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JP6252929B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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JP6252929B2 - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント配線板の材料として用いられる樹脂組成物の製造方法に関する。
従来から電子機器に用いるプリント配線板では、ガラス転移温度(Tg)等を向上させて耐熱性を改善し、また難燃化が図られてきた。近年では、特にモバイル機器等の小型電子機器分野においては、機器の小型化、薄型化、多機能化に伴って、プリント配線板の更なる低誘電率化及び低CTE(coefficient of thermal expansion:熱膨張係数)化に対する市場の要求が高まっている。一般的にプリント配線板の絶縁材料としてエポキシ樹脂組成物が使用されており、このエポキシ樹脂組成物では、エポキシ樹脂の硬化剤としてフェノール系硬化剤やジアミン系硬化剤、シアネート系硬化剤、酸無水物系硬化剤等が用いられている。そして、これら種々の硬化剤の中でも酸無水物系硬化剤が低誘電率化を図る上で有効であることが知られている。従来から用いられている酸無水物系硬化剤としては、1分子中に酸無水物環を複数有する多官能酸無水物系化合物やスチレン・マレイン酸共重合体(SMA)等が用いられている。例えば、特許文献1においては、酸無水物系硬化剤として、スチレン及び無水マレイン酸を必須成分としてなる共重合体(SMA)を用いることが記載されている。
しかし、エポキシ樹脂の硬化剤として上記の多官能酸無水物系化合物を用いた場合、低誘電率化を図る上では市場の要求レベルに十分応えられるものではなく、またピール強度等の密着力がやや劣るものであった。またSMAは、多官能酸無水物系化合物よりも低誘電率化を図る上で有効である一方、ピール強度が低いという問題があった。
特開平9−194610号公報
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、高いガラス転移温度を実現すると共に、誘電率を低下させ、ピール強度を高めることができる樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本願の発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討を重ねた結果、まず、低誘電率化を図りうる硬化剤として単官能の酸無水物に着目した。その結果、エポキシ樹脂の硬化剤として単官能酸無水物を用いた場合、高いガラス転移温度を実現することができると共に、低誘電率化を図り、かつピール強度も向上させることが可能なことが分かった。その一方で、単官能酸無水物は分子量が比較的小さいために揮発性を有しており、それゆえ、樹脂組成物を基材に含浸し乾燥させてプリプレグを製造する過程で、単官能酸無水物の一部が揮発して消失してしまうことも分かった。このように単官能酸無水物の一部が揮発してしまうと、プリプレグを製造する前と製造した後とで樹脂組成物の成分比率が大きく変化してしまう可能性があり、プリント配線板の特性に悪影響が及ぶことが懸念された。そこで、本願発明者らは更に検討を行い、その結果、下記の通り本発明を完成するに至った。
発明に係る樹脂組成物の製造方法は、エポキシ樹脂と単官能酸無水物とを1:0.5〜1.5の当量比で配合し、予備反応を進行させることで予備反応生成物を生成する工程と、前記予備反応生成物に無機充填剤を配合する工程と、を含み、前記予備反応生成物中の前記単官能酸無水物の開環率が10%以上65%未満であることを特徴とする。
前記樹脂組成物の製造方法において、前記予備反応は、60〜80℃の温度で行われることが好ましい。
本発明によれば、エポキシ樹脂と単官能酸無水物とが予備反応していることによって、単官能酸無水物の揮発を抑制することができると共に、高いガラス転移温度を実現し、かつ低誘電率化とピール強度の向上とを図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明の実施形態に係る樹脂組成物は、エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する。
エポキシ樹脂としては、例えば、ナフタレン型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、多官能フェノールのジグリシジルエーテル化合物、多官能アルコールのジグリシジルエーテル化合物等を用いることができる。エポキシ樹脂は1種のみを用いたり、2種以上を併用したりすることができる。特にリン含有エポキシ樹脂を用いると、樹脂組成物におけるリン含有量を増加させることができ、これにより難燃性を向上させることができる。
本実施形態に係る樹脂組成物は、硬化剤として単官能酸無水物を含む。単官能酸無水物は、官能基として環状の酸無水物基(−COOCO−)を1つのみ有する酸無水物である。単官能酸無水物としては、ジカルボン酸化合物等の酸無水物を挙げることができ、より具体的には、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸等を挙げることができる。さらに単官能酸無水物としては、トリカルボン酸化合物等の酸無水物を挙げることができ、より具体的には、例えば、トリメリット酸無水物等を挙げることができる。これらの中でも、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸等の脂環式酸無水物が低誘電率化を図る上で好適である。また本実施形態では、後述するように上記単官能酸無水物を予備反応させて用いることから、沸点が150℃以下、好ましくは130℃以下の単官能酸無水物を用いる場合には、その揮発性を効果的に抑制する上で特に有効である。また、硬化剤としての単官能酸無水物はSMA等に比べて分子量が比較的小さいことから、ワニス粘度の上昇を抑制する上で有効であり、例えば重量平均分子量が400以下の単官能酸無水物を用いることが好適である。このような単官能酸無水物を用いると、多官能酸無水物を用いる場合に比べて、硬化物の誘電率(比誘電率(Dk))を低下させることができると共に、ピール強度を高めることができる。単官能酸無水物は1種のみを用いたり、2種以上を併用したりすることができる。本発明の効果を損なわなければ、単官能酸無水物以外の硬化剤が有機成分に含有されていてもよい。
本実施形態に係る樹脂組成物において、上記エポキシ樹脂と上記単官能酸無水物とは、これらを予め反応させた予備反応生成物として用いられる。
上記の予備反応生成物において、上記エポキシ樹脂と上記単官能酸無水物の当量比が1:0.5〜1.5となるように、エポキシ樹脂及び単官能酸無水物が配合されている。上記エポキシ樹脂に対する上記単官能酸無水物の当量比が0.5未満であると、硬化剤としての単官能酸無水物が不足し、硬化物のガラス転移温度が低下して耐熱性が悪化したり、また十分な低誘電率化を図れなくなったりするおそれがある。また、上記エポキシ樹脂に対する上記単官能酸無水物の当量比が1.5を超えると、単官能酸無水物の未反応物が過剰に残りやすくなり、そのため、硬化物のガラス転移温度が低下して耐熱性が悪化したり、難燃性が低下したりするおそれがある。エポキシ樹脂と単官能酸無水物の当量比は1:0.7〜1.3であることが好ましい。
さらに上記の予備反応生成物において、単官能酸無水物の開環率が10%以上65%未満となるように、エポキシ樹脂と単官能酸無水物とが反応している。好ましくは、予備反応生成物において、単官能酸無水物の開環率が25%以上35%以下である。
単官能酸無水物の開環率は、例えば、次のようにして算出することができる。まず予備反応させるエポキシ樹脂と単官能酸無水物とを少なくとも配合して溶媒に溶解させたワニス(後述の1次ワニス)を調製する。このとき、硬化促進剤を上記ワニスに配合しても構わないが、エポキシ樹脂と反応性を有する他の有機成分は配合しないようにする。次にこのワニスの加熱前後の赤外線吸収スペクトルを測定する。そして、1800〜1900cm−1付近の環状の酸無水物基に起因するピークの加熱前の面積(A)及び加熱後の面積(A)を求めると共に、内部標準のピークである1500〜1530cm−1付近のベンゼン環に起因するピークの加熱前の面積(B)及び加熱後の面積(B)を求める。このようにして求められた各ピークの面積を次式に代入することによって、単官能酸無水物の開環率を算出することができる。
単官能酸無水物の開環率(%)={1−(A/B)/(A/B)}×100
単官能酸無水物の開環率が10%未満であると、未反応の単官能酸無水物が過剰に残存するため、プリプレグの製造中に単官能酸無水物が揮発して消失しやすい。その結果、硬化剤が不足して樹脂組成物の硬化物の架橋密度が低下することが考えられ、硬化物のガラス転移温度(Tg)等が低下するなど耐熱性が悪くなるおそれがある。また、単官能酸無水物の開環率が65%以上であると、予備反応時点での反応が進行しすぎて予備反応生成物が高分子化し、樹脂組成物がゲル化して、プリプレグの製造が困難となるおそれがある。単官能酸無水物の開環率は、ベースワニスの調製時の加熱温度及び加熱時間により変化するので、10%以上65%未満となるように適宜に加熱条件を調整する。この予備反応の条件は、予備反応を行いながら反応物を経時的にサンプリングし、開環率を確認することで適切に設定することができる。
上記のように樹脂組成物には、エポキシ樹脂と単官能酸無水物とを予め反応させて得られた予備反応生成物が含有されている。
さらに樹脂組成物には、難燃剤、硬化促進剤等が含有されていてもよい。
難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系難燃剤を用いることができる。非ハロゲン系難燃剤としては、例えば、リン含有難燃剤を用いることができる。このリン含有難燃剤を用いる場合、良好な難燃性を得るために樹脂組成物の有機成分全量に対してリン含有量が1.0質量%以上であることが好ましい。このリン含有量の上限は特に限定されないが、難燃性を付与する上で必要十分な含有量を超えるリン含有難燃剤を用いると、電気特性や耐熱性等を低下させるおそれがあるため、例えば有機成分全量に対してリン含有量が5.0質量%以下とすることが好ましい。さらにリン含有難燃剤は、酸無水物基又はカルボキシ基(−COOH)と反応する官能基を有する反応型リン含有難燃剤であることが好ましい。この場合の酸無水物基は、例えば未反応の単官能酸無水物が有する酸無水物基であり、またカルボキシ基は、例えばエポキシ樹脂と単官能酸無水物とが反応する際に単官能酸無水物の酸無水物基が開環して形成されたカルボキシ基である。そのため、反応型リン含有難燃剤が有する官能基の具体例としては、ヒドロキシ基及びアミノ基等を挙げることができる。単官能酸無水物は、酸素原子を多く含むため、硬化物の難燃性を低下させる傾向にあるが、単官能酸無水物に上記のような反応型リン含有難燃剤を反応させると、酸素原子の近くにリン原子を存在させることができるので、難燃性を向上させることができる。難燃剤は1種のみを用いたり、2種以上を併用したりすることができる。本発明の効果を損なわなければ、単官能酸無水物と反応しない溶融型リン含有難燃剤及び分散型リン含有難燃剤や、リンを含有しない難燃剤を用いてもよい。溶融型リン含有難燃剤は、樹脂組成物に溶け込んで均一系となるものであり、その具体例としては、ホスファゼン等を挙げることができる。分散型リン含有難燃剤は、樹脂組成物に溶け込まずに分散して不均一系となるものであり、その具体例としては、リン酸金属塩であるホスフィン酸アルミニウム等を挙げることができる。
硬化促進剤としては、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)等のイミダゾール系化合物を用いることができる。本発明の効果を損なわなければ、硬化促進剤の含有量は特に限定されない。
さらに樹脂組成物には、無機充填剤等が含有されていてもよい。無機充填剤としては、例えば、球状シリカや破砕シリカ等のシリカや、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等を用いることができる。このような無機充填剤の含有量は、低誘電率化及び低CTE化等のバランスを考慮して適宜決定することができるものであり、特に限定されない。
そして、樹脂組成物は、次のようにして樹脂ワニスとして調製することができる。
まず予備反応させるエポキシ樹脂と単官能酸無水物とを少なくとも配合して溶媒に溶解させたワニス(1次ワニス)を調製する。このとき、1次ワニスには硬化促進剤や非反応性の難燃剤などエポキシ樹脂や単官能酸無水物と直接的に反応しない有機成分も配合することができるが、エポキシ樹脂や単官能酸無水物と反応性を有する他の有機成分(例えば、付加的に他の硬化剤を用いる場合の当該硬化剤や、反応性の難燃剤など)は、1次ワニスには加えず、予備反応の後に配合するようにする。このように、予備反応の後に配合する成分を以下では後配合成分という。1次ワニスは固形分(非溶媒成分)濃度が60〜80質量%となるようにして、これをディスパー等の攪拌機で攪拌しながら60〜80℃で1〜5時間加熱することによって、予備反応を進行させる。これにより、エポキシ樹脂と単官能酸無水物とが反応した予備反応生成物が1次ワニス中に生成する。ここで、予備反応条件である加熱温度及び反応時間と単官能酸無水物の開環率との相関関係を、前述したようにサンプリング等を行って予め実験的に把握しておくとよく、これにより、上記の予備反応条件を調整することで、反応生成物における単官能酸無水物の開環率を10%以上65%未満とすることができる。なお、上記の加熱温度及び加熱時間は一例である。ワニスの調製に用いる溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)等のケトン類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等のように、エポキシ樹脂や単官能酸無水物と反応性を有しない溶媒を用いることができる。一方、アルコール系溶媒のように水酸基を有する溶媒は酸無水物と反応性を有するため使用を避けることが望ましい。そして、上記の後配合成分がない場合には予備反応後の1次ワニスをそのままベースワニスとすることができる。一方、上記の後配合成分がある場合には、後配合成分を1次ワニスに加え、必要に応じて溶媒を追加し混合することで、ベースワニスを調製することができる。なお、ベースワニスとは、無機充填剤等の無機成分を除く、有機成分を配合したワニスである。
その後、無機充填剤等の無機成分を配合しない場合には、ベースワニスをそのまま樹脂ワニスとしてプリプレグの製造に用いることができる。一方、無機成分を配合する場合には、ベースワニスに無機成分を配合し、さらに20〜40℃で1〜3時間攪拌・混合して均一化することによって樹脂ワニスを調製することができる。
本実施形態において、上記のようにして得られた樹脂組成物の樹脂ワニスをガラスクロス等の基材に含浸させ、これを110〜140℃で加熱乾燥し、樹脂ワニス中の溶媒を除去して、樹脂組成物を半硬化させることによってプリプレグを製造することができる。このとき、単官能酸無水物の一部は予めエポキシ樹脂と予備反応して予備反応生成物となっているので、上記の加熱乾燥時においても単官能酸無水物が揮発しにくくプリプレグとして半硬化状態となった樹脂組成物中に大半が残存する。上記の加熱乾燥は、プリプレグのゲルタイムが60〜120秒となるように行うことが好ましい。プリプレグのゲルタイムは、プリプレグから採取した半硬化状態の樹脂組成物を170℃に加熱されたプレート上に置いた直後から上記の樹脂組成物がゲル化するまでの時間である。プリプレグのレジンコンテント(樹脂組成物の含有量)は、プリプレグ全量に対して30〜80質量%であることが好ましい。
本実施形態において、上記のようにして形成されたプリプレグを金属箔と積層して加熱加圧成形することで積層板を製造することができる。例えば、複数枚のプリプレグを重ねると共にこの外側に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって、銅張積層板等の金属張積層板として積層板を製造することができる。積層板においてプリプレグの硬化物は絶縁層を形成する。この絶縁層の樹脂硬化層は、上記樹脂組成物の硬化物で形成されているので、ガラス転移温度を高めて耐熱性を向上させることができる。さらに単官能酸無水物を用いているので、多官能酸無水物を用いる場合に比べて、絶縁層の誘電率を低下させることができると共に、絶縁層と金属箔との密着性が向上し、ピール強度を高めることができる。上記の加熱加圧の条件は、例えば、140〜200℃、0.5〜5.0MPa、40〜240分間である。
上記のようにして得られた積層板に導体パターンを形成することによってプリント配線板を製造することができる。例えば、サブトラクティブ法を使用して金属張積層板の表面に導体パターンを形成することによって、プリント配線板を製造することができる。さらにこのプリント配線板をコア材(内層材)として用いると、多層プリント配線板を製造することができる。すなわち、コア材の導体パターン(内層パターン)を黒色酸化処理等で粗面化処理した後、このコア材の表面にプリプレグを介して金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形する。このときの加熱加圧の条件も、例えば、140〜200℃、0.5〜5.0MPa、40〜240分間である。次に、ドリル加工による穴あけ及びデスミア処理を行った後、サブトラクティブ法を使用して導体パターン(外層パターン)を形成すると共に穴の内壁にめっき処理を行ってスルーホールを形成することによって、多層プリント配線板を製造することができる。なお、プリント配線板の層数は特に限定されない。
上記のプリント配線板においては、絶縁層の誘電率が低下しているので、上記の導体パターンで信号を伝達するにあたって、信号速度を高速化して大量の情報を高速で処理することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(エポキシ樹脂)
エポキシ樹脂として以下のものを用いた。
ナフタレン型エポキシ樹脂であるDIC株式会社製「HP9500」(エポキシ当量:230g/eq、軟化点:106℃)
リン含有エポキシ樹脂である新日鉄住金化学株式会社製「FX−289−P」(エポキシ当量:390g/eq、リン含有率:3.5wt%)
(硬化剤)
硬化剤として以下のものを用いた。
単官能酸無水物である新日本理化株式会社製「リカシッド MH−700」(4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸=70/30)(液状脂環式酸無水物、酸無水物当量:161〜166g/eq、中和価:660〜675KOHmg/g、凝固点:20℃)
単官能酸無水物である新日本理化株式会社製「リカシッド HNA−100」(メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物)(液状脂環式酸無水物、酸無水物当量:174〜184g/eq、凝固点−5℃以下)
脂環式多官能酸無水物であるDIC株式会社製「B−4500」(粉末状酸無水物、酸無水物当量:132g/eq)
多官能酸無水物であるCRAY VALLEY社製「SMA 2000」(スチレン:無水マレイン酸=2:1であるスチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン無水マレイン酸レジン、中和価:355KOHmg/g、重量平均分子量:7500)
多官能酸無水物であるCRAY VALLEY社製「SMA EF−30」(スチレン:無水マレイン酸=3:1であるスチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン無水マレイン酸レジン、中和価:280KOHmg/g、重量平均分子量:9500)
(難燃剤)
難燃剤として以下のものを用いた。
溶融型リン含有難燃剤である大塚化学株式会社製「SPB−100」(ホスファゼン、リン含有量:13wt%)
分散型リン含有難燃剤であるクラリアントジャパン株式会社製「OP−935」(ホスフィン酸アルミニウム、リン含有量:23wt%)
反応型リン含有難燃剤であるDIC株式会社製「HPC−9100」(リン含有量:10〜11wt%、軟化点:133〜147℃)
反応型リン含有難燃剤であるケムチュラ・ジャパン株式会社製「Emerald 2000」(リン含有量:9.8wt%)
(硬化促進剤)
硬化促進剤として以下のものを用いた。
2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)
(無機充填剤)
無機充填剤として以下のものを用いた。
溶融破砕シリカであるシベルコ・ジャパン株式会社製「Megasil 525」
水酸化アルミニウムである住友化学株式会社製「CL−303M」
(樹脂組成物)
実施例1〜18、比較例1、2、6、7では、上記のエポキシ樹脂、単官能酸無水物及び硬化促進剤を表1及び表2に示す配合量(質量部)で配合し、溶媒(MEK)で固形分(非溶媒成分)濃度が60〜80質量%となるように希釈して、これをディスパーで攪拌しながら60〜80℃で1〜5時間加熱することによって、エポキシ樹脂と単官能酸無水物の一部とが反応した予備反応生成物を含む1次ワニスを調製した。この1次ワニスの加熱前後の赤外線吸収スペクトルを測定して、酸無水物の開環率を算出した。その結果を表1及び表2に示す。さらに上記の1次ワニスに難燃剤を表1及び表2に示す配合量(質量部)で配合し、攪拌・混合して均一化することによって、ベースワニスを調製した。
比較例3〜5では、上記のエポキシ樹脂、硬化剤、難燃剤及び硬化促進剤を表1及び表2に示す配合量(質量部)で配合し、溶媒(MEK)で固形分(非溶媒成分)濃度が60〜80質量%となるように希釈して、これをディスパーで攪拌しながら20〜40℃で1〜3時間攪拌・混合して均一化することによって、ベースワニスを調製した。
次にベースワニスに無機充填剤を表1及び表2に示す配合量(質量部)で配合し、さらに20〜40℃で1〜3時間攪拌・混合して均一化することによって、実施例1〜18及び比較例1〜7の樹脂ワニスを調製した。なお、比較例2の樹脂ワニスはゲル化してプリプレグを製造することができなかった。
(プリプレグ)
プリプレグは、上記の樹脂組成物の樹脂ワニスを基材であるガラスクロス(日東紡績(株)製「7628タイプクロス」)に含浸させ、これを非接触タイプの加熱ユニットにより110〜140℃で加熱乾燥し、樹脂ワニス中の溶媒を除去して、樹脂組成物を半硬化させることによって製造した。プリプレグのレジンコンテント(樹脂組成物の含有量)は、プリプレグ全量に対して65〜75質量%である。
(積層板)
積層板は、8枚のプリプレグ(340mm×510mm)を重ねると共にこの両側に粗化面を内側にして銅箔(三井金属鉱業株式会社製、厚み18μm、ST箔)を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって、銅張積層板として製造した。加熱加圧の条件は、180℃、2.94MPa、60分間である。なお、比較例1のプリプレグでは積層板を製造することができなかった。
(ガラス転移温度)
セイコーインスツル株式会社製粘弾性スペクトロメータ「DMS6100」を用いて、プリプレグのガラス転移温度を測定した。具体的には、曲げモジュールで周波数を10Hzとして測定を行い、昇温速度5℃/分の条件で室温から280℃まで昇温した際のtanαが極大を示す温度をガラス転移温度とした。
(比誘電率(Dk))
Hewlett-Packard社製「インピーダンス/マテリアルアナライザー4291A」を用いて、1GHzにおける銅張積層板の比誘電率をIPC−TM−650 2.5.5.9に準じて測定した。
(ピール強度)
銅張積層板の表面の銅箔の引きはがし強さをJIS C 6481に準拠して測定した。すなわち、銅箔を毎分約50mmの速さではがし、そのときの引きはがし強さ(kN/m)をピール強度として測定した。
(難燃性)
板厚が0.8mm、1.2mm、1.6mmの銅張積層板をプリプレグの枚数を調整して上記と同様に製造した。各銅張積層板の表面の銅箔をエッチングにより除去した後、UnderwritersLaboratoriesの”Test for Flammability of Plastic Materials−UL 94”に準じて難燃性試験を行って、難燃性を評価した。V−0を満たすものが「OK」、満たさないものが「NG」である。表1及び表2では、板厚とその板厚でV−0を満たすか否かを示す。
Figure 0006252929
Figure 0006252929
表1及び表2から明らかなように、各比較例のものに比べて、各実施例のものは、ガラス転移温度が高く、誘電率が低く、ピール強度が高く、難燃性が総じて高く、各特性が良好なレベルでバランスよく得られていることが確認された。
一方、予備反応での単官能酸無水物の開環率が5%というように低い比較例1では、積層板の製造時において、プリプレグ同士の層間や、プリプレグと銅箔との間での密着性が非常に低く、剥離等を生じていたため、性能評価できる積層板を得ることができなかった。単官能酸無水物の大半が未反応のモノマー状態で残存し、単官能酸無水物の揮発に起因して硬化不足や成形不良を生じたものと推察される。
また、予備反応での単官能酸無水物の開環率が65%と大きい比較例2では、ワニスがゲル化し、プリプレグを製造することができなかった。
また、硬化剤として単官能酸無水物を用いずに多官能酸無水物を用いた比較例3では、ガラス転移温度が低く、誘電率(Dk)がやや高めであった。
また、硬化剤として単官能酸無水物を用いずにSMAを用いた比較例4、5では、各実施例と同等に低誘電率であったものの、ガラス転移温度が低く、ピール強度が劣るものであった。
また、エポキシ樹脂に対する単官能酸無水物の当量比が0.5未満の比較例6では、硬化剤としての単官能酸無水物が不足して硬化不足となり樹脂組成物の硬化物の架橋密度が低くなっていると推察される。それゆえ、ガラス転移温度が低く、難燃性も低下したと考えられる。
また、エポキシ樹脂に対する単官能酸無水物の当量比が1.5を超える比較例7では、単官能酸無水物が過剰に含まれているため、未反応の単官能酸無水物が残存してガラス転移温度が低下したと考えられ、また、酸素原子を多く含む単官能酸無水物が多いため、難燃性も低下したと考えられる。さらに、エポキシ樹脂と酸無水物の1次反応で生成するカルボキシル基等の極性基が、3次元架橋反応に寄与せず残存している割合が大きくなって、誘電率もやや大きくなったものと考えられる。

Claims (2)

  1. エポキシ樹脂と単官能酸無水物とを1:0.5〜1.5の当量比で配合し、予備反応を進行させることで予備反応生成物を生成する工程と、
    前記予備反応生成物に無機充填剤を配合する工程と、を含み、
    前記予備反応生成物中の前記単官能酸無水物の開環率が10%以上65%未満であることを特徴とする樹脂組成物の製造方法。
  2. 前記予備反応は、60〜80℃の温度で行われることを特徴とする請求項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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