本発明の実施形態に係る管理装置1は、図1に示すように、通信部10と、記憶部12と、制御部11とを備える。通信部10は、1乃至複数の機器2(図2参照)との間で通信チャネルを用いて無線通信を行う。記憶部12は、無線通信の通信品質の基準を機器2毎に記憶する。制御部11は、判定処理と、チャネル変更処理とを実行する。判定処理は、通信チャネルを変更するか否かを判定する。チャネル変更処理は、通信チャネルを変更すると判定すると通信チャネルを現在使用している第1チャネルから第2チャネルに変更する。そして、制御部11は、判定処理において、無線通信の通信品質を表す品質情報を取得する取得処理と、品質情報と基準とを機器2毎に比較する比較処理とを実行し、品質情報が基準を満たさない場合に通信チャネルを変更すると判定する。
また、本発明の実施形態に係る管理システム100は、図2に示すように、管理装置1と、1乃至複数の機器2とを備える。
以下、本実施形態の管理装置1及び管理システム100について詳細に説明する。但し、以下に説明する構成は、本発明の一例に過ぎず、本発明は下記の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
本実施形態の管理システム100は、図2に示すように、1台の管理装置1と、1乃至複数の機器2とを備える。この管理システム100は、電気事業者から電力を受ける需要家(Customer’s Facility)において使用される。なお、電気事業者は、電力会社に代表されるが、他の発電事業者などでもよい。また、本実施形態の管理システム100では、管理装置1と1乃至複数の機器2との間で通信ネットワークを構築しており、電波を伝送媒体とする無線通信を行っている。この無線通信に用いる通信チャネルは、所定の周波数帯(例えば、2.4GHz帯や920MHz帯など)を複数の区間に区分したチャネルから何れか1つのチャネルを選択している。
機器2は、需要家において使用される任意の設備や装置である。また、機器2は、管理装置1との間で無線通信を行う機能を有している。本実施形態の管理システム100では、機器2として、空調設備(例えば、エアコン)20と、換気設備21とが用いられている。また、機器2として、他の機器2が使用している電力を計測する計測装置22が用いられている。
計測装置22は、分電盤3の主幹回路の使用電力と、分電盤3において分岐された分岐回路毎の使用電力とを計測する機能を有している。図2では、計測装置22は分電盤3に収納されているが、分電盤3と隣接するように配置してもよい。また、計測装置22は、主幹回路の使用電力を計測する装置と、分岐回路毎の使用電力を計測する装置とに分かれていてもよい。
なお、機器2をこれらの設備や装置に限定する趣旨ではなく、その他の設備や装置を含んでいてよい。例えば、機器2としては、空気清浄器や電磁調理器(IHクッキングヒータ)などの家電や、温度センサや空気質センサなどを含んでいてよい。また、機器2としては、需要家で使用される水やガスの量等を測定する装置を含んでいてもよい。
管理装置1は、例えば機器2と通信することにより、機器2に運転状態を指示し、また機器2から運転状態を取得する。すなわち、管理装置1は、例えば機器2の制御及び監視を行う装置であり、いわゆるHEMS(Home Energy Management System)コントローラのようなエネルギー管理装置として機能する。
以下、管理装置1の一例としてエネルギー管理装置1、管理システム100の一例としてエネルギー管理システム100について具体的に説明する。
エネルギー管理装置1は、図1に示すように、通信部10と、制御部11と、記憶部12と、指示部13と、電力取得部14とを有している。なお、図1に示すエネルギー管理装置1は、本発明に係る技術的思想を説明するために必要な部分のみを記載している。
通信部10は、機器2(ここでは、空調設備20、換気設備21、計測装置22)との間で無線通信を行う通信インタフェースを有している。また、通信部10は、通信ネットワークNT1に接続するための通信インタフェースも有している。この通信インタフェースには、ブロードバンドルータ4が接続されている。また、ブロードバンドルータ4には、例えばインターネットのような電気通信網NT2が接続されている。その他、ブロードバンドルータ4には、テレビジョン受像機(図示せず)やパーソナルコンピュータ(図示せず)などの装置が接続されていてもよい。
エネルギー管理装置1は、電気通信網NT2を通してウェブサーバ5と通信することが可能である。ウェブサーバ5は、天気予報など情報提供、エネルギー管理装置1の機能の更新といったサービスを提供する。また、エネルギー管理装置1は、電気事業者、あるいは電気事業者がサービスの提供を委託しているサービス提供事業者が管理するウェブサーバ5から電力削減要求などを受け付ける場合もある。
指示部13は、通信部10を通して、1乃至複数の機器2のそれぞれに運転状態を指示する。例えば、指示部13は、空調設備20に対して設定温度を所定の温度に設定するように指示する。電力取得部14は、通信部10を通して、各機器2が使用する電力を計測装置22から取得する。なお、電力取得部14が取得する電力は、規定のサンプリング時間(例えば、30秒、1分、5分など)毎の電力量である。
本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11、指示部13、電力取得部14は、例えばCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを備えたデバイスでプログラムを実行することで実現している。そして、CPUで実行されるプログラムは、記憶部12(メモリ)に格納されている。なお、制御部11、指示部13、電力取得部14は、メモリを内蔵するマイコン(マイクロコントローラ)で構成してもよい。この構成の場合は、記憶部12はマイコンの内蔵メモリで代用してもよい。
また、エネルギー管理装置1は、現在使用している通信チャネル(第1チャネル)における無線通信の通信品質を機器2毎に計測し、品質情報として記憶部12に記憶する機能を有している。品質情報としては、例えばPER(Packet Error Rate,:パケットエラー率)や、CCA(Clear Channel Assessment:空きチャネル評価)の成功回数(又はCCA成功率)などが挙げられる。その他、品質情報としては、例えば再送エラーの回数や、定期監視時のエラーの回数などが挙げられる。ここで、再送エラーとは、例えばエネルギー管理装置1が機器2に対して何らかの信号を送信して応答を求めたときに、一定時間を経過しても機器2からの応答が無く、エネルギー管理装置1が信号を再度送信する事象である。また、定期監視時のエラーとは、エネルギー管理装置1が定期的に生存を確認するための信号を機器2に対して送信して応答を求めたときに、一定時間を経過しても機器2からの応答がない事象である。
さらに、エネルギー管理装置1は、機器2毎に設定された無線通信の通信品質の基準(以下、単に「基準」と称する)を記憶部12に記憶する機能を有している。基準は、上述の品質情報と対応し、例えば空調設備20の品質情報がPERであれば、空調設備20の基準もPERとなる。制御部11は、後述する比較処理において、機器2毎に品質情報と基準とを比較することで、エネルギー管理装置1と機器2との間の通信品質が良好であるか否かを判定する。
ここで、エネルギー管理システムでは、エネルギー管理装置が空調設備などの1乃至複数の機器との間で無線通信を行っているため、通信頻度が高い。そして、このようなエネルギー管理システムは、多数の需要家毎に導入されることが想定される。このため、近隣のエネルギー管理システムが、通信チャネルの候補となるチャネルの数よりも多く存在する場合がある。また、エネルギー管理システムの他にも、通信プロトコルが異なるシステムが近隣に存在する可能性もある。すると、任意のエネルギー管理システムにおいて通信品質が劣化して通信チャネルを変更する場合に、候補となる他のチャネルが既に近隣のシステムに用いられている可能性が高い。この場合、エネルギー管理装置は、単純に空きチャネルを探索するだけでは、近隣のシステムと干渉し難い通信チャネルを選択することが困難である。
そこで、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11が、通信チャネルを変更するか否かを判定する判定処理を実行する。そして、制御部11は、通信チャネルを変更すると判定すると、通信チャネルを現在使用しているチャネル(第1チャネル)から第2チャネルに変更するチャネル変更処理を実行する。
以下、制御部11による判定処理及びチャネル変更処理について説明する。先ず、判定処理について図3を用いて説明する。制御部11は、後述する不適合回数をリセット(初期化)して零にする処理を実行する(S1)。次に、制御部11は、マイコンに内蔵のタイマ等を用いて所定の期間を計時する処理を実行する(S2)。所定の期間が経過すると、制御部11は、エネルギー管理システム100に含まれる全ての機器2の品質情報を取得する取得処理を実行する(S3)。本実施形態のエネルギー管理装置1は、機器2毎の品質情報を記憶部12に記憶している。したがって、‘S3’の取得処理において、制御部11は、所定の期間内に計測された機器2毎の品質情報を記憶部12から読み出す処理を実行する。
なお、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、‘S3’の取得処理において、エネルギー管理システム100に含まれる全ての機器2の品質情報を取得する処理を実行するが、この処理に限定する趣旨ではない。例えば、制御部11は、‘S3’の取得処理において、エネルギー管理システム100に含まれる機器2のうち、通信頻度が高い等の優先順位の高い1乃至複数の機器2の品質情報を取得する処理を実行してもよい。
次に、制御部11は、取得した機器2の品質情報と、記憶部12に記憶してある対応する基準とを機器2毎に比較する比較処理を実行する(S4)。ここで、‘S4’の比較処理について説明する。本実施形態のエネルギー管理装置1では、全ての機器2に対して同じ基準を設定するのではなく、例えば図4Aに示すように、機器2毎に基準を設定している。図4Aには、機器2の例として、‘計測装置’、‘家電’、‘センサ’を挙げている。さらに、‘家電’の一例として‘エアコン’と‘電磁調理器’を挙げており、‘センサ’の一例として‘温度センサ’を挙げている。もちろん、機器2の種類をこれらの機器2に限定する趣旨ではない。また、図4Aでは、品質情報の一例としてPERを挙げている。ここでは、‘計測装置’のPERの基準を0.5%、‘家電’のPERの基準を10.0%、‘センサ’のPERの基準を20.0%に設定している。もちろん、機器2の基準をPERに限定する趣旨ではなく、また、これらの値に限定する趣旨ではない。さらに、図4Aでは、機器2毎の通信頻度を挙げている。ここでは、‘計測装置’の通信頻度を‘高’、‘家電’の通信頻度を‘中’、‘センサ’の通信頻度を‘低’に設定している。もちろん、機器2毎の通信頻度をこれらの値に限定する趣旨ではない。
図4Aでは、制御部11が取得した‘エアコン’の品質情報(PER)は8.0%であり、基準の10.0%を満たしている。また、制御部11が取得した‘電磁調理器’の品質情報(PER)は5.0%であり、基準の10.0%を満たしている。さらに、制御部11が取得した‘温度センサ’の品質情報(PER)は7.0%であり、これも基準の20.0%を満たしている。一方、制御部11が取得した‘計測装置’の品質情報(PER)は0.8%であり、基準の0.5%を満たしていない。つまり、図4Aでは、‘エアコン’、‘電磁調理器’、‘温度センサ’の各々とエネルギー管理装置1との間の通信品質は良好であるが、‘計測装置’とエネルギー管理装置1との間の通信品質が劣化している。したがって、制御部11は、第1チャネルが通信チャネルとしては不適合であると判定する。
なお、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、‘S4’の比較処理において、上述のように少なくとも1台の機器2の品質情報が基準を満たさない場合に第1チャネルが不適合であると判定しているが、この判定に限定する趣旨ではない。例えば、制御部11は、‘S4’の比較処理において、2台以上の機器2の品質情報が各々の基準を満たさない場合に、第1チャネルが不適合であると判定してもよい。また、制御部11は、‘S4’の比較処理において、通信頻度の高低(図4A参照)や通信内容の重要度に応じて機器2毎に優先度を設定し、優先度の高低に応じて第1チャネルが不適合であるか否かを判定してもよい。例えば、通信頻度の高い(優先度の高い)‘計測装置’の品質情報が基準を満たさない場合は、他の機器2の品質情報が全て各々の基準を満たしていたとしても、第1チャネルが不適合であると判定してもよい。また、通信頻度の低い(優先度の低い)‘温度センサ’の品質情報が基準を満たさない場合は、他のセンサの品質情報が全て各々の基準を満たしていれば、第1チャネルが不適合ではないと判定してもよい。
‘S4’の比較処理の結果により、制御部11は、不適合回数を増減する処理を実行する。なお、「不適合回数」とは、‘S4’の比較処理により第1チャネルが不適合であると判定された回数を表す。第1チャネルが不適合でない場合、制御部11は、不適合回数が‘1’以上であるか否かを判定する(S5)。不適合回数が‘1’以上であれば、不適合回数を‘1’減らす処理を実行する(S6)。なお、不適合回数が零であれば、この処理を行わない。そして、制御部11は、再び‘S2’〜‘S4’の処理を実行する。一方、第1チャネルが不適合である場合、制御部11は、不適合回数を‘1’増やす処理を実行する(S7)。
‘S7’の処理の後、制御部11は、不適合回数が所定の回数(例えば、2回)以上であるか否かを判定する処理を実行する(S8)。不適合回数が所定の回数を超えていない場合、制御部11は、再び‘S2’〜‘S4’の処理を実行する。一方、不適合回数が所定の回数以上の場合、制御部11は、第1チャネルを不適合チャネルとして記憶部12に記憶させる処理を実行する(S9)。そして、制御部11は、判定処理を終え、チャネル変更処理を実行する(S10)。つまり、制御部11は、不適合回数が所定の回数を超えるまでは‘S2’〜‘S8’の処理を繰り返し実行し、不適合回数が所定の回数以上になると‘S9’,‘S10’の処理を実行する。
次に、チャネル変更処理について図5を用いて説明する。先ず、制御部11は、通信チャネルの候補となるチャネル(以下、「候補チャネル」と称する)のリストを記憶部12から読み出す処理を実行する(S11)。次に、制御部11は、候補チャネル毎に応答を要求する要求信号を送信する処理を実行する(S12)。
‘S12’の処理において、制御部11は、候補チャネルのリストのうち、不適合チャネルを除いた全てのチャネルについて処理を実行する。図4Bに、候補チャネル(‘CH1’,‘CH2’,…)のリストの一例を示す。図4Bでは、候補チャネルの適合性を表しており、候補チャネルのうち適合チャネルを‘OK’、不適合チャネルを‘NG’で表している。図4Bでは、‘CH3’,‘CH4’は不適合チャネルであるため、制御部11は、‘CH3’,‘CH4’については‘S10’の処理を実行しない。
その後、制御部11は、要求信号に対する応答信号を送信してくる他のエネルギー管理装置1の数を候補チャネル毎に計数する処理を実行する(S13)。また、制御部11は、他のエネルギー管理装置1が記憶する不適合チャネルを含むチャネル情報を取得する処理を実行する(S14)。上述の‘S12’〜S14’の処理は、候補チャネルを使用している他のエネルギー管理装置1を探索する探索処理である。本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、探索処理として、IEEE.802.15.4規格に準拠したアクティブスキャンを実行する。
以下、アクティブスキャンのフローについて図6を用いて説明する。以下の説明において、住宅A1は、チャネル変更処理を実行するエネルギー管理装置1を有する住宅を指す。また、他の住宅A2,A3,…,An(‘n’は自然数)は、住宅A1のエネルギー管理装置1の通信範囲内に存在する住宅を指す。なお、住宅A1〜Anは、一戸建てや、マンション等の集合住宅の住戸などである。
先ず、住宅A1のエネルギー管理装置1の制御部11は、候補チャネルのリストから任意の候補チャネルを指定し、指定した候補チャネルを用いて要求パケット(要求信号)をブロードキャスト(つまり、不特定多数に向けて送信)する。要求パケットを受信したエネルギー管理装置1(ここでは、他の住宅A2〜Anのうち住宅A2,A3,Anのエネルギー管理装置1)の制御部11は、応答パケット(応答信号)を住宅A1のエネルギー管理装置1に向けて送信する。このとき、応答パケットを送信するエネルギー管理装置1の制御部11は、応答パケットのペイロードにチャネル情報を含める。チャネル情報には、エネルギー管理装置1が記憶する不適合チャネルのリストや、無線通信の通信品質を表す品質情報(例えば、ED(Energy Detect)値、通信失敗率など)が含まれる。ここでは、不適合チャネルのリストと、通信失敗率とをチャネル情報として、応答パケットのペイロードに含めている。住宅A1のエネルギー管理装置1の制御部11は、他の住宅A2,A3,Anから送信された応答パケットを受信し、応答パケットに含まれるチャネル情報を取得する。そして、住宅A1のエネルギー管理装置1の制御部11は、候補チャネルのリストから次の候補チャネルを指定し、上記のフローを繰り返す。アクティブスキャンは、候補チャネルのリストに含まれる全ての候補チャネルに対して実行される。
‘S12’〜‘S14’の処理結果の一例を図7に示す。図7では、候補チャネルを‘CH1’,‘CH2’,‘CH5’,‘CH6’,…で表している。図7において、‘応答パケット数’は、住宅A1のエネルギー管理装置1が受信した応答パケットの数を候補チャネル毎に表している。つまり、‘応答パケット数’は、他の住宅A2〜Anのエネルギー管理装置1のうち応答パケットを返信してきたエネルギー管理装置1の数を表している。さらに、換言すれば、‘応答パケット数’は、住宅A1のエネルギー管理装置1の通信範囲において、指定した候補チャネルを使用しているエネルギー管理装置1の数を表している。例えば、図7では、‘CH1’を使用しているエネルギー管理装置1が10台存在し、‘CH2’を使用しているエネルギー管理装置1が11台存在していることを表している。
図7では、‘チャネル情報’は、‘不適合チャネル数’と‘品質情報’(ここでは、‘通信失敗率’)との2つに大別される。‘不適合チャネル数’は、住宅A1のエネルギー管理装置1が受信した応答パケットに含まれる不適合チャネルのリストに基づいた、チャネル毎の不適合チャネルの総計を表している。‘品質情報’は、住宅A1のエネルギー管理装置1が受信した応答パケットに含まれる品質情報の平均値を表している。なお、図7に示すチャネル情報は一例であり、‘通信失敗率’の代わりに他の品質情報(例えば、PER、CCA成功率、再送エラー回数など)を含んでいてもよい。
‘S12’〜‘S14’の処理(探索処理)を実行した後、制御部11は、その結果に基づいて第2チャネルを選択する処理を実行する(S15)。ここでは、制御部11は、‘応答パケット数’と‘不適合チャネル数’との和が最小値となる候補チャネルを第2チャネルとして選択する処理を実行する。‘応答パケット数’や‘不適合チャネル数’が小さければ、候補チャネルの通信品質が良いと考えられるからである。図7では、‘CH1’が第2チャネルの候補となるので、制御部11は‘CH1’を第2チャネルとして選択する。すなわち、本実施形態のエネルギー管理装置1では、チャネル変更処理において、不適合チャネルと判定された第1チャネルよりも通信品質が高いと推定される第2チャネルを選択する。
なお、図7では、‘応答パケット数’と‘不適合チャネル数’との和の最小値が、‘CH1’と‘CH2’とで1しか違わない。このように最小値が±1しか違わない場合、制御部11は、さらに通信失敗率を参照して、通信失敗率の低い‘CH1’を第2チャネルとして選択する処理を実行してもよい。また、‘S15’の処理は上記の処理に限定されず、その他の条件に基づいて第2チャネルを選択する処理を実行してもよい。例えば、制御部11は、通信失敗率とは異なる品質情報(再送エラー回数など)を参照して、第2チャネルを選択する処理を実行してもよい。
第2チャネルを選択すると、制御部11は、第2チャネルをエネルギー管理システム100に含まれる全ての機器2に対して通知する処理を実行する(S16)。通知を受けた機器2は、通信チャネルを第1チャネルから第2チャネルに変更する処理を実行する。そして、制御部11は、通信チャネルを第1チャネルから第2チャネルに変更する処理を実行し(S17)、チャネル変更処理を終了する。
上述のように、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、通信チャネルを変更するか否かを判定する判定処理を実行する。また、制御部11は、通信チャネルを変更すると判定すると、通信チャネルを現在使用しているチャネル(第1チャネル)から第2チャネルに変更するチャネル変更処理を実行する。そして、制御部11は、判定処理において、無線通信の通信品質を表す品質情報が基準を満たすか否かを、機器2毎に設定された基準に基づいて判定する。したがって、本実施形態のエネルギー管理装置1では、無線通信の通信品質を従来例と比較してより細かく判定することができるので、エネルギー管理装置1と機器2との間の通信品質を高めることができる。また、本実施形態のエネルギー管理装置1は、単に空きチャネルを探索する場合と比較して、近隣のシステムと干渉し難い通信チャネルを選択することができる。
なお、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、所定の期間毎に取得処理(‘S3’の処理)を実行している。そして、制御部11は、比較処理(‘S4’の処理)において所定の回数連続して品質情報が基準を満たさない場合に通信チャネルを変更すると判定しているが、このような処理を実行するか否かは任意である。例えば、制御部11は、比較処理において、1回だけ品質情報が基準を満たさない場合に通信チャネルを変更すると判定してもよい。
なお、記憶部12は、基準、所定の期間、所定の回数の少なくとも1つを外部から変更可能なパラメータとして記憶する構成でもよい。この構成では、通信環境の変化に応じて基準、所定の期間、所定の回数を変更することで、制御部11が適切な判定処理を実行することが可能となる。例えば、所定の期間を短く設定すれば、一時的なノイズにより無線通信の通信品質が劣化した場合、通信品質の劣化を取得処理及び比較処理により直ぐに判定できるので、通信チャネルを迅速に変更することが可能となる。記憶部12は、これらパラメータを例えばウェブサーバ5を介して変更できるように構成してもよい。
ところで、本実施形態のエネルギー管理装置1では、チャネル変更処理において、制御部11は、通信チャネルの候補となる候補チャネル毎に応答を要求する要求信号を送信する処理を実行している。また、制御部11は、要求信号に対する応答信号を送信してくる他のエネルギー管理装置1の数を複数の候補チャネル毎に計数する処理を実行している。すなわち、制御部11は、候補チャネルを使用している他のエネルギー管理装置1を探索する処理を実行している。しかしながら、この処理のみでは、他のエネルギー管理装置1の周辺の通信環境(例えば、通信プロトコルの異なる装置の存在やノイズの影響など)を考慮していないので、通信チャネルを通信品質の高いチャネルに変更できない可能性がある。
そこで、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、通信チャネルを変更する場合に第1チャネルを不適合チャネルとして記憶部12に記憶させる処理を実行している。また、制御部11は、チャネル変更処理において、他のエネルギー管理装置1が記憶する不適合チャネルを含むチャネル情報を取得する処理と、他のエネルギー管理装置1の数及びチャネル情報に基づいて第2チャネルを選択する処理とを実行する機能を有している。さらに、制御部11は、要求信号を送信するエネルギー管理装置1に向けてチャネル情報を送信する機能を有している。
このため、制御部11は、チャネル変更処理において、他のエネルギー管理装置1が記憶する不適合チャネルを参照することができる。そして、制御部11は、不適合チャネルを参照することで、他のエネルギー管理装置1の周辺の通信環境(例えば、通信プロトコルの異なる装置の存在やノイズの影響など)を考慮することができる。したがって、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、他のエネルギー管理装置1の周辺の通信環境を考慮して通信チャネルを変更することが可能になる。なお、このような処理を採用するか否かは任意である。
また、不適合チャネルを記憶部12に記憶させる処理を採用する場合は、記憶部12は、不適合チャネルを消去可能なパラメータとして記憶する構成であるのが望ましい。この構成では、通信環境の変化に応じて不適合チャネルを候補チャネルに復帰させることができるので、不適合チャネルの信頼性を高めることができる。記憶部12は、このパラメータを例えばウェブサーバ5を介して変更できるように構成してもよい。また、記憶部12は、このパラメータを定期的に消去するように構成してもよい。
また、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、チャネル変更処理において、通信チャネルの候補となる複数の候補チャネルのうち不適合チャネルを除いたチャネルから、第2チャネルを選択する処理を実行している。この処理では、既に通信品質が劣化していると判定されているチャネルが通信チャネルの候補から除外されるため、通信品質の高いチャネルを第2チャネルとして選択する精度を向上させることができる。なお、このような処理を採用するか否かは任意である。
また、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、要求信号を受信したときに、品質情報をチャネル情報に含めて送信している。このため、チャネル変更処理を実行するエネルギー管理装置1では、品質情報を用いることで、通信品質の高いチャネルを第2チャネルとして選択する精度を向上させることができる。なお、このような処理を採用するか否かは任意である。
さらに、本実施形態のエネルギー管理装置1では、制御部11は、要求信号を受信したときに、応答信号としてパケット(応答パケット)を送信し、当該パケットのペイロードにチャネル情報を含める処理を実行している。この処理では、要求信号に対する応答とチャネル情報の送信とを兼ねることができるため、チャネル変更処理に要する時間を短縮することができる。なお、このような処理を採用するか否かは任意である。
なお、制御部11は、応答パケット(応答信号)を受信したときに、応答パケットのRSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)を計測し、このRSSIが所定の閾値を上回るとチャネル情報を取得する処理を実行してもよい。所定の閾値は、予め記憶部12に記憶させるのが望ましい。この処理では、他のエネルギー管理装置1のうち、通信状態の良好なエネルギー管理装置1からのチャネル情報のみを取得するため、チャネル変更処理において信頼性の高いチャネル情報を参照することができる。したがって、この構成では、より精度良く第2チャネルを選択することが可能になる。
ところで、本実施形態のエネルギー管理システム100では、エネルギー管理装置1が無線通信の通信品質を計測して品質情報として記憶しているが、1乃至複数の機器2それぞれが無線通信の通信品質を計測して品質情報として記憶する構成であってもよい。この場合、エネルギー管理装置1の制御部11は、‘S3’の取得処理において、無線通信により1乃至複数の機器2に対して品質情報を要求することで、品質情報を取得すればよい。機器2が記憶する品質情報としては、例えばPER(Packet Error Rate,:パケットエラー率)や、CCA(Clear Channel Assessment:空きチャネル評価)の成功回数(又はCCA成功率)などが挙げられる。その他、品質情報としては、例えば再送エラーの回数や、定期監視時のエラーの回数などが挙げられる。ここで、再送エラーとは、例えば機器2がエネルギー管理装置1に対して何らかの信号を送信して応答を求めたときに、一定時間を経過してもエネルギー管理装置1からの応答が無く、機器2が信号を再度送信する事象である。また、定期監視時のエラーとは、エネルギー管理装置1が定期的に生存を確認するための信号を機器2に対して送信するときに、一定時間を経過してもエネルギー管理装置1からの信号を機器2が受信しない事象である。
また、本実施形態のエネルギー管理システム100において、1乃至複数の機器2は、品質情報をエネルギー管理装置1に向けて送信すると、品質情報を消去する機能を有していてもよい。この機能の一例について説明する。判定処理において、エネルギー管理装置1は、機器2に対して品質情報を要求する処理を実行する。機器2は、この要求をトリガとして、品質情報をエネルギー管理装置1に向けて送信した後に品質情報を消去する。この構成では、判定処理毎に古い品質情報が消去されるので、制御部11は新しい品質情報を用いて判定処理を実行することができ、機器2とエネルギー管理装置1との間の通信品質をより精度良く判定することができる。
また、本実施形態のエネルギー管理システム100において、1乃至複数の機器2は、電源を遮断する際に、その旨をエネルギー管理装置1に通知する機能を有していてもよい。例えば、空調設備20が、ユーザにより電源を遮断される、又は予め設定された時間の経過により電源を遮断されると仮定する。このとき、空調設備20は、電源を遮断する処理を実行する前に、電源が遮断される旨をエネルギー管理装置1に通知する。この構成では、機器2が動作しているか否かをエネルギー管理装置1が把握することができる。したがって、エネルギー管理装置1は、判定処理において、電源の入っていない機器2を除外することができ、当該機器2の品質情報が基準を満たさないと誤って判定されるのを回避することができる。このため、エネルギー管理装置1が誤って通信チャネルを変更したり、現在使用しているチャネル(第1チャネル)を誤って不適合チャネルとして登録したりするのを回避することができる。