸脱離性基の高分子量側への偏りが大きすぎるために、高極性溶剤への溶解性が著しく劣る。
2種の共重合体の混合物である比較例4の比較混合共重合体Q4は、低極性溶剤(ヘプタン)への溶解性が低く、高極性溶剤(メタノール)への溶解性も低い。また、該比較混合共重合体Q4を用いて調製したレジスト組成物は感度に劣るものであった。

Claims (3)

  1. 反応器内に重合開始剤および2種以上の単量体を供給し、共重合体(P)を得る重合工
    程を有するリソグラフィー用共重合体の製造方法であって、
    前記単量体は、酸脱離性基を含む少なくとも1種の単量体と、酸脱離性基を含まない少
    なくとも1種の単量体を含み、
    前記重合工程が、単量体を含有する溶液Sa(aは1〜d、dは1以上の整数)、およ
    び単量体を含有する溶液Tb(bは1〜e、eは1以上の整数)をそれぞれ反応器内へ供
    給する工程を有し、
    前記重合工程において、前記反応器内に、前記重合開始剤を滴下する前または該重合開
    始剤の滴下開始と同時に、該反応器内に前記溶液Saを供給開始し、
    該反応器内に前記溶液Saを供給開始した後または該溶液Saの供給開始と同時に、該
    反応器内に前記溶液Tbを滴下開始し、溶液Tbの滴下終了よりも前に、溶液Saの供給
    が終了し、
    前記溶液S1〜Sdの合計における単量体の含有比率である第1の組成は、前記溶液T
    1〜Teそれぞれにおける単量体の含有比率である第2の組成よりも、酸脱離性基を含む
    単量体の比率が高く、酸脱離性基を含まない単量体の比率が低い、共重合体の製造方法で
    あって、
    下記条件で測定した場合のリソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液の
    濁度Th(80)が、4.7NTU以下であり、かつ濁度Tm(80)が3.9NTU
    下である
    リソグラフィー用共重合体の製造方法。
    濁度Th(80)の測定条件
    (1)リソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液を調整する。
    (2)前記PGMEA溶液に、n−ヘプタンを添加した際の濁度が10NTUになる、n
    −ヘプタン添加量(X)hを決定する。
    (3)前記(2)工程で決定したn−ヘプタン添加量の80%の量のn−ヘプタンを、リ
    ソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液に添加し、25℃に調整し4時間
    攪拌する。
    (4)前記(3)工程で得られた溶液の溶液温度を25℃に調整して、濁度計(Orbe
    co-Hellige製TB200)を用いて濁度Th(80)を測定する。
    濁度Tm(80)の測定条件
    (5)リソグラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液を調整する。
    (6)前記PGMEA溶液に、メタノールを添加した際の濁度が5.0NTUになる、メ
    タノール添加量(X)mを決定する。
    (7)前記(6)工程で決定したメタノール添加量の80%の量のメタノールを、リソグ
    ラフィー用共重合体の20wt%のPGMEA溶液に添加し、25℃に調整し4時間攪拌
    する。
    (8)前記(7)工程で得られた溶液の溶液温度を25℃に調整して、濁度計(Orbe
    co-Hellige製TB200)を用いて濁度Tm(80)を測定する。
  2. 請求項1に記載のリソグラフィー用共重合体の製造方法により得られる重合体と、活性
    光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物と溶媒を混合する工程を含むレジスト組
    成物の製造方法。
  3. 請求項2に記載のレジスト組成物の製造方法により得られるレジスト組成物を被加工基
    板上に塗布する工程と、250nm以下の波長の光で露光する工程と、現像液を用いて現
    像する工程とを含む、パターンが形成された基板の製造方法。
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