JP6245779B2 - 誘導体化cnfの製造方法及び高分子化合物樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
誘導体化cnfの製造方法及び高分子化合物樹脂組成物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6245779B2 JP6245779B2 JP2016534435A JP2016534435A JP6245779B2 JP 6245779 B2 JP6245779 B2 JP 6245779B2 JP 2016534435 A JP2016534435 A JP 2016534435A JP 2016534435 A JP2016534435 A JP 2016534435A JP 6245779 B2 JP6245779 B2 JP 6245779B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cnf
- vinyl
- derivatized
- producing
- resin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08B—POLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
- C08B3/00—Preparation of cellulose esters of organic acids
- C08B3/06—Cellulose acetate, e.g. mono-acetate, di-acetate or tri-acetate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08B—POLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
- C08B3/00—Preparation of cellulose esters of organic acids
- C08B3/08—Preparation of cellulose esters of organic acids of monobasic organic acids with three or more carbon atoms, e.g. propionate or butyrate
- C08B3/10—Preparation of cellulose esters of organic acids of monobasic organic acids with three or more carbon atoms, e.g. propionate or butyrate with five or more carbon-atoms, e.g. valerate
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L23/00—Compositions of homopolymers or copolymers of unsaturated aliphatic hydrocarbons having only one carbon-to-carbon double bond; Compositions of derivatives of such polymers
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
Description
しかしながら、CNFは、その分子内に多数の水酸基を有しており、極めて親水性が高いことが知られている。それゆえ、疎水環境中あるいは乾燥状態では自己凝集を起こす。その結果、極めて疎水性が高く、一般的な熱可塑樹脂であるポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、あるいは、ポリスチレン(PS)などとの間で、CNFと樹脂を混練することは容易ではなく、従来、CNFとポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)を混練したコンポジットは、期待される機械強度特性を発揮できていない。そのため、疎水環境中でCNFが十分に分散できる手法が求められていた。
特許文献2、特許文献3は優れた特性を有する繊維複合材料を提供する。カルボキシル基およびアシル基を有する置換基によって修飾されたCNFと、樹脂を含有することを特徴とする繊維複合材料が記載されている。
特許文献4は広範な有機溶剤可溶な高分子材料との複合化にも好適に用いることができるCNF分散液の製造方法を提供する。カルボン酸塩型の基を有するCNFを水系溶媒に分散させてCNF水分散液を調製する工程と、基をカルボン酸塩型から、有機基を有するアミンのカルボン酸アミン塩型に置換する工程と、カルボン酸アミン塩型の基を有するCNFを、有機溶媒に分散させる工程を有することを特徴とするCNF分散液の製造方法が記載されている。
特許文献5は平均重合度が600以上30000以下であり、アスペクト比が20〜10000であり、平均直径が1〜800nmであり、X線回折パターンにおいて、Iβ型の結晶ピークを有し、水酸基が修飾基により化学修飾されていることを特徴とするCNFが記載されている。
樹脂組成物については、以下のごとく先行技術が知られている。
特許文献8には、芳香族ポリカーボネート樹脂に脂肪族ポリエステルと天然由来の有機充填材を配合して機械特性及び難燃性に優れた樹脂組成物とするために、天然由来の有機充填材としてジュート繊維やレーヨン繊維を用いて樹脂組成物と複合化した技術が記載されている。
特許文献9には、(A)ポリカーボネート樹脂99〜60質量%及び(B)平均繊維径が5〜50μmであり、平均繊維長が0.03〜1.5mmであるセルロース繊維1〜40質量%からなる樹脂混合物100質量部に対し、(C)テルペン系化合物を1〜10質量部含むポリカーボネート樹脂組成物であり、バイオマス材料の利用により環境特性に優れ、かつ低比重にして高剛性で成形外観に優れ、さらに熱安定性が良好で、難燃性が付与された樹脂組成物が記載されている。
特許文献10には、セルロースと、分散剤とを含む組成物であって、該分散剤が樹脂親和性セグメントAとセルロース親和性セグメントBとを有し、ブロック共重合体構造又はグラジエント共重合体構造を有するものであることを特徴とする組成物製造技術が記載されている。
特許文献11には、水酸基を有する親水性ナノ繊維の前記水酸基を親水性有機溶媒で溶媒和させ、溶融したプラスチックと混合することを特徴とする親水性ナノ繊維複合材料の製造技術が記載されている。
特許文献12には、分散媒中で、CNFと樹脂との両方が均一に分散している分散液、並びに樹脂中でCNFが均一に含有する樹脂組成物を記載されている。
非特許文献4にみられるように塩化脂肪酸を用いてセルロースを疎水化する手法も公知であるが非水系での反応が必要であり、水を含む反応を行うことはできないという問題がある。
樹脂組成物については、上述のごとくさまざまに試みられているものの、いずれも満足のいく結果が得られていない。特許文献8で得られる樹脂組成物は、衝撃強度の低下が大きく、成形外観が不十分であり、また着色が大きく、成形時の熱安定性も十分ではない。特許文献9に記載の樹脂組成物は低比重であるとはするものの、その比重(g/cm3)は何れの実施例も1.20を超えるものであり、水よりも比重が大きく、構成材料の軽量化という課題に充分に応えるものではない。特許文献10に記載のオレフィン系樹脂との組合せについて、無水マレイン酸変性樹脂を併用しなければCNFを分散できないうえ、併用しても10μm以上の凝集物が多数存在する。また、セルロースは化学修飾を施されており、未修飾のセルロースを用いることができない。さらにテルペン系樹脂は利用されていない。強度レベルにおいても弾性率は向上するものの衝撃強度が著しく低下するものである。特許文献11に記載の技術では、低級脂肪族アルコールで溶媒和し溶媒置換する必要があり含水状態のナノ繊維を直接用いることが出来ない。さらにテルペン系樹脂は利用されていない。特許文献12に記載の技術では、マイクロレベルの凝集物が存在し、且つCNFはビーズミルで調製されており重合度を低下させるものである。また、マレイン酸変性樹脂を併用している。さらにテルペン系樹脂は利用されていない。
一般に、CNFによってポリオレフィン系樹脂を補強しようとした場合、親水性の高いCNFが疎水性の高いポリオレフィン樹脂中で凝集し充分な補強効果は得られなかった。さらに、その生じる凝集物により透明性が大きく低下するという問題が生じていた。
さらに別の観点から、本発明は、以上の従来技術における問題に鑑み、バイオマス材料の利用により環境特性に優れ、かつ衝撃強度の低下が少なく、低比重にして高剛性で成形外観に優れた樹脂組成物を提供する。また前記複合樹脂には、より高い補強効果と透明性が付与される。 ここにおいて、本発明のポリオレフィン‐CNF複合樹脂は、CNFの代わりに表面疎水化CNFを補強材として用い、高速撹拌混合および二軸押出混練によって、ポリオレフィンと複合化して製造する。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下を見出した。すなわち、CNF表面に存在する水酸基による水素結合を阻害すれば、ポリオレフィン樹脂混練時の疎水性環境下での凝集を防ぎ、複合樹脂の機械強度特性を改善できる。あるいは、この水素結合を阻害すると同時に疎水性を付与すれば、ポリオレフィン等の疎水性樹脂への相溶性を増加させ、複合樹脂の機械特性をさらに改善できる。その結果、バイオマス材料として特定の平均繊維径及び平均繊維長を有し、疎水性が付与された誘導体化CNFをポリオレフィン樹脂へ特定量配合することにより、上記課題を解決できる。
すなわち本発明の誘導体化CNFの製造方法は、含水CNFを親水性有機溶媒に分散した溶液に有機酸ビニルを加え、反応終了後の反応液に沈殿を生じさせ、その沈殿を回収し、乾燥することを特徴とする。あるいは、トルエンなどの疎水性有機溶媒により抽出、回収してもよい。CNFのナノ構造を維持したまま脱水する場合、煩雑な操作を伴うが、含水CNFと有機溶媒を混合することにより、容易に、反応液中にCNFのナノ構造を維持したまま、疎水性の誘導体化CNFを均一に溶解することが可能となる。
また本発明の誘導体化CNFの製造方法は、含水CNFを、炭酸カリウムと共にCNFに対し十分な分散性を有する有機溶媒中に添加し、有機酸ビニルを加え、反応終了後の反応生成物を回収し、乾燥することを特徴とする。
本発明の複合化樹脂の製造方法は有機溶媒で膨潤状態とした疎水誘導体化CNFを、ポリオレフィンと高速撹拌する前処理工程の後、溶融混練することを特徴とする。
多糖スラリ供給経路3は多糖スラリ供給部であり多糖スラリを貯留するタンク7、ポンプ8を循環路9に配置してなり、一方、第2の液状媒体供給経路4はタンク10、ポンプ11、熱交換器12、プランジャ13を循環路である液状媒体供給経路4に配置してなる。
非多糖スラリーをチャンバー2を介して第2の液状媒体供給経路4を循環させる。具体的にはポンプ11を用いてタンク10内の非多糖スラリを熱交換器12、プランジャ13を通過させて液状媒体供給経路4内を循環させる。一方、多糖スラリーをチャンバー2を介して多糖スラリ供給経路3内を循環させる。具体的にはポンプ8を用いてタンク7内の多糖スラリをビニルホース、ゴムホース等を用いて形成された循環路9内を循環させる。
以上のプロセスを反復する過程で多糖スラリ供給経路3内を循環してチャンバー2内を流通する多糖スラリ及び第2の液状媒体供給経路4を循環する非多糖スラリ中の多糖が徐々に解繊されて、用途に応じた解繊度合いの均一性の高いCNFが得られる。
この様にCNFを疎水化するために、ビニルエステルを使用すると水を含んでいてもCNFをエステル化できる。
このACC法によって得られるCNFは、繊維間の相互作用のみを解裂させてナノ微細化を行うことによって得られる結果、化学修飾が施されておらず、セルロース分子構造の損傷や重合度の低下が抑制されている一方、水に懸濁した状態でしか得られず、そのことが利用性を妨げる要因となっていた。しかし、本発明の誘導体化CNFの製造方法によれば、水に懸濁した状態で得られるCNFをそのまま疎水化することができるため、ACC法等によって得られるCNFの工業的利用性を飛躍的に向上させることができる。
また繊維状多糖としてパルプを用いることができ、パルプとしては、広葉樹や針葉樹といった木本植物、竹や葦といった草本植物を原料とした化学パルプ、機械パルプ及び古紙を用いることができる。
炭酸カリウムは反応触媒として働くが、反応系内をアルカリ性に保つ緩衝効果が重要であり、一定以上の濃度があればその効果は十分に維持できる。しかし、誘導体化による置換率を向上させるという観点からは、炭酸カリウム添加量を、対CNF比で5〜30%程度とするのがよい。対CNF比20%程度で行うと反応効率がよい。
ラウリン酸ビニルによるエステル化の結果、トルエンやデカリンなどの疎水性溶媒に分散可能な疎水CNFを合成できる。また広葉樹、針葉樹、竹由来の漂白クラフトパルプから同条件で作成したCNFをラウリル化する場合、反応効率は竹が最も高い。
CNFエステル化は、含水率10%程度でも十分に疎水性を付与できるが、反応系内の水分量が少ないほど反応効率が高い。
また非特許文献4における非結晶度の解析結果から、充分な結晶度と疎水性を両立するには、置換度0.4〜0.55となるような反応条件が好ましい。
また、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等の種々のポリオレフィン系樹脂の混合物を用いることもできる。
ポリオレフィン系樹脂のうち、プロピレンを主原料とするポリプロピレン系樹脂は、剛性や耐衝撃性、耐溶剤性、耐熱性に優れるため、本発明の複合樹脂組成物に特に好適に使用することができる。
このようなゴムとしては、具体例として、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、エチレン−ブテン−1共重合ゴム、エチレン−ヘキセン共重合ゴム、エチレン−オクテン共重合ゴム、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン共重合ゴム、部分水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム、部分水添スチレン−イソプレンブロック共重合ゴム、ポリウレタンゴム、スチレングラフト−エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、スチレン−グラフト−エチレン−プロピレン共重合ゴム、スチレン/アクリロニトリル−グラフト−エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、スチレン/アクリロニトリル−グラフト−エチレン−プロピレン共重合ゴムがなど挙げられる。
ポリマーアロイ中のゴムの含量は、ポリオレフィン系樹脂の特性に新たな特性を付加するという観点から、50質量%以下であることが好ましい。
例えば、各成分をタンブルミキサーやヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、スーパーミキサーで代表される高速ミキサーで分散混合した後、押出機、バンバリーミキサー、ロール等で溶融混練する方法が適宜選択される。
平均太さは日本電子株式会社の電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7001FTTLSによって測定した。
平均太さ10〜200nmのレベルまで解繊することで流動性があり衝撃強度の低下が少なく、低比重にして高剛性で成形外観に優れた樹脂組成物を得ることができる。
平均太さ10nm未満では脱水性が悪化するため固形分濃度を上げることが難しくなり好ましくない。
平均太さ200nmを超える場合には、解繊が進んでいない数10μmの繊維幅のものが含まれることになり流動性が著しく低下し、且つ分散性が悪化することとなり好ましくない。
本発明のポリオレフィン樹脂組成物を用いた成形品は、前記の性状を有することから、例えば、OA機器、情報・通信機器、繊維材料、フィルム材料、被覆膜、塗料成分、自動車部品又は建材分野等で好適に用いることができる。
rCNF1.5%(w/v)および炭酸カリウム(対パルプ重量20%)を含む、94%DMSO/6%水(v/v)の混合溶液5mLを、良分散液になるまで室温で撹拌した。分散後70℃に加熱し、酢酸ビニル、ラウリン酸ビニル、安息香酸ビニル、2‐エチルヘキサン酸ビニルを無水グルコース単位(AGU)当たり1.2モル相当となるように添加・密栓し、2時間・70℃で反応した。
反応終了後、反応液を一部取り、倍量のトルエンと混合し反応産物の疎水性を簡便に評価した。また、残りの反応液に水を添加し反応を停止した後に、濾過、水洗浄を2回およびアセトンによる洗浄を3回行い、熱風乾燥器で水を除去した。得られた乾燥シートは水の撥水性を観察した。
実施例4と同様にしてラウリル化CNFを製造した。ただし、炭酸カリウム量は対CNF20%とし、反応系内の水分量あるいは反応温度を変化させた。また、実施例4と同様のCNF(rCNF)に加え、より繊維径の小さいCNF(fCNF)も用いた。反応時間は2時間とした。
実施例4と同様にしてラウリル化CNFを合成した。ただし、fCNFを用い、系内の水分量を6%あるいは10%とし、反応温度を80℃とした。また、炭酸カリウム量を変化させ反応を行った。反応時間は2時間とした。
実施例4と同様にし、溶媒をDMSO、DMF、DMAc、NMPにしてラウリル化CNFを合成した。また、広葉樹(LB)、針葉樹(NB)、竹(BB)由来のクラフトパルプから製造したfCNFを用いてラウリル化CNFの合成も行った。炭酸カリウムは対CNF20%、反応温度80℃、水分量6%、反応時間2時間とした。
実施例1同様にして、アセチル化CNFを合成した。ただし反応系内の水分量は5%とした。
実施例4同様にして、ラウリル化CNFを合成した。ただし反応系内の水分量は5%とした。
実施例9と同様にして、ラウリン酸ビニルによるCNFの誘導体化を1.5時間行った後に、連続して酢酸ビニルを加え、さらに1.5時間反応させて、ラウリル−アセチル化CNFを得た。
実施例8〜10で製造した各種誘導体化CNF(アセチル化CNF、ラウリル化CNF、ラウリル−アセチル化CNF)および誘導体化していないCNFを、ソックスレー抽出による洗浄の後に乾燥粉末とし、赤外吸収スペクトルを測定した。
各種誘導体化CNFあるいはCNFは、メタノールで数回洗浄して予め溶媒置換した。次いで、これを0.5%NaOHを含むメタノール中で50℃、2時間加水分解した。誘導体化CNF、CNFおよび加水分解後各種CNFは、乾燥・粉末とし粉末X線回折装置を用いて、X線回折試験を行った。X線回折図からSegal法より2θ=18.5°および22.5°の回折強度から比結晶化度(CrI)を算出した。
75mgのCNFに、AGUで1.2倍モルのラウリン酸ビニルを添加して、70℃で1.5時間から6時間反応を行った。その際の重量変化から推測した置換度の継時変化を図15に示す。反応開始後1時間から1.5時間までに置換反応は殆ど完了し、その後緩やかに置換度が向上した。
微細化されたナノセルロースは、高い比表面積を保持しており、同時に表面に露出した水酸基の影響で極めて高い親水性を有するので、水素結合により凝集しやすい。
従って、その高い親水性によってポリオレフィンなどの疎水性の高い樹脂中では凝集を生じてしまい、十分にその強度特性が発揮できていないという現状がある。よって、その問題点を解決するためにナノセルロース繊維の表面をエステル化して疎水性を付与し、ポリオレフィン中での分散性を向上させることで、ポリオレフィンに対する補強機能を向上させた。
スクリュー系はΦ25mm、有効長(スクリュー長さLと直径D比)を30とした。得られた複合樹脂ペレットは、小型射出成型機(日精樹脂工業、NPX7−1F)を用いて、ダンベル試験片1BAおよび短冊形試験片を作成した。試験片は、温度23度、湿度50%で4日間以上放置した後、機械特性の分析に供した。島津製作所製Ez−LXを用いて引張強度試験(10mm/min)はダンベル試験片1BAを用い、曲げ強度試験(2mm/min)は短冊形試験片を用いて測定した。
ポリオレフィン系樹脂との混練
○ポリオレフィン樹脂との混練前混合
アセトンで膨潤したラウリル化CNFを、FMミキサ(FM10C/I、日本コークス工業株式会社)を用いてポリオレフィンと混合した。ポリプロピレン(PP)の場合、マレイン酸変性PP(TOYOBO Co.,LTD.)を5wt%混合したが、ポリエチレン(PE)の場合は混合しなかった。
前混合したPEないしPPとの混合物は、二軸押出機(東洋精機、ラボプラストミル)に供した。スクリュー系はΦ25mm、有効長(スクリュー長さLと直径D比)を30とした。得られた複合樹脂ペレットは、小型射出成型機(日精樹脂工業、NPX7−1F)を用いて、ダンベル試験片1BAおよび短冊形試験片を作成した。試験片は、温度23度、湿度50%で4日間以上放置した後、機械特性の分析に供した。
島津製作所製Ex−LXを用いて強度試験を行った。引張強度試験(10mm/min)はダンベル試験片1BAを用い、3点曲げ強度試験(2mm/min)は短冊形試験片を用いて測定した。
CNFおよびラウリル化CNFを用いて調製した複合樹脂(PP)シートの顕微鏡観察写真を図17に示した。CNF配合PP複合樹脂シートは、CNFが充分に分散しておらず500μm程度の凝集物が多数確認された。一方、ラウリル化CNF配合PP複合樹脂シートでは凝集物はほとんど観察されなかった。
ラウリル化CNF配合PP複合樹脂シートの光透過性を観察したところ、可視領域ではラウリル化CNF5%配合時ではポリプロピレンと同等の光透過性が得られ、10%配合であっても若干の光透過性の低下はあるものの、90%程度の光透過性を保持していた。なお、紫外領域では、ラウリル化CNFの配合率によって、光透過性が大きく低下していく傾向が観察された(図18)。
ポリプロピレン複合樹脂の引張特性を行った結果を図19に示した。
まず、最大応力(◆と◇の比較)では、すべての配合率で、ラウリル化CNFは高い最大引張応力を示した。次に、弾性率(●と○の比較)では、ラウリル化品1.5%配合時にCNF品5%配合以上の弾性率を示した。また、ひずみ(▲と△の比較)では、配合により低下する傾向にあるものの、未修飾のCNFと比べるとひずみの低下率が小さかった。
○ポリエチレン(PE)に対する補強効果
ラウリル化CNFのPEに対する補強効果をCNFと比較すると、引張、曲げ弾性率共により低濃度で同等以上の補強効果を得ることが出来た(図20)。
Claims (6)
- α―セルロースの含有率60〜99質量%のパルプである多糖の0.5〜10質量%水混合液を50〜400MPaの高圧水にして、複数箇所から噴射し衝突させて解繊処理して得られる平均太さ10〜200nmである含水状態のセルロースナノファイバー(CNF)に、6〜10%の反応容器内の水分量、70℃以上の反応系温度にて、置換度0.25〜0.55となるように、炭酸カリウムを添加した系で有機酸ビニルを非プロトン性極性溶媒中で反応させ、終了後に生成物を回収する工程を含むことを特徴とする誘導体化CNFの製造方法
- 前記有機酸ビニルが酢酸ビニル、安息香酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル及びラウリン酸ビニルからなる群より選ばれることを特徴とする請求項1に記載の誘導体化CNFの製造方法。
- 前記非プロトン性極性溶媒がジメチルスルホキシド(以下DMSOと記す)、ジメチルホルムアミド(以下DMFと記す)、N,N‐ジメチルアセトアミド(以下DMAと記す)及びN‐メチルピロリドン(以下NMPと記す)からなる群より選ばれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘導体化CNFの製造方法。
- 前記有機酸ビニルがラウリル酸ビニルであり、前記ラウリル化CNFの接触角が90°以上であって、X線回折において2θ=18.5°及び22.5°の回折強度から算出した比結晶化度が63〜66%であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一に記載の誘導体化CNFの製造方法。
- 有機溶媒で膨潤した請求項1〜請求項4のいずれか一に記載の製造方法で得られる前記誘導体化CNF0.5〜10質量%及び熱可塑性樹脂99.5〜90質量%とを高速撹拌し、その後溶融混練する工程を含むことを特徴とする高分子化合物樹脂組成物の製造方法。
- 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の高分子化合物合成樹脂組成物の製造方法。
Applications Claiming Priority (7)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014143851 | 2014-07-14 | ||
| JP2014143851 | 2014-07-14 | ||
| JP2015065805 | 2015-03-27 | ||
| JP2015065805 | 2015-03-27 | ||
| JP2015071418 | 2015-03-31 | ||
| JP2015071418 | 2015-03-31 | ||
| PCT/JP2015/070099 WO2016010016A1 (ja) | 2014-07-14 | 2015-07-14 | 誘導体化cnf、その製造方法、及びポリオレフィン樹脂組成物 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPWO2016010016A1 JPWO2016010016A1 (ja) | 2017-06-15 |
| JP6245779B2 true JP6245779B2 (ja) | 2017-12-13 |
Family
ID=55078506
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2016534435A Active JP6245779B2 (ja) | 2014-07-14 | 2015-07-14 | 誘導体化cnfの製造方法及び高分子化合物樹脂組成物の製造方法 |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP6245779B2 (ja) |
| WO (1) | WO2016010016A1 (ja) |
Families Citing this family (17)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP3184549A1 (en) * | 2015-12-22 | 2017-06-28 | SAPPI Netherlands Services B.V. | Acylation of biopolymer comprising anhydroglucose units |
| CA3017112C (en) * | 2016-03-16 | 2021-07-20 | Kri, Inc. | Fine cellulose fiber and production method for same |
| US10030093B2 (en) * | 2016-03-29 | 2018-07-24 | Toyota Shatai Kabushiki Kaisha | Cellulose nanofiber powder and method for producing the same |
| JP2018065920A (ja) * | 2016-10-19 | 2018-04-26 | 中越パルプ工業株式会社 | セルロースナノファイバー及びセルロースナノファイバーの製造方法 |
| JP6911350B2 (ja) * | 2016-12-27 | 2021-07-28 | 王子ホールディングス株式会社 | シート |
| JP6537750B2 (ja) * | 2017-04-19 | 2019-07-03 | 中越パルプ工業株式会社 | 油性増粘剤、それを配合した油性増粘剤組成物、およびそれを配合した化粧品 |
| US20210222006A1 (en) | 2018-06-01 | 2021-07-22 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Highly Heat-Resistant Resin Composite Including Chemically Modified, Fine Cellulose Fibers |
| JP7240663B2 (ja) * | 2018-09-06 | 2023-03-16 | 国立大学法人東京工業大学 | 防水フィルム、使い捨ておむつ用バックシート、汚物処理袋、及び防水フィルムの製造方法 |
| JP7372087B2 (ja) * | 2018-09-06 | 2023-10-31 | 花王株式会社 | 流動抵抗低減剤 |
| JP6704551B1 (ja) * | 2019-05-27 | 2020-06-03 | 中越パルプ工業株式会社 | 溶融混合物、溶融混合物の製造方法、組成物、組成物の製造方法並びに成形品 |
| WO2020240935A1 (ja) * | 2019-05-27 | 2020-12-03 | 中越パルプ工業株式会社 | 溶融混合物、溶融混合物の製造方法、組成物、組成物の製造方法並びに成形品 |
| JP7417391B2 (ja) * | 2019-09-19 | 2024-01-18 | 旭化成株式会社 | エステル化セルロース繊維の製造方法 |
| JP7389660B2 (ja) * | 2020-01-24 | 2023-11-30 | 株式会社Kri | セルロース微細繊維及びその製造方法 |
| JP7566472B2 (ja) * | 2020-02-13 | 2024-10-15 | 旭化成株式会社 | セルロースナノファイバー乾固体、及びセルロースナノファイバーの再分散液の製造方法 |
| WO2022244816A1 (ja) * | 2021-05-18 | 2022-11-24 | 中越パルプ工業株式会社 | 組成物及び日焼け止め化粧料 |
| KR102952481B1 (ko) * | 2022-12-21 | 2026-04-14 | 한솔제지 주식회사 | 재분산성이 향상된 셀룰로오스 복합재 및 이의 제조 방법 |
| CN116515002B (zh) * | 2023-05-18 | 2025-02-18 | 珠海瑞杰包装制品有限公司 | 阻燃高强韧改性纳米纤维素及其制备方法、阻燃强韧平衡聚烯烃 |
Family Cites Families (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005270891A (ja) * | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Tetsuo Kondo | 多糖類の湿式粉砕方法 |
| WO2008053820A1 (en) * | 2006-10-30 | 2008-05-08 | Japan Vam & Poval Co., Ltd. | Method for esterifying cellulose resin, modified cellulose resin obtained by the esterification method, and method for producing the modified cellulose resin |
| JP2010221622A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Konica Minolta Holdings Inc | 繊維複合材料の製造方法 |
| JP2013043984A (ja) * | 2011-08-26 | 2013-03-04 | Olympus Corp | セルロースナノファイバーとその製造方法、複合樹脂組成物、成形体 |
| JP5838868B2 (ja) * | 2012-03-08 | 2016-01-06 | コニカミノルタ株式会社 | セルロースナノファイバーフィルム |
| JP6150569B2 (ja) * | 2012-05-25 | 2017-06-21 | オリンパス株式会社 | 修飾セルロースナノファイバーとその製造方法、樹脂組成物、成形体 |
| JP2014015512A (ja) * | 2012-07-06 | 2014-01-30 | Japan Polyethylene Corp | セルロース繊維含有樹脂組成物 |
| CN102898529B (zh) * | 2012-10-11 | 2014-09-10 | 华南理工大学 | 一种酯交换反应快速制备纤维素酯类衍生物的方法 |
| JP6120590B2 (ja) * | 2013-02-01 | 2017-04-26 | 国立大学法人京都大学 | 変性ナノセルロース及び変性ナノセルロースを含む樹脂組成物 |
-
2015
- 2015-07-14 JP JP2016534435A patent/JP6245779B2/ja active Active
- 2015-07-14 WO PCT/JP2015/070099 patent/WO2016010016A1/ja not_active Ceased
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| WO2016010016A1 (ja) | 2016-01-21 |
| JPWO2016010016A1 (ja) | 2017-06-15 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP6245779B2 (ja) | 誘導体化cnfの製造方法及び高分子化合物樹脂組成物の製造方法 | |
| JP7385625B2 (ja) | 複合粒子及び樹脂組成物 | |
| Igarashi et al. | Manufacturing process centered on dry-pulp direct kneading method opens a door for commercialization of cellulose nanofiber reinforced composites | |
| JP6570103B2 (ja) | 複合樹脂組成物及び複合樹脂組成物の製造方法。 | |
| JP5540176B2 (ja) | ミクロフィブリル化植物繊維及びその製造方法、並びにそれを用いた成形材料、及び樹脂成形材料の製造方法 | |
| JP5496435B2 (ja) | 変性ミクロフィブリル化植物繊維を含む樹脂組成物の製造方法、及びその樹脂組成物 | |
| Geng et al. | High-strength, high-toughness aligned polymer-based nanocomposite reinforced with ultralow weight fraction of functionalized nanocellulose | |
| JP2009293167A (ja) | ナノ繊維の製造方法、ナノ繊維、混合ナノ繊維、複合化方法、複合材料および成形品 | |
| Cobut et al. | Cellulose nanocomposites by melt compounding of TEMPO-treated wood fibers in thermoplastic starch matrix | |
| Duan et al. | A simultaneous strategy for the preparation of acetylation modified cellulose nanofiber/polypropylene composites | |
| CN104245740A (zh) | 纤维素纳米纤维及其制造方法、复合树脂组合物、成型体 | |
| JP2014015512A (ja) | セルロース繊維含有樹脂組成物 | |
| Shih et al. | Highly transparent and impact-resistant PMMA nanocomposites reinforced by cellulose nanofibers of pineapple leaves modified by eco-friendly methods | |
| KR20150110549A (ko) | 카본 나노튜브 분산액 및 그의 제조 방법, 및 카본 나노튜브 조성물 및 그의 제조 방법 | |
| WO2015152189A1 (ja) | 易分散性セルロース組成物の製造方法、易分散性セルロース組成物、セルロース分散樹脂組成物及びセルロース用の水系の分散処理剤の製造方法 | |
| WO2010131602A1 (ja) | セルロース繊維含有樹脂材料の製造方法 | |
| JP7566472B2 (ja) | セルロースナノファイバー乾固体、及びセルロースナノファイバーの再分散液の製造方法 | |
| WO2019163873A1 (ja) | 疎水化セルロース系繊維用の解繊助剤、それを使用する樹脂組成物の製造方法並びに成形体 | |
| Sakakibara et al. | Preparation of high-performance polyethylene composite materials reinforced with cellulose nanofiber: simultaneous nanofibrillation of wood pulp fibers during melt-compounding using urea and diblock copolymer dispersant | |
| JP7153152B1 (ja) | 樹脂組成物及び樹脂組成物の製造方法 | |
| JP6871079B2 (ja) | 解繊セルロース繊維の製造方法、及び樹脂組成物の製造方法 | |
| WO2022168928A1 (ja) | 樹脂組成物の製造方法 | |
| WO2023136130A1 (ja) | ゴム組成物及びその製造方法 | |
| JP7175429B1 (ja) | 溶融混合物、組成物、並びに成形品 | |
| JP2021187885A (ja) | セルロース樹脂組成物及びその製造方法 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170113 |
|
| A529 | Written submission of copy of amendment under article 34 pct |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211 Effective date: 20170113 |
|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170113 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20170810 |
|
| A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20171006 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20171110 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20171113 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6245779 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |